お問合せ、ご相談は、下記の労働センターの労働相談窓口まで。URL http://www.pref.kanagawa.jp/docs/k5n/cnt/f7579/index.htmlかながわ労働センター (045)633-6110(代)/川崎支所(044)833-3141/ 発行 神奈川県かながわ労働センター県央支所(046)296-7311/湘南支所(0463)22-2711(代) 横浜市中区寿町1-4 〒231-8583
かながわ労働センター
・なぜ、作成する必要があるのか。
就業規則を作るには
労働問題対処ノウハウ集 90
・何を規則に定めてよいかわからない。
・相当費用がかかりそうだ。金銭的な余裕がない。
基本のきほん
◎就業規則とは
就業規則とは、従業員にどのような条件で働いてもらうのか、労働条件の具体的細目と労使が守るべき職場の規律を定めた、いわば「職場のルールブック」です。
◎就業規則など「いらない」という声
経営者の中には、「私自身がルールブック。誰の指示も受けない、何ものにも拘束されない」、「家族的な経営で気心が知れているから規則などいらない」、「作った方がよいとは思うが、時間もカネもないし、なくても不自由しない」などという方もいるようです。
従業員も「何事も社長に任せている」、「わざわざコトを荒立ててまで作ってほしいとは思わない」などと考えているかもしれません。
確かに小規模の事業所では、お互いにあうんの呼吸で気持ちが通じ、規則など煩わしいかもしれません。 しかし、さまざまな人間が働く事業所においては、労働条件が明確になっていないと労使間にトラブルが発生し、企業経営の発展を妨げる原因にもなります。労働者が一定のルールのもとに安心してその能力を発揮して働ける事業所を目指してあらかじめ就業規則で労働時間や賃金をはじめ、人事・服務規律など、労働者の労働条件や待遇の基準をはっきりと定め、労使間でトラブルが生じないようにしておくことが大切です。
◎就業規則がない場合のデメリット
法律(労働基準法(以下、「労基法」という)第 89 条)で就業規則の作成が義務づけられているのは、「常時 10 人以上の労働者を使用する使用者」ですが、従業員の数に関係なく、就業規則がなかった場合を考えてみましょう。
●まず、作成義務のある使用者の場合、作成を怠ると、
「30 万円以下の罰金」を科せられます。(労基法第 120 条第1号)
●ある社員が不正を働いた。解雇しようと思ったが、
「何を根拠にクビにするのか。出るところに出る」と開き直られてしまった。
●ある若い社員が先例を無視して昼近くに出社し、深夜まで頑張っている。「夜型で能率が上がるんです」と言うけれども、先輩職員には腹立たしく、職場の雰囲気が険悪になってきた。
●長い間、給料は社長が社員一人ひとりの働きぶりを見ながら決めてきた。ある日、現場の工場から管理部へ配転になった社員が不満を漏らしていると聞いた。職種、年齢、経験、誰が見ても自分より下の社員が、ずっと高い給料をもらっているのを知った
という。
●ある日、労働基準監督署から指導を受けた。法定労働時間は週40 時間と聞いて、経営者は耳を疑った。法令を全く知らなかったのだ。
これらの問題は、適切な就業規則を作成しておけば防げたと考えられます。
◎就業規則をなぜ作るのか
以上の内容を整理してみると、就業規則を作る理由としては、次の点が挙げられるでしょう。
①労働条件をはっきりさせてトラブルを予防
賃金や労働時間など、社員の処遇に関する基本的な事項が誤解のないように定めてあれば、トラブルが生じにくくなります。
②組織の規律を保ち業務能率を向上
服務規律や勤務時間が明確ということは、裏返せば社員が自分勝手に行動することを制約し、集団としての力を発揮するのに役立ちます。
③一定の労働条件で社員管理を効率化
社員一人ひとりと異なった労働条件の労働契約を結んでいたら混乱の元ですし、社員管理の負担も大きくなります。
④労基法に適合
法令で作成義務があるということだけでなく、労基法を最低基準として会社の労働条件を定め、きちんと守っていけば、労基法違反に問われることがありません。
就業規則の作り方
経営者の方が、就業規則を作成する際は、どのような方法で、どんな点に注意すればよいでしょうか。基本的な手順は下記のとおりですが、詳しくは、次ページ下段記載の県の労働センター等や労働基準監督署にご相談ください。
◎手順
①付録をよく読み、どのようなことを記載すればよいのか確認します。
↓
②職場の現状や会社の方針を踏まえて、実態に合う形で、原案を作成します。
↓
③次の資料を用意して、労働センターに相談します。
□このパンフレット
□作成した原案
□賃金や労働時間の実態、職場におけるルールなどをメモにしたもの
□経営者として労働条件について考えているこ
とをメモにしたもの
↓
④相談しながら、内容を決めていきます。
法令に違反した内容になっていないか、他に定めておくべきことはないか確認しながら、「別紙に定める」とした事柄についても内容を決めていきます。
↓
⑤内容について、従業員の過半数を代表する人(事業場に過半数の労働者が加入している労働組合があるときはその労働組合)に意見を聴き、意見書を書いてもらいます。(意見書の内容は、賛成・反対どちらでも構いませんが、従業員の意見がもっともなものであるならば、企業経営の許す限り尊重することが望まれます。)
↓
⑥上記意見書を添えて労働基準監督署へ届け出ます。
↓
⑦従業員に内容をよく周知します(一人ひとりに手渡すことが望ましいですが、いつでも見られるように事業場内の見やすい場所に掲示する、備え付ける、パソコンで常時確認できるようにする等の方法で周知する必要があります)。
就業規則についての法律の決まり
◎絶対的必要記載事項(どんな場合も必ず記載)
【労基法第 89 条第1号~3号】
①始業・終業時刻、休憩時間、休日、休暇、交替制度における就業時転換に関すること
②賃金(臨時の賃金等を除く)の決定、計算及び支払の方法、締切り及び支払の時期、昇給に関すること
③退職に関すること(解雇の事由を含む)
◎相対的必要記載事項(定めをおく場合には必ず記載)
【労基法第 89 条第3号の2~10 号】
④退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法、支払の時期に関すること
⑤退職手当を除く臨時の賃金等(賞与、臨時の手当等)及び最低賃金額に関すること
⑥労働者の食費、作業用品その他の負担に関すること
⑦安全及び衛生に関すること
⑧職業訓練に関すること
⑨災害補償及び業務外の傷病扶助に関すること
⑩表彰及び制裁の種類及び程度に関すること
⑪以上のほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合は、これに関すること
就業規則と労働契約等の関係【労働契約法第7条、9
条、10 条、12 条、13 条】
●労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知していた場合は、その就業規則で定めた内容が労働条件となります。
●ただし、労働者と使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を個別に合意していた場合は、その内容が労働条件となります。
●労働条件が就業規則で定める基準に達しない場合、労働条件は就業規則で定める基準となります。
●法令や労働協約(労働組合と使用者の交渉で決まった内容を文書化したもの)に反する就業規則は、労働条件とはなりません。
●使用者が一方的に就業規則を変更しても、労働者の不利益に労働条件を変更することはできません。
●使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合には、次のことが必要です。
①変更後の就業規則を労働者に周知すること
②就業規則の変更が、以下の事情に照らして合理的なものであること
・労働者が受ける不利益の程度
・労働条件の変更の必要性
・変更後の就業規則の内容の相当性
・労働組合等との交渉の状況
・その他の就業規則の変更に係る事情
【付録】「就業規則(モデル様式)」
●「就業規則(モデル様式)」の空欄に社名や時間などを記入すれば、そのまま就業規則として使うこともできますが、職場の現状などを踏まえて必要な追加や修正を行い、会社の実態に合った就業規則を作成しましょう。
●就業規則を作る義務のない小規模な事業所でも、ここに書かれた内容を参考に就業規則を定めておくことが望まれます。
●就業規則と併せて、「労働条件通知書」を従業員に必ず渡しましょう。
●なお、この「就業規則(モデル様式)」では、パートタイマーやアルバイトの就業に関し必要な事項については「別に定める」としています。やはり、それぞれの雇用形態に応じた就業規則を整備することが望ましいでしょう。
●この「就業規則(モデル様式)」には規定していませんが、副業・兼業の導入を検討されている場合は、事業場の実態に合っているかなど、労組間で十分話し合ってください。
お問合せ、ご相談は、下記の労働センターの労働相談窓口まで。URL xxxx://xxx.xxxx.xxxxxxxx.xx/xxxx/x0x/xxx/x0000/xxxxx.xxxxかながわ労働センター (045)633-6110(代)/川崎支所(044)833-3141/ 発行 神奈川県かながわ労働センターxx支所(046)296-7311/湘南支所(0463)22-2711(代) 横浜市中区寿町1-4 〒231-8583
令和2年6月発行
【付録】就業規則(モデル様式)
第1章 総則
第1条(目 的)
就 業 規 則
この就業規則(以下「規則」という。)は、○○会社(以下「会社」という。)の従業員の労働条件、服務規律その他の就業に関する事項を定めるものである。
2 この規則に定めのない事項については、労働基準法その他の法令の定めるところによる。
第2条(適用範囲)
この規則は、第2章で定める手続により採用された従業員に適用する。ただし、パートタイム従業員又は臨時従業員の就業に関し必要な事項については、別に定めるところによる。
第3条(規則の遵守)
会社及び従業員は、この規則を遵守し、相互に協力して業務の運営に当たるとともに、社業の発展と労働条件の向上に努めなければならない。
第2章 採用、異動等
第4条(採用手続き)
会社は、就職希望者のうちから選考して、従業員を採用する。
第5条(採用時の提出書類)
従業員に採用された者は、会社が指定する書類を採用日から○週間以内に提出しなければならない。
第6条(試用期間)
新たに採用された者については、採用の日から○か月間を試用期間とする。ただし、会社が適当と認めるときは、この期間を設けず、又は短縮することがある。
2 試用期間中に従業員として不適格と認められた者は、解雇することがある。
3 試用期間は勤続年数に加算する。
第7条(労働条件の明示)
会社は、従業員との労働契約の締結に際し、採用時の賃金、就業場所、従事する業務、労働時間、休日、その他の労働条件を明らかにするための労働条件通知書及びこの規則を交付して労働条件を明示するものとする。
第8条(人事異動)
会社は、業務上必要がある場合は、従業員の就業する場所又は従事する業務の変更を命ずることがある。
2 会社は、業務上必要がある場合は、従業員を在籍のまま関係会社へ出向させることがある。
3 配置転換・出向を命じられた場合は、正当な理由なく拒否することはできない。
第9条(休職)
従業員が、次の場合に該当するときは、所定の期間休職とする。
① 私傷病による欠勤が○か月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないと認められたとき ○年以内
② 前号のほか、特別の事情があり休職させることが適当と認められるとき 必要な期間
2 休職期間中に休職事由が消滅したときは、元の職務に復帰させる。ただし、元の職務に復帰させることが困難であるか、又は不適当な場合には、他の職務に就かせることがある。
3 復職後〇か月以内に同一傷病(類似の傷病を含む。)により欠勤する場合、欠勤開始日より休職するものとし、以降連続又は断続する欠勤日は復職前の休職期間と通算する。
4 第1項により休職し、休職期間が満了してもなお休職事由が消滅していないときは、原則として休職期間の満了をもって退職とする。
第3章 服務規律
第10条(服務)
従業員は、会社の指示命令に従い、職務上の責任を自覚し、誠実に職務を遂行するとともに、職場の秩序の維持に努めなければならない。
第11条(遵守事項)
従業員は、次の事項を守らなければならない。
① 勤務中は職務に専念し、正当な理由なく勤務場所を離れないこと
② 許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用しないこと
③ 職務に関連して自己の利益を図り、又は他より不当に金品を借用し、若しくは贈与を受けるなど不正な行為を行わないこと
④ 会社の名誉又は信用を傷つける行為をしないこと
⑤ 在職中又は退職後においても、職務上知り得た会社の機密・情報データ及び個人情報を漏らさないこと
⑥ その他酒気をおびて就業するなど従業員としてふさわしくない行為をしないこと
第12条(ハラスメントの禁止)
性的言動により、他の従業員に不利益や不快感を与えたり、就業環境を害するようなことをしてはならない。
2 職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景にした、業務の適正な範囲を超える言動により、他の従業員に精神的・身体的な苦痛を与えたり、他の従業員の人格もしくは尊厳を害したり、就業環境を害するようなことをしてはならない。
3 妊娠・出産等に関する言動及び妊娠・出産・育児・介護等に関する制度又は措置の利用に関する言動により、他の従業員の就業環境を害するようなことをしてはならない。
4 第1項から第3項までに規定するもののほか、性的指向・性自認に関する言動によるものなど職場におけるあらゆるハラスメントにより、他の
従業員の就業環境を害するようなことをしてはならない。
5 会社は、第1項から第4項に関わる苦情を申し出た従業員や行為者等のプライバシーを保護し、相談したことや事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱を行わないものとする。
第13条(出退勤)
従業員は、出退勤に当たっては、出退勤時刻をタイムカードに自ら記録しなければならない。
第14条(遅刻、早退、欠勤等)
従業員が、遅刻、早退若しくは欠勤をし、又は勤務時間中に私用外出するときは、事前に届出をしなければならない。ただし、やむを得ない理由で事前に届け出ることができなかった場合は、事後に速やかに所定の手続をとらなければならない。
2 傷病のため欠勤が引き続き○日以上に及ぶときは、医師の診断書を提出しなければならない。
第4章 労働時間、休憩及び休日
第15条(労働時間及び休憩時間)
労働時間は、1週間については40時間、1日については8時間とする。
始業・終業時間 | 休憩時間 |
始業 午前○時○○分 終業 午後○時○○分 | ○時○分から ○時○分まで |
2 始業・終業の時刻及び休憩時間は、次のとおりとする。ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、又は繰り下げることがある。
第16条(休日)
休日は、次のとおりとする。
① 土曜日及び日曜日 ② 国民の祝日に関する法律に定める休日
③ 年末年始(12月○○日~1月○日) ④ xx休日(○月○○日~○月○○日)
⑤ その他会社が指定する日
2 業務の都合により会社が必要と認める場合は、あらかじめ前項の休日を他の日と振り替えることがある。
第17条(時間外及び休日労働)
業務の都合により、第15条の所定労働時間を超え、又は前条の所定休日に労働させることがある。この場合において、法定の労働時間を超える労働又は法定の休日における労働については、あらかじめ会社は従業員代表と書面による協定を締結し、これを所轄の労働基準監督署長に届け出るものとする。
2 小学校就学前の子の養育又は家族の介護を行う従業員で、時間外労働を短いものとすることを申し出た者の法定の労働時間を超える労働については、前項後段の協定において別に定めるものとする。また、3歳に満たない子を養育する者が申し出た場合には、事業の正常な運営を妨げる場合を除き所定労働時間を超えて労働させることはない。
3 妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性であって請求した者及び18歳未満の者については、第1項による時間外若しくは休日又は午後1
0時から午前5時までの深夜に労働させることはない。
4 小学校就学前の子の養育又は家族の介護を行う一定範囲の従業員で会社に請求した者については、事業の正常な運営を妨げる場合を除き午後1
0時から午前5時までの深夜に労働させることはない。
5 第2項の時間外労働等の制限及び前項の深夜業の制限の手続等必要な事項については、「育児・介護休業等に関する規程」で定める。
第5章 休暇等
第18条(年次有給休暇)
各年次ごとに所定労働日の8割以上出勤した従業員に対しては、次の表のとおり勤続年数に応じた日数の年次有給休暇を与える。
勤続年数 | 6か月 | 1年 6か月 | 2年 6か月 | 3年 6か月 | 4年 6か月 | 5年 6か月 | 6年 6か月以上 |
付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
2 従業員は、年次有給休暇を取得しようとするときは、あらかじめ時季を指定して請求するものとする。ただし、会社は、事業の正常な運営に支障があるときは、従業員の指定した時季を変更することがある。
3 前項の規定にかかわらず、従業員代表との書面による協定により、各従業員の有する年次有給休暇日数のうち5日を超える部分について、あらかじめ時季を指定して与えることがある。
4 第1項の年次有給休暇が10 日以上与えられた従業員に対しては、第2項の規定にかかわらず、付与日から1年以内に、当該従業員の有する年次有給休暇日数のうち5日について、会社が従業員の意見を聴取し、その意見を尊重した上で、あらかじめ時季を指定して取得させる。ただし、従業員が第2項又は第3項の規定による年次有給休暇を取得した場合においては、当該取得した日数分を5日から控除するものとする
5 第1項の出勤率の算定にあたっては、年次有給休暇を取得した期間、産前産後の休業期間、育児・介護休業法に基づく育児休業期間、介護休業期間、子の看護休暇、介護休暇及び業務上の傷病による休業期間は出勤したものとして取り扱う。
6 当該年度に新たに付与した年次有給休暇の全部又は一部を取得しなかった場合には、その残日数は翌年度に繰り越される。
第19条(産前産後の休業)
6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定の女性従業員から請求があったときは、休業させる。
2 出産した女性従業員は、8週間は休業させる。ただし、産後6週間を経過した女性従業員から請求があったときは、医師が支障がないと認めた業務に就かせることができる。
第20条(母性健康管理のための休暇等)
妊娠中又は出産後1年を経過しない女性従業員から、所定労働時間内に、母子保健法に基づく保健指導又は健康診査を受けるために、通院に必要な時間についての請求があったときは、通院休暇を与える。
2 妊娠中又は出産後1年を経過しない女性従業員から、保健指導又は健康診査に基づき勤務時間等について医師等の指導を受けた旨申出があった場合、次の措置を講ずることとする。
① 通勤時の混雑を避けるよう指導された場合は、原則として○時間の勤務時間の短縮又は○時間以内の時差出勤
② 休憩時間について指導された場合は、適宜休憩時間の延長、休憩の回数の増加
③ 妊娠又は出産に関する諸症状の発生のおそれがあるとして指導された場合は、その指導事項を守ることができるようにするため作業の軽減、勤務時間の短縮、休業等
第21条(育児時間等)
1歳に満たない子を養育する女性従業員から請求があったときは、休憩時間のほか1日について2回、1回について30分の育児時間を与える。
2 生理日の就業が著しく困難な女性従業員から請求があったときは、必要な期間休暇を与える。
第22条(育児休業及び介護休業等)
従業員は、1歳(両親とも育児休業を取得する場合は1歳2か月)(一定の場合は1歳6か月又は2歳)に満たない子を養育するため必要があるときは、会社に申し出て育児休業をし、また、3歳に満たない子を養育するため必要があるときは、会社に申し出て育児短時間勤務制度等の適用を受けることができる。
2 要介護状態にある家族を介護する従業員は、会社に申し出て介護休業をし、又は介護短時間勤務制度等の適用を受けることができる。
3 子(3歳未満に限る)を養育するため又は要介護状態にある家族を介護するために必要があるときは、所定外労働の制限を申し出ることができる。
4 第1項から第3項の適用を受けることができる従業員の範囲その他必要な事項については、「育児・介護休業等に関する規程」で定める。
第23条(子の看護休暇及び家族の介護休暇)
小学校就学前の子を養育する従業員は、1年間(4月1日から3月31日までの間とする)に5日の範囲内で、子が2人以上であれば10日の範囲内で、子の看護のために休暇を取得することができる。
2 要介護状態にある家族を介護する従業員は、1年間(4月1日から3月31日までの間とする)に5日の範囲内で、対象家族が2人以上であれば10日の範囲内で、家族の介護のために休暇を取得することができる。
3 第1項、第2項の適用を受けることができる従業員の範囲その他必要な事項については、「育児・介護休業等に関する規程」で定める。
第24条(慶弔休暇)
従業員が申請した場合は、次のとおり慶弔休暇を与える。
① 本人が結婚したとき ○日 ② 妻が出産したとき ○日
③ 配偶者、x又は父母が死亡したとき ○日 ④ 兄弟姉妹、祖父母、配偶者の父母又は兄弟姉妹が死亡したとき ○日
第25条(裁判員等のための休暇等)
従業員が裁判員又は補充裁判員となった場合若しくは裁判員候補者となった場合には、次のとおり休暇を与える。
① 裁判員又は補充裁判員となった場合 必要な日数
② 裁判員候補者となった場合 必要な時間
2 従業員が選挙xx公民としての権利を行使するなどの申し出があった場合には、それに必要な時間の休暇を与える。
第6章 賃金
第26条(賃金の構成)
賃金の構成は、次のとおりとする。
① 基本給 ② 手当(家族手当、通勤手当、役付手当) ③ 割増賃金(時間外労働割増賃金(時間外60 時間超含む)、休日労働割増賃金、深夜労働割増賃金)
第27条(基本給)
基本給は、本人の経験、年齢、技能、職務遂行能力等を考慮して各人別に決定する。
第28条(家族手当)
家族手当は、次の家族を扶養する従業員に対して支給する。
① 配偶者 月額○○円 ② 18歳未満の子1人から3人まで 1人につき月額○○円 ③65歳以上の父母 1人につき月額○○円
第29条(通勤手当)
通勤手当は、通勤に要する実費を支給する。ただし、支給額は月額○○円を限度とする。
第30条(役付手当)
役付手当は、次の職位にある者に対して支給する。
①部長 月額○○円 ② 課長 月額○○円 ③ 係長 月額○○円
第31条(割増賃金)
割増賃金は、次の算式により計算して支給する。
① 時間外労働割増賃金(所定労働時間を超えて月60 時間以内労働させた場合) ② 休日労働割増賃金(法定の休日に労働させた場合)
基本給+役付手当
1か月の平均所定労働時間数
×1.25×時間外労働時間数
基本給+役付手当
1か月の平均所定労働時間数
×1.35×休日労働時間数
③ 深夜労働割増賃金(午後10時から午前5時までの間に労働させた場合)
基本給+役付手当
×0.25×深夜労働時間数
1か月の平均所定労働時間数
④ 時間外労働割増賃金(所定労働時間を超えて、かつ月60 時間を超えて労働させた場合)
基本給+役付手当
1か月の平均所定労働時間数
×1.50×時間外労働時間数
2 前項の1か月の平均所定労働時間数は、次の算式により計算する。
(365-年間所定休日日数)×1日の所定労働時間
12
3 1 ヶ月に60 時間を超えて時間外労働を行った従業員に対して、労使協定に定めるところにより、割増賃金に代えて有給休暇を付与することができる。
第32条(休暇等の賃金)
年次有給休暇の期間は、所定労働時間労働したときに支払われる通常の賃金を支給する。
2 産前産後の休業期間、母性健康管理のための休暇、育児・介護休業法に基づく育児休業及び介護休業の期間、子の看護休暇及び介護休暇の期間、育児時間、生理日の休暇の期間は、無給(有給)とする。
3 慶弔休暇の期間は、第1項の賃金を支給する(無給とする)。
4 裁判員等のための休暇、公民としての権利を行使するための休暇は無給とする(第1項の賃金の○割を支給する)。
5 休職期間中は、原則として賃金を支給しない(○か月までは第1項の賃金の○割を支給する)。
第33条(臨時休業の賃金)
会社の都合により、所定労働日に従業員を休業させた場合は、平均賃金の100 分の60 を支給する。なお、1日のうちの一部を休業させたことによって、その日の賃金が平均賃金の100 分の60 に達しない場合においても同様とする。
第34条(欠勤等の扱い)
欠勤、遅刻、早退及び私用外出の時間については、1時間当たりの賃金額に欠勤、遅刻、早退及び私用外出の合計時間数を乗じた額を差し引くものとする。
第35条(賃金の計算期間及び支払日)
賃金は、毎月○日に締切り、翌月○日に支払う。ただし、支払日が休日に当たるときはその前日に繰り上げて支払う。
2 計算期間中の中途で採用され、又は退職した場合の賃金は、当該計算期間の所定労働日数を基準に日割計算して支払う。
3 従業員が第31条第3項で規定する時間外代替休暇を取得することとした後に、これを取得しなかったときには、取得できなかった時間外労働時間に相当する部分の割増賃金は、取得できないことが確定した時点の翌月の賃金支払日に追加して支払う。
第36条(賃金の支払いと控除)
賃金は、従業員に対し、通貨で直接その全額を支払う。ただし、従業員代表との書面協定により、従業員が希望した場合は、その指定する金融機関の口座又は証券総合口座に振り込むことにより賃金を支払うものとする。
2 次に掲げるものは、賃金から控除するものとする。
① 源泉所得税 ② 住民税 ③ 健康保険(介護保険を含む)及び厚生年金保険の保険料の被保険者負担分
④ 雇用保険の保険料の被保険者負担分 ⑤ 従業員代表との書面による協定により賃金から控除することとしたもの
第37条(昇給)
昇給は、毎年○月○日をもって、基本給について行うものとする。ただし、会社の業績に著しい低下その他やむを得ない事由がある場合にはこの限りではない。
2 前項のほか、特別に必要がある場合は、臨時に昇給を行うことがある。
3 昇給額は、従業員の勤務成績等を考慮して各人ごとに決定する。
第38条(賞与)
賞与は、原則として毎年、○月○日に在籍する従業員に対し○月○日に、○月○日に在籍する従業員に対し○月○日に、会社の業績等を勘案して各々支給する。ただし、会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由がある場合には、支給時期を延期し、又は支給しないことがあ る。
2 前項の賞与の額は、会社の業績及び従業員の勤務成績などを考慮して各人ごとに決定する。
第7章 定年、退職及び解雇
第39条(定年等)
従業員の定年は、満60 歳とし、定年に達した日の属する月の末日をもって退職とする。
2 前項の規定にかかわらず、定年後も引き続き雇用されることを希望し、解雇事由又は退職事由に該当しない従業員については、満65 歳までこれを継続雇用する。
第40条(退職)
前条に定めるもののほか、従業員が次のいずれかに該当するときは、退職とする。
① 退職を願い出て会社から承認されたとき、又は退職願を提出して14日を経過したとき
② 期間を定めて雇用されている場合で、その期間が満了したとき
③ 第9条に定める休職期間が満了し、なお休職事由が消滅しないとき
④ 死亡したとき
2 従業員が退職したときは、その請求に基づき、使用期間、業務の種類、地位、賃金または退職の事由について証明書を交付する。
3 退職者(解雇された者を含む)は、会社の指示に従い速やかに業務の引継ぎを行わなければならない。また、会社に返還すべき物品、債務を返還しなければならない。
4 前項に該当する者は、在職中に知り得た機密、個人情報を他に漏らしてはならない。
5 会社は、前二項に該当する者の在職中の行為によって損害を受けたときは、退職後といえども損害賠償を請求する権利を留保する。
第41条(普通解雇)
従業員が次のいずれかに該当するときは、解雇することができる。
① 勤務成績又は業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できない等、就業に適しないと認められたとき
② 勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、従業員としての職責を果たし得ないと認められたとき
③ 業務上の負傷又は疾病による療養の開始後3年を経過しても当該負傷又は疾病がなおらない場合であって、従業員が傷病補償年金を受けているとき又は受けることとなったとき(会社が打ち切り補償を支払ったときを含む。)
④ 精神又は身体の障害については、適正な雇用管理を行い、雇用の継続に配慮してもなお業務に耐えられないと認められたとき
⑤ 試用期間中又は試用期間満了時までに従業員として不適格であると認められたとき
⑥ 第52条第2項に定める懲戒解雇事由に該当する事実があると認められたとき
⑦ 事業の運営上のやむを得ない事情又は天災事変その他これに準ずるやむを得ない事情により、事業の継続が困難となったとき
⑧ 事業の運営上のやむを得ない事情又は天災事変その他これに準ずるやむを得ない事情により、事業の縮小・転換又は部門の閉鎖等を行う必要が生じ、他の職務に転換させることが困難なとき
⑨ その他前各号に準ずるやむを得ない事情があったとき
2 前項の規定により従業員を解雇する場合は、少なくとも30日前に予告をするか又は予告に代えて平均賃金30日分以上の解雇予告手当を支払う。ただし、労働基準監督署長の認定を受けて第52条第2項に定める懲戒解雇をする場合及び次の各号のいずれかに該当する従業員を解雇する場合は、この限りではない。
① 日々雇い入れられる従業員(1か月を超えて引き続き雇用される者を除く)
② 2か月以内の期間を定めて使用する従業員(その期間を超えて引き続き雇用される者を除く)
③ 季節的業務に4か月以内の期間を定めて雇用される従業員(当該期間を超えて引続き雇用される者を除く)
④ 試用期間中の従業員(14日を超えて引き続き雇用される者を除く)
3 第1項の規定による従業員の解雇に際して、従業員から請求があった場合は解雇の理由を記載した文書を交付する。
第8章 退職金
第42条(退職金の支給)
勤続○年以上の従業員が退職し又は解雇されたときは、この章に定めるところにより退職金を支給する。ただし、第52条第2項により懲戒解雇された者には、退職金の全部又は一部を支給しないことがある。
2 継続雇用制度の対象者については、定年時に退職金を支給することとし、その後の再雇用については、退職金を支給しない。
第43条(退職金の額)
退職金の額は、退職又は解雇時の基本給の額に、勤続年数に応じて定めた別表の支給率を乗じた金額とする。
2 第9条により休職する期間は、会社の都合による場合を除き、前項の勤続年数に算入しない。
第44条(退職金の支払方法及び支払時期)
退職金は、支給の事由の生じた日から○か月以内に、退職した従業員(死亡退職の場合はその遺族)に対して支払う。
第9章 安全衛生及び災害補償
第45条(遵守義務)
会社は、従業員の安全衛生の確保及び改善を図り、快適な職場の形成のため、安全衛生管理規程を定めるほか必要な措置を講ずる。
2 従業員は、安全衛生に関する法令及び会社の指示を守り、会社と協力して労働災害の防止に努めなければならない。
3 従業員は安全衛生の確保のため、特に下記の事項を遵守しなければならない。
① 指定された場所以外での喫煙(加熱式たばこによる喫煙を含む)をしないこと。
② 20 歳未満の者は、喫煙可能な場所には立ち入らないこと。
③ 受動喫煙を望まない者を喫煙可能な場所に連れて行かないこと。
第46条(健康診断)
従業員に対しては、採用の際及び毎年1回(深夜労働その他労働安全衛生規則第13条第1項第3号で定める業務に従事する者は6か月ごとに1回)、定期に健康診断を行う。
2 前項の健康診断のほか、法令で定められた有害業務に従事する従業員に対しては、特別の項目についての健康診断を行う。
3 従業員に対し、毎年1回定期に、有資格者によるストレスチェックを実施する。
4 第1項から第3項の結果、必要と認めるときは、一定期間の就業禁止、労働時間の短縮、配置転換その他健康保持上必要な措置を命ずることが
ある。
第47条(長時間労働者に対する面接指導)
会社は、従業員の労働時間の状況を把握する。
2 長時間の労働により疲労の蓄積が認められる従業員に対し、その者の申出により医師による面接指導を行う。
3 前項の面接指導の結果必要と認めるときは、一定期間の就業禁止、労働時間の短縮、配置転換その他健康保持上必要な措置を命ずることがある。
第48条(安全衛生教育)
従業員に対し、雇い入れの際、又は、配置転換等により作業内容を変更した際及び法令で定められた危険又は有害な業務に就かせる際、その従事する業務に必要な安全衛生教育を行う。
第49条(災害補償)
従業員が業務上の事由又は通勤により負傷し、疾病にかかり、又は死亡した場合は、労働基準法及び労働者災害補償保険法に定めるところにより災害補償を行う。
第10章 教育訓練
第50条(教育訓練)
会社は、従業員に対し、業務に必要な知識、技能を高め、資質の向上を図るため、必要な教育訓練を行う。
2 前項の教育の実施方法などについては、別に定めるところによる。
3 従業員は、会社から教育訓練を受講するよう指示された場合には、特段の事由がない限りこれを受けなければならない。
4 前項の指示は、教育訓練開始日の少なくとも○週間前までに該当従業員に対し文書で通知する。
第11章 表彰及び懲戒
第51条(表彰)
会社は、従業員が次のいずれかに該当する場合は、表彰する。
① 業務上有益な創意工夫、改善を行い、会社の運営に貢献したとき
② xxにわたって誠実に勤務し、その成績が優秀で他の模範となるとき
③ 事故、災害等を未然に防ぎ、又は非常事態に際し適切に対応し、被害を最小限にとどめるなど特に功労があったとき
④ 前各号に準ずるxx又は功労のあったとき
2 表彰は、原則として会社の創立記念日に行う。
第52条(懲戒の種類)
会社は、次の区分により懲戒を行う。
① けん責 始末書を徴し将来を戒める。
② 減給 始末書を徴するほか減給する。ただし、減給は1回の額が平均賃金の1日分の5割を超えることはなく、また、総額が1賃金支払い期間における賃金総額の1割を超えることはない。
③ 出勤停止 始末書を徴するほか、○日間を限度として出勤を停止し、その間の賃金は支給しない。
④ 懲戒解雇 即時に解雇する。
第53条(懲戒の事由)
従業員が次のいずれかに該当するときは、情状に応じ、けん責、減給又は出勤停止とする。
① 正当な理由なく又は無断での欠勤が○日以上に及ぶとき
② 正当な理由なく又は無断でしばしば欠勤、遅刻、早退するなど勤務を怠ったとき
③ 過失により会社に損害を与えたとき
④ xx不良で会社内の秩序又は風紀を乱したとき
⑤ 第11条及び第12条に違反したとき
⑥ その他この規則に違反し、又は前各号に準ずる不都合な行為があったとき
2 従業員が次のいずれかに該当するときは、懲戒解雇とする。この場合において、行政官庁の認定を受けたときは、労働基準法第20条に規定する予告手当は支給しない。ただし、平素の服務態度その他情状によっては、第41条に定める普通解雇又は減給若しくは出勤停止とすることがある。
① 重要な経歴を詐称して雇用されたとき
② 正当な理由なく又は無断での欠勤が○日以上及び、出勤の督促に応じなかったとき
③ 正当な理由なく又は無断でしばしば遅刻、早退又は欠勤を繰り返し、○回にわたって注意を受けても改めなかったとき
④ 正当な理由なしにしばしば業務上の指示・命令に従わなかったとき
⑤ 故意又は重大な過失により会社に重大な損害を与えたとき
⑥ 刑法その他刑罰法規の各規定に違反する行為を行い、その犯罪事実が明らかとなったとき(当該行為が軽微な違反である場合を除く。)
⑦ xx不良で著しく会社内の秩序又は風紀を乱したとき
⑧ 数回にわたり懲戒を受けたにもかかわらず、なお、勤務態度等に関し、改善の見込みがないと認められたとき
⑨ 第12条に違反する重大な行為があったとき
⑩ 従業員である障害者を虐待したとき
⑪ 許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用したとき
⑫ 職務上の地位を利用して私利を図り、又は取引先等より不当な金品を受け、若しくは求め、又は供応を受けたとき
⑬ 私生活上の非違行為や会社に対する誹誘中傷等によって会社の名誉信用を傷つけ、業務に重大な悪影響を及ぼすような行為があったとき
⑭ 会社の業務上重要な秘密を外部に漏洩して会社に損害を与え、又は業務の正常な運営を阻害したとき
⑮ その他前各号に準ずる程度の不適切な行為があったとき
3 前項の規定による従業員の解雇に際して、従業員から請求があった場合は、解雇の理由を記載した文書を交付する。附則 この規則は、令和 年 月 日から施行する。