Contract
アジャイル開発向けソフトウェア開発委託契約書(準委任型)
情報処理学会「情報処理に関する法的問題」研究グループ
○○(以下「発注者」という。)と○○(以下「受注者」という。)は、別紙1に定める
○○システム(以下「本件プロダクト」という。)の開発を目的とするプロジェクト(以下「本件プロジェクト」という。)に関して、以下のとおり合意する(以下「本契約」という。)。1
第1条 目的
本契約は、アジャイルソフトウェア開発宣言に則り、発注者の満足及び競争力強化を最優先とし、当事者間の信頼関係を維持しながら、ビジネス上の環境変化に耐えうる反復かつ適応的な開発プロセスを採用して開発プロセスの効率化を図ることにより、第2条に定めるビジネスゴールを達成するために、価値あるプロダクトを迅速かつ継続的に提供するための準委任契約に関する2合意事項を定めることを目的とする。
第2条 定義
① ビジネスゴール:発注者が本件プロダクトを通じて実現したいと意図する経済的な価値で、本件プロジェクトにおいては、別紙2のとおりとする3。
② プロダクトオーナー:本件プロダクトの価値の最大化をミッション4として、プロダクトバックログを作成し、その優先順位に従って項目を並び替える等の役割を担う者をいう。
③ 開発チーム:3 人から 9 人程度5のメンバーからなり、本件プロダクトの開発を行うメンバー(個人)の集合体をいう。本件プロダクトの成功に向けて最大限の努力を尽くす。
④ スクラムマスター:スクラムチーム全体が自律的に協働できるよう、本件プロジェクト全体を促進及び支援する者をいう。
書式変更:字
1 契約時に本件プロダクト、本件プロジェクトをどう定義するかについては、期限の有無、規模、従前の検討状況、インセプションデッキの有無等の個別具体的な事情をふまえ、工夫の余地があると思われます。
2 アジャイル開発の可変性に鑑み、準委任契約であることを明記しました。後に「評価可能な成果物」という用語が出てきますが、本契約はかかる成果物を完成させる請負契約ではないことを明確にしています。但し、当事者間の合意により一定範囲の成果物に限定して成果物の完成を保証する旨の特約を入れることも選択肢のひとつとして考えられます。
3 ビジネスゴールは、契約前に発注者が受注者と協議のうえ決定していることが前提になります。複数案件がある場合には、案件ごとにビジネスゴールを記載することになりま す。また、今後アジャイル型開発を推し進めていくことのできる人材を育成することも、 当該時点でのアジャイル型開発採用の目的であるという場合は、その点もビジネスゴールとして記載されうる内容となります。
4 ここでいう「ミッション」は法的責任ではなく、「使命」に近い概念です。
5 効率性の観点から9人以下が望ましいと考えられます。
⑤ スクラムチーム:プロダクトオーナー、スクラムマスター及び開発チームから成る集合体をいう。スクラムチームの意思決定は、対等な関係にあるメンバーが自律的に決定し、チームメンバーは決定を遵守しなければならない。
⑥ ステークホルダー:発注者が指定する本件プロダクトの利用者、出資者、管理者
(意思決定の権限を持つ経営陣を含む)などの利害関係者をいう。
⑦ インセプションデッキ: 本件プロジェクトの全体像(目的、背景、優先順位、方向性等)を表現するドキュメントをいう。
⑧ プロダクトバックログ:本件プロダクトの開発対象の項目の総体をいうものと し、本件プロダクトが提供すべき価値(機能要求及び非機能要求)の各項目に優先順位をつけ、リリース計画を含めて、作成されるものをいう。
⑨ プロダクトバックログ・アイテム:プロダクトバックログを構成する項目をいう。
⑩ バックログ・リファインメント:プロダクトバックログ・アイテムに対し、追加、削除、並び替え等の変更をすることをいう。
⑪ スプリント:開発作業、並びに開発作業内容の策定及び評価等の作業を行う、1カ月以下の期間をいう。
⑫ プレイヤー:プロダクトオーナー、開発チーム、スクラムマスター及びステークホルダーをいう。
⑬ タスク:各プロダクトバックログ・アイテムを実現するための具体的な作成業務をいう。
第3条 プレイヤーの選任とロール(役割分担)
1.両当事者の基本役割
(1)発注者は、ビジネスゴールを示して、本件プロジェクトを遂行する。
(2)受注者は、情報処理技術に関する業界の一般的な専門知識及びノウハウに基づき、善良な管理者の注意をもって、本件プロジェクトの遂行を支援する。
(3)発注者は、受注者が有する専門知識及びノウハウに基づく意見又は助言その他提案を最大限取り入れるように努めるとともに、本件プロジェクトの効率化及び迅速化に最大限の配慮を尽くす。
(4)上記の目的達成のため、各当事者は、本条の規定に従って、本件プロジェクトのプレイヤーを選任し、双方の信頼関係を維持しながらその役割を履行させる6。なお、本条で規定された役割分担は、当事者双方が役割を超えて協力することを否定するものではない。
6 アジャイル開発では、各プレイヤーが契約当事者のどちらからも選任され混在する可能性があり、契約上の権利義務の主体たる当事者と開発に携わり役割(ロール)を担う各プレイヤーとの関係が錯綜しています。本契約では、各プレイヤーを選任した契約当事者 が、選任のみではなく被選任者に当該プレイヤーとして与えられた役割を履行させる義務を負うことを明記し、契約上の権利義務関係として整理しました。
2.プロダクトオーナー(発注者側):
本契約において、プロダクトオーナーは、発注者が指名する。プロダクトオーナーの役割は以下のとおりとする。
① あらゆる場面でステークホルダーに意向を確認し、開発投資に対する効果
(ROI)を最大にするよう努力する。
② 前号で確認したステークホルダーの意向を本件プロジェクトに反映したうえで、本件プロダクトに必要な機能を定義し、その機能を順位づけ、プロダクトバックログを作成及び管理する。
③ 開発チームに対し、開発ビジョンを提示し、かつ、プロダクトバックログについて理解させるための十分な説明を行う。
④ 開発の進行状況に応じて、バックログ・リファインメントを行う。なお、かかるプロダクトオーナーの役割は、開発チーム又はステークホルダーがプロダクトバックログ・アイテムの追加を行うことを妨げるものではない。
⑤ プロダクトオーナーは、開発チームに指揮又は命令を行うものではない。7
3.開発チーム(受注者側、又は受注者側と発注者側の混在):
開発チームは、開発の目的、期間、予算、人員のスキル等を踏まえて、受注者及び発注者が、それぞれ自己の従業員又は契約先から指名し、両者が合意する人員から構成される。開発チームの役割は以下のとおりとする。
① プロダクトバックログの作成、更新について意見を述べる。
② 各タスクの見積を行い、プロダクトオーナーに対してリリースの見通しを説明する。
③ スプリントごとに、プロダクトバックログ・アイテムに対応するタスクを遂行し、評価可能な成果物を作成する。
④ 開発チームの各メンバーは、他のメンバーに対して指揮又は命令を行うものでない。
4.スクラムマスター (発注者側又は受注者側):
本契約において、スクラムマスターは、発注者又は受注者が、自己の従業員又は契約先から指名する。スクラムマスターの役割は以下のとおりとする。
① スクラムチーム全体のパフォーマンスを最大化するために、課題を提起し、その解決のため必要な支援を行う。
② スクラムチームとステークホルダーが相互の関係を調整し、障害を取り除く際の支援を行う。
③ スクラムマスターは、開発チームに指揮又は命令を行うものでない。
7 ここでいう「指揮又は命令」は、職務命令としてこれに従わなければペナルティを負わせるという趣旨の指示をいいます。以下同じ。
5.ステークホルダー(発注者側):
発注者は、受注者の意見を聞いて、ステークホルダーを指定するとともに、必要に応じて、第 4 条7項のスプリントレビュー(以下単に「スプリントレビュー」という。)に参加すべきステークホルダーを指名する。なお、かかるステークホルダーの指定は、特定個人又は発注者内の特定役職いずれかとする。ステークホルダーの役割は以下のとおりとする。
① 開発チームの作成した評価可能な成果物にアクセスし、スクラムチームに対して、意見及び要望を述べることができる。
② 発注者の指名を受けスプリントレビューに参加するステークホルダーは、スクラムチームに対して、ビジネスゴールを達成するための要望及び意見を伝えるものとし、必要に応じてプロダクトオーナーと協議を行う。
③ スプリントレビューに参加しないステークホルダーは、必要に応じて、プロダクトオーナーを通じて、スクラムチームに対して、ビジネスゴールを達成するための要望及び意見を伝えるものとする。
第4条 反復プロセス
1.総論
各プレイヤーは、本条第2項ないし第9項のプロセスを反復することを原則として、第3条の役割分担に基づき、本件プロダクトの開発業務を遂行する。
2.ビジネスゴール等の確認(発注者)
発注者は、本件プロダクトの開発により達成したいビジネスゴールについて、プロダクトオーナーを介してこれを開発チームに説明する。開発チームは、かかるプロダクトオーナーの説明に対して、不明又は曖昧な点がある場合は、質問をすることができる。プロダクトオーナーはかかる質問に対して回答しなければならない。
3.インセプションデッキの作成(発注者/受注者)
(1) プロダクトオーナー、開発チーム、スクラムマスター、ステークホルダーは、ビジネスゴールを実現するために必要となる機能の特徴、終了予定日を含むスケジュール、体制、費用等、作業、制約、技術的要素等の前提条件(以下「前提条件」という。)及び想定できるリスク及び価値創造のための解決方法について意見交換をするとともに、その結果をもとに、インセプションデッキを作成し8、確認する。
(2)上記のインセプションデッキの項目又は内容を見直す場合には、プロダクトオーナー、開発チーム、スクラムマスター、ステークホルダーの間で、変更による全体費用及びスケジュールへの影響、想定技術リスク等をふまえて十分な意見交換を行うものとする。
4.プロダクトバックログ・アイテム及びプロダクトバックログの作成
8 契約締結前にインセプションデッキが抽象的にでもできている場合には、それを本契約に添付することも考えられます。
(1) プロダクトオーナーは、開発チームと相談のうえでプロダクトバックログ・アイテムを作成し、また、各プロダクトバックログ・アイテムの「受入条件」につい て、開発チームと十分に議論して共通認識を得たうえで、その合意したところを文書化する。
(2)開発チームは、費用、技術的観点(想定技術リスクを含む)、品質管理上の観
点、リリース時期その他のスケジュールの観点から、本件プロダクトに必要なプロダクトバックログ・アイテムのうち、どの機能を優先的に開発するかを検討し、プロダクトオーナーに対して適宜必要な意見を述べ、提案を行う。
(3)プロダクトオーナーは、前号の意見及び提案を十分に尊重して、優先順位及びリリース計画を決定し、プロダクトバックログを作成する。プロダクトオーナーと開発チームは、プロダクトバックログを基に、プロダクトオーナーの中長期的な開発計画及びその見直しのために、適宜リリース計画ミーティングを開催する。
5.スプリントプランニング
(1)スプリントの開始に先立ち、プロダクトオーナーは、プロダクトバックログをもとに、当該スプリントで実現すべきバックログ・アイテムを選択又は決定し、その優先順位を決めたうえで、開発チームにこれを伝える。
(2)開発チームは、前号で割り当てられたプロダクトバックログ・アイテムが特定のスプリント内で完了できないことが想定される場合は、プロダクトオーナーにその旨を通知し、協議のうえ、割り当ての変更を求めることができる。
(3)開発チームとプロダクトオーナーは、開発実績に照らして、スプリント内で実現すべき評価可能な成果物を決定する。但し、開発実績のない初回の反復時は、両者が妥当と考える成果物について協議のうえ合意する。
(4)開発チームは、開発計画(当該スプリント内で行わない作業の特定も含む)を詳細化して、具体的なアルゴリズムやデータ構造、インターフェース、実装技術等を想定して、プロダクトバックログ・アイテムをタスクに分割する。
6.スプリント内の開発作業
(1)開発チームは、専門知識,経験及び開発作業の進行状況に応じて、各チームメンバーがタスクを分担して、スプリント内のタスクを実施し、常時その開発作業の進行状況を確認する。開発作業に問題又は支障が生じ、又は生じるおそれのあることが判明した場合には、速やかにその旨をプロダクトオーナーに報告したうえで、その解決方法についてプロダクトオーナーと協議する。
(2)開発チームは、各スプリントにおいて、プロダクトオーナー又はステークホルダーが評価可能な成果物を作成し、これをプロダクトオーナーに提供する。
(3)プロダクトオーナーは、前2号の開発作業に対して、必要な協力を行う。
(4)プロダクトオーナーは、提供された評価可能な成果物について、プロダクトバックログ・アイテムの「受入条件」の充足について確認し、かかる条件が満たされていることが確認できた場合は、これを書面による記録に残し、スプリントレビューに移行する。
7.スプリントレビュー
(1)プロダクトオーナーは、各スプリントの終期において、当該スプリントで開発チームから提供された成果物を評価するため、会議(以下「スプリントレビュー」という。)を開催する。プロダクトオーナーは、スプリントレビューを迅速かつ効率的に開催してフィードバックが得られるよう体制を整え、各スプリントの評価に必要なステークホルダーを出席させなければならない。
(2)スプリントレビューには、プロダクトオーナー、スクラムマスター、開発チームメンバー、ステークホルダーが出席する。また、発注者及び受注者は、スプリントレビューにおける協議に必要となる者の出席を相手方に求めることができ、相手方は合理的な理由がある場合を除き、これに応じるものとする。
(3)プロダクトオーナー又は開発チームは、当該スプリントにおいて作成した成果物をステークホルダーに報告(デモンストレーションを含む)する。ステークホルダーは、かかる報告に対してフィードバックを行う。
8.ふりかえり(レトロスペクティブ)
開発チームは、各スプリントの終了時に、プロダクトオーナー及びスクラムマスターとともに、次のスプリントにおける開発行為を改善するための課題項目及び施策を抽出し、その後のスプリントプランニングに反映する。
9.バックログ・リファインメント
プロダクトオーナーは、スプリントレビューの結果を踏まえ、あるいはその他の必要と認められた時はいつでも、ビジネスゴールとの整合性に留意してバックログ・リファインメントを行う。
第5条 作業場所,設備及び労務管理等
1.発注者は、受注者に対し、受注者が本件プロジェクトを遂行するにあたって必要な資料、機器、設備等(以下「資料等」という。)の開示、貸与等を行うものとする。
2.発注者が前項に基づき受注者に提供した資料等の内容に誤りがあった場合又は発注者が提供すべき資料等の提供を遅延した場合、これらの誤り又は遅延によって生じた費用の増大、完成時期の遅延、瑕疵などの結果について、受注者は責任を負わない。
3.発注者及び受注者は、自己の従業員たるプレイヤーについて、雇用者としての労務管理を行わなければならない9。
9 スクラムチームのメンバーのための労働契約・業務委託契約については、労働法制に十分留意しながら、別途検討する必要があると考えられます。特に、いずれかの当事者の業務委託先、更にはその再委託先の従業員がスクラムチームに入る場合は、雇用主の労務管理の観点から、チームメンバーとしての働き方に一定の制約が生ずる可能性があります。このような観点から、アジャイル開発においては、再委託、再々委託は回避することが望ましいと考えられ、その趣旨で本契約書上は再委託等に関する規定を置いていません。
第6条 報酬
1.発注者は受注者に対し、本件プロジェクトの対価として、毎月○日に、月額◯◯円
(税込)10を支払う。
2.発注者及び受注者は、前項の報酬に加えて、本件プロジェクトの成果による発注者の売上に応じて、売上○円毎に○円の成功報酬の支払義務が生ずることを合意する。成功報酬の算定方法、発生時期及び支払方法については、当事者間で別途協議して定めるものとする。11
第7条 著作xx知的財産権
1.受注者は、発注者に対し、本件プロダクトが第三者の有する著作権、工業所有権及びその他のいかなる権利にも抵触及び侵害をするものではないことを保証する。
2.発注者及び受注者は、本件プロジェクトの遂行の過程で新たに生じた著作権(著作xx第 27 条及び第 28 条の権利を含む。 以下同じ。 )の帰属に関し、以下の各号のとおり定めるものとする。
① 本件プロジェクトの遂行の過程で新たに生じた著作権(著作xx27条及び
28条の権利を含む)は、発注者又は第三者が従前から保有していた著作物の著作権及び汎用的な利用が可能なプログラムの著作権を除き、第4条第6項(4)の受入条件の充足確認をもって、受注者から発注者へ移転し、かつ、受注者は著作者人格権を行使しない。なお、かかる受注者から発注者への著作権移転の対価は、第6条に定める報酬に含まれるものとする
② 受注者は、前項に従って自己に著作権が留保される著作物について、発注者に対し、発注者が本件プロダクトを利用するために必要な範囲に限り無償で利用許諾し、これについて著作者人格権を行使しない。
第8条 契約の終了解除
1.発注者又は受注者は、相手方に次の各号のいずれかに該当する事由(以下「解除事由」という)が生じた場合には、本契約の全部又は一部を解除することができる。
① 本契約、それに付随する覚書若しくはその他の取り決めに違背し、又は当然これらに従って遂行しなければならない義務の履行を怠った場合であって、相当の期間を定めて義務の履行を催促したにもかかわらず、当該期間経過後も当該義務を履行しない場合
② 支払いの停止があった場合、又は仮差押、差押、競売、破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始、特別清算開始の申立があった場合
③ 手形交換所の取引停止処分を受けた場合
④ 公租公課の滞納処分を受けた場合
10 人数やxxxが決まっていることが金額の前提なので、これら前提条件が見積書、議事録その他の書面で双方にて確認されていることが必要と考えられます。
11 オプションとして、成功報酬を取り決める場合の規定です。
⑤ その他前各号に準ずるような本契約を継続し難い重大な事由が発生した場合
2.前項による解除に至る以前に、一方当事者から相手方当事者に対して、解除を回避するための具体的解決策について書面による提案がなされた場合、他方当事者は誠意をもってかかる提案に関する協議に応じなければならない。かかる提案を受けた当事者は、提案日から○日以内に協議が整わなかった場合のみ、前項による本契約の解除ができる12。
3.発注者又は受注者は、前2項に基づいて本契約の解除がなされた場合、相手方に対し負担する一切の金銭債務(出来高に応じた報酬支払義務を含む)につき相手方から通知催告がなくとも当然に期限の利益を喪失し、直ちに弁済しなければならない。
4.受注者又は発注者は、開発チームがその役割を果たすために必要と認められる合理的理由がある場合は、その理由を説明のうえ、契約条件又は開発チームのメンバーの変更を申し入れることができる。この場合、両当事者は信頼関係を維持するために最大限の誠意をもって協議を行い、問題解決のための合意に至るよう努力する。但し、変更申入れから○日以内に合意に至らなければ、解除できる。但し、誠意をもっての交渉に意味がない程度に信頼関係が破壊されている場合には、速やかに本契約を解除できる。
5.民法651条に関わらず、発注者及び受注者は、本契約に定めがある場合を除き、本契約を解除することはできない13。
書式変更:号のスタイ
左 + 整列 :
第9条 契約期間
本契約の期間は、平成○年○月○日から平成○年○月○日とする。第8条第10条 損害賠償請求
書式変更:
: 1 字,
発注者及び受注者は、本契約の履行に関し、相手方の責めに帰すべき事由により損害を被った場合、相手方に対して、法令に基づく損害賠償を請求することができる。
第9条第11条 秘密情報の取扱い
1.発注者及び受注者は、本件プロジェクト遂行のため、相手方より提供を受けた技術上又は営業上その他業務上の情報のうち、相手方が書面又は電子メールにより秘密である旨指定して開示した情報、又は口頭により秘密である旨を示して開示した情報で開示後○日以内に書面又は電子メールにより内容を特定した情報(以下あわせて「秘密情報」という。)を第三者に漏洩してはならない。但し、次の各号のいずれか一つに該当する情報についてはこの限りではない。また、発注者及び受注者は秘密情報のうち法令の定めに基づき開示すべき情報を、当該法令の定めに基づく開示先に対し開示することができるものとする。
① 秘密保持義務を負うことなくすでに保有している情報
12第1項の契約解除権を、誠意ある交渉を行う場合には一定期間制限する規定となりま
す。アジャイル開発においては、解除よりも継続のほうが双方当事者の利益に沿う、又は双方当事者のダメージが少ないものと想定されるためです。
13上記2項の趣旨から、民法651条による解除を排除することを明記しました。
② 秘密保持義務を負うことなく第三者から正当に入手した情報
③ 相手方から提供を受けた情報によらず、独自に開発した情報
④ 本契約に違反することなく、かつ、受領の前後を問わず公知となった情報
2.秘密情報の提供を受けた当事者は、当該秘密情報の管理に必要な措置を講ずるものとする。
3.発注者及び受注者は、秘密情報について、本契約の目的の範囲内でのみ使用し、本契約の目的の範囲を超える複製、改変が必要なときは、事前に相手方から書面による承諾を受けるものとする。
4.発注者及び受注者は、秘密情報を、本契約の目的のために知る必要のある各自の役員及び従業員に限り開示するものとし、本契約に基づき発注者及び受注者が負担する秘密保持義務と同等の義務を、秘密情報の開示を受けた当該役員及び従業員に退職後も含め課すものとする。
5.秘密情報の提供及び返還等については、7項及び8項(発注者が受注者に提供する資料等及びその返還)に準じる。
6.受注者は、本件プロジェクトの遂行に必要な場合を除き、発注者から開示、貸与された資料等を複製してはならない。
7.受注者は、発注者から提供を受けた資料等(前項に基づいて複製した複製物を含
む。)を善良なる管理者の注意義務をもって管理し、双方が合意した返還日又は発注者から請求があったときに、これらを返還又は発注者の指定する方法で破棄する。
8.資料等の提供及び返還にかかる費用は、発注者が負担する。
9.本条の規定は、本契約終了後、○年間存続する。第10条第12条 権利義務譲渡の禁止
発注者及び受注者は、互いに相手方の事前の書面による同意なくして、本契約上の地位を第三者に承継させ、又は本契約から生じる権利義務の全部若しくは一部を第三者に譲渡し、引き受けさせ若しくは担保に供してはならない。
第11条第13条 協議
本契約に定めのない事項又は疑義が生じた事項については、xxxxの原則に従い発注者及び受注者が協議し、円満な解決を図る努力をするものとする。
第12条第14条 和解による紛争解決及び合意管轄
1.本契約に関し、発注者及び受注者に紛争が生じた場合、発注者及び受注者は、次項の手続をとる前に、誠意をもって十分に協議を行うとともに、次項及び 3 項に定める措置をとらなければならない。
2.前項所定の協議で発注者及び受注者間の紛争を解決することができない場合、本条第 4 項に定める紛争解決手続をとろうとする当事者は、相手方に対し紛争解決のための権限を有する代表者又は代理権を有する役員その他の者との間の協議を申し入れ、相手方が当該通知を受領してから○日以内に(都市名)において、本条第 4 項以外の裁
判外紛争解決手続(以下「ADR」という。)などの利用も含め誠実に協議を行うことにより紛争解決を図るものとする。
3.第1項及び前項による協議又は ADR によって和解が成立する見込みがないことを理由に当該協議又はADR が終了した場合、発注者及び受注者は、法的救済手段に着手することができる。
4.本契約に関し、訴訟の必要が生じた場合には、○○地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする14。
(別紙1)
本件プロダクト
(別紙2)
ビジネスゴール
14 仲裁を選択する場合も考えられます。