a 生活習慣病のレセプトの有無別健康診査受診者数及び受診率 b 歯科レセプトの有無別歯科健康診査受診者数及び受診率
第2期データヘルス計画評価及び第3期データヘルス計画策定業務委託仕 様 書(案)
本仕様書において、鹿児島県後期高齢者医療広域連合を「委託者」とし、業務委託を受ける者を「受託者」とする。
1 業務の名称
本事業の名称は、「第2期データヘルス計画評価及び第3期データヘルス計画策定業務委託」とする。本事業は、以下の3つの事業から成る。
・A:データヘルス計画実施に伴う分析事業
・B:第2期データヘルス計画最終評価事業
・C:第3期データヘルス計画策定事業
2 業務の目的
A:データヘルス計画実施に伴う分析事業
本事業は、後期高齢者医療健康診査(以下、「健康診査」という。)及び後期高齢者医療歯科健康診査(以下、「歯科健康診査」という。)の結果や診療報酬明細書(以下、「レセプト」という。)の健康医療情報並びに介護情報等を活用し、被保険者の健康状態、疾病構造、医療費の現状を市町村ごとに分析・比較し、被保険者の健康課題を明確にするとともにその結果を管内市町村に提供し、健康課題についての認識を共有することにより、市町村との協同による効果的かつ効率的な保健事業の推進を図る。
B:第2期データヘルス計画最終評価事業
本事業は、データヘルス計画実施に伴う分析の結果及び第2期データヘルス計画に基づく保健事業の実績等により第2期データヘルス計画の最終評価を行う。
C:第3期データヘルス計画策定事業
本事業は、第2期データヘルス計画の最終評価結果により、PDCAサイクルに添って第3期データヘルス計画の策定を行う。
3 契約履行期間
令和5年4月1日 ~ 令和6年3月 31 日
4 提供データ
(1)医科、DPC(包括医療費支払い制度)、歯科、調剤レセプトデータ(平成 30 年度~令和
4年度診療分)
(2)後期高齢者医療健康診査データ(平成 30 年度~令和4年度受診分)
(3)後期高齢者医療歯科健康診査データ(平成 30 年度~令和4年度受診分)
(4)被保険者マスタデータ
(5)KDB詳細データ
(6)重複受診者、頻回受診者、重複服薬者、多剤服薬者名簿
(7)個別支援対象者名簿
(8)鹿児島県後期高齢者医療広域連合第2期データヘルス計画
(9)行政区コード一覧(43 市町村)
(10)高齢者保健福祉圏域コード一覧(9圏域)
(11)その他
上記に定めのないデータについて、本事業遂行のために新たに必要と認められるもので委託者が提供可能なものは、受託者に提供する。
5 業務内容
A:データヘルス計画実施に伴う分析事業
「4 提供データ」に定めるデータ等(以下、「レセプトデータ等」という。)を用いて、当広域連合の現状分析を行い、PDCAサイクルに沿った効果的かつ効率的な保健事業実施について提案する。分析結果等は、加筆・修正しやすい形式にまとめた分析結果報告書を冊子及び電子データで納品する。
(1)データヘルス計画及び評価の基礎となる現状分析
データヘルス計画をPDCAサイクルに沿って実施するための基礎となる情報を把握するとともに、医療費の全体像を明らかにし、費用対効果に応じた保健事業を実施するための評価を行う。
分析には下記項目を含めること。ア 基礎統計
被保険者数、レセプト件数、医療費、患者数、一人当たり医療費、レセプト1件当たり医療費等について入院・外来・歯科・調剤別に分析し、当広域連合における医療費の全体像を明確にする。
イ 医療費統計
厚生労働省が定める疾病分類表「大分類・中分類」ごとの医療費・レセプト件数・患者数・受療率等について入院・外来別に分析し、医療費の全体像、疾患構成及び生活習慣病の割合を明確にする。
ウ 高額なレセプトの疾病傾向分析
医療費が高額化している疾病のうち予防可能な疾病を特定するため、高額なレセプトに着目し、要因となる主要疾病、件数、医療費等について分析する。
エ レセプトデータ等による保健指導対象者群分析
(ア)レセプトデータ等を組み合わせ、健康診査データ及び健康診査異常値の有無、健康診査異常値に対する疾病での医療機関受診の有無、生活習慣病に対するレセプトの有無、生活習慣病治療中断者等を判定し、被保険者のグループ化を行い分析す る。また、それぞれのグループ一人当たりの医療費、人数等を算出すること。
(イ)レセプトデータ等を組み合わせ、歯科健康診査データ及び歯科健康診査所見の有無、歯科健康診査所見に対する歯科疾病での医療機関受診の有無等を判定し、被保険者のグループ化を行い分析する。また、それぞれのグループ一人当たりの医療 費、人数等を算出すること。
オ 介護給付費統計
要介護度別・介護サービス別利用件数、介護給付費、被保険者数等について分析し、介護給付費の全体像と介護サービスの利用状況を明確にする。
カ レセプトデータ等による医療費及び介護給付費の分析
要介護度別中分類疾病別介護給付費・医療費・患者数・被保険者数等について分析し、医療と介護の関係を明確にする。
キ 健康診査及び歯科健康診査に係る分析
(ア)健康診査及び歯科健康診査について、両方を受診した者の受診者数及び受診率を算出する。
(イ)以下に該当する受診者数及び受診率を算出する。
a 生活習慣病のレセプトの有無別健康診査受診者数及び受診率
b 歯科レセプトの有無別歯科健康診査受診者数及び受診率
(ウ)レセプトデータ等を組み合わせ、健康診査のみ、歯科健康診査のみ、又は健康診査・歯科健康診査の両方を受診した者について、「イ 医療費統計」及び「オ 介護給付費統計」と同様の分析を行った上で、健診対象者全体との差異を分析する。
ク 糖尿病性腎症重症化予防に係る分析
人工透析患者については、血液透析だけでなく、腹膜透析も含めた分析による医療 費・レセプト件数・総患者数・新規患者数等を算出する。併せて、人工透析の起因別疾患を分析する。
糖尿病患者については、腎症の悪化等重症化を阻止・遅延させることを目的とし、糖尿病の病期階層化を行うとともに、費用対効果の高い層から順に保健指導対象者を層別化し、人数及び割合を算出する。
ケ フレイル予防に関する分析
レセプトデータ等を組み合わせ、身体的フレイルのリスクがある者の被保険者数、割合等を分析する。
なお、レセプトデータ等の組み合わせについては、別表1のとおりとする。コ 受診行動適正化に係る分析
重複受診及び頻回受診の患者について、保健事業の効果的な実施のために、その要因となる疾病、患者数、医療費効果額等を分析する。
また、重複服薬及び多剤服薬の患者について、保健事業の効果的な実施のために、処方薬剤別の数・割合、降圧剤・睡眠剤等の調剤率の変化及び重複薬の処方状況、調剤費等を分析する。
サ 薬剤併用禁忌に係る分析
薬剤併用禁忌の発生状況及び組み合わせを明らかにすること。シ 在宅医療の利用状況に係る分析
在宅患者訪問診療費等の在宅医療費について、項目別・要介護度別に患者数、利用回数、医療費等を分析し、在宅医療の利用状況を明らかにすること。
ス その他の分析
委託者と受託者との協議の上、上記以外で本事業の目的達成のための分析が必要かつ
可能と認めた場合は、その他の分析を実施する。
(2)(1)の分析について、当広域連合、市町村及び高齢者保健福祉圏域別の分析を行う。
(3)(1)の分析について、性別及び年齢階級別の分析を行う。
(4)分析結果報告書の作成
分析結果報告書には、以下の内容を含めること。ア もくじ
分析結果報告書の目次を作成する。イ 現状と課題把握について
(ア)高齢者を取り巻く現状
(イ)保健・医療・介護等情報の分析
(ウ)健康課題の抽出・明確化
(5)分析結果概要の作成
(4)の要点をまとめた分析結果概要を作成する。
(6)市町村別及び高齢者保健福祉圏域別の分析報告書の作成分析結果報告書には、以下の内容を含めること。
ア もくじ
分析結果報告書の目次を作成する。イ 現状と課題把握について
(ア)高齢者を取り巻く現状
(イ)保健・医療・介護等情報の分析
(ウ)健康課題の抽出・明確化
(7)市町村別及び高齢者保健福祉圏域別の分析結果概要の作成
(6)の要点をまとめた分析結果概要を作成する。
B:第2期データヘルス計画最終評価事業
Aの分析結果及び広域連合が提供する評価指標を踏まえ、第2期データヘルス計画の最終評価、保健事業に対する具体的な課題、第3期データヘルス計画策定に向けての見直し案等について提言する。
(1)第2期データヘルス計画最終評価報告書の作成 最終評価報告書には、以下の内容を含めること。
ア 現状の整理
以下の項目について、広域連合が提供する評価指標にAの分析結果を加える形で、最終評価との関りが強いデータを評価しやすい形にまとめる。
(ア)これまでの主な取組
(イ)評価及び課題
イ 第3期データヘルス計画策定に向けての見直し案
アの(イ)から抽出した保健事業の課題を優先順位付けし、保健事業と目標の見直しを行い、第3期データヘルス計画の保健事業内容について具体的に提言する。
C:第3期データヘルス計画策定事業
厚生労働省による「高齢者保健事業の実施計画(データヘルス計画)策定の手引き」等及び B:第2期データヘルス計画最終評価の結果等を踏まえ、第3期データヘルス計画を策定す る。
A・B・C共通
(1)委託者からの求めに応じて、受託者は各事業の協議の機会を設けること。
(2)各事業の進捗状況及び結果について定期的に説明を行うこと。
(3)委託者が必要と判断する作表及びデータ分析等の支援を行うこと。
(4)有用な作表やデータ分析等を受託者から提案すること。
6 成果品の納品
事業 | 成果物 | 形式 | 提出期限(予定) |
A:データヘルス 計画実施に伴う分析事業 | 分析結果 ・当広域連合全体分 ・市町村別分 ・高齢者保健福祉圏域別分 | ・電子データ | 中間報告:令和5年7月下旬 最終報告案:令和5年 10 月上旬 最終報告:令和5年 10 月下旬 |
分析結果報告書 ・当広域連合全体分 ・市町村別分 ・高齢者保健福祉圏域別分 | ・電子データ ・紙媒体1部 | ||
B:第2期データ ヘルス計画最終評 価事業 | 第2期データヘルス計画最終評価報告書 | ・電子データ ・紙媒体1部 | 最終報告案:令和5年 11 月上旬 最終報告:令和5年 11 月下旬 |
C:第3期データ ヘルス計画策定事 業 | 第3期データヘルス計画 | ・電子データ ・紙媒体 20 部 | 計画構成案:令和5年8月上旬 最終報告案:令和5年 11 月下旬最終報告:令和6年2月下旬 |
本業務において作成する書類等は次のとおりとし、詳細については委託者と協議の上決定する。
※分析結果については、Microsoft Excel 様式であること。
※分析結果報告書、第2期データヘルス計画最終評価報告書及び第3期データヘルス計画については、Microsoft Word 様式であること。
なお、上記報告書等で使用する図については JPEG 形式で、表及びグラフについては
Microsoft Excel 様式で別途納品すること。
※いずれの電子データも加工可能な形式であること。
7 成果品の利用
(1)本事業の成果品の利用に係る権利は委託者に帰属するものとし、委託者の許可なく使用することを禁止する 。
(2)委託者は、本業務の成果品の改変を行うことができるものとし、受託者は、本業務の成果
品に関する著作者人格権を行使しないものとする。
(3)受託者は、成果品が第三者の著作権を侵害しないことを保証し、第三者から成果品に関して著作権侵害を主張された場合の一切の責任は、受託者が負うものとする。
8 委託料の支払
委託料は契約完了確認後に支払うものとする 。
9 費用負担等
業務の作業場所(以下「作業場所」という。)は受託者が用意するとともに、作業場所までの電子媒体の搬送にかかる経費は受託者の負担とする。
10 セキュリティ管理等
(1)作業場所には原則として業務担当者以外は入室できないようにするとともに、ICカード認証等により入退室を管理すること。
(2)作業場所は事前に委託者に報告し、承認を得ること。また、必要に応じて委託者が実施する検査を受けいれること。受託期間中に作業場所を変更する場合も同様とする。
(3)電子媒体の授受は、暗号化やパスワード設定等適切なセキュリティ対策を実施した上で、委託者と合意した方法で搬送すること。
(4)本業務以外の目的でデータの複製を作成しないこと。また、ファックス及びデータの電子メールによる転送は一切行わないこと。
(5)契約期間終了後は受託者側に残存するデータはすべて削除すること。
(6)委託者は必要があると認めるときは、受託者の業務処理状況について立入検査を実施する。
(7)本業務で個人情報を取り扱う事務については、情報流出を防ぐため、委託者とあらかじめ調整し、十分な措置を講ずること。
11 秘密情報・個人情報の保護
「秘密情報等取扱特記事項」(別紙)の内容を遵守すること。
12 留意事項
(1)本仕様書に基づき締結される業務委託契約の内容が履行されない状況が生じた場合や、文書により業務改善を通知したものが一定期間過ぎても改善が図られないとき、また、10を遵守せずに情報の漏えい等が発生した場合は、委託者は契約を解除し、それによって生じた損害については受託者が賠償する責任を負うものとする。
(2)本仕様書に定めがない事項又は疑義が生じた場合は受託者と委託者が協議の上決定する。
13 契約締結後のスケジュール(予定) 令和5年 4月 1日 委託契約締結令和5年 4月末まで 業務打合せ
令和5年 6月 中旬 委託者から受託者へのデータ提供
令和5年 7月 下旬 分析結果報告書中間報告(成果物納品)
令和5年 8月 上旬 第3期データヘルス計画構成案(成果物納品)令和5年10月 上旬 分析結果報告書最終報告案(成果物納品)
令和5年10月 | 下旬 | 分析結果報告書最終報告(成果物納品) |
令和5年11月 | 上旬 | 第2期データヘルス計画最終評価報告書最終報告案(成果物納品) |
令和5年11月 | 下旬 | 第2期データヘルス計画最終評価報告書最終報告(成果物納品) |
第3期データヘルス計画最終報告案(成果物納品) | ||
令和6年 2月 | 下旬 | 第3期データヘルス計画最終報告(成果物納品) |
別表1 後期高齢者の質問票とレセプトデータの組み合わせ
基本項目 | 抽出基準 | |||||||
後期高齢者の質問票の項目及び回答 | ❼ | ❷ | ❷ | ❹ | ❺ | ➏ | ❼ | ❽ |
関節疾患 | 骨折 | 糖尿病 | 心不全又は脳血管疾患 | うつ病 | BMI 20kg/ ㎡以下 | ⑥「体重変化」の回答が①「はい」 | BMI 25kg/ ㎡以上 | |
①「健康状態」の回答が「あまりよくない」又は「悪い」 かつ ⑦「歩行速度」の回答が「はい」 | A | B | C | D | E | F | G | H |
I | ||||||||
X | X | |||||||
⑦「歩行速度」の回答が「はい」かつ ⑧「転倒」の回答が「はい」 | K | L | M | N | O | P | Q | R |
S | ||||||||
T | T |
※1 上記xxにおいて、高齢者の質問票の項目については、以下のとおり略称で表記している。
①「あなたの現在の健康状態はいかがですか」…略称:①「健康状態」
⑥「6カ月間で2~3kg 以上の体重減少がありましたか」…略称:⑥「体重変化」
⑦「以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思いますか」…略称:⑦「歩行速度」
⑧「この1年間に転んだことがありますか」…略称:⑧「転倒」
※2 抽出条件❼~❺については、それぞれの疾患において治療中又は治療歴がある場合をいう。
※3 上記表の組み合わせについては、基本項目に該当する被保険者のうち、抽出基準のいずれかに該当する場合、A~H又はK~Rのいずれかに該当する。具体例については以下のとおりである。
・後期高齢者の質問票①「健康状態」の回答が「あまりよくない」又は「悪い」、かつ、⑦「歩行速度」の回答が「はい」の被保険者のうち、❼「関節疾患の通院歴あり」に該当する場
合、xxのAに該当する。
※4 上記表の組み合わせについて、基本項目に該当する被保険者のうち、抽出基準❼~❼全てに該当する場合、Ⅰ又はJのいずれかに該当する。また、抽出基準❼~❺全て及び❽に該当する場合、S又はTのいずれかに該当する。具体例については以下のとおりである。
・後期高齢者の質問票⑦「歩行速度」の回答が「はい」、かつ、⑧「転倒」の回答が「はい」の被保険者のうち、抽出基準❼~❼全てに該当する場合、xxのSに該当する。
・後期高齢者の質問票⑦「歩行速度」の回答が「はい」、かつ、⑧「転倒」の回答が「はい」の被保険者のうち、抽出基準❼~❺全て及び❽に該当する場合、xxのTに該当する。
(別紙)
秘密情報等取扱特記事項
(基本的事項)
第1条 受託者は、鹿児島県後期高齢者医療広域連合の所有する秘密情報及び個人情報(以下「秘密情報等」という。)の保護の重要性を認識し、この契約による業務の実施に当たっては、秘密情報等の取扱いを適正に行わなければならない。
(秘密情報)
第2条 秘密情報とは、委託者が受託者に対して提供する情報及びこの契約による業務に関して受託者が知ることになった委託者に関連する情報のうち、業務上、技術上、財産上、その他性質の如何に拘わらず有益な情報及び秘密とされるべき情報をいう。ただし、以下の各号のいずれかに該当する情報であって、受託者が明確な資料によってこのことを証明できる情報は、秘密情報から除外する。
(1) 受託者が受領したとき、すでに受託者が正当に保持していた情報
(2) 受託者が受領したとき、すでに公知であった情報
(3) 受託者が受領した後、委託者の責めに帰すべき事由によらず公知となった情報
(4) 受託者が正当な権限を有する第三者から守秘義務を伴わず入手した情報
(5) 受託者が秘密情報を利用することなく独自に開発した情報
(6) 委託者が書面によって事前に承諾した情報
(個人情報)
第3条 個人情報とは、委託者が受託者に対して提供する情報及びこの契約による業務に関して受託者が知ることになった委託者に関連する情報のうち、個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日、識別番号、記号、符号、画像、音声、その他の記述等により特定の個人を識別できるもの並びに法令等又は委託者の規定する個人情報保護法施行条例によって個人情報としての規制あるいは保護を受ける情報をいう。
(秘密情報等の権利の帰属)
第4条 受託者は、秘密情報等に関する有形・無形の権利はすべて委託者に帰属するものであることを了承し、秘密情報等について自らの権利を主張しない。
2 受託者は、秘密情報等が記載ないし記録された書面、図表、記述、報告、記録媒体等の有体物(秘密情報等が複写された有体物を含む。)は、委託者の書面による事前の承諾がある場合を除き、すべて委託者の専有財産となることを了承し、当該有体物自体について自らの権利を主張しない。ただし、秘密情報等が、受託者所有の記録媒体等の有体物に、本契約に違反することなく一時的に保存されたことが明らかな場合であって、当該秘密情報等が一時的な保存の目的に従ってすべて消去された場合の当該有体物自体についての権利はこの限りでない。
(秘密情報等の取扱責任者)
第5条 受託者は、委託者から提供された資料等の使用及び保管に当たっては、取扱責任者を定め秘密情報等の保護が図られるよう細心の注意を払わなければならない。
(従業者の明確化)
第6条 受託者は、あらかじめ秘密情報を取り扱う従業者(以下、「従業者」という。)を定め、委託
者から要望があれば、従業者の一覧を書面にて報告しなければならない。また、従業者はできるだけ最小限のものとし、むやみに秘密情報を取扱う者を増やしてはならない。
2 従業者の一覧を提出後、従業者に変更がある場合は、その変更の前までに委託者に対して変更後の従業者一覧を提出しなければならない。
(従業者に対する監督・教育の義務に関する事項)
第7条 取扱責任者は、本特記事項に違反しないよう、従業者の秘密情報の取扱いについて監督しなければならない。
2 取扱責任者は、本契約及び本特記事項に記載の秘密情報等の取扱いについて、事前に従業者に教育を行わなければならない。
(秘密保持及び事故防止)
第8条 受託者は、この契約による業務に関して知り得た秘密情報等の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。この契約が終了し、又は解除された後においても、同様とする。
2 受託者は、この業務に従事している者に対して、在職中及び退職後において、この契約による業務に関して知り得た秘密情報等の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならないことその他秘密情報等の保護に関し必要な事項を周知するものとする。
3 受託者は、この契約による業務に関して知り得た秘密情報等の漏えい、滅失又はき損の防止その他の秘密情報等の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
(保有の制限等)
第9条 受託者は、この契約による業務を行うために秘密情報等を保有するときは、その業務の目的を明確にするとともに、業務の目的の達成に必要な範囲内で、適法かつxxな手段により保有しなければならない。
2 受託者は、この契約による業務を処理するために特定の個人から直接書面により記録された当該本人の秘密情報等を取得するときは、あらかじめ、当該本人に対し、その業務の目的を明示しなければならない。
(目的外使用の禁止)
第10条 受託者は、委託者の指示又は承認があるときを除き、秘密情報等が記録された資料等を契約の目的以外の目的に使用してはならない。
(第三者への閲覧又は提供の禁止)
第11条 受託者は、秘密情報等を取り扱う業務の一部を第三者に委託し、又は請け負わせるときを除き、秘密情報等が記録された資料等を第三者に閲覧させ、又は提供してはならない。
(複写及び複製の禁止又は制限)
第12条 受託者は、秘密情報等が記録された資料等を複写し、又は複製してはならない。ただし、委託者がやむを得ない事情があると判断し委託者が許可した範囲内においてはこの限りでない。
(外部持出しの禁止)
第13条 受託者は、秘密情報等が記録された資料等を委託者の許可なしに委託者が指定した場所から持ち出してはならない。
(返還又は廃棄等の義務)
第14条 受託者は、以下の各号のいずれかに該当する事由が生じた場合は、委託者の指示に従い、
秘密情報等が記載ないし記録された書面、図表、記述、報告、記録媒体等の有体物の一切を直ちに委託者に返還しなければならない。ただし、返還が困難なものについては、委託者の指示に従い処分し、その結果を委託者に報告しなければならない。
(1) 時期ないし理由の如何に拘らず委託者の要請があったとき。
(2) この契約による業務の履行が完了し、あるいは履行不能となったとき。
(3) 解除、解約、その他理由の如何に拘わらず、この契約による業務についての契約が終了したとき。
(4) その他委託者が秘密情報等を保持する必要がなくなったとき。
2 受託者は、前項によって返還あるいは消去された秘密情報等を、いかなる方法においても、復元ないし再生してはならない。
(再委託等の禁止又は制限)
第15条 受託者は、この契約による業務の全部または一部を第三者に委託し、又は請け負わせてはならない。ただし、業務の一部を第三者に委託し、又は請け負わせる場合であって、委託者の書面による承諾を得たときは、この限りではない。
2 受託者は、前項の規定によりこの契約による業務の一部を第三者に委託し、又は請け負わせるときは、当該再委託先の行為について自己の行為と同様の責任を負うものとする。
3 受託者は、第1項の規定により秘密情報等を取り扱う業務を第三者に委託し、又は請け負わせるときは、当該第三者に対し、この契約に規定する秘密情報等の保護に関する事項を遵守させるよう措置しなければならない。
(秘密情報等の管理)
第16条 受託者は、善良な管理者の注意義務をもって委託者の秘密情報等を管理し、秘密情報等を保護するために、受託者自身の同様の情報等に関して採用している一切の予防措置をはじめ、秘密情報等の受領、利用、保管、返還、消去、廃棄、その他のすべての段階において、秘密情報等の漏えいが生じないように必要かつ適切な、あらゆる合理的な予防措置を実施しなければならない。
(立入調査)
第17条 委託者は、委託業務の処理状況を調査するため必要があるときは、受託者の事務所に立ち入ることができるものとし、受託者は、これに応ずるものとする。
(報告義務)
第18条 受託者は、秘密情報等を取り扱う業務の処理状況について、委託者に対し報告しなければならない。
2 受託者は、秘密情報等が記録された資料等に漏えい、滅失、き損その他の事故が発生したときは、直ちに委託者に通知し、必要な措置を講ずるとともに遅滞なくその状況を書面により委託者に報告しなければならない。
(指示)
第19条 委託者は、受託者がこの契約による業務を処理するために取り扱っている秘密情報等について、その取扱いが不適当と認められるときは、受託者に対して必要な指示を行うことができる。
(法令等による開示)
第20条 受託者は、法令、判決、決定、命令その他の司法上又は行政上の要請、要求又は命令により、法的拘束力を有する開示請求が行われた場合、この契約の他の規定にかかわらず、当該秘密情
報等を当該機関に対して開示することを妨げられない。ただし、受託者は、委託者がその判断によりこれを争う機会を得られるよう、直ちにその要請、要求又は命令について、委託者に通知するものとする。
(事故時の責任)
第21条 受託者の管理下にある秘密情報等について、不正アクセス、紛失、盗難、破壊、改ざん、漏えい、その他の事故が発生した場合の責任は、すべて受託者が負担する。
2 前項の場合、受託者は、直ちに当該事故の詳細について委託者に状況を報告し、損害の発生・拡大の防止、証拠の保全、事実の調査、その他当該事故に対処するためのあらゆる合理的な措置をとるものとする。この場合において、受託者は、委託者からの指示がある場合には、当該指示に従った措置をとることとする。
(事故発生時の公表)
第22条 委託者は、本契約に係る業務に関して、第21条に規定する事故が発生した場合は、必要に応じて当該事故を公表することができるものとする。
(損害賠償)
第23条 受託者は、本特記事項の違反、事故、その他受託者の責めに帰すべき事由によって、第三者に損害が生じ、あるいは第三者からの苦情が生じた場合には、受託者の責任及び負担において、損害の賠償及び適切な苦情への対処を行うものとし、委託者には一切の損害を及ぼさないものとする。
2 受託者は、本特記事項の違反、事故、その他受託者の責めに帰すべき事由によって、委託者に損害を及ぼした場合には、委託者に対し、その損害一切を賠償するものとする。
(契約解除)
第24条 委託者は、受託者が本特記事項の内容に違反していると認めたときは、契約を解除することができる。