Contract
建設工事請負契約における契約保証に関する事務処理要領
建設工事請負契約における契約保証については、契約の履行を確保することを目的として「船橋市契約規則(平成26年船橋市規則第60号)第32条(契約保証金の納付)、第33条(契約保証金に代わる担保)及び第34条(契約保証金の納付の免除)」並びに
「工事請負契約書第4条(契約の保証)」に規定するところであるが、契約の保証に関する事務処理については下記の要領により行うものとする。
記
1 建設工事請負契約における契約の保証
⑴ 契約担当者(船橋市契約規則第3条第1項に規定する者をいう。以下同じ。)は、建設工事請負契約の締結にあたり、契約の相手方に対し、請負代金額の一定率以上の金額の保証を要求し、契約の保証が付されていることを確認したうえで契約を締結するものとする。
⑵ 契約の保証については、「請負代金額の100分の10以上の金銭的保証」を原則とし、建設工事請負契約に基づく債務の不履行による違約金の支払いを目的とするものとする。
なお、特殊な場合は「請負代金額の100分の30以上」とするが、特殊な場合とは、例えば「工事完成までの期間が切迫している等」の事情がある場合をいい、保証については、公共工事履行保証証券(履行ボンド)による「役務的保証(代替履行の確保)」を要求することとするが、この取扱いについては事前に企画財政部契約課と協議するものとする。
⑶ 契約保証金の納付、契約保証金に代わる担保となる有価証券の提供、契約保証金の払戻、有価証券の返還及び契約解除に伴う違約金の徴収に関する手続きについては、船橋市契約規則及び船橋市予算会計規則(平成26年船橋市規則第59号)に基づいて行うものとする。
2 契約の保証の種類及び保証の確認方法
工事請負契約書第4条第1項の規定により契約の相手方(落札者等)は、次の契約保証の方式のうち、一のものを選択のうえ、保証を付することとなるが、保証の種類に応じた証拠書類により契約保証の内容を確認するものとする。
⑴ 契約保証金(現金)の納付
船橋市予算会計規則第8章第3節(歳入歳出外現金及び保管有価証券)の規定に基づく歳入歳出外現金の「領収書」
⑵ 契約保証金に代わる担保となる有価証券(国債証券等)の提供
船橋市予算会計規則第8章第3節(歳入歳出外現金及び保管有価証券)の規定に基づく「証券受領書」
⑶ 銀行又は市長が確実と認める金融機関等の保証
ア 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和29年法律第19
5号)第3条に規定する金融機関である銀行、信託会社、保険会社、信用金庫、信用金庫連合会、労働金庫、労働金庫連合会、農林中央金庫、株式会社商工組合中央
金庫、株式会社日本政策投資銀行、信用協同組合、農業協同組合、水産業協同組合又はその他の貯金の受入れを行う組合の「保証証書」
イ 公共工事の前払金保証事業に関する法律(昭和27年法律第184号)第2条第
4項に規定する保証事業会社(東日本建設業保証株式会社等)の「保証証書」
⑷ 公共工事履行保証証券(履行ボンド)
契約の相手方から委託を受けた保険会社との間の、債務履行の保証契約に基づく「保証証券」
⑸ 履行保証保険
契約の相手方と損害保険会社との間の保険契約に基づく「保険証券」
3 契約締結時における確認等
契約担当者は、契約の相手方(落札者等)から、工事請負契約書(案)の提出時に当該工事請負契約の保証についての証拠書類が提出されたときは、次の事項及び提出書類を確認のうえ、工事請負契約の締結手続きを行うものとする。
なお、保証に関する証拠書類は、上記2⑶⑷⑸にあっては、工事請負契約締結後、工事請負契約書に添付して保管することとする。
(一般的確認事項)
ア 契約保証金額等が請負代金額の100分の10以上であること。
イ 契約保証金の納付及び契約保証金に代わる担保としての有価証券の提供の場合にあっては、船橋市契約規則及び船橋市予算会計規則に基づく手続きにより、契約保証金の納付あるいは担保の提供が行われたこと。
ウ 上記2⑶⑷⑸の保証契約等の場合にあっては、
(ア) 保証人あるいは保険者が上記2⑶⑷⑸に記載されているものであること。 (イ) 保証契約等の委託者(申込者)が契約の相手方であること。
(ウ) 保証契約等における債権者あるいは被保険者(保証金等の受取人)が「船橋市」であること。
(エ) 保証債務の内容が、工事請負契約に基づく債務の不履行による損害金の支払いを目的としていること。
(オ) 保証等に係る工事の工事名が工事請負契約書記載の工事名と同一であること。 (カ) 保証等の期間が工期全体を含むものであること。
⑴ 契約保証金の納付、契約保証金に代わる担保としての有価証券の提供
ア 船橋市契約規則及び船橋市予算会計規則に基づき、契約の相手方から、契約保証金の納付あるいは契約保証金に代わる担保としての有価証券の提供が行われ、それに基づいて歳入歳出外現金の「領収書」あるいは「証券受領書」が作成されたものであること。
イ 歳入歳出外現金の「領収書」及び「証券受領書」は原本提示の方法により確認し、その写しを保管するものとする。
⑵ 金融機関等の保証
ア 保証の委託者が契約の相手方であること。 イ 債権者(名宛人)が「船橋市」であること。
ウ 保証人が、上記2⑶の金融機関等であること。
エ 船橋市に対する保証債務を負担する旨の記載があること。
オ 保証債務履行請求の有効期間が保証期間経過後6か月以上確保されていること。
⑶ 公共工事履行保証証券
ア 保証契約の委託者が契約の相手方であること。
イ 債権者(保証金受取人)が「船橋市」であること。ウ 保証人(保険会社)の記名押印があること。
エ 履行保証証券の保証契約基本約款及び特約条項等その他証券の記載事項により保証債務を負担する旨の記載があること。
⑷ 履行保証保険
ア 保険契約者(申込者)が契約の相手方であること。 イ 被保険者(保険金受取人)が「船橋市」であること。ウ 保険会社の記名押印があること。
エ 保険契約が定額てん補方式であること。
オ 履行保証保険の普通保険約款及び特約条項等その他証券の記載事項により保険契約の内容が適切なものであること。
4 受注者の債務不履行による契約解除時の取扱い
契約担当者は、工事請負契約書第47条各号、第48条各号又は第50条各号のいずれかに該当するときは、工事請負契約の解除の手続きを行い、それに伴う違約金の請求等の手続きを行うものとする。
また、契約担当者は、工事請負契約書第55条第2項に規定する違約金の金額が契約保証金の額を超過している場合は、別途、受注者に対して超過額の請求手続きを行うものとする。
ただし、契約上の工事期間経過後相当の期間内に工事を完成する見込がある場合には工事請負契約書第55条第1項の規定を適用し、損害金を徴収して工事を完成させることができる。
⑴ 契約保証金の納付
工事請負契約書第47条、第48条又は第50条の規定により契約を解除したときは、第55条第6項の規定により契約保証金は違約金に充当することとなる。
⑵ 契約保証金に代わる担保としての有価証券等の提供
工事請負契約書第47条、第48条又は第50条の規定により契約を解除したときは、第55条第6項の規定により担保をもって違約金に充当することとなる。
⑶ 金融機関等の保証、公共工事履行保証証券及び履行保証保険
契約担当者は、工事請負契約書第47条、第48条又は第50条の規定により契約を解除したときは違約金の金額(ただし、保証金額が違約金の金額未満の場合は保証金額)を記載した保証金(保険金)請求書(第1号様式)及び解除通知の写しを銀行等に提出し、請求するものとする。
5 工事完成時の取扱い
⑴ 契約保証金の納付及び契約保証金に代わる担保としての有価証券の提供
ア 契約担当者は、受注者から工事目的物の引き渡しを受けたときは、受注者に対し請負代金額の支払請求書の提出とともに、契約保証金にあっては契約保証金請求書を、契約保証金に代わる担保としての有価証券にあっては証券(利札)還付請求書を提出させるものとする。
イ 契約担当者は、次の事項を確認するものとする。
(ア) 契約保証金請求書の請求者の印鑑が、使用印鑑届に押印されている印鑑と同一であること。
(イ) 契約保証金請求書等に記載の保管金等の額が、契約保証金等の額と同一であること。
⑵ 金融機関等の保証
ア 契約担当者は、受注者から工事目的物の引き渡しを受けたときは、保証書の受領書(第2号様式)を提出させ、保証書(保証契約変更契約書含む。)を受注者を経由して金融機関等へ返還する。
イ 保証書の写し及び受注者から徴収した受領書を保管するものとする。
ウ 保証事業会社が保証した場合は、工事完成後も保証書(保証契約変更契約書を含む。)を返還せずに保管するものとする。
⑶ 公共工事履行保証証券及び履行保証保険
契約担当者は、受注者から工事目的物の引き渡しを受けた後も、保証証券あるいは保険証券(異動承認書を含む。)を返還せずに保管するものとする。
6 請負代金額の増額変更時の取扱い
契約担当者は、請負代金額の増額変更を行おうとする場合は、受注者に対して契約保証金等の金額を変更後の請負代金額の100分の10以上になるよう増額変更を求め、保証の増額がなされたことを確認したうえで、請負代金額の変更契約の締結を行うものとする。
また、証拠書類の確認の方法は上記3(契約締結時における確認等)の場合に準じて行うものとする。
なお、金融機関等あるいは保険会社の保証等の増額変更については保証契約変更契約書あるいは異動承認書により確認するものとするが、特に次の事項(当初の保証契約等との同一性、継続性)の確認を必要とする。
ア 保証契約等の変更(異動)を承認する旨の記載があること。
イ 証書(証券)番号が当初の保証契約等にかかる証書(証券)の番号と同一であること。
ウ 増額後の保険金額が変更後の請負代金額の100分の10以上であること。
エ 変更後の保険期間の始期が契約変更日以前であり、終期が工期の末日以後であること。
オ 工事請負契約の変更後、保証契約変更契約書(異動承認書)は、工事請負契約書に添付し保管する。
7 請負代金額の減額変更時の取扱い
契約担当者は、請負代金額の減額変更を行おうとする場合、受注者から契約保証金等
の金額を変更後の請負代金額の100分の10以上が確保される範囲で減額の申出があり、特段の事情がないときは、契約保証金の金額(保証金額、保険金額)等を変更後の請負代金額の100分の10以上が確保される範囲で受注者の要求する金額まで減額変更するものとする。
また、証拠書類の確認の方法は上記6(請負代金額の増額変更時の取扱い)の場合と同様であるが、変更後の保証金額等が変更後の請負代金額の100分の10以上であること及び次の事項について確認を必要とする。
⑴ 契約保証金の納付及び契約保証金に代わる担保としての有価証券の提供
契約担当者は、契約保証金の金額の減額変更を行おうとするときは、受注者から工事請負変更契約書(案)の提出とともに、契約保証金については契約保証の減額分の契約保証金請求書を、また、契約保証金に代わる担保としての有価証券については証券(利札)還付請求書を提出させるものとする。
⑵ 金融機関等の保証及び公共工事履行保証証券
ア 契約担当者は、保証金額の減額変更を行おうとするときは、受注者に対して工事請負契約の変更契約とともに、契約担当者が指定する日までに、保証金額を変更後の契約保証金の金額以上の範囲で減額変更する旨の金融機関等(保険会社)の保証契約変更契約書(異動承認書)の提出を求めるものとする。
イ 契約担当者は、受注者から保証契約変更契約書(異動承認書)が提出されたときは、提出書類を確認のうえ工事請負契約書に添付して保管する。
⑶ 履行保証保険
履行保証保険の場合にあっては、保険金額の減額は行われないので保険金額の減額変更は行わないものとする。
8 工期の延長時の取扱い
契約担当者は、工期の延長を行おうとする場合、保証期間が変更後の工期を含まないときは、保証期間を変更後の工期を含むように保証契約の変更を求めるものとする。
なお、履行保証保険の場合にあっては、保険期間が指定されている場合で、保険期間が変更後の工期を含まないときは、保険期間を変更後の工期を含むように契約変更を求めるものとする。
また、証拠書類の確認の方法は、上記6(請負代金額の増額変更時の取扱い)の場合と同様であるが、次の事項等について特に確認を必要とする。
⑴ 金融機関等の保証、公共工事履行保証証券及び履行保証保険
ア 契約担当者は、保証期間の延長変更を行おうとするときは、受注者に対して工事請負変更契約書(案)の提出とともに保証期間を変更後の工期にあわせて、延長変更する旨の金融機関等(保険会社)の保証契約変更契約書(異動承認書)の提出を求めるものとする。
イ 契約担当者は、受注者から保証契約変更契約書(異動承認書)の提出を受けたときは、次の事項及び提出書類を確認のうえ、請負契約の変更手続きを行うものとする。
9 工期の短縮時の取扱い
契約担当者は、工期の短縮を行おうとする場合、受注者から保証期間を変更後の工期を含む範囲で短縮の要求があり、特段の事情がないときは、保証期間を変更後の工期を含む範囲で短縮変更の手続きを行うものとする。
なお、証拠書類の確認の方法は上記6(請負代金額の増額変更時の取扱い)の場合と同様であるが、次の事項について特に確認を必要とする。
⑴ 金融機関等の保証及び公共工事履行保証証券
ア 契約担当者は、保証期間の短縮変更を行おうとするときは、受注者に対して工事請負契約の変更後、契約担当者が指定する日までに、保証期間を変更後の工期を含む範囲で短縮変更する旨の金融機関等(保険会社)の保証契約変更契約書(異動承認書)の提出を求めるものとする。
イ 契約担当者は、受注者から保証契約変更契約書(異動承認書)の提出を受けたときは、次の事項及び提出書類を確認のうえ受理するものとする。
(ア) 保証に係る工事の工事名が工事請負契約書記載の工事名と同一であること。 (イ) 変更後の保証期間が変更後の工期を含むものであること。
ウ 工事請負契約の変更後、保証契約変更契約書(異動承認書)は、工事請負契約書に添付して保管する。
10 履行遅滞時の取扱い
契約担当者は、請負工事について履行遅滞が生じた場合には、工事請負契約書第55条第1項の規定により損害金の徴収手続きを行い、工期経過後相当期間内に工事を完成させようとするときは、保証期間内に工事が完成する見込の期間が含まれるように保証期間の延長を内容とした保証契約の変更手続きを求めるものとする。
なお、履行保証保険の場合にあっては、保険期間が特定されている場合で、保険期間が上記の工期経過後相当期間を含まないときは、保険期間を予定の工期と合わせるように延長変更の手続きを求めるものとする。
また、保証、保険期間の延長手続きは上記8(工期の延長時の取扱い)に準じて行うものとする。
⑴ 金融機関等の保証、公共工事履行保証証券及び履行保証保険
ア 契約担当者は、保証期間の延長変更を行おうとするときは、受注者に対して工事請負変更契約書(案)の提出とともに保証期間を変更後の工期を含むように延長変更する旨の金融機関等(保険会社)の保証契約変更契約書(異動承認書)の提出を求めるものとする。
イ 契約担当者は、受注者から工事請負変更契約書(案)の提出とともに保証契約変更契約書(異動承認書)の提出を受けたときは、次の事項及び提出書類を確認のうえ、請負契約の変更手続きを行うものとする。
附 則
この要領は、平成8年4月1日から施行する。
附 則
この要領は、平成17年4月1日から施行する。
附 則
この要領は、平成26年4月1日から施行する。
附 則
この要領は、令和元年5月1日から施行する。
附 則
この要領は、令和2年5月1日から施行する。
附 則
この要領は、令和3年4月1日から施行する。
第1号様式
保 証 金 ( 保 険 金 ) 請 求 書
年 月 日
(金融機関等会社名)
( 保 険 会 社 名 ) 様
船 橋 市 長 印
下記の建設工事請負契約を解除しましたので保証金(保険金)の支払いを請求します。なお、別途、納入通知書を送付しますので、支払いの時期及び方法についてはそれに従
ってください。
記
1 | 工 事 名 | 工事 |
2 | 契約当事者 | 発注者 住 所 xxxxx0xx00x00x氏 名 船 橋 市 船橋市長 ○ ○ ○ ○ |
受注者 住 所 |
商号又は名称代表者職氏名
3 | 契約解除の日 | 年 | 月 | 日 |
4 | 保証証書(保険証券)番号 |
| ||
5 | 保証金(保険金)請求書 | 金 円 | ||
6 | 請求の原因 | 工事請負契約書第47条又は第48条の規定による契約解除に伴う違約金の請求 |
(添付書類)
契約書(変更契約書)の写し、契約解除通知の写し、保証証書(保険証券)の写し
第2号様式
受 領 書
年 月 日
船 橋 市 長 あて
住 所
商号又は名称代表者職氏名
代 x x
下記の建設工事請負契約書に係る保証書を確かに受領しました。
記
1 工 事 名 工事
2 保証人名 ( x x 機 x x 会 社 名 )
3 保証証書番号
参考資料
契 約 解 除 通 知 ( 標 準 例 )
年 月 日
( 受注者 ) 様
船 橋 市 長 印
○○○○○○○工事について
下記の工事について、 年 月 日付けをもって下記のとおり契約を解除する。
記
1 | 工 事 名 | 工事 |
2 | 契約年月日 | 年 月 日 |
3 | 工 期 | 自 年 月 日 |
至 年 月 日 | ||
4 | 請負代金額 | 金 円 |
5 | 解除の理由 | |
6 | 契約解除時の出来高 | 金 円 |
7 | 違約金額 | 金 円 |