本実証事業の現地サイトであるドイツNRW 州は、欧州の中心に位置し、同国内で最大人口を擁す。工業化の進んだ地域であることからロボットシステムに対する市民の理解 度が高い。また、古くから炭坑業が盛んなため炭鉱事故への労災の医療・介護保険制度が整備されている。
資料7
作成:平成 28 年 10 月
上位施策等の名称 | 新成長戦略(平成 22 年 6 月閣議決定) 第4期科学技術基本計画(平成 23 年 8 月閣議決定) ロボットの共同研究実施に関する合意書(TOR)(2013 年 9 月)、日仏共同声明(2013 年 6 月) | |||
事業名称 | 環境・医療分野の国際研究開発・実証プロジェク ト/ロボット分野の国際研究開発・実証事業 | PJ コード:12001 | ||
推進部 | ロボット・AI部、国際部 | |||
事業概要 | ドイツ | |||
事業概要 ロボットスーツHAL(Hybrid Assistive Limb)は、下肢に障がいがある方々や、脚力が弱くなった方々を対象にした機能改善・機能再生治療用のロボット医療機器であ り、2013 年に世界で初めて欧州域内で医療機器として流通・販売できる「CE マーキング」を取得し、欧州全域で医療機器として展開できるようになったところ。(XXX は、別モデルでも世界で初めて生活支援ロボットの国際安全規格ISO13482 の認証を取得。) 本事業は、対麻痺機能改善治療に関する公的医療保険の適用と、医療用装着型 ロボットを中核とした関連システム/サービスの実証を通じて、我が国発の技術で開発された HAL の欧州市場拡大を目指すもの。 意義 本事業は、日本発のロボットであるHAL を用いて脊髄損傷や脳卒中を含む脳神経筋疾患の機能改善治療を欧州全域で展開する第一歩になる。 政策的必要性・NEDO 関与の必要性 ロボット技術は産業分野のみならず、介護・福祉、家事、安全・安心等の生活分野への適用が期待されているところ。しかし、当該分野におけるロボットの安全性に関する国内外の規格等は未整備であるため、政策的に国際標準等の整備に取り組むことが求められる。 XXXX が国家プロジェクトとして本実証事業の実施体制を構築したことにより、ロボットメーカー、試験研究機関及び認証機関等が密接に連携。結果、単独機関のみでは対応困難な安全性に係る試験及びデータの取得・蓄積・分析を加速させた。 NEDO が国家機関としてドイツの NRW 州政府と協力関係を構築することで、当地における対麻痺機能改善治療の公的医療保険の適用に係る実証事業を円滑に推進させた。 予算・期間・実施体制 事業期間:2013~2015 年度 |
相手国との関係構築
本実証事業の現地サイトであるドイツNRW 州は、欧州の中心に位置し、同国内で最大人口を擁す。工業化の進んだ地域であることからロボットシステムに対する市民の理解度が高い。また、古くから炭坑業が盛んなため炭鉱事故への労災の医療・介護保険制度が整備されている。
本事業では、このドイツNRW 州をモデル都市として選定し、HAL を用いた脊髄損傷、脳卒中、その他、脳・神経・筋系の疾患患者を対象とした実証試験を実施し、実証試験によるデータ収集とその分析を実施。
デンマーク
事業概要
New Robot Rodem(以下、NRR)とは、介護者、被介護者双方の身体に負担が少なく、移乗時の危険を回避し、安全かつ自由に移動できる新しい機構・システムで構成される、我が国発の電動車いすをベースとした生活支援ロボット。
本事業は、まずはデンマークの介護現場における三主体(介護者、被介護者、自治体)の課題解決に対して NRR がどれだけ効果があるか、デンマークでの実際のユーザー試験を通して検証し、デンマークをはじめ海外での市場導入を目指すもの。
意義
医療介護先進国であるデンマークにおいてNRRの実証を行うことで成功モデルを作ることによりブランドを確立し、今後欧州全域に普及させるための第一歩になる。
政策的必要性・NEDO 関与の必要性
ロボット技術は産業分野のみならず、介護・福祉、家事、安全・安心等の生活分野への適用が期待されているところ。しかし、今後のビジネス展開を見据えて海外を俯瞰すると、海外の事業環境等は我が国と異なる場合が多く、相手国のユーザーニーズ、介護・医療事情等に合致したきめ細かい開発や保守、運用までも含めた一体的なサービスの提供が求められるため、相手国との信頼関係の構築、諸規制への対応等について、民間企業独自に取り組むことに大きなリスクを感じている状況。
NEDO が国家プロジェクトとして本実証事業の実施体制を構築したことにより、我が国企業とデンマークの福祉施設が密接に連携。結果、民間単独では対応困難な実証データの取得・蓄積・分析を加速させた。
NEDO が国家機関としてデンマークのコペンハーゲン市及びファーボ・ミッドフュン市と強力な協力関係を構築することで、現地における実証事業を円滑に推進することを可能とすると共に、NRR 普及のモデル(市が機器を購入して介護設備にレンタル)が加速される。
予算・期間・実施体制
事業期間:2013~2014 年度
相手国との関係構築
デンマークは福祉先進国として名高い国であり、国民の気質として新規の福祉機器導入の機運が高い状況。また、現場の医療従事者の介護者の権限が強く、実証事業により福祉機器の価値が認められれば迅速な導入が期待される。加えて、デンマークでは医療機器を市が購入して介護施設等へレンタルするビジネスモデルが確立している。
ファーボ・ミッドフュン市はNRR導入に意欲的。住宅密度の低い郊外都市であり通信インフラが十分に整備されていないため、本事業で対象とする遠隔通信システムを用いたNRRの実証モデルは、まさにニーズに合致するもの。その他、大都市の代表としてコペンハーゲン市も導入に意欲的。
本事業では、このファーボ・ミッドフュン市及びコペンハーゲン市をモデル都市として選定し、NRRを用いた介護者/被介護者の負担軽減に向けた実証を行うことで、両市とNEDOが協力に関するMOUを締結。
アメリカ | |||
事業概要 *DRC = DARPA Robotics Challenge *JVRC = Japan Virtual Robotics Challenge 意義 世界各地で発生する各種災害への対応体制の早期構築が急がれる中、アメリカとの連携により、災害対応ロボット技術の向上を促進する。 政策的必要性・NEDO 関与の必要性 第4期科学技術基本計画(2011.8 閣議決定)で、我が国には、今後の社会を支えるシステムとしての(災害対応を含む)生活支援分野の国際的な研究開発・実証の取り組みが求められている。 東日本大震災を鑑み、経済産業省と米国防総省間で、 「人道的支援と災害復旧に関するロボットの日米共同研究実施」を 2013.7 合意書締結した。 民間企業が、災害対応ロボットを開発することに大きなリスクを感じている 予算・期間・実施体制 事業期間:2014~2015 年度 |
フランス
事業概要
日仏首脳間合意(2014.5.6)により、日仏産業協力委員会の枠組みで発足した3つのワーキンググループの一つがロボット産業協力に関するものである。そこでは産業用ロボットをベースにしたロボット産業振興が目的とされており、本事業はその一環として実施されたものである。
仏国のxx市場であるxx業界(医薬品・食品・化粧品)等において、ヒト協働型ロボット(Cobot)導入における安全技術と新たな付加価値を示し、我が国の更なる産業用ロボット市場の拡大を狙う。
フェーズ1として、仏国に常設展示を設け、効果的に市場性調査・技術調査・PR活動を実施し、その可能性を見極めた上でフェーズ2として、ロボットPF 開発及びその SIer の育成、ロボットによる生産ライン導入前実験をユーザー企業等と協力して行う。
意義
欧州共同体内では人口流動が激しく、仏独などの先進国では直接作業員人口の変動が大きい。とりわけ従来自動化が難しかった変種変量生産の労働力不足の解決手段として Cobot が期待されている。
工場内で Cobot を稼働させるにはライン設置、動作の教示等の環境構築のために現地 SIer との協業が不可欠である。本事業では現地 SIer との緊密な連携により、従来あまり知られていかった Cobot による自動化に対しての仏国における潜在的なニーズを明確にする。
政策的必要性・NEDO 関与の必要性
日仏産業協力委員会の枠組みで産業用ロボット振興を日仏二国間協力により行う。
NEDO は仏国Innorobo 展への参加を公募の要件としてカワダロボティクスの出展を促し、サンカンタン市との協力関係の構築に寄与した。同市ではロボット産業育成が盛んで、同市で開催された展示会へのカワダロボティクスの出展が実現した。さら
に市内の大手 SIer であるAPEGELEC との協業によるCobot 稼働実証へと繋がった。 予算・期間・実施体制 事業期間:2015 年度(普及可能性調査(FS)事業として行う) 相手国との関係構築 本事業の目的達成のため、フランス ピカルディ地域圏(州)の中心都市であるサンカンタン市の副市長及び市経済振興局と協力関係を構築し、展示会への出展及び実証拠点の開拓に導いた。 NEDO 主導のもと経産省産機課、在日仏大使館と協働して産業用ロボット事業を推進するスキーム(日仏協働ロボット事業推進委員会)を構築した。 | |||||
事業期間・開発費 | 事業期間:平成 24 年度~平成 27 年度契約等種別:委託 勘定区分:一般勘定 [単位:百万円] | ||||
~平成 25 年度 | 平成 26 年度 | 平成 27 年度 | 合計 | ||
予算額 | 305 | 772 | 530 | 1607 | |
執行額 | 305 | 772 | 530 | 1607 | |
位置付け・必要性 | (1)根拠 | ||||
政策的位置付け ロボット分野における国際研究開発、実証プロジェクトが目指す目的や実施内容については、新成長戦略(2010 年 6 月閣議決定)及び第 4 期科学技術基本計画 (平成 23 年 8 月閣議決定)、ロボットの共同研究実施に関する合意書(TOR)(2013 年 9 月)、日仏共同声明(2013 年 6 月)に位置付けられている。 |
【新成長戦略】
《ライフ・イノベーションによる健康大国戦略》
・介護等の技術の研究開発の促進について、「高い成長と雇用創出が見込める医療・介護・健康関連産業を日本の成長牽引産業として明確に位置付ける」とし、具体的には「医療・介護ロボット等の研究開発・実用化を促進する」と明記されている。
【第4期科学技術基本計画】
・研究開発、実証、海外展開の促進について、「我が国の強みを活かした新たな産業基盤の創出」として「機械等の最終製品の国際競争が激化する中、新たな付加価値の創出に向けて統合的システムの構築や、保守、運用までも含めた一体的なサービスの提供に向けた研究開発を、実証実験や国際標準化と併せて推進するとともに、これらの海外展開を促進する」と明記されている。
【ロボットの共同研究実施に関する合意書(TOR)】
・人道支援と災害復旧に関するロボットの日米共同研究実施に関して、経済産業省と米国防総省(DOD)が合意。実用化、運用面で各国をリードしている米国との共同研究により、我が国においても本格整備のニーズが高い災害対応ロボットや点検・メンテナンスロボットの実用化、運用技術の向上を目指す。が期待されている。
【日仏共同声明】
・2012 年 12 月に経済産業省と仏・生産復興省がロボット産業協力の実施に合意。これに基づき、日仏共同声明にロボット分野における産業協力を明記。
社会的背景・市場動向上の位置づけ及び必要性
世界の先進国は、これまで経験したことのない高齢社会を迎えており、新興国においても、急速な高齢化や生活水準の向上に伴う健康志向の高まりが見込まれていることから、高齢者の生活・作業支援機器開発や医療ツーリズムの活発化等、医療、介護、健康、福祉等の生活支援関連産業は、今後高い成長が期待されている
※。
※例えば、世界の医療機器市場は、2,456 億ドル(2010 年)から 3,109 億ドル(2015年)に、医療ツーリズム需要は、600 億ドル(2006 年)から 1,000 億ドル(2012 年)に拡大するとの予測がある。
産業用ロボットの世界市場は、金額ベースで直近 5 年間に約 60%成長。2011 年の市場規模は 6,628 億円で中国等の新興国を中心に今後も需要が伸びるものと予想され、2014 年には中国が最大の需要国となることが見込まれている。
災害対応ロボットに関しては、現時点においては市場と呼べる程のサイズを有していないものの、東日本大震災をきっかけに南海トラフ地震等の今後予想される災害に対する危機意識が高まっており、また共通的な技術で構成される老朽化したプラントやインフラ等のモニタリング・メンテナンスの需要も高まっていることから、今後市場が形成されることが予想される。
また、我が国が強みを有するロボット技術を核とした高齢者、要介護者、介護従事者等の生活・作業支援、製造業、サービス業における労働力不足に対応するための生産性向上や、世界各地で発生する各種災害発生時の対応を行うロボットシステムの海外展開については、現地のユーザーニーズ、介護・医療事情、法令・規制等に
合致したきめ細かい開発等や保守、運用までも含めた一体的なサービスの提供が求められている。
NEDO 関与の必要性
本プロジェクトが目指すロボット分野の国際研究開発・実証は、世界的に進む高齢社会、健康志向の到来、各地で発生する災害への対応、労働力不足への対応等に向けて、我が国が強みを有するロボット技術等を用いて、民間主導では困難なロボ ット技術を核としたロボットシステムの海外展開を推進するものであり、我が国産業の活性化、海外展開の促進に貢献することから、NEDO の関与が必要であると考えられる。
(2)目的
本制度では、ロボットシステム(ロボット分野)の研究開発・実証を、海外の介護、
医療、生産、災害その他の現場のニーズを反映しつつ実施し、我が国技術の有効性等の理解を得ることにより、我が国の当該分野における技術水準の向上に加え、海外展開やxxxの促進等を図ることを目的とする。
世界的な高齢社会に対応する医療・介護サービス等の向上と労働力不足を補う生産性の向上、世界各地で発生する自然災害や老朽化したインフラで発生する事故に対応する災害対応体制構築への要求が高まる中、我が国が強みを有するロボット技術を核としたロボットシステムを活用した介護、健康等に係る成長市場の取り込みが期待されており、欧米等との開発競争や国際標準化の動きも激化している中で、今後、ロボットシステムを輸出産業に成長させるためには早期の取り組みが必要である。
しかし、気候風土や生活習慣、社会インフラの整備状況などの違いを背景として、我が国の技術やシステムをそのまま輸出するだけでは不十分であるほか、日本国外で実績のないシステム等の受注が困難であることから、現地で効率的なシステムを構築し、新たな市場を取り込むには、追加的な研究開発、実証等を行っていくことが必要である。
また、大規模なシステムや機器を海外で研究開発・実証するためには、現地の政府や政府関係機関との調整や合意形成が必要であるが、ロボット技術を核としたロボットシステムのように我が国産業界の海外における事業実績が十分ではない状況下では、政府機関等との調整のノウハウに乏しく事業の進展が困難な場合が多いほか、リスクも大きい※。
※例えば、欧州諸国の病院や介護施設等において、装着型の歩行支援ロボットを用いた歩行や運動訓練、治療等のシステムを相手国と共同開発する場合、相手国のロボットに関する受容性(acceptability)、生活習慣、医療プロトコル等に合わせたシステムとなるよう様々な技術的調整、交渉等が必要となる。さらに、日本のロボット技術に関する相手国の十分な理解も必要不可欠である(この点が、システム輸出、インフラ輸出、ソリューションビジネスを困難にするリスクとなっている)。これらの交
渉、作業、調整等を民間企業のみに任せるのではなく、国が相手国政府との協議の重要部分を担うことで、日本のロボットメーカーには技術的な作業に可能限り注力することが可能となるなど、民間企業による海外展開のリスクを低減することが可能となる。
このため、多くの案件で海外政府機関と連携し、研究開発、技術実証事業等を行った経験とノウハウを豊富に持つ NEDO が主体となって、今後、世界規模で成長が
見込まれるロボット分野において、先進的な開発、実証を推進する役割を担う行うことは、今後我が国産業競争力の強化に資する効果的な取り組みと考えられる。 (3)目標 本制度は、海外において、我が国のロボット技術を核とするロボットシステムの開発、実証を行うことにより、我が国のロボットシステムの普及や国際的な地歩の確立等を目指すものであるため、具体的成果目標等については、事業の一環として、必要に応じ実施する実施可能性調査(FS)の結果や、相手国政府機関等との協議結果を踏まえて、委託先の選定後に詳細に設定する。 本事業は、相手国政府機関、サイト機関等と、国際的に共同で実施する事業であり、相手国政府等とは MOU 等を締結して実施する。また、XXXX からの受託者と相手国のサイト機関は、開発・実証事業の実施の詳細を規定する協定付属書(ID)等を締結して実施することとなる。 本事業は、海外において、我が国のロボット技術を中心核とするロボットシステムの開発、実証を行うことにより、我が国のロボットシステムの普及や国際的な地歩の確立等を目指すものであり、具体的な実施内容と成果目標等については、事業の一環として実施する実施可能性調査(FS)の結果や、相手国政府機関等との協議結果を踏まえて、委託先の選定後に詳細に設定することとする。 なお、事業後のビジネス展開を想定すれば、相手国の医療機関、介護施設、製造施設、災害対応組織等に加えて、現地のサプライヤー等をも事業段階から協力体制に組み込むことが適切と考えられる。その際は、ロボット技術の中枢部分は日本側が保持しつつ、相手国の技術を一部取り入れたロボットシステムの構築を行うことにより、現地仕様化を図る際のソフト、ハード面でのハードルは可能な限り低減した上で、事業後の相手国における普及や現地サプライヤー等との第三国への展開等を 図ることが重要になると思われる。 | |||
マネジメント | (1)「制度」の枠組み | ||
別紙1参照。 (2)「テーマ」の公募・審査 別紙1参照。 (3)「制度」の運営・管理 別紙1参照。 | |||
成果 | 別紙2参照。 | ||
評価の実績・予定 | デンマークは、2015 年 5 月 13 日事後評価(テーマ評価)実施。 ドイツ、アメリカ、フランスは、平成 28 年 9 月 1 日事後評価(テーマ評価)実施 |
別紙1別紙 1-1
マネジメント
(1)「制度」の枠組み
制度の内容
① ドイツ
全体のスケジュール
最終目標
・ 対麻痺機能改善治療に関する公的医療保険の適用
・ 医療用装着型ロボットを中核とした関連システム/サービスの実証を通じて、我が国発の技術で開発された HAL の欧州市場拡大
別紙 1-2
制度の内容
制度の内容 | 設定根拠 | |
相手国機関 | ドイツNRW 州経済エネルギー省 | 欧州の中心に位置し、ドイツで最大人口を擁す。工業化の進んだ地域であることからロボットシステムに対する市民の理解度が高い。また、古くから炭坑業が盛んなため炭鉱事故への労災の医療・介護保険制 度が整備されているため。 |
対象分野 | 生活支援ロボットによるリハビリ支援システムの研究開発・実証 | 本制度は今後世界中で高い成長が期待される医療、介護、健康、福祉等の生活支援関連産業において、日本発のロボット技術を活用した生活支援システムを現場のニーズを反映しつつ相手国で実証することで、当該ロボットへの理解増進と有効性等理解を深める、海外展開やxxxの促進等を図るもの。本分野は相手国が真に必要としている医療、介護、健康、福祉等の生活支援ニーズに合致し、かつ研究開発・実証する技術の市場性・普及性が見込まれる分野で あるため。 |
応募対象者 | 企業(団体等を含む)、大学等 | 実証後にビジネス化を目指すため、民間企業を含めた実施体制が必要。要素技術の研究開発を担う大学 の参加も可能としたところ。 |
実施期間 | 2012/12/5~ 2016/2/26 | フェーズ1でフィージビリティ調査を行い、フェーズ2では対象ロボットの「①医療・福祉機器承認」の取得及び「②保険収載」に向けた実証事業を遂行するため の期間。 |
デンマーク
全体のスケジュール
最終目標
・ NRR を導入することにより介護者の稼動時間と身体的負荷軽減、介護費用の削減、被介護者の自立支援と日常生活の安全性向上を目指す。
別紙 1-3
制度の内容
制度の内容 | 設定根拠 | |
相手国機関 | デンマーク地方自治体等(コペンハーゲン市、ファーボ・ミッドフュン市) | デンマークは福祉先進国として名高い国であり、国民の気質として新規の福祉機器導入の機運が高い状況。また、現場の医療従事者の介護者の権限が強く、実証事業により福祉機器の価値が認められれば迅速な導入が期待される。加えて、デンマークでは医療機器を市が購入して介護施設等へレンタルするビジネスモデルが確立している。 ファーボ・ミッドフュン市はNRR導入に意欲的。住宅密度の低い郊外都市であり通信インフラが十分に整備されていないため、本事業で対象とする遠隔通信システムを用いたNRRの実証モデルは、まさにニーズに合致するもの。その他、大都市の代表としてコペ ンハーゲン市も導入に意欲的。 |
対象分野 | デンマークにおける生活支援ロボットを活用した介護サービス提供に係る国際研究開発及び実証事業 | 本制度は今後世界中で高い成長が期待される医療、介護、健康、福祉等の生活支援関連産業において、日本発のロボット技術を活用した生活支援システム を現場のニーズを反映しつつ相手国で実証することで、当該ロボットへの理解増進と有効性等理解を深める、海外展開やxxxの促進等を図るもの。本分野は相手国が真に必要としている医療、介護、健康、福祉等の生活支援ニーズに合致し、かつ研究開発・実証する技術の市場性・普及性が見込まれる分野で あるため。 |
応募対象者 | 企業(団体等を含む)、大学等 | 実証後にビジネス化を目指すため、民間企業を含めた実施体制が必要。要素技術の研究開発を担う大学 の参加も可能としたところ。 |
実施期間 | 2013/9/30~ 2015/3/31 | フェーズ1のフィージビリティ調査を踏まえて、フェーズ2においてデンマークの介護現場における三主体 (介護者、被介護者、自治体)の課題解決に対して NRR がどれだけ効果があるか実証するための期間。 |
別紙 1-4
② アメリカ
全体のスケジュール
最終目標
・ 日米協力による、災害対応ロボットの性能評価と国際標準化に係る検討
・ DRC Finals で課せられるタスクをこなすことのできる災害対応ロボットの開発。
・ ロボットシミュレータの精度、速度向上と、JVRC 開催での実証および成果普及
・ 災害用ロボットの性能評価に資するタスクの開発
制度の内容 | 設定根拠 | |
相手国機関 | DARPA | 東日本大震災を鑑み、経済産業省と米国防総省間で、 「人道的支援と災害復旧に関するロボットの日米共同研究実施」を 2013.7 に合意書を締結した。このような政策的背景により、米国防総省の研究機関 であるDARPA を相手国機関とした。 |
対象分野 | 災害対応ロボット ①カテゴリー1:ロボット開発 ②カテゴリー2:シミュレータ開発 ③ カテゴリー3:タス ク開発 | ① 中間目標として設定するDRC にも参加できる災害対応ロボットが必要であるから。 ② ロボットの設計支援ができるシミュレータがロボット開発には不可欠であるから。 ③ 災害対応ロボットの性能評価に資する評価基準が必要であるから。 |
応募対象者 | 企業(団体等を含む)、大学等 | 実証後にビジネス化を目指すため、民間企業を含めた実施体制が必要。要素技術の研究開発を担う大学 の参加も可能としたところ。 |
実施期間 | 2014/7/31~ 2016/2/29 | 経済産業省と米国防総省の合意書締結後にテーマ を組成し、研究開始からDRCへの参加、JVRCの開催、国際ロボット展 2015 での実演等に係る期間。 |
・ 国際ロボット展での成果披露による成果普及制度の内容
別紙 1-5
④ フランス
全体のスケジュール
最終目標
・ 現地 SIer 育成
制度の内容 | 設定根拠 | |
相手国機関 | フランス経済省、生産復興省 製造業・サービス競争力部 門(DGCIS) | 2013年6月に発表された日仏共同声明ならびに日仏間協力のためのロードマップに基づき、日仏間の産業協力振興のための枠組みが設定された。 |
対象分野 | 産業用ロボットシステムに係る研究開発 | 共同声明を発展させた日仏首脳間合意(2014.5.6)がなされ、それに基づき発足した日仏産業協力委員会の3つのワーキンググループの一つがロボット産業協力に関するものである。そこでは産業用ロボットを ベースにしたロボット産業振興が目的とされている。 |
応募対象者 | 企業(団体等を含む)、大学等 | 実証後にビジネス化を目指すため、民間企業を含めた実施体制が必要。要素技術の研究開発を担う大学 の参加も可能としたところ。 |
実施期間 | 2015/4/30~ 2016/3/18 | フィージビリティ調査として、仏国内の産業用ロボット市場調査を行い(第一段階)、SIer 選定・育成を行い仏国内生産ラインで評価試験(第二段階)を行うため の期間。 |
・ ヒト協働型ロボットを生産ラインに組込み稼働を評価制度の内容
テーマの交付条件
具体的な研究開発の内容等については、事業の一環として、必要に応じFSを実施し、相手国政府機関等との協議結果を踏まえて、委託先の選定後に詳細に設定することとする。
制度の独自性
我が国において、海外で研究開発事業を実証している公的機関はNEDOのみ。NEDO 内の他の海外実証事業は、我が国の優れた省エネ技術をホスト国に導入することでホスト国の省エネルギー化に貢献することを目的としたもの。他方、本事業は我が国発のロボット技術を海外で導入して有用性を確認するとともに、海外市場を開拓する一助とする目的で実施する唯一の制度。
制度の見直し
別紙 1-6
基本計画の改定履歴
時期 | 見直し内容 | 背景 |
2012/3 | 基本計画制定 | 同左 |
2013/2 | 業務方法書の条項ずれに 伴う改訂 | 同左 |
2014/4 | 所掌範囲をロボット分野全般に拡大したこと、および組織改編に伴う改訂 | 従来の介護者支援、歩行・作業支援、医療・介護業務支援のみならず、少子高齢化に伴う労働力不足、世界各地で発生する各種災害への対応等の分野においてもロボットシステムを相手国に導入すべく、環 境変化に対応したもの。 |
2015/8 | 研究開発の実施体制における、基本協定書(MOU)等を締結して実施することに関して、「相手国事情に 応じて」とするよう改訂 | ・MOUの締結に時間を費やすよりも迅速に実証事業に着手することが肝要であるケースもあり得ると判断したため。 |
(2)「テーマ」の公募・審査
公募審査~実施までの枠組み
*アメリカは、 DoD とのTOR に基づき DRC へ参加するためフェーズB より開始。
*フランスは、フィージビリティ―スタディーのフェーズと判断し、フェーズAのみ実施。
別紙 1-7
テーマ発掘に向けた取り組み及び公募実績
公募の 事前周知 | 公募 開始日 | 応募件数 (件) | 採択件数 (件) | ||
ドイツ | 2012/3/29 | 2012/5/7 | 2 | 1 | |
デンマーク | 2013/6/13 | 2013/7/12 | 1 | 1 | |
アメリカ | ①ロボット開発(東京 大学) | 2014/2/14 | 2014/5/21 | 4 | 3 |
②ロボット開発(産x x) | 2014/2/14 | 2014/5/21 | 4 | 3 | |
③ロボット開発(東大 /千工大/阪大/xx) | 2014/2/14 | 2014/5/21 | 4 | 3 | |
④シミュレータ開発 (産総研/阪大/九大) | 2014/2/14 | 2014/5/21 | 4 | 3 | |
⑤タスク開発(国際レ スキューシステム研究機構) | 2014/2/14 | 2014/5/21 | 4 | 3 | |
⑥開発支援(コング レ) | 2014/10/24 | 2014/11/7 | 3 | 1 | |
⑦ロボット用電池 (NEX) | 0000/0/00 | 0000/0/00 | 0 | 0 | |
xxxx | 0014/10/30 | 2014/11/28 | 1 | 1 |
周知方法は、いずれも NEDOHP にて公表。
採択テーマ
① ドイツ
研究開発目標 | 根拠 |
(1)ドイツにおける医療・福祉機器認証制度(CE-Marking)の調査とC E取得 (2)ドイツの医療・介護、保険制度の情報収集と保険適用申請 | (1)CE マーキングを取得しないとそもそもドイツ国内で医療機器として流通させることができないため、EU の医療・福祉機器認証制度及びドイツ国内法(医療機器法及び同関連法規)等を調査する。 (2)ドイツにおいて本格的な普及のためには医療機器としての保険適用が不可欠であるため。 |
別紙 1-8
② デンマーク
研究開発目標 | 根拠 |
(1) 移乗・移動に関わる介護労働の軽減 (2) 高齢者の自立支援・尊厳維持 (3) 安全・安心の向上 (4)NRR システムの技術的検証 | (1)被介護者、介護者双方にとってNRRがどの程度介護負担の軽減になるのか定量的に比較して社会受容性を評価する必要があるため。 (2)ベッド、椅子、車椅子、トイレへの移乗など、被介護者が自分で出来ることを増やすことで人の尊厳維持に繋がることを確認するため。 (3)実際に利用する際の緊急時(被介護者の自己 SOS、転倒など)通知機能有効性、故障時(バッテリ切れ、通信切断、その他)通知機能有効性などを評価する必要があるため。 (4)実際の商用モデルを確立するため、座面上下動の適正性、NRR 本体サイズ・構造の適正性などをユーザ ーニーズを確認するため。 |
③ アメリカ
③-1ロボット開発(東京大学)
研究開発目標 | 根拠 |
・DRC Finals で設定されるタスクをすべてこなすロボットを開発する。 (水冷モータ使用の新型ヒューマノイドロボット) ・JVRC に対し、開発したロボットモデルを提供し、同時に本大会にも参加する。 ・2015 年 12 月の国際ロボット展において、JVRC のタスクを含め、実 演する。 | ・米国防総省との TOR に基づき、DRC Finals に参加することでロボット技術向上を図るため。 ・JVRC を開催することで、ロボット技術向上を図るため。 ・成果普及を図るため。 |
③-2ロボット開発(産総研)
研究開発目標 | 根拠 |
・DRC Finals で設定されるタスクをすべてこなすロボットを開発する。 (従来機 HRP-2 をベースにしたヒューマノイドロボット) ・JVRC に対し、開発したロボットモデルを提供し、同時に本大会にも参加する。 ・2015 年 12 月の国際ロボット展において、JVRC のタスクを含め、実 演する。 | ・米国防総省との TOR に基づき、DRC Finals に参加することでロボット技術向上を図るため。 ・JVRC を開催することで、ロボット技術向上を図るため。 ・成果普及を図るため。 |
別紙 1-9
③-3ロボット開発(東大/千工大/阪大/xx)
研究開発目標 | 根拠 |
・DRC Finals で設定されるタスクをすべてこなすロボットを開発する。 (xx油圧アクチュエータ使用の新型ヒューマノイドロボット) ・JVRC に対し、開発したロボットモデルを提供し、同時に本大会にも参加する。 ・2015 年 12 月の国際ロボット展に おいて、JVRC のタスクを含め、実演する。 | ・米国防総省との TOR に基づき、DRC Finals に参加することでロボット技術向上を図るため。 ・JVRC を開催することで、ロボット技術向上を図るため。 ・成果普及を図るため。 |
③-4シミュレータ開発(産総研/阪大/九大)
研究開発目標 | 根拠 |
・DRC Finals で使用される | ・米国防総省との TOR に基づく。DRC Finals に参加するチ |
Gazebo との互換性を強化す | ームの多くがGazebo を利用しており、互換性を持つことに |
る。 | より、日米双方のロボット技術向上を図れるため。 |
・シミュレーションの精度向上 | ・ロボット開発に不可欠なシミュレータの実用性向上の為。 |
を行う。 | ・実証とともに、普及促進の為。 |
・JVRC を開催し、シミュレータ | |
の実証を行う。 |
③-5 タスク開発(国際レスキューシステム研究機構)
研究開発目標 | 根拠 |
・DRC Finals でも用いる性能評価手法の開発 ・JVRC におけるタスクモデルを開発し、データを提供する。 | ・米国防総省との TOR に基づき、DRC Finals に参加することでロボット技術向上を図るため。 ・JVRC を開催することで、ロボット技術向上を図るため。 |
③-6 開発支援(コングレ)
研究開発目標 | 根拠 |
・DRC Finals に参加するロボット開発3チームが開発成果の水準を高める為、練習環境の提供や関連する輸送・事務手続き等の支援をする。 ・国際ロボット展において、ロボット開発3チームが開発成果の水準を高める為、環境の提供や関連する輸送・事務手続き等の支援をす る。 | ・米国防総省との TOR に基づき、DRC Finals に参加することでロボット技術向上を図るため。 ・成果普及を図るため。 |
別紙 1-10
③-7 ロボット用電池(NEC)
研究開発目標 | 根拠 |
・災害用ロボット向け蓄電池の開発とその適用評価 ・災害用ロボット向け蓄電池管理システム(残量予測精度目標 3%以下) | ・ロボットに要求される電池は、EV 用電池とは異なる性能が必要なため。 ・従来製品では、5%程度の精度であるが、できるだけ長くロボットを稼働させるため。 |
④フランス
研究開発目標 | 根拠 |
仏国のxx市場であるxx業界 (医薬品・食品・化粧品)等において、ヒト協働型ロボット(Cobot)導入における安全技術と新たな付加価値を示し、我が国の更なる産業用ロボット市場の拡大を狙う。 | 日仏産業協力委員会で合意のもと日仏ロボット産業協力 WG にて産業用ロボットをベースに検討中であり、その一環として実施。 |
制度の運営管理(概要)
① ドイツ
1.1 テーマ実施におけるマネジメント活動
主なマネジメント活動は以下のとおり。 綿密な事前調査
最適な実施体制の構築
相手国との関係基盤の構築 情勢変化への柔軟な対応
必要な資金提供
別紙 1-11
時期 | 主なマネジメント |
2012/12~ | フェーズ1調査(ドイツの医療認証制度・介護医療・保険制度、そして |
2013/4 | 欧州全体の市場の調査)を実施し、本格的実証に着手することの意 |
義を事業化審査委員会にて確認。 | |
2013/10 | NEDO/CYBERDYNE 株式会社、筑波大学との間で契約締結。 |
NEDO とドイツ NRW 州との間で事業実施に係るMOU締結(サイナー | |
は NEDO 副理事長、NRW 州経済エネルギー相、ハイレベルで設 | |
定)。 | |
2013/11 | 成果普及の一環として国際ロボット展の NEDO 展示ブースにて HAL |
を展示(その後、展示会などへ適宜出展、国民への理解増進に尽 | |
力)。 | |
2014/2 | ドイツNRW 州経済エネルギー相が NEDO 来構、NEDO 副理事長と |
会談して協力を確認。 | |
2014/3 | 情勢変化への柔軟な対応①(契約変更による増額) |
理由:実証試験に必要な機械装置や消耗品の日本国内調達が困難 | |
であると判明したため、実証サイト(ドイツ)での外注に変更。保険収 | |
載に向けて治験データ数を増やす必要性が生じたため、現地サイトで | |
の理学療法士及び作業療法士の工数が増加。円滑な実証事業推進 | |
に向けて柔軟な対応。 | |
2015/2 | 情勢変化への柔軟な対応②(契約変更による増額) |
理由:治験データの数と種類を増加させて一般保険収載を加速させる | |
ため、以下のとおり計画を変更。 | |
①脳卒中患者治療に実績を有するスウェーデンのカロリンスカ研究所 | |
ダンドリード病院に協力を仰ぎ、当地での治療データ取得のためHAL | |
の数を増加。 | |
②「HAL の治療後に既存の治療をした患者」と「既存の治療後にHAL | |
の治療をした患者」について、治療効果を比較。 |
1.2 研究成果の普及に向けた活動
・ 2013/11:国際ロボット展の NEDO 展示ブースにてXXX を展示(その後、毎年多数の展示会にて展示)
・ 2015/4:東京ベイワシントンホテルで日独協力のサクセスストーリーとして講演
・ 2015/6:ドイツNRW 州経済エネルギー相が NEDO 来構、NEDO 副理事長と会談して普及展開等の協力を確認。
・ 2015/2:脳卒中患者治療に実績を有するスウェーデンのカロリンスカ研究所ダンドリード病院に協力を仰ぎ、当地でも治療データ取得し、医療保険適用申請を加速。
別紙 1-12
②デンマーク
2.1 テーマ実施におけるマネジメント活動
時期 | 主なマネジメント |
2013/9 2014/5 2016/6 2014/10 2014/12 2015/2 | フェーズ1調査を実施し、本格的実証に着手することの意義を事業化 審査委員会(2014/3)にて確認。 事業推進員会(第1回)を実施。本事業を確実に事業化につなげるために、Phase2 での実証内容や金額の精査と共に、常時方向性の議論が出来るような委員会を設置。委員の現地確認も実施。 MoU 締結 南デンマーク Region President 及び関係者、在日丁抹大使xx構。日本の福祉技術における政策、戦略、具体的なプロジェクトや、今後の展開などを理解し将来連携の可能性について意見交換。 事業推進委員会(第2回)を実施。 情勢変化への柔軟な対応(契約変更による増額) 理由:介護者および被介護者に対する負荷の少ない検証手法とする ための仕様変更と将来的な NRR 導入普及を加速させるためのデータ管理方法変更のための費用を追加。 ①介護者及び被介護者にとって負荷の少ない試験とすることができた。具体的には、移乗・移動に係る負荷比較を疑似環境下で行うために、南デンマーク大学のLab にて、計測機器を用いて生体力学視点によるテストを追加。 ②今後、各自治体でNRRを導入しやすくするため、従来のサーバ管理からクラウド管理にして、NRRのスマホから直接データにアクセスできるようにした。 |
2.2 研究成果の普及に向けた活動
・ 2015/10:REHCARE2015 に出展
・ 2016/4:デンマーク最大の介護機器展示会 Care Ware2016 に出展
・ 2017/3 月ドイツ国際情報通信技術見本市(CeBIT)NEDO ブース出展予定
・ 2017 年 4 月デンマーク最大の介護機器展示会 Care Ware 2017 に出展予定。
・ Xxxxxxx-Midtfyn 市は、実証期間中からポスター・チラシを独自に作成して成果普及展開中。Copenhagen 市は、実証機を市の福祉機器研究施設で展示中。
・ デンマークの介護機器販売会社であるGloria Mundi Care 社(GMC)と2014年8月正式な Distributor 契約を前提とした MOU を締結。商用機の仕様と卸価格、販売目標数が決まりしだい正式契約予定。
・ 欧州での販売を委託する総販売元については、英国に販売統括法人を設立し、各国ごとの Distributor を選定し、販売を行う予定。
③アメリカ
3.1 テーマ実施におけるマネジメント活動
・ DARPA からのDRC 参加要請を受け、DARPA との調整
- 日米会議の実施、2014.4, 2014.9, 2015.6
別紙 1-13
・ わずか1年の開発期間で、最大限の成果をDRC で発現させるために、
- 実施者会合や個別での意見収集
- 出来る限りの開発費用捻出
- 研究に専念できるよう、共通事務・手続きを一元化
- 共通練習場の実現(日本/相模原、アメリカ/ラスベガス)
・ 経験のない国機関初のロボット大会であるJVRC 開催実現のために、
- IRS の協力とりつけによるRoboCup レスキューの競技開催ノウハウ活用
- 関係者の意識合わせをする定例ミーティング開催
・ 国際ロボット展で本事業の成果を最大限に披露するために、
- HRP-2 改、JAXON、2台のロボット連携によるトンネル災害デモをリアル感を高め実現
- HYDRA の電気静油圧アクチュエータを詳しく紹介
- 説明ビデオを用意し、国際ロボット展だけでなく、NEDO HP でも公開
- シミュレータの講習会、JVRC の体験コーナーを設置
3.2 研究成果の普及に向けた活動
・2016/6 米国で開催された DRC に参加。
また同時開催の展示会において、タスク開発の成果を披露。
・2015/10 CETEC において、JVRC を開催。
ロボットシミュレータ競技の開催と、開発したタスクの展示
・2015/12:国際ロボット展において、以下を実施。ヒューマノイドロボットによる救助支援の実演 JVRC の紹介と体験デモ
別紙 1-14
Choreonoid の講習会
④フランス
4.1 テーマ実施におけるマネジメント活動調査活動・ユーザ探索【フェーズ1】
2015年6月~2015年8月末
① パリに常設展示室を開所
② イノロボ展(リヨン)への参加、ユーザ意識調査実証事業【フェーズ2】
2015年8月~2016年3月末
①SIer 選定・育成
a) 取引交渉
b) 技術スキル
②実証試験
a) SIer APEGELEC とID 締結、Sofresco の模擬工程で実証試験実施
(サンカンタン市、2016/02/19)
b) Shiseido International France とID 締結、実証試験実施
(オルレアン市、2016/02/23)
4.2 研究成果の普及に向けた活動
・2015/06 パリに常設展示室を開所
・2015/07 イノロボ展(リヨン)への参加
テーマ評価の方法、実績
テーマ評価の方法
各テーマ終了翌年度に、外部有識者によるテーマ評価を実施。
テーマ評価当日は、テーマの「位置づけ・必要性」、「テーマ全体に関するマネジメント」に関する項目はNEDOが、「成果」「普及可能性」に関する項目はテーマ実施者がそれぞれプレゼンして説明。後日、各委員から評価結果を取り寄せ、整理。
テーマ評価の基準
事後評価委員会にて基準に合わせ各委員が採点。基準軸は、デンマークは、①事業の位置づけ・必要性について、②マネジメント、③成果。その他はさらに④成果普及可能性を追加。
テーマ評価に係る見直し
デンマーク案件は2014年度に終了。翌2015年5月にテーマ事後評価を実施。
アメリカ案件、フランス案件、ドイツ案件は2015年度に終了。翌2016年9月にテーマ事後評価を実施。この際、デンマーク案件のテーマ事後評価の評価項目から「より客観的な」指標に変更。
別紙 1-15
成果
事業としての達成状況と成果の意義
事業目標(基本計画上の目標)
別紙 2
別紙 2-1
海外において、我が国のロボット技術を核とする①ロボットシステムの開発、実証を行 うことにより、我が国の②ロボットシステムの普及や③国際的な地歩の確立等を目指すもの。
達成状況と優位性および成果の意義:
① アメリカ、フランス、ドイツ、デンマークにおいて実証事業を実施。
② アメリカ以外は事業終了後の事業展開を検討中。
③ 国際的なプレス発表や表彰、政府xxの発言など多数の実績があった。個別テーマの具体例は以降に示す。
個別テーマの成果と意義
① ドイツ
成果・目標の達成状況
・ ドイツNRW 州におけるHAL を用いた対麻痺機能改善治療の公的医療保険への申請手続きを開始した。
・ 運用情報統合管理システムを構築し、治療方法の開発や製品改良に関するデータ解析のための情報について遠隔地の機器の情報を統合的に管理できるようになった。
・ HAL 運用技術の情報共有・スタッフトレーニングを実施した。
・ 脊髄損傷症例、脳卒中症例に対する臨床試験のためのプロトコルを作成した。
・ 医療用装着型ロボットを中核とした関連システム/サービスの実証を通じて、我が国発の技術で開発された HAL の欧州市場拡大を図った。
成果の意義
日本発のロボットであるHAL を用いて脊髄損傷や脳卒中を含む脳神経筋疾患の機能改善治療を欧州全域で展開する第一歩となった。
② デンマーク
成果・目標の達成状況
・ 移乗・移動に関わる介護労働の軽減として、従来の車いすと比べ、介護者の身体的な負荷および移乗介助時間の双方が削減できることが確認された。また、製品化に向けた改善点を確認できた。
・ 高齢者の自立支援・尊厳維持として、被介護者が施設内を移動する頻度が増えたり、 NRR を使って走ることが楽しいと感じていたり、室内でできることが増えるなど、被介護者の自立度の向上に寄与する可能性を確認した。
・ 安全・安心の向上として、アラーム音に加え、電話やメールの自動送信機能は、被介護者を安心させる可能性があると確認された。
・ NRR の機能やデザイン(コンパクト、その場旋回、ジョイスティックなど)には好意的な評価があった。
成果の意義
我が国発の医療介護ロボットとして、デンマークにおいてNRRを実証することにより「移乗・移動に関わる介護労働の軽減」、「高齢者の自立支援・尊厳維持」、「安全・安心の向 上」、「NRR システムの技術的検証」を確立し、今後のNRRの普及展開の第一歩となった。
③ アメリカ
別紙 2-2
成果・目標の達成状況
・ DRC に参加する 3 チームを支援し、通常は2-3年はかかると言われるロボット開発がわずか1年で実現した。内 2 チームはDRC で課せられた全てのタスクをクリアできるレベルまで開発ができたが、1 チームは目標を達成できなかった。
・ 国機関初のロボット大会であるJVRC の開催を実現し、コンピュータシミュレーションの実証を通じ、普及を促した。
・ 国際ロボット展において、成果披露を行い、2 万人の観客を集め、成果周知ができた。
・ JVRC やタスク開発の成果は、ロボカップ世界大会や World Robot Summit へ引き継がれ、活用される。
成果の意義
災害対応ロボット開発における日米連携の国民理解の基盤を構築する事に寄与し、災害対応ロボット市場の円滑な立ち上げの素地を作った。
④ フランス
成果・目標の達成状況
・ 仏国のxx市場であるxx業界(医薬品・食品・化粧品)等において、ヒト協働型ロボット(Cobot)導入における安全技術と新たな付加価値を示し、我が国の更なる産業用ロボット市場の拡大を図った。
・ 仏国に常設展示を設け、効果的に市場性調査・技術調査・PR 活動を実施した。
・ 現地 SIer との緊密な連携により、従来あまり知られていかった Cobot による自動化に対しての仏国における潜在的なニーズを明確にすることができた。
・ サンカンタン市で開催された展示会へのカワダロボティクスの出展が実現した。成果の意義
・ xx業界(医薬品・食品・化粧品)Cobot 導入における衛生面等の理由より障壁が高かったが、今回の評価試験の成功で欧州における産業用ロボット市場拡大への橋頭堡を築くことができた。
・ 現地 SIer 連携による欧州での Cobot 導入の道筋をつけることができた。評価試験を行った Shiseido France からは、継続使用希望有り。