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家賃保証会社による原賃貸借契約の無催告解除権付与条項及び追い出し条項の適法性について
~最高裁令和 4 年 12 月 12 日判決を踏まえて~
令和 4 年 12 月 12 日、一定の要件を満たす場合に、家賃保証会社に原賃貸借契約の無催告解除権を与える旨の条項(以下、無催告解除権付与条項)及び建物の明渡しがあったものとみなす旨の条項(以下、追い出し条項)の適法性が争われた訴訟について、最高裁による判断が示されました。今回の豆知識では、令和 4 年 12 月 12 日最高裁判決の内容と、今後の賃貸実務に与える影響について取り上げてみたいと思います。
Ⅰ.家賃保証会社とは
家賃保証会社とは、建物賃貸借契約において、賃借人からの委託を受けて連帯保証人となり、家賃滞納時には賃借人に代わり賃貸人に家賃の立替払いを行うことを主たる業務とする会社のことをいいます。
賃貸借契約
家賃支払い
保証委託契約
保証料支払い
家賃立替払い
家賃保証会社
賃貸人
賃借人
以前は賃貸借契約を結ぶにあたり、連帯保証人を求められることが一般的でしたが、保証人になってくれる人が見つからない、両親が遠方に住んでいるなど、連帯保証人を確保することが困難な場合もありました。このような問題を受け、最近では賃借人が家賃保証会社に保証料を支払い、賃借人が家賃を滞納した場合には家賃保証会社が賃貸人に立替払いを行うという、家賃保証会社を利用するケースが急速に増えています。平成 28 年 10 月
に国土交通省住宅局が公表した「家賃債務保証の現状」によると、平成 26 年時点におい
て家賃保証会社を利用しているケースは賃貸借契約全体の約 6 割(内、3 分の 2 は家賃保
証会社のみで連帯保証人は不要)であり、現在では約 8 割が家賃保証会社を利用しているとも言われます。
このように家賃保証会社は特定の連帯保証人を用意する必要がないという点でメリットが大きいですが、賃借人による家賃滞納が続く場合に家賃保証会社から賃貸人への家賃立替払いがいつまでも続いてしまうことを防ぐため、保証委託契約を結ぶ際に賃借人に不利な条項が設けられることも多く、問題となっています。特に問題となるのは「家賃未払いが続く場合に、家賃保証会社が賃貸人-賃借人間の賃貸借契約(以下、原契約)を無催告で解除できる」といった無催告解除権付与条項や、「家賃の滞納が続く場合、家賃保証会社が賃借物件内に立入り、動産を搬出・処分することを事前に承諾する」といった自力救済条項、「家賃の滞納が続く場合、賃借人が明示的に異議を述べない限り、賃借物件の明渡しがあったものとみなす」といった追い出し条項などです。今回の最高裁判決でも、このような条項の適法性が争われました。
ポイントとなるのは、家賃保証会社は原契約に大きな利害関係を有する一方、原契約と保証委託契約とは全く別物の契約であることから、家賃保証会社は原契約の契約当事者ではなく、あくまでも第三者に過ぎないという点です。上記のような条項は、原契約の効力自体にまで影響を及ぼす極めて強力な権利を第三者である家賃保証会社に与えるものであるため、最高裁がどのような判断を下すのか注目が集まっていました。
Ⅱ.最高裁令和 4 年 12 月 12 日判決
1.事案の概要
(13 条 1 項前段)
家賃保証会社は、賃借人が支払を怠った賃料等及び変動費の合計額が賃料 3 か月分以上に達したときは、無催告にて原契約を解除することができるものとする。
(13 条 1 項後段)
賃貸人・賃借人及び家賃保証会社は、前段の場合に家賃保証会社が原契約についての解除権を行使することに対して、異議はないことを確認する。
(18 条 2 項 2 号)
家賃保証会社は、賃借人が賃料等の支払を 2 か月以上怠り、家賃保証会社が合理的な手段を尽くしても賃借人本人と連絡がとれない状況の下、電気・ガス・水道の利用状況や郵便物の状況等から本件建物を相当期間利用していないものと認められ、かつ本件建物を再び占有使用しない賃借人の意思が客観的に看取できる事情が存するときは、賃借人が明示的に異議を述べない限り、これをもって本件建物の明渡しがあったものとみなすことができる。
上告人は賃借人、被上告人は家賃保証会社です。賃借人と家賃保証会社は連帯保証契約を結んでいるのですが、契約書の内、主に以下の条項について、適法性が争われました。
2.下級審判決
(1).地裁判決(大阪地裁令元・6・22、平成 28(ワ)10395)
第xxである大阪地裁は以下のように判示し、(ⅰ)13 条 1 項前段の無催告解除権付与条項については有効であるが、(ⅱ)18 条 2 項 2 号の追い出し条項については無効と判断しました。
(ⅰ).13 条 1 項前段の適法性について
13 条 1 項前段は家賃保証会社という原契約の当事者ではない第三者に無催告解除権
を付与する点で、消費者契約法 10 条前段(※1)の「法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項」に該当する。
ただし、各契約当事者のリスク配分を考えると、賃貸人は賃借人の賃料の支払状況に注意を払わずとも家賃保証会社から賃料を受領できる反面、家賃保証会社は賃借人に代わる賃料支払い及び賃借人への求償といったリスクを負担することとなり、家賃保証会社に原契約の解除権を付与したとしても格別不合理とはいえない。
他方、賃借人は第三者である家賃保証会社の判断によって原契約を一方的に終了させられるという不利益を受けることとなるが、無催告解除が許容されるのは最高裁昭和 43 年 11 月 21 日判決(※2)から「契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められない事情が存する場合」に限られるものと解される。賃貸人との間において、「賃料 3 か月分以上の滞納」があり、「催告をしなくてもあながち不合理とは認められない事情」も認められる場合、賃借人は賃貸人からの無催告解除を受け入れざるを得ない地位にあることを考えると、同様の条件のもとで家賃保証会社に無催告解除権を認めたとしても、賃借人の受ける不利益は限定的なものにとどま る。
よって 13 条 1 項前段が消費者契約法 10 条後段(※1)の「民法第 1 条第 2 項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害する」とまでは認められず、有効である。
(ⅱ).18 条 2 項 2 号の適法性について
18 条 2 項 2 号は原契約が終了しているか否かを問うことなく、一定の要件を満たす場合に賃借人からの明示の異議がない限り、賃貸物件の明渡しを擬制することができるとする条項であり、明渡し擬制の前提として家賃保証会社に原契約を終了させる権限を付与していると解される。原契約がいまだ終了せず、賃貸人に賃貸物件の返還請求権が発生していない状況で、家賃保証会社が自力で賃借人の占有を排除することは自力救済行為であって、これは法的手続によることのできない必要性緊急性の存するごく例外的な場合を除いて、不法行為に該当する。他の条項で賃借人はこれに対し異
議を述べない旨も定めているところ、これは上記不法行為に対する損害賠償請求権放棄の趣旨も含むものと解することが相当であり、消費者契約法 8 条 1 項 3 号(※3)に該当するものとして無効である。
(2).高裁判決(大阪高裁令 3・3・5、xxx(ネ)1753・令和 2(ネ)1891)
第二審である大阪高裁は以下のように判示し、(ⅰ)13 条 1 項前段の無催告解除権付与条項、(ⅱ)18 条 2 項 2 号の追い出し条項のいずれも有効と判断しました。
(ⅰ).13 条 1 項前段の適法性について
13 条 1 項前段は、賃料 3 か月分以上の滞納のみならず、「契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められない事情が存する場合」(最高裁昭和 43 年 11 月 21 日判決(※2))に無催告解除権の行使を許す旨を定めた規定と解される。また賃料不払いの場合であっても、「当事者間の信頼関係を破壊するものとは認められない特段の事情」があるときは、債務不履行による賃貸借契約の解除は認められない(最高裁昭和 39 年 7 月 28 日判決(※4))。
13 条 1 項前段は上記判例法理をも前提としていると解されるところ、滞納が賃料 3か月分以上に達すること自体、原契約の当事者間の信頼関係を大きく損なう事情というべきであり、さらに「契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められない事情」が存する場合には、xxxに反して賃借人の利益を一方的に害するものとはいえない。
無催告解除権を原契約の当事者ではない家賃保証会社に与える点についても、各契約当事者のリスク配分を考えると、一審同様家賃保証会社に無催告解除権を与えることには合理性が認められる一方、賃料 3 か月分以上の滞納に加え上記のような事情が存する場合には解除を受ける賃借人の不利益は必ずしも大きいとはいえず、限定的なものに留まる。
よって 13 条 1 項前段が消費者契約法 10 条に該当するとは認められず、有効である。
(ⅱ).18 条 2 項 2 号の適法性について
18 条 2 項 2 号は①賃料等の支払を 2 か月以上怠り、②合理的な手段を尽くしても賃借人と連絡が取れず、③電気・ガス・水道の利用状況等から建物を相当期間利用していないと認められ、かつ④賃借人の占有を放棄する意思が客観的に看取できることを要件としている。理論上はこれら 4 要件を満たす場合であっても、賃借人の占有権が消滅していない場合を完全に排除することはできないが、そのような場合は現実にはほとんど考え難く、4 要件を満たす場合、賃借人は占有する意思を放棄したものと合理的に解される。
また 18 条 2 項 2 号は原契約が終了していることを要件としていないが、上記 4 要件を満たし賃借物件の明渡しがあったものとみなされた場合、原契約は当然に終了することとなるものと解するのが、本件契約の解釈として自然かつ合理的である。
これにより賃借人は原契約が終了していない場合であっても賃借物件の明渡しがあったとみなされ、一方的に原契約を終了させられることとなり、権利を制限されることとなるが、上記 4 要件を満たすような場合、賃借人は通常、原契約に係る法律関係
の解消を希望し、又は予期しているものと考えられる。すると 18 条 2 項 2 号の適用により、むしろ賃借人は自ら現実の明渡しをする債務を免れるとともに、更なる賃料等の支払義務を免れるという利益を受けることができる。18 条 2 項 2 号においては明示的に異議を述べないことをも要件としており、異議を述べさえすれば権限行使を阻止することができること等をも考えると、明渡しの実現は、通常は賃借人の意思に反するものではないと考えられる。
一方で賃貸人にとっては早期に賃借物件の明渡し及び原契約を終了させることができ、家賃保証会社にとっても賃料立替払いの義務を免れることができるようになることから、両者の受ける利益は大きい。
以上によると、18 条 2 項 2 号は相応の合理性を有するものということができる反面、賃借人の受ける不利益は限定的なものにとどまることから、xxxに反して消費者である賃借人の利益を一方的に害するということはできず、有効である。
3.最高裁判決(令 4・12・12、令和 3(受)987)
最高裁判決は高裁判決を覆し、(ⅰ)13 条 1 項前段の無催告解除権付与条項、(ⅱ)18条 2 項 2 号の追い出し条項のいずれも無効と判断しました。判旨は以下の通りです。
(1).13 条 1 項前段の適法性について
13 条 1 項前段は、無催告で原契約を解除できる場合について、単に「賃借人が支払を
怠った賃料等及び変動費の合計額が賃料 3 か月分以上に達したとき」と定めるにとどまり、文言上、このほかには何ら限定を加えておらず、連帯保証債務の履行の有無による区別もしていない。すると 13 条 1 項前段は、所定の賃料等の支払の遅滞さえ生じれ
ば、連帯保証債務が履行されたことにより賃貸人との関係において賃借人の賃料債務等が消滅した場合であっても、家賃保証会社が原契約について無催告で解除権を行使できる旨を定めた条項であると解される。
消費者契約法は消費者と事業者との間の取引における同種の紛争の発生または拡散を未然に防止し、もって消費者の利益を擁護することを目的とするものであるところ、判例法理のようにxxx上、条理等を考慮して契約の条項の文言を補うものとすると、解釈上不明確な条項が有効なものとして取り扱われることとなり、かえって消費者の利益
を損なう恐れがある。よって 13 条 1 項前段について判例法理を採用した限定解釈を行うことは相当でない。
そうすると、13 条 1 項前段は条文上、賃借人が支払を怠った賃料等の合計額が賃料 3か月分以上に達した場合、原契約の当事者でもない家賃保証会社が、何らの限定なく原契約につき無催告で解除権を行使することができるものとしている点において、消費者である賃借人は重大な不利益を被るおそれがある。
よって 13 条 1 項前段は消費者である賃借人と事業者である家賃保証会社との間に看過しえない不均衡をもたらし、当事者間のxxを害するものであるから、xxxに反して消費者の利益を一方的に害するものであり、消費者契約法 10 条により無効である。
(2).18 条 2 項 2 号の適法性について
18 条 2 項 2 号には原契約が終了している場合に限定して適用される旨の文言はなく、
4 要件を満たすときは、賃借人が明示的に異議を述べない限り、原契約が終了していない場合においても家賃保証会社が建物明渡しがあったものとみなすことができる旨を定めた条項であると解される。すると 18 条 2 項 2 号が適用される場合、賃借人は原契約が終了しておらず、賃貸物件に対する使用収益権が消滅していなくても、原契約の当事者でもない家賃保証会社の一存により、その使用収益権が一方的に制限されることとなる。賃借人は明渡し義務を負っていないにもかかわらず、法律に定める手続きによることなく明渡しが実現されたのと同様の状態に置かれることとなり、著しく不当である。
また本件 4 要件のうち、本件建物を再び占有使用しない賃借人の意思が客観的に看取できる事情が存することという要件は、その内容がxx的に明らかでなく、賃借人が不利益を被るおそれがある。
なお、18 条 2 項 2 号には賃借人が明示的に異議を述べた場合にはその限りでない旨が定められているが、賃借人が異議を述べる機会が確保されているわけではなく、賃借人の不利益を回避する手段として十分でない。
以上より、18 条 2 項 2 号は消費者である賃借人と事業者である家賃保証会社の各利益の間に看過し得ない不均衡をもたらし、当事者間のxxを害するものであるから、xxxに反して消費者の利益を一方的に害するものであり、消費者契約法 10 条により無効である。
Ⅲ.判断のポイントと今後の実務に与える影響について
今回、高裁と最高裁で判断が分かれたのは、高裁が条文上は明文化されていない部分についても過去の最高裁判例の法理と併せて限定解釈すると適法と判断した一方、最高裁はあくまでも条文上の文言のみから判断すべきと捉えた点にあります。事業者である家賃保証会社と消費者である賃借人との間には、情報の質や量、交渉力などに格差があるため、
消費者契約法は不当な契約条項の無効等について規定しています。このような消費者契約法の趣旨からは、最高裁のようにあくまでも明文化された文言のみから条文を解釈し、その適法性について判断することが望ましいといえるでしょう。
なお本件最高裁判決の射程については、それほど長くないものと思われます。最高裁判決では無催告解除権付与条項及び追い出し条項について一般的に無効と判断したわけではなく、あくまでも「明文化された文言上は」賃借人側が一方的に害されるものと判断したに過ぎません。高裁判決のように、判例法理による限定(当事者間の信頼関係を大きく損なう事情が認められる場合など)が明文化されていたような場合には、契約当事者間のxxを失しないものとして認められる余地も残している点には注意が必要です。
以上のように今回の最高裁判決は、家賃保証会社に広く無催告解除権を付与する条項及び追い出しを認める条項について無効と判断したに過ぎません。賃借人と家賃保証会社との契約が困難になるのではという見方もありますが、必ずしも同様の条項を多くの家賃保証会社が定めているというわけではなく、私見では実務上、それほど大きな影響はないのではないかと考えています。ただし、少なくとも最高裁判決としてインパクトのある報道がなされている以上、各事業者に条項の見直し等を行うきっかけになったのではないでしょうか。
※1:消費者契約法 10 条
消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第 1 条第 2 項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。
解説:消費者契約の実態をみると、消費者契約法 8 条、9 条に規定する条項以外にも消費者の利益を一方的に害する条項を無効とする必要があるため、消費者契約における包括的なルールを定めたのが本規定です。①任意規定より消費者の権利を制限 し、又は義務を加重するなど、消費者に不利に働く条項であって、②民法上のいわゆるxxx(権利の行使及び義務の履行は、xxに従い誠実に行わなければならない)上許容される限度を超えて一方的に消費者の利益を侵害する、という 2 要件を満たす場合には、当該条項は無効となります。
※2:最高裁昭和 43 年 11 月 21 日判決
賃貸借契約において、賃借人が賃料を 1 か月分でも滞納したときは無催告解除が可能とする特約条項が付されていたことから、当該条項の有効性が争われました。最高裁は当該条項について文言通り広く無催告解除権を認めたものではなく、「賃貸借契約が当事者間の信頼関係を基礎とする継続的債権関係であることにかんがみれば、賃料が約定の期日に支払われず、これがため契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情が存する場合には、無催告で解除権を行使することが許される旨を定めた約定であると解するのが相当である」と限定的に解釈し、その限度において有効と判断しました。
※3:消費者契約法 8 条 1 項
次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする
3 号 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項
解説:消費者契約において、事業者が不法行為による損害賠償責任を一切負わない、あるいは当該事業者の決定により責任を負わないことを可能とする条項を無効とする規定です。これには民法上の不法行為による損害賠償のほか、製造物責任等も含まれます。
あくまでも「責任を一切負わない」とする限りにおいて無効とされることから、損害賠償責任を一定の限度に制限し、一部のみの責任を負う旨の条項は無効とはなりません。
また特約が無効となった場合であっても立証責任の転換等は行われないため、民法 709 条の不法行為の場合であれば、あくまでも立証責任は消費者側が負う点には注意が必要です。
※4:最高裁昭和 39 年 7 月 28 日判決
賃料不払いを理由として、賃貸人が賃貸借契約の解除を求めた事件。賃貸人からの賃料値上げ請求に対し、賃借人はこれに応じず、従前の賃料を供託していました。催告期間が経過したとはいえ賃借人が賃料の供託をしていること、適正家賃は賃貸人の主張する賃料より相当程度安いと判断されること等の具体的な事実関係に照らせば、賃借人には「いまだ本件賃貸借の基調である相互の信頼関係を破壊するに至る程度の不誠意があると断定することはできない」として、賃貸人による解除権の行使はxxxに反し許されないとしました。
(参考資料)
裁判所「裁判例検索」( xxxxx://xxx.xxxxxx.xx.xx/xxx/xxxxxx_xx/xxxxxx0 )
国土交通省「家賃債務保証の現状」( xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxx/000000000.xxx )
「判例タイムズ 1500 号」令和 4 年、株式会社判例タイムズ社
xxxx「Q&A 借地借家の法律と実務(第 3 版)」平成 29 年、日本加除出版株式会社xxxx「図解で早わかり 最新 賃貸借のしくみとルール」平成 29 年、株式会社三修社日本弁護士連合会「消費者法講義(第 5 版)」平成 30 年、株式会社日本評論社
消費者庁消費者制度課「逐条解説 消費者契約法(第 3 版)」平成 30 年、株式会社商事法務
xxx「民法Ⅱ 債権各論(第 2 版)」平成 19 年、財団法人東京大学出版会