二十四 「 I L C 」 とは、 信用状統 一規則(UNIFORM CUSTOMS AND PRACTICE FOR DOCUMENTARY CREDITS,2007 REVISION,ICC PUBLICATION No.600)に基づく支払確約又
簡易通知型包括保険約款
平成29年4月1日 17‐制度‐00006沿革 平成29年9月8日 一部改正平成30年2月26日 一部改正
平成31年2月28日 一部改正令和2年2月28日 一部改正令和3年12月20日 一部改正令和4年6月17日 一部改正
第1章 総則
( この約款の内容)
第1条 この約款は、貿易保険法( 昭和25年法律第67号。以下「法」という。) の規定に基づく普通貿易保険の保険契約が締結された別表に掲げる一の契約( ただし、特段の定めがない限り、保険契約の対象とはならない部分( 以下「無付保部分」という。) を除く。以下「輸出契約等」という。) に関する損失をてん補する保険約款とする。
( 定義)
第2条 この約款、簡易通知型包括保険手続細則( 平成29年4月1日 17‐ 制度‐00040。以下「手続細則」という。)、簡易通知型包括保険運用規程( 平成29年4月1日 17‐ 制度‐00049。以下「運用規程」という。)、簡易通知型包括保険の引受基準等につい て( 平成29年4月1日 17‐ 制度‐00087。以下「引受基準」という。)、及び貿易保 険の保険料率等に関する規程( 平成29年4月1日 17‐ 制度‐00070。以下「保険料率 等規程」という。) において使用される用語の定義は、法によるもののほか、特に定義 されている場合を除き次の各号による。
一 「保険証券」とは、保険契約の締結、更改及びその他変更ごとに株式会社日本貿易保険( 以下「日本貿易保険」という。) が保険契約者に対し交付する証書をいう。
二 輸出契約等の「仕向国」、「支払国」及び「保証国」とは、それぞれ引受基準「別紙1 仕向国及び支払国等の取扱い」に定める国をいう。
三 「船積確定通知」とは、保険年度中に締結した輸出契約等に係る輸出貨物を輸出又 は仲介貿易貨物を販売( 貨物を船積みすることをいう。ただし、船積前に貨物を輸出 契約等の相手方に引き渡すべきときは、その引き渡しをすることをいう。以下同じ。)した場合に、当該輸出又は販売した日の属する月の翌月末日までに輸出契約等の輸出 貨物又は仲介貿易貨物( 以下「輸出貨物等」という。) の代金( 利子を含み延滞利息 を含まない。以下「代金」という。) の額その他保険関係の成立に必要な事項を日本 貿易保険に通知することをいう。
四 「確定前通知」とは、輸出契約等締結後に、この約款に定める場合において、被保険者が船積み行うことを予め又は船積後に船積確定通知によらず日本貿易保険に通知することをいう。
五 「保険契約締結日」とは、保険契約者と日本貿易保険とがこの約款に基づく保険契約を締結した日をいう。
六 「更改」とは、保険契約者と日本貿易保険とが翌年度の保険契約にかかる条件等の見直しを行うことをいう。
七 「更改日」とは、保険契約締結日の翌年以降毎年の応当日をいう。
八 「期初」とは、保険契約締結日、保険契約締結後新たな輸出契約等の相手方を登録
( 仕向国のみ追加する場合を含む。) した日又は更改日をいう。
九 「保険年度」とは、保険契約締結日から翌年の更改日の前日まで又は各保険契約更改日からその翌年の更改日の前日までの1年間をいう。
十 「保険金支払限度額」とは、保険契約者が輸出契約等の相手方( 輸出契約等の締結 の相手方と当該輸出契約等に係る代金の支払人が異なる場合には、いずれかのもの。)ごとにあらかじめ設定する支払保険金の限度の額をいう。
十一 「船積前保険金支払限度額」とは、保険金支払限度額のうち、第12条第1号から第13号に該当する事由による第11条第1号のてん補危険に関し、輸出契約等の相手方ごとに日本貿易保険が定める支払保険金の限度の額をいう。
十二 「船積後保険金支払限度額」とは、保険金支払限度額のうち、第12条第12号又は第14号に該当する事由による第11条第2号のてん補危険に関し、輸出契約者等の相手方( 輸出契約等の締結の相手方と当該輸出契約等に係る代金の支払人が異なる場合には、当該代金の支払人とする。) ごとに日本貿易保険が定める支払保険金の限度の額をいう。
十三 「保険金支払限度額適用基準日」とは、船積前保険金支払限度額にあっては輸出契約等の締結日、船積後保険金支払限度額にあっては、船積確定通知をした場合には船積日の属する月の1日、確定前通知をした場合には輸出契約等の締結日をいう。
十四 「引受基準適用日」とは、第11条第1号のてん補危険にあっては輸出契約等の締結日、第11条第2号のてん補危険にあっては、船積確定通知をした場合には船積日の属する月の1日、確定前通知をした場合には輸出契約等の締結日をいう。
十五 「引受停止国」とは、引受基準2( 1) に定める国をいう。
十六 「条件付引受国」とは、引受基準2( 2) に定める条件が付された国をいう。 十七 「更改申請書」とは、保険契約の更改のために保険契約者が日本貿易保険に提出
する申請書をいう。
十八 「計上締め日」とは、保険契約者が月末以外の特定日を月間売上等の締め日とする保険契約の申込み又は更改を申請し、日本貿易保険がこれを承認した場合の特定日のことをいう。
十九 「少額バイヤー」とは、保険契約締結予定日又は更改予定日の17月前から1年間の取引実績額が、保険証券に記載された金額以下のバイヤーのことをいう。
二十 「非常危険」とは、第11条第1号又は第3号に掲げるてん補危険にあっては第12条第1号から第10号までに掲げる事由によるものをいい、第11条第2号に掲げるてん補危険にあっては第12条第1号から第9号までに掲げる事由によるものをいう。
二十一 「信用危険」とは、第11条第1号に掲げるてん補危険にあっては第12条第11号から第13号までに掲げる事由によるものをいい、第11条第2号に掲げるてん補危険にあっては第12条第12号又は第14号に掲げる事由によるものをいう。
二十二 「増加費用」とは、第11条第3号に定める輸送費用の増加額をいう。
二十三 「名簿」とは、海外商社名簿について( 平成29年4月1日 17‐ 制度‐00074)第1条に規定する海外商社名簿をいう。
二十四 「 I L C 」 とは、 信用状統 一規則(UNIFORM CUSTOMS AND PRACTICE FOR DOCUMENTARY CREDITS,2007 REVISION,ICC PUBLICATION No.600)に基づく支払確約又
は同等の支払確約がなされている信用状であって、取り消すことができないものをいう。
二十五 「未回収額」とは、輸出契約等に係る以下の各金額のうち、第34条に基づく保険金の支払の請求時において回収できていない金額( 延滞利息を除く。) をいう。 イ 第11条第1号のてん補危険にあっては、被保険者が第12条第1号から第13号まで
のいずれかに該当する事由により輸出することができなくなった輸出貨物又は販売
することができなくなった仲介貿易貨物( 同条第1号、第2号又は第8号のイ若しくはニのいずれかに該当する事由が生じたため輸出貨物の輸出又は仲介貿易貨物の販売が著しく困難となったと認められる場合において、輸出契約等で定める船積期日から2月を経過した日までに輸出することができなかった輸出貨物及び販売することができなかった仲介貿易貨物を含む。) の輸出契約等に基づく代金の額
ロ 第11条第2号のてん補危険にあっては、第12条第1号から第9号まで、第12号又は第14号のいずれかに該当する事由により被保険者が決済期限までに回収することができない代金の額
ハ 第11条第3号のてん補危険にあっては、同号に規定する事由により航海又は航路の変更があった場合に被保険者が負担することとなった輸送費用の額から、当該事由が生じなかった場合に被保険者が負担すべきであった輸送費用の額を控除した残額
二十六 「回収に係る権利行使等の相手方」とは、輸出契約等の相手方、保証人等信用補完措置を行う者、その他の未回収額に関し被保険者が行使しうる債権について支払責任又は賠償責任を負う者をいう。
二十七 「回収金」とは、未回収額について、保険金請求後に回収した金額( 代金、延滞利息、損害賠償金又は違約金その他これらに類する金銭、てん補危険の発生に起因して回収した損失補填を目的とする補償金等を含む。) をいう。
二十八 「回収費用」とは、輸出契約等に係る次の費用をいう。ただし、当該費用が無付保部分に係る未回収の金額の回収に要した費用にも該当する場合、日本貿易保険が別に定める方法により按分して算定した費用をいう。
イ 第25条第1項に定める期間において、日本貿易保険が事前に認めた場合であって、被保険者が弁護士又は回収業者( 以下「弁護士等」という。) に回収を委任するこ と又は回収のための法的手段をとることに要した費用
ロ 第41条第1項又は第47条第1項若しくは第2項に基づく権利行使等の委任後( 保険金支払までに当該権利行使等の委任が行われない場合は保険金支払後) の回収に要した費用
ハ 輸出契約等に基づいて輸出することができなくなった輸出貨物、販売することができなくなった仲介貿易貨物( 以下「輸出等不能貨物」という。) 又は輸出契約等に基づいて代金を回収することができなくなった貨物( 以下「代金回収不能貨物」という。) の処分に要した費用
第2章 保険契約の成立等
( 保険契約の条件の選択)
第3条 保険契約者は、手続細則第1条第1項及び第2項に規定する簡易通知型包括保険契約締結申込書又は更改申請書により、当該保険年度における保険契約に関して以下の各号に掲げる事項について条件の選択を行うことができる。
一 仲介貿易契約( 輸出契約等が仲介貿易契約のみに該当する場合に限る。)二 第10条第4項に定める子会社等にかかる輸出契約等
三 少額バイヤーに対する輸出契約等四 第11条第1号のてん補危険
五 第11条第3号のてん補危険六 計上締め日の適用
( 保険契約の締結等)
第4条 保険契約者は、日本貿易保険との間でこの約款に基づき保険契約を締結するもの
とする。
2 保険契約は、保険契約者が申請し日本貿易保険がこれを承認した場合には、更改することができる。
3 前2項の規定は、申込者の貿易取引の実態、輸出契約等の相手方の分散の状況及び過去の貿易保険の利用実績その他申込者からの報告事項を勘案し、簡易通知型包括保険に係る事業運営の安定性及び保険契約者の公平性を損なうおそれがあると認められる場合には適用しない。
( 輸出契約等の相手方の登録)
第5条 保険契約者は、輸出契約等の相手方( 輸出契約等の締結の相手方と当該輸出契約等に係る代金の支払人が異なる場合には、当該代金の支払人とする。ただし、第11条第
1号の危険をてん補する場合は、その両方とする。) を手続細則に従い登録しなければならない。
2 第11条第1号の危険をてん補する場合、保険契約者は、輸出契約等の相手方ごとに仕向国を登録しなければならない。
3 保険契約者は、第1項の規定により登録された輸出契約等の相手方との取引が今後見込まれないときは、更改日に限り、当該相手方に係る同項の登録を削除することができる。
4 日本貿易保険は、第1項の規定により登録された輸出契約等の相手方について保険契約者の貿易保険の利用実績が2年間なく、かつ、保険責任残高がないときは、更改日に限り、当該登録を削除できるものとする。
( 付保対象等)
第6条 被保険者は、保険年度内に締結した別表に掲げる輸出契約等について、この約款で定めるところに従い日本貿易保険に対して船積確定通知又は確定前通知をしなければならない。
2 日本貿易保険は、船積確定通知又は確定前通知があった輸出契約等について、当該船積確定通知又は確定前通知の範囲において被保険者の受ける損失をこの約款及び保険証券の定めるところに従いてん補する責めに任ずる。
3 別表に掲げる輸出契約等に該当しないものについては、船積確定通知又は確定前通知がなされた場合においても、日本貿易保険はてん補する責めに任じない。
( 保険契約の終了)
第7条 保険契約は、保険年度の末日の1月前までに、保険契約者又は日本貿易保険が、相手方に対し保険契約を終了させる旨を書面によって通知した場合には、当該保険年度の末日に終了する。
第3章 てん補の範囲
( 保険関係の成立)
第8条 被保険者が、輸出契約等にかかる船積確定通知をしたときは、日本貿易保険と保険契約者との間に当該船積日にさかのぼって、当該船積確定通知の範囲において保険関係が成立するものとする。ただし、第11条第1号又は第3号の危険をてん補する場合、船積確定通知をしたときは、輸出契約等の締結日にさかのぼって、当該船積確定通知の範囲において保険関係が成立するものとする。
2 被保険者が、以下の各号に定める場合に確定前通知をしたときは、輸出契約等の締結日にさかのぼって、当該確定前通知の範囲において保険関係が成立するものとする。ただし、当該保険関係の成立は、以下の各号に定める事項が発生する以前に締結された輸出契約等に限る。
一 保険年度中に輸出契約等の相手方の格付が名簿上事故管理区分に変更になった場合 二 保険年度中に輸出契約等の相手方の格付が名簿上GS格、GA格、GE格、EE格、
EA格、EM格、EF格又はSA格からEC格又はSC格に変更になり、継続して、更改日において輸出契約等の相手方の格付がEC格又はSC格である場合
三 保険年度中に仕向国又は支払国( 保証国があるときは、保証国) が引受停止国となった場合
四 保険年度中に支払国( 保証国があるときは、保証国) が条件付引受国となった場合五 第23条第2項に従い事情発生通知を行う場合
六 第24条第2項に従い損失等発生通知を行う場合
3 保険契約者は、前条に基づき保険契約が終了する場合、当該保険年度終了日までに締結された輸出契約等( 船積確定通知を行うものを除く。) のうち保険年度終了日までに船積みを行わない輸出契約等につき、当該保険年度終了日の属する月の翌月の末日までに確定前通知をし、保険関係を成立させなければならない。この場合、保険関係は、輸出契約等の締結日にさかのぼって、当該確定前通知の範囲において成立する。
4 日本貿易保険は、取引上の危険が大と認められるとき、その他貿易保険の事業の経営上必要があるときは、当該輸出契約等については、前3項の規定にかかわらず、保険関係を成立させないことができる。
5 保険契約者について、破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始若しくは特別清算手続開始又は外国の法令に基づく制度上これに準ずる手続があったときは、第
1項から第3項までの規定にかかわらず、当該手続開始日以降、将来に向かって、保険関係は当然に成立しないものとする。
( 保険責任期間)
第9条 日本貿易保険の保険責任の開始日は、次の各号のとおりとする。
一 第11条第1号又は第3号の危険をてん補する場合にあっては、輸出契約等の締結日二 第11条第2号の危険をてん補する場合にあっては、輸出契約等に基づく輸出貨物等
の輸出又は販売を行った日
2 日本貿易保険の保険責任の終了日は、次の各号のとおりとする。
一 第11条第1号のてん補危険の場合にあっては、前項第2号に定める日の前日
二 第11条第2号のてん補危険の場合にあっては、輸出契約等において定められた決済期限
三 第11条第3号のてん補危険の場合にあっては、保険契約において定められた当該危険について日本貿易保険がてん補の責任を負う期間の終了日
( てん補範囲等)
第10条 日本貿易保険は、輸出契約等の相手方( 輸出契約等の締結の相手方と当該輸出契約等に係る代金の支払人が異なる場合には、いずれかのもの。以下この項、第4項及び第6項において同じ。) が第1号に該当する場合には第11条第1号のてん補危険について第12条第11号に該当する事由により生じた損失を、第2号に該当する場合には第11条第1号のてん補危険について第12条第12号又は第13号に該当する事由により生じた損失をてん補する責めに任じない。
一 輸出契約等の相手方が、引受基準適用日において名簿上GS格、GA格又はGE格以外に格付けされている場合( 引受基準「別紙2 政府開発援助契約等」( 以下、
「政府開発援助契約等」という。) のうち1.( 1) 及び2.に該当するもの( 決済方法のいかんを問わない。以下、「円借款等」という。) に係る輸出契約等であって、当該輸出契約等の相手方が、引受基準適用日において事故管理区分B以外に格付けされている場合を除く。)
二 輸出契約等の相手方が、引受基準適用日において名簿上名簿区分P又は事故管理区分Rの場合。ただし、次のいずれかに該当する場合を除く。
イ ILCにより代金が決済される場合( ILCの発行銀行又は確認銀行が引受基準適用日において名簿上GS格、GA格、GE格又はSA格に格付けされている場合に限る。以下同じ。) において、当該ILC取得後
ロ 円借款等( 借款であって政府開発援助契約等に該当するものを含む。) により代金が決済される場合において、当該円借款等の契約締結後
2 日本貿易保険は、輸出契約等の相手方( 輸出契約等の締結の相手方と当該輸出契約等に係る代金の支払人が異なる場合には、当該代金の支払人とする。以下第3項において同じ。) が引受基準適用日において適用される格付が名簿上EC格又はSC格に格付されている場合又は名簿区分P若しくは事故管理区分Rの場合には、第11条第2号のてん補危険について第12条第12号又は第14号に該当する事由により生じた損失をてん補する責めに任じない。ただし、ILCにより代金が決済される場合を除く。
3 前2項にかかわらず、保険年度中に輸出契約等の相手方の名簿上の格付が変更となった場合の信用危険のてん補については、別に運用規程で定めるとおりとする。
4 日本貿易保険は、保険関係の成立日から損失発生までのいずれかの時点において、輸出契約等の相手方が次の各号のいずれかに該当する場合には、前3項の規定にかかわらず第12条第12号から第14号までのいずれかに該当する事由により生じた損失をてん補する責めに任じない。
一 被保険者の本店又は支店( 被保険者が支店の場合、他の支店を含む。)
二 被保険者と特定の資本関係があるものとして、次のいずれかに該当する海外商社 イ 被保険者の親会社又は子会社(「親会社」とは、他の法人の総株主、総社員又は
その他の構成員の議決権( 以下「議決権」という。) の過半数を保有する法人をいう。「子会社」とは、親会社に議決権の過半数を保有される法人をいう。他の法人の議決権の過半数を親会社及び子会社又は子会社が保有するときは、当該議決権の過半数を保有される法人は親会社の子会社とみなす。以下同じ。)
ロ 被保険者の直接親会社の直接子会社(「直接親会社」とは、親会社のうち、イに より親会社とみなされる以外の親会社をいう。「直接子会社」とは、子会社のうち、イにより子会社とみなされる以外の子会社をいう。以下同じ。)
ハ 議決権の過半数を被保険者、被保険者の直接親会社又は被保険者の直接子会社のうちいずれか2者以上が保有する法人( イ及びロに該当する法人を除く。)
ニ イ、ロ及びハに該当する法人の支店
三 被保険者と特定の人的関係があるものとして、次のいずれかに該当する海外商社 イ 被保険者が取締役等(「取締役等」とは、派遣先において代表権を有することと
なる者、取締役の職に就く者又はその他経営の基本的方針の決定に参加することとなる者をいう。以下同じ。) を派遣する法人若しくは当該法人が取締役等を派遣する法人又は被保険者に取締役等を派遣する法人若しくは当該法人に取締役等を派遣する法人
ロ 被保険者が取締役等を派遣する法人の直接子会社又は被保険者に取締役等を派遣する法人の直接親会社若しくは直接子会社
ハ 被保険者の直接親会社が取締役等を派遣する法人、被保険者の直接親会社に取締役等を派遣する法人又は被保険者の直接子会社が取締役等を派遣する法人
ニ イ、ロ及びハに該当する法人の支店
四 前各号に掲げるものと実質的に同視できるものとして、日本貿易保険が特に認めた海外商社
5 日本貿易保険は、引受基準適用日又は第29条第1項に規定する通知を受けた日に第5条に基づく輸出契約等の相手方の登録又は仕向国の登録がされていない場合、第11条各号のてん補危険において第12条各号に該当する事由により生じた損失をてん補する責めに任じない。
6 日本貿易保険は、輸出契約等が仲介貿易契約のみに該当する場合であって、当該輸出契約等の相手方が次の各号のいずれかに該当するとき( 輸出契約等の相手方の変更により該当することとなった場合を含み、それ以外の保険関係の成立日の後に該当することとなったときを除く。) は、前各項の規定にかかわらず第12条第12号から第14号までのいずれかに該当する事由により生じた損失をてん補する責めに任じない。
一 買契約( 被保険者が、保険証券記載の仲介貿易契約に基づいて販売又は賃貸するために、仕向国以外の外国の地域において生産され、加工され、又は集荷された貨物を購入する契約をいう。以下同じ。) の相手方の本店又は支店( 買契約の相手方が支店の場合は、当該相手方の他の支店を含む。)
二 買契約の相手方と特定の資本関係がある者として、次のいずれかに該当するものイ 買契約の相手方の親会社又は子会社
ロ 買契約の相手方の直接親会社の直接子会社
ハ 議決権の過半数を買契約の相手方、買契約の相手方の直接親会社又は買契約の相手方の直接子会社のうちいずれか2者以上が保有する法人( イ及びロに該当する法人を除く。)
ニ イ、ロ及びハに該当する法人の支店
三 その他前各号に掲げる者と実質的に同視できるものとして、日本貿易保険が特に認めたもの
( てん補危険)
第11条 日本貿易保険は、次の各号の損失のうち保険契約により規定された損失を、この約款及び保険証券の定めるところに従い、てん補する責めに任ずる。
一 被保険者が、次条第1号から第13号までのいずれかに該当する事由によって、保険関係の成立した輸出契約等に基づいて輸出貨物等を輸出又は販売することができなくなったこと( 次条第1号、第2号又は第8号のイ若しくはニのいずれかに該当する事由が生じたため輸出貨物等を輸出又は販売することが著しく困難となったと認められる場合において、輸出契約等で定める船積期日から2月を経過した日まで輸出貨物等を輸出又は販売することができなかったことを含む。) により受ける損失。ただし、次条第1号又は第3号から第9号までのいずれかに該当する事由であって、仲介貿易貨物の船積国において生じた事由により受ける損失を除く。
二 被保険者が、輸出貨物等を輸出又は販売するために船積みをし、保険関係が成立した場合において、次条第1号から第9号まで、第12号又は第14号のいずれかに該当す る事由によって輸出貨物等の代金を回収することができないことにより受ける損失。 三 被保険者が、予定航海等に関し次条第1号から第10号までのいずれかに該当する事由によって航海又は航路に変更があったことによって生ずる輸送費用の増加額を新た に負担することとなったことにより受ける損失。ただし、次条第1号又は第3号から 第9号までのいずれかに該当する事由であって、仲介貿易貨物の船積国において生じ
た事由により受ける損失を除く。
( てん補事由)
第12条 前条に規定するてん補事由は、次のとおりとする。
一 外国において実施される為替取引( 外貨交換及び外貨送金を含む。) の制限又は禁止
二 仕向国において実施される輸入の制限又は禁止
三 政府間合意に基づく債務繰延べ協定又は支払国に起因する外貨送金遅延
四 為替の換算率にかかわらず現地通貨による決済をもってする債務の弁済を有効とする旨の支払国の法令の制定その他の外国の政府、州政府又は地方公共団体による債務の全部又は一部の決済を免除する措置又は決定
五 外国の政府、州政府又は地方公共団体による収用
六 外国の政府、州政府又は地方公共団体による債務の全部又は一部の決済を妨げる違法又は差別的な措置又は決定
七 国際連合その他の国際機関又は仕向国以外の国による経済制裁八 本邦外において生じた次のいずれかに該当する事由
イ 戦争、革命、テロ行為その他の内乱、暴動、騒擾又はゼネラルストライキ
ロ 暴風、豪雨、洪水、高潮、落雷、地震、噴火、津波、人為的でない火災その他の自然現象による災害
ハ 原子力事故ニ 輸送の途絶
九 前各号に掲げるもののほか、本邦外において生じた事由( 輸出契約等の締結の当時取得することを必要とした輸入許可又は為替の割当を取得できないこと及び輸出契約等の締結の当時取得していた輸入許可の効力に付されていた条件又は期限により輸入許可が効力を失ったことを除く。) であって、輸出契約等の当事者の責めに帰することができないもの
十 外国為替及び外国貿易法( 昭和24年法律第228号) による輸出の制限若しくは禁止
( 同法第25条の2又は第53条の規定による禁止を除く。) 又は仲介貿易貨物の販売の制限若しくは禁止( 同法第25条の2の規定による禁止を除く。)
十一 輸出契約等の相手方が外国の政府、州政府、地方公共団体又はこれらに準ずる者である場合において、当該相手方が当該輸出契約等を一方的に破棄したこと又は次に掲げるいずれかの事由により被保険者が当該輸出契約等を解除したこと( 被保険者の責めに帰することができない場合に限る。)。
イ 相手方から輸出契約等で定めた条件につき変更( 当該変更に伴う被保険者の改造等に要する支出増加見込額が当該輸出契約等に基づく輸出貨物等の輸出又は販売により被保険者が取得し得べかりし利益相当額を超えると認められるものに限る。)の申込みがあったこと。
ロ 相手方から輸出契約等で定めた決済期限又は船積期日につき1年以上の期間の繰延べの申込みがあったこと。
ハ 輸出契約等に基づき輸出貨物等の船積前において決済されるべき金額につき1年以上の支払遅延があったこと。
ニ その他イからハまでに準ずる事実があったこと。
十二 輸出契約等の相手方についての破産手続開始の決定( 破産手続開始の決定の事実が外国の公的機関により明らかにされた場合に限る。)
十三 輸出契約等の相手方についての破産手続開始の決定に準ずる事由( 支払不能の事実が外国の公的機関により明らかにされた場合に限る。)
十四 輸出契約等の相手方の3月以上の債務の履行遅滞( 被保険者の責めに帰することができないものに限る。)
( 保険価額及び保険金額)
第13条 第11条各号のてん補危険に係る保険価額は、船積確定通知又は確定前通知により通知した代金の額とする。
2 第11条第1号のてん補危険に係る保険契約の保険金額は、前項の額に100分の80を乗じた額とする。
3 第11条第2号のてん補危険に係る保険契約の保険金額は、第1項の額に次の割合を乗じて得た額とする。
一 前条第1号から第9号までのいずれかに該当する事由の場合には、100分の97.5二 前条第12号又は第14号に該当する事由の場合には、100分の90
4 第11条第3号のてん補危険に係る保険契約の保険金額は、第1項の額に100分の20を乗じて得た額とする。
第4章 損失額及びてん補責任額
( 損失額)
第14条 第11条第1号のてん補危険の損失額とは、保険価額のうち、被保険者が第12条第
1号から第13号までのいずれかに該当する事由により輸出又は販売することができなくなった輸出貨物等( 第12条第1号、第2号又は第8号のイ若しくはニのいずれかに該当する事由が生じたため輸出貨物等の輸出又は販売が著しく困難となったと認められる場合において、輸出契約等で定める船積期日から2月を経過した日までに輸出することができなかった輸出貨物又は販売することができなかった仲介貿易貨物を含む。) の輸出契約等に基づく代金の額から次条各号の金額を控除した残額をいう。
2 第11条第2号のてん補危険の損失額とは、保険価額のうち、第12条第1号から第9号まで、第12号又は第14号のいずれかに該当する事由により被保険者が決済期限( 第12条第14号に該当する事由によるときは、決済期限から3月を経過した時) までに回収することができない代金の額から次条各号( 第5号及び第6号を除く。) の金額を控除した残額をいう。
3 第11条第3号のてん補危険の損失額とは、輸出契約等に関して、同号に規定する事由により航海又は航路の変更があった場合に被保険者が負担することとなった輸送費用の額から当該事由が生じなかった場合に被保険者が負担すべきであった輸送費用の額を控除した残額から、次条第2号から第4号までの金額を控除した残額をいう。
( 損失額算出上控除する金額)
第15条 前条各項の規定により控除すべき金額は、次の各号に掲げる金額とする。
一 被保険者が輸出等不能貨物又は代金回収不能貨物を処分することにより取得した金額又は取得し得べき金額から、当該金額を上限としてその処分に要した費用を控除した残額
二 前号に掲げるもののほか、被保険者が第25条第1項又は第2項の規定による損失の防止軽減義務を履行するため、賠償請求権又は保証債務履行請求権の行使その他一切の合理的措置を講ずることにより取得した金額又は取得し得べき金額( 延滞利息を除く。
三 日本貿易保険が第47条に基づき権利行使等の委任を受けた権利を行使して取得した金額及び取得し得べき金額( 延滞利息を除く。)
四 前3号に掲げるもののほか、第11条の規定に基づき日本貿易保険がてん補する責に任ずる事由の発生により、被保険者が支出を要しなくなった金額( ただし、供給契約 の解除、解約その他これらに準ずる措置を講ずることにより、供給契約に基づく貨物 の引き渡しがなされない場合においては、違約金、手附、損害賠償その他被保険者が 当該解除等を行うために供給契約の相手方に支払った金額を控除した金額とする。) 五 被保険者が輸出貨物等の輸出又は販売により取得すべきであった利益( 当該貨物に
係る部分に限る。) の額
六 被保険者が取得した前受金( 貨物の船積前に受領する代金をいう。) の額( ただし、当該前受金を返還すべき場合又は当該前受金に相当する代替債務を負っている場合を 除く。)
( てん補責任額)
第16条 日本貿易保険がてん補すべき額は、前2条の規定に基づき算出した損失額から次の各号に掲げる額を控除した残額を基礎として、次項に基づき算出された額とする。 一 被保険者が第25条第1項又は第2項の規定による義務の履行を怠った場合、被保険
者がその義務を履行すれば防止軽減することができたと認められる金額又は賠償若しくは保証債務の履行を受けることができたと認められる金額
二 日本貿易保険が第21条の規定に基づき、被保険者に指示をした場合において、被保険者が当該指示に従わなかったことにより拡大したと認められる損失額
2 前項に規定する算出された額とは次の各号に定めるとおりとする。
一 第11条第1号のてん補危険においては、前項に規定する残額に以下の割合を乗じて得た額とする。ただし、保険金額を限度とし、保険金支払限度額適用基準日における船積前保険金支払限度額の範囲内とする。
イ 第12条第1号から第10号までのいずれかに該当する事由の場合100分の95ロ 第12条第11号から第13号までのいずれかに該当する事由の場合100分の80
二 第11条第2号のてん補危険においては、前項に規定する残額に第13条第3項と同一の比率を乗じて得た額とする。ただし、保険関係が成立した輸出契約等に係る第12条第12号又は第14号に該当する事由により生じた損失の場合であって、同一の輸出契約等の相手方( 輸出契約等の締結の相手方と当該輸出契約等に係る代金の支払人が異なる場合には、当該代金の支払人とする。以下本号及び第3号において同じ。) に係る損失については、保険金支払限度額適用基準日における船積後保険金支払限度額を限度とする。
三 前号の規定にかかわらず、以下の各号に定める場合であって、運用規程の別表に定めるもの( 船積後保険金支払限度額を設定したものを除く。) については、第12条第 12号又は第14号に該当する事由により生じた損失をてん補すべき額は前項に規定する残額に100分の50を乗じて得た額とし、同一の輸出契約等の相手方に係る損失について日本貿易保険がてん補すべき額の上限は10億円とする。
イ 輸出契約等の相手方の格付が第5条第1項の規定による登録時又は更改時において名簿上EM格又はEF格に格付けされている場合
ロ 輸出契約等の相手方の格付が保険年度中において名簿上EE格、EA格、EM格又はEF格以外のものからEM格又はEF格に変更された場合
ハ 輸出契約等の相手方の格付が保険年度中において名簿上GS格、GA格又はGE格のものからEC格又はSC格に変更された場合
四 第11条第3号のてん補危険において日本貿易保険がてん補すべき額は、前項に規定する残額に100分の95を乗じて得た額とする。ただし、保険金額を限度とする。
3 前2項の規定により計算される支払うべき保険金の額が、保険金支払限度額から既に支払った保険金の額及び支払うこととした保険金の額の合計を控除した額( 以下「支払可能額」という。) を超えることとなった場合には、支払可能額を限度として保険金を支払う。
4 保険年度中に保険金支払限度額の増額が行われた場合の保険金の支払いは、以下の各号に定める額を限度とする。ただし、支払い得る保険金の額は、増額後の保険金支払限度額( 既に支払った保険金及び支払うこととした保険金がある場合には、当該保険金の合計額相当額を控除した額) を上限とする。
一 保険関係が成立した輸出契約等に係る保険金支払限度額適用基準日が、保険金支払限度額を増額した日より前に属する場合については、保険金支払限度額の増額が行われる前の支払可能額の範囲内
二 保険関係が成立した輸出契約等に係る保険金支払限度額適用基準日が、保険金支払限度額を増額した日以降に属する場合については、保険金支払限度額の増額が行われた後の支払可能額の範囲内
5 保険契約において輸出契約等の相手方又は支払人を同じくする場合で、保険金支払限 度額が複数適用される場合には、日本貿易保険が同一の相手方又は支払人について支払 う保険金の合計額は、複数の保険金支払限度額のうちいずれか大きい額の範囲内とする。
6 保険金の支払いについては、原則として次の各号の順とする。
一 第11条第2号に係る保険金の支払い( 二以上の保険金支払いに係る債権がある場合には、決済期限が到来した順とし、決済期限が同日の場合は当該債権の額が大きい順とする。)
二 第11条第1号の保険金の支払い( 二以上の保険金支払いに係る債権がある場合には、当該債権に係る輸出契約等の締結の日の順とする。)
( 免責)
第17条 日本貿易保険は、第6条第3項、第10条第4項、第28条第4項及び第50条第1項に規定するもののほか、次の各号に掲げる損失をてん補する責めに任じない。
一 以下のいずれかに該当する輸出契約等に係る損失
イ 輸出契約等の締結の日から船積日までの期間が1年超又は船積日から決済期限までの期間が1年超であるもの
ロ 輸出契約等の契約金額が500億円超であるもの
ハ 原子力発電等プロジェクト( 原子力関連資機材等を用いる施設の建設・補修等)の用に供する輸出貨物等の輸出又は販売に該当するもの
ニ 水力発電等プロジェクト( ダム、発電施設及びそれらの関連施設の建設事業等)の用に供する輸出貨物等の輸出又は販売に該当するものであって、契約金額が15億円超であるもの
ホ 船積日を起算とする決済( 船積書類引渡時払、手形一覧払、引渡後定期払、一覧後定期払等のほか、各船積日をマイルストーンとするマイルストーンペイメント、輸出貨物等の到着時払、一定期間内に行われた輸出貨物等の船積みに係る代金の決済予定日が当該一定期間の末日又は当該末日からの経過日を起算として定められる決済( プログレスペイメント) を含む。) 以外の決済を含むもの
へ 輸出契約等に表示された通貨( 邦貨の場合を含む。以下「表示通貨」という。)と異なる通貨により代金の決済が行われる旨の規定を有するもの( 以下「異種通貨決済輸出契約等」という。) であって、表示通貨と異なる通貨への換算方法が明確に定められていないもの
ト 証券記載の輸出契約等の相手方( 輸出契約等の締結の相手方と当該輸出契約等に係る代金の支払人が異なる場合は、当該代金の支払人とする。ただし、第11条第1号の危険をてん補する場合は、その両方とする。) 又は仕向国( 第11条第1号の危険をてん補する場合に限る。) のいずれかが異なるもの
チ 防衛装備( 輸出貿易管理令( 昭和24年政令第378号) 別表第1の1の項に掲げるもののうち、軍隊が使用するものであって、直接戦闘の用に供されるもの( 以下
「武器」という。) 及び武器の設計、製造又は使用に係る技術をいう。) に係る輸出又は販売に該当するもの
リ 石炭火力発電において用いられる貨物等に係る輸出又は販売に該当するもの
二 保険契約者、被保険者若しくは保険金を受け取るべき者又はこれらの者の役員、代理人若しくは使用人( 以下「被保険者等」という。) の故意又は重大な過失により生じた損失
三 貨物の滅失、き損、だ捕、その他貨物について生じた損失( 共同海損、救助料その他海上保険によって通常てん補される損失を含む。)
四 輸出契約等に関して保険契約者又は被保険者による法令( 外国の法令を含む。) 違反があった場合において生じた損失
五 輸出契約等に関して被保険者等による不正競争防止法( 平成5年法律第47号) 又は刑法( 明治40年法律第45号) の贈賄に関する規定違反があった場合において生じた損失
六 第9条第1項各号に規定する保険責任の開始日前に発生した第12条各号のいずれかに該当する事由によって生じた損失
( 保険金不払、保険金返還)
第18条 日本貿易保険は、次の各号のいずれかに該当するときは、保険金の全部若しくは一部を支払わず又は当該保険金の全部若しくは一部を返還させることができる。
一 被保険者等の過失( 重大な過失を除く。) により損失が生じたとき
二 被保険者等が故意又は過失により、事実を告げなかったとき又は真実でないことを告げたとき
三 輸出契約等が無効であったとき
四 前各号に掲げるほか、保険契約者又は被保険者がこの約款の条項に違反したとき 五 被保険者等が、暴力団、暴力団員( 暴力団員でなくなった日から5年を経過しない
者を含む。)、暴力団準構成員、暴力団関係企業その他の反社会的勢力に該当し、又は反社会的勢力若しくはこれと密接な関係にある者( 以下「反社会的勢力等」という。) による経営の支配若しくは実質的関与、反社会的勢力等に対する資金等の提供若しくは便宜の供与、その他反社会的勢力等と社会的に非難されるべき関係にあると認められるとき
( 保険契約の解除)
第19条 日本貿易保険は、第28条第2項、第29条第4項若しくは第6項、第31条第5項及び第53条第2項に規定するもののほか、次の各号のいずれかに該当するときは、保険契約を解除することができる。
一 被保険者等が、輸出契約等に関して不正競争防止法又は刑法の贈賄に関する規定に違反したとき
二 保険契約者又は被保険者がこの約款の条項に違反したとき
三 被保険者等が、反社会的勢力等による経営の支配若しくは実質的関与、反社会的勢力等に対する資金等の提供若しくは便宜の供与、その他反社会的勢力等と社会的に非難されるべき関係にあると認められるとき
四 第12条第12号又は第14号に該当する事由による第11条第2号の損失に係る被保険者の保険金請求が一の保険年度中において複数の相手方について行われ、かつ支払保険金の総額が多額にわたり、簡易通知型包括保険に係る事業運営の安定性と保険契約者の公平性を損なうおそれがあると日本貿易保険が認めたとき
五 日本貿易保険の保険契約者又は被保険者に対する信頼を損ない、本保険契約の存続を困難とする重大な事由が生じたと日本貿易保険が認めたとき
2 この約款に特別の定めがない限り、前項の規定による解除その他の保険契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生じる。
第5章 保険契約者又は被保険者の義務
( 他の保険契約の通知義務)
第20条 保険契約者又は被保険者は、輸出契約等について、この約款のてん補する危険と同種の危険をてん補する保険契約が存在することを知ったときは、当該事実を知った日から1月以内、かつ、保険金の支払請求時までに当該保険契約について日本貿易保険に書面で通知しなければならない。
( 指示に従う義務)
第21条 日本貿易保険は、貨物の製造、輸出及び販売に関し、指示をすることができ、被保険者はこれに従わなければならない。
( 債権保全義務)
第22条 被保険者は、他の債権における注意と同様の注意をもって輸出契約等に係る債権の管理保全に努めなければならない。
( 損失を受けるおそれが高まる事情発生の通知義務)
第23条 被保険者は、決済期限前に第11条各号の規定に基づきてん補されることとなる輸出契約等の相手方について手続細則で定める損失を受けるおそれが高まる事情の発生を知ったときは、当該事由の発生を知った日から、原則として15日以内にその旨を日本貿易保険に書面で通知( 以下「事情発生通知」という。) しなければならない。
2 事情発生通知を行う場合は、通知前にただちに当該船積みについて船積確定通知又は確定前通知をしなければならない。
( 損失等発生の通知義務)
第24条 被保険者は、第12条第1号から第13号の事由による損失の発生を知ったときは、当該損失の発生を知った日から、また、決済期限までに輸出契約等に基づく債務が履行されず、第12条第14号の事由による損失を受けるおそれのあるときは、決済期限から、原則として45日以内にその旨を日本貿易保険に書面で通知( 以下「損失等発生通知」という。) しなければならない。
2 損失等発生通知を行う場合は、通知前にただちに当該船積みについて船積確定通知又は確定前通知をしなければならない。
( 損失の防止軽減等の義務)
第25条 被保険者は、日本貿易保険が貿易保険共通運用規程( 平成29年4月1日 17-制度- 00069。以下「共通運用規程」という。) に定める時から、第41条第1項又は第47条第1項若しくは第2項に規定する権利行使等の委任を行うまでの間( 保険金支払までに当該権利行使等の委任が行われない場合は保険金支払までの間をいう。以下、本条において同じ。) 損失を防止軽減するため、他の債権におけるのと同一の注意をもって一切の合理的措置を講ずる義務を負う。
2 被保険者は、損失の全部又は一部の賠償又は保証債務の履行を受けることができる場合、前項に基づき、その賠償請求権又は保証債務の履行請求権の行使又は保全に必要な手続を怠ってはならない。
3 被保険者は、第1項に定める期間において、回収に要した費用を負担する。ただし、回収費用の負担については、第44条の規定によるものとする。
( 入金の通知義務)
第26条 被保険者は、第24条の規定に基づき損失等発生通知を行った後、保険金の支払を 請求する以前に回収した金額があるときは、当該金額の入金のあった日から1月以内、 かつ、保険金の支払の請求前にその旨を日本貿易保険に書面で通知しなければならない。
( 調査に応ずる義務)
第27条 保険契約者又は被保険者は、日本貿易保険が輸出貨物等、輸出契約等又は代金に
関し、調査、報告若しくは資料の提出を求めた場合又は輸出契約等に関する帳簿書類、輸出貨物等その他の物件を調査しようとした場合には、これに応じなければならない。
2 被保険者は、日本貿易保険が輸出貨物等、輸出契約等又は代金に関し、輸出契約等の 相手方に対し、調査、報告又は資料の提出を求めることが必要と認めた場合、当該調査、報告又は資料の提出が円滑に行われるよう日本貿易保険に協力しなければならない。
3 被保険者は、第43条第2項及び第4項の各項の規定により納付すべき金額に係る債権の保全上の必要に基づいて、日本貿易保険が業務若しくは資産の状況に関し、調査、報告若しくは資料の提出を求めた場合又は業務若しくは資産の状況に関する帳簿書類その他の物件を調査しようとした場合には、これに応じなければならない。
( 告知義務違反)
第28条 保険契約締結、更改、第5条第1項による輸出契約等の相手方の新たな追加又は保険金支払限度額の設定若しくは増額の当時、被保険者が損失を受けるおそれのある重要な事実( 以下「告知事項」という。) がある場合には、保険契約者又は被保険者は、日本貿易保険にこれを告げなければならない。
2 告知事項について、保険契約者又は被保険者が、故意又は過失によって、日本貿易保険にこれを告げず、又は真実でないことを告げたときは、日本貿易保険は、保険契約を解除することができる。
3 前項の規定による解除権は、日本貿易保険が解除の原因を知った日から2月間行使しないときは、消滅する。
4 被保険者に損失が発生した後に日本貿易保険が第2項に基づいて保険契約を解除した場合においても、日本貿易保険は当該損失をてん補する責めに任じない。ただし、当該損失が、告知事項に基づいて発生したものではない場合は、この限りでない。
( 輸出契約等の内容の変更等)
第29条 被保険者が輸出契約等に関し、手続細則で定める重大な内容変更等( 以下「重大な内容変更等」という。) を行ったときは、当該重大な内容変更等の日の属する月の翌月末まで、かつ、別に定める内容変更等通知期限( 以下「内容変更等通知期限」という。) までにその旨を日本貿易保険に書面で通知しなければならない。
2 日本貿易保険は、前項に規定する通知を受けた場合には、当該通知内容に従って、別 に定める保険関係変更効力発生日( 以下「保険関係変更効力発生日」という。) をもっ て、保険関係を変更する。ただし、内容変更等通知期限の翌日以降に通知を受けた場合、日本貿易保険は、保険関係を変更しない。保険関係を変更する場合、日本貿易保険は、 保険関係変更効力発生日以降、重大な内容変更等を行った後の輸出契約等について、変 更後の保険関係に基づきてん補責任を負うものとし、保険関係変更効力発生日前に発生 した第12条各号のいずれかに該当する事由によって生じた損失のうち、当該重大な内容 変更等の変更事項に基づいて生じた損失をてん補する責めに任じない。また、被保険者 が重大な内容変更等を行った場合であっても、保険関係が変更されていない場合は、日 本貿易保険は、第12条各号のいずれかに該当する事由によって生じた損失のうち、当該 重大な内容変更等の変更事項に基づいて生じた損失をてん補する責めに任じない。
3 前2項の規定にかかわらず、重大な内容変更等を行った後の輸出契約等が引受基準に適合しない場合であって、保険関係の変更を希望するときは、被保険者は、第1項に規定する通知を行うにあたって、事前に日本貿易保険に対して申請( 以下「承認申請」という。) を行い、日本貿易保険の承認を得なければならない。
4 日本貿易保険は、前項に規定する承認申請を受けたときは、保険契約の全部又は一部を解除することができる。また、被保険者が前項に従い日本貿易保険の承認を得なければならない場合において、承認を得るまでに第1項に規定する通知が行われたときも同
様とする。
5 第3項に規定する承認申請に対して日本貿易保険が行う承認は、その承認の日から6月まで( ただし、内容変更等通知期限が先に到来する場合は、内容変更等通知期限まで。) を有効期間とし、被保険者は、第1項に規定する通知を行う場合には、当該有効期間内に行わなければならない。ただし、当該承認は、日本貿易保険が当該重大な内容変更等と同一の変更事項について新たな承認申請を受け、改めて承認を行ったときは、失効する。
6 日本貿易保険は、第3項に規定する承認申請に対し承認を行う場合、これに条件を付けることができる。被保険者は、当該条件が成就していない間は、第1項に規定する通知を行うことはできない。当該条件が成就していないにもかかわらず、被保険者が第1項に規定する通知を行ったときには、日本貿易保険は、保険契約の全部又は一部を解除することができる。
7 第4項の規定に基づく解除は、第3項に規定する承認申請を受けた時又は第1項に規定する通知を受けた時から、前項の規定に基づく保険契約の解除は、第1項に規定する通知を受けた時から、それぞれ将来にわたってのみ効力を生じる。
8 第2項の規定にかかわらず、内容変更等通知期限の翌日以降であっても、被保険者が日本貿易保険の承認を得た上で、第1項に規定する通知を行った場合は、日本貿易保険は、保険関係変更効力発生日をもって、保険関係を変更する。ただし、内容変更等通知期限の翌日以降、第1項に規定する通知を日本貿易保険が受理した日の前日までの期間に生じた損失及び当該期間に発生した第12条各号のいずれかに該当する事由によって生じた損失については、日本貿易保険はてん補する責めに任じない。
9 被保険者は輸出契約等の代金の増額に係る内容変更の通知を行うことができ、その場合においては、第1項から第3項及び第8項の規定を準用する。
( 贈賄行為に関与しない旨の宣誓義務等)
第30条 保険契約者及び被保険者は、不正競争防止法及び刑法の規定に違反する贈賄行為にかかわっていないこと及び今後ともかかわらないことを日本貿易保険に対して誓約しなければならない。
2 被保険者等が輸出契約等に関して不正競争防止法又は刑法の贈賄に関する規定に違反した罪により起訴された場合、保険契約者又は被保険者は、日本貿易保険に対して速やかに報告しなければならない。
第6章 保険料
( 保険料の納付等)
第31条 保険契約者は、以下の各号により保険料を納付すべき場合においては、日本貿易保険が指定する日までに保険料率等規程に従って日本貿易保険の請求する保険料の全額を日本貿易保険に納付しなければならない。
一 保険契約を締結又は更改した場合( 第3条第4号に掲げる事項の選択を行った場合に限る。)
二 船積確定通知又は確定前通知をした場合三 船積前保険金支払限度額を増額した場合
四 船積確定通知後又は確定前通知後に輸出契約等の内容の変更等を行い、日本貿易保険に対して通知が行われた場合
五 その他保険契約者が保険料を納付すべき場合
2 保険契約者が日本貿易保険の指定する日又は第7項の規定に基づき保険料を支払うべき日までに前項に規定する保険料の全額を納付しなかったときは、保険契約者は、保険
料及び当該保険料について日本貿易保険の指定する日又は第7項の規定に基づき保険料を支払うべき日の翌日から保険契約者の納付すべき保険料が納付される日までの日数に応じて年10.95% の割合で計算した延滞金を日本貿易保険の請求に従い納付しなければならない。ただし、第5項の規定に基づき保険契約が解除された場合は、この限りでない。
3 前項の規定により延滞金を納付しなければならない場合において、保険契約者が納付すべき保険料及び延滞金の全額に満たない額を納付した場合には、日本貿易保険は納付された金額を保険料、延滞金の順に充当する。
4 日本貿易保険は、故意又は重大な過失によって被保険者が船積確定通知を通知期限から1月を超えて遅滞した場合又は船積確定通知を脱漏したときは、当該被保険者に係る保険契約について、期間を定めて第1項に規定するところの保険料の2倍の範囲内において日本貿易保険が定めた数値( 1を超える数値に限る。) を乗じて得た金額を当該保険契約の保険料の金額とすることができる。
5 保険契約者が、日本貿易保険の指定する日又は第7項の規定に基づき保険料を支払うべき日までに日本貿易保険の指定する保険料の全額又は延滞金の全額を納付しなかったときは、日本貿易保険は保険契約の全部又は一部を解除することができる。
6 前項の規定による解除は、保険契約の締結の日から効力を生ずる。
7 保険契約者について、破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始若しくは 特別清算手続開始の各決定又は外国の法令に基づく制度上これに準ずる手続があった場 合には、第1項の規定にかかわらず、日本貿易保険からの通知等を要さずに、保険契約 者は、日本貿易保険に対する第1項に定める保険料の支払債務について当然に期限の利 益を失い、直ちに保険料の全額を支払うものとする。ただし、当該期限の利益の喪失後、日本貿易保険は、新たに支払期日を指定することができる。
( 保険料の返還)
第32条 日本貿易保険は、保険料の納付が日本貿易保険の指定する日の翌日以後になされた場合であって日本貿易保険が前条第5項の規定に基づき保険契約を解除したとき又は日本貿易保険が同項の規定に基づき保険契約を解除した日以後に保険料が納付された場合は、当該納付に係る保険料を返還する。
2 被保険者が、合理的理由( 内容変更等について第29条第1項に規定する通知を行った場合を除く。) により保険価額の減少又は保険期間の短縮を申請し、日本貿易保険がこれを承認したときは、日本貿易保険がてん補すべき責めに任じなくなった部分に相当する保険料を返還する。
3 第11条第1号にかかる非常危険及び信用危険につき、保険年度中通算で90日以上の期 間仕向国( 一の輸出契約等の相手方にかかる仕向国が複数ある場合は、全ての仕向国) 若しくは支払国が日本貿易保険の定める引受停止国になった場合又は輸出契約等の相手 方( 輸出契約等の締結の相手方と当該輸出契約等に係る代金の支払人が異なる場合には、いずれかのもの。) が名簿上の事故管理区分Bに格付された場合には、その月数に応じ て保険料を返還する。
4 内容変更等について第29条第1項に規定する通知を行った場合又は前3項に定める場合を除き、保険契約の無効、失効若しくは解除の場合又は日本貿易保険が損失をてん補する責めに任じない場合においても、日本貿易保険は保険料を返還しない。ただし、保険料率等規程で定める場合は、保険料の全部又は一部を返還する。
第7章 保険金の支払
( 保険金受取人)
第33条 被保険者は、保険金請求事務を被保険者の代わりに行い被保険者のために保険金を受領する者として、輸出契約等ごとに保険金受取人を定めることができる。
2 被保険者は、保険金受取人を指定、変更又は廃止( 以下「指定等」という。) しようとする場合には、船積確定通知又は確定前通知をした日又は当該指定等の日のうちいずれか遅い日から1月以内( ただし、1月以内に保険金の支払を請求する場合には、保険金の請求日前) にその旨を日本貿易保険に書面で通知しなければならない。
3 保険金受取人を定めた場合、被保険者は、当該保険金受取人を通じてのみ保険金の支払を請求することができる。
4 日本貿易保険は、保険金受取人が保険金の支払を請求してきた場合には、当該保険金受取人に対して保険金を支払うものとし、この場合、日本貿易保険は被保険者に対して保険金を支払ったものとみなし、当該保険金支払債務は消滅するものとする。
( 保険金の請求)
第34条 被保険者その他の保険金の支払を請求しようとする者( 以下「保険金請求人」という。) は、自己の費用をもって損失の計算を行い、保険金請求書に第41条第1項に規定する権利行使等の委任についての委任状( ただし、同項に規定する担保権者等が存在する場合には、当該担保権者等の同意が得られた場合に限る。)、損失計算書、証拠書類その他必要な書類を添えて日本貿易保険に提出しなければならない。なお、第47条第
1項又は第2項に規定する権利行使等の委任が保険金請求時においても有効である場合においては、本条に基づく委任状は提出されているものとみなす。
2 前項の請求は、次の各号に定められた期間に行うものとする。ただし、日本貿易保険が、特に猶予期間を定めた場合は、この限りでない。
一 第11条第1号又は第3号による損失にあっては、損失等発生通知を行った日以降、運用規程に定める事故確定日から9月以内
二 第11条第2号による損失にあっては、損失等発生通知を行った日以降、決済期限か ら9月以内。ただし、第12条第14号の事由による損失がてん補される場合にあっては、決済期限から3月を経過した日以降、決済期限から9月以内
3 保険金請求人が正当な理由なく前項に規定する期間内又は日本貿易保険が定めた猶予期間内に保険金の支払の請求を行わない場合には、日本貿易保険は、保険金を支払わない。
4 保険金の支払いを請求した者は、日本貿易保険がてん補責任の有無又はてん補額の決定のため必要と認める書類の提出を求めたときは、遅滞なく、これに応じなければならない。
5 保険金請求人は、第31条第1項及び第2項の規定にかかわらず、保険金の支払を請求するまでに、同条第1項及び第2項に規定する保険料及び延滞金の全部が支払われない限り、保険金の支払請求をすることが認められないものとする。
( 保険金請求権の消滅時効)
第35条 保険金請求権は、次の各号に定められた日から3年を経過した場合、時効により消滅するものとする。
一 第11条第1号又は第3号による損失にあっては、損失発生通知を行った日以降、運用規程に定める事故確定日
二 第11条第2号による損失にあっては、決済期限。ただし、第12条第14号の事由による損失がてん補される場合にあっては、決済期限から3月を経過した日
2 前条第5項の規定は、前項に基づく消滅時効の成立を妨げない。
( 保険金の支払)
第36条 日本貿易保険は、第34条第1項に定める手続による請求を受けた日から2月以内
に保険金を支払う。ただし、調査のため特に時日を要するときは、この限りでない。
2 第14条の損失額の算出にあたり、輸出等不能貨物又は代金回収不能貨物の処分により第15条第1号に規定する取得した金額又は取得し得べき金額を控除しなかった場合、日本貿易保険は、保険金支払に際し、条件を付すことができる。なお、日本貿易保険が条件を付したときは、輸出等不能貨物又は代金回収不能貨物の処分により取得した金額及びこれに要した費用は、第2条第27号及び第28号の規定にかかわらず、回収金及び回収費用に該当しない。
3 第14条の損失額の算出にあたり、第15条第1号から第3号までに規定する取得し得べ き金額を控除した場合、日本貿易保険は、保険金支払に際し、条件を付すことができる。
4 被保険者と輸出契約等の相手方との間に保険契約の対象となる権利に係る紛争がある場合( 当該権利の存在、有効性及び金額に疑義がある場合を含むが、これらに限らない。)、両当事者を拘束する仲裁判断、確定判決又は和解等により当該紛争が最終的に解決したことを証する資料が提出されるまでの間、日本貿易保険は保険金の支払を留保することができる。
( 他の保険契約等との関係)
第37条 この約款に基づき保険関係が成立した輸出契約等について、輸出手形保険が存在し、当該輸出手形保険契約に基づき、日本貿易保険が保険金を支払うべき場合には、この約款に基づく保険関係の第16条のてん補責任額は、第14条の損失額から当該輸出手形保険契約の保険金の額を控除した残額に第13条に基づき算定した額を限度とする。
2 この約款に基づき保険関係が成立した輸出契約等について、この約款のてん補する危険と同種の危険をてん補する保険契約( 輸出手形保険を除く。) が存在し、かつ、当該保険契約のてん補責任額の合計額と第16条のてん補責任額との合計額( 以下この条において単に「合計額」という。) が損失額を超える場合には、第14条の損失額に、第16条のてん補責任額の合計額に対する割合を乗じて得た額を支払保険金額とする。
( 保険金の概算払)
第38条 第11条第1号の危険をてん補する場合であって、被保険者が保険金の支払の時までに輸出貨物等を処分しておらず、かつ、当該貨物等の処分に長期間を要すると認められるときは、保険金の支払を請求することができる者は、第34条の規定にかかわらず、保険金の概算払を請求することができる。
2 前項の規定により請求しようとする者は、保険金概算払請求書に輸出貨物等の生産状況を証する書類、その他必要な書類を添えて日本貿易保険に提出しなければならない。
3 日本貿易保険は、第1項に規定する保険金の支払について条件を付すことができる。
4 第36条第1項の規定は、保険金の概算払に準用する。
( 決済期限前の請求)
第39条 被保険者は、決済期限前において、第12条各号のいずれかに該当する事由の発生により決済期限までに代金を回収することができないことが確実であるときは、損失の発生について、日本貿易保険の確認を求めることができる。
2 前項の規定により日本貿易保険が損失の発生を書面で確認したときは、保険金の支払の請求は、第34条第2項第2号の規定にかかわらず、当該確認のあった日から9月以内の間に行うことができる。
3 前項の場合における損失額は、第14条の規定により算出した損失額のうち、元本及び前項の確認があった日までに発生した利子に係るものとする。
第8章 債権の回収
( 保険代位)
第40条 日本貿易保険は、保険金を支払ったときは、法第42条の規定に基づき、保険契約者又は被保険者が回収に係る権利行使等の相手方に対して有する未回収額及び決済期限の翌日から発生する延滞利息( 保険金請求日までに回収した元本について生じた延滞利息を除く。) に係る権利を、以下の割合で取得する( 以下、当該権利につき本条に基づいて日本貿易保険が取得する割合を「代位比率」といい、当該権利のうち、代位比率に基づき日本貿易保険が取得する権利を「代位債権」という。)。
一 第11条第1号のてん補危険による損失の場合
( 支払保険金額- 第15条第1号において控除される費用の額×第16条第2項第1号イ又はロに定める割合)/( 第14条の損失額- 第15条第1号において控除される費用の額+第15条第5号の額)
二 第11条第2号のてん補危険による損失の場合
( 支払保険金額- 第15条第1号において控除される費用の額×第16条第2項第2号又は第3号に定める割合)/( 第14条の損失額- 第15条第1号において控除される費用の額)
三 第11条第3号のてん補危険による損失の場合
( 支払保険金額)/( 第14条の損失額)
( 回収の主体)
第41条 日本貿易保険に対し保険金の支払の請求を行う場合には、被保険者は、日本貿易 保険に対し、輸出契約等( 無付保部分を含む。) に係る権利について、代金、延滞利息、損害賠償金又は違約金その他これらに類する金銭を回収するため権利行使等をする権限 の委任( 以下「権利行使等の委任」という。) を行わなければならない( ただし、無付 保部分に係る権利について被保険者の他に、質権者、譲渡担保権者その他の権利者( 以 下「担保権者等」という。) が存在する場合には、担保権者等の同意を得るよう努める ものとし、当該同意を得られた場合に限り当該委任を行わなければならない。)。ただ し、日本貿易保険が、被保険者に対し、権利の全部又は一部につき、権利行使等の委任 が不要であると指示した場合は、この限りでない。
2 権利行使等の委任の対象となる権利について、担保権者等が存在する場合には、被保険者は、当該担保権者等より日本貿易保険への権利行使等の委任について事前の書面による承諾を得ることその他の日本貿易保険が適法かつ有効に前項の権利行使等を行うために必要な一切の手続を行うよう努める。
3 輸出契約等に係る権利のうち保険金支払後の代位債権は、権利行使等の委任の有無にかかわらず、前条の定めに従い、日本貿易保険が取得する。
4 日本貿易保険は、代位債権又は第1項に基づき権利行使等の委任を受けた権利( 以下
「代位債権等」という。) につき、前条に基づく代位後又は権利行使等の委任がなされた後は、自己又は被保険者のために、代金、延滞利息、損害賠償金又は違約金その他これらに類する金銭について権利行使等をするものとし、回収するために必要と認めた手段( 法的手続の履践を含むが、これに限らない。) を被保険者の名義で実行することができる。
5 日本貿易保険が必要と認める場合には、被保険者に対し、代位債権等の全部又は一部につき権利行使等をすることを指示することができる。
6 被保険者は、前項の規定に基づいて日本貿易保険が指示した場合を除き、代位債権等については、前条に基づく代位後又は権利行使等の委任後、自らは一切の権利行使等を行わず、日本貿易保険が自らの判断に基づき輸出契約等に係る債権の決済条件等について変更を加えること、又は国際約束に基づく債務救済措置その他のやむを得ない事由により当該債権を放棄することについて、同意し( ただし、担保権者等の同意が必要であ
る場合には、これを取得するよう努め、当該同意を取得できた場合に限る。)、当該権限を日本貿易保険に付与する。
7 日本貿易保険は、代位債権等の回収を第三者に委任することができる。
8 日本貿易保険は、理由の如何を問わずいつでも、権利行使等の委任の全部又は一部を解除することができる。なお、本項に基づく委任の解除に関して被保険者その他の第三者に損害等が生じたときであっても、日本貿易保険は被保険者その他の第三者に対して一切の責任を負わない。
9 被保険者は、代位債権等につき、回収金の配分方法、その他手続的な事項について、共通運用規程に従わなければならない。
( 回収に関する義務)
第42条 被保険者は、日本貿易保険が被保険者に対して、前条第5項に基づき、次の各号のいずれか全部又は一部を指示した場合、当該指示に従わなければならない。
一 回収に係る権利行使等の相手方との交渉二 回収に係る法的手続
三 日本貿易保険が被保険者の名義で代位債権等を回収するために必要な協力( 日本貿易保険から委任を受けた第三者が行う回収に必要な書類を提出すること及び日本貿易保険の保険代位を輸出契約等の相手方の住所地法において当該相手方その他の第三者に対抗するために必要な手続を行うことを含む。)
四 前三号に掲げるもののほか、回収に当たって必要と認められる全ての措置
2 被保険者が、前項に基づき代位債権等の全部又は一部について権利行使等をするにあたり、次の各号に定める事由を行う場合には、事前に日本貿易保険の承諾を得なければならない。
一 代位債権等を第三者に譲渡すること 二 弁護士等に権利行使等を委任すること
三 代位債権等の決済条件等について変更を加えること四 代位債権等の全部又は一部を放棄すること
五 その他日本貿易保険が指示すること
3 被保険者は、第1項に規定する義務の履行の状況について、日本貿易保険に書面で報告しなければならない。
4 被保険者は、第1項に規定する日本貿易保険による指示の有無にかかわらず、回収に係る権利行使等の相手方の財産に係る法的手続があったこと又は既に行われている法的手続に変化が生じたことを知ったときは、日本貿易保険に遅滞なく報告しなければならない。
( 回収金納付義務)
第43条 被保険者は、回収金があったときは、次条に基づき日本貿易保険が取得する金額を日本貿易保険に納付する義務を負う。
2 被保険者は、前項に基づき、回収のあった日( 回収のあった日が保険金の支払を受けた日以前であるときは、保険金の支払を受けた日) から1月以内にその旨を日本貿易保険に通知し、次条に規定する金額を日本貿易保険の指定する日までに日本貿易保険に納付しなければならない。
3 保険金の支払の請求がなされた後において、輸出等不能貨物又は代金回収不能貨物を輸出契約等の相手方に引き渡したときは、輸出契約等に基づく当該貨物に係る代金の全額を回収したものとみなす。ただし、日本貿易保険が特に認めた場合は、この限りでない。
4 前項の場合には、被保険者は、引き渡した日( 引き渡した日が保険金の支払を受けた
日以前であるときは、保険金の支払を受けた日) から1月以内にその旨を日本貿易保険に通知し、次条に規定する金額を日本貿易保険の指定する日までに日本貿易保険に納付しなければならない。
( 回収金の配分及び回収費用の負担)
第44条 代位債権等について回収した金額又は当該回収に要した費用のうち、無付保部分に係る金額及び費用がある場合は、被保険者が無付保部分に相当する金額及び費用を取得又は負担する。ただし、日本貿易保険が特に認めた場合には、この限りでない。
2 日本貿易保険は、回収金に代位比率を乗じた金額を、支払った保険金額及び同金額について回収に係る権利行使等の相手方に請求できる延滞利息の額を上限として取得し、残額を被保険者が取得する。
3 日本貿易保険は、回収費用に代位比率を乗じた金額を負担し、残額を被保険者が負担する。
4 前項の規定にかかわらず、第46条に基づき回収を終了するにあたり、回収費用の総額が回収金の総額を超過する場合、日本貿易保険は、超過した回収費用を負担するものとし、当該費用のうち、被保険者が支払った金額について、日本貿易保険は被保険者に支払う。
5 前2項の規定にかかわらず、被保険者が輸出等不能貨物又は代金回収不能貨物を処分した場合、被保険者は、当該貨物を処分することにより取得した金額を超過した貨物の処分に係る回収費用を負担するものとし、当該費用のうち、日本貿易保険が支払った金額について、被保険者は日本貿易保険に支払う。
6 第11条の規定に基づき日本貿易保険がてん補する責めに任ずる事由による損失と認められない場合、保険契約が無効の場合、又は免責、保険金返還若しくは保険契約の解除の事由に該当して保険金の全部又は一部が返還される場合、第1項から第5項までの規定にかかわらず、返還される保険金相当分の回収費用は被保険者がこれを負担するものとし、当該費用のうち、日本貿易保険が負担した金額について、被保険者は日本貿易保険に支払う。
( 違約金等)
第45条 被保険者は、第43条第2項又は第4項に該当する場合において、各項に規定する期間内に当該各項の通知をすることを怠ったとき、当該各項の規定により納付すべき金額( 以下「回収納付金額」という。) について回収のあった日( 回収のあった日が、保険金の支払を受けた日以前であるときは、保険金の支払を受けた日) の翌日から当該通知をした日までの日数に応じて年10.95% の割合で計算した違約金を日本貿易保険の指定する日までに日本貿易保険に納付しなければならない。
2 被保険者は、第43条第2項若しくは第4項又は前項に該当する場合において、各項の規定に基づき日本貿易保険に納付すべき金額を日本貿易保険の指定する日までに納付しなかったときは、当該金額及び当該金額について日本貿易保険の指定する日の翌日から納付される日までの日数に応じて年10.95% の割合で計算した延滞金を日本貿易保険の請求に従い納付しなければならない。
3 前2項の規定により違約金及び延滞金を納付すべき場合において、被保険者が回収納付金額、違約金及び延滞金の全額に満たない額を納付した場合には、日本貿易保険は納付された金額を回収納付金額、違約金、延滞金の順に充当する。
( 回収行為の終了)
第46条 日本貿易保険は、代位債権等について回収が困難であると判断したときは、第41条第1項又は次条第1項若しくは第2項に基づく被保険者による権利行使等の委任を解除し、回収を終了することができる。
2 前項に基づき権利行使等の委任が解除された場合において、日本貿易保険が第41条第
5項に基づき被保険者に対し既に指示を出している場合は、当該指示も将来に向かって効力を失うものとし、第42条第1項から第3項までの義務は、以後これを免れる。
3 被保険者は、第42条第4項及び第43条の義務については、代位債権の全部について回収されるまでの間、これを負う。ただし、日本貿易保険が特に認めた場合は、この限りでない。
( 日本貿易保険による保険金の支払の請求前の権利の行使)
第47条 日本貿易保険は、保険金支払の請求前に輸出契約等( 無付保部分を含む。) に係る債権の行使を自ら行う必要を認めたときは、被保険者から当該債権に係る権利行使等の委任を受けることを申し込むことができ、被保険者は、合理的な理由がない限り、これに応じなければならない。
2 被保険者は、保険金の支払の請求前に、日本貿易保険に輸出契約等( 無付保部分を含む。) に係る債権の権利行使等の委任を申し込むことができ、日本貿易保険は、当該権利行使等を自ら行う必要を認めたときは、これに応じる。
3 前2項の委任がなされた場合、回収につき、第41条( ただし、同条第1項から第3項までを除く。) 及び第42条を準用する。
第9章 雑則
( 換算率)
第48条 この約款において、外貨を邦貨に、邦貨を外貨に、又は一の外貨を他の外貨に換算する場合に適用する外国為替相場は、次の各号のとおりとする。
一 外貨を邦貨に換算する場合にあっては、銀行( 銀行法( 昭和56年法律第59号) 第2条第1項に規定する銀行をいう。以下同じ。) が提示する対顧客直物電信買相場の始値( 日本貿易保険が認めたものをいう。以下同じ。)
二 邦貨を外貨に換算する場合にあっては、銀行が提示する対顧客直物電信売相場の始値
三 一の外貨を他の外貨に換算する場合にあっては、銀行が提示する当該外貨間の換算率の始値
2 代金の額又は増加費用が外貨建てのときは、保険価額、第14条の損失額及び第16条のてん補責任額は、次の各号においてそれぞれ定める日における前項第1号の外国為替相場により邦貨に換算するものとする( 以下第3 項から第5 項までの各項において同じ。)。
一 船積確定通知を行う場合
イ 保険価額にあっては、船積日の属する月の1日
ロ 第11条第2号に係る第14条の損失額及び第16条のてん補責任額にあっては、船積 日の属する月の1日又は代金の決済期限のいずれか円高( 輸出契約等に表示された 外貨の本邦における邦貨をもって表示される外国為替相場が低落した場合をいう。)の日
ハ 第11条第3号に係る第14条の損失額及び第16条のてん補責任額にあっては、船積日の属する月の1日
二 確定前通知を行う場合
イ 保険価額にあっては、輸出契約等の締結日
ロ 第11条第1号及び第3号に係る第14条の損失額及び第16条のてん補責任額にあっては、輸出契約等の締結日
ハ 第11条第2号に係る第14条の損失額及び第16条のてん補責任額にあっては、輸出
契約等の締結日又は代金の決済期限のいずれか円高( 輸出契約等に表示された外貨の本邦における邦貨をもって表示される外国為替相場が低落した場合をいう。) の日
3 第15条各号の金額が表示通貨と異なる通貨建てのときは、当該金額は、その額が確定した日における第1項各号のいずれかの外国為替相場により表示通貨に換算するものとする。ただし、同条第1号に規定する費用について、当該費用に係る通貨を表示通貨で買い取って支払った場合は、当該買取に使用された換算率を適用し、表示通貨以外の通貨で買い取って支払った場合、当該通貨はその額が確定した日における第1項各号のいずれかの外国為替相場により表示通貨に換算するものとする。
4 第43条第2項の規定に基づき回収した金額を納付する場合において、回収した金額が表示通貨と異なる通貨建てのときは、当該金額は、回収を確認した日における第1項各号のいずれかの外国為替相場により表示通貨に換算するものとする。ただし、回収した金額に係る通貨を表示通貨で買い取る場合は、当該買取に使用する換算率を適用し、表示通貨以外の通貨で買い取る場合、当該通貨はその額が確定した日における第1項各号のいずれかの外国為替相場により表示通貨に換算するものとする。
5 第44条第3項又は第4項に規定する日本貿易保険の負担する費用は、当該費用が外貨建てのときは、当該費用は、その額が確定した日における第1項第1号の外国為替相場により邦貨に換算するものとする。ただし、当該費用について、当該費用に係る通貨を邦貨で買い取って支払った場合は、当該買取に使用された換算率を適用し、邦貨以外の通貨で買い取って支払った場合は、当該通貨はその額が確定した日における第1項各号のいずれかの外国為替相場により邦貨に換算するものとする。
6 第2項から第5項において定める日に第1項各号の外国為替相場がない場合は、その日の直前の第1項各号の外国為替相場のある日における当該外国為替相場を適用する。
7 第1項各号の外国為替相場が提示されていない外貨の場合には、他の通貨を媒体とした換算率を適用する。
8 日本貿易保険が特に認めた場合には、第2項から第7項までの規定にかかわらず、日本貿易保険の指定した換算率を適用する。
( 保険契約の地位の譲渡)
第49条 被保険者は、この約款に基づく保険契約上の地位を譲渡してはならない。ただし、保険契約上の地位の全部を譲渡する場合であって日本貿易保険が特に認めた場合はこの 限りではない。
( 保険の目的又は保険金請求権の譲渡)
第50条 被保険者は、この約款に基づく保険関係について、保険の目的を譲渡した場合には、譲渡された当該保険の目的に係る損失について日本貿易保険は損失をてん補する責めに任じない。ただし、日本貿易保険の承認を受けた場合は、この限りでない。
2 被保険者は、この約款に基づく保険関係について、保険金請求権を譲渡しようとするときは、譲受予定者と連名で事前に日本貿易保険の承認を受けなければならない。ただし、日本貿易保険が特に認める場合はこの限りでない。
3 日本貿易保険は、前項の承認に当たっては、条件を付けることができる。
( 保険金支払後の債権譲渡)
第51条 保険金支払日以後において、被保険者が、保険事故に係る債権のうち被保険者が有している部分を譲渡しようとするときは、譲受予定者と連名で事前に日本貿易保険の承認を受けなければならない。ただし、譲渡が日本貿易保険の指示による場合は、この限りでない。
2 日本貿易保険は、前項の承認に当たっては、条件を付けることができる。
( 質権又は譲渡担保の設定)
第52条 被保険者は、この約款に基づく保険関係について、保険の目的又は保険金請求権について質権又は譲渡担保を設定しようとするときは、当該質権又は譲渡担保権の取得予定者と連名で事前に日本貿易保険の承諾を得なければならない。ただし、日本貿易保険が特に認める場合はこの限りでない。
2 日本貿易保険は、前項の承諾に当たっては、条件を付けることができる。
( 約款の改正)
第53条 日本貿易保険は、以下の各号の場合にこの約款を改正することができる。
一 法、外国為替及び外国貿易法、又はこれらに基づく命令その他日本国の法令が改正されたとき
二 社会情勢の変動その他相当の事由があるとき三 その他日本貿易保険が必要と認めるとき
2 日本貿易保険は、保険契約者又は被保険者が前項各号により改正した約款に応じないときは、保険契約を解除することができる。
( 手続事項)
第54条 この約款に規定するもののほか、保険関係に関する手続的な事項は手続細則に定める。
( 準拠法令)
第55条 この約款に定めていない事項については、法及びこれに基づく命令その他日本国の法令の定めるところによる。
附 則
この約款は、平成29年4月1日から実施する。附 則
この改正は、平成29年10月2日から実施する。附 則
この改正は、平成30年4月1日から実施する。附 則
この改正は、平成31年4月1日から実施する。附 則
この改正は、令和2年4月1日から実施する。附 則
この改正は、令和4年1月1日から実施する。附 則
この改正は、令和4年7月1日から実施する。
別表( 第1条及び第6条第1項関係)
1 輸出契約又は仲介貿易契約が含まれる一の契約( ただし、技術提供契約が含まれる場合を除き、保険契約者が企業の部門である場合には、証券記載の部門が扱う貨物に係るものであって部門ごとに設定するものとする。) のうち、引受基準に適合するもの。ただし、一の契約を締結した日において、第1号及び第2号に該当するもの又は第1号及び第3号に該当するもの( 船積確定通知又は確定前通知の後に該当することとなった場合を除く。) を除く。
一 一の契約の相手方( 当該契約の締結の相手方と当該契約に係る代金の支払人が異なる場合には、いずれかのもの。) が第10条第4項各号のいずれかに該当する一の契約 二 仕向国が保険証券に記載された国カテゴリー( 日本貿易保険が別に定める基準により定めるものをいう。以下同じ。) に該当し、かつ、支払国( 保証国がある場合には 当該保証国とする。以下同じ。) が保険証券に記載された国カテゴリーに該当する一
の契約
三 仕向国が保険証券に記載された国カテゴリーに該当し、かつ、支払国が保険証券に記載された国カテゴリーに該当する部分( 以下「対象部分」という。) を含む一の契約( 前号に該当するものを除く。) であって、対象部分以外の部分に係る代金が契約金額の二分の一以下の一の契約( 当該一の契約のうち対象部分に係る部分に限る。)
2 一の契約が仲介貿易契約のみに該当する場合は、第3条第1号の条件を選択した場合に限り、前項の一の契約に該当するものとする。