Contract
xx区契約後VE試行実施要綱
平成18年3月31日付け目xx第1172号
(目的)
第1条 この要綱は、xx区が発注する建設工事(以下「建設工事」という。)において、契約締結後、設計図書に定める工事目的物の機能、性能等を低下させることなく契約金額を低減するための施工方法等に関する設計図書の変更について行う提案(以下「VE提案」という。)に関し基本的な事項を定めることにより、民間の技術開発を促し、その技術力を積極的に活用するとともに、建設工事のコスト縮減を図ることを目的とする。
(対象工事)
第2条 VE提案の対象となる建設工事は、競争入札により契約を締結する建設工事のうち、民間の技術開発の著しい工事又は施行方法等に関して固有の技術を有する工事であって、予定価格がそれぞれ、建築工事にあっては3億円以上、土木工事にあっては2億円以上、設備工事及びその他の工事にあっては1億円以上の工事とする。ただし、区長が特に必要と認める場合は、この限りでない。
(VE提案を求める範囲)
第3条 VE提案を求める範囲は、設計図書に定められている内容のうち、工事材料、施工方法等に係る変更によって契約金額の低減が可能な部分とする。この場合において、工事目的物の変更は、原則として行ってはならない。
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる提案については、原則としてVE提案の範囲に含めないものとする。
(1) 工期延長その他の施工条件(施工方法等を除く。)の変更を伴う提案
(2) xx区工事請負契約約款(工事請負契約に係る標準契約書によるものをいう。以下「契約約款」という。)第18条に基づき条件変更が確認された後の提案
(3) 入札時に競争入札参加資格要件として求めた同種又は類似の工事の範囲を超えるような工事材料、施工方法等の変更の提案
(4) 前各号に掲げるもののほか、VE提案の趣旨と著しく相違する提案
(VE提案書の提出等)
第4条 VE提案をしようとする者は、VE提案書(別記第1号様式)を提出しなければならない。
2 VE提案書の提出期間は、原則として、契約締結の日から当該提案に係る部分の工事に着手する日の35日前までとする。
3 工事主管課長は、工期の設定に当たっては、15日間以上の提案準備期間が確保されるよう配慮するものとする。
4 一の者が行うことができるVE提案の回数は、原則として1回とする。ただし、工事の実情に照らし適当と認めるときは、この限りでない。
(VE技術審査委員会等)
第5条 区長は、VE提案の内容審査を行うため、VE技術審査委員会(以下「審査委員会」という。)を設置する。
2 審査委員会の委員は、xx区入札・契約適正化委員会の委員をもって充てる。
3 審査委員会は、VE提案の審査を円滑かつ合理的に執行するため、VE技術検討部会(以下「検討部会」という。)を設置するものとする。
4 検討部会に部会長を置き、工事主管部長をもって充てる。
5 検討部会の庶務は、工事主管課が処理する。
6 前2項に定めるもののほか、検討部会の運営に関し必要な事項は、部会長が別に定める。
(VE提案の審査)
第6条 審査委員会は、VE提案書の提出があったときは、速やかに審査を行うものとする。
2 VE提案の審査に当たっては、施工の確実性、安全性及び設計図書と比較した経済性等を評価するものとする。
3 区長は、審査委員会の審査に基づき、当該VE提案の採否を決定するものとする。
(VE提案の採否の通知)
第7条 区長は、原則としてVE提案書の提出の日から 14 日以内に、当該VE提案の採否の結果を VE提案採否通知書(別記第2号様式)により通知するものとする。この場合において、当該VE提案を採用しない場合は、その理由を付して通知するものとする。
2 前項の期間は、VE提案をした者の同意を得た上で、これを延長することができる。
(VE提案を適当と認める場合の設計変更等)
第8条 区長は、VE提案を適当と認めた場合は、速やかに設計図書及び契約金額の変更を行わなければならない。
2 前項の規定により契約金額の変更を行う場合における変更額は、VE提案により契約金額が低減すると見込まれる額の10分の5に相当する額を基準とする。
3 前項の規定により算定された変更額は、当該変更額に係るVE提案が適当と認められた後、契約約款第18条の条件変更が生じた場合であっても、原則として変更しない。
(VE提案の取扱い)
第9条 区は、VE提案により提案された工事材料、施工方法等が一般的に使用される状態になった場合は、その後の建設工事において、無償で使用できるものとする。ただし、工業所有xxの排他的権利を有する事項が含まれる提案については、この限りでない。
2 前項に規定する内容については、入札説明書又は特記仕様書等に明記することにより、契約の相手方に周知するものとする。
(責任の所在)
第10条 VE提案を適正と認め、設計図書の変更を行った場合においても、VE提案を行った契約の相手方の責任が否定されるものではない。
2 前項に規定する内容については、入札説明書又は特記仕様書等に明記することにより、契約の相手方に周知するものとする。
(契約約款の特約事項)
第11条 VE提案の対象とする建設工事については、契約に当たって、VE提案に係る手続等について特約条項(別紙1)を付し、その旨を明示するものとする。
(明示する事項)
第12条 VE提案を求める場合には、次の各号に掲げる手続又は書面において、当該各号に定める事項を明示するものとする。
(1) 入札公告及び入札説明書
ア 契約後VE方式の対象工事であること。
イ VE提案の方法等の詳細を特記仕様書で明示していること。
(2) 特記仕様書(別紙2を基本とする。)
ア 契約後VE方式の対象工事であること。
イ VE提案の定義、意義及び範囲、VE提案の提出方法、VE提案の審査、採否、活用と保護、責任の所在等に関すること。
ウ VE提案を提出する際の様式
(委任)
第13条 この要綱の施行に関し必要な事項は、別に定める。
x x
この要綱は、平成18年4月1日から施行する。
(別紙1)
契約後VEに係る特約条項
(設計図書の変更に係る乙の提案)
第1条 乙は、この契約締結後、設計図書に定める工事目的物の機能、性能等を低下させることなく請負代金額を低減することを可能とする施工方法等の設計図書の変更について、甲に提案することができる。
2 甲は、前項の規定に基づく乙の提案を受けた場合において、提案の全部又は一部が適正であると認められるときは設計図書を変更し、これを乙に通知しなければならない。
3 甲は、前項の規定により設計図書を変更した場合において、必要があると認められるときは、請負代金額を変更しなければならない。
(別紙2)
特 記 仕 様 書
第○○条 VE提案について
本工事は、契約締結後に施工方法等の提案を受付ける契約後VE方式の対象工事である。
1 定義
「VE提案」とは、設計図書に定める工事目的物の機能、性能等を低下させることなく請負代金額を低減することを可能とする施工方法等に係る設計図書の変更について、請負者が発注者に対し行う提案をいう。
2 VE提案の意義及び範囲
(1)請負者がVE提案を行う範囲は、設計図書に定められている内容のうち、工事材料、施工方法等に係る変更により請負代金額の低減を伴うものとし、原則として工事目的物の変更を伴わないものとする。
(2)以下の提案は、VE提案の範囲に含めないものとする。
ア 施工方法等を除く工期の延長等の施工条件の変更を伴う提案
イ xx区工事請負契約約款(xx区契約事務規則第42条第1項の規定に基づく工事請負契約に係る標準契約書によるものをいう。以下「契約約款」という。)第18条に基づく条件変更に該当する事実との関係が認められる提案
ウ 入札時に競争参加資格要件として求めた同種工事又は類似工事の範囲を超えるような工事材料、施工方法等の変更の提案
エ 全各号に掲げるもののほか、VE提案の趣旨と著しく相違する提案
3 VE提案の提出
(1)請負者は、前項のVE提案を行う場合は、次に掲げる事項をVE提案書(様式1~4)に記載し、発注者に提出しなければならない。
ア 設計図書に定める内容とVE提案の内容の対比及び提案理由
x VE提案の実施方法に関する事項(当該提案に係る施工上の条件等を含む。)ウ VE提案が採用された場合の契約金額の概算低減額及びその算出根拠
エ 発注者が別途発注する関連工事との関係
オ 工業所有xxの排他的権利を含むVE提案である場合、その取り扱いに関する事項カ その他VE提案が採用された場合に留意すべき事項
(2)発注者は、提出されたVE提案書に関する追加的な資料、図書その他の書類の提出について請負者に求めることができる。
(3)請負者は、前項のVE提案を契約の締結日より当該VE提案に係る部分の施工に着手する35日(土、日、祭日を含む。以下同じ)前まで、発注者に提出できるものとする。ただし、VE提案の回数は1回を原則とするが、工事の実状に照らし適宜変更できるものとする。
(4)VE提案にかかる費用は、請負者の負担とする。
4 VE提案の審査
VE提案の審査に当たっては、施工の確実性、安全性、設計図書と比較した経済性等を評価する。なお、提出されたVE提案書の内容について説明を求められた場合にはこれに応じなければならない。
5 VE提案の採否等
(1)発注者は、VE提案の採否について、VE提案の受領後14日以内に書面により請負者に通知するものとする。ただし、請負者の同意を得た上でこの期間を延長することができるものとする。また、提出されたVE提案が適正と認められなかった場合は、その理由を付して通知するものとする。
(2)発注者は、VE提案が適正と認められた場合において、必要があるときは、設計図書の変更を行うものとする。
(3)発注者は、前項の規定により設計図書の変更が行われた場合において、必要があるときは、請負代金額を変更するものとする。
(4)前項の変更を行う場合においては、VE提案により請負代金額が低減すると見込まれる額の10分の5に相当する金額(以下「VE管理費」という。)を削減しないものとする。
(5)VE提案が適正と認められた後、契約約款第18条の条件変更が生じた場合において、発注者がVE提案に対する変更案を求めた場合、請負者はこれに応じるものとする。
(6)発注者は、契約約款第18条の条件変更が生じた場合には、契約約款第24条第1項の規定に基づき、請負代金額の変更を行うものとする。VE提案を採用した後、契約約款第
18条の条件変更が生じた場合の前記(4)のVE管理費については、原則として変更しないものとする。ただし、双方の責に帰することができない事由(不可抗力や予測することが不可能な事由等)により、工事の続行が不可能、又は著しく工事低減額が減少した場合においては、協議して定めるものとする。
6 VE提案の活用と保護
発注者は、評定の結果、当該VE提案内容の活用が効果的であると認められた場合は、他の工事においても積極的に活用を図るものとする。その場合、工業所有xxの排他的権利を有する提案については、当該権利の保護に留意するものとする。
7 責任の所在
発注者がVE提案を適正と認めることにより、設計図書の変更を行った場合においても、V E提案を行った請負者の責任が否定されるものではない。