Contract
消費者ローン契約書「用語解説集」
本解説集は、お客様と山陰合同銀行との間で締結するローン契約書に記載された用語や、ご注意いただきたい事項を、分かりやすく解説したものです。
ご契約内容を十分ご理解いただくために、本解説集をご参照ください。別途銀行取引約定書を差入れていただいている場合は、ローン契約書の規定に銀行取引約定書の規定が優先しますのでご注意ください。
なお、ご契約内容についてご不明な点がございましたら、お気軽に何なりとお取引店担当窓口までご照会ください。
貸K371(2020.4改)<2020.4>
1.元利均等返済方式
消費者xxxの元利金のご返済は主に「元利均等返済」方式にて行います。「元利均等返済」とは、毎回の返済額(元金+利息)が一定となる返済方法で、利息は各返済日に後払いするものとし、金利に変更がない場合、借入期間中のご返済額は同一となります。この場合、返済当初は元金に比べて利息の支払に充当される額が多くなりますが、返済が進むに従って元金の支払が多くなります。
「元利均等返済」の利息の計算方法は、毎月返済部分は「毎月返済部分の元金残高×利率÷12」、また半年ごとの増額返済部分は「半年ごと増額返済部分の元金残高×利率×6÷12」としてそれぞれ計算します。
ただし、借入日から第1回返済日までの日数が1ヶ月未満の場合、利息は1年を365日として日割計算するため、第1回の元利金返済額は毎回の返済額と異なります。また、最終回返済額は利息の端数処理のため、毎回の返済額とは異なる場合があります。
2.連帯保証人
保証人は、債務者がローン等を返済できない場合に、債務者に代って返済する義務を負う人をいい ますが、「連帯保証人」とは、さらに債務者と連帯して返済義務を負う人をいいます。連帯責任を負わ ない保証人は、債権者から請求された場合でも、まず債務者に請求するよう求め、また債務者に返済 資力のあることを証明すれば支払を拒むことができます。しかし、「連帯保証人」の場合は、債務者と 同様の連帯責任を負うので債権者が債務者に請求したか否かや債務者に資力が残っているか否かにか かわらず、債務者の債務不履行があり債権者から請求を受けたときは直ちに債務者に代って返済する 義務を負い、債務者より先に財産に対する差押え(項番23参照)等の強制執行を受けることもあります。金融機関に対する保証は、一般に連帯保証となっています。
なお、「連帯保証人」がローンの債務者に代って債務の返済をしたときは、連帯保証人は、ローンの債務者に対して求償することができ、この求償のために債権者の権利に代位(項番40参照)することができます。
ただし、その弁済が一部で債務が残存する場合は、金融機関の同意なしには、代位による権利行使はできません(一部代位権の不行使特約)。
「連帯保証人」の契約解除については、連帯保証人からの一方的な申し出による解約はできません。ただし、やむを得ず免除しなれければならない場合は、金融機関および利害関係人の承諾が必要となります。
3.元利金返済額等の自動支払
「元利金返済額等の自動支払」とは、毎回の返済額等を銀行の窓口等で返済するのではなく、返済日当日に、コンピュータ処理により自動的に債務者の預金口座から引き落とされ支払われる方式のことをいいます。
4.銀行の休日(銀行休業日)
「銀行の休日」は銀行法で「日曜日その他政令で定める日に限る」とされています。具体的には「日曜日」のほか「祝祭日」「国民の休日」「12月31日から翌年の1月3日までの4日間」および「土曜日」です。
5.増額返済併用
一般には、ボーナス月等に年2回、通常の毎月返済額に一定額を上乗せして返済する方式のことをいいます。
6.損害金
債務者が約定どおり元利金の返済を行わない場合、返済日の翌日から入金日までの期間について、返済が遅延している元金に借入要項等に記載された所定の利率を乗じて算出された金額を、違約金としてお支払いいただくものです。
7.繰り上げ返済
借入当初の約定で定められた期限よりも前に繰り上げて返済することをいいます。具体的には、残っている債務額(残債務額)の一部を繰り上げて返済すること、あるいは残債務全額を一括して返済することをいいます。こうした繰り上げ返済を行うに際し、銀行店頭に示されている所定の手数料がかかる場合があります。
8.未払利息
未払利息とは、xxxの利息の支払方法が後払いであるために、発生しているが支払われていない利息のことです。例えば、増額返済月を4ヶ月経過した時点で繰り上げ返済を行う場合、増額返済分の利息は一般に6ヶ月分を後払いする取扱いとなっているため、前回の増額返済以降の4ヶ月分の利息が未払利息となり、ご清算いただく必要が生じます。
9.担保価値の減少
担保物の価値の減少のこと。例えば、不動産や株式等を担保物として差し入れている場合、これらの担保物は、地価や相場の変動等により価格が大きく変動することがあり、その価格が借入残債務を担保するに不足するほど下落し、価格の回復が相当期間見込めないような状態となることもありえます。(担保価値の減少がある場合、銀行は、情況によって他の担保・保証を追加しあるいは担保の変更をお願いすることがあります)
10.信用不安
銀行がローン等の貸出を行う場合、債務者の信用状態が健全であることを前提としていますが、貸出後の債務者の著しい資産・収入の減少あるいは他の債務の増加等により、債務者の返済能力に懸念の生じる場合があります。債務者の「信用不安」とは、客観的に見て、そのような債務者の信用状態に懸念が生じ、返済ができなくなるおそれがある場合をいいます(債務者に「信用不安」が生じた場合には、銀行は債務者に対し、「信用不安」を解消するに足る担保・保証の差し入れ、追加、変更などをお願いすることがあります)。
11.債権保全
銀行は、貸出した金銭および利息が回収できない事態とならないよう、返済の遅延等の発生を予防するとともに、万一債務者が返済できない事態となった場合にも、貸出金が全額回収できるよう必要な措置を講じる必要があります。この措置を「債権保全」といいます。
12.担保の現状変更
銀行が貸出を行う場合に土地や建物等の不動産を担保として差し入れていただくことがあります。この不動産について、担保価値の変動が生じるような変更を「担保の現状変更」といいます。例えば、建物の増改築・取壊しなどや、土地を分割して複数の土地として登記するなどの変更を行うことをいいます。この場合、金融機関に対して報告を要します。
13.第三者のための権利の設定
特定の法律関係について、これに関与する者(これを「当事者」といいます。)以外の者のことを「第
三者」といいます。消費者ローン契約の場合には、第三者とは、金銭を貸出した銀行と金銭を借入れた債務者以外の者のことです。「第三者のための権利の設定」とは、例えば、この「第三者」のために賃借権、質権(項番43参照)、抵当権(項番31参照)等の権利を設定することをいいます。
14.法定の手続き
担保を処分する手続きについては、担保の種類に応じて各種法律にその定めがあり、その手続きを
「法定の手続き」といいます。ところが「法定の手続き」では、手続きに時間を要することもあり、結果として処分の時期が遅れるなど、より有利に処分できる機会を逃してしまい、債務者・銀行双方の利益にならないことがあります。
そこで銀行は、ローン契約時に、担保を「法定の手続き」によらず債務者との合意のうえで任意の方法で売却し、そのなかから残っている債務額(残債務額)および売却にかかった費用等を回収できるようにしています。例えば、担保不動産を処分する場合に、相応な条件で当該物件を購入したいという第三者が現れたときには、法律に基づく不動産競売手続きをとらずに、債務者・銀行双方の合意のもとに第三者に任意に売却することにより、債務者・銀行双方にとっての時間的・経済的負担を軽くすることができます。
15.費用の負担
抵当権設定契約証書でいう「費用」とは、担保を取立てたり、処分したりするときに要する諸々の費用のことをいいます。例えば、売却に伴う手数料や諸税があります。
16.法定の順序
「法定の順序」とは、返済された内容(金額、数量等)が債務全体を消滅させることができないとき、その返済を当事者の間で①債務が複数個ある場合にいずれの債務に充当するか、②元本・利息・費用のいずれかに充当するか、について合意していない場合に適用される、法律(民法)で決められた充当の順序のことをいいます。この民法に規定する具体的な「法定の順序」は以下のとおりです。
①債務が複数個ある場合の充当順序
債務者が同一の銀行に同種の複数個の債務を負っている場合で、その全部を返済しきれないときは、債務者がその返済をどの債務に充てるかを指定します。その指定がない場合は銀行が指定できますが、債務者が異議を申し出ると銀行の指定は効力を発しません。その結果、どの債務に充てるかを定める ことができなくなることを防ぐため、最終的な充当方法が法律で定められています。
具体的には、a.返済期限が到来した債務とまだ到来していない債務とでは、返済期限が到来したものを優先すること、b.ともに期限が到来している複数の債務の場合やともに期限が未到来の複数の債務の場合には、債務者に有利な債務(例えば貸出金利の高低、抵当xx物的担保の有無、手形債務か一般債務かどうかなどを基準に判断)を優先すること、が定められています。
②元本・利息・費用の充当順序
返済期限が到来したものについて返済を行うが、その金額が銀行に対して負担する債務(借入金の元本・利息、担保保全・債権回収費用)全額を返済しきれず、かつ当事者間で充当の順序の定めがない場合、法律では、費用、利息、元本の順で充当することを定めています。
消費者ローン契約書の場合は、前記の法律の規定どおりの弁済の充当方法によると、銀行および債務者双方にとって有利とはならないことがあることから、必ずしもこれによらないことを約定しています。
17.事変
例えば、内乱等の騒乱や戦争等のような異常な事態をいいます。
18.期限の利益
期限が到来しないことによって当事者が受ける利益のことをいい、ローン契約の場合、債務者は
「契約で定められた最終返済期限までは、約定どおり返済していれば、借入金全額の返済を求められることはない」という利益のことをいいます。
消費者ローン契約書「期限前の全額返済義務」第1項に掲げられている事項のいずれかに該当した場合には、当然に債務者はこの「期限の利益」を失い、直ちにこの契約による債務全額を返済しなければならなくなります。
また、「期限前の全額返済義務」第2項に掲げられている事項のいずれかに該当した場合には、銀行の請求により債務者はこの「期限の利益」を失い、直ちにこの契約による債務全額を返済しなければならなくなります。この期限の利益の請求喪失事由には、反社会的勢力の排除条項(項番25参照)に抵触した場合も含まれます。
19.破産手続開始の申立
「破産」とは金銭の債務者などが返済不能な状態になったときに、本人又は債権者の申立てに基づき、裁判所の決定により、その人の全財産を破産管財人(弁護士)のもとにおくことをいいます。
住宅ローンの契約では、債務者または債権者が破産手続開始の申立を行ったときは、銀行からの請求がなくても期限の利益(項番18参照)を失います。
20.民事再生手続開始の申立
「再生手続」とは、経済的苦境にある債務者が経済的な再生を図るための民事再生法に定める手続きのことで、債務者本人またはその債権者が裁判所に対して当該手続の申立を行ないます。
消費者ローンの契約では、債務者または債権者が再生手続開始の申立を行った場合には、銀行からの請求がなくても期限の利益(項番18参照)を失います。
21.支払の停止
「支払の停止」とは、債務者が負う金銭債務の全部または大部分の支払が不能になったことを口頭や行動で(明示または黙示に)表示することをいいます。例えば、債務者が破産・民事再生手続の申立てをしたり、店舗を閉鎖して営業を停止したり、夜逃げなどにより銀行に所在が分からなくなる行動をとったような場合、支払停止とみなされます。
22.手形交換所の取引停止処分
通常、手形交換所では、手形・小切手の信用秩序を維持するために、取引停止処分制度を設けています。取引停止処分制度とは、同じ手形交換所地域内で6ヶ月間に2回の不渡りを出した約束手形・小切手の振出人または為替手形の引受人は、その交換所に参加している銀行との当座勘定取引および貸出取引が2年間停止されるというものです。
23.差押え
裁判所の命令や税金の滞納処分等により、債務者の財産(土地家屋、家財道具のような有体物または権利等)の使用または処分を禁じることを「差押え」といいます。消費者ローン契約書の「差押え」とは、債務者になんらかの金銭の支払請求権を有する第三者が、債務者の当該消費者ローン契約の相手方である銀行に提供された担保(不動産、有価証券等)や預金債権について、裁判所の命令等により、自己の請求権を確実に確保できるように、担保や預金債権の処分等を禁止すること、またはその状態をいいます。
24.競売手続の開始
「競売」とは、裁判所が、金銭の支払請求権を有する者(債権者)の申出により、債務者に代って債務者の財産を多数の申出人に対して買受の申出を行わせて、最高価格の申出人に競売の対象物を売却する担保処分手続きをいいます。
「競売手続の開始」とは、債権者の申出により裁判所が競売の対象物件を差押える(項番23参照)ことをいいます。
具体的には、競売対象物件が不動産の場合には、裁判所から債務者に「差押えの通知」が送付されたとき、または裁判所が「不動産の登記簿」に「差押えの登記」を行ったときです。競売対象物件が動産 (例えば株券等有価証券)の場合には、裁判所が差押え対象物を差押え(原則として、裁判所が当該動産を占有すること)たときです。これらの実行により差押えの効力が発生し、競売の手続きが開始されたことになります。
25.反社会的勢力の排除
銀行と暴力団等の反社会的勢力との取引排除ならびに取引解消を目的として消費者ローン契約書に規定しているものです。
債務者及び連帯保証人が現在かつ将来にわたって暴力団等の反社会的勢力に該当しないことを表明し、確約していただきます。また、債務者及び連帯保証人が自らまたは第三者を利用して暴力的な要求等の行為を行わないことを表明し、確約していただきます。反社会的勢力の属性要件および行為要件については、契約書に詳しく記載しておりますのでご確認ください。
万一、債務者及び連帯保証人が表明、若しくは確約していただいた要件に違反し、銀行が債務者とお取引を継続することが不適切と判断した場合は、一括して返済してくださいという請求を銀行が行うことによって期限の利益(項番18参照)を失うことがあります。
26.相殺
相殺とは、2者が互いに同種の目的を有する債権を持っている場合(注)に、実際に相互に支払う代わりに、相互の債権を対当額だけ消滅させることをいいます。
(注)例えば、銀行が債務者から一方では預金をお預りしている場合、銀行と債務者とがお互いに同種の債権(金銭債権)を有していることになります。
27.期限未到来の預金
期限の定めのある預金(定期預金等)で、満期が到来していない預金のことです。
28.期限前解約利率
預金の中途解約利率のことです。期限の定めのある預金の場合には、満期が到来していない時点で解約を申出ると、通常、約定利率(項番29参照)よりも低い利率が適用されますが、その低い利率のことをいいます。期限前解約利率は、銀行の店頭に備えられた説明書に記載されています。
29.約定利率
契約において定められた利率のことをいいます。
なお、銀行から相殺する場合、期限前解約利率(項番28参照)によらず、約定利率により計算します。
30.印影
証書などに押されたハンコのあと。
なお、印影の真偽を確認するためにあらかじめ官公署、取引先等に届け出ておく印影のことを「印鑑」といいます。
31.抵当権
「抵当権」とは、債務者または第三者が所有する不動産等を、その占有(債務者等が自己のためにする意思を持って物を所持する状態)を移さずに、債務の担保(返済できなかった場合の引き当て)として債権者に提供する旨の契約によって成立する債権者の担保権です。
債務者が債務を返済しなかったまたはできなかった場合には、抵当権者(この担保権を有する債権者)は、担保を処分して得られた処分代金からローン残高および売却にかかった費用を他の債権者に優先して回収できます。この場合、債権者に担保を提供する者のことを抵当権設定者といいます。
なお、「抵当権」は当事者の契約により成立し、上記のとおり債権者に対して物の引渡しを必要としないため、当事者以外にはその実態がつかめません。そのため、「抵当権」に関わる権利の設定、消滅などの事実関係を契約当事者以外の第三者に示すため、債権者と抵当権設定者は共同で法務局等に登記・登録を行うこととなっています。
また、担保設定契約の解除については、担保提供者の一方的な申し出での解除はできません。ただ し、やむを得ず解除しなければならない場合は、金融機関および利害関係人の承諾が必要となります。
32.権利の行使または保全(に要した費用)
債務者または保証人に対する「権利の行使または保全に要した費用」とは、抵当権(項番31参照)に関する登記費用、担保物件の価値に関する調査費用および処分にかかる費用の他、債権回収、債権保全 (項番11参照)等のために要した費用等をいいます。ローン契約書では、これらにかかる費用については、借主が負担することを定めています。
33.届出事項
ローン取引にあたり必要な情報を提供していただくため、氏名、住所、印鑑、電話番号他、金融機関へ届け出た事項に変更があった場合、直ちに書面により届け出をすることを定めています。
34.報告および調査
担保の状況、債務者、保証人の信用状態について金融機関が債権保全上必要とした場合、または重大な変化を生じた場合は、直ちに金融機関に報告し、また金融機関の調査に協力する旨を定めています。
35.債権譲渡
債権者は自己の有する債権を第三者に譲渡することが法律で認められています。この行為を「債権譲渡」といいます。銀行が住宅ローン等の貸出を行った場合には、銀行は債務者に対して「貸出した金銭を利息とともに返済してもらう」という債権を有するわけですが、この債権を第三者に譲ることができるということです。
36.団体信用生命保険
「団体信用生命保険」とは、債務者を被保険者とする保険契約で、債務者が死亡または所定の高度障害状態になられたとき、生命保険会社が所定の保険金を保険金受取人である銀行または信用保証会社に支払い、その保険金を限度として債務に充当する仕組みの団体保険です。
ただし、債務者が健康状態等に関し生命保険会社に告知するに際して、事実を告知しなかったり、事実と異なることを告知した場合には、保障開始から2年以内については、保険契約が解除される場合があります(お支払い事由が発生した後であっても解除される場合があります)。
また、告知義務違反の内容が重大な場合、借入後2年を超えていたとしても詐欺による取消しを理由として保険金が支払われない場合があります。
借入後2年以内に保険金が支払われた場合、借入後2年を経過するまでは告知義務違反等の事由により保険金支払が取り消される場合がありますので、担保の抹消は借入後2年を経過するまでは行えません。
万一、保険金支払が取り消された場合は、債務者または当該債務の相続人は直ちに残った債務全額を返済しなければならなくなります。
37.個人信用情報センター
個人信用情報センターは、消費者金融の円滑化を図るため、全国銀行協会連合会が設置している信用情報機関で、消費者ローン等の利用に関する情報を本人の同意に基づき登録し、銀行等の会員に取引上の参考資料として提供しています。
なお、この登録情報については、全国各地の銀行協会において、本人からの請求にもとづき開示しています。詳細については、xxxxxx『個人信用情報センターのご案内』をご参照ください。
38.免責(保証)
「免責」とは、債務の弁済責任を免除されることをいいます。消費者ローン契約書の保証条項では、保証人が銀行に対する保証債務の弁済責任を免除されることをいいます。
39.保証債務の履行(保証)
「保証債務の履行」とは、保証人(項番2参照)が借主に代って銀行に債務の返済を行うことをいいます。
40.代位(保証)
保証人が保証債務を履行(項番39参照)することによって、銀行が有する担保権その他の権利を取得することをいいます。ただし、その弁済が一部で債務が残存する場合は、金融機関の同意なしには、代位による権利行使はできません(一部代位権の不行使特約)。
41.保証限度額(保証)
保証は、特定の債務を対象としてなされるのが原則ですが、銀行取引のような継続的な取引関係においては、反覆的に生ずる債務を包括的に保証することを内容とする保証契約があり、そのような保証を根保証といいます。このうち保証金額の上限を定めることがあり、この時の上限を「保証限度額」といいます。
42.連帯債務者
一つの債務を複数の人が共同して負うことを「連帯債務」といいます。連帯債務者同士の間では、どちらが主たる債務者であってどちらが従たる債務者であるという区分はなく、同等の債務を負っています。
収入合算を行なうために連帯債務者となった場合であっても、申込人と同じ返済義務を負います。したがって、申込人が返済不能となった場合のみ返済義務を負うのではなく、当初から申込人と同等の返済義務を負っています。
住宅関連ローンの連帯債務の特約では、①銀行から債務者に対する連絡・諸通知は、債務者一人に対して行なえば足り、債務者全員に行なう必要はないこと。②銀行が債務者の一部に対して債務免除もしくは担保の変更・解除をしても、残りの債務者は免責(項番38参照)を主張しないこと。③債務者の一方が行方不明となった場合、行方不明の債務者は、残りの債務者によってその債務を承認もしくは変更されても異議を申立しないこと。④債務者の一部が債務履行した場合、債務者と銀行が取引継続中は、代位によって銀行から取得した権利を、銀行が同意しないかぎり権利行使はできないこと。
⑤信用不安(項番10参照)による債権保全を必要とする事由の発生、期限の利益(項番18参照)喪失事由の発生は、債務者のうち一人でも発生した場合に適用されること、等を特約しています。
43.質権
「質権」とは、契約により、債務の担保(返済できなかった場合の引当)として、債務者の財産などを債権者に引き渡すことによって成立する債権者の担保権です。債務者が契約上の義務を果たせなかったとき、質権者(この担保権を有する債権者)は、他の債権者に優先して担保の取り立て等により得られた代金により他の債権者に優先して回収できます。
住宅ローン等で建物を担保提供いただく場合、融対物件の建物に火災などによる被害があったときの「火災保険の保険金を請求する権利」に銀行(保証会社の保証付ローンの場合は保証会社)を権利者とする質権を設定していただく場合があります。
この場合に、ご返済中に担保提供頂いている建物が火災などにより焼失したときは、保険会社から支払われる保険金を質権により優先して銀行(または保証会社)が住宅ローン等のご返済金として受領することができます。また、担保提供頂いている建物が火災などにより一部焼失した場合、建物復旧のため保険金を受領したいときは、銀行(または保証会社)などの了解が必要となります。
44.保証会社の保証付ローン
「保証会社の保証付ローン」は、万一債務者の返済が滞ったり、期限の利益(項番18参照)を喪失し一括して返済すべき状態になったにもかかわらず、債務者から返済を受けられない場合には、銀行は保証会社から当該債務について全額返済を受けることができます。これにより、銀行の債務者に対する債権は保証会社に移転します。これを「代位弁済」(「代位」項番40参照)といい、代位弁済以降は、債務者は保証会社へ返済しなければなりません。
また、「保証会社の保証付ローン」は、銀行との契約書である「金銭消費貸借契約証書」等とは別に、保証会社との権利・義務を定めた「保証委託契約書」等を締結し、別途保証料(前払方式あるいは後払方式)を支払うこととなっています。
45.住宅借入金等特別控除にかかる年末残高証明書の送付
住宅ローンを借りてマイホームを取得した場合、またはマイホームを100万円を超える費用をかけ て借入金等で増改築等をした場合で、一定の条件を満たしていれば、入居(増改築等の場合は増改築 等をした部分に入居)した年以後の一定期間、住宅借入金等の年末残高に基づいて計算した控除額を、
「住宅借入金等特別控除」として所得税等から差し引くことができます。
住宅借入金等特別控除が受けられる借入金等は、次の①、②の条件を満たしている借入金等で、その年末残高(返済に伴う利息分や返済が遅延したための遅延利息、その他手数料などは含まれません。)が控除対象となります。
①独立行政法人住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)等の公的ローン、民間金融機関からの借入金、勤務先からの借入金(利率が1%以上のもの)や、建設業者、宅地建物取引業者、独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社等に対する住宅取得に係る債務の額などで、返済期間(据置期間を除く)が10年以上の割賦償還の方法(特定増改築等住宅借入金等特別控除の場合は5年以上の割賦償還の方法)のものであること。
②自分の居住用の建物及びその敷地(借地権を含む。建物とともに取得するものに限る。)を取得するためのものであること。
従って、返済期間(据置期間を除く)が10年未満(特定増改築等住宅借入金等特別控除の場合は5年未満)のものや、元金の返済方法が期日一括返済の貸出条件である場合は、住宅借入金等特別控除の対象となりません。
また、繰上返済等で返済期間(据置期間を除く)が10年未満(特定増改築等住宅借入金等特別控除の場合は5年未満)となった場合、その年以後は住宅借入金等特別控除の対象外となります。
他金融機関からの借換えを行い、借換え後の返済期間(据置期間を除く)が10年未満(特定増改築等 住宅借入金等特別控除の場合は5年未満)とする場合も、住宅借入金等特別控除の対象となりません。
なお、銀行は毎年10月上旬に年末残高証明書を郵送します。住宅借入金等特別控除を受けるためには上記のほか、一定の条件を満たす必要があり、銀行が年末残高証明書をお送りするお客さまのすべての方が住宅借入金等特別控除を受けられるとは限りません。詳しくは、国税庁のホームページまたは最寄りの税務署等におたずねください。
46.保証人への情報提供義務
連帯保証契約がある場合、銀行は保証人から請求があれば、当該債務の元本・利息・違約金・損害賠償など一定の情報を提供する義務があります。
また、銀行が債務者の期限の利益喪失を知った場合は、その時から2ヶ月以内に当該期限の利益喪失について、保証人へ通知することになっています。
47.定型約款、規定の変更
定型約款は、定型取引(不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容が画一的であることが双方にとって合理的である取引)にあたって利用されるものであり、当該約款を契約の内容とすることに合意した場合は、個別の条項についても合意したものとみなされます。多くローン契約の約款は、定型約款に該当するものとして取扱しています。
また、定型約款は、法令の改正や社会の状況変化等により約款の変更が必要となったときに、その変更が下記に該当する場合は、ホームページ掲載などによる周知を行うことで、個別に変更の同意を得ることなく、約款の内容を変更することがあります。
①相手方の一般の利益に適合するとき
②契約をした目的に反せずかつ諸事情に照らして合理性があるとされるとき
以上