Contract
ガス託送供給約款
(連結託送供給)
2022 年 4 月 1 日実施
株式会社JERA
目次
Ⅰ.基本事項 1
Ⅱ.託送供給に関する申込み 5
Ⅲ.託送供給の実施 8
Ⅳ.料金等の算定 9
Ⅴ.託送供給の制限・中止等 16
Ⅵ.契約の継続および終了等 18
Ⅶ.保安 20
Ⅷ.申込み・問合せ窓口・その他 21
附 則 22
Ⅰ.基本事項
1.約款の運用
(1)当社が,以下の要件を全て満たすガス託送供給を行う場合の料金その他の供給条件は,このガス託送供給約款(以下「この約款」といいます。)によります。
① ガス事業法第2条第4項の要件を満たすものであること。
② 託送供給の払い出しが連結点で行われること。
③ 4(引受条件)に適合すること。
(2)託送供給依頼者は,この約款を託送供給契約の内容とすることに同意した上で,託送供給の検討および契約を申し込んでいただきます。8(託送供給契約の申込みおよび締結)により託送供給契約が成立したときはこの約款が託送供給契約の内容となります。
2.この約款の届出および変更
(1) この約款は,ガス事業法第76条第1項の規定に基づき経済産業大臣に届け出たものです。
(2) 当社は,ガス事業法の規定に基づき,経済産業大臣に届け出て,この約款を変更することがあります。この場合,託送供給の料金その他の供給条件は,変更後のガス託送供給約款によります。
3.用語の定義
この約款において使用する用語の定義は,次のとおりとします。
(1) 「託送供給依頼者」とは,ガス事業法第2条第4項に基づく託送供給を受けるために,当社と託送供給契約を締結する方(託送供給検討に関する申込みをする方および託送供給契約の申込みをする方を含みます。)をいいます。
(2) 「需要家」とは,託送供給依頼者またはその卸供給先事業者(託送供給依頼者からガスの供給を受 け,ガス小売事業を営むものをいいます。以下あわせて「託送供給依頼者等」といいます。)からガスの供給を受けるガスの最終消費者をいいます。
(3) 「託送供給検討」とは,受入検討と払出検討をいいます。
(4) 「受入検討」とは,託送供給依頼者が当社のガス導管へのガスの受入を希望される場合に,当社が実施するガスの受入可否についての検討をいいます。
(5) 「払出検討」とは,託送供給依頼者が当社のガス導管からガスの払出を希望される場合に,当社が実施するガスの払出可否についての検討をいいます。
(6) 「託送供給契約」とは,この約款,基本契約,年次契約を合わせた契約の総称をいいます。
(7) 「基本契約」とは,この約款に基づき,当社と託送供給依頼者との間の託送供給に関する基本的事項を定める契約をいいます。
(8) 「年次契約」とは,この約款および基本契約に基づき,当社と託送供給依頼者との間の託送供給を実施するうえでの細目的事項を定める1年を単位とする各年次(以下「契約年度」といいます。)の契約(ただし,8(託送供給契約の申込みおよび締結)(4)ただし書きに基づき,年次契約の契約期
間を1 年間としない場合には,「1年を単位とする各年次(以下「契約年度」といいます。)の契 約」は,「当社と当該託送供給依頼者との間の託送供給期間を単位とする当該各託送供給期間(以下
「契約年度」といいます。)の契約」と読み替えて適用します。)をいいます。
(9) 「受入地点」とは,当社が託送供給依頼者からガスを当社のガス導管に受け入れる地点をいいます。 (10)「連結点」とは,当社が託送供給依頼者に対して当社の導管からガスを払い出すガスの受け渡しの地点であって,当社が維持・運用するガスを供給する事業の用に供する導管と,他のガス導管事業者が
維持・運用するガスを供給する事業の用に供する導管が連結する地点をいいます。
(11)「需要場所」とは,需要家が,当社のガス導管から払い出された託送供給に係るガスを使用する場所をいいます。
(12)「受入量」とは,毎時0分を起点とする1時間ごとの当社が託送供給依頼者から受入地点で受け入れたガスの量をいいます。
(13)「払出量」とは,毎時0分を起点とする1時間ごとの当社が託送供給依頼者に連結点で払い出したガスの量をいいます。
(14)「月別受入量」とは,毎月1日0時から当該月末日24時までの1か月ごとの受入量および調整指令に基づき当該託送供給依頼者分として製造事業者等が注入したガスの量の総量をいいます。
(15)「月別払出量」とは,毎月1日0時から当該月末日24時までの1か月ごとの払出量をいいます。 (16)「注入グループ」とは,払出エリアが同一となる受入地点を合わせたグループをいいます。
(17)「払出エリア」とは,任意の受入地点から受け入れたガスを任意の場所で払い出すことが可能な,当社が策定したエリアをいいます。払出エリアは,当社があらかじめ設定するものとし,別表5(特定ガス導管事業の区間)に定めます。なお,払出エリアは,製造設備の新設等に応じて見直す場合があります。
(18)「計画払出量」とは,翌日払出計画に記載された,ある払出エリアにおける毎日0時から24時までの当社が託送供給依頼者に連結点で払い出すガスの量の計画値をいいます。
(19)「翌日払出計画」とは,払出エリアごとの託送供給依頼者が当社に提出する翌日1日の払出量の計画値をいいます。
(20)「月間計画」とは,託送供給依頼者が当社に提出する,翌月1月を単位とする払出エリアごとの1 日ごとに合計した払出量の計画値をいいます。
(21)「注入計画」とは,託送供給依頼者が導管へ注入する1時間ごとの受入量の計画値をいいます。 (22)「注入計画指示」とは,当社が託送供給依頼者に注入計画を指示することをいいます。
(23)「注入計画指示量」とは,当社が託送供給依頼者に指示した注入計画に,日次繰越量および月次繰越量を反映したものをいいます。
(24)「調整指令」とは,当社が当日の任意の時間において,導管に注入するガス量を注入計画指示量から変更して,製造事業者等に通知することをいいます。
(25)「基準最大受入量」とは,基本契約で定める,契約年度毎の,毎時0分を起点とする1時間あたりの受入量の最大値をいいます。
(26)「基準最大払出量」とは,基本契約で定める,契約年度毎の,毎時0分を起点とする1時間あたりの払出量の最大値をいいます。
(27)「契約最大受入量」とは,年次契約で定める契約年度を通じた1時間あたりの受入量の最大値をいい,原則として当該契約年度の基準最大受入量を上限とします。
(28)「契約最大払出量」とは,年次契約で定める契約年度を通じた1時間あたりの払出量の最大値をいい,原則として当該契約年度の基準最大払出量を上限とします。
(29)「契約年間託送供給量」とは,基本契約で定める,契約月別託送供給予定量の1 年間の合計量をいいます。
(30)「契約月別託送供給量」とは,年次契約で定める,契約年度における歴月毎の払い出すガスの予定量をいいます。
(31)「熱量補正受入量」とは,次の式により求められる値をいいます。受入量×当該受入ガスの総発熱量/標準総発熱量
(32)「熱量補正払出量」とは,次の式により求められる値をいいます。払出量×当該払出ガスの総発熱量/標準総発熱量
(33)「月次繰越量」とは,月別払出量と月別受入量に生じた差のうち,注入計画に反映させるガスの量をいいます。
(34)「日次繰越量」とは,毎日0時から24時までの1日ごとの注入計画指示量(調整指令を実施した場合は調整指令を反映したガス量とします。)と受入量に生じた差の合計値をいいます。
(35)「供給施設」とは,ガスの供給のための施設のうち,ガス託送供給事業に用いるものとし,導管,整圧器,昇圧供給装置,計量設備,ガス栓,それらの付属設備を含みます。
(36)「消費税等相当額」とは,消費税法の規定により課される消費税および地方税法の規定により課される地方消費税に相当する金額をいいます。
(37)「東日本地区」とは,別表5(特定ガス導管事業の区間)に定める,xx県および神奈川県で当社が保有するガス導管により託送供給を実施する地区をいいます。
(38)「知多地区」とは,別表5(特定ガス導管事業の区間)に定める,愛知県知多市およびその周辺地域に当社が保有するガス導管により託送供給を実施する地区をいいます。
(39)「四日市コンビナート地区」とは,別表5(特定ガス導管事業の区間)に定める,三重県四日市市に当社が保有するガス導管により託送供給を実施する地区をいいます。
(40)「北勢地区」とは,別表5(特定ガス導管事業の区間)に定める,三重県四日市市から,三重県いなべ市xx町の間に当社が保有するガス導管により託送供給を実施する地区をいいます。
(41)「検針」とは,計量設備の指示値を目視または通信設備等により読み取ることをいいます。
(42)「計量設備」とは,託送供給料金または過不足ガス量精算料金,補償料の算定の基礎となるガス量を計量するために用いられる計量器および附帯設備をいいます。
(43)「事業者間精算」とは,当社が,この約款に基づく託送供給に係る費用を,連結点で導管が接続している他のガス導管事業者と精算することをいいます。
4.引受条件
当社がこの約款に基づいて託送供給を引き受けるにあたっては,引き受ける託送供給が,当社が託送供給依頼者の託送供給を行う期間を通して以下の条件に適合したものであることが必要になります。
(1) ガスの受入が当社のガス導管との間で行われ,ガスの払出が連結点で行われるものであって,1契約における受入地点および連結点は,各々1箇所であること。
(2) 託送供給依頼者が受入地点に設置するガスを供給するための設備が,当該託送供給依頼者に求められる供給力を上回る能力を確保していること,または確保することが合理的に見込まれること。なお,当該託送供給依頼者に求められる供給力とは,以下①から③を合計したものをいいます。
① 当該託送供給依頼者の託送供給契約における契約最大受入量
② 日次繰越量を翌々日以降に追加注入する際に必要な供給力で①の5パーセント
③ 月次繰越量を翌々月に追加注入する際に必要な供給力で①の5パーセント
(3) 当該託送供給に関して,原則として,託送供給依頼者がガスの製造等を依頼する製造事業者等が,当社の調整指令に基づき導管へガスを注入すること。
(4) 託送供給量が,受入地点から連結点までの当社のガス導管の供給能力の範囲内であり,託送供給依頼者のガスの供給設備の運用において,受入または払出のいずれか一方が事故等により途絶した場合であっても,当社のガス導管の運営に支障を生じないものであること。
(5) 受け入れるガスの圧力は,受入地点における当社のガス導管の運用圧力の範囲内であって,かつ当社のガス導管への注入に必要な圧力であること。
(6) 受け入れるガスの性状等が,別表1(ガスの性状等の基準)に定める基準を満たしていること。
(7) 託送供給の実施にあたっては,原則として,別表2(ガスの受入および払出のために必要となる設 備)に掲げる設備を設け,別表3(ガスの性状等の測定方法の例および監視方法)により託送供給依頼者および当社が常時監視を行えること。なお,別表2(ガスの受入および払出のために必要となる設備)に掲げる設備は,個別のケースごとにその具体的な内容を決定するものとし,基本契約で定めます。
(8) 託送供給依頼者が,基本契約の期間内にわたり,安定的に,所定の量と性状のガスを製造または調達すること。
(9) 当社が受け入れるおよび払い出すガスの圧力および量は,急激な変動がないよう制御されること。
(10)託送供給依頼者において,保安上および供給安定上必要な場合には,緊急遮断を含めた,迅速な対応が可能な体制・設備を有するとともに,当社の指示に従うこと。
(11)供給および供給に伴う工事等により,当社が既に託送供給を行っている需要場所の需要家(当社の電気事業を含み,以下「既存託送需要家」といいます。)に不利益(既存託送需要家の設備の運用,保安および事業の経済性に関して生じる損害を含む。)が生じるおそれがある場合には,当社の調整のもとで,託送供給依頼者および既存託送需要家または既存託送依頼者の間で,既存託送需要家に生じる不利益の解消のための合意があること。なお,当社は,当該合意の成立について疑義がある場合,当該合意に係る書面等の提出を求めることがあります。
5.実施細目
この約款に定めのない事項は,基本契約または年次契約に定めるほか,その都度託送供給依頼者と当社との協議によって定めます。なお,当社は,必要に応じて,事業者間精算契約の相手方となる事業者等と別途協議を行うことがあります。
6.託送供給検討の申込み
(1)当社のガス導管へのガスの受入を希望される託送供給依頼者は,あらかじめこの約款を承諾のうえ,当社の定める様式により,次の事項を明らかにして当社に受入検討の申込みをしていただきま
す。受入検討の申込みは,受入地点ごとに,1検討として申込みをしていただきます。なお,4(引受条件)で示す条件を満たしているかどうかを確認するため,申込み受領後に明らかにしていただく事項を追加することがあります。
① 受入地点
② 受入地点のガス性状,圧力
③ 基本契約の期間における各契約年度の年間(年単位としない年次契約の場合には,「各契約年度の年間」は,「当社と当該託送供給依頼者との間の託送供給期間」と読み替えます。)を通じた受入地点における1時間あたりの最大流量,最小流量
④ 受入開始希望日
⑤ 受入ガスの製造方式,原料またはガスの調達計画,および管理体制
⑥ その他当社が必要と認める事項
(2)(1)に定める受入検討後に当社のガス導管からガスの払出を希望される託送供給依頼者は,あらかじめこの約款を承諾のうえ,次の事項を明らかにして当社に払出検討の申込みをしていただきま す。払出検討の申込みは,1連結点につき,1検討として申込みをしていただきます。なお,4(引受条件)で示す条件を満たしているかどうかを確認するため,申し込み受領後に明らかにしていただく事項を追加することがあります。
① 託送供給の用途
② 連結点
③ 希望する月別払出量および想定される年間合計量(年単位としない年次契約の場合には,「年間合計量」は,「当社と当該託送供給依頼者との間の託送供給期間における払出量の合計量」と読み替えます。)の最大値および最小値
④ 連結点のガス圧力
⑤ 託送供給期間(託送供給開始および終了の時期)
⑥ 基本契約の期間における各契約年度の年間(年単位としない年次契約の場合には,「各契約年度の年間」は,「当社と当該託送供給依頼者との間の託送供給期間」と読み替えます。)を通じた払出地点における1時間あたりの最大流量,最小流量および流量変動(1 日における1 時間あたりのガスの流量の変動をいいます。)
⑦ その他当社が必要と認める事項
(3)(1)(2)にかかわらず,託送供給検討は,基準最大払出量の範囲内で,同一の需要場所における託送供給依頼者が変更される場合等,託送供給の諸条件に変更がない等明らかに供給が可能と当社が判断できる場合には不要とします。
(4)当社は,(1)(2)に定める検討を実施した場合,見積料その他検討に要する費用の実費相当額に消費税等相当額を加えた金額を,検討料として申し受けます。
7.託送供給の可否の検討および通知
(1)当社は,6(託送供給検討の申込み)に基づく受入検討の申込みがあった場合には,4(引受条
件)について検討し,この約款に基づく受入が可能な場合には,受入のために必要な工事費用の概算を,受入が不可能な場合にはその理由を,それぞれ付して,申込みのあった日からそれぞれ90日以内に託送供給依頼者に書面により通知します。
(2)当社は,6(託送供給検討の申込み)に基づく払出検討の申込みがあった場合には,4(引受条
件)について検討し,この約款に基づく託送供給が可能な場合には,供給設備に関する工事費用の概算を,不可能な場合には,その理由を付して,申込みのあった日から90日以内に託送供給依頼者に書面により通知します。
(3)当社は,託送供給の検討に(1)(2)に定める期間を超える期間が必要となることが明らかとなった場合には,託送供給依頼者と個別に協議のうえ,検討期間を定めるものとし,当該期間内に
(1)または(2)に準じて検討および通知します。
8.託送供給契約の申込みおよび締結
(1)託送供給依頼者は,7(託送供給の可否の検討および通知)(1)および(2)による検討結果の通知(以下「託送供給検討結果回答通知」といいます。)後,原則として90日以内に,当社に対して託送供給契約の申込みをしていただきます。ただし,導管余力その他の当社事情により当社が指定する地区について,託送供給期間の最初の日(以下「託送供給開始日」といいます。)が,託送供給検討結果回答通知を行った日が属する年度(以下,各年の4月1日から翌年の3月31日までをいいます。)の翌々年度以降となる場合には,年次契約の申込みについてはこの限りではなく,(3)の規定に従えば足りるものといたします。
(2)託送供給依頼者と当社は協議のうえ,この約款に基づき基本契約を締結します。基本契約の契約期間は,原則として3年間以内とします。
(3)託送供給依頼者は託送供給開始日の原則として90日前までに,当社に対して年次契約の申込みを行っていただきます。
(4)託送供給依頼者と当社は,協議のうえ,この約款および基本契約に基づき年次契約を締結します。年次契約の契約期間は,基本契約の契約期間内とし,原則として1年間とします。ただし,次のいずれかに該当する場合には,この限りではありません。
① 年次契約締結時点において,当該年次契約の契約期間を1 年間とした場合には,当該年次契約にかかる需要場所における需要家の廃業または移転が当該期間の終了日より前に生じることが明らかに見込まれる場合で,かつ,託送供給者依頼者からの1年未満の契約期間による年次契約の締
結を希望する申込みを当社が承諾した場合には,年次契約の契約期間は,当該申込みに係る契約期間といたします。ただし,当該需要場所について当該需要家(当該需要家と実質的に同一と認められる者を含みます。)との間で1年未満で終了した年次契約がある場合その他当社の判断により,当社は託送供給依頼者の申込みを承諾しないことがあります。
② 託送供給依頼者からの1年間を超え2年間未満の契約期間による単一の年次契約の締結を希望する申込みを当社が承諾した場合には,年次契約の契約期間は,当該申込みに係る契約期間といたします。
③ 導管余力その他の当社事情により,当社が指定する地区については,年次契約の契約期間は,年度単位(各年の3 月31 日まで)とすることがあります。
(5)託送供給依頼者は,託送供給開始日以前に託送供給開始に必要な作業を行い,当社に状況を報告していただきます。
(6)当社は,やむを得ない理由によって年次契約に定めた託送供給開始日に託送供給を開始できないことが明らかになった場合には,その理由をお知らせし,あらためて託送供給依頼者と協議のうえ,託送供給開始日を定めて託送供給を開始します。
(7)当社は,託送供給契約の申込みがあった場合には,(8)(9)(10)に規定する場合を除き,承諾します。
(8)当社は,次に掲げる事由により託送供給契約を締結することが不可能または著しく困難な場合には,申込みを承諾できないことがあります。
① 供給施設を設置すべき土地,建物,道路または河川等が法律,命令,条例または規則によって供給施設に関する当該工事を制限または禁止されている場合
② 災害,感染症の流行,供給施設の状況等により託送供給能力が減退した場合
③ 申し込まれたガスの受入地点または連結点が,特異地形等であって託送供給が技術的に困難でありまたは保安の維持が困難と認められる場合
④ その他,物理的,人為的または能力的原因により,当社の正常な企業努力では託送供給が不可能または著しく困難な場合
⑤ その他やむを得ない場合
(9)当社は,託送供給依頼者が16(託送供給の制限・中止)の事由に該当する場合や,託送供給依頼者が当社との他の託送供給契約(既に消滅しているものを含みます。)における債務の履行状況によりやむを得ない場合は,申込みを承諾できないことがあります。
(10)当社は,託送供給依頼者が,4(引受条件)で定める条件または7(託送供給の可否の検討および通知)(1)(2)で通知した条件を満たさない場合には,申込みを承諾できないことがあります。
(11)当社は,(8)(9)(10)により託送供給契約の申込みを承諾できない場合,その理由を遅滞なく託送供給依頼者にお知らせいたします。
Ⅲ.託送供給の実施
9.計量および熱量測定
(1)受入量および払出量の計量は,原則として受入地点および連結点に設置する計量設備の検針の値をもとに算定するものとし,計量方法の詳細は基本契約に定めます。
(2)受入地点および連結点におけるガスの熱量測定は,原則として受入地点および連結点に設置する熱量測定設備によって行うものとし,熱量測定方法の詳細は基本契約に定めます。
(3)計量の単位は,立方メートルノルマル(以下「㎥N」と表示します。)とします。計量の際,小数点以下の端数は切り捨てます。
(4)熱量測定の単位は,メガジュール/㎥N(以下「MJ/㎥N」と表示します。)とします。熱量測定の際,小数点第2位以下の端数は切り捨てます。
(5)計量設備の故障等によって,受入量または払出量が正しく計量できなかった場合には,託送供給依頼者と当社との協議により受入量または払出量を確定するものとします。
(6)熱量測定設備の故障等によって,受入地点および連結点におけるガスの熱量が正しく測定できなかった場合には,託送供給依頼者と当社との協議により受入地点または連結点におけるガスの熱量を確定するものとします。
10.託送供給の実施
(1)託送供給依頼者は,次の条件を満たすように受入量および払出量を調整するものとし,詳細は基本契約に定めます。
① 受入量と払出量が,それぞれ契約最大受入量と契約最大払出量を超過しないこと。
② 注入計画指示量と受入量が一致すること。
③ 暦月1か月間における熱量補正受入量と熱量補正払出量が一致すること。
(2)託送供給依頼者は,翌日払出計画および月間計画を年次契約に定める期限までに当社に提出していただきます。
(3)当社は,注入グループごとに注入計画を算定します。なお,同一注入グループに対して,複数の託送供給依頼者が通知した翌日払出計画がある場合は,注入計画を計画払出量に応じて按分し,託送供給依頼者ごとの注入計画を算定します。ただし,当社が維持・運用し圧力調整を実施するLNG 基地を受入地点とする注入については,注入計画指示を省略することがあります。
(4)当社は,(3)で算定した注入計画に日次繰越量および月次繰越量を反映し,注入計画指示量として託送供給依頼者に通知いたします。
(5)託送供給依頼者は,原則として注入計画指示量と受入量が毎正時から始まる1時間ごとに一致するよう調整するものといたします。
(6)当社は調整指令を行うことがあります。調整指令の詳細は,製造事業者等と別途締結する調整契約に定めるものとします。なお,調整指令を行った時間帯の,当該製造事業者等にガスの製造等を依頼している託送供給依頼者の1時間ごとの受入量は,調整指令前の注入計画指示量を満たしたものとみなします。
なお,当社が維持・運用し圧力調整を実施するLNG 基地からの注入については,調整指令を行ったものとみなします。
Ⅳ.料金等の算定
11.算定期間等
(1)12(託送供給するガス量の差異に対する措置)に規定する注入計画乖離補償料,13(ガスの過不足精算)(2)に定める精算料(以下総称して「料金等」といいます。)の算定は,暦月を単位として行うこととし,算定の対象となる期間(以下「算定期間」といいます。)は,原則として毎月1日の0時から当該月の末日の24時までとします。
ただし,託送供給を開始しまたは終了する月の料金の算定期間は,開始日の0時から開始日の属する月の末日の24時までまたは終了日の属する月の1日の0時から終了日の24時までとします。
(2)料金等について,消費税および地方消費税が課される金額ならびに消費税等相当額の算定においては,それぞれ1円未満の端数を切り捨てるものとします。
(3)当社は,受入地点(当社が維持・運用し圧力調整を実施するLNG 基地からの受入地点を除く。)においては1 時間ごと毎正時に,連結点においては算定期間の末日の翌営業日(以下「定例検針日」といいます。)に,それぞれ検針を行います。また,当社は定例検針日以外に次の日に検針を行いま す。
① 新たに託送供給を開始した日(託送供給依頼者が計量設備を開栓した日をいいます。ただし,検査等のため一時閉栓し開栓する場合を除きます。)
② 21(契約の延長,変更および解約)の規定により,年次契約が終了した日。
③ 計量設備を取り替えた日
④ その他当社が必要と認めた日(託送供給依頼者との協議を行った場合であって,費用を要するときには,託送供給依頼者から検針に要した費用を申し受けます)
(4)計量設備の取替または検査等により計量設備により正しく計量ができない場合は,託送供給依頼者が立ち会いのうえ,原則,当社の定める方法によりガス量を算定します。ただし,託送供給依頼者と当社であらかじめ合意している場合はこの限りではありません。
(5)当社は,新たに託送供給を開始した場合は,直後の定例検針を行わないことがあります。
(6)当社は,需要家の不在,災害,感染症の流行,その他やむを得ない事情により,検針すべき日に検針できない場合があります。 その場合の詳細は,基本契約により定めます。
12.託送供給するガス量の差異に対する措置
(1)日次繰越量が生じた場合,当社は原則当該日の2営業日後の注入計画に反映するものとし,詳細は年次契約に定めます。
(2)毎正時から始まる1時間ごとの注入計画指示量と受入量に生じた差の絶対値が注入計画指示量の5パーセントを超えた場合は,注入計画乖離補償料を申し受けます。注入計画乖離補償料は,以下の算式により算定した金額に,消費税等相当額を加えた金額とします。
① 受入量が注入計画指示量を上回った場合 =(受入量-注入計画指示量)×注入計画乖離単価
② 受入量が注入計画指示量を下回った場合 =(注入計画指示量-受入量)×注入計画乖離単価
なお,注入計画乖離単価については別表4(注入計画乖離単価,ガスの過不足精算単価)に定めるものとします。
13.ガスの過不足精算
月別受入量と月別払出量に差異(以下「過不足ガス量」といいます。)が生じた場合の取り扱いについては,払出エリアごとに以下の通りとし,その細目は基本契約に定めます。なお,過不足ガス量は以下の算式により算定します。
月別受入量が月別払出量を上回った場合 = 月別受入量-月別払出量月別受入量が月別払出量を下回った場合 = 月別払出量-月別受入量
(1)当社が託送供給を行う全ての託送供給依頼者(以下,「全ての託送供給依頼者」には,当社がガス小売事業を行う場合には当社を含みます。)において,過不足ガス量が月別受入ガス量の5パーセント以下の場合,過不足ガス量を発生させた託送供給依頼者に対して,当該過不足ガス量を月次繰越量として,翌々月の注入計画に反映するものといたします。
(2)当社が託送供給を行う全ての託送供給依頼者,または特定の託送供給依頼者の過不足ガス量が月別受入ガス量の5パーセントを超える場合,計画払出量の当該月の総量と月別払出量の差異の絶対値が計画払出量の当該月の総量に占める割合(以下「乖離率」といいます。)に応じて,以下のとおり取り扱います。
①全ての託送供給依頼者の乖離率が5パーセント以下の場合
(イ)過不足ガス量が月別受入ガス量の5パーセントを超える託送供給依頼者の場合
発生した過不足ガス量のうち,月別受入ガス量の5パーセントのガス量を月次繰越量として,翌々月の注入計画に反映するものといたします。ただし,過不足ガス量が月別受入量の5パーセントを超える託送供給依頼者が複数いる場合は,託送供給依頼者は5パーセント全量を繰り越せないことがあります。この場合,繰り越しが可能なガスの量を月次繰越量とします。また,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量については,以下のように取り扱います。
(月別受入量が月別払出量を上回った場合)
当社は,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量に,(4)で定める当該託送供給依頼者の実費相当単価を乗じて,消費税等相当額を加えた金額を,過不足ガス量精算料として,託送供給依頼者に支払うものといたします。
(月別受入量が月別払出量を下回った場合)
当社は,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量に,(4)で定める当該託送供給依頼者の実費相当単価を乗じて,消費税等相当額を加えた金額を,過不足ガス量精算料として,託送供給依頼者から申し受けるものといたします。
(ロ)過不足ガス量が月別受入量の5パーセント以下の託送供給依頼者の場合
発生した過不足ガス量のうち,以下の算式により算定したガス量を月次繰越量として,翌々月の注入計画に反映するものといたします。
V=V1×V2/V3 V=月次繰越量 V1=過不足ガス量
V2=過不足ガス量が月別受入量の5パーセントを超える託送供給依頼者の月次繰越量の合計 V3=過不足ガス量が月別受入量の5パーセントを超える託送供給依頼者の過不足ガス量の合
計
また,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量については,以下のように取り扱います。
(月別受入量が月別払出量を上回った場合)
当社は,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量に,(4)で定める当該託送供給依頼者の実費相当単価を乗じて,消費税等相当額を加えた金額を,過不足ガス量精算料として,託送供給依頼者に支払うものといたします。
(月別受入量が月別払出量を下回った場合)
当社は,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量に,(4)で定める当該託送供給依頼者の実費相当単価を乗じて,消費税等相当額を加えた金額を,過不足ガス量精算料として,託送供給依頼者から申し受けるものといたします。
②全ての託送供給依頼者または特定の託送供給依頼者の乖離率が5パーセントを超過した場合
(イ)過不足ガス量が月別受入量の5パーセントを超える託送供給依頼者の場合
発生した過不足ガス量のうち,月別受入量の5パーセントのガス量を月次繰越量として,翌々月の注入計画に反映するものといたします。ただし,過不足ガス量が月別受入量の5パーセントを超える託送供給依頼者が複数いる場合は,託送供給依頼者は5パーセント全量を繰り越せないことがあります。また,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量については,以下のように取り扱います。なお,乖離率が最も大きい託送供給依頼者を起因者としますが,同一注入グループの託送供給依頼者が単独の場合は,以下の「起因者以外の場合」として取り扱います。
―起因者の場合―
(月別受入量が月別払出ガス量を上回った場合)
当社は,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量について,以下の算式により算定した金額に,消費税等相当額を加えた金額を,過不足ガス量精算料として,託送供給依頼者に支払うものといたします。
(過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量)×
((精算対象月の全日本通関LNG 価格×構成比率+精算対象月の全日本通関LPG 価格×構成比率
+石油石炭税等租税課金)×70 パーセント×換算係数+製造単価)
(月別受入量が月別払出量を下回った場合)
当社は,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量について,以下の算式により算定した金額に,消費税等相当額を加えた金額を,過不足ガス量精算料として,託送供給依頼者から申し受けるものといたします。
(過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量)×
((精算対象月の全日本通関LNG 価格×構成比率+精算対象月の全日本通関LPG 価格×構成比率
+石油石炭税等租税課金)×130 パーセント×換算係数+製造単価)
―起因者以外の場合―
(月別受入量が月別払出ガス量を上回った場合)
当社は,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量に,(4)で定める当該託送供給依頼者の実費相当単価を乗じて,消費税等相当額を加えた金額を,過不足ガス量精算料として,託送供給依頼者に支払うものといたします。
(月別受入量が月別払出量を下回った場合)
当社は,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量に,(4)で定める当該託送供給依頼者の実費相当単価を乗じて,過不足ガス量精算料を算定します。当社は,過不足ガス量精算料に消費税等相当額を加えた金額を,託送供給依頼者から申し受けるものといたします。
(ロ)過不足ガス量が月別受入量の5パーセント以下の託送供給依頼者の場合
発生した過不足ガス量のうち,以下の算式により算定したガス量を月次繰越量として,翌々月の注入計画に反映するものといたします。なお,乖離率が最も大きい託送供給依頼者を起因者としますが,同一注入グループの託送供給依頼者が単独の場合は,以下の「起因者以外の場合」として取り扱います。
V=V1×V2/V3 V=月次繰越量
V1=過不足ガス量
V2=過不足ガス量が月別受入量の5パーセントを超える託送供給依頼者の月次繰越量の合計 V3=過不足ガス量が月別受入量の5パーセントを超える託送供給依頼者の過不足ガス量の合
計
また,過不足ガス量のうち月次繰越量を超過したガス量については,以下のように取り扱います。
―起因者の場合―
(月別受入量が月別払出量を上回った場合)
当社は,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量について,以下の算式により算定した金額に消費税等相当額を加えた金額を,過不足ガス量精算料として託送供給依頼者に支払うものといたします。
(過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量)×
((精算対象月の全日本通関LNG 価格×構成比率 +精算対象月の全日本通関LPG 価格×構成比率
+石油石炭税等租税課金)×70 パーセント×換算係数+製造単価)
(月別受入量が月別払出量を下回った場合)
当社は,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量について,以下の算式により算定した金額に,消費税等相当額を加えた金額を,過不足ガス量精算料として,託送供給依頼者から申し受けるものといたします。
(過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量)×
((精算対象月の全日本通関LNG 価格×構成比率+精算対象月の全日本通関LPG 価格×構成比率
+石油石炭税等租税課金)×130 パーセント×換算係数+製造単価)
―起因者以外の場合―
(月別受入量が月別払出量を上回った場合)
当社は,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量に,(4)で定める当該託送供給依頼者の実費相当単価を乗じて,過不足ガス量精算料を算定します。当社は,過不足ガス量精算料に消費税等相当額を加えた金額を,託送供給依頼者に支払うものといたします。
(月別受入量が月別払出量を下回った場合)
当社は,過不足ガス量のうち,月次繰越量を超過したガス量に,(4)で定める当該託送供給依頼者の実費相当単価を乗じて,過不足ガス量精算料を算定します。当社は,過不足ガス量精算料に消費税等相当額を加えた金額を,託送供給依頼者から申し受けるものといたします。
(3)(2)②(イ)(ロ)の起因者の場合の過不足ガス量精算料の算定式における「構成比率」および
「換算係数」は,原則として「当社が算定した構成比率」および「当社が算定した換算係数」といたします。 ただし,託送供給依頼者が希望する場合は,当社の定める帳票等の算定根拠を当社に提出する場合に限り,当該託送供給依頼者が当社に託送供給依頼をするガスの構成比率および換算係数に代えることができます。この値は基本契約に定め,変更はできません。
(4)過不足ガス量精算料の算定に用いる「実費相当単価」および「製造単価」は,別表4(注入計画乖離単価,ガスの過不足精算単価)に定めるものといたします。
14.支払義務および支払期限日
(1)12(託送供給するガス量の差異に対する措置)に規定する注入計画乖離補償料の支払義務は,精算対象月の翌月1日に発生いたします。
(2)13(ガスの過不足精算)に規定する過不足ガス量精算料の支払義務は,精算対象月の翌々月1日に発生いたします。
(3)注入計画乖離補償料および過不足ガス量精算料の支払期限日は,支払義務発生日が属する月の末日といたします。
(4)(3)に定める支払期限日が休日(日曜日,銀行法第15 条第1項に規定する政令で定める日および 12 月29 日および12 月30 日をいいます。)の場合には,その直後の休日でない日を支払期限日といたします。
-託送供給依頼者が当社に支払う場合-
(5)料金等および延滞利息は,当社が指定した金融機関預金口座に振り込んでいただきます。
(6)(5)の支払は,当社が指定した金融機関預金口座に振り込まれた日になされたものといたします。
(7)(5)の支払にかかる振込手数料は,託送供給依頼者の負担といたします。
(8)料金等が支払期限日までに支払われない場合は,支払期限日の翌日から支払の日まで,料金等から消費税等相当額を差し引いた金額に対して年10 パーセントの延滞利息を託送供給依頼者から申し受けます。
(9)延滞利息は,原則として,延滞利息の算定の対象となる料金等を支払われた直後に支払義務が発生する料金等とあわせてお支払いいただきます。
(10)延滞利息の支払義務は,原則として,(9)の規定に基づきあわせて支払っていただく料金等の支払義務発生日に発生したものとみなします。
(11)延滞利息の支払期限日は,原則として,(9)の規定に基づきあわせて支払っていただく料金等の支払期限日と同じとします。
(12)料金等および延滞利息は,支払義務の発生した順序でお支払いいただきます。
-当社が託送供給依頼者に支払う場合-
(13)過不足ガス量精算料は,託送供給依頼者が指定した金融機関預金口座に振り込みます。
(14)(13)の支払は,託送供給依頼者が指定した金融機関預金口座に振り込みをした日になされたものといたします。
(15)(13)の支払にかかる振込手数料は,当社で負担いたします。
(16)当社が支払期限日までに支払わない場合,支払期限日の翌日から支払の日まで,過不足ガス量精算料から消費税等相当額を差し引いた金額に対して年10 パーセントの延滞利息を託送供給依頼者にお支払いいたします。
(17)延滞利息は,原則として,当社が延滞利息の算定の対象となる過不足ガス量精算料をお支払いした直後に支払義務が発生する料金等とあわせてお支払いいたします。
(18)延滞利息の支払義務は,原則として,(17)の規定に基づきあわせてお支払いする料金等の支払発生義務日に発生したものとみなします。
(19)延滞利息の支払期限日は,(17)の規定に基づきあわせてお支払いする料金等の支払期限日と同じとします。
(20)過不足ガス量精算料および延滞利息は,支払義務の発生した順序でお支払いいたします。
15.設備負担金
(1)託送供給を実施するために,当社が新たに設備の設置,変更または取替えを実施する必要がある場合は,当社はその設備(計量設備を含む。)の設置,変更または取替えに起因又は関連して生じた費用に消費税等相当額を加えた金額を,設備負担金として申し受けます。
(2)(1)で新たに設置,変更または取替えを実施した設備を含む,託送供給を実施するために必要な設備の保守点検,修繕および更新にかかる費用は,設備負担金に含まないものとします。
(3)(1)および(2)の詳細は,別途協議のうえ定めます。
(4)必要となる設備および供給管の所有権は,費用負担の如何にかかわらず原則として受入地点の責任分界点から払出地点の責任分界点までの部分については当社に帰属するものとし,それ以外の部分については,基本契約で当社に帰属するものと定めた場合を除き当社に帰属しないものとします。なお,当社の特定ガス導管事業に関して当社が実施する工事は,当該当社に帰属する部分を超えないものといたします。
(5)当社が設置または所有する供給設備等の工事および維持管理のために必要な用地の確保,需要家および供給施設の所有者または占有者(以下「需要家等」といいます。)との調整等について,託送供給依頼者に協力していただきます。なお,用地の確保および契約期間中の使用の継続に要する費用は,託送供給依頼者から申し受けます。
(6)託送供給の申込みに伴い,(1)の設置,変更もしくは取替えの工事が発生する場合または(2)の保守点検,修繕もしくは更新が発生し必要がある場合には,託送供給依頼者と工事に関する契約を別途締結します。
(7)当社は,(1)の規定により託送供給依頼者に負担いただくものとして算定した金額を,原則として工事金額確定日の翌月末日までに全額申し受けます。ただし,当社の債権保全のために必要と当社が合理的に判断した場合には,当社が合理的に指定する期日までに上記金額を概算額により申し受け,
当該金額が確定した日の翌月末日までに当該確定額と概算額とを精算することにより,全額申し受けます。
(8)工事に関する契約が変更または解約される場合(当社の都合による場合を除きます。)は,当社が既に要した費用および変更または解約によって生じた損害を賠償していただきます。
(9)(8)に基づき費用および損害を賠償していただく範囲は次のとおりとします。
① 既に実施した設計見積もりの費用(消費税等相当額を含みます。)
② 既に工事を実施した部分についての材料費・労務費等の工事費(消費税等相当額を含みます。)および工具・機械等の使用に要した費用(消費税等相当額を含みます。)
③ 原状回復に要した費用(消費税等相当額を含みます。)
④ その他工事の実施についての準備をしたことによる損害。
16.特別保守点検等費用負担金
15の規定にかかわらず,託送供給依頼者からの希望により,当社が設備の保守点検,修繕または更新(託送供給依頼者からの当該希望の有無にかかわらず託送供給を実施するために必要となる設備の保守点検,修繕または更新を除きます。)を実施する場合は,当社はその費用を特別保守点検等費用負担金として申し受けます。特別保守点検等費用負担金の金額,支払方法等の詳細は,別途協議のうえ定めます。
Ⅴ.託送供給の制限・中止等
17.託送供給の制限・中止
(1)託送供給依頼者は,受入地点において当社に受け渡すガスの性状または圧力が託送供給契約と相違する場合は,受入地点および連結点におけるガスの受渡しをすみやかに中止していただきます。
(2)託送供給依頼者は,託送供給依頼者の設備の故障等により,受入量が著しく減少し,もしくは受入地点における受け渡しが不可能となった場合,または託送供給依頼者等がガスを供給する需要家等の設備の故障等により,払出量が著しく減少し,もしくは払い出しが不可能となった場合は,受入地点および連結点におけるガスの受け渡しをすみやかに制限または中止していただきます。
(3)当社は,(1)(2)にかかわらず,託送供給依頼者がガスの受け渡しを制限もしくは中止しない場合または次のいずれかに該当する事由のある場合には,託送供給を制限または中止することがあります。その際は,当社は,あらかじめその旨を託送供給依頼者にお知らせします。ただし,緊急の場合はこの限りではありません。
① 天災地変その他の不可抗力による場合
② 当社の電気工作物またはガス工作物に故障が生じた場合
③ 当社の電気工作物またはガス工作物の保守点検その他の工事施工のため必要がある場合
④ 法令の規定による場合
⑤ 保安上または当社の発電所へのガスの供給上必要がある場合
⑥ 受け入れるガスの量,性状,圧力または払い出すガスの量がこの約款,基本契約または年次契約と相違する場合
⑦ 受入量または払出量が,月間計画から頻繁に大きく逸脱する場合
⑧ 受入量が注入計画指示量と著しく乖離する場合
⑨ 支払期限日までに料金等または設備負担金の弁済がなされない場合
⑩ 22(契約の解除)(2)に定める事由に該当する場合
⑪ その他,当社事業の的確な遂行に支障を与える事象が発生した場合または発生するおそれがあると認めた場合
⑫ その他,託送供給依頼者が託送供給契約またはその他関連する契約に違反した場合
18.託送供給の制限・中止の解除
(1)託送供給依頼者は,17(託送供給の制限・中止)(1),(2)によるガスの受け渡しの制限または中止を解除しようとする場合には,あらかじめ当社と協議するものといたします。
(2)17(託送供給の制限・中止)(3)に基づき当社が託送供給を制限または中止した場合であっ
て,託送供給の制限または中止の事由が解消した場合には,当社はすみやかに制限または中止を解除いたします。
(3)当社は,託送供給依頼者の責に帰すべき事由による託送供給の制限または中止およびその解除に要する費用(消費税等相当額を含みます。)を,託送供給依頼者から,その制限または中止の解除に先立って申し受けます。
19.熱量等の変動
当社の払い出すガスの熱量,圧力等は当社事業の遂行上,やむを得ず変動することがあります。
20.損害の賠償
(1)託送供給依頼者は,託送供給の実施にあたり,託送供給依頼者の責に帰すべき事由により当社が損害を被った場合は,その損害を賠償していただきます。
(2)17(託送供給の制限・中止)(3)に基づく託送供給の制限もしくは中止または22(契約の解除)に基づく契約の解除の規定により託送供給契約が終了したために,または19(熱量等の変動)に基づく払い出すガスの熱量等の変動により,事業者間精算契約の相手方となるガス導管事業者,託送供給依頼者,託送供給依頼者がガスを供給する卸供給先事業者の需要家または,第三者が損害を受けても,当社の責に帰すべき事由がないときは,当社は賠償の責任を負いません。
(3)この約款に基づき託送供給を制限または中止したことにより,事業者間精算契約の相手方となるガス導管事業者,託送供給依頼者,託送供給依頼者がガスを供給する卸供給先事業者の需要家または,第三者に損害が生じる紛争が生じたときは,託送供給依頼者の責任において対応することとします。ただし17(託送供給の制限・中止)(3)において当社の責に帰すべき事由がある場合はその限りではありません。
Ⅵ.契約の継続および終了等
21.契約の延長,変更および解約
(1)託送供給依頼者は,基本契約の有効期間の延長を希望する場合は,当該有効期間満了日の3か月前までに当社に書面により通知していただきます。この場合,当社において延長に支障がないときは,当社が可能であると判断した期間に限り,基本契約の有効期間を延長できるものとし,以後同様とします。
(2)託送供給依頼者が基本契約の有効期間中に基本契約または年次契約の変更を希望する場合には,変更希望日の3か月前までに当社に通知していただきます。なお,希望される変更の内容によっては,この約款により再度受入検討および払出検討を申し込んでいただくことがあります。託送供給依頼者が契約年度中に契約最大受入量および契約最大払出量の増量を希望する場合,当社は,託送供給検討により増量後のガスの託送供給が可能であることを確認できたときは,当該契約年度の基準最大受入量および基準最大払出量をそれぞれ上限として契約最大受入量および契約最大払出量の変更を承諾するものとします。
(3)託送供給依頼者が,基本契約期間の満了前に託送供給を終了しようとする場合は,終了日の3か月前までに,当社に解約の通知をしていただきます。この場合,当該終了日をもって託送供給契約の全部は終了するものとします。
(4)期間満了または(3)に基づく解約により託送供給契約の全部が終了した場合において,当社の設備の原状回復のために要する費用については,その全額を託送供給依頼者に負担していただくとともに,必要な協力をしていただきます。また,未払いの料金等,設備負担金その他の金銭債務がある場合には,ただちに弁済していただきます。
22.契約の解除
(1)関係法令が変更され,または社会的・経済的変動がはなはだしく,契約の存続が困難または不適当と認められる場合には,当社は託送供給依頼者に書面により通知することにより託送供給契約の全部または一部を解除または変更することができるものといたします。
(2)託送供給依頼者が次のいずれかに該当する場合,当社はただちに託送供給契約の全部または一部を解除できるものといたします。この場合,未払いの料金等,設備負担金その他の金銭債務をただちに弁済していただくとともに,当社が被った損害を賠償していただきます。
① 破産,民事再生,会社更生または特別清算の法的整理手続き開始の申立を受け,または自ら申し立てたとき
② 滞納処分による差押えもしくは保全差押えがなされ,または保全命令の申立がなされたとき
③ 強制執行の申立がなされたとき
④ 解散の決議がなされたとき
⑤ 事業の全部または重要な一部もしくは託送供給によるガス供給事業の譲渡・分割または廃止の決議がなされたとき
⑥ 自ら振出し,引受け,または裏書きした手形もしくは小切手が不渡りとなったとき,または,その他支払いが停止されたとき
⑦ 託送供給依頼者が,託送供給の制限または中止の事由となった状態を当社が定めた相当期間内に是正しないとき
⑧ 託送供給依頼者が,料金または延滞利息を支払期限日までに支払わない場合
⑨ 託送供給依頼者が,監督官庁より業務停止命令を受け,または営業に必要な許認可の取消処分を受けた場合
⑩ 託送供給依頼者(託送供給依頼者が法人である場合には,その代表者)の所在が不明になった場合
⑪ その他託送供給依頼者の業務の継続に重大な支障を及ぼすと認められる状態が発生したとき
(3)契約の全部が解除により終了した場合において,当社の設備の原状回復のために要する費用については,その全額を託送供給依頼者に負担していただくとともに,必要な協力をしていただきます。また,未払いの料金等,設備負担金その他の金銭債務がある場合には,ただちに弁済していただきま す。
23.名義の変更
合併その他包括承継がなされたことによって,新たな託送供給依頼者がそれまで託送供給を受けていた託送供給依頼者と当社の間における託送供給契約についてすべての権利および義務を受け継ぎ,引き続き託送供給を希望される場合には,新たな託送供給依頼者は,その旨を当社へ文書により申し出ていただきます。
また,託送供給契約にかかる需要場所における需要家等(当社が緊急時の応急の措置を実施しない需要家等を除きます)に変動が生じた場合は,託送供給依頼者はその旨を当社へ文書により事前に申し出ていただくとともに,この約款に基づき当社から託送供給を受けることについて,当該需要家等からあらかじめ同意を得ていただきます。
24.債権債務の譲渡
託送供給依頼者は,当社の事前の書面による承諾を得ることなく,この約款,基本契約または年次契約にもとづき発生する権利および義務の全部または一部を,第三者に譲渡し,または担保の用に供する等の処分をしてはならないものとします。なお,当社の事前の書面による承諾を得ることなくなされたこれらの処分は無効とします。
25.契約上の地位の譲渡
託送供給依頼者は,当社の事前の書面による承諾を得ることなく,この約款,基本契約または年次契約の契約上の地位を譲渡してはならないものとします。なお,当社の事前の書面による承諾を得ることなくなされた契約上の地位の譲渡は無効とします。
26.契約終了後の債権債務関係
託送供給契約期間中の料金その他の債権債務は,基本契約および年次契約の終了によっては消滅いたしません。
Ⅶ.保安
27.責任の分界
託送供給における責任の分界点は,原則として受入地点および連結点とし詳細は基本契約に定めます。
28.保安および維持管理
当社は,原則として受入地点から連結点に至るまでの当社が所有する設備ならびに計量設備等受入地点に至るまでおよび連結点以降の当社が所有する設備について,保安および維持管理の責任を負うものとします。
29.保安等による敷地・建物への立入り
(1)当社は,保安の確保または託送供給の実施に関して必要となる次の業務を実施するため,託送供給依頼者または託送供給依頼者がガスを供給する需要家等の敷地または建物に,当該敷地または建物の使用者の承諾を得て立ち入ることがあります。
① 計量設備および熱量測定設備の設置,維持管理,検査ならびに計量値および測定値の確認業務
② 受入地点までまたは連結点以降の当社が所有する設備の設計,設置,維持管理もしくは検査業務
③ 託送供給に係るガスの不正使用防止のための検査,確認業務
④ 17(託送供給の制限・中止)に基づく託送供給を制限または中止するための業務,および18
(託送供給の制限・中止の解除)に基づく託送供給の制限または中止を解除するための業務
⑤ 21(契約の延長,変更および解約)(4)および22(契約の解除)(3)に基づき,託送供給を終了させるための業務
⑥ その他保安の確認等,託送供給の実施に伴って必要となる業務
(2)(1)の場合,託送供給依頼者は正当な理由がない限り当社の立入りを承諾していただくととも
に,託送供給依頼者がガスを供給する需要家等の敷地または建物に立ち入るときは,あらかじめその同意を得ていただきます。
Ⅷ.申込み・問合せ窓口・その他
30.申込み・問合せ窓口
(1) 託送供給に関する申込み・問合せの窓口は,次のとおりとします。
①東日本地区
株式会社JERA 最適化統括部 東日本プラント運用センター 託送供給専用窓口住 所 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 日比谷国際ビル
TEL 03-6363-5980
②知多地区,四日市コンビナート地区,北勢地区
株式会社JERA 最適化統括部 西日本プラント運用センター 託送供給専用窓口住 所 愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1 番1 号 JPタワー名古屋
TEL 080-8657-6124
(2)当社のガス導管の位置を明示した地形図の閲覧については,各地区の担当窓口にお問い合わせください。
31.提供を受けた情報の取扱い
当社および託送供給依頼者は,託送供給検討の申込み日以降に,託送供給検討および託送供給の実施につき相互に知り得た相手方の技術上,経営上その他一般に公表していない事項を第三者に開示または漏洩しないものとし,これを託送供給検討および託送供給の実施以外の目的に使用しないこととしま す。
32.担保
当社は託送供給の開始に先立ち,または託送供給の継続に際して,託送供給依頼者に当社が必要と認める担保を提供していただき,もしくは保証を立てていただくことがあります。
1.実施期日
この約款は,2022 年4 月1 日から実施します。
2.定期修理時等における取り扱い
託送供給依頼者のガス製造設備の定期修理(一定期間を限り定期的に行われる検査または修理をいいます。)により受入地点において当社にガスを受け渡すことができない期間が生ずる場合等の取り扱いに関しては当社と託送供給依頼者で別途協議して定めます。
3.約款等の閲覧場所等
(1)この約款並びに当社導管の経路の閲覧場所は以下の通りです。
東日本地区に関する閲覧場所 株式会社JERA 東日本支社
東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 日比谷国際ビル
知多地区,四日市コンビナート地区,北勢地区に関する閲覧場所株式会社JERA 西日本支社
愛知県名古屋市中村区名駅1丁目1番1号 JPタワー名古屋
この約款に基づく託送供給をお受けするガスの性状等の基準は下表のとおりとします。
1.東日本地区
項 目 | 基 準 値 | 単 位 | 備 考 | |
基準値 | 標準総発熱量 | 44.2 | MJ/㎥N | |
総発熱量 | 42.5~45.3 | MJ/㎥N | 瞬間値 | |
総発熱量変化率 | 0.62 以下 | MJ/㎥N/min | 瞬間値 | |
ウォッベ指数 | 52.7~57.8 | - | 成分含有量より計算により算出 | |
燃焼速度 | 35~47 | - | 成分含有量より計算により算出 | |
比重 | 1.0 未満 | - | ||
硫化水素 | 0.00 | g/㎥N | ||
全硫黄 | 0.00 | g/㎥N | 付臭剤中の硫黄分は除く | |
アンモニア | 検出せず | - | ||
臭気濃度 | 1000 以上 | 倍 | 原則として当社と同一の付臭剤を使用する | |
圧力(受入) | 受入地点の導管運用上の最高圧力以下であること | MPa | 流量制御弁の上流で接続供給契約量の受け渡しに十分な圧力を有すること | |
圧力(払出) | 託送供給検討の申込み時点における払出地点の導管運用上の圧力から大幅な乖離がない圧 力とします。 | MPa | 託送供給検討条件によって異なるため,個別にお問い合わせください。 | |
温度 | 10~30 | ℃ | この数値は基準を示しており詳細に ついては個別に協議させていただきます | |
個別協議事項 | 酸素 | 本項目についてはガス製造方法等の違いにより大きく差がでることから個別に協議させていただきます | ||
窒素 | ||||
水素 | ||||
一酸化炭素 | ||||
二酸化炭素 | ||||
炭化水素露点 | ||||
水分 | ||||
ノッキング性指標 | ||||
その他微量成分 |
2.四日市コンビナート地区
項 目 | 基 準 値 | 単 位 | 備 考 | |
基準値 | 標準総発熱量 | 44.2 | MJ/ ㎥N | 変動幅等については,個別に協議させていただきます。 |
ガス密度 | 0.81 | kg/㎥N | 変動幅等については,個別に協議させていただきます。 | |
全硫黄 | 検出せず | 付臭剤中の硫黄分を除く | ||
硫化水素 | 検出せず | |||
アンモニア | 検出せず | |||
受入温度 | 5~30 | ゚C | ||
圧力(受入) | 受入地点の導管運用上の最高圧力以下であること | MPa | 流量制御弁の上流で接続供給契約量の受け渡しに十分な圧力を有すること | |
圧力(払出) | 託送供給検討の申込み時点における払出地点の導管運用上の圧力から大幅な乖離がない圧 力とします。 | MPa | 託送供給検討条件によって異なるため,個別にお問い合わせください。 | |
個別協議事項 | 付臭剤濃度 | 本項目についてはガス製造方法等の違いにより大きく差がでることから個別に協議させていただきます。 | ||
ガス組成(メタン,エタン,プロパン,イソブタン,ノルマルブタン,イソペンタ ン,窒素) | ||||
燃焼性 | ||||
酸素 | ||||
水素 | ||||
一酸化炭素 | ||||
二酸化炭素 | ||||
炭化水素の露点 | ||||
水分 | ||||
ガスのノッキング性 | ||||
その他不純物等 |
3.北勢地区
項 目 | 基 準 値 | 単 位 | 備 考 | |
基準値 | 標準総発熱量 | 45.0 | MJ/㎥N | |
総発熱量 | 44.2~46.0 | MJ/㎥N | 24 時間の最高・最低差が1MJ/㎥N以下であること | |
ウォッベ指数 | 52.7~57.8 | |||
燃焼速度 | 35~47 | |||
比重 | 0.623~0.670 | |||
硫化水素 | 1.0 以下 | mg/㎥N | ||
全硫黄 | 5.0 未満 | mg/㎥N | 付臭剤中の硫黄分を除く | |
付臭剤濃度 | 12~16 | mg/㎥N | ||
酸素 | 0.01 以下 | vol% | ||
窒素 | 1.0 以下 | vol% | ||
二酸化炭素 | 0.5 以下 | vol% | ||
受入温度 | 0~40 | ℃ | ||
炭化水素の露点 | マイナス 5 以下 | ℃ | ||
ガスのノッキング性 | 5.3 以下 | |||
圧力(受入) | 受入地点の導管運用上の最高圧力以下であること | MPa | 流量制御弁の上流で接続供給契約量の受け渡しに十分な圧力を有すること | |
圧力(払出) | 託送供給検討の申込み時点における払出地点の導管運用上の圧力から大幅な乖離がない圧 力とします。 | MPa | 託送供給検討条件によって異なるため,個別にお問い合わせください。 | |
個別協議事項 | ガス組成(メタン,エタン,プロパン,イソブタン,ノルマルブタン,イソペンタ ン,ノルマルペンタン) | 本項目についてはガス製造方法等の違いにより大きく差がでることから個別に協議させていただきます。 | ||
水素 | ||||
一酸化炭素 | ||||
水分 | ||||
アンモニア | ||||
その他不純物等 |
この約款に基づく託送供給に際しては,原則として以下の設備が必要となります。
1.東日本地区
(1)受入のために必要となる設備
設備名 | 機能 |
フィルタ | 不純物の除去 |
成分等の測定設備 | ガスの組成分析(炭化水素等) |
ガスの特殊成分の組成分析(硫化水素,全硫黄,アンモニア,等) | |
ガスの臭気濃度の測定 | |
熱量計 | ガスの熱量測定 |
温度計 | ガス温度の測定 |
圧力計 | ガス圧力の測定 |
流量計 | ガス流量の測定 |
緊急遮断弁 | 異常時・緊急時のガス遮断 |
流量調節弁 | ガスの流量制御 |
放散設備 | オフスペックガス,緊急時の放散 |
テレメータリング・テレコントロール設備 | 遠隔監視および制御 |
受入導管 | 受入地点までのガスの輸送 |
電気的絶縁・防食設備 | 受入導管の防食 |
(2)払出のために必要となる設備
設備名 | 機能 |
熱量計 | ガスの熱量測定 |
温度計 | ガス温度の測定 |
圧力計 | ガス圧力の測定 |
流量計 | ガス流量の測定 |
緊急遮断弁 | 異常時・緊急時のガス遮断 |
流量調節弁 | ガスの流量制御 |
テレメータリング・テレコントロール設備 | 遠隔監視および制御 |
払出導管 | 払出地点までのガスの輸送 |
電気的絶縁・防食設備 | 払出導管の防食 |
①設備仕様は電気事業法,ガス事業法等関係法令,当社標準仕様,これに定めのない事項については,日本産業規格等によるものとし,詳細は個別に協議させていただきます。
②上記のほか,法令の規定,ガス製造方法等により設備が必要となる場合は,個別に協議させていただきます。
2.四日市コンビナート地区,北勢地区
(1)受入のために必要となる設備
設 備 名 | 機 能 |
フィルタ | 不純物の除去 |
成分等の測定設備 | ・ガスの組成分析 (炭化水素(メタン,エタン,プロパン,イソブタン,ノルマルブタン,イソペンタン),窒素,水素,酸素,一酸化炭素,二酸化炭素) ・ガスの特殊成分分析 (全硫黄,硫化水素,アンモニア) ・ガスの付臭剤濃度の測定 ・ガスの熱量測定 ・ガスの水分測定 |
温度計 | ガス温度の測定 |
圧力計 | ガス圧力の測定 |
計量設備 | ガス流量の測定 |
放散設備 | オフスペックガスの発生など,緊急時の放散 |
緊急遮断弁 | 異常時・緊急時のガス遮断 |
流量制御弁 | ガスの流量制御 |
テレメータリング・テレコントロール設備 | 遠隔監視および制御 |
受入導管 | 受入地点までのガスの輸送 |
電気的絶縁・防食設備 | 連絡導管の防食 |
区分バルブ | 託送供給依頼者と当社の管理区分 |
(2)払出のために必要となる設備
設備名 | 機能 |
熱量測定設備 | ガスの熱量測定 |
計量設備 | ガス流量の測定 |
緊急遮断弁 | 異常時・緊急時のガス遮断 |
テレメータリング・テレコントロール設備 | 遠隔監視および制御 |
電気的絶縁・防食設備 | 連絡導管の防食 |
区分バルブ | 託送供給依頼者と当社の管理区分 |
注1 設備仕様は,電気事業法・ガス事業法等関係法令,当社標準仕様,これに定めのない事項については,日本産業規格等によるものとし,詳細は,個別に協議させていただきます。
注2 上記の他,法令の規定,ガス製造方法等により設備が必要となる場合には,個別に協議させていただきます。
この約款に基づくガスの性状等の測定および監視については,原則として以下の方法によるものとします。
なお,測定記録は当社へ提出していただきます。
1.東日本地区
項 目 | 監視方法 | 測定方法(例) |
総発熱量 | 連続監視 | 速応答型熱量計 |
総発熱量変化率 | 連続監視 | 速応答型熱量計 |
ウォッベ指数 | 連続監視 | 成分分析値からの計算値 |
燃焼速度 | 連続監視 | 成分分析値からの計算値 |
比重 | 連続監視 | 成分分析値からの計算値 |
硫化水素 | 定期監視 | ガス事業法に基づく |
全硫黄 | 定期監視 | ガス事業法に基づく |
アンモニア | 定期監視 | ガス事業法に基づく |
臭気濃度 | 連続監視 | 付臭剤濃度測定値からの計算値 |
圧力 | 連続監視 | 圧力計 |
温度 | 連続監視 | 温度計 |
注1 原料性状,プラント運転状態などから含有の可能性がないなど測定の必要性がないことが明らかな場合については必ずしもこの表によるものではなく,個別に協議させていただきます。
注2 測定した記録については当社に提出していただきます。
注3 測定方法については例を示したものであり,この表によらない場合は個別に協議させていただきます。
2.四日市コンビナート地区
項 目 | 測定方法の例 | 監視方法 |
総発熱量 | 成分分析値から算定 | 連続監視 |
燃焼性 | 成分分析値から算定 | 連続監視 |
ガス密度 | 成分分析値から算定 | 連続監視 |
全硫黄 | ガス事業法に基づく方法 | 定期監視 |
硫化水素 | ガス事業法に基づく方法 | 定期監視 |
アンモニア | ガス事業法に基づく方法 | 定期監視 |
付臭剤濃度 | 付臭剤添加量とガス流量から算定 | 連続監視 |
炭化水素(メタン,エタン,プロパン,イソブタン,ノルマルブタン,イソペンタン),窒素,水素,酸素,一酸化炭素, 二酸化炭素 | ガスクロマトグラフィー | 連続監視 |
炭化水素の露点 | 成分分析値から算定 | 定期監視 |
水分 | 露点計 | 定期監視 |
ガスのノッキング性 | 成分分析値から算定 | 連続監視 |
温度 | 温度計 | 連続監視 |
圧力 | 圧力計 | 連続監視 |
流量 | 計量器 | 連続監視 |
注1 上表の他,法令の規定により測定,記録が必要な場合はその規定によるものとします。注2 測定方法は個別協議により他の方法によることがあります。
注3 原料性状,ガス製造方式,プラント運転状況から含有の可能性のない,または,一定範囲内にあることが明らかな成分については,必ずしも測定することを要しません。
3.北勢地区
項 目 | 測定方法の例 | 監視方法 |
総発熱量 | 成分分析値から算定 | 連続監視 |
ウォッベ指数 | 成分分析値から算定 | 連続監視 |
燃焼速度 | 成分分析値から算定 | 連続監視 |
比重 | 成分分析値から算定 | 連続監視 |
全硫黄 | ガス事業法に基づく方法 | 定期監視 |
硫化水素 | ガス事業法に基づく方法 | 定期監視 |
付臭剤濃度 | 付臭剤添加量とガス流量から算定 | 連続監視 |
炭化水素(メタン,エタン,プロパン,イソブタン,ノルマルブタン,イソペンタン,ノルマルペ ンタン),窒素,酸素 | ガスクロマトグラフィー | 連続監視 |
二酸化炭素 | ガスクロマトグラフィー | 定期監視 |
炭化水素の露点 | 成分分析値から算定 | 定期監視 |
ガスのノッキング性 | 成分分析値から算定 | 定期監視 |
温度 | 温度計 | 連続監視 |
圧力 | 圧力計 | 連続監視 |
流量 | 計量器 | 連続監視 |
注1 上表の他,法令の規定により測定,記録が必要な場合はその規定によるものとします。注2 測定方法は個別協議により他の方法によることがあります。
注3 原料性状,ガス製造方式,プラント運転状況から含有の可能性のない,または,一定範囲内にあることが明らかな成分については,必ずしも測定することを要しません。
1.当社が託送供給依頼者から注入計画乖離補償料を申し受ける場合の注入計画乖離単価は,以下のとおりといたします。
(注入計画乖離単価)
【東日本地区】 2.93円/㎥N
【四日市コンビナート地区,北勢地区】2.14円/㎥N
2.当社と託送供給依頼者との間で過不足ガス量を精算する際の実費相当単価は,ガス生産・購入単価に製造単価を加えて算定することとし,詳細は以下のとおりとします。
(実費相当単価) 実費相当単価(円)=ガス生産・購入単価(1) + 製造単価(2)
(1)ガス生産・購入単価
精算対象月において,託送供給依頼者がガスの生産および購入等に要した費用(以下,「ガス生産等費用」といいます。)をガスの生産および購入等の量(以下,「ガス生産等量」といいます。)で除したものをガス生産・購入単価といい,次の算式により算定するものといたします。なお,託送供給依頼者は,精算対象月の翌月に,当社が定める帳票等の算定根拠を当社に提出したうえでガス生産・購入単価を確定するものとし,詳細については,別途当社と託送供給依頼者で定めます。
ガス生産・購入単価 = ガス生産等費用 ÷ ガス生産等量
ただし,託送供給依頼者は,この「ガス生産・購入単価」の代わりに「精算対象月の全日本通関LNG価格および全日本通関LPG価格」を用いた精算を選択することができます。託送供給依頼者は,基本契約の申し込み時に「ガス生産・購入単価」または「精算対象月の全日本通関LNG価格および全日本通関 LPG価格」のいずれかを選択していただきます。この選択は,その後に変更することはできません。
(2)製造単価は以下のとおりとします。
(製造単価)
【東日本地区】 2.93円/㎥N
【四日市コンビナート地区,北勢地区】2.14円/㎥N
当社は,特定ガス導管事業の区間および払出エリアを以下のとおり定めます。
【東日本地区】
(1)千葉県エリア
高圧導管 | 千葉県富津市新富25 から 千葉県千葉市中央区蘇我町2-1377 |
中圧導管 | 千葉県袖ケ浦市中袖2-1 から 千葉県市原市五井海岸1 |
(2)神奈川県エリア
高圧導管 | 神奈川県川崎市川崎区東扇島3 から 神奈川県横浜市鶴見区大黒町11-1神奈川県川崎市川崎区東扇島3 から 神奈川県川崎市川崎区千鳥町5-1 千葉県富津市新富25 から 神奈川県川崎市川崎区東扇島3 |
【知多地区】
知多から払い出すエリア
高圧導管 | 川越町 | 三重県三重郡川越町亀崎新田87-1 から 海底導管(住所なし) |
知多市 | 海底導管(住所なし) から 愛知県知多市南浜町27-1 愛知県知多市南浜町27-1 から 愛知県知多市北浜町 | |
東海市 | 愛知県東海市元浜町 から 愛知県東海市新宝町 | |
名古屋市 | 愛知県名古屋市港区潮見町 から 愛知県名古屋市港区潮見町34 | |
中圧導管 | 知多市 | 愛知県知多市南浜町27-1 から 愛知県知多市北浜町10-1 |
中圧導管 | 川越町 | 三重県三重郡川越町亀崎新田87-1から 海底導管(住所なし) |
四日市市 | 海底導管(住所なし) から 三重県四日市市霞1-28三重県四日市市霞1-28 から 三重県四日市市三郎町1 | |
高圧導管 | 四日市市 | 三重県四日市市霞1-28 から 三重県四日市市三郎町1 |
【四日市コンビナート地区】四日市から払い出すエリア
【北勢地区】
北勢から払い出すエリア
高圧導管 | 四日市市 | 三重県四日市市三郎町1 から 三重県四日市市西村町 |
三重郡 | 三重県三重郡菰野町大強原 から 三重県三重郡菰野町田口新田 | |
いなべ市 | 三重県いなべ市大安町宇賀新田 から 三重県いなべ市藤原町山口2890-36 |