本規程は、カバード・ワラントの取引に際し、マーケットメーカー(以下「MM」といいます。)および取扱証券会社のミストレードを予防するための措置およびミストレード 又は約定取消し取引が発生した場合のお客様との対応方針並びに処理手続きを予め定め、紛争を防止し、公正な価格形成と市場の健全な発展を図ることを目的とするものです。
カバード・ワラントのミストレードおよび約定取消し取引に関する規程
本規程は、カバード・ワラントの取引に際し、マーケットメーカー(以下「MM」といいます。)および取扱証券会社のミストレードを予防するための措置およびミストレード又は約定取消し取引が発生した場合のお客様との対応方針並びに処理手続きを予め定め、紛争を防止し、xxな価格形成と市場の健全な発展を図ることを目的とするものです。
第1章 定義
第1条(定義)
「マーケットメーカー」とは、国内においてカバード・ワラントの値付けを行っている証券会社、又は国外においてカバード・ワラントの値付けを行っている会社との間で取引の取次ぎを行っている証券会社をいいます。
「ミストレード」とは、異常値での取引をいいます。
「異常値」とは、正常価格から1ワラント当たりの金額で2円00銭、かつ正常価格の30.0%を上回って乖離した価格をいいます。
「営業日」とは、MM及び取扱証券会社の日本における営業日をいいます。
「正常価格」とは、カバード・ワラントを発行するMMが取引を意図していた当該カバー ド・ワラントの一定の計算式及び要因に基づき算出される理論価格(売値及び買値)をいいます。
「修正正常価格」とは、MMの要請により他MM3者が計算した正常価格の算術平均をいいます。
「対象原資産」とは、カバード・ワラントの対象原資産又は対象原資産がリンク債である場合はそのリンク債の対象原資産をいいます。
「約定取消し取引」とは、取引所のルール等に従い約定取消しとなった銘柄(株価指数先物取引に対して約定取消しが行われた場合、又は取引所による個別銘柄の約定取消しによって株価指数の値に事後調整が行われカバード・ワラントの価格に重大な影響を与えた場合は当該株価指数を含む。また、取引所による個別銘柄の約定取消しによって一定の株式の組み合わせによる指数(以下、「バスケット」という)を対象原資産としたカバード・ワラントの価格に重大な影響を与えた場合は当該バスケットを含む)を対象原資産とするカバード・ワラント取引のうち、当該取引所において当該約定取消しの対象となる取引が最初に誤発注された時点から当該取引所が当該銘柄を売買停止にしたことを受けてカバード・ワラントの売買が停止される時点までに成立したカバード・ワラント取引のことをいいます。
第2章 ミストレードの防止措置
第2条(ミストレードの防止措置及び投資家に対するリスクの開示)
(1) MMと取扱証券会社はミストレードを防止するため、投資家に対し、下記に例示するような事項を実施するべく努力するものとします。
▪ カバード・ワラントの前取引日終値からの変化幅又は変化率を提示すること
▪ 各社独自の基準を設定し、カバード・ワラントの価格変化が一定の範囲を超えた場合に警告が提示されるか、又は注文の受付等に制御を加えること(オンラインで受注する場合)
▪ その他、投資家が異常な価格変化に気付きやすくなるような情報を提供すること
(2) MMと取扱証券会社はミストレードによるトラブルを防止するため、投資家に対し、下記事項を実施しなければなりません。
▪ ミストレードが一方的に取消されるリスク、ミストレード発生時の処理手順および正常価格の再計算の要請手順をインターネット上のホームページ又は販売資料に記載し、書面、電子的方法又は取扱証券会社が適当と判断したその他の方法により、本規程について投資家の事前の同意を得ること
▪ 正常価格の再計算のために指名する他のMMのリストを予めインターネット上のホームページに公表すること
▪ カバード・ワラントの価格算出方法及びボラテリティについてWeb又は販売促進資料において説明すること
第3章 ミストレードに関する取扱方針
第3条(ミストレードの取消し)
本規程に従って、取扱証券会社から投資家に通知がなされた場合には、本規程の手続に従って当該通知の対象となるミストレードは取消されるかあるいは正常価格での取引へ変更されるものとします。異常値が気配値であるかのように表示されたり、ミストレードが成立したかのような表示が行われたりした場合においても取消しの対象となります。なお、第6条の場合を除きミストレードに関して取消しとは正常価格での取引への変更を含むものとしま す。
第4条(同意)
投資家は、カバード・ワラント取引を開始する、あるいは継続するにあたって、事前に、本規程を精読し、ミストレード取消しの手続・リスクについて説明した開示書類に署名すること、同等の電子的な方法により確認を行うこと、又は各取扱証券会社が適切と判断したその他の方法により、本規程の内容を承諾し、同意するものとします。MM及び取扱証券会社が個々のミストレードの取消しを行う場合には、投資家がMMのミストレードに関する判断に同意するか否かに関わらず、投資家からの追加的な同意は必要とされません。
第4章 ミストレード発生時の処理
第5条(通知)
(1) MMからミストレード取消しの通知を受け取った取扱証券会社は、速やかに、投資家が緊急連絡先として取扱証券会社に登録した電子メールアドレスへの発信、登録電話番号への連絡、あるいはインターネットのページへ表示することにより、当該ミストレード取消しの通知を行います。これらのいずれかが最初に行われた時点に取扱証券会社から投資家への通知がなされたものとします。
(2) 各取扱証券会社は速やかに当該ミストレードに関する業務処理を凍結します。当該ミストレードが投資家による売却であった場合は、当該投資家が当該ミストレードの売却代金を見込んで二次売買を行うことを防止する措置を採ります。
第6条(取消しおよび価格訂正の選択)
(1) 取扱証券会社は、前条の投資家への通知の際に、ミストレード時におけるMMの正常価格を提示し、当該価格への価格訂正を選択するか否かを求めます。投資家は、当該正常価格での価格訂正に応じるか又は当該取引をミストレードとして取消すかを速やかに取扱証券会社に伝えるものとします。但し、ミストレードが午後3時以降に発生した場合には価格訂正を選択することはできず、すべてのミストレードは即座に取消されます。
(2) 投資家が価格訂正を選択した場合には、MMおよび取扱証券会社は、取引が、ミストレード時において正常価格で成立していたものとして業務処理を行います。投資家
がミストレードの取消しを選択した場合は、ミストレードは当初より成立していなかったとして、業務処理を行います。
(3) 投資家が通知を受けた後1時間以内にミストレードの取消し又は価格訂正の意思表示を取扱証券会社にしない場合には、MMおよび取扱証券会社は、投資家がミストレードの取消しを選択したとみなして業務処理を行うものとします。
第7条(他MMによる正常価格の再計算)
(1) 前条の規定に関わらず、取扱証券会社から投資家に通知が行われた日から5営業日以内に投資家が取扱証券会社に対して、正常価格の再計算を要請した場合には、取扱証券会社はその旨をMMに通知し、正常価格の再計算の手続を採らせるものとします。
(2) 前項の場合、MMは、正常価格の再計算を行う他MMとして既に公表してあるリストの中から速やかに3社を指名し正常価格の再計算を求めなければなりません。但し、やむを得ない事情により正常価格の再計算を行える他MMが3社に満たない場合、再計算は2社又は1社の他MMによって行われれば足るものとします。また、再計算を行える他MMが1社も存在しない場合は、MMの判断は正しかったものとして再計算手続は行われません。
(3) MMは、他MMの計算結果の集計が終わり次第、修正正常価格をMMのインターネット上のホームページで公表します。ミストレードとされた取引値が修正正常価格から30.0%かつ2円00銭を超えて乖離している場合は、当該MMの判断は正しかったものとされます。また、ミストレードとされた取引値が、修正正常価格の-30.0%~+ 30.0%の範囲にあるか、修正正常価格±2円00銭の範囲であった場合には、当該MMのミストレードに関する判断は誤っていた(正常な取引であった)ものとみなされます。
(4) 前項の規定に従ってMMのミストレードに関する判断が誤っていたとされた場合、 MMは、投資家の請求により、当該判断の誤りに起因して投資家に直接生じた損害を、法令上の手続に従い補償します。
第8条(二次売買)
(1) 投資家が、ミストレード取消しの通知を受ける前に、当該ミストレードから得たであろう売却代金を見込んで、同一取扱証券会社において他の金融商品を購入した場合には、取扱証券会社は当該投資家に対し、購入した金融商品の代金をミストレードからの売却代金以外の方法で決済期日の前営業日までに手当するよう通知しま す。
(2) 当該投資家が上記取引の購入代金を決済期日の前営業日までに取扱証券会社にミストレードから得たであろう売却代金以外の代金により負担することが出来ない場合には、各取扱証券会社が定める措置に従うものとします。
第5章 約定取消し取引に関する取扱方針
第9条(約定取消し取引の取消し)
本規程に従って、取扱証券会社から投資家に約定取消し取引を取消す旨の通知がなされた場合には、本規程の手続に従って当該約定取消し取引は取消されます。
第10条(同意)
投資家は、カバード・ワラント取引を開始する、あるいは継続するにあたって、事前に、本規程を精読し、約定取消し取引を取消す手続・リスクについて説明した開示書類に署名すること、同等の電子的な方法により確認を行うこと、又は各取扱証券会社が適切と判断したその他の方法により、本規程の内容を承諾し、同意するものとします。MM及び取扱証券会社
が個々の約定取消し取引を取消す場合には、投資家からの追加的な同意は必要とされません。
第11条(投資家に対するリスクの開示)
MMと取扱証券会社は約定取消し取引によるトラブルを防止するため、投資家に対し、下記事項を実施しなければなりません。
▪ 約定取消し取引が一方的に取消されるリスクおよび約定取消し取引発生時の処理手順をインターネット上のホームページ又は販売資料に記載し、書面、電子的方法又は取扱証券会社が適当と判断したその他の方法により、本規程について投資家の事前の同意を得ること
第6章 約定取消し取引発生時の処理
第12条(通知)
(1)MMから約定取消し取引を取消す旨の通知を受領した取扱証券会社は、速やかに、投資家が緊急連絡先として取扱証券会社に登録した電子メールアドレスへの発信、登録電話番号への連絡、あるいはインターネットのページへ表示することにより、当該約定取消し取引を取消す旨の通知を行います。これらのいずれかが最初に行われた時点に取扱証券会社から投資家への通知がなされたものとします。
(2)各取扱証券会社は速やかに当該約定取消し取引に関する業務処理を凍結します。当該約定取消し取引が投資家による売却であった場合は、当該投資家が当該約定取消し取引の売却代金を見込んで二次売買を行うことを防止する措置を採ります。
第13条(二次売買)
(1) 投資家が、約定取消し取引を取消す旨の通知を受ける前に、当該約定取消し取引から得たであろう売却代金を見込んで、同一取扱証券会社において他の金融商品を購入した場合には、取扱証券会社は購入した金融商品の代金を約定取消し取引からの売却代金以外の方法で決済期日の前営業日までに手当するよう当該投資家に通知します。
(2) 当該投資家が上記取引の購入代金を決済期日の前営業日までに取扱証券会社に約定取消し取引から得たであろう売却代金以外の代金により負担することが出来ない場合その他いかなる場合であっても、MMおよび各取扱証券会社は約定取消し取引が取消されたことに係る当該投資家の損害に対して一切責任を負担しないものとします。
第7章 雑則
第14条(遵守すべき事項)
MM及び取扱証券会社は、国内の諸法令に従い、法令上の報告要件に該当する場合には、監督官庁にミストレードおよび約定取消し取引に関して報告を行います。
第15条(規程の変更)
この規程は法令の変更又はその他必要を生じたときに変更されることがあります。
以上