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契約書作成の際に必ず押さえておきたい
8 つのポイント
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はじめに |
契約書の作成は、専門的な知識やノウハウが必要となる作業です。 契約書に盛り込むべき内容を理解するためには、関係する条項の意味を知っておく必要があり、また、契約書における記載や表現の仕方にも注意する必要があります。 今回は、契約書作成において、自社のリスクを最小限にするための 8 つの 重要ポイントについて解説します。 |
目次
1 「契約書」と「覚書」、「誓約書」の違い
2 契約書の基本構成
3 自社のリスクを最小限にするための 8 つのポイントとは?
3.1 曖昧な解釈が成り立つ表現は避ける
3.2 数量化が可能な事項は、可能な限り具体的に記載する
3.3 契約内容を当事者間で確認し合う
3.4 「権利」と「義務」について書く
3.5 第三者にもわかる言葉で書く
3.6 法律で決まっている記載事項を必ず盛り込む
3.7 関連する法律や判例、民法の「典型契約」の規定をリサーチしておく
3.8 雛形は記載漏れのチェックに有効
4 紙の契約書と電子契約の違い
5 契約書作成を弁護士に依頼するメリット
6 まとめ
1 「契約書」と「覚書」、「誓約書」の違い
「契約書」と、「覚書」、「誓約書」の違いについてご存じでしょうか。
「覚書」は簡易的または付随的な合意事項をまとめた文書であり、簡易的な契約書として、また、既存の契約書を補足する場合などに作成されます。タイトルが「覚書」であっても法的には契約書と変わりありません。
これに対して誓約書は、「合意」を示すものではありません。当事者の一方が作成して署名捺印又は記名押印をし、相手方に提出します。企業が従業員に対して秘密保持の義務を課す場合などによく用いられます。
2 契約書の基本構成
契約書の書き方に法律上のルールはありません。しかし、一般的に基本構成や盛り込むべき内容は、ある程度決まっています。契約書の主な構成要素は、タイトル・前文・本文・後文・契約締結日・署名捺印又は記名押印です。自社独自の書き方ではなく、一般的な書き方を採用することで、誰が見ても内容を理解できるようにしておきましょう。
3 自社のリスクを最小限にするための 8 つのポイントとは?
契約書を作成するにあたり大切なことは、「取引のリスク」をしっかり考えたうえで、そのリスクをカバーするという「目的」をもって契約書を作ることです。そのために必要な 8 つのポイントを解説します。
3.1 曖昧な解釈が成り立つ表現は避ける
契約書は証拠としての活用も想定して作成するため、複数の解釈ができる言葉や表現を用いてしまうと、訴訟となった場合に、相手方が「そのような解釈をしていなかった」といえば、証拠として機能しなくなる可能性があります。相手方と共通の理解があったとしても、契約書の内容の解釈が曖昧では、スムーズな取引ができなくなります。語句の選択や表現方法を考慮し、相手方に意図が明確に伝わるようにしましょう。
3.2 数量化が可能な事項は、可能な限り具体的に記載する
契約書における重要事項は、可能な限り具体的に記載することが大切です。数値で表現できる箇所があれば、数量化して契約書に明記しましょう。例えば、
報酬の設定に関して、どの仕事内容に対していくら支払うのかといった情報は、できるだけ明確な数値で記載しましょう。
3.3 契約内容を当事者間で確認し合う
契約書を作成する際は、「どのような内容について合意したのか」について、事前に当事者間で把握・共有しておくことが重要です。十分に共有できない状態で作成してしまうと、契約書としての説得力に欠け、トラブル発生時に期待通りの効力を発揮しない可能性もあります。
また、契約書を作成した後も、互いに読み合せて最終チェックを行うなどして、解釈に齟齬がないか確認しておくとよいでしょう。
3.4 「権利」と「義務」について書く
契約書は、「権利」と「義務」について定めた文書であり、その作成にあたっては、自社と相手方の権利と義務について明記するということを意識する必要があります。契約条項を策定するときは、「自社の権利」を定めたものか、
「自社の義務」を定めたものか、「相手方の権利」を定めたものか、「相手方の義務」を定めたものなのか、これらのうちのどれにあたるかを常に意識して各項目を記載するようにしましょう。
3.5 第三者にもわかる言葉で書く
契約書は、合意内容を文章化したものであり、具体的に、どのような内容の合意が行われたのか、その合意に基づいて今後どのような取引が行われるのか、第三者が読んでも明確に理解できるように作成する必要があります。会社の独自用語や抽象的な表現を用いることは避け、支払金額や支払期日などは、できるだけ具体的に記載しましょう。
3.6 法律で決まっている記載事項を必ず盛り込む
契約書によっては、法律で決まっている記載事項を盛り込まなければいけない場合があります。
例えば、雇用契約においては、労働基準法第 15 条第 1 項に則り、書面にて労働条件を明示しなければなりません。必ず明示する必要がある「絶対的明示事項」は、次の通りです。
労働契約期間、就業場所、業務内容、始業ないし終業時刻、残業の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務の場合の交替順序や交替期日、賃金の決定・計算・支払方法、賃金の締切り・支払時期、退職に関する事項
これらの事項については、雇用契約書とは別に、労働条件通知書を書面で交付する方法もありますが、雇用契約書内に記載するのが一般的です。他にも、産業廃棄物処理委託契約書、特定商取引法上の連鎖販売に関する契約書などは、契約書に記載しておくべき事項について規制があります。
3.7 関連する法律や判例、民法の「典型契約」の規定をリサーチしておく
契約書作成には、関連する法律と判例のリサーチは必須です。作った契約書のリスクがどんなところにあるか、過去には実際にどういうトラブルがあったのかについて、関係法令の条文や判例で見極めます。
こういった法律や判例のリサーチが不十分であると、作成した契約書の内容が法律や判例と抵触してしまい、トラブル発生時のいざという時に、契約書が何も効力を持たない紙切れとなってしまいますので注意が必要です。
また、日常生活で使われることが多い 13 種類の契約類型は、民法において、
「典型契約(有名契約)」として、それぞれ規定があります。典型契約においては、契約書で定められていなくても、民法上の規定に基づいた権利義務が発生するため、民法と異なる規定を適用したい場合には、それを契約書で定めておく必要があります。請負、売買、消費貸借、贈与、委任、和解など、作成しようとする契約書の種類に応じて、それぞれの民法の規定を確認しましょう。
3.8 雛形は記載漏れのチェックに有効
雛形集として公表されている契約書の雛形と、自社オリジナルの契約書を見比べて、重要な契約条項が、自社の契約書には抜けているという場合は、追記を検討する必要があります。このように、記載するべき契約条項が漏れていないかどうかのチェックをするためのチェックリストとして、雛形を活用することができます。
4 紙の契約書と電子契約の違い
契約書を書面で作成する場合と、電子契約による場合では、契約書の意義や法的効力において基本的な違いはないものの、契約書作成までの手順や契約書の一部文言などが異なる場合があります。
紙の契約書では、印紙税法が定める課税文書に相当する場合、額に応じた印紙の貼付が必要です。一方、電子契約の場合は、印紙の貼付は必要ありません。紙の契約書では、本人の意思による契約であることを証明するために、署名捺印又は記名押印が必要ですが、電子契約では、電子サインを利用し、印は使用しません。
「書面」という言葉は、紙の文書を意味するので、電子契約を行う場合には使用しません。電子契約における「書面」で交付や「書面」で保存などの表現 は、「電子契約書ファイル」や「電子データ」に適宜修正する必要がありま す。
紙の契約書は、印刷後、送付状を添えて郵便で送付します。先方で署名捺印又は記名押印した後、1 通を返送してもらうことになります。電子契約の場合 は、電子メールでやりとりするのが一般的です。
紙の契約書は、基本的に紙のまま保管する必要があります。電子契約の場合は、一定の条件を満たした電子データで保管します。
5 契約書作成を弁護士に依頼するメリット
契約書作成は、自力で行うことも可能ですが、取引内容に応じた適切な契約書をスムーズに作成するために弁護士に依頼することもできます。弁護士であれば、法律に関する豊富な知識・経験を持っているため、条項の明確化だけでなく、「誰がどこまで責任を負うか」、「保証人の保証範囲はどこまでか」、
「契約書の内容に法的問題はないか」などのリーガルチェックやリスクのあぶり出しなども任せられるため、取引額が大きい場合や、契約書作成だけでな く、取引スキーム全体のサポートがほしいという場合などは、弁護士に依頼した方がよいでしょう。
6 まとめ
契約書作成は、法律用語を理解した上で、第三者にもわかりやすい表現を用いて、それぞれの取引内容に合わせた事項を記載する必要があります。自社で作成する場合、作成や交渉、押印、管理など、契約書にまつわる作業は実に多岐
に渡るため、肝心な規定の内容に抜け・漏れが発生してしまい、自社に生じるリスクをカバーできない、契約当事者に将来、何が起こりうるか不明確であるなど、トラブルが起こる場合も多くあります。取引における自社のリスクを最小限に抑えるためにも、上記で解説した各項目の内容を契約書作成前後にしっかりと確認しましょう。
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※本稿の内容は、2023 年 1 月現在の法令・情報等に基づいています。
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