Contract
令和5年度 北九州市産後ケア事業委託業務仕様書
1.業務名
令和5年度北九州市産後ケア事業委託業務
2 履行期間
令和5年4月1日から令和6年 3月 31日まで
3 本事業の趣旨
産後早期に家族等から家事・育児等の援助が受けられず、育児支援を必要とする母子を対象として、母子の心身のケアや育児サポートを行い、産後うつの予防や育児不安の解消を図り、安心して子育てができる支援体制を確保することを目的とする。
4 利用対象者
本事業の利用対象者は、北九州市内に住民登録を有する出産後1年を経過しない女子及び乳児であって、次の(1)又は(2)の事由に該当し、支援が必要と認められる者とする。ただし、母子ともに医療行為が必要でない者に限る。
(1) 家族等から家事・育児等の援助が受けられない者
(2) 産後の体調又は育児に不安がある者
上記の事由によらない場合で、安定的な養育が困難な者など、市長が必要と認める場合については、利用対象とする。
5 利用対象期間
出生後1年とする。
6 利用限度
本事業の利用日数は、宿泊型、通所型、通所型(短時間)及び居宅訪問型を通算して7日以内とする。そのうち、通所型(短時間)は、利用期間4ヶ月未満、利用回数3回までとする。
なお、市長が認めるときは、この限りではない。
7 委託業務について
(1)登録申請の受付
産後ケア事業を利用しようとする者(以下「利用者」という)に、事業の概要や利用までの流れについて説明。北九州市産後ケア事業登録利用申請書(様式第1号以下「申請書」という)を受け取り、記載事項、要件等を確認し申請書を受理する。また、産後ケア事業利用にかかる調査票(様式第4号以下「調査票」という)を利用者から聞き取る。申請内容について、利用の可否を決定する。初回利用の場合は、承認された者に北九州市産後ケア事業利用証明書(様式第3号以下「証明書」という)を、母子健康手帳の1ヶ月健診結果貼付欄の前ページに貼付する。
(2)利用申込の受付
委託事業者は利用者が利用する際、医療保険証、証明書と北九州市こども医療証など養育している乳児の出生日が記載されたもので利用対象期間であることを、確認すること。委託事業者は、利用者と予約調整等(利用期間や来所時間、キャンセル料、内容希望、持参物の確認等)を行う。また、利用希望先で利用できない場合、他を紹介する等適切に対応
すること。
(3)利用者へのサービス提供(※北九州市より認定を受けているサービス区分で実施)利用者の証明書に利用日等を記載する。
ア.宿泊型
母子を宿泊させ、表1の区分に基づくサービス提供により、母体の心身の回復及び母体のケア並びに乳児のケアや、今後の育児に資する指導等を実施する。
利用時間:原則午前10時~翌午前10時(利用者の希望で時間調整可)食事提供:昼食・夕食・翌朝食の3食
イ.通所型
母子を日帰りで利用させ、表1の区分に基づくサービス提供により、母体の心身の回復及び母体のケア並びに乳児のケアや、今後の育児に資する指導等を実施する。
利用時間:原則午前9時~午後5時までの間のうち、6~7時間程度食事提供:昼食1食
ウ.通所型(短時間)
母子を日帰りで利用させ、表1の区分に基づくサービス提供により、母体の心身の回復及び母体のケア並びに乳児のケアや、今後の育児に資する指導等を実施する。
利用時間:原則午前9時~午後5時までの2~3時間程度食事提供:なし
エ.居宅訪問型
自宅に訪問し、下表の区分に基づくサービス提供により、母体の心身の回復及び母体のケア並びに乳児のケアや、今後の育児に資する指導等を実施する。
利用時間:原則午前9時~午後5時までの2~3時間程度表1
実施内容 | サービス内容 |
宿泊型 | ① 産後の母体管理及び生活面の指導 ② 乳房手当、乳房トラブルに関する相談 ③ 授乳方法 ④ 沐浴方法 ⑤ 発育・発達に関すること ⑥ 体重・排泄の観察 ⑦ スキンケアに関する相談 ⑧ 母の不安等に関する相談 ⑨ 在宅での子育てに関する相談及び指導 ⑩ その他の必要とする保健指導 等 ※詳細は表4参照 |
通所型 (短時間も含む) | |
居宅訪問型 |
(4)利用者負担の徴収と領収書の発行
(5)実施報告書の作成
北九州市産後ケア事業実施報告書(様式第5号以下「報告書」という)を作成する。
(6)委託料の請求事務
報告書、北九州市産後ケア事業請求書(様式第6号以下「請求書」という)及び請求書兼領収書を北九州市役所子ども家庭局子育て支援部子育て支援課母子保健係に提出する。
(7)利用者からの問合せへの対応
(8)市・区役所等との連携
ア 利用者がサービス利用後、継続支援が必要と思われる場合は、利用者が居住する区役所保健福祉課と連携を図ること。また、市長が必要と認めた場合などは、区から直接連絡が入る場合があるため、適切に連携を図ること。
イ 産後ケア事業居宅訪問型を利用していても、区役所は法律に基づき必要な訪問を実施 している。特に、児童福祉法に基づく「4か月までの乳児家庭全戸訪問事業(通称:のびのび赤ちゃん訪問事業)は必ず受ける必要があるため、出生後、訪問を受けていない利用者に対しては、区役所からの訪問を受け入れるように説明すること。
ウ 利用者の支援に必要な機関(産婦人科・小児科・精神科・助産所など)と適切に連携を図ること。
8 事業従事者について
(1) 産後ケア事業を管理する者(事業実施責任者)がいること。
(2) 助産師、xxx又は看護師(以下「助産師等」)を母子3組につき1名以上配置することとし、日中は助産師1名以上配置すること。
(3) また、宿泊型を実施する場合は助産師等を24時間常駐すること。
(4)事業従事者は、本業務専任であることを要しない。
9 委託料について
(1) 市長は、委託事業者から提出された報告書及び請求書に基づき、表2の利用料から利用者負担額を控除した額(委託料)を委託事業者に支払うものとする。ただし、市長が必要と認めた者については、利用料を委託事業者に支払うものとする。
(2) 当該利用に係る乳児が多胎児の場合は、その額に2人目以降の1人につき表3の額を加算し、委託事業者に支払う。(ただし、乳児が利用していない場合は請求できない)
表2
実施内容 | 利用料 | 利用者負担額(世帯区分別) | |
市民税課税世帯 | 生活保護 市民税非課税世帯 | ||
宿泊型 | 1泊2日 33,000 円 | 1泊2日 6,000 円 | 1泊2日 2,000 円 |
通所型 | 1 日 11,000 円 | 1 日 2,000 円 | 1 日 600 円 |
通所型(短時間) | 1日 5,500 円 | 1日 1,000 円 | 1日 300 円 |
居宅訪問型 | 1回 8,800 円 | 1回 2,000 円 | 1回 600 円 |
表3
実施内容 | 加算額(消費税及び地方消費税を含む) |
宿泊型 | 1泊2日につき 5,000 円 |
通所型 | 1日につき 3,000 円 |
通所型(短時間) | (短時間)1日につき 2,000 円 |
居宅訪問型 | 1日につき 3,000 円 |
10 交通費及びキャンセル料について
次の料金については、利用者より徴収することができる。ただし、事前に十分説明の上、利用者の了承を得ること。
(1)訪問に要する交通費等の実費相当額。
(2)キャンセル料については、利用者の都合により、サービスの提供ができなかった場合 に、1日分の額を上限としてキャンセル料を委託事業者が定めることができる。ただし、利用開始日の前々日の17時までに連絡があった場合は徴収できない。また、地震、水 害、その他災害など、利用者の責に帰すべきものでない事由により連絡できなかった場合は、この限りではない。
11 業務の実施にあたって
(1)業務の実施は、北九州市産後ケア事業実施要綱の規定に基づいて行うものとし、関係法令を遵守するものとする。
(2)委託事業者は、次の事業の各項目を踏まえて事業を行うものとする。
ア 母親の心身の状況及び家族背景等を的確に把握し、利用者の個別性を踏まえた心身の安定と育児不安を解消するための支援を行う。
イ 家庭での子どもがいる生活を安心して送れるよう、育児スキルや利用後の生活のイメージをもてる支援を行う。
ウ 北九州市子ども家庭局子育て支援課や区役所保健福祉課と適切な連携を図る。
(3)委託事業者は、事業従事者に対し、年1回以上の定期健康診断(胸写を含む)を実施し、利用者及び業務従事者の健康管理に努めること。
(4)委託事業者は、実施担当者に対し、本事業の実施に関する研修を実施するなど、資質の向上に努めること。
(5)委託事業者は、実施施設の安全管理に十分配慮し、火災、事故、損傷等を防止して利用者及び実施担当者の安全確保に努めること。
(6)委託事業者は、実施施設の食品衛生、環境衛生管理に十分配慮し、常に快適な利用ができる状態の保持に努めること。
(7)委託事業者は、感染予防対策を十分にとり、感染予防に努めること。
(8)委託事業者は、非常災害、事故等の緊急事態発生に備え、具体的な対応計画を定め、避難・救出その他必要な訓練を実施すること。
(9)委託事業者は、事故等の緊急事態に備え、損害保険等の保険に加入すること。
(10)委託事業者は、事故等、重大事案が発生した場合は、すみやかに書面により市長へ報告すること。
(11)委託事業者は、責任を持ってサービス提供を行い、利用者からサービスに関する質問・苦情等があった場合は、誠意をもって迅速、適切に対応すること。
(12)委託事業者は、利用者の身体、精神状態等が悪化した場合などの緊急時は、必要な対応を行うこと。
(13) 仕様書に定める以外のサービス提供は、委託事業者と利用者との間の合意で実施できるものとする。ただし、オプションサービスの実施における事故等に関しては、市は一切関与しない。
12 関係書類及び帳票類の取り扱いについて
(1)委託事業者は、関係書類及び次に掲げる諸帳簿等を実施施設に備え付け、常時記録を保管し、必要に応じて北九州市に報告するものとする。
ア 委託契約書及び仕様書イ 会計関係書類
ウ 人事労務関係書類エ 利用者関係書類オ その他必要書類
(2)(1)に掲げる関係書類及び帳票類は、実施年度の翌年度から起算して5年間保存しなければならない。
(3)市は、委託事業者に対し、(1)に掲げる関係書類及び帳票類の提出又はサービス内容の確認等、必要な調査を実施することができる。
13 個人情報の保護
委託事業者は、事業実施するにあたって、個人情報及び情報資産の取り扱いについて、関係法令を遵守することに加え、北九州市個人情報保護条例に基づき、必要な個人情報保護対策を講じるものとする。委託契約が終了した後においても同様とする。
14 その他
この仕様書に定めるもののほか、本事業に必要な事項は、委託事業者と子ども家庭局子育て支援課が協議し、対応するものとする。
表4
ケアの内容 | |
① 産後の母体管理生活面 の指導 | ・産後の疲労回復(母の状況によっては児の預かりなども含む) ・身体回復のための体操や食事、生活など |
② 乳房手当、乳房トラブ ルに関する相談 | ・乳房マッサージ及びその方法 ・乳房の手入れ、食事のアドバイスなど |
③授乳方法 | ・授乳間隔、授乳にかける時間 ・抱き方、母や児に合った授乳方法など ・人工乳の足し方など |
④沐浴方法 | ・湯の温度、準備物、スムーズな沐浴方法など ・入れやすい工夫点(母子の自宅に合った指導など) |
⑤発育・発達に関すること | ・泣きへの対応 ・親子遊び、声かけの方法、あやし方など ・成長曲線の見方、今後の発育や発達の見通しやアドバイスなど |
⑥体重・排泄に関すること | ・体重測定 ・便や尿の状態の観察と自宅でできる観察方法のアドバイス |
⑦スキンケアに関する相談 | ・皮膚の状態の観察 ・皮膚の手入れについて |
⑧母の不安等に関する相談 | ・表情や言動に気を付け、母のxxxや母の気持ちに寄り添った支援 ・母が相談しやすい雰囲気づくり(ゆったりした空間をつくるな ど) |
⑨在宅での子育てに関する 相談及び指導 | ・家事の工夫や赤ちゃんがいる環境づくりなど ・具体的に、母子に合った実践しやすいアドバイス |
⑩その他の必要とする保 健指導 | ・傾聴(夫や周囲の家族への不安感、漠然とした育児不安など) ・必要に応じて相談対応 |