はじめに i
はじめに i
目
次 第 1 章 総 論1
1- 1 エンタテインメント法とは何なのか 2
1- 2 どんなプレーヤーがエンタテインメント法実務に関わるのか 3
1- 3 対象となる法領域を俯瞰する 8
1- 4 対象となる法領域①:エンタテインメント契約 11
1 ライセンス契約 11
2 業務に関する契約 12
3 作品/情報の委嘱の契約 12
4 共同でおこなう事業の契約 13
5 資金の調達のための契約 14
6 その他の契約 15
コラム 契約の話〜初心者向け実践的アドバイス〜 16
1- 5 対象となる法領域②:各種の権利問題 19
1 著作権 19
コラム 引 用 23
コラム 保護期間の計算方法 26
2 オリジナル/模倣、原作もの、著作権炎上 29
コラム 法律論と「世論」の乖離 32
3 著作隣接権 33
4 商標権・意匠権・不正競争 34
5 xxxx・x次創作 36
コラム xxxx・x次創作と知的財産権 36
6 知的財産権の管理・承継 38
コラム 著作権の相続と信託 39
7 肖像権・パブリシティ権 40
8 名誉・プライバシー・個人情報 41
9 所有権との交錯/疑似著作権 41
1- 6 対象となる法領域③:その他の法ジャンル 45
1 民商法・各種法人法・倒産法 45
コラム 法手続衽衲民事上の救済と刑事手続、表現の自由との関係 45
コラム 紛争処理制度 49
コラム 倒産への対処 51
2 労働法 53
コラム エンタテインメント業界と労働法 54
3 競争法 55
4 税 法 56
5 芸術振興•支援に関わる法制度 57
目
6 表現の自由との様々なインターアクション 58
次
1- 7 エンタテインメント法務にはどんな特徴があるか 61
参考文献 64
第 2 章 映画•テレビ67
2-1 映画•テレビビジネスと法実務 68
1 映画•テレビ市場と主なプレーヤー 68
2 映画•テレビ業界の法実務 70
コラム ワンチャンス主義 71
2- 2 クラシカルオーサー•モダンオーサー 77
1 映像作品に関わる著作者たち 77
2 モダンオーサーの権利 78
3 クラシカルオーサーの権利 78
4 各団体の役割 78
2- 3 著作xx 29 条と「製作者」、リスクマネー論•下請法 80
1 著作xx 29 条と「製作者」 80
2 リスクマネー論と下請法 81
3 契約交渉がすべてである 82
2- 4 製作委員会と映像ファンド、金商法 83
1 製作委員会契約とは 83
2 製作委員会方式のリスクと委員会契約のポイント 84
3 他の映画ファンドの態様、金商法 86
2- 5 映画と消尽 89
1 消尽とは 89
2 映画と消尽 89
2- 6 並行輸入 91
1 並行輸入とは 91
2 映画と並行輸入 91
2- 7 放送法ほか業法 93
1 いわゆる業法 93
2 電波法 93
3 放送法 93
4 自主規制 94
2- 8 作品タイトルと商標•不正競争 96
1 商標法上のルール 96
2 商標登録の実例 97
目
3 不正競争防止法 よる保護 97
次
2- 9 海外ライセンス契約衽衲オプション契約を例 98
1 オプション契約とは 98
2 オプション契約の対象となる権利 102
3 オプション契約の時間的条件 関する条項 104
4 経済的条件•クリエイティブ 関する条項•その他 106
コラム インバウンドへの関与 110
参考文献 112
第 3 章 音 楽113
3-1 音楽ビジネスと法実務 114
1 音楽ビジネス 114
2 主なプレーヤー 114
3 法律業務の概観 116
4 プレーヤーごとの個別の権利 117
3- 2 作詞家•作曲家(著作者)、音楽出版社 119
1 音楽ビジネス おける著作者の位置づけ 119
2 編曲ついて 120
コラム 替え歌の著作権 120
3 著作者の活動態様の変貌と音楽ビジネスへの影響 122
コラム アーティスト名と商標 122
4 音楽出版社とは衽衲作品のプロモーター 123
5 音楽出版社 よる著作権管理業務 124
コラム 音の商標 124
6 著作権契約(MPA 契約) 125
3- 3 JASRAC 等著作権の集中管理団体 127
1 集中管理団体とは 127
2 著作xx管理事業法 127
3 指定著作xx管理事業者 128
4 JASRAC の管理 128
5 JASRAC をめぐる問題 130
3- 4 原盤ビジネスと各種原盤契約 132
1 原盤権とは 132
2 原盤ビジネスの諸契約①衽衲原盤制作時の契約 134
3 原盤ビジネスの諸契約②衽衲原盤利用時の契約 136
3- 5 プロダクションと専属マネジメント契約 138
1 プロダクション•芸能事務所の役割 138 目
2 専属マネジメント契約のポイント 140 次
3 専属契約をめぐるトラブル 142
3- 6 レーベルと専属アーティスト契約 143
1 レコード会社の役割 143
2 レコーディング契約 143
3 専属実演家契約 144
4 専属解放 146
3- 7 アーティストの移籍•独立をめぐる実務的問題点 147
1 移籍をめぐるトラブルの状況 147
2 独立 あたって問題となりうる専属マネジメント契約の規定 147
3 独禁法上の問題 148
4 労働法上の問題 149
5 事務所移籍 あたり検討すべき実務的ポイント 149
3- 8 JASRAC 処理の実際 151
1 JASRAC 管理楽曲の利用 151
2 JASRAC が管理していない権利 153
3 JASRAC 処理が不要な場合 154
3- 9 シンクロ権 155
3-10 包括契約と独禁法 156
1 独禁法上の私的独占 156
2 JASRAC と放送事業者間の包括許諾契約 157
3 xx取引委員会•最高裁の判断と JASRAC 157
3-11 委嘱楽曲 おける JASRAC よる特別な扱い 159
1 委嘱楽曲の特別扱い 159
2 委嘱免除 159
3 受託者の管理 対する制限 159
3-12 貸譜と著作権類似の契約条項 160
参考文献 162
第 4 章 出版•マンガ163
4-1 出版•マンガビジネスと法実務 164
1 出版•マンガ市場の概況 164
2 出版•マンガ市場の伝統的な仕組み 165
3 出版•マンガ市場の仕組みの変化 166
4- 2 出版権とは 168
目 1 出版行為 対応する著作権 168
次 2 出版権の種類 169
3 出版権の内容 169
4- 3 出版権設定契約 171
1 出版のための契約類型 171
2 出版権の設定の合意(第 1 条) 171
3 出版権の内容(第2 条) 172
4 出版権の独占 関する定め(第 3 条) 172
5 権利許諾管理の委任(第 6 条) 173
6 出版権の存続期間の定め(第 12 条) 173
7 著作物の翻訳、翻案等(第 16 条) 174
4- 4 出版権の登録と当然対抗制度 175
1 登録制度と当然対抗制度 175
2 登録が必要となる場合 175
3 登録制度備えた出版契約 176
4- 5 マンガ 178
1 ストーリー 178
2 絵 178
3 コマ割り 179
4- 6 マンガ原作者 180
1 マンガ原作者とは 180
2 マンガ原作者の権利 180
3 原作者がいる場合の権利処理①:二次的著作物の場合 181
4 原作者がいる場合の権利処理②:共同著作物の場合 182
4- 7 マンガ編集者 184
4- 8 連載マンガ 185
1 雑誌連載 185
2 単行本化 185
3 連載マンガの保護期間 186
4 マンガの著作権とキャラクターの著作権 186
5 連載マンガの著作権 187
4- 9 翻訳出版 189
1 翻訳権とは 189
2 翻訳権の保護期間 189
3 翻訳出版契約 190
4 翻訳書 対する原作者と翻訳者の権利 191
4-10 出版物の利用 192
1 複 製 192 目
2 図書館での利用 193 次
3 学校での利用 194
4 出版物の映像化 195
参考文献 197
第 5 章 ライブイベント199
5-1 ライブイベント•ビジネスと法実務 200
1 ライブイベント市場と主なプレーヤー 200
2 ライブイベント•ビジネスの法実務 202
5- 2 舞台作品を制作し、上演するための契約 205
1 必要となる契約 205
2 重要な契約条件の例 206
5- 3 国際上演契約 208
1 上演ライセンス契約 208
2 招聘(公演委託)契約 210
5- 4 国際契約 おける頻出条項 211
1 来日経費 211
2 国際源泉課税 211
3 ビ ザ 212
4 クレジット 213
5- 5 チケットの法的性質と効力 214
1 チケット販売契約 214
2 イベント中止•変更と返金 215
5- 6 チケット高額転売 217
1 買占めと高額転売の問題化 217
2 買占め•転売の規制手段 218
5- 7 消費税の取扱い 220
1 消費税の課税対象 220
2 リバースチャージ方式 221
5- 8 各種の保険 223
1 エンタメ•ビジネスをめぐる各種の保険 223
2 xx義務をめぐる攻防 224
3 保険金支払いのフェイズ 224
5- 9 各種許認可衽衲建築•仮設、道路•公園使用、飲食物提供、風営法 225
1 建築•建設関係 225
2 道路•公園ほかの使用許可 225
目
3 飲食物提供 226
次
4 風営法基づく規制
(ナイトクラブ、ライブハウス、深夜営業ほか) 226
コラム ライブイベント支援とエンタテインメント法務:コロナ禍を題材に 227
5-10 ライブビュー•二次利用 230
1 複雑なライブイベントの権利関係と二次利用の活発化 230
2 ライブの二次利用処理の注意点 231
5-11 上演と音楽著作権 233
1 グランドライツ 233
2 委嘱楽曲 233
5-12 会場での撮影•録音•録画 235
1 撮影•録画禁止 法的根拠はあるか 235
2 撮影•録画物のその後の利用は規制されうるか 236
3 どこまで規制し、どこまでオープン するか 237
5-13 ワークショップなど参加型イベントと模倣•事故 238
1 ワークショップなどの模倣 どう対処するか 238
2 事故その他のトラブルへの対処 239
参考文献 240
第 6 章 インターネット241
6-1 インターネット•ビジネスと法実務 242
1 インターネットの利用市場 242
2 主なプレーヤー 242
3 インターネット•ビジネスの法実務 243
6- 2 音楽配信•動画配信と権利処理 245
1 音楽配信 245
2 動画配信 247
コラム デジタルアーカイブ 249
6- 3 インターネット•ビジネス一般 関する著作権問題 252
1 商品の写真 252
2 応用美術/表紙•ジャケット 252
6- 4 DRM (デジタル著作権管理)と法規制 254
1 「コピー•コントロール」と「アクセス•コントロール」の概要 254
2 違反時の責任 255
6- 5 プロバイダ責任制限法 よる削除請求や発信者情報開示請求 257
1 ネットでの被害の相談を受けたら? 257 目
2 実務的対応 258 次
3 発信者情報開示制度の見直し 向けた動き 258
6- 6 オンライン海賊版 260
1 オンライン海賊版の現状と対策 260
2 総合的な対策 262
3 各種対策とその限界(広告規制、CDN 対応、フィルタリング) 263
4 サイトブロッキングをめぐる議論 266
6- 7 リンク規制とリーチサイト問題 271
1 リンクと著作権侵害 271
2 リーチサイトとは 271
3 リーチサイト規制 272
4 実務上のポイント 273
6- 8 ダウンロード違法化 274
1 録音•録画の違法ダウンロード 関する現行法 274
2 静止画の違法ダウンロード 関する議論 274
3 刑罰化 275
4 令和 2 (2020) 年著作xx改正 275
6- 9 まとめサイト/キュレーション•メディア 277
1 概 要 277
2 著作権侵害 277
3 過去の事例 279
4 情報の信頼性 279
6-10 ソーシャルメディア/投稿サイト(メディア側の視点) 281
1 利用規約 281
2 利用規約の内容 281
6-11 ソーシャルメディア/投稿サイト(ユーザー側の視点) 283
1 第三者 よる二次利用 283
2 他者のコンテンツの利用 283
6-12 「歌ってみた」と包括契約 286
6-13 デジタル技術を介した「実演」 288
1 ボーカロイドその他の合成音源 288
2 VTuber 289
3 その他 290
6-14 プロバイダ•モールの責任 291
1 責任の一般論 291
2 個別の事例 おいて責任を認めた裁判例 291
目 6-15 オープンソース化/パブリックライセンス 293
次 1 オープンソース化 293
2 パブリックライセンス 294
6-16 プラットフォームと独禁法規制 296
1 プラットフォーマーと利用規約 296
2 プラットフォーマーと独占禁止法 297
6-17 青少年保護•フィルタリング 299
1 インターネット おける青少年保護 299
2 フィルタリング 299
6-18 名誉毀損•プライバシー侵害•忘れられる権利 301
1 名誉毀損 301
2 プライバシーの権利とは 301
3 GDPR の「忘れられる権利」 302
4 日本ではどうか 302
コラム 個人情報保護/GDPR 304
6-19 国際裁判管轄•準拠法 305
1 管轄と準拠法 305
2 契約がない場合 305
3 契約 よる管轄と準拠法の定め 306
6- 20 ビッグデータ 308
1 ビッグデータとは 308
2 ビッグデータとプライバシー 308
3 ビッグデータ解析のための著作権の適用除外 309
6- 21 人工知能と著作権 311
1 人工知能の概要 311
2 AI 生成物の位置づけ 311
3 AI 生成物の利用 313
参考文献 314
第 7 章 美術•写真315
7-1 アート•ビジネスと法実務 316
1 アート市場 316
2 主なプレーヤー 316
コラム アート・オークション 318
3 アート•ビジネスの法実務 319
7- 2 著作物性①:美術の著作物 321
1 現代美術 321 目
2 著作物性の有無と作品の保護 322 次
7- 3 著作物性②:写真の著作物 324
1 写真の著作物性 324
2 被写体の位置づけ 326
3 権利処理の要否 326
コラム 権利処理 327
7- 4 著作物性③:エンブレム 330
1 文字デザインと著作権 330
2 エンブレム問題 331
3 炎上対策 332
7- 5 制作上の問題①:作品制作と著作権 334
1 作品制作の手法 334
2 著作xxとの関係 335
7- 6 制作上の問題②:写真の加工 337
1 写真の加工方法 337
2 著作権 関わる問題 337
7- 7 素材①:肖像権 339
1 判例の考え方 339
2 死者の肖像権 340
7- 8 素材②:パブリシティ権 341
1 判例の考え方 341
2 死者のパブリシティ権 342
3 実務上の対応 342
7- 9 素材③:神社仏閣 343
1 神社仏閣での撮影 343
2 神社仏閣での撮影物の利用 343
7-10 利用①:美術館等 おける作品の利用 345
1 作品の展示 345
2 小冊子•図録 345
3 グッズ(絵葉書、カレンダー等) 346
4 撮影•SNS での利用 346
5 販売の際の紹介 347
7-11 利用②:展覧会契約 348
1 展覧会契約の類型 348
2 展覧会の開催 348
3 物 販 351
目 7-12 利用③:作品の応募 352
次 1 応募者の視点 352
2 主催者の視点 352
7-13 その他①:著作権管理 354
1 著作権管理の実際 354
2 面積比例型 355
3 販売価格料率型 355
4 期間対応型 356
7-14 その他②:追及権 358
1 追及権の考え方 358
2 追及権の概要と導入状況 358
7-15 その他③:デジタル技術とアート作品 360
1 3D プリンタ 360
2 ブロックチェーン よるコンテンツマネジメント 361
参考文献 363
第 8 章 ファッション365
8-1 ファッションビジネスと法実務 366
1 Fashion Law とは 366
2 ファッションビジネスの概要と主なプレーヤー 366
8- 2 ファッションデザインの法的保護とトレンドの存在 371
8- 3 まずはデザインが「模倣」されているかを確認しよう 373
1 もしあなたが自社デザインとよく似た商品を見つけたら 373
2 「実質的 同一」のファッションデザイン 374
3 「3 号」の弱点 377
8- 4 広く知られたファッションデザインの保護 379
1 商品の外観はそもそも何のため デザインされているのか? 379
2 商品のデザインと不正競争防止法 2 条 1 項 1 号•2 号 380
3 不正競争防止法 2 条 1 項 1 号•2 号とファッションデザインの保護 380
4 立体商標 よるファッションデザインの保護 381
5 広く知られた模様、テキスタイルデザイン 382
6 まとめ 383
8- 5 ファッションデザインは著作物か 384
1 応用美術の著作権保護の現状 384
2 ファッションデザインの著作権保護厳しい日本 385
8- 6 ファッションデザインと意匠権の相性の悪さ 388
1 出願•登録要するコスト 388 目
2 時間のズレ 388 次
3 新規性喪失とグレースピリオド 389
8- 7 ファッションブランドと商標パロディ 391
参考文献 393
第 9 章 ゲーム395
9-1 ゲーム業界と法実務 396
1 ゲーム市場 396
2 主なプレーヤー 398
3 ゲームビジネスの法実務 400
9- 2 ゲーム含まれる著作物 403
1 ゲームのルール 403
2 イラスト•キャラクター等のデザイン 403
3 ゲームソフトの影像 404
コラム 棋譜の著作物性
衽衲将棋大会の中継から棋譜の著作物性を考える 404
9- 3 オンラインゲーム 407
1 オンラインゲームとアイテム課金 407
2 ゲーム内通貨と前払式支払手段の該当性 407
3 追加コンテンツと前払式支払手段の該当性 408
9- 4 ガチャ 関する規制 410
1 コンプガチャ規制 410
2 確率表記の問題 411
3 ガチャ等のオンラインゲーム よる依存症問題と世界的動向 412
9- 5 RMT 414
1 RMT をめぐる諸問題と法律 414
2 ゲームメーカー よる取り組み 415
9- 6 クレーンゲーム 417
1 クレーンゲームと風営法 417
2 オンラインクレーンゲームと風営法 418
9- 7 VR ゲーム 420
1 VR の概要とゲームへの活用 420
2 VR コンテンツ制作時 おける写り込み 420
3 VR アトラクションと風営法 421
4 VR よるトラッキング技術とプライバシー 421
5 VR 酔いと年少者の健康リスク 422
目 9- 8 e スポーツ 423
次 1 e スポーツ産業 423
2 日本の e スポーツ産業の展開を阻む法律 423
コラム e スポーツ選手を取り巻く特殊な労働環境 426
参考文献 429
第 10 章 スポーツ431
10-1 スポーツビジネスと法実務 432
1 スポーツ市場と主なプレーヤー 432
2 スポーツビジネスの法実務 435
10- 2 スポンサー契約 438
1 スポンサー契約とは 438
2 スポンサー契約の主な内容と注意点 439
3 サプライヤー契約の主な内容と注意点 440
4 アンブッシュ•マーケティング 441
5 ネーミングライツ 442
10- 3 商品化権 444
1 スポーツビジネス おける商品化の具体例 444
2 商品化許諾契約の主な内容と注意点 444
10- 4 放映権 446
1 スポーツ中継をおこなう権利 446
2 スポーツ中継映像 関する権利 447
10- 5 大学スポーツと商業化 449
1 大学スポーツ協会(UNIVAS) 449
2 大学スポーツのブランディングとスポンサー契約の内容 449
3 学生選手の権利•法的地位 450
10- 6 代理人(エージェント) 452
1 代理人選任のメリット•デメリット 452
2 代理人登録制度 452
3 代理人の行為規制と代理人契約 454
コラム トッププロ選手の破産と資産管理 454
10- 7 スポーツと事故•怪我 457
10- 8 スポーツとハラスメント 459
1 スポーツ界特有の事情 459
2 パワハラ防止法 459
3 事実認定の困難性 460
10- 9 スポーツとマイノリティ 462 目
1 トランスジェンダー 462 次
2 先天的体質 463
3 男女賃金格差 463
4 外国人枠•帰化枠 463
10-10 スポーツと紛争解決 465
1 スポーツ 関する紛争の内容 465
2 紛争解決機関 465
3 紛争解決機関の選択 467
参考文献 468
あとがき | 469 |
事項索引 | 471 |
判例索引 | 476 |
編著者・著者プロフィール 479
【凡例】
・法令等の名称に言及する場合は、「独禁法」「景xx」「プロバイダ責任制限法」といったように、一般に定着した略語を用いている。
・判例および裁判例に言及する場合は、近年においてはデータベースによる検索が容易となっていること、および紙幅の制約に鑑み、原則として出典を省略し、年月日のみ示している。
・年号は西暦を原則としたが、判例および裁判例や官公庁の公表にかかる資料などについては元記載に倣い和暦で記しているほか、法改正にかかる年号については和暦と西暦を併記している。
章
1- 4 l
対象となる法領域①:エンタテインメント契約 総論
l
-4
エンタテインメント法の対象領域として冒頭で挙げるべきは、エンタテイ
対
ンメントをめぐる各種の契約実務だろう。一言で要約してしまうなら、エン 象
と
る
タメ・ビジネスと呼ばれる世界では、離合集散する極めて多様なプレーヤー な
法
たちの間の、定型・不定型など無数のバリエーションの、文書・口頭・暗黙 領
域
での契約合意(および合意とは呼べない何らかの了解や空気)によってすべて ①
¨
ン
が動いている。1- 3 の表 1-3-1 ではこの無数の契約の広がりを、強引にい エ
タ
くつかのタイプに分けてみたが、以下でそれらを詳しく見てみよう。 テ
イン
ン
1 ライセンス契約 メ
ト契
第 1 の「ライセンス契約」は、おそらく全エンタテインメント分野を通 約
じて最頻出の契約タイプだろう。つまり、〈既存の作品や情報を利用する許可に関する合意〉である。記載した通り、書籍の出版契約(}} 171 頁「出版権設定契約」ほか)もライセンスなら、後述するハリウッドとの映画化契約もライセンスである。また、JASRAC(日本音楽著作権協会)から曲の利用許可を得ることは、多くの担当者は「手続」程度に考えているだろうが、立派な著作物の利用許可でありライセンスである。よって、同協会は許諾条件を公表しており、利用申請をする者はこの契約条件に従ったライセンスを取得する(}} 151 頁「JASRAC 処理の実際」)。
作品をそのままの形で利用するだけでなく、マンガに基づくアニメや小説に基づく TV ドラマなど、今はエンタメ・ビジネスにとって大本流と化した “原作もの”では、広く「原作使用契約」と呼ばれるライセンス契約が交わされる(}} 29 頁「オリジナル/摸倣、原作もの、著作権炎上」)。
こうした原作使用契約で最もタフな交渉となるのは、おそらく日本のマンガや小説・映画などをハリウッドや配信プラットフォームがリメイクする際の映画化の契約だろう。これはしばしば数十ページかそれ以上に及ぶ長大な英文契約と付属文書の形をとり、相手方の用意する契約書案は極めて先方有利に組み上がっていることが一般的だ(}} 98 頁「海外ライセンス契約」)。日
第
l 本の原作者が相手方に付与する権利は単に映画を一本制作する許可ではなく、
章
総 広く映像作品、さらにはゲーム化・商品化・関連出版や舞台化などを含む複論 合的な独占権であり、その期間は半永久、地域は全世界である。こうなると事はライセンス(許可)を超えて、著作権自体の譲渡と実質的にはあまり変
l わらなくなるし、実際に著作権譲渡の形をとるものもある。日本国内の映画
4-
化ライセンスの発想で気楽にサインなどすれば、大変な損失を蒙ることもあ
対
象 りうるので、交渉には十分な知識とリソースを注ぎ込む必要がある。
と
な
法
る 2 業務に関する契約
領域
¨
① 第 2 に「業務に関する契約」が挙がる。代表例は舞台・映像などへの出
ン
エ 演契約だ。また、技術スタッフへの委託契約もここに入る。当事者は個人に
タ
テ 限らないので、ダンスカンパニーやオーケストラへの公演の委託契約も含ま
イ
メ
ン れる。この分野でタフな交渉の代表格は「国際ツアー契約」(}} 210 頁「招
ン
ト 聘(公演委託)契約」ほか)だ。たとえばブロードウェイ・ミュージカルのツ
契
約 アー公演やヨーロッパの歌劇場の来日公演などは、多いときで 100 名以上
が資材とともに一気に日本に移動し、初めての劇場で短期間で公演を準備し 実行し、ことによると国内を巡回し、その収益を日本側の主催者と分け合う。初日の開幕は、1 日はおろか 1 時間遅れても致命傷(チケットの全額リファン ド)となりかねない。契約書は時に 100 頁にも及ぶ長大なもので、来日キ ャンセル・各種トラブルの責任と損失分担を筆頭に、エンタテインメント界 でも最も高リスクの文書のひとつである。当然ながら、相手から提示される ドラフトは「一方的」の代名詞のような内容であることが多い。
ライブイベントはまさに「生もの」であり、天候や出演者の心身の状態に大きく左右されるなど、国内の大規模コンサートであれ小規模なダンス公演であれリスクが大きい点では変わらない。
3 作品/情報の委嘱の契約
第 3 の「新たな作品/情報の委嘱の契約」としてまとめたのは、文字通り作品や素材を制作することを他者に発注するための契約である。新曲や美術作品の委嘱、広告やウェブ制作の発注などこのジャンルの契約も多い。代表格としては映画の制作委託契約が挙げられるだろう。同じ「委託契約」という言葉が登場したことから、第 2 の「業務の契約」と同じではないかと
第
いう気もする。実際、両者は一体にまとめてもよいのだが、違いを挙げると l
章
すれば、ここでは業務をおこなう個人・団体より、制作され納品される作品 総
の方が主役だという点だろう。 論
出演契約や公演委託契約では、「いつ・どこで・誰が・何を」が重要であ
る。前述した通り、1 日遅れで出演アーティストが到着しても通常ほとんど l
-4
意味はないし、逆に、その時その場でその人物が予定のパフォーマンスをし
対
てさえいれば、出来は多少良かろうが悪かろうが契約違反という話にはなり 象
と
る
にくい(もちろん、少しでも良くするために一同全力を挙げるのだが)。他方、 な
法
映画の制作の場合、一定の原作に基づき指定されたキャストを含む、指定さ 領
域
れた尺その他の仕様を満たす映像作品が約束の期限までに納められることが ①
¨
ン
最も重要で、そのためにどこで誰が作業したか、途中何日徹夜したかは(こ エ
タ
れまた当然がんばるわけだが)必ずしも問われない。ここでの要素は「納期と テ
イ
メ
仕様」なのである。その意味で、第 2 の「業務の契約」は民法上の「準委 ン
ン
任」や「雇用」と親和性が高く、第 3 の「委嘱の契約」は「請負」と親和 ト
x
性が高いとはいえるだろう。 約
ただし、これはあくまで親和性の話だ。エンタテインメント契約の中には、民法上の 13 の典型契約にそのままきれいに収まるものは少ないと思った方 がいいし、逆に法律家が登場して現場の契約を「典型契約のこれである」と 無理やり規定して、それに従った運用を厳格に指導することには要注意だろ う。たとえば、明らかに雇用契約であるものを対象に労働法からの逸脱につ いて注意喚起することは極めて正しいが、「実態が明らかに複合的・非典型 的な合意」を強引に特定の契約モデルに押し込めて解釈しようとするのは、 契約自由の否定になりかねない。1 で挙げたライセンス契約は「賃貸借類 似」とよく言われるが、有体物を対象とする賃貸借とは、無体の情報財を対 象とする時点でまったく同じわけはないし、たいていは極めて多様な付帯合 意を伴うものだ。
4 共同でおこなう事業の契約
第 4 は「共同でおこなう事業の契約」とした。これも一概にほかのタイプと分けられるものではないが、対向的というよりは同じ方向を向いて共に業務や責任を分担し、収益を分かち合うタイプが念頭に置かれる。共同性はある意味でエンタメ・ビジネスの本質であり、このタイプの契約はあらゆる
第
l ジャンルで(そしてジャンル横断でも)よく見られる。
章
総 典型例は、映像分野での製作委員会契約だろう。日本映画では、いわゆる論 メジャー配給の作品の 90 数%までは複数の事業者による共同製作の形をとり、これを製作委員会契約という(}} 83 頁「製作委員会契約とは」)。ライブ
l イベントの分野での共催契約も、この典型だ。そこでは複数の事業者はイベ
4-
ントの「主催」(または「共催」)として名を連ね、(「名義主催」という固有の
対
象 慣行の場合を除けば)イベントに要する経費を共同で出資し、制作・進行・
と
る
な 営業・宣伝などの業務を分担し、通常はその出資割合に応じて、興行上の収
法
領 益を分け合い損失が生ずれば負担する(}} 205 頁「舞台作品を制作し、上演
域
① するための契約」)。その実態は民法上の組合契約であることが多いだろうが、
¨
ン
エ 前述の通り、現場では様々な変容を受けている。
タテ
ン
イ 5 資金の調達のための契約
メン
ト 第5 は「資金の調達のための契約」であり、業務の分担などは基本的に
契
約 なく、単に一方が他方に資金を提供する場合を意図している。このタイプは
大きく「ローン」「出資」「スポンサー」「助成」に分けることができるだろう。
「ローン」はいうまでもなく元本弁済が約束された資金であって、銀行との消費貸借契約などが典型例である。
「出資」は逆に生じた収益に応じて配当を受けられる、元本の保証されない資金提供である。「映画ファンド」と呼ばれるものはこの典型であり、広くいえば製作委員会契約のメンバーにも、単なる出資者に限りなく近い存在もある(金商法の適用場面となる。}} 86 頁「他の映画ファンドの態様、金商法」)。匿名組合、日本版 LLC(合同会社)、日本版 LLP(有限責任事業組合)など理論上は他の契約タイプもあるが、実は日本エンタメ界の資金調達手段の大半は、(単なる借入を除けば)共同事業の形であり、設立や清算の手続が煩雑と考えられているためか、LLC や LLP の活用例は本稿執筆時点では決して多くない。
「スポンサー」は文字通りで、ある事業に純然と資金を提供し返済や配当は求めないタイプの取り決めである。それでも営利事業の一環としておこなわれる以上見返りは存在しており、通常は広告効果が目的である。番組スポンサーなどはその典型例で、番組前後でのクレジットや特定の CM 枠がス
第
ポンサー料の見返りとして与えられるだろう。そこまで大規模でなくとも、 l
章
たとえば事業名称にスポンサー企業名を冠したり(冠スポンサー)、宣伝広告 総
物にクレジットが表記されたり、当日の招待券や各種の記念グッズの提供 論
(逆にスポンサー企業側での提携グッズの製作権)など、実に様々な「スポンサ
ー・ベネフィット」が提供される。オリンピックやワールドカップの公式ス l
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ポンサーを筆頭として、それはエンタメ・ビジネスの巨大な一翼であり、こ
対
の部分で中心的な役割を果たすのが大小の広告代理店である。 象と
る
「助成」の果たす役割も、非営利セクターを中心に拡大を続けている。こ な
法
ちらはほぼ一切の見返りなく、当該事業の文化的その他の価値に注目して支 領
域
援のために提供される資金であり、その中心的役割を担うのは政府・自治 ①
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体・各種の助成財団(国際交流基金・セゾン文化財団・日本財団など)である エ
タ
(}} 57 頁「芸術振興・支援に関わる法制度」)。イベント・美術・映像から出 テ
イ
メ
版・スポーツに至るまで、こうした助成金の果たす役割は限りなく大きい。 ン
ン
見返りがない代わりに、助成を受ける側は資金使途の明瞭化とともに、一定 ト
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の芸術上・文化上の成果の説明責任を求められる。 約
「協賛」「後援」などの用語もエンタメ・ビジネスでは頻出の概念だ。前者は資金の提供者に用いられることが多いクレジットで、スポンサー的な資金から助成的な資金まで、かなり幅広く用いられる。後者は資金以外の協力
(会場の低廉な提供や移動・輸送手段の提供など)者に用いられることの多いクレジットである。ただ、両者とも、単にイベントの趣旨に賛同しているだけの存在に対してもしばしば用いられる。
6 その他の契約
その他、実に多様な契約がエンタメ・ビジネスには存在しており、各章で 紹介していきたい。それらは、様々なジャンルにまたがり名称も様々である。とはいえ、同じタイプである以上、実は共通する条文や注意点は少なくない。つまり、たとえばあるタイプのライセンス契約に精通すれば、他の分野でも 応用が利く。本書の各章でも各ジャンルでの典型的な契約について解説が続 くが、そのうち同じタイプの契約(あるいは同じ契約要素)については、多 かれ少なかれ他の分野の契約にも応用できるという視点で読んでいただくと よいかもしれない。
また、その前提として、「自分が現在起案(ドラフト)している、あるい