Contract
2024 年 6 月 18 日
各 位
株式会社 三十三銀行
学校法人三重中央学園との「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約締結について
株式会社三十三銀行(頭取:xx xxx)は、持続可能な社会の実現に貢献することを狙いとして、学校法人三重中央学園(理事長:xx xx)と「ポジティブ・インパクト・ファイナンス(※)」契約を締結しましたのでお知らせいたします。
本件の取り組みにあたっては、株式会社三十三総研(社長:xx xx)がインパクト分析・特定のうえ評価書を作成し、株式会社日本格付研究所がポジティブ・インパクト金融原則との適合性を確認しました。今後も「三十三フィナンシャルグループSDGs宣言」のもと、企業活動を通じてSDGsの達成に貢献することで、持続可能な社会の実現に努めてまいります。
(※) 企業活動が「社会・経済・環境」のいずれかに与えるインパクトを包括的に分析・特定し、ポジティブインパクトが期待できる活動と、ネガティブインパクトを低減する活動を支援するもので、借入人様によるSDGs達成への貢献度合いを評価指標とし、借入人様から情報開示を受けながら当行がその過程を定期的にモニタリングするものです。
1. 融資概要
(1) 契約日
(2) 融資金額
(3) 期間
(4) 資金使途
2024年6月18日
50百万円
5年
運転資金
2. 借入人概要
学校法人三重中央学園
xxxxxxxxxx0xx0-00
当校は、三重県四日市市にて美容・理容専門学校(xx・ヘア・アーチストアカデミー)を、四日市市と鈴鹿市にてサロン(美容院)4店舗の経営を行っており、以下3つの特色を有していることから県内はもちろん県外からも多くの生徒が集まる学校となっている。
1点目…経験豊富な講師、現役美容師が講師を務める。
2点目…結婚式場を貸切り「ブライダルヘアメイクショー」を実施。
3点目…全国トップクラスの美、理容師国家資格の合格率を誇る。
(校舎外観)
49名(2024年3月現在)
(美容科の実習風景)
(4) 従業員数
(3) 事業内容
(2) 所在地
(1) 企業名
3. 特定インパクトと測定するKPI
(1) 経済面・ 社会面 |
(2) 社会面 |
(3) 社会面 |
(4) 環境面 |
包摂的で健全な経済(ポジティブ)、雇用(ポジティブ)
∙ 2029 年までに女性管理職の人数を 5 名に増加させる。
(2024 年 3 月時点:2 名)
∙ 2029 年の地元の就職希望者の採用人数を 10 名に増加させる。
(2024 年 4 月の地元の就職希望者採用人数:6 名)
教育(ポジティブ)
∙ 2029 年までに美容師国家試験合格率を 100%まで向上させる、 2029 年まで理容師国家試験合格率 100%を維持する。
(2023 年美容師国家試験合格率:98.2%、理容師国家試験合格率:100%)
∙ 2029 年まで就職内定率 100%を維持する。
(2023 年就職内定率:100%)
xx・xx(ネガティブ)、雇用(ネガティブ)
∙ 2029年までに一人当たり月平均時間外労働時間を20時間に削減する。
(2023年実績:31.5時間)気候(ネガティブ)
∙ 経営するサロンでの電気使用量を把握し、2025年までに今後の
削減目標を設定する。
2026年以降は、エアコンと照明を省エネルギーモデルエアコンとLED照明に切り替える等目標達成のための取り組みを行う。
4. お問い合わせ先
(1) 三十三銀行
担当部署担当者
連絡先
ソリューション営業部xx
059-354-7144
(2) 三十三総研
担当部署
担当者連絡先
調査部xx
059-354-7102
コンサルティング部xx
059-351-7417
以 上
ポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書
2024 年6月 18 日株式会社三十三総研
三十三総研は、三十三銀行が、学校法人三重中央学園に対してポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施するにあたって、学校法人三重中央学園の活動が、環境・社会・経済に及ぼすインパクト(ポジティブな影響およびネガティブな影響)を分析・評価しました。
分析・評価にあたっては、株式会社日本格付研究所の協力を得て、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱した「ポジティブ・インパクト金融原則」及び ESG ハイレベル・パネル設置要綱第2項(4)に基づき設置されたポジティブ・インパクト・ファイナンスタスクフォースがまとめた
「インパクトファイナンスの基本的考え方」に則ったうえで、中小企業※に対するファイナンスに適用しています。
※IFC(国際金融公社)または中小企業基本法の定義する中小企業、会社法の定義する大会社以外の企業。
目次
1.評価対象の概要 2
2.学校法人三重中央学園の概要 2
2-1.基本情報
2-2.教育理念と事業内容
2-3.サスティナビリティに関連する活動
3.UNEP FI インパクトレーダーとの関連性 11
3-1.経済面のインパクト
3-2.社会面のインパクト
3-3.環境面のインパクト
4.特定インパクトと測定する KPI 14
4-1.経済面・社会面(ポジティブ)
4-2.社会面(ポジティブ)
4-3.社会面(ネガティブ)
4-4.環境面(ネガティブ)
4-5.その他KPI を設定しないインパクトについてSDGsとの関連性
5.サスティナビリティ管理体制 18
6.モニタリング 18
7.総合評価 18
1.評価対象の概要
企業名 | 学校法人三重中央学園 |
借入金額 | 50,000,000 円 |
資金使途 | 運転資金 |
契約日及び返済期限 | 2024 年6月 18 日 ~ 2029 年6月 15 日 |
2.学校法人三重中央学園の概要
2-1.基本情報
本社所在地 | xxxxxxxxxx0xx0-00 |
従業員数 | 49 名(2024 年3月時点) |
資本金 | 603 百万円 |
業種 | 技術・職業中等教育、理容及びその他の美容サービス業 |
沿革 | 1955 年 私立各種学校として三重理容美容学校を設立 1956 年 設置体を財団法人三重高等理容美容学校に改正 1965 年 設置体を学校法人三重中央学園に改正 1976 年 三重高等理容美容専門を専修学校として設立 1998 年 四日市xxxx町からxxxに校舎を新築移転xx・ヘア・アーチストアカデミーと名称変更 2020 年 創立 65 周年 |
経営サロン | ・Kulm by Luccica xxxxxxxxx 00-00 xxxxxxxxxxx0X ・Luccica PARIS xxxxxxxxx0xx0-00 XXXXX xx0X ・Luccica HAWAII xxxxxxxxxxxxx 0000 ・Charme by Luccica xxxxxxxxx 0 xx0-00 xxxxxxxx0X |
2-2.教育理念と事業内容
【教育理念】
「珠玉感謝」
【代表挨拶】
2024 年に創立 69 年を迎えたxx・ヘア・アーチストアカデミーは、様々な歴史を歩んで参りました。時代で変化し続ける美容の技術を理想的な設備で、基礎教育と実践教育を行い卒業後はサロンで活役出来る学生の育成を目指します。
笑顔と自分に関わった方に感謝の気持ちを持つ事が出来る人になっていただきたいと思います。
理事x xx xx
【事業内容】
学校法人三重中央学園(以下、三重中央学園)は、三重県四日市市にて美容・理容専門学校
(xx・ヘア・アーチストアカデミー)を、四日市市と鈴鹿市にてサロン(美容院)4店舗の経営を行っている。xx・ヘア・アーチストアカデミーには以下の3つの特色があり、県内はもちろん県外からも多くの生徒が集まる学校となっている。
1点目は、経験豊富な講師陣を揃えていることである。日々サロンでお客様と接する現役の美容師が講師を務めることで最新のトレンドを学ぶことができる環境を整えている。
xx・ヘア・アーチストアカデミーの特色①
2点目は、年2回の結婚式場を貸し切って行われる「ブライダルヘアメイクショー」を実施していることである。学生が企画からヘアメイク、着付けまでプロデュースするxxイベントであり、学んだ技術を発表するだけでなく、業界やウェディングのトレンドを考えるきっかけにもなっている。
xx・ヘア・アーチストアカデミーの特色②
3点目は、全国トップクラスの美、理容師国家試験合格率を誇っていることである。xx・ヘア・アーチストアカデミーではxxの経験に基づく万全の試験対策と業界に精通した講師によるサポートを行うことで全国でも有数の合格実績を有している。
xx・ヘア・アーチストアカデミーの特色③
また、xx・ヘア・アーチストアカデミーのコースは美容科と理容科の2コースがあるほか、課程も昼間課程と通信課程の2種類から選択することができ、昼間課程はプロとして実社会で幅広く活躍する技術を習得するためのコース、通信課程は既に美・理容院で働いている人々の技術習得のためのコースとなっている。また、経営するサロンでは経験豊富なスタイリストと最新の設備による施術を提供しており、多くの顧客から好評を得ている。
三重中央学園が経営するサロン
三重中央学園が経営するxx・ヘア・アーチストアカデミーでは以下のような学科構成で生徒の技術習得をサポートしている。
美容科
美容科では美容業界で幅広く活躍するために必要な理論、基本テクニックを習得できるほか、サロンでの最先端技術など幅広い経験を積むことが可能である。具体的には、カット、パーマ、シャンプーなどの基礎実習はもちろん、三重中央学園が経営するサロンにて行われるサロンワークを通じて実践的な経験を積むことができる。また、メイクアップやヘアメイク、ブライダルなど多岐に渡る美容業界のトレンドに対応できるよう様々な知識や経験を積むことができる選択授業も導入している。
美容科の実習風景
サロンで行われるサロンワーク
理容科
理容科ではカミソリを使ったシェービングやxx単位のカット技術など理容師としての高度な技術から、カラーやパーマなどの基本技術を習得できるコースとなっているほか、サロンでの実践授業でトレンドの最先端を学ぶことも可能である。
理容科の実習風景
専門科目
美容に関する専門技術はメイクアップ&カラーコーディネート、ブライダル、ネイルなど多岐に渡る。そのような技術の習得に対する学生のニーズに応えるためxx・ヘア・アーチストアカデミーでは、様々な選択授業を導入している。例えばメイクアップ&カラーコーディネート授業ではプロ仕様の教材を使って基礎から応用までを徹底的に学習できるほか、日本メイクアップ技術検定やA・F・ T(Advance Forward True Colors)色彩検定の資格を習得することも可能である。これらの専門技術は理・美容の仕事全般に役立つほか、希望する業界への就職のために活用することができる。
メイクアップ&カラーコーディネートのイメージ
また、三重中央学園ではxx・ヘア・アーチストアカデミーの卒業生を中心としたサロンを四日市市と鈴鹿市で4店舗経営している。
Luccica PARIS(四日市市)の外観と内装
2-3. サスティナビリティに関連する活動
【学生への資格取得支援の実施】
美容師、理容師になるためには、美容師法、理容師法に規定された美容師養成施設・理容師養成施設を卒業し、美容師国家試験、理容師国家試験に合格しなければならない。2023 年美容師、理容師国家試験の全国平均合格率はそれぞれ 86.5%、81.9%であるが、xx・ヘア・アーチストアカデミーではカリキュラムの効率化や少人数での個別指導の実施、定期テストによる進捗状況の確認など合格率向上のための取り組みを行っており、その結果、xx・ヘア・アーチストアカデミーの美容師、理容師国家試験合格率はそれぞれ 98.2%、100%と全国平均よりも高い合格率を誇っている。
免許取得までの流れ
【女性の活躍推進】
xx・ヘア・アーチストアカデミーとサロンを経営する三重中央学園では女性従業員が多く(2024年3月時点 32 名)、学園の運営のためには女性の活躍が不可欠である。そのような背景から、三
重中央学園では女性管理職の増加を推進しており、具体的には現在2名の女性管理職を 2029年までに5名に増加させる方針である。
【学生への就職支援】
xx・ヘア・アーチストアカデミーでは、校内就職ガイダンスの実施や後援会サロン(数あるサロンの中から、就労条件や教育制度、職場環境など同学園が定めた環境が整っているサロンのみ入会できる後援会システム)の求人情報の発信などを通じて就職内定率 100%を誇っており、今後も校内ガイダンスの実施や後援会サロンの求人情報の発信などの取り組みを通じて就職内定率 100%の維持を目指す方針である。
三重中央学園HPより
【新卒採用による地元雇用の創出】
三重中央学園では事業拠点のある三重県四日市市、鈴鹿市にて新卒採用を行っており、2024年にはxx・ヘア・アーチストアカデミーにて2名、経営するサロンにて4名の新入社員が入社した。今後も引き続き若手従業員を積極的に採用し、スキルを磨き上げることで、サービス及び経営体制の強化を進める計画である。
【健康経営への取り組み】
三重中央学園では、xx・ヘア・アーチストアカデミーとサロン双方の従業員が長く活躍できる職場環境を守る施策を推進しており、健康診断の全生徒、従業員への受診義務化や人間ドック受診者の受診費用の補助を通じた健康経営を推進している。
【働きやすい労働環境の整備】
①有給休暇の取得推進
三重中央学園の 2023 年の有給休暇の取得状況については、年次有給休暇が 10 日以上付与されている従業員に関しては年間5日間以上を全従業員が取得している。また、女性従業員が多いことから、産前、産後休業や育児休業などの取得を推進しており、2023 年は該当女性従業員の 100%が産休、育休を取得している。2023 年の男性社員の育休取得者は対象者 1 人のうち取得者1名となっている。以上のような取り組みの推進を図ることで出産や育児などで休業する従業員が復帰しやすい職場環境を醸成している。
②時間外労働時間の削減
2023 年の一人当たり月平均時間外労働時間は約 35 時間であり、法令を遵守している。ワークライフバランスの観点から、さらなる時間外労働時間の削減にも取り組んでいる。具体的な取り組みとして、学校の教職員向けの勤怠管理システムの導入や従業員が行っていたサロンの清掃を外注するなど、学校とサロン双方の従業員の時間外労働時間の削減に向けた取り組みを推進することで、2029 年には一人当たり月平均時間外労働時間を 20 時間まで削減させる方針である。
【省エネルギー化の推進】
三重中央学園ではxx・ヘア・アーチストアカデミーの校舎のエアコンを全て省エネルギーモデルに入れ替えたほか、職員室を除く全ての照明を LED 化しており、省エネルギー化推進前と比較して約 45%の光熱費の削減に成功している。今後は経営するサロンでも電気使用量の見える化と電気使用量の削減目標の設定を行うことで、エアコンを全て省エネルギーモデルに入れ替え
る、全ての照明を LED 照明に切り替える等さらなる使用電力量の削減に取り組んでいく方針である。
【廃棄物の削減】
三重中央学園全体では、授業や練習で使用したマネキンの再利用を、サロンでは、ヘアカラー剤使用量をマニュアルに基づいた量にすることで無駄なヘアカラー剤の使用を未然に防ぐ取り組みなどを行い、廃棄物の削減に貢献している。今後は、ヘアカラー剤の使用量の削減をxx・ヘ ア・アーチストアカデミーでも行うことで廃棄物の削減に関する取り組みの徹底を行っていく方針である。
【地域社会への貢献】
三重中央学園は、三重県四日市市でxx・ヘア・アーチストアカデミーを運営しているほか、三重県四日市市と鈴鹿市でサロンを経営し、そこで同校の卒業者を中心とした雇用も行うなど地域社会の発展に貢献している。その他にも近隣の中学校の職業体験の受け入れ、高等学校の進路ガイダンスの実施や学校見学会の受け入れを行うなど、地元のコミュニティーと積極的に交流を行っている。
3.UNEP FI インパクトレーダーとの関連性
本ファイナンスでは、三重中央学園の事業について、国際標準産業分類における「技術職業・中等教育」、「理容及びその他の美容サービス業」として整理した。その前提のもとでの UNEP FI のインパクト分析ツールを用いた結果、「包摂的で健全な経済」「保健・衛生」「教 育」「雇用」に関するポジティブ・インパクト、「包摂的で健全な経済」「経済収束」「雇用」「気 候」「廃棄物」に関するネガティブ・インパクトが分析された。
一方、事業活動等を踏まえ、本ファイナンスで特定された同社のインパクトは以下の通りである。
※色の濃い項目が同社のインパクト領域
3-1.経済面のインパクト
インパクト領域 | テーマ | 活動内容 |
〈ポジティブ〉 包摂的で健全な経済 | 女性の活躍推進 | ・ダイバーシティ経営推進の観点から、女性の管理職の増加を推進 ・xx・ヘア・アーチストアカデミーの事業拠点 の雇用創出のため、xx・ヘア・アーチストア |
新卒採用による地元 雇用の創出 | カデミーや店舗のある三重県四日市市と鈴 鹿市にて毎年新卒採用を実施 | |
経済収束 | 地域社会への貢献 | ・三重県四日市市での学校運営や三重県四日市市と鈴鹿市でのサロン経営を通じて地域社会への貢献、近隣の中高生の職業体験の受け入れや高等学校への進路ガイダンス の実施など積極的な交流も実施 |
3-2.社会面のインパクト
インパクト領域 | テーマ | 活動内容 |
〈ポジティブ〉保健・衛生 | 健康経営への取り組み | ・学生への健康診断 100%受診を行っており、学生の健康管理に寄与 |
教育 | 学生への資格取得支援の実施 学生への就職支援 | ・カリキュラムの効率化や少人数での個別指導の実施、定期テストによる進捗状況の確認などを通じて全国でも有数の国家試験合格実績を実現 ・校内就職ガイダンスの実施やxx・ヘア・アーチストアカデミーが定めた環境が整っているサロンのみ入会できる後援会サロンへの就職支援により学生の就職支援を実施 |
雇用 | 女性の活躍推進 新卒採用による地元雇用の創出 | ・包摂的で健全な経済を参照 ・包摂的で健全な経済を参照 |
〈ネガティブ〉xx・xx | 健康経営への取り組み | ・xx・ヘア・アーチストアカデミーとサロンで働く従業員の健康診断 100%受診や人間ドッグ受診者への受診料の補助を通じて従業員の健康管理を推進 |
雇用 | 働きやすい労働環境の整備 | ・有給休暇取得の推奨、時間外労働時間の削減を行うことで、xx・ヘア・アーチストアカデミー、サロン双方の従業員が働きやすい労 働環境を実現 |
3-3.環境面のインパクト
インパクト領域 | テーマ | 活動内容 |
〈ネガティブ〉気候 | 省エネルギー化の推進 | ・xx・ヘア・アーチストアカデミーでは照明やエアコンを省エネルギー製品への入れ替えを実施、今後は経営するサロンでも電気使用量の見える化と電気使用量の削減目標の設定を行い、その目標の達成に向けた省エネルギー製品への入れ替え等を実施することでさらなる使用電力の削減を推進 |
廃棄物 | 廃棄物の削減 | ・授業や練習で使用したマネキンの再利用やxx・ヘア・アーチストアカデミー、サロン双方でのヘアカラー剤使用マニュアルに基づいたヘアカラー剤の使用の徹底を行うことで廃棄 物の削減に貢献 |
なお、インパクト分析ツールで発出したネガティブ・インパクトのうち、インパクトと特定しなかったものについては、以下記載の理由に基づく。
事業活動において、包摂的で健全な経済については講師における給与格差がないこと、美容院の従業員における給与格差がないこと、経済収束については教育、施術において不当な事業活動を行っていないことから、「包摂的で健全な経済」「経済収束」についてはネガティブ・インパクトとして特定しない。
4.特定インパクトと測定する KPI
三重中央学園は本ファイナンス期間において以下の通り KPI を設定する。
4-1.経済面・社会面(ポジティブ)
特定インパクト | 包摂的で健全な経済 雇用 | |
取組、施策等 | 【女性の活躍推進】 ・ダイバーシティ経営推進の観点から女性管理職の人数を増加させる。 【新卒採用による地元雇用の創出】 ・地元雇用創出のため、xx・ヘア・アーチストアカデミーやサロンのある三重県四日市市や鈴鹿市で地元の就職希望者の採用人数を増加させる。 | |
借入期間におけるKPI | ・2029 年までに女性管理職の人数を5名に増加させる。 (2024 年3月時点:2名) ・2029 年の地元の就職希望者の採用人数を 10 名に増加させる。 (2024 年4月の地元の就職希望者採用人数:6名) | |
関連するSDGs | 5.5 政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会 を確保する。 |
8.6 2020 年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。 8.8 移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。 10.2 2030 年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的 な包含を促進する。 |
4-2.社会面(ポジティブ)
特定インパクト | 教育 | |
取組、施策等 | 【学生への資格取得支援の実施】 ・カリキュラムの効率化や少人数での個別指導の実施、定期テストによる進捗状況の確認などを通じて、美容師国家試験合格率 100%への合格率の向上、理容師国家試験合格率 100%の維持を実現する。 【学生への就職支援の実施】 ・校内就職ガイダンスの実施や後援会サロンへの就職支援を通じて、就職内定率 100%の維持を実現する。 | |
借入期間におけるKPI | ・2029 年までに美容師国家試験合格率を 100%まで向上させる、2029 年まで理容師国家試験合格率 100%を維持する。 (2023 年美容師国家試験合格率 98.2%、理容師国家試験合格率:100%) ・2029 年まで就職内定率 100%を維持する。 (2023 年就職内定率:100%) | |
関連するSDGs | 4.4 2030 年までに、技術的・職業的スキル など、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。 |
4-3.社会面(ネガティブ)
特定インパクト | 保健・衛生 雇用 | |
取組、施策等 | 【時間外労働時間の削減】 ・ワークライフバランスの観点から時間外労働時間を削減する。 | |
借入期間におけるKPI | ・2029 年までに一人当たり月平均時間外労働時間を 20 時 間に削減する。(2023 年実績:31.5 時間) | |
関連するSDGs | 3.4 2030 年までに、非感染性疾患による若 年死亡率を、予防や治療を通じて 3 分の 1減少させ、精神保健及び福祉を促進する 8.8 移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、すべての労働者の権利を保護し、安全・安心 な労働環境を促進する。 |
4-4.環境面(ネガティブ)
特定インパクト | 気候 | |
取組、施策等 | 【省エネルギー化の推進】 ・環境負荷低減の観点から経営するサロンでも省エネルギー製品の導入等を行うことでさらなる使用電力の削減を推進する。 | |
借入期間におけるKPI | ・経営するサロンでの電気使用量を把握し、2025 年までに今後の削減目標を設定する。2026 年以降は、エアコンと照明を省エネルギーモデルエアコンと LED 照明に切り替える等 目標達成のための取り組みを行う。 | |
関連するSDGs | 13.1 すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靭性(レジリエンス) 及び適応の能力を強化する。 |
4-5.その他KPI を設定しないインパクトについて SDGs との関連性
事業活動 | 関連するSDGs のターゲット | SDGs の ゴール |
<経済面> 地元コミュニティーとの積極的な交流 | 4.4 2030 年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事 |
及び起業に必要な技能を備えた若者と成人 の割合を大幅に増加させる。 | ||
<社会面> 健康経営への取り組み | 3.4 2030 年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて 3 分の 1 減少させ、精神保健及び福祉を促進する | |
<環境面>廃棄物の削減 | 12.4 2020 年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。 12.5 2030 年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の 発生を大幅に削減する。 |
5.サスティナビリティ管理体制
三重中央学園では、本ポジティブ・インパクト・ファイナンスに取り組むにあたり、山本理事長を最高責任者とし、清水広報主事が中心となって日々の業務やその他活動を棚卸し、自社の事業活動とインパクトレーダー、SDGs の 17 のゴール・169 のターゲットとの関連性について検討を行った。
本ポジティブ・インパクト・ファイナンスの実行後、返済期限までの間において、山本理事長と清水広報主事を中心にKPI の達成状況を定期的に確認・協議を行うなど、推進体制を構築し、
各部署において実行していく。
最高責任者 | 理事長 山本 ゆき |
管理責任者 | 広報主事 清水 一博 |
6.モニタリング
本件で設定した KPI の進捗状況は、三重中央学園と三十三銀行の担当者が年に1回以上の会合を設けることで確認する。モニタリングの結果、当初想定と異なる点があった場合には、
三十三銀行は、同社に対して適切な助言・サポートを行い、KPIの達成を支援する。
7.総合評価
本件はUNEP FI の「ポジティブ・インパクト金融原則」に準拠した融資である。三重中央学園は、上記評価の結果、本件融資期間を通じてポジティブな成果の発現とネガティブな影響の低
減に努めることを確認した。また、三十三銀行は年に1回以上その成果を確認する。
本評価書に関する重要な説明
1.本評価書は、三十三総研が、三十三銀行から委託を受けて作成したもので、三十三総研が三十三銀行に対して提出するものです。
2.三十三総研は、依頼者である三十三銀行および三十三銀行がポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施する三重中央学園から供与された情報と、三十三総研が独自に収集した情報に基づく、現時点での計画または状況に対する評価で、将来におけるポジティブな成果を保証するものではありません。
3.本評価を実施するに当たっては、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱した
「ポジティブ・インパクト金融原則」に適合させるとともに、ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第2項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」に整合させながら実施しています。なお、株式会社日本格付研究所から、本ポジティブ・インパクト・ファイナンスに関する第三者意見書の提供を受けています。
〈本件問合せ先〉
株式会社三十三総研
調査部 研究員 古橋 健司
〒510-0087
三重県四日市市西新地 10 番 16 号第二富士ビル4階
TEL:059-354-7102 FAX:059-351-7066
第三者意見書
2024 年 6 月 18 日株式会社 日本格付研究所
評価対象: 学校法人三重中央学園に対するポジティブ・インパクト・ファイナンス |
貸付人:株式会社三十三銀行 |
評価者:株式会社三十三総研 |
第三者意見提供者:株式会社日本格付研究所(JCR) |
結論:
本ファイナンスは、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス原則に適合している。
また、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的である。
I. JCR の確認事項と留意点
JCR は、三十三銀行が学校法人三重中央学園(「三重中央学園」)に対して実施する中小企業向けのポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)について、株式会社三十三総研による分析・評価を参照し、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)の策定した PIF原則に適合していること、および、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項
(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた
「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的であることを確認した。
PIF とは、SDGs の目標達成に向けた企業活動を、金融機関が審査・評価することを通じて促進し、以て持続可能な社会の実現に貢献することを狙いとして、当該企業活動が与えるポジティブなインパクトを特定・評価の上、融資等を実行し、モニタリングする運営のことをいう。
PIF 原則は、4 つの原則からなる。すなわち、第 1 原則は、SDGs に資する三つの柱(環境・社会・経済)に対してポジティブな成果を確認できること、なおかつネガティブな影響を特定し対処していること、第 2 原則は、PIF 実施に際し、十分なプロセス、手法、評価ツールを含む評価フレームワークを作成すること、第 3 原則は、ポジティブ・インパクトを測るプロジェクト等の詳細、評価・モニタリングプロセス、ポジティブ・インパクトについての透明性を確保すること、第 4 原則は、PIF 商品が内部組織または第三者によって評価されていることである。
UNEP FI は、ポジティブ・インパクト・ファイナンス・イニシアティブ(PIF イニシア ティブ)を組成し、PIF 推進のためのモデル・フレームワーク、インパクト・レーダー、イ ンパクト分析ツールを開発した。三十三銀行は、中小企業向けの PIF の実施体制整備に際 し、三十三総研と共同でこれらのツールを参照した分析・評価方法とツールを開発している。ただし、PIF イニシアティブが作成したインパクト分析ツールのいくつかのステップは、国 内外で大きなマーケットシェアを有し、インパクトが相対的に大きい大企業を想定した分 析・評価項目として設定されている。JCR は、PIF イニシアティブ事務局と協議しながら、 中小企業の包括分析・評価においては省略すべき事項を特定し、三十三銀行及び三十三総研 にそれを提示している。なお、三十三銀行は、本ファイナンス実施に際し、中小企業の定義 を、PIF 原則等で参照している IFC(国際金融公社)の定義に加え、中小企業基本法の定義 する中小企業、会社法の定義する大会社以外の企業としている。
JCR は、中小企業のインパクト評価に際しては、以下の特性を考慮したうえでPIF 原則との適合性を確認した。
① SDGs の三要素のうちの経済、PIF 原則で参照するインパクト領域における「包括的で健全な経済」、「経済収れん」の観点からポジティブな成果が期待できる事業主体である。ソーシャルボンドのプロジェクト分類では、雇用創出や雇用の維持を目的とし
た中小企業向けファイナンスそのものが社会的便益を有すると定義されている。
② 日本における企業数では全体の 99.7%を占めるにもかかわらず、付加価値額では 52.9%にとどまることからもわかるとおり、個別の中小企業のインパクトの発現の仕方や影響度は、その事業規模に従い、大企業ほど大きくはない。1
③ サステナビリティ実施体制や開示の度合いも、上場企業ほどの開示義務を有していないことなどから、大企業に比して未整備である。
II. PIF 原則への適合に係る意見
PIF 原則 1 定義
SDGs に資する三つの柱(環境・社会・経済)に対してポジティブな成果を確認できること、なおかつネガティブな影響を特定し対処していること。
SDGs に係る包括的な審査によって、PIF は SDGs に対するファイナンスが抱えている諸問題に直接対応している。
三十三銀行及び三十三総研は、本ファイナンスを通じ、三重中央学園の持ちうるインパクトを、UNEP FI の定めるインパクト領域および SDGs の 169 ターゲットについて包括的な分析を行った。
この結果、三重中央学園がポジティブな成果を発現するインパクト領域を有し、ネガティブな影響を特定しその低減に努めていることを確認している。
SDGs に対する貢献内容も明らかとなっている。
PIF 原則 2 フレームワーク
PIF を実行するため、事業主体(銀行・投資家等)には、投融資先の事業活動・プロジェクト・プログラム・事業主体のポジティブ・インパクトを特定しモニターするための、十分なプロセス・方法・ツールが必要である。
JCR は、三十三銀行がPIF を実施するために適切な実施体制とプロセス、評価方法及び評価ツールを確立したことを確認した。
(1) 三十三銀行は、本ファイナンス実施に際し、以下の実施体制を確立した。
1 経済センサス活動調査(2016 年)。中小企業の定義は、中小企業基本法上の定義。業種によって異なり、製造業は資本金 3 億円以下または従業員 300 人以下、サービス業は資本金 5 千万円以下または従業員 100 人以下などだ。小規模事業者は製造業の場合、従業員 20 人以下の企業をさす。
(出所:三十三銀行提供資料)
(2) 実施プロセスについて、三十三銀行では社内規程を整備している。
(3) インパクト分析・評価の方法とツール開発について、三十三銀行からの委託を受けて、三十三総研が分析方法及び分析ツールを、UNEP FI が定めたPIF モデル・フレームワーク、インパクト分析ツールを参考に確立している。
PIF 原則 3 透明性
PIF を提供する事業主体は、以下について透明性の確保と情報開示をすべきである。
・本PIF を通じて借入人が意図するポジティブ・インパクト
・インパクトの適格性の決定、モニター、検証するためのプロセス
・借入人による資金調達後のインパクトレポーティング
PIF 原則 3 で求められる情報は、全て三十三総研が作成した評価書を通して銀行及び一般に開示される予定であることを確認した。
PIF 原則 4 評価
事業主体(銀行・投資家等)の提供する PIF は、実現するインパクトに基づいて内部の専門性を有した機関または外部の評価機関によって評価されていること。
本ファイナンスでは、三十三総研が、JCR の協力を得て、インパクトの包括分析、特定、評価を行った。JCR は、本ファイナンスにおけるポジティブ・ネガティブ両側面のインパクトが適切に特定され、評価されていることを第三者として確認した。
III. 「インパクトファイナンスの基本的考え方」との整合に係る意見
インパクトファイナンスの基本的考え方は、インパクトファイナンスを ESG 金融の発展形として環境・社会・経済へのインパクトを追求するものと位置づけ、大規模な民間資金を巻き込みインパクトファイナンスを主流化することを目的としている。当該目的のため、国内外で発展している様々な投融資におけるインパクトファイナンスの考え方を参照しながら、基本的な考え方をとりまとめているものであり、インパクトファイナンスに係る原則・ガイドライン・規制等ではないため、JCR は本基本的考え方に対する適合性の確認は行わない。ただし、国内でインパクトファイナンスを主流化するための環境省及びESG 金融ハイレベル・パネルの重要なメッセージとして、本ファイナンス実施に際しては本基本的考え方に整合的であるか否かを確認することとした。
本基本的考え方におけるインパクトファイナンスは、以下の 4 要素を満たすものとして
定義されている。本ファイナンスは、以下の 4 要素と基本的には整合している。ただし、要素③について、モニタリング結果は基本的には借入人である三重中央学園から貸付人である三十三銀行及び評価者である三十三総研に対して開示がなされることとし、可能な範囲で対外公表も検討していくこととしている。
要素① 投融資時に、環境、社会、経済のいずれの側面においても重大なネガティブインパクトを適切に緩和・管理することを前提に、少なくとも一つの側面においてポジティブなインパクトを生み出す意図を持つもの
要素② インパクトの評価及びモニタリングを行うもの
要素③ インパクトの評価結果及びモニタリング結果の情報開示を行うもの
要素④ 中長期的な視点に基づき、個々の金融機関/投資家にとって適切なリスク・リターンを確保しようとするもの
また、本ファイナンスの評価・モニタリングのプロセスは、本基本的考え方で示された評
価・モニタリングフローと同等のものを想定しており、特に、企業の多様なインパクトを包括的に把握するものと整合的である。
IV. 結論
以上の確認より、本ファイナンスは、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス原則に適合している。
また、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的である。
(第三者意見責任者) 株式会社日本格付研究所
サステナブル・ファイナンス評価部長
梶原 敦子
担当主任アナリスト
川越 広志
担当アナリスト
菊池 理恵子
本第三者意見に関する重要な説明
1. JCR 第三者意見の前提・意義・限界
日本格付研究所(JCR)が提供する第三者意見は、事業主体及び調達主体の、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト金融(PIF)原則への適合性及び環境省 ESG 金融ハイレベル・パネル内に設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」への整合性に関する、JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該ポジティブ・インパクト金融がもたらすポジティブなインパクトの程度を完全に表示しているものではありません。
本第三者意見は、依頼者である調達主体及び事業主体から供与された情報及び JCR が独自に収集した情報に基づく現時点での計画又は状況に対する意見の表明であり、将来におけるポジティブな成果を保証するものではありません。また、本第三者意見は、PIF によるポジティブな効果を定量的に証明するものではなく、その効果について責任を負うものではありません。本事業により調達される資金が同社の設定するインパクト指標の達成度について、JCR は調達主体または調達主体の依頼する第三者によって定量的・定性的に測定されていることを確認しますが、原則としてこれを直接測定することはありません。
2. 本第三者意見を作成するうえで参照した国際的なイニシアティブ、原則等
本意見作成にあたり、JCR は、以下の原則等を参照しています。
国連環境計画 金融イニシアティブ ポジティブ・インパクト金融原則
環境省 ESG 金融ハイレベル・パネル内ポジティブインパクトファイナンスタスクフォース
「インパクトファイナンスの基本的考え方」
3. 信用格付業にかかる行為との関係
本第三者意見を提供する行為は、JCR が関連業務として行うものであり、信用格付業にかかる行為とは異なります。
4. 信用格付との関係
本件評価は信用格付とは異なり、また、あらかじめ定められた信用格付を提供し、または閲覧に供することを約束するものではありません。
5. JCR の第三者性
本 PIF の事業主体または調達主体と JCR との間に、利益相反を生じる可能性のある資本関係、人的関係等はありません。
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、事業主体または調達主体及び正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、またはその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、または当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCRは、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。本第三者意見は、評価の対象であるポジティブ・インパクト・ファイナンスにかかる各種のリスク(信用リスク、価格変動リスク、市場流動性リスク、価格変動リスク等)について、何ら意見を表明するものではありません。また、本第三者意見は JCR の現時点での総合的な意見の表明であって、事実の表明ではなく、リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもありません。本第三者意見は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。本文書の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■用語解説
第三者意見:本レポートは、依頼人の求めに応じ、独立・中立・公平な立場から、銀行等が作成したポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書の国連環境計画金融イニシアティブのポジティブ・インパクト金融原則への適合性について第三者意見を述べたものです。
事業主体:ポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施する金融機関をいいます。
調達主体:ポジティブ・インパクト・ビジネスのためにポジティブ・インパクト・ファイナンスによって借入を行う事業会社等をいいます。
■サステナブル・ファイナンスの外部評価者としての登録状況等
・国連環境計画 金融イニシアティブ ポジティブインパクト作業部会メンバー
・環境省 グリーンボンド外部レビュー者登録
・ICMA (国際資本市場協会に外部評価者としてオブザーバー登録) ソーシャルボンド原則作業部会メンバー
・Climate Bonds Initiative Approved Verifier (気候債イニシアティブ認定検証機関)
■本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 TEL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026