目 次 Ⅰ 設計変更ガイドライン P.2 Ⅱ 工事一時中止に係るガイドライン P.26 Ⅲ 受発注者間のコミュニケーション P.42 Ⅳ Q&A及び主な事例 P.46 Ⅴ 設計図書の照査ガイドライン(土木) P.86
工事請負契約における設計変更ガイドライン
設計変更手続きの明確化
令和4年8月 xx市上下水道局
目 | 次 | |
Ⅰ | 設計変更ガイドライン | P.2 |
Ⅱ | 工事一時中止に係るガイドライン | P.26 |
Ⅲ | 受発注者間のコミュニケーション | P.42 |
Ⅳ | Q&A及び主な事例 | P.46 |
Ⅴ | 設計図書の照査ガイドライン(xx) | P.86 |
本ガイドラインは、xx県土木部の「土木工事請負契約における設計変更ガイドライン(総合版)」及び「建築関係工事請負契約における設計変更ガイドライン」を参考にしています。
また、本ガイドライン中の「土木工事共通仕様書」、「建築関係工事共通仕様書」は、xx県土木部発行のものを指します。
1
Ⅰ 設計変更ガイドライン
1 | 適切な設計変更の必要性 | P.3 |
2 | 用語の定義 | P.4 |
3 | 設計変更に該当しないケース | P.5 |
4 | 設計変更に該当するケース | P.6 |
5 | 設計変更手続きフロー | P.14 |
6 | 設計変更に関わる資料の作成 | P.15 |
7 | 条件明示について | P.17 |
8 | 指定・任意の使い分け | P.20 |
9 | 発注者の留意事項 | P.22 |
令和4年8月
郡山市上下水道局 2
◆
適切な設計変更の必要性
2014(平成26)年6月に施行された公共工事の品質確保の促進に関する法律の改正法により、発注者責任がより明確化され、計画的な発注、適切な工期設定、適切な変更設計、発注者間の連携の推進等が位置づけられたところである。
また、工事はその特性上、調査・設計に莫大な時間と費用を投じれば設計変更は発生しないというものではなく、積算においても事前に個別の現場条件を全て捕捉することは困難である。
このことから、工事の安全と品質を確保し、所定の工期までに事業を完成させ、早期にサービスを提供するためには、日常的に発生する現場の条件変更や受注者の責めによらない事項による設計変更を適切に行うことが重要である。
◆
ガイドライン策定の目的
設計変更に係る業務の円滑化を図るためには、発注者と受注者がともに、設計変更に該当しないケース、該当するケース及び手続きの流れ等について十分理解しておく必要があり、本ガイドラインは円滑な設計変更を行うためのツールとして活用することを目的とする。
なお、本ガイドラインは、一般的な考え方を示すものである。 3
◆設計変更ガイドラインにおいて用いる用語を以下に定義する
「設計変更」とは、契約約款第18条(条件変更等)又は第19条(設計図書の変更)の規定により設計図書を変更することをいう。
「契約変更」とは、契約約款第24条(工期の変更方法)又は第25条(請負代金額の変更方法等)の規定により協議し、工期又は請負代金額の変更の契約を締結することをいう。
「軽微な設計変更」とは、次に掲げるもの以外のものをいう。 (1) 構造、工法、位置、断面等の変更で重要なもの
(2) 新工種に係るもの又は単価若しくは一式工事費の変更が予定されるもの
※ 設計変更ガイドラインの適用にあたっては、特に設計変更が予定されるもので、変更見込み額等の考え方については、「工事請負契約書の制定について(平成7年
6月30日建設省厚xx第25号)」、「工事請負契約書の運用基準について(平成7年
6月30日建設省xxx発第27号)」及び「設計変更に伴う契約変更の取り扱いについて(昭和44年3月31日建設省xxx発第31号の2)」等を参考に十分に検討し対応するものとする。
◆下記の場合においては、原則として設計変更に該当しない
(ただし、契約約款第27条(臨機の措置)による対応の場合はこの限りではない)
□ 設計図書に定めのない事項において、発注者と「協議」を行わない又は発注者からの「指示」等の通知がない状況で、受注者が独自に判断して施工を実施した場合
□ 契約約款第18条~第26条、土木工事共通仕様書1-1-17~1-1-19、建築関係工事共通仕様書1-1-5~1-1-7に定められている所定の手続きを経ていない場合
□ 共通仕様書の各章に規定されている指示、協議等(書面によることを原則とする)を踏まえないで施工を実施した場合
□ 指示等によらず、「承諾(施工図による承諾等)」で施工した場合
承諾 : 受注者自らの都合により施工方法等について監督員に同意を得るもの
設計変更に該当しない
協議 : 発注者と書面により対等な立場で合意して発注者の「指示」によるもの
設計変更に該当する
(1) 契約約款第18条(条件変更等)に該当
受注者は、以下の事実を発見したときは、それが確認できる資料を書面により監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
ア 設計図書に誤謬又は脱漏がある場合(契約約款第18条第1項第2号)
受注者は、xxxx、設計図書が誤っていると思われる点を発注者に確認すべきであり、発注者は、それが本当に誤っている場合には設計図書を訂正する必要がある。
また、設計図書に脱漏がある場合には、受注者としては、自分で勝手に補って施工を続ける
のではなく、発注者に確認して、脱漏部分を訂正してもらうべきである。
受注者
発注者
「契約約款第18条(条件変更等)第1項第2号」に基づき、その旨を直ちに監督員に通知
発注者は、第4項、第5項に基づき、必要に応じて設計図書の訂正・変更(当初積算の考え方に基づく条件明示)
受注者及び発注者は契約約款第24条、第25条に基づき、「協議」により工期及び請負代金額を定める
ex. (ア) 条件明示する必要があるにもかかわらず、土質に関する一切の条件明示がない場合
(イ) 条件明示する必要があるにもかかわらず、地下水位に関する一切の条件明示がない場合
(ウ) 条件明示する必要があるにもかかわらず、交通誘導警備員についての条件明示がない場合 (エ) 工事施工上必要な材料仕様について、図面ごとに一致しない場合
(オ) 建築、電気設備及び機械設備の各分野の設計内容が互いに整合していない場合 6
設計図書の表示が明確でない場合とは、表示が不十分、不正確、不明確で実際の工事施工にあたってどのように施工してよいか判断がつかない場合などのことである。
この場合においても、受注者が勝手に判断して、施工することは不適当である。
イ 設計図書の表示が明確でない場合(契約約款第18条第1項第3号)
受注者
発注者
「契約約款第18条(条件変更等)第1項第3号」に基づき、条件明示が不明確な旨を直ちに監督員に通知
発注者は、第4項、第5項に基づき、必要に応じて設計図書の訂正・変更(当初積算の考え方に基づく条件明示)
受注者及び発注者は契約約款第24条、第25条に基づき、「協議」により工期及び請負代金額を定める
ex. (ア) 土質柱状図は明示されているが、地下水位が不明確な場合
(イ) 水替工実施の記載はあるが、作業時もしくは常時排水などの運転条件等の明示がない場合 (ウ) 図面の記載内容が読み取れない場合
7
ウ 設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しない場合
(契約約款第18条第1項第4号)
自然的条件とは、例えば、掘削する地山の高さ、埋め立てるべき水面の深さ等の地表面の凹凸等の形状、地質、湧水の有無又は量、地下水の水位、xxxの除去すべき物の有無。
また、人為的な施工条件の例としては、地下埋設物、地下工作物、xx(捨)場、工事用道路、通行道路、工事に関係する法令等が挙げられる。
受注者
発注者
「契約約款第18条(条件変更等)第1項第4号」に基づき、設計図書の条件明示(当初積算の考え)と現地条件とが一致しないことを直ちに監督員に通知
調査の結果、その事実が確認された場合、発注者は、第4項、第5項に基づき、必要に応じて設計図書の訂正・変更
受注者及び発注者は契約約款第24条、第25条に基づき、「協議」により工期及び請負代金額を定める
ex. (ア) 設計図書に明示された土質が現地条件と一致しない場合
(イ) 設計図書に明示された地下水位が現地条件と一致しない場合
(ウ) 設計図書に明示された交通誘導員の人数等が規制図と一致しない場合 (エ) 設計図書に明示されてないアスベスト含有建材を発見した場合
(オ) 設計図書に明示された配管・配線等と現地が大きく異なる事実が判明した場合
エ 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じた場合(契約約款第18条第1項第5号)
ex. (ア) 施工中に地中障害物を発見し、撤去が必要となった場合
(イ) 施工中に埋蔵文化財を発見し、調査が必要となった場合 8
オ 「設計図書の照査」の範囲を超える場合(契約約款第18条第1項)
(ア) 現地測量の結果、横断図を新たに作成する必要があるもの、または縦断計画の見直しを伴う横断図の再作成が必要となるもの。
(イ) 施工の段階で判明した推定岩盤線の変更に伴う横断図の再作成が必要となるもの。ただし、当初横断図の推定岩盤線の変更は「設計図書の照査」に含まれる。
(ウ) 現地測量の結果、排水路計画を新たに作成する必要があるもの。
(エ) 構造物の位置や計画高さ、延長が変更となり構造計算の再計算が必要となるもの。 (オ) 構造物の載荷高さが変更となり、構造計算の再計算が必要となるもの。
(カ) 現地測量の結果、構造物のタイプが変更となるもの(標準設計で修正可能なものであっても照査の範囲をこえるものとして扱う)。
(キ) 構造物の構造計算書の計算結果が設計図と違う場合の構造計算の再計算及び図面作成が必要となるもの。
(ク) 基礎杭が試験杭等により変更となる場合の構造計算及び図面作成。
(ケ) 土留め等の構造計算において現地条件や施工条件が異なる場合の構計図面作成。 (コ) 「設計要領」・「各種示方書」等との対比設計。
(サ) 設計根拠まで遡る見直し、必要とする工費の算出。
(シ) 舗装修繕工事の縦横断設計(当初の設計図書で縦横断面図が示されており、その修正を行う場合。なお、設計図書で縦横断図が示されていないが、土木工事共通仕様書「15-4-3 路面切削工」「15-4-5 切削オーバーレイ工」「15-4-6 オーバーレイ工」等に該当し縦横断設計を行うものは設計照査に含む。)
(注)なお、適正な設計図書に基づく数量の算出及び完成図については、受注者の費用負担によるものとする。
(2) 契約約款第19条(設計図書の変更)に該当
□ 発注者が必要があると認め、設計図書を変更しようとする場合
受注者の責に帰することができないものにより、工事目的物等に損害を生じ、若しくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められる場合の手続き
(「Ⅱ 工事一時中止に係るガイドライン」参照)
発注者
受注者
(3) 契約約款第20条(工事の中止)に該当
地元調整や予期しない現場条件等のため、受注者が工事を施工することができない
「契約約款第20条(工事の中止)第1項及び第2項」により、発注者は工事の全部又は一部の施工を原則として一時中止しなければならない
発注者より、一時中止の指示(契約上一時中止をかけることは発注者の義務)
受注者は、土木工事共通仕様書 1-1-7 第4項、建築関係工事共通仕 様書 1-4-2 第5項に基づき、変更施工計画書を作成し、発注者の承諾を得る
発注者は、現場管理上、最低限必要な施設・人数等を吟味し、変更施工計画書を承諾
変更施工計画書に基づいた施工の実施
承諾した変更施工計画書に基づき、施工監督及び設計変更を実施
受注者からの中止事案の確認請求も可
不承諾の場合は、変更施工計画書を修正し、再度承諾を得る
ex. (ア) 設計図書に工事着工時期が定められた場合、その期日までに受注者の責によらず施工できない場合
(イ) 警察、河川・道路・鉄道管理者等の管理者間協議が未了等のため、工事を施工できない場合
(ウ) 管理者間協議の結果、施工できない期間が設定された等のため、工事を施工できない場合
(エ) 受注者の責によらない何らかのトラブル(地元調整等)が生じた等のため、工事を施工できない場合
(オ) 地中障害物の発見など予見できない事態が発生した等のため、工事を施工できない場合 (カ) 工事用地の確保が出来ない等のため、工事を施工できない場合
(キ) 設計図書と実際の施工条件の相違又は設計図書の不備が発見されたため、施工を続けることが困難な場合
(ク) 埋蔵文化財の発掘又は調査、その他の事由により工事を施工できない場合
※ 天災等の不可抗力により、引渡前に工事目的物や仮設物その他に損害が生じたときの手続は、第30条(不可抗力による損害)その他も参照する。
○ 受注者は、天候の不良、関連工事の調整協力、その他受注者の責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができない場合は、発注者へその理由を明示した書面により工期延長変更を請求することができる。
受注者
発注者
「契約約款第22条( 受注者の請求による工期の延長)第
1項」に基づき、その理由を明示した書面により監督員に通知
発注者は第2項に基づき、必要があると認められるときは、工期を延長しなければならない。請負代金についても必要と認められるときは変更を行う
協議
受注者及び発注者は契約約款第24条、第25条に基づき、「協議」により工期及び請負代金額を定める
ex. (ア) 天候不良の日が例年に比べ多いと判断でき、工期の延長が生じた場合
(イ) 設計図書に明示された関連工事との調整に変更があり、工期の延長が生じた場合 (ウ) その他受注者の責めに帰することができない事由により工期の延長が生じた場合
○ 発注者は、特別な理由により工期を短縮する必要があるときは、工期の短縮変更を受注者に書面にて請求することができる。
受注者
発注者
受注者は発注者からの請求に基づき、工期短縮を図るための施工計画を発注者に提出し、承諾を得る
発注者は、「契約約款第23条(発注者の請求による工期の短縮)第1項」に基づき、特別な理由により工期を短縮する必要があるときは、工期の短縮変更を書面により受注者に請求
協議
受注者及び発注者は契約約款第24条、第25条に基づき、「協議」により工期及び請負代金額を定める
ex. (ア) 工事一時中止にともない工期延長が予想され、工期短縮が必要な場合 (イ) 関連工事等の影響により、工期短縮が必要な場合
(ウ) その他の事由(地元調整、関係機関調整など)により工期の短縮が必要な場合
5 設計変更手続きフロー
契約約款第18条第1項第1号から第5号に該当する事実を発見
通知し確認を請求
【第18条第1項】
受注者:立会い
発注者:直ちに調査の実施 【第18条第2項】
※受注者からの確認請求を受領後概ね7日以内を目処に調査終了予定日を受注者へ通知
調査結果のとりまとめ
【第18条第3項】
調査終了後14日以内にその結果を通知(とるべき措置があ
る場合、当該指示を含む)
【第18条第4項】
必要があると認められるときは設計図書の訂正又は変更
<発注者が行う>
・設計図書の訂正【第4項第1号】
・工事目的物の変更を伴う設計図書の変更【第4項第2号】
発注者
受注者
意見
受理
必要があると認められるときは設計図書の訂正又は変更<発注者と受注者とが協議して発注者が行う>
・工事目的物の変更を伴わない設計図書の変更【第4項第3号】
『発注関係事務の運用に関する指針(運用指針)』に基づき、設計変更の手続きの迅速化を目的として、発注者と受注者双方の関係者が一堂に会し、設計変更の妥当性の審議及び工事の中止等の協議・審議等を行う会議を必要に応じて開催する。
変更内容・変更根拠の明確化、変更図面、変更数量計算書等の変更設計図書の作成
必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更【第18条第5項】
協議 ①工期の変更【第24条】
②請負代金額の変更【第25条】
14
6 設計変更に関わる資料の作成
設計変更に関わる資料の作成についての具体的対応方法
1)設計照査に必要な資料作成
受注者は、当初設計等に対して契約約款第18条第1項に該当する事実が発見された場合、監督員にその事実が確認できる資料を書面により提出し、確認を求めなければならない。
なお、これらの資料作成に必要な費用については契約変更の対象としない。
<契約約款第18条第1項>
受注者
発注者
第18条第1項に該当する事実を発見
現地と設計内容の違いについて、
確認できる資料を書面で提出します。
資料を確認しました。
この資料の作成費用は
設計変更の対象としません。
2)設計変更に必要な資料作成
契約約款第18条第1項に基づき設計変更するために必要な資料の作成については、第18条第4項に基づき発注者が行うものであるが、受注者に行わせる場合は、以下の手続きによるものとする。
① 設計照査に基づき設計変更が必要な内容については、受発注者間で確認する。
② 設計変更するために必要な資料の作成について書面により協議し、合意を図った後、発注者が具体的な指示を行うものとする。
③ 発注者は、書面による指示に基づき受注者が設計変更に関わり作成した資料を確認する。
④ 書面による指示に基づいた設計変更に関わる資料の作成業務については、契約変更の対象とする。
⑤ 増加費用の算定は、設計業務等標準積算基準を基本とする。
<契約約款第18条第4項>
受注者
発注者
設計図書の訂正又は変更は発注者が行います。
~ 設計変更するために必要な資料の作成を依頼するときは ~
設計変更に関わる資料を作成
したので提出します。
資料を確認しました。
この資料の作成費用は
設計変更の対象とします。
設計変更が必要な内容について、受発注者間で確認
必要な資料の作成ついて協議し、発注者が受注者に具体的な作業を指示
7 条件明示について
施工条件は、契約条件となるものであることから、設計図書の中で明示するものとする。
また、明示された条件に変更が生じた場合は、契約図書の関連する条項に基づき、適切に対応するものとする。
なお、条件明示等に不足が生じないよう、下表を参考資料として活用するなど記載漏れがないようチェックすること。
明示項目 | 明示事項 |
工程関係 | 1 他の工事の開始又は完了の時期により、当該工事の施工時期、全体工事等に影響がある場合は、影響箇所及び他の工事の内容、開始又は完了の時期。 2 施工時期、施工時間及び施工方法が制限される場合は、制限される施工内容、施工時期、施工時間及び施工方法。 3 当該工事の関係機関等との協議に未成立のものがある場合は、制約を受ける内容及びその協議内容、成立見込み時期。 4 関係機関、自治体等との協議の結果、特定された条件が付され当該工事の工程に影響がある場合はその項目及び影響範囲。 5 余裕工期を設定して発注する工事については、工事の着手時期。 6 工事着手前に地下埋設物及び埋蔵文化財等の事前調査を必要とする場合は、その項目及び調査期間。また、地下埋設物等の移設が予定されている場合は、その移設期間。 7 設計工程上見込んでいる休日日数等作業不能日数。 |
用地関係 | 1 工事用地等に未処理部分がある場合は、その場所、範囲及び処理の見込み時期。 2 工事用地等の使用終了後における復旧内容。 3 工事用仮設道路・資機材置き場用の借地をさせる場合は、その場所、範囲、時期、期間、使用条件、復旧方法等。 4 施工者に、消波ブロック、桁製作等の仮設ヤードとして官xxx及び発注者が借り上げた土地を使用さ せる場合は、その場所、範囲、時期、期間、使用条件、復旧方法等。 |
明示項目 | 明示事項 |
公害関係 | 1 工事に伴う公害防止(騒音、振動、粉塵、排出ガス等)のため、施工方法、建設機械・設備、作業時間等を指定する必要がある場合はその内容。 2 水替・流入防止施設が必要な場合は、その内容、期間。 3 濁水、湧水等の処理で特別の対策を必要とする場合はその内容(処理施設、処理条件等)。 4 工事の施工に伴って発生する騒音、振動、地盤沈下、地下水の枯渇等、電波障害等に起因する事業損失が懸念される場合は、事前・事後調査の区分とその調査時期、未然に防止するために必要な調査方法、範囲等。 |
安全対策関係 | 1 交通安全施設等を指定する場合はその内容、期間。 2 鉄道、ガス、電気、電話、水道等の施設と近接する工事での施工方法、作業時間等に制限がある場合はその内容。 3 落石、雪崩、土砂崩落等に対する防護施設が必要な場合はその内容。 4 交通誘導員、警戒船及び発破作業等の保全設備、保安要員の配置を指定する場合又は発破作業等に制限がある場合はその内容。 5 有毒ガス及び酸素欠乏等の対策として、換気設備等が必要な場合はその内容。 |
工事用道路関係 | 1 一般道路を搬入路として使用する場合 (1) 工事用資機材等の搬入経路、使用期間、使用時間帯等に制限がある場合は、その経路、期間、時間帯等。 (2) 搬入路の使用中及び使用後の処置が必要である場合はその処置内容。 2 仮道路を設置する場合 (1) 仮道路に関する安全施設等が必要である場合はその内容、期間。 (2) 仮道路の工事終了後の処置(存置又は撤去)。 (3) 仮道路の維持補修が必要である場合はその内容。 |
仮設備関係 | 1 仮土留、仮橋、足場等の仮設物を他の工事に引き渡す場合及び引き継いで使用する場合はその内容、期間、条件等。 2 仮設備の構造及びその施工方法を指定する場合はその構造及びその施工方法。 3 仮設備の設計条件を指定する場合はその内容。 |
明示項目 | 明示事項 |
建設副産物関係 | 1 建設発生土が発生する場合は、残土の受入場所及び仮置き場所までの距離、時間等の処分及び保管条件。 2 建設副産物の現場内での再利用及び減量化が必要な場合は、その内容。 3 建設副産物及び建設廃棄物が発生する場合は、その処理方法、処理場等の処理条件。 なお、再資源化処理施設又は最終処分場を指定する場合は、その受入場所、距離、時間等の処分条件。 |
工事 支障物件等 | 1 地上、地下等の占用物件の有無及び占用物件等で工事支障物が存在する場合は、支障物件名、管理者、位置、移設時期、工事方法、防護等。 2 地上、地下等の占用物件工事と重複して施工する場合はその工事内容及び期間等。 |
薬液注入関係 | 1 薬液注入を行う場合は、設計条件、工法区分、材料種類、施工範囲、削孔数量、削孔延長及び注入量、注入圧等。 2 周辺環境への調査が必要な場合はその内容。 |
その他 | 1 工事用資機材の保管及び仮置きが必要である場合は、その保管及び仮置き場所、期間、保管方法等。 2 工事現場発生品がある場合は、その品名、数量、現場内での再使用の有無、引き渡し場所等。 3 支給材料及び貸与品がある場合は、その品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所、引渡期間等。 4 関係機関・自治体等との近接協議に係る条件等その内容。 5 架設工法を指定する場合は、その施工方法及び施工条件。 6 工事用電力等を指定する場合はその内容。 7 新技術・新工法・特許工法を指定する場合はその内容。 8 部分使用を行う必要がある場合はその箇所及び使用時期。 9 給水の必要のある場合は、取水箇所・方法等。 |
8 指定・任意の使い分け
【基本事項】
指定・任意については、契約約款第1条第3項に定められているとおり、適切に扱う必要がある。
1 任意については、その仮設、施工方法の一切の手段の選択は受注者の責任で行う。
2 任意については、その仮設、施工方法に変更があっても原則として設計変更の対象としない。
3 ただし、指定・任意ともに当初積算時の想定と現地条件が異なる場合は変更は行う。
【留意事項】
指定・任意の使い分けにおいては下記の事項に留意する。
1 仮設、施工方法等には、指定と任意があり、発注においては、指定と任意の部分を明確にする必要がある。
2 発注者(監督者)は、任意の趣旨を踏まえ、適切な対応をするように注意が必要。
※任意における下記のような対応は不適切
・ ○○工法で積算しているので、「○○工法以外での施工は不可」との対応
・ 標準歩掛かりではバックホウで施工となっているので、「クラムシェルでの施工は不可」との対応
・ 新技術の活用について受注者から申し出があった場合に、「積算上の工法で施工」するよう対応
※ ただし、任意であっても、当初積算時の条件と現地条件に変更がある場合は、設計変更を行う。
◎ 発注者の指定事項以外は受注者の裁量の範囲
■自主施工の原則
契約約款第1条第3項により、設計図書に指定されていなければ、工事実施の手段、仮設物等は受注者の裁量の範囲
契約約款第1条第3項
仮設、施工方法その他の工事目的物を完成するために必要な一切の手段については、契約約款及び設計図書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。
【指定と任意の考え方】
x x | 任 意 | |
設計図書 | 施工方法等について具体的に指定する | 施工方法等について具体的には指定しない |
施工方法等の変更 | 発注者の指示または承認が必要 | 受注者の任意(施工計画書等の修正、提出は必要) |
施工方法の変更がある場合の設計変更 | 設計変更の対象とする | 設計変更の対象としない |
条件明示の変更に対応した設計変更 | 設計変更の対象とする | 設計変更の対象としない |
その他 | <指定仮設とすべき事項> ・ 河川堤防と同等の機能を有する仮締切のある場合 ・ 仮設構造物を一般交通に供する場合 ・ 関係官公署との協議により制約条件のある場合 ・ 特許工法または特殊工法を採用する場合 ・ その他、第三者に特に配慮する必要がある場合 ・ 他工事等に使用するため、工事完成後も存置される必要がある仮設 |
9 発注者の留意事項
・ 発注者は契約約款第18条第2項に基づく調査を行った場合、第3項によりその結果を取りまとめ調査の終了後14日以内に受注者に通知する。
・ 発注者は、速やかに書面による指示・協議等を行う。(ワンデーレスポンス)なお、設計変更及び軽微な設計変更が必要になる場合は速やかに行うこと。
・ 当初設計の考え方や設計条件を再確認して、設計変更の「協議」にあたる。
・ 当該事業(工事)における設計変更の必要性を明確にする。
(規格の妥当性、変更対応の妥当性を明確にする。)
・ 設計変更に伴う契約変更の手続きは、その必要が生じた都度、遅滞なく行うものとする。ただし、軽微な設計変更を行っていた場合は、以下による。
① 契約変更を行うときに、それ以前に行った軽微な設計変更をすべて含めて、契約変更を行う。
② 軽微な設計変更のみで変更事務が終わるものについては、工期の末(国庫・県費債務負担行為に基づく工事にあっては、各会計年度の末及び工期の末)までに契約変更を行う。
・ 一つの工事現場において、複数の契約に基づく工事が実施される場合には、一工事の設計変更を行う際には、関連するその他の工事の設計変更についても検討する。
・ 「軽微な設計変更」の取り扱いについては、「工事請負契約書の制定について(平成7年6月 30日建設省厚xx第25号)」、「工事請負契約書の運用基準について(平成7年6月30日建設省xxx発第27号)」及び「設計変更に伴う契約変更の取り扱いについて(昭和44年3月31日建設省xxx発第31号の2)」等を参考に十分に検討し対応するものとする。
22
◆ 違算防止について
組織としてのチェック体制を整え、継続的に対策に取り組む必要がある。
【積算チェックの心構え】
工事積算システムは入力ミスをしていても積算できる(入力後、必ず確認が必要)
特に経験の少ない職員については、課内でフォローアップ(担当者同士で質問・確認の実施)が必要
〇単価や数量(単位)の入力ミスがないか?
〇決裁前に再チェック!(複数の目で確認)
〇同僚と情報・意見交換して、いろいろな角度で確認!
【間違いやすい事例】
〇単位の取り違えによるもの(単位当たりの金額が小さくとも、数量の大きいものは特に注意を!)
・舗装や基礎砕石の厚さの単位
・区画線設置 ・・・ m当たり単価
・区画線消去 ・・・ 消去面積を幅15㎝換算したm当たり単価
・仮設材賃料 ・・・ 鋼xx・H鋼は日(t)当たり賃料、覆工板は月(㎡)当たり賃料
〇基準書の適用の取り違えによるもの
・夜間施工は割増率が必要!
・コンクリート工における構造物の分類に注意!
〇その他間違えやすいもの
・単純な入力ミスがないように!(⇒ そのまま計算されてしまいます。)
・現場代理人等と十分連絡をとり、現地の出来高と設計数量が異ならないように!
・同じ内容の工事の設計書でも、違う角度からチェックして利用を!
23
◆ 概算金額の通知について
】
【留意事項】
◆下記の事項に留意し受注者へ通知する。
○ 現地条件や施工条件、数量の精査等により変更となる場合があることから、概算金額については、
「参考値」として取扱うこととし、契約変更額を拘束するものではないものとする。
※概算金額の記載方法・・・有効数字2桁(3桁目四捨五入)、単位は万円で記載する。
増減額が10万円未満の場合は、有効数字1桁(2桁目四捨五入)とする。
工事内容の変更を通知をする際は、概算金額を記載した通知書も併せて、受注者へ通知する。
(記載例) | 16,440,000円増額の場合 | → | 「1600万円増額の見込み」と記載 |
78,000円減額の場合 | → | 「 8万円減額の見込み」と記載 |
【通知書(記載例)
24
25
Ⅱ 工事一時中止に係るガイドライン
1 | 工事の一時中止に係る基本フロー | P.27 |
2 | 発注者の中止指示義務 | P.28 |
3 | 工事を中止すべき場合 | P.29 |
4 | 中止の指示・通知 | P.30 |
5 | 変更施工計画書の作成 | P.31 |
6 | 工期短縮計画書の作成 | P.32 |
7 | 請負代金額又は工期の変更 | P.33 |
8 | 増加費用の考え方 | P.34 |
令和4年8月
郡山市上下水道局 26
1 工事の一時中止に係る基本フロー
受注者 発注者
工事施工不可要因の発見
工事施工不可要因の発生
工事発注
※必要に応じて工事一時中止「協議」
【変更施工計画書の作成】
変更施工計画書の提出
・ 工事中止に伴い費用が増加する項目・数量
・ 必要工期
中止の対象となる工事内容、工事区域、中止期間の見通し及び工事現場を適正 に維持管理するために、最小限必要な 管理体制等の基本的事項を指示する。
「提出」
工事の一時中止を検討
中止の必要あり 【発注者の中止指示義務】
【工事を中止すべき場合】
中止の指示・通知
【工事中止の通知】
工期短縮が可能か
工期短縮の要請「協議」
工期短縮
必要
工事再開通知
・工期短縮の必要性判断
【工期短縮計画書の作成】
工期短縮が可能
工期短縮不可の場合、その旨を「回答」
工期短縮不要
工期短縮計画書の提出
・ 工期短縮に伴い費用が増加する項目・数量
「協議」
【増加費用の考え方】
請負代金・工期の変更
変更が必要
工事請負代金・工期変更の検討
【請負代金額又は工期の変更】
標準積算によりがた
中止期間
3ヶ月以内
中止期間が3ヶ月を超えるなど、標準積算によりがたい
変更は不要
い場合は、別途見積による積上げ積算
標準積算 見積積算
増加費用は、一時中止
にかかる費用計上の他、工期短縮を行った場合 は、それに必要な費用
受発注者間協議
契約変更
を適切に計上
※ 概算費用は、参考値であり契約時
点の費用を拘束するものではない。
工事完成
27
2 発注者の中止指示義務
◆ 受注者の責に帰することができない事由により工事を施工できないと認められる場合には、発注者が工事の全部又は一部の中止を速やかに書面にて命じなければならない。
◆ 受注者は、工事施工不可要因を発見した場合、速やかに発注者と協議を行う。発注者は、必要があれば速やかに工事中止を指示する。 【契約約款第20条】
※ 以降の一時中止に係る事項については、全部又は一部中止とも同様の考えとする。
◇ 受注者の帰責事由によらずに工事の施工がで
きないと認められる場合
◇ 受注者は、工事を施工する意志があっても施
工することができず、工事が中止状態となる
◇ 発注者が工事を中止させなければ、中止に伴
い必要とされる工期又は請負代金額の変更は行われず、負担を受注者が負うこととなる
◇ 発注者は、工事の中止を受注者に命じ、工
期又は請負代金額等を適正に確保する必要がある
◇ 契約約款第16条に規定する発注者の工事用
地等確保の義務、第18条に規定する施工条件の変化等における手続と関連する
◇ 発注者及び受注者の十分な理解のもとに適
切に運営されることが望まれる
注) 工事の一時中止期間における、xx技術者及び監理技術者の取り扱いについては以下のとおり。
・ 工事を全面的に一時中止している期間は、専任を要しない期間である。
・ 受注者の責によらない理由により工事中止又は工事内容の変更が発生し、大幅な工期延期※となった場合は、技術者の途中交代が認められる。
※ 大幅な工期延期とは、契約約款第48条(受注者の催告によらない解除権)第1項第2号を準拠して、「延期期 間が当初工期の10分の5(工期の10分の5が6月を超えるときは、6月)を超える場合」を目安とする。 28
◆ 受注者の責に帰すことができない事由により工事を施工できないと認められる場合は、
「①工事用地等の確保ができない等のため、受注者が工事を施工できないと認められるとき」と「②暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的又は人為的な事象であって受注者の責に帰すことができないものにより工事目的物等に損害を生じ若しくは工事現場の状態が変動したため受注者が工事を施工できないと認められるとき」の2つが規定されている。 【契約約款第20条】
◆ 上記の2つの規定以外にも、発注者が必要があると認めるときは、工事の全部又は一部の施工を一時中止することができる。
※ 一時中止を指示する場合は、「施工できないと認められる状態」にまで達していることが必要であり、
「施工できないと認められる状態」は客観的に認められる場合を意味する。
① 工事用地等の確保ができない等のため工事を施
工できない場合
○ 発注者の義務である工事用地等の確保が行わ
れないため(契約約款第16条)施工できない場合
○ 設計図書と実際の施工条件の相違又は設計図書の不備が発見されたため(契約約款第18条)
施工を続けることが不可能な場合・・・等
② 自然的又は人為的な事象のため工事を施工でき
ない場合
○ 「自然的又は人為的事象」は、埋蔵文化財の
発掘又は調査、反対運動等の妨害活動も含まれる。
○ 「工事現場の状態の変動」は、地形等の物理的な変動だけでなく、妨害活動を行う者による
工事現場の占拠や著しい威嚇行為も含まれる。
29
◆ 発注者は、工事を中止するにあたっては、中止対象となる工事の内容、工事区域、中止期間の見通し等の中止内容を受注者に通知しなければならない。 【契約約款第20条】
また、工事現場を適正に維持管理するために、最小限必要な管理体制等の基本事項を指示することとする。
発注者の中止権
◇ 発注者は、「必要があると認められる」ときは、任意に工事を中止することができる。
※
◇
「必要があると認められる」か否か、中止すべ
き工事の範囲、中止期間については発注者の判断
発注者が工事を中止させることができるのは工事の完成前に限られる。
受注者による中止事案の確認請求
◇ 受注者は、受注者の責に帰すことができない工事施工不可要因を発見した場合は、工事の中止について発注者と協議することができ
る。
工事の中止期間
◇ 受注者は、中止期間が満了したときは、工事 を再開することとなるが、通常、中止の通知時点では中止期間が確定的でないことが多い。
◇ 工事中止の原因となっている事案の解決にどのくらい時間を要するか実現可能な計画を立て、工事を再開できる時期を通知する必要がある。
◇ 発注者は、施工一時中止している工事について施工可能と認めたときに工事の再開を指示しなければならない。
◇ 中止期間は、一時中止を指示したときから一時中止の事象が終了し、受注者が工事現場に入り作業を開始できると認められる状態になったときまでとなる。
30
◆ 工事を中止した場合において、受注者は中止期間中の工事現場の維持・管理を含めた変更施工計画書を発注者に提出し承諾を得るものとする。
※ 実際に施工着手する前の施工計画作成中及び測量等の準備期間中であっても、現場の維持・管理は必要であることから変更施工計画書を提出し、承諾を得る。
◆ 変更施工計画書の作成にあたっては、再開に備えての方策や一時中止に伴い発生する増加費用等について、受発注者間で確認し、双方の認識に相違が生じないようにする。
◆ 一時中止期間の変更や工事内容の変更など変更施工計画書の内容に変更が生じる場合受注者は変更計画書を再作成し、発注者に承諾を得るものとする。
記載内容
◇ 変更施工計画書作成の目的
◇ 中止時点における工事の出来形、職員の体制、労働者数、搬入材料及び建設機械器具等の確認に関すること
◇ 中止に伴う工事現場の体制の縮小と再開に関すること
◇ 工事現場の維持・管理に関する基本的事項
◇ 工事再開に向けた方策
◇ 工事一時中止に伴う増加項目及び数量
◇ 変更施工計画書に変更が生じた場合の手続き
管理責任
◇ 中止した工事現場の管理責任は、受注者に属するものとする。
◇ 受注者は、変更施工計画書において管理責任に係る旨を明らかにする。
◆ 発注者は一時中止期間の解除にあたり工期短縮行う必要があると判断した場合は、受注者と工期短縮について協議し合意を図る。
◆ 受注者は、発注者からの協議に基づき、工期短縮を行う場合はその方策に関する工期短縮計画書を作成し、発注者と協議を行う。
◆ 協議にあたっては、工期短縮に伴い費用が増加する項目・数量等について、受発注者間で確認し、双方の認識の相違が生じないようにする。
記載内容
◇ 工期短縮に必要となる施工計画、安全衛生計画等に関すること
◇ 短縮に伴う施工体制と短縮期間に関すること
◇ 工期短縮に伴い、新たに発生する項目について、必要性や数量等の根拠を明確に記載
工期の変更
◇ 受注者は、発注者からの承諾を受けた工期短縮計画にのっとり施工を実施し、受発注者間で協議した工程の遵守に努める
◇ 工期短縮に伴う増加費用については、工期短縮計画書に基づき設計変更を行う
◆ 工事を中止した場合において、「必要があると認められる」ときは、請負代金額又は工期が変更されなければならない。
※ 「必要があると認められるとき」とは、客観的に認める場合を意味する。
◇ 中止がごく短期間である場合、中止が部分的で全体工事の施工に影響がない等例外的な場合を除き、請負代金額及び工期の変更を行う。
請負代金額の変更
◇ 発注者は、工事の施工を中止させた場合に請負代金額の変更では填補し得ない受注者の増加費用、損害を負担しなければならない。
◇ 増加費用
○工事用地等を確保しなかった場合
○暴風雨の場合 など
契約の基礎条件の事情変更により生じたもの
◇ 損害の負担
○発注者に過失がある場合に生じたもの
○事情変更により生じたもの
※増加費用と損害は区別しないものとする
工期の変更
◇ 工期の変更期間は、原則、工事を中止した期間が妥当である。
◇ 地震、災害等の場合は、取片付け期間や復興期間に長期を要す場合もある。
◇ 取片付け期間や復興に要した期間を含めて工期延期することもできる。
8 増加費用の考え方
(1) 本工事施工中に中止した場合
工事の再開準備に要する費用
◇ 工事の再開予告後、工事を再開できる体制にするため、工事現場に再投入される機械機器具、労務者、技術職員の転入に要する費用等
■増加費用の範囲
※本工事とは、工事目的物又は仮設に係る工事
◆ 増加費用等の適用は、発注者が工事の一時中止(部分中止により工期延期となった場合を含む)を指示し、それに伴う増加費用等について受注者から請求があった場合に適用する。
◆ 増加費用として積算する範囲は、工事現場の維持に要する費用、工事体制の縮小に要する費用、工事の再開準備に要する費用、中止により工期延長となる場合の費用、工期短縮を行った場合の費用とする。
工事現場の維持に要する費用
◇ 中止期間中において工事現場を維持又は工事の続行に備えて機械器具、労務者又は技術職員を保持するために必要とされる費用等
◇ 中止に係る工事現場の維持等のために必要な受注者の本支店における費用
中止により工期延期となる場合の費用
◇ 工期延期となることにより追加で生じる社 員等給与、現場事務所費用、材料の保管費用、仮設諸機材の損料等に要する費用等
工事体制の縮小に要する費用
◇ 中止時点における工事体制から中止した工事現場の維持体制にまで体制を縮小するため、不要となった機械機器具、労務者又は技術職員の配置転換に要する費用等
工期短縮を行った場合の費用
◇ 工期短縮の要因が発注者に起因する場合,自然条件(災害等含む)に起因する場合の工期短縮に要する費用等
◇ 工期短縮の要因が受注者に起因する場合は増加費用を見込まないものとする
(2) 工期短縮を行った場合(当初設計から施工条件の変更がない場合)
■増加費用の考え方
①工期短縮の要因が発注者に起因するもの ・・・・・・・・・・【増加費用を見込む】
ex. ・ 工種を追加したが工期延期せず当初工期のままとした場合
②工期短縮の要因が受注者に起因するもの ・・・・・・・・・・【増加費用は見込まない】
ex. ・ 工程の段取りにミスがあり、当初工程を短縮せざるを得ない場合
③工期短縮の要因が自然条件(災害等含む)に起因するもの・・・【増加費用を見込む】
ex. ・ 想定以上の悪天候により、当初予定の作業日数の確保が見込めず工期延期が必要であるが、何らかの事情により工期延期ができない場合
・ 自然災害で被災※を受け、一時作業ができなくなったが、工期延期をせず、当初工期のまま施工する場合
※災害による損害については、契約約款第30条(不可抗力による損害)に基づき対応
■増加費用を見込む場合の主な項目の事例
◇ 当初昼間施工であったが、工種追加により夜間施工を追加した場合は、夜間施工の手間に要する費用
◇ パーティー数を増加せざるを得ず、建設機械等の台数を増加させた場合に要する費用
◇ その他、必要と思われる費用
※増加費用の内訳については、発注者と受注者で協議を行うものとする。
■工期延期等に伴う増加費用の算定
◆ 増加費用の算定は、受注者が変更施工計画書に従って実施した結果、必要とされた工 事現場の維持等の費用の明細書に基づき、費用の必要性・数量など受発注者間で協議して行う。
◆ 増加費用の各構成費目は、原則として、中止期間中に要した費目の内容について積算し、 再開以降の工事にかかる増加費用は、従来どおり設計変更で処理する。
◆ 工期延期等に伴い発注者が新たに受け取り対象とした材料、直接労務費及び直接経費 に係る費用は、該当する工種に追加計上し、設計変更により処理する。
増加費用等の構成
◇ 中止期間中の現場維持等に要する費用は、工事原価内の間接工事費の中で計上し、一般管理費等の対象とする。
直接工事費
純工事費
工事原価 共通仮設費
工事価格
間接工事費
現場管理費
※
請負工事費 一般管理費等
工期延期等に伴う現場維持等の費用
+
工期短縮により増加する費用
消費税相当額
※工期延期等に伴う本支店における増加費用を含む
36
標準積算により算定する場合、中止期間中の現場維持等に関する費用として積算する内容は、積上げ項目及び率項目とする。
積上げ項目
◇ 直接工事費、仮設費及び事業損失防止施設費 における材料費、労務費、水道光熱電力等料金、機械経費で現場維持等に要する費用
○ 直接工事費に計上された材料(期間要素を考慮した材料)及び仮設費に計上された仮設材等の中止期間中に係る損料額及び補修費用
○ 直接工事費、仮設費及び事業損失防止費における項目で現場維持等に要する費用
率で計上する項目
◇ 運搬費の増加費用
○ 機械現場搬入済みの建設機械の工事現場外への搬出又は工事現場への再搬入に要する費用
○ 大型類等の現場xx運搬
◇ 安全費の増加費用
○ 工事現場の維持に関する費用
※ 保安施設、保安要員の費用及び火薬庫、火工品庫の保安管理に要する費用
◇ 役務費の増加費用
○ 仮設費に係る土地の借り上げ等に要する費用、電力及び用水等の基本料金
◇ 営繕費の増加費用
○ 現場事務所、労務者宿舎、監督員詰所及び火薬庫等の営繕損料に要する費用
◇ 現場管理費の増加費用
○ 現場維持のために現場へ常駐する社員等従業員給料手当及び労務管理費等に要する費用
注)・ 標準積算は工事全体の一時中止(主たる工種の部分中止により工期が延期となった場合を含む)に適用し、道路維持工事又は河川維持工事のうち経常的な工事である場合、及び一時中止期間が3ヶ月を超える場合は適用不可。
・ 標準積算によりがたい場合は、別途、見積による積上積算とする。 37
■増加費用の積算
◆ 増加費用は、原則、工事目的物又は仮設に係る工事の施工着手後を対象注)に算定することとし、算定方法は下記のとおりとする。
ただし、中止期間3ヶ月※以内は標準積算により算定し、中止期間が3ヶ月を超える場合、 道路維持工事又は河川維持工事のうち経常的な工事である場合など、標準積算によりがたい場合は、受注者から増加費用に係る見積を求め、受発注者間で協議を行い増加費用を算定する。
※ 標準積算の適用範囲は、積算基準策定時に検証したケースが3ヶ月程度までであることから、「中止期間3ヶ月以内」としている。
※ 見積を求める場合、中止期間全体にかかる見積(例えば中止期間4ヶ月の場合、4ヶ月分の見積)を徴収する。
注) 増加費用の算定(請負代金額の変更)は、施工着手後を原則とし、施工着手前の増加費用に関する受発注者間のトラブルを回避するため、契約図書に適切な条件明示(用地確保の状況、関係機関との協議状況など、工事着手に関する条件)を行うとともに、施工計画打合せ時に、現場事務所の設置時期などを確認し、十分な調整を行うこと。
工事延期等に伴う積算方法(土木工事標準積算基準による場合)
◇ 工事延期等の伴う現場維持等の費用(単位円 1,000円未満切り捨て)
G=dg×J+α
dg : 工事延期等に係る現場経費率(単位 % 小数第4位四捨五入3位止め)
J : 対象額(工事延期等時点の契約上の純工事費)(単位 円 1,000円未満切り捨て) α : 積上げ費用(単位 円 1,000円未満切り捨て)
工事延期等に係る現場経費率(dg)
b B b B
dg=A[(J/(a×J +N)) ー(J/(a×J )) ]+(N×R×100)/J
N : 工事延期等日数(日)ただし、部分中止の場合は、部分中止に伴う工期延期日数 R : 公共工事設計労務単価(土木一般世話役)
A・B・a・b : 各工種毎に決まる係数(別表-1)
◇ 土木工事標準積算基準における入力項目
※別表-1 土木工事標準積算基準(第Ⅰ編 第
9章 工事における工期の延期等に伴う増加費用等の積算)による。
J :工事延期等時点の契約上の純工事費 、 N :工事延期等日数 、 α : 積上げ費用 38
(3) 契約後準備工着手前に中止した場合
◆ 契約後準備工着手前とは、契約締結後で、現場事務所・工事看板が未設置、材料等が未搬入の状態で測量等の準備工に着手するまでの期間をいう。
◆ 発注者は、上記の期間中に、準備工又は本工事の施工に着手することが不可能と判断した場合は、工事の一時中止を受注者に通知する。
当初契約工期
契約締結
施工計画作成
期間
準備工期間
本工事施工期間
後片付け期間
変更契約工期
契約締結
施工計画作成
期間
中止期間
準備工期間
本工事施工期間
後片付け期間
◇ 変更施工計画書の作成
○ 契約約款第16条(工事用地の確保等)第2項に「受注者は、確保された工事用地等を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。」とあることから、受注者は必要に応じて、「工事現場の維持・管理に関する基本的事項」を記載した変更施工計画書を発注者に提出し承諾を得る。
◇ 増加費用
○ 一時中止に伴う増加費用は計上しない。
39
(4) 準備工期間に中止した場合
◆ 準備工期間とは、契約締結後で、現場事務所・工事看板を設置し、測量等の本工事施工前の準備期間をいう。
◆ 発注者は、上記の期間中に、本体工事に着手することが不可能と判断した場合は、工事の一時中止を受注者に通知する。
当初契約工期
契約締結
施工計画作成
期間
準備工期間
本工事施工期間
後片付け期間
変更契約工期
契約締結
施工計画作成
期間
準備工
期間
中止期間
準備工
期間
本工事施工期間
後片付け期間
◇変更施工計画書の作成
○ 受注者は、「工事現場の維持・管理に関する基本的事項」を記載した変更施工計画書に必要に応じ て費用が増加する項目及び数量等を記載※した上で、その内容について発注者と協議し同意を得る。
※費用が増加する項目及び数量は、請求する場合のみ記載する。
◇増加費用
○ 増加費用の適用は、受注者から請求があった場合に適用する。
○ 増加費用は、安全費(工事看板の損料)、営繕費(現場事務所の維持費、土地の借地料)及び現場管理費(監理技術者もしくはxx技術者、現場代理人等の現場従業員手当)等が想定される。
○ 増加費用の算定は、受注者が「変更施工計画書」に基づき実施した結果、必要とされた工事現場の維持等の費用の「明細書」に基づき、費用の必要性・数量など受発注者が協議して決定する。
(積算は、標準積算若しくは受注者から見積を求め行う。)
40
41
Ⅲ 受発注者間のコミュニケーション
・ ウィークリースタンス
・ 三者協議
・ ワンデーレスポンス
・ 円滑な設計変更
令和4年8月
郡山市上下水道局 42
ウィークリースタンス・三者協議・ワンデーレスポンス・円滑な設計変更
工事発注後の様々な課題を受発注者がxxとなって円滑かつ迅速に解決するため、以下の施策に取り組む
・ウィークリースタンス: 1週間のルールを定め受発注者で取り組み、働きやすい業務環境づくりを推進
・三者協議 : 発注者、設計者、施工者が一堂に会し、情報を共有し工事の円滑な着手、手戻りを防止
・ワンデーレスポンス : 施工者から質問等に対して、迅速な回答を実施し、施工者の手待ち時間を解消
・円滑な設計変更 : 各種ガイドラインの活用及び設計変更の透明性を図り、円滑な設計変更を実施
工事着手時 施工中 変更設計
施工者
施工者
発注者
ウィークリースタンス
三者協議 ワンデーレスポンス 円滑な設計変更協議・承諾・確認等
施工者
発注者
設計変更ガイドラインの活用を徹底するとともに、必要に応じて三者協議の実施
1週間のルールを定め、受発注者で取り組む
・休み等に配慮した打合せ
・作業内容に見合った期間
・受発注者間の情報共有など
施工者
発注者
現場条件の把握設計思想の把握新技術の提案等
設計者
発注者
「ワンデーレスポンス」
計画的な業務の履行 業務環境づくりの推進工事品質確保の促進
課題を早期に把握し円滑な事着手や
手戻りの防止
適切な工程管理が可能となり、現場の生産性が向上
円滑な設計変更
■災害復旧等の緊急工事を除く全ての工事が対象
■構造物を主体とする工事などで実施
■施工中に現場条件が大きく変化した場合や受注者からの申し出による開催も可能
■原則、全ての工事が対象
■工事打合せ簿に回答希望日を記載して協議等を行うことができる
■受発注者の申し出により三
者協議を適宜開催
43
◆ウィークリースタンスの取組み
計画的に工事、業務を履行することで、各成果の品質確保に努めるとともに、ワークライフバランスを推進することにより、建設業における担い手の育成及び確保を目的とするウィークリースタンスの取り組みを実施します。
本市の基本的事項 |
(1) 昼休みや午後4時以降開始の打ち合わせは行わない。 |
(2) 休日明け日(月曜日等)は、依頼の期限日としない。 |
(3) 休前日(金曜日等)は、新たな依頼をしない。 |
(4) 作業内容に見合った作業期間を確保する。 |
(5) 定時間際、定時後の依頼を行わない。 |
(6) ワンデーレスポンス対応の徹底を図る。 |
(7) 工程に影響する条件等を受発注者間で共有する。 |
(8) 定時の帰宅に心掛ける。 |
協議・承諾・確認等
ワンデーレスポンス
(現場代理人)
受
注
者
発
( 監
注
x
者
員 )
■ 工事発注後の様々な課題を受発注者がxxとなって円滑かつ迅速に解決するため、受注者は協議・承諾・確認等を的確に行い、発注者はワンデーレスポンスに取り組む必要がある。
適切な工程管理が可能となり現場の生産性が向上
◆ワンデーレスポンス
ワンデーレスポンスは、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律や公共工事の品質確保の促進に関する法律に基づく一連の対策に位置づけられる。
ワンデーレスポンスとは、受注者からの質問、協議に対して、発注者は、基本的に「その日のうちに」回答するよう対応することである。
また、設計変更に係る協議においても、ワンデーレスポンスの実施を適用することが必要となる。
なお、即日回答が困難な場合に、いつまでに回答が必要なのかを受注者と協議のうえ、回答期限を設けるなど、何らかの回答を「その日のうち」にすることを含むものとしている。
Ⅳ
Q&A及び主な事例
◆ Q&A
1 | ガイドライン全般 | P.47 |
2 | 「指定」と「任意」の考え方(仮設) | P.52 |
3 | 個別事例 | P.55 |
4 | その他 | P.60 |
◆ 主な事例
1 工事目的物の形状・寸法や仕様の変更
2 工事目的物の追加
3 施工数量の増減
4 施工方法等の変更
5 工事の中止、工事着手時期の変更、工期の変更
6 工期短縮に伴う変更
7 電気設備
8 機械設備
9 その他
P.63 P.68 P.69 P.71 P.78 P.81 P.83 P.84 P.85
令和4年8月
郡山市上下水道局 46
設計変更された内容の契約変更手続きは、いつ頃行うのが適切ですか?
現場条件等の変更があり、発注者が施工条件の変更の必要性を認めた場合でも、契約変更手続きは工期末に一括して行われるケースが多くあります。
その都度、契約変更手続きを実施できないのですか?
Question1
Answer1
設計変更に伴う契約変更の手続きは、その必要が生じた都度実施することとなります。
ただし、軽微な設計変更を行っていた場合は、以下によります。
① 契約変更を行うときに、それ以前に行った軽微な設計変更をすべて含めて、契約変更を行う。
② 軽微な設計変更のみで変更事務が終わるものについては、工期の末(国庫・県費債務負担行為に基づく工事にあっては、各会計年度の末及び工期の末)までに契約変更を行う。
Question2
設計図書に施工条件を明示する目的は何ですか?
Answer2
工事の目的物を完成するにあたり、当該工事の制約となる施工条件を設計図書に明示することによって、工事を円滑に実施するため必要となるものです。
施工条件は、契約条件になるものであることから、設計図書の中で明示するものとされています。
明示された施工条件に変更が生じた場合は、契約約款に基づき、適切に対応する必要があります。
なお、明示されていない施工条件や明示事項が不明確な施工条件についても同様です。
Question3
施工条件を明示するにあたり、発注者が注意すべき点はありますか?
Answer3
施工条件は、施工計画をたてるにあたり、工期や工事費に大きく影響します。
そのため、設計段階で判明している現場条件等については、「施工条件」として受注者に適切に明示する必要があります。
敷地や施設の状況などを「施工条件」に的確に反映するためには、十分な事前の調査が必要です。
Question4
改修工事の場合、工程に関して、発注者が明示すべき施工条件として、記載すべ
き内容はありますか?
Answer4
改修工事においては、建物を使用しながら工事を実施するなどの多様な制約があることを踏まえ、工程に関する施工条件や影響を及ぼす施工手順を明示することが求められます。
①特定の条件が付され当該工事の工程に影響を及ぼすと考えられる場合
→(記載例)作業可能日・時間、施工手順等を示す。
②工事を安全かつ効率的に進めるために、複数の作業範囲に分割する場合
→(記載例)作業の着手順序、作業工程、資機材の搬入経路等を示す。
Q&A
Question5
1 ガイドライン全般
任意仮設の設計変更の条件は何ですか?
Answer5
設計変更は、契約約款第18条又は第19条の規定により図面又は仕様書を変更することをいいます。 なお、任意仮設は、契約約款第1条第3項により受注者がその責任において定めるものとされているため、設計変更の対象となりません。
一方、施工条件と実際の工事現場が一致しない場合や当初発注時点で予期しえなかった現場条件等が確認された場合は、受発注者間の協議により、設計変更の対象となります。
これに伴う任意仮設の変更は、請負代金額の変更の対象となります。
【第1条 総則】
3 仮設、施工方法その他の工事目的物を完成するために必要な一切の手段(以下、「施工方法等」という。)については、の約款および設計図書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。
【第18条 条件変更等】
受注者は、工事の施工に当たり、次の各号のいずれかに該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければいけない。
(中略)
(4) 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと。
(5) 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと。
4 前項の調査の結果において第1項の事実が確認された場合において、必要があると認められるときは、次に掲げるところにより、設計図書の訂正又は変更を行わなければならない。
(中略)
(3) 第1項第4号又は第5号に該当し設計図書を変更する場合で工事目的物の変更を伴わないものは、発注者と受注者とが協議して発注者が行う。
5 前項の規定により設計図書の訂正又は変更が行われた場合において、発注者は、必要があると認められるとき
。
は工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない
51
Question6
設計変更ガイドラインで、「任意であっても、当初積算時の条件と現地条件に変
更がある場合は、設計変更を行う。」となっていますが、何に基づいて協議の対象となるのですか?
「当初積算時の条件と現地条件に変更がある場合」の協議は、契約約款第18条第4項第3号に基づき、受発注者間で行われます。
Answer6
【第18条(条件変更等)第4項第3号】
第1項第4号又は第5号に該当し設計図書を変更する場合で工事目的物の変更を伴わないものは、発注者と受注者とが協議して発注者が行う。
Question7
重機等施工機械の移動範囲の地盤強度が足りず、当初契約時の設計図書に無い敷
鉄板等の仮設物が必要となる事が判明した場合、設計変更の対象となりますか?
Answer7
工事契約後の現地調査等の結果により、地盤強度が足りないことから敷鉄板等が必要と判明した場合は、契約約款第18条第1項第4号に該当するものと考えられるため、受注者・発注者間の協議により、発注者がその必要性があると認めるときは、設計図書の変更を行い、請負代金額を変更する場合もあります。(契約約款第18条第
4項第3号、同条第5項)
Question8
雨水排水xxの地下埋設物の設置にあたり、発注者はオープンカット(任意)に
よることを見込んでいたが、受注者から土留として矢板を設置して掘削したいとの提案を受けた場合、設計変更の対象となりますか?
Answer8
工事の目的は地下埋設物等を設置することであり、その施工方法は任意です。
この場合の矢板については任意の仮設物となるため、受注者の提案は、原則として設計変更の対象となりません。
ただし、発注者の想定するオープンカットによる施工が現場の諸条件等を踏まえ合理的ではないことが判明した場合や当初発注時点で予期しえなかった現場条件等が確認された場合は、受発注者間の協議により、設計図書の変更を行い、請負代金額を変更する場合もあります。(契約約款第18条第4項第3号、同条第5項)
Question9
【材料規格等について-1】
工事契約後、使用材料の入手が不可能(生産中止等)なことが判明し、材料規格等を変更する場合、設計変更の対象となりますか?
Answer9
受注者の調査により、工事契約後に設計図書に示された使用材料の入手が不可能であると判明した場合は、契約約款第18条第1項第2号に該当するものと考えられるため、設計変更の対象となります。(契約約款第18条第4項第1号)
なお、発注者は使用材料を変更することによる建築物への設計上の妥当性の検証及び経済性等の検討を行う必要があります。
Question10
【材料規格等について-2】
工事契約後、使用材料の入手に想定以上の時間がかかることが判明し、材料規格等を変更する場合、設計変更の対象となりますか?
Answer10
受注者は、使用材料の入手にかかる時間について工事契約前に想定し、工事を受注したと考えられます。
よって、契約約款第18条(条件変更等)第1項には該当しないので、原則として設計変更の対象となりません。
ただし、発注者の使用材料の選定に明らかに責がある場合及び発注段階では想定されないことにより材料等を変更せざるを得ない場合は、設計変更の対象となる場合もあります。(契約約款第18条第4項第1号、第3号)
Question11
【一時中止期間中の建設機械のリース代等の費用について】
杭の施工中に、発注者は想定されていなかった地中障害物が発見されたため、地中障害物の除去を行う期間、工事を一時中止する必要が生じました。
その期間における建設機械のリース代等の費用について、契約変更の対象になりますか?
Answer11
受注者の責によらない「地中障害物」により工事を一時中止した場合に必要となる建設機械のリース代等の費用は、契約約款第20条第3項により中止期間中において現場維持や工事の続行に備えて保持するために必要となる費用等に該当すると考えられます。
発注者は、工事一時中止に伴う増加費用について、受注者から請求があった場合、必要があると認められるときは契約変更を行うこととなります。
【交通誘導警備員について】
当初設計では交通誘導警備員Bとなっていましたが、工事契約後、所轄警察署で当該工事で交通誘導警備員Aの配置を求められた場合、設計変更の対象となりますか?
Question12
交通誘導警備員Aは、警備員等の検定等に関する規則第2条(平成17年国家公安委員会規則第20号)により都道府県公安委員会が必要と認める場合に配置することが求められています。
交通誘導警備員は共通仮設費積上げ項目の一つとして施工条件に明示することが求められているところであり、その変更は契約約款第18条第1項第4号に該当すると考えられるため、受発注者間の協議により、設計変更の対象となります。(契約約款第 18条第4項第3号)
Answer12
▶参考
○ 交通誘導警備員A:警備業者の警備員で、交通誘導警備業務に従事する交通誘導警備業務に係る一級又は二級検定合格警備員。
○ 交通誘導警備員B:警備業者の警備員で、交通誘導警備員A以外の交通の誘導に従事するもの。
Question13
【設計図書が不明瞭な点について】
耐火建築物の要求がある建築工事において、延焼のおそれがある部分の開口部は防火戸にする必要があるが、設計図書には防火戸に関する明示がありませんでした。
適法な建築物とするために防火戸の仕様とすることは、設計変更の対象となりますか?
Answer13
建築基準法により、耐火建築物の要求がある建築工事で、延焼のおそれがある部分の開口部は防火戸にする必要があり、契約約款第18条第1項第3号に該当するものと考えられるため、受注者と発注者との協議により設計変更の対象となります。(契約約款第18条第4項第1号)
Question14
【総合評価方式について】
総合評価方式により、受注した工事における技術提案についても、設計変更できますか?
Answer14
総合評価方式は、価格と技術提案その他の価格以外の要素について総合的に評価を行い、落札者を決定する方式です。
契約の前提として示され、評価された技術提案は、受注者の責任において原則として履行されなければなりません。
このような前提から、技術提案の内容の如何にかかわらず提案内容を反映させるための設計変更はできません。
ただし、技術資料に記述した提案であっても、工事施工途中の条件変更等によって、当該提案内容を変更することが合理的な場合は、適切に設計変更に係る手続きを行うものとします。
Question15
【工事一時中止による屋外整備工事の工事短縮の進め方について】
建築工事とは別途発注となった屋外整備工事(土木工事)の施工中に、関連する建築工事が一時中止となり、併せて工事中止となりました。
発注者から工事再開にあたり、工期短縮を行うことの協議を受けた場合、工期短縮計画書やその場合の費用が増加する項目の協議等については、どのように進めるべきですか?
工期短縮計画書の内容や増加費用の考え方については、「Ⅱ 工事一時中止に係るガイドライン」(P.26)を活用して進めてください。
Answer15
Question16
【搬出する土砂の車両(10tダンプ)について】
当初設計では10tダンプで残土を場外に搬出する計画であったが、残土の敷地内での流用などにより、場外に搬出する土砂がごく少量となり、2tダンプで運搬できることから、搬出車両の変更は可能ですか?
当初の施工条件が変わり、残土の流用により、土砂の量が減ったことから、施工前に協議を行うことにより、車両の設計変更を行うことは可能です。
Answer16
用地取得を前提として工事契約した一部分について用地交渉が不調となったため、その区間では設計通りの構造で施工が不可能なことから、用地取得範囲内ですりつ け構造として変更した。
当初設計
工事用地に関する施
工条件として用地取得時期を明示
予定どおり処理出来ない場合は、監督員と協議する。
と示されていた。
一部分について用地
交渉が不調。
設計通りの構造での施
工は不可能だなあ。
変更設計
用地取得範囲内ですりつけるよう暫定構造とする。
変更した設計図書に基づき変更設計とする。
【契約約款
第19条(設計図書の変更)】
Point
契約約款第19条(設計図書の変更)では発注者は必要があると認める時は自らの意志で設計図書を変更できるとされており、工事目的物の変更を受注者に通知し、工期又は請負代金の変更を行う。
当初想定していた支持地盤が試験杭の施工やボーリング調査結果から強度不足が判明したので、基礎工の構造を変更した。
当初設計
設計図書には土質柱状
図及び支持地盤となる岩盤線が示されていた。
試験杭の施工やボーリ
ング調査結果から強度不足が判明。
支持地盤の強度が不足し
ているなあ。
変更設計
・試験杭の施工結果より工事一時中止を指示
・ボーリング調査を追加
・土質変更に伴う基礎杭長、基礎杭径等の変更について設計図書に明示
・一時中止の増加費用、ボーリング調査費用及び変更設計図書に基づく基礎構造の費用計上
Point
岩盤線推定のためのボーリングはジャストポイントで行われているとは限らないので試験杭で確認することは有効。
64
土質条件が現場と設計で一致せず、薬液注入率を変更した。
当初設計
当該箇所の土質条件
は、設計図書に「土質柱状図」及び「薬液注入工法」が示されていた。
土質条件が現場と設
計で一致しなかった。
土質条件が設計と異なっ
ているので、薬液注入率を見直さなければ。
変更設計
土質条件の変更を
設計図書に明示
変更後の薬液注入
率で費用を計上
Point
設計図書の変更内容は施工条件である「土質柱状図の変更」であり、これに伴う薬液注入率の変更は設計図書の変更ではなく、単に積算の変更となる。
65
大規模改造工事において、内装材(壁、天井、床)を解体した結果、工事の支障になる事態が判明したため、工事の変更を行った。
当初設計
内装材の内部に
は、支障となるものは図示されていなかった。
内装材を解体した結果、新たに設置する設備機器や配管と干渉するため、納まりや位置の大幅な変更が必要となり、協議を行った。
変更設計
・協議による新たに設置
する設備機器や配管の設置箇所を移動して施工を行う。
・変更する内容に基づき
設計変更を行う。
Point
隠蔽部分の改修工事は、最後に行った工事の竣工図を頼りに行うが、古い図面の場合は現地と整合がとれていないものもあるため、十分に現地調査を行い、不測の事態が判明したときは速やかに協議を行い対応を検討する必要がある。
66
内部改修工事において、天井材を撤去した際に、図面にないアスベスト含有の 恐れのある保温材が発見されたため、軽微な設計変更により、分析調査を追加し、その結果に応じて適切な設計変更及び撤去作業を行った。
当初設計
天井裏に工事
の支障となる配管は図示されていなかった。
天井裏に工事の支障となる配管があり、移設が必要となった。
さらに確認したところ、その保温材にアスベスト含有の恐れのある材料が使用されていたことから、協議を行った。
変更設計
アスベスト含有につ
いて確認を行って、この結果に基づき、適正な施工を行う。
変更する内容に基づき設計変更を行う。
Point
隠蔽部分について、不測の事態が発生した際は、その処置については設計変更の対象となる。
埋設管が工事の支障となるため、既設管を一部撤去し、埋設管の切り回し工事を追加した。
当初設計
既設管は、設計図書
には示されておらず、その対処方法については監督員が別途指示する。
と示されていた。
埋設管が工事の支障となる。
ここに埋設管があるね!
変更設計
既設埋設管を一部撤去し、新規に切り回しする埋設管の位置、規格、数量等を設計図書に明示。
既設埋設管の一部
撤去費用と新規切り回し埋設管の敷設費用を計上。
Point
工事に影響する可能性が大きいため特記仕様書又は図面には「存在」を記しておき、設計変更の対象とする可能性を示唆しておき、施工過程での調査内容については速やかに監督員に通知し、その確認を請求すること。 【契約約款第18条(条件変更等)】
一部用地において所有者との交渉が難航して、契約工期内に工事が完成出来ない見通しとなり、当該施工箇所の一部工事を取りやめた。
当初設計
工事用地に関する施工条件として用地取得時期が明示されていた。
また、予定どおり処理出来ない場合は、監督員
と協議する。
と示されていた。
一部用地において所有者との交渉が難航。
変更設計
工事の一時中止を指示し、工期延長を行う。
用地未取得箇所の工事
数量を減じ積算すると共に工事一時中止に伴う増加費用を計上。
Point
やむを得ず工事を一部一時中止しなければならない場合は、数量増減に伴う設計図書の変更を行う。 【契約約款第19条(設計図書の変更)】
工事施工箇所に家屋移転補償済みの家屋があるが、当初想定していた時期より移転が遅れたため当該施工箇所の一部工事を取りやめた。
当初設計
用地未取得地の範囲、
確保見込み時期が設計図書に示されていなかった
。
当初想定した移転時期より遅れた。
変更設計
工事の一部中止を指示
すると共に設計図書の変更を行う。
変更した設計図書に基
づき変更設計とする。
【契約約款
第19条(設計図書の変更)】
Point
用地の確保時期は施工計画に影響を与えるため、移転未了の見込み時期等も明示しておく必要がある。
排水基準を満足する水質で排水したところ、渇水のために水質汚濁が危惧されたため、濁水処理設備を追加した。
当初設計
当初設計図書には水質汚濁に関する特別な事項は示されていなかった。
渇水のために水質汚濁が危惧された。
変更設計
水質管理に伴う処理剤及び濁水処理設備の機能、稼働時間について明示。
変更積算は濁水処理
設備等について計上。
Point
本来ならば、濁水処理設備の必要性の有無も含めて受注者が自主的に施工する範囲であるが、渇水という状況下においてその必要性を発注者が認めたもの。
地元要望により、振動発生の懸念があるとして発注者に工法変更の申し入れがあり、工法変更をした。
当初設計 変更設計
地元要望により、振
仮締め切りの施工で、打ち込みを高周波バイブロハンマ、引き抜きを電動式バイブロハンマ方式により施工方法を指定している。
また、現地の状況によりがたい場合は、監督員と協議する。
と示されていた。
動発生の懸念があるとして発注者に工法変更の申し入れがあった。
受注者と協議のうえ、鋼xxの打ち込み、引き抜き工法を変更する。
特記仕様書に工法変更を明示した。
Point
契約時点では、最も合理的な工法として指定したものであるが、地元から要望を寄せられた時点で、発注者は苦情内容を調査し、「周辺住民に振動による悪影響を及ぼさない施工方法を採用すること」という施工の制約を受注者に指示し、設計変更の対象とする必要がある。
工事用道路の振動抑制対策について地元要望があり、調査の結果、砕石による補修だけでは解決しないため敷鉄板の敷設を追加した。
当初設計
工事用道路に関しては「 既設のものを使用」することとしており、補修に関しては補修材の材質、数量の明示がされていた。
工事用道路の振動抑制対策について地元要望があった。
変更設計
工事用道路の整備につ
いて補修材料及び敷鉄板の敷設数量を明示。
敷鉄板の敷設費用及び
損料を計上。
Point
施工手段や仮設は本来任意であるが、重要な仮設物や特別に地元と約束がある場合などの仮設については指定仮設として設計図書に示す事になる。この場合、地元要望に基づき施工条件の変更となったため設計変更の対象とする。
73
現道切り回し作業を夜間とすることを警察協議により条件に付されたことにより、昼間とは別に夜間作業に伴う交通誘導警備員の配置が必要となった。
当初設計
「 全作業は昼間作業」という施工時間帯が施工条件として示されている。
また、車両出入り口の箇所数と交通誘導警備員の人数が示されていた。
現道切り回し作業を夜間とすることを警察協議により条件に付された。
現道切り回し作業は夜間にしてください。
変更設計
以下の3点について設計図書に条件明示する。
①夜間作業の区分
②交通誘導警備員の夜間作業時間帯及び員数
③夜間作業の変更に伴う工期の延長
夜間作業に伴う積算の変更と交通誘導警備員の費用を計上。
Point
当初の特記仕様書では作業が昼間を前提としており、交通誘導警備員の配置も昼間のみであった。
しかし、警察協議により夜間作業に条件変更となったため設計変更の対象とする。
当初見込んだ道路使用が許可されず、クレーン及び仮設プラントの設置用に仮桟橋を設けることとした。
当初設計
当初の特記仕様書では仮設備の設置方法についての指定が示されており、設置箇所は車道の1車線規制が可能である旨の施工条件が示されていた。
当初見込んだ道路使用が許可されなかった。
変更設計
施工ヤードとして仮
桟橋工を設計図書に明示し、変更設計図書に従い仮桟橋工を計上。
Point
道路使用が許可されず施工ヤードを変更せざるを得なかった。条件明示に先だって、道路使用が可能であるか事前の調査・検討が必要であった。
当初設計では、掘削にあたり水替えポンプを想定していたが、予想以上に湧水が多く、ウェルポイント工法を追加した。
当初設計
当初設計図書には水替ポンプの規模と数量が示されていた。 Φ○○×台数を想定しているが、これによりがたい場合は、監督員と協議。
と示されてた。
予想以上に湧水が多く、ウェルポイント工法を追加した。
変更設計
ウェルポイントの
追加に伴って水替工のポンプ台数を減じて積算。
ウェルポイント工
法の費用を計上。
Point
一般に工事の施工条件は、たとえ常識的な範囲であっても、具体的な数値等を設計図書に明示しておくことが望ましい。
山間部における高架橋耐震補強工事(鋼板xx工法)において、部材の搬入路が確保出来なかったため、大型の構造部材を小型に形状変更し、それに伴う溶接歩掛の増加費用を設計変更した。
当初設計
当初設計では鋼板の標準形状をパターン化し輸送及び加工コストを削減する設計となっていたが、部材が大型化し、山間部のため輸送が出来ない状況となった。
大型車の搬入が不可能であったため、鋼板を細分化して搬入することとした。
変更設計
切断長や溶接長の
増加、揚重機や搬入車両の小型化に伴う増加費用を計上。
Point
積算条件として搬入方法、溶接頻度や設置方法等が当初設計の標準案と大きくことなるものであり、設計変更の対象とする。
用地取得交渉に不測の日数を要したため一時中止し、工期延期を行った。
当初設計
工事用地に関する施工条件として用地取得時期が明示されていた。
また、予定どおり処理出来ない場合は、監督員と協議。
と示されていた。
用地取得交渉に不測
の日数を要した。
工期が足りないよ
変更設計
工事の一時中止を指示し、工期延長を行う。
変更費用については工事一時中止に伴う増加費用を計上。
【契約約款
第20条(工事の中止)】
Point
発注者は、施工条件として用地未処理部分がある場合は、処理の見込み時期を明らかにすると共に事実上施工が不可能な時は、時機を逸せず工事の一時中止を速やかに指示する必要がある。
地元漁業関係者より漁業への影響があるとして工事計画(工事に伴う排水計画)の再検討について要望が出されたため地元合意が成立するまで工事一時中止を行った。
当初設計
当初、特記仕様書
には排水計画を作成 し監督員と協議する。
と示されていた。
地元漁業関係者より漁業への影響があるとして工事計画の再検討について要望が出された。
変更設計
速やかに工事の「工事一時中止」の指示を行い、ガイドラインに基づき「変更施工計画書」の作成を行う。
工事一時中止に伴う増加費用を計上。
【契約約款
第20条(工事の中止)】
Point
地元からの計画見直しの要望により、発注者が工事の中止を認めたものであり、工事の全部又は一部の施工を中止させることができる。
このとき一時中止に伴う増加費用について受注者と協議して費用を見込まなければならない。
79
予期せぬ河川の増水により護岸基礎の施工ができず、その後の法覆工施工を含めると当初工期内で完了出来ないため、工期延長を行った。
当初設計
当初設計では現況河川の平水位が示されていた。
予期せぬ河川の増水により護岸基礎の施工ができず、その後の法覆工施工を含めると当初工期内で完了出来なくなった。
変更設計
・受注者から河川の増水により基礎工の施工が不可能である旨を明示。( 工事期間中の水位観測、天気調査結果
、写真、工程表)
・工期の延長
【契約約款第22条(受注者の請求による工期の延長)、第24条(工期の変更方法)】
Point
河川の増水が予期できないものか否かの判断がポイント。例年とは異なる水位の状況で
あり、施工出来ない水位であることを示さなければならない。
80
当初設計時点の現場条件に違いがあり○○工を追加したが、供用日が決まっており、追加工種分の工期延期ができず、当初工期のままで施工を指示した。
当初設計
○○工種はなかった。
○○工種を追加したが、供用日が決まっていたため、当初工期のまま施工することになった。
変更設計
・受発注者間で○○工種追加に伴う工程上の影響を確認し、合意した内容に基づき、必要な費用を追加する。
ex.
・施工時間の延長
・建設機械の増
Point
工種追加により、作業が増えているが工期を延期しない場合は、その影響が作業段取り等に出てくる可能性があり、その影響について必要性を確認の上、費用を見込まなければならない。
81
工事一時中止により2ヵ月の工期延期になるところ、供用日が決まっているため、工期延期を1ヵ月とし、1ヶ月間の工期短縮するための施工を指示した。
当初設計
設計工程:○ヵ月
工事一時中止が発生し、工期延期になるところ、供用日が決まっているため、1ヵ月工期短縮する施工方法を計画し、実施することになった。
変更設計
受発注者間で1ヵ月工期短縮する方策について確認し、合意した内容に基づき、必要な費用を追加する。
ex.
・プレキャスト導入に伴う増
・建設機械の増
・夜間施工に伴う増
Point
工事数量に変動はないが、工程短縮するために作業時間や機械セット数を増やす必要がある場合、その必要性を確認の上、費用を見込まなければならない。
学校改修工事における非常放送設備更新工事において、設計図書と現場が一致しておらず、非常用スピーカーの数量を変更した。
当初設計
発注図面が古く、
非常用スピーカが必要数確保されていなかった。
受注者が着工前に 現地調査したところ、図面と現場の不一致 が発覚
変更設計
追加の非常用スピーカ
及び配管配線を追加
変更した設計図書に基づく費用を計上
Point
改修工事の際に、竣工図面を参考とするとその後の修繕や改修工事で実際の現場と図面が一致しないことがある。
受注者は設計図書に示された施工条件と実際の工事現場が異なる場合は、ただちに監督員と協議する。
冷温水発生機のオーバーホールを行ったが、密閉箇所を解放分解したところ、他にもオーバーホールが必要な箇所が見つかり工事を追加した。
当初設計
当初契約箇所以外
の機器の異常は想定していなかった。
オーバーホールを行うため密閉箇所を解放分解したところ異常が見つかった。
変更設計
追 加 の オ ー バ ー
ホール箇所を設計図書に明示する。
変更した設計図書に基づき費用を計上する。
Point
追加のオーバーホール箇所については、機器を停止し密閉箇所を解放分解しなければわからない箇所であった。
追加工事については当初工事と密接に関連することから、別発注ではなく追加工事として契約変更する。
現場発生土の場外搬出において、設計図書に示された運搬距離と搬出先の距離が合わないことから、設計変更を行った。
当初設計
建設発生土の運
搬距離を○kmとしていた。
指定した距離と受注者の提案する搬出先の距離が合わなかった。
変更設計
搬出先を協議により決定し、運搬距離を変更する。
変更する内容に基づき設計変更を行う。
変更事例
Point
運搬先や運搬距離は特記仕様書に記載されているが、『距離は参考であり、監督員と協議のうえ決定する』となっていることから、協議を行って変更した。
ただし、協議を行わず、搬出先を承諾により決定する場合や、指定した距離に搬出先があるにもかかわらず、これよりも遠距離に運搬する場合は、変更の対象とならない。
Ⅴ 設計図書の照査ガイドライン(xx)
1 | 「設計図書の照査」の基本的考え方 | P.87 |
2 | 「設計図書の照査」の範囲を超えるもの(事例) | P.89 |
3 | 設計図書の照査結果における受発注者間のやりとり | P.90 |
4 | 設計図書の照査項目及び内容 | P.92 |
5 | 照査項目チェックリスト | P.95 |
令和4年8月
郡山市上下水道局 86
(1) 「設計図書の照査」に係わる規定について
■ 契約約款第18条(条件変更等)及び土木工事共通仕様書 第1編「1-1-5 設計図書の照査等」においては、次のように受注者が設計図書の照査を自らの負担により行うこととなっている。
(条件変更等) 契約約款(抜粋)
第18条 受注者は、工事の施工に当たり、次の各号のいずれかに該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
(1) 図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致しないこと(これらの優先順位が定められている場合を除く。)。
(2) 設計図書に誤謬又は脱漏があること。
(3) 設計図書の表示が明確でないこと。
(4) 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと。
(5) 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと。
土木工事共通仕様書 1-1-5 設計図書の照査等
2.設計図書の照査
受注者は、施工前及び施工途中において、自らの負担により契約約款第18条第1項第1号から第5号に係る設計図書の照査を行い、該当する事実がある場合は、監督員にその事実が確認できる資料を書面により提出し、確認を求めなければならない。
なお、確認できる資料とは、現地地形図、設計図との対比図、取り合図、施工図等を含むものとする。また、受注者は、監督員から更に詳細な説明または書面の追加の要求があった場合は従わなければなら
ない。
(2) 「設計図書の照査」の位置づけ
■ 受注者は、契約約款及び土木工事共通仕様書に基づいて、設計照査を行うこととなる。
■ 土木工事共通仕様書「1-1-5 設計図書の照査等」に記載のあるとおり、照査結果から契約約款第18条にある、現場と設計図書が一致しないことの事実を監督員が確認できる資料(現地地形図、設計図との対比図、取り合図、施工図等)の作成は、受注者の負担により作成を行う。
【受注者が自らの負担で行う部分】
① 設計照査に係る費用
② 設計照査の結果を監督員に説明するために資料作成
(現地地形図、設計図との対比図、取り合図、施工図等)
③ 監督員から更に詳細な説明を求められ、説明するための資料作成
【発注者が実施する部分】
① 照査結果により生じた、計画の見直し、図面の再作成、構造計算の再計算、追加調査等
※受注者に作成を指示する場合は、その費用を負担する。
■ 照査結果により、計画の見直し、図面の再作成、構造計算の再計算、追加調査等が生じた場合、それらに要する費用の負担は発注者の責任において行うものとする。
2 「設計図書の照査」の範囲を超えるもの(事例)
設計変更が該当するケース
1 現地測量の結果、横断図を新たに作成する必要があるもの、または縦断計画の見直しを伴う横断図の再作成が必要となるもの。
2 施工の段階で判明した推定岩盤線の変更に伴う横断図の再作成が必要となるもの。ただし、当初横断図の推定岩盤線の変更は「設計図書の照査」に含まれる。
3 現地測量の結果、排水路計画を新たに作成する必要があるもの。
4 構造物の位置や計画高さ、延長が変更となり構造計算の再計算が必要となるもの。
5 構造物の載荷高さが変更となり、構造計算の再計算が必要となるもの。
6 現地測量の結果、構造物のタイプが変更となるもの(標準設計で修正可能なものであっても照査の範囲をこえるものとして扱う)。
7 構造物の構造計算書の計算結果が設計図と違う場合の構造計算の再計算及び図面作成が必要となるもの。
8 基礎杭が試験杭等により変更となる場合の構造計算及び図面作成。
9 土留め等の構造計算において現地条件や施工条件が異なる場合の構計図面作成。
10 「設計要領」・「各種示方書」等との対比設計。
11 設計根拠まで遡る見直し、必要とする工費の算出。
12 舗装修繕工事の縦横断設計(当初の設計図書で縦横断面図が示されており、その修正を行う場合。なお、設計図書で縦横断図が示されていないが、土木工事共通仕様書「15-4-3 路面切削工」「15-4-5 切削オー バーレイ工」「15-4-6 オーバーレイ工」等に該当し縦横断設計を行うものは設計照査に含む。)
(注)なお、適正な設計図書に基づく数量の算出及び完成図については、受注者の費用負担によるものとする。
①照査結果の報告【受注者負担】
設計図書の訂正または変更を行います。
現地と設計内容の違いについて、
確認できる資料を書面にて提出します。
不明瞭な部分があるので、詳細に確認できる資料を提出してください。
②照査結果を受け設計図書の変更や構造計算の再計算等行う場合【発注者負担】
詳細に確認できる資料を書面にて提出します。
発注者
受注者
または
設計変更に関わる資料を作成したので提出します。
設計図書の訂正または変更を行った資料を提出してください。
作成費用は設計変更の対象とします。
設計変更資料作成に係る基本フロー
発注者
受注者
協議
協議資料の作成
協議事項に対する検討
設計変更の対象とはならない。
回答 変更等が必要な場合
設計変更の資料作成 (原則は直営で対応)
別途発注も困難で設計変更に必要な
直営対応が困難な場合
資料の作成を受注者へ依頼する場合 資料作成業務を別途発注
資料作成
協議
資料作成の協議
作成資料の確認
提出
資料作成費用を変更で計上
設計変更 91
No. | 項 目 | 主な内容 | |
1 | 当該工事の条件明示内容の照査 | 1- 1 | 「土木工事条件明示の手引き(案)」における明示事項に不足がないかの確認 |
1- 2 | 「土木工事条件明示の手引き(案)」における明示事項と現場条件に相違がないかの確認 | ||
2 | 関連資料・貸与資料の確認 | 2- 1 | ポンプ排水を行うにあたり、土質の確認によって、クイックサンド、ボイリングが起きない事を検討し確認したか |
2- 2 | ウェルポイントあるいはディープウェルを行うにあたり、工事着手前に土質の確認を行い、地下水位、透水係数、湧水量等を確認したか | ||
2- 3 | 浚渫工の施工において、渇水位、平水位、最高水位、潮位及び流速・風浪等の水象・気象の施工に必要な資料を施工前に調査・確認したか | ||
2- 4 | 地質調査報告書は整理されているか ・ 追加ボーリングは必要ないかの確認 | ||
2- 5 | 軟弱地盤の施工に必要な資料はあるかの確認 (圧密沈下、液状化、地盤支持力、法面安定、側方流動等) | ||
2- 6 | 測量成果報告書(平面、横断、縦断)は整理されているかの確認 | ||
2- 7 | 共通仕様書及び特記仕様書に示される資料はあるかの確認 | ||
2- 8 | 設計計算書等(構造物(指定仮設含む)、隣接工区等含む)はあるかの確認 | ||
2- 9 | 特記仕様書等に明示してある支障物件移設予定時期及び占用者に関する資料はあるかの確認 | ||
2-10 | 地盤沈下、振動等による影響が第三者におよばないか、関連資料はあるかの確認 | ||
2-11 | 地下占用物件である電線、電話線、水道、道路管理者用光ケーブル、その他の地下埋設物を示した図面(平面、横断深さ等)等関連資料があるか | ||
2-12 | 設計成果物等(報告書等)の貸与資料(電子データを含む)に不足がないか、追加事項があるかの確認 | ||
3 | 現地踏査 | 3- 1 | 工事着手後直ちに測量を実施し、測量標(仮BM)、工事用多角点の設置及び用地境界、中心線、縦断、横断等を確認 |
3- 2 | 建設発生土の受入地への搬入に先立ち、容量が十分か確認 | ||
3- 3 | 周辺地域の地下水利用状況等から作業に伴い水質水量等に影響を及ぼす恐れがないか確認 | ||
3- 4 | 土留・仮締切工の仮設H鋼杭、仮設鋼xxの打込みに先行し、支障となる埋設物の確認のため、溝掘り等を行い、埋設物を確認 | ||
3- 5 | 仮囲いまたは立入防止柵の設置にあたり、交通に支障をきたす場合あるいは苦情が発生すると予想される場合には、工事前に対策を検討し、確認 |
No. | 項 目 | 主な内容 | |||
3 | 現地踏査 | 3- | 6 | 砂防土工における斜面対策としての盛土工(押え盛土)を行うに当たり、盛土量、盛土の位置ならびに盛土基礎地盤の特性等について現状の状況等を照査 | |
3- | 7 | 施肥、灌水、薬剤散布の施工にあたり、施工前に施工箇所の状況を調査するものとし、設計図書に示す使用材料の種類、使用量等を確認 | |||
3- | 8 | 境界の施工前及び施工後において、近接所有者の立会による境界確認 | |||
3- | 9 | トンネルの施工にあたって、工事着手前に測量を行い、両坑口間の基準点との相互関係を確認 | |||
3-10 | 道路管理台帳及び占用者との現地確認 | ||||
3-11 | 鋼xxx、仮設杭の施工に先立ち、明らかに埋設物がないことが確認されている場合を除き、建設工事公衆災害防止対策要綱に従って埋設物の存在の有 無を確認 | ||||
3-12 | 電線共同溝設置の位置・線形については、事前に地下埋設物及び工事区間の現状について測量及び調査を行い確認 | ||||
3-13 | 工事に先立ち、現地を詳細に把握するために現地調査を行い、補強を実施しようとする橋脚および基礎について、形状や鉄筋の位置、添架物や近接する 地下構造物等の状況を把握するとともに、海水または鋼材の腐食を促進させる工場排水等の影響や、鋼材の位置する土中部が常時乾湿を繰り返す環境にあるかどうか等を事前に確認 | ||||
3-14 | 漏水補修工の施工箇所は、設計図書と現地の漏水個所とに不整合がないか施工前に確認 | ||||
3-15 | 地質調査報告書と工事現場の踏査結果(地質、わき水、地下水など)が整合するかの確認 | ||||
3-16 | 使用する材料や重機の運搬・搬入路を確認 | ||||
3-17 | 土石流の到達するおそれのある現場での安全対策について、現地踏査を実施しあらかじめその対策を確認 | ||||
3-18 | アンカー工の施工に際しては、工事着手前に法面の安定、地盤の状況、地中障害物、湧水を調査 | ||||
3-19 | 周囲の地盤や構造物に変状を与えないように、締切盛土着手前に現状地盤を確認 | ||||
4 | 設計図 | 4- | 1 | 桁の工作に着手する前に原寸図を作成し、図面の不備や製作上に支障がないかどうかを確認 | |
4- | 2 | 施工前に、配筋図、鉄筋組立図、及びかぶり詳細図により組立可能か、また配力鉄筋および組立筋を考慮したかぶりとなっているかを照査 | |||
4- | 3 | 一般図には必要な項目が記載されているかの確認 | (水位、設計条件、地質条件、建築限界等) | ||
4- | 4 | 平面図には必要な工事内容が明示されているかの確認(法線、築堤護岸、付属構造物等) | |||
4- | 5 | 構造図の基本寸法、座標値、高さ関係は照合されているかの確認 | |||
4- | 6 | 構造図に地質条件(推定岩盤線、柱状図、地下水位等)を明記してあるかの確認 |
No. | 項 目 | 主な内容 | ||
4 | 設計図 | 4- | 7 | 図面が明瞭に描かれているかの確認(構造物と寸法線の使い分けがなされているか) |
4- | 8 | 構造詳細は適用基準及び打合せ事項と整合しているかの確認 | ||
4- | 9 | 各設計図がお互いに整合されているかの確認 ・ 一般平面図と縦断図(構造一般図と線形図) ・ 構造図と配筋図 ・ 構造図と仮設図 ・ 下部工箱抜き図と付属物図(支承配置図、落橋防止図等) ・ 本体と付属物の取り合い 等 | ||
4-10 | 設計計算書の結果が正しく図面に反映されているかの確認 (特に応力計算、安定計算等の結果が適用範囲も含めて整合しているか) ・ 壁厚 ・ 鉄筋(径、ピッチ、使用材料、ラップ位置、ラップ長、主鉄筋の定着長、段落し位置、ガス圧接位置) ・ 使用材料 ・ その他 | |||
4-11 | 形状寸法、使用材料及びその配置は計算書と一致しているかの確認 | |||
4-12 | 地質調査報告書と設計図書の整合(調査箇所と柱状図、地質縦断面図・地質横断面図)はとれているかの確認 | |||
4-13 | 隣接工区等との整合はとれているかの確認 | |||
4-14 | 構造物の施工性に問題はないか。 設計図等に基づいた適正な施工が可能かの確認(架設条件が設計図に反映されているか) ※ 橋梁xxxのみ対象 | |||
5 | 数量計算 | 5- | 1 | 数量計算に用いた数量は図面の寸法と一致するかの確認 |
5- | 2 | 数量とりまとめは種類毎、材料毎の打合せ区分に合わせてまとめられているかの確認 | ||
5- | 3 | 横断図面による面積計算、長さ計算の縮尺は図面に整合しているかの確認 | ||
6 | 設計計算書 | 6- | 1 | 使用されている設計基準等は適切かの確認 |
6- | 2 | 設計基本条件は適切かの確認(荷重条件、施工条件、使用材料と規格、許容応力度等) ※ 橋梁上部工事のみ対象 | ||
6- | 3 | 構造・線形条件は妥当かの確認(橋長、支間長、幅員構成、平面・横断線形、座標系等) ※ 橋梁上部工事のみ対象 |
受注者は、施工前及び施工途中において「設計図書の照査」を実施するが、「4 設計図書の照査項目及び内容」に基づき照査を行うこととし、その照査結果について、打合せ簿に添付して監督員に報告する等に活用する。
(1) 照査項目チェックリストの作成手順
① 施工前に行う設計図書の照査時に、工事内容から判断して照査が必要と考えられる項目には
「照査対象」欄の「有」にチェックをし、必要ないと考えられる項目には「無」にチェックを入れる。
なお、施工前には確認できないが、将来的に照査が必要な項目にも「有」にチェックを入れるものとし、照査の各段階でそれぞれ見直すこととする。
② 照査を完了した項目について、「照査実施」欄の「済」にチェックをし、日付を記入する。
③ 照査を完了した項目について、契約約款第18条第1項第1号から第5号に該当する事実がある場合には「該当事実」欄の「有」にチェック、ない場合には「無」にチェックを入れる。
④ チェックリストを工事打合せ簿に添付して監督員に提出し、照査状況及び結果を報告する。
※ ③の「該当事実」が「有」の項目にチェックした場合、監督員にその事実が確認できる資料も添付して提出する。
(2) 照査項目チェックリスト作成にあたっての留意事項
① 施工前及び施工途中の各照査段階において、照査を実施した項目にチェックと日付を記載し、完了している照査項目、今回実施した照査項目、照査対象でxxxx照査項目を明確にする。
② 1つの照査項目の中に複数の確認事項がある場合、打合せ簿、備考欄、別紙等を用いて確認済の内容がわかるようにする。
③ 照査内容の項目が漠然としており、発注者の認識と異なる恐れがあると判断される場合は
、備考欄等に具体の確認項目を明確にしておく。
④ 特記仕様書、工事内容、規模、重要度等により、照査項目や内容を追加する必要がある場合は、項目を追加して利用する。
ただし、工事によって照査の必要がない項目も含まれるが、「照査対象」欄の「無」にチェックすることも照査の一部と考えられることから、チェックリストから項目を削除することは行わないこと。