Contract
秘密保持契約書
X 社(以下「甲」という。)と Y 社(以下「乙」という。)とは、甲が保有する AI技術を、乙の介護事業における見守り業務に導入するに当たり、乙が甲に対して提供するデータを甲が保有する学習済みモデルに入力して得られた出力結果を評価し(ただし、甲が保有する学習済みモデルの学習は行わない。)、甲が保有する AI 技術の乙の介護事業における見守り業務への導入可能性を甲乙共同で検討する目的(以下「本目的」という。)で、甲または乙が相手方に開示等する秘密情報の取扱いについて、以下のとおりの秘密保持契約(以下「本契約」という。)を締結する。
第 1 条(秘密情報の定義)(解説資料の 6 頁-8 頁を参照)
1 本契約において「秘密情報」とは、一方当事者(以下「開示者」という。)が相手方(以下「受領者」という。)に対して本目的のために開示した情報および開示のために提供した記録媒体、素材と機器その他の有体物に含まれる情報であって、文書等の有体物や電子メール等の電子的手段によって開示される情報にあっては秘密であることが明記されたもの、口頭その他無形の方法によって開示される情報にあっては 14 日以内に文書等により当該情報の概要、開示者、開示日時を特定した上で秘密である旨通知して開示されたものをいう。なお、本契約に基づき乙が甲に対して提供する別紙「対象データ」記載の各データ(以下「対象データ」という。)は「秘密情報」に含まれるものとする。
2 前項の定めにかかわらず、以下の情報は秘密情報の対象外とするものとする。
① 開示者から開示等された時点で既に公知となっていたもの
② 開示者から開示等された後で、受領者の帰責事由xxxxに公知となったもの
③ 正当な権限を有する第三者から秘密保持義務を負わずに適法に開示等されたもの
④ 開示者から開示等された時点で、既に適法に保有していたもの
⑤ 開示者から開示等された情報を使用することなく独自に取得し、または創出したもの
第 2 条(秘密保持)(解説資料の 9 頁-10 頁を参照)
1 受領者は、善良なる管理の注意義務をもって秘密情報を管理し、その秘密を保持するものとし、開示者の事前の書面等(書面および甲乙が書面に代わるものとして別途合意した電磁的な方法をいう。本契約において以下同じ。)による承諾なしに第三者に対して開示または漏洩してはならない。
2 前項の定めにかかわらず、受領者は、秘密情報を、本目的のために必要な範囲のみにおいて、受領者の役員および従業員(以下「役員等」という。)に限り開示できるものとする。
3 受領者は、前項に定める開示に際して、役員等に対し、秘密情報の漏洩、滅失、毀損の防止等の安全管理が図られるよう必要かつ適切な監督を行い、その在職中および退職後も本契約に定める秘密保持義務を負わせるものとする。役員等による秘密情報の開示、漏洩、本目的以外の目的での使用については、当該役員等が所属する受領者による秘密情報の開示、漏洩、本目的以外の目的での使用とみなす。
4 受領者は、次項に定める場合を除き、秘密情報を第三者に開示する場合には、書 面等により開示者の事前承諾を得なければならない。この場合、受領者は、当該第三 者に対して本契約書と同等の義務を負わせ、これを遵守させる義務を負うものとする。
5 前各項の定めにかかわらず、受領者は、次の各号に定める場合、当該秘密情報を開示することができるものとする。(ただし、1 号または 2 号に該当する場合には可能な限り事前に開示者に通知するものとする。)また、受領者は、かかる開示を行った場合には、その旨を遅滞なく開示者に対して通知するものとする。
① 法令の定めに基づき開示すべき場合
② 裁判所の命令、監督官公庁またはその他法令・規則の定めに従った要求がある場合
③ 受領者が、弁護士、公認会計士、税理士、司法書士等、秘密保持義務を法律上負担する者に相談する必要がある場合
6 本条第 1 項ないし第 3 項の定めにかかわらず、甲および乙は、相手方の事前の承諾なく、以下の事実を第三者に公表することができるものとする。
甲乙間で、甲が保有する AI 技術を、乙の介護事業における見守り業務に導入するための導入可能性の検討を開始した事実
第 3 条(目的外使用の禁止)(解説資料の 11 頁を参照)
受領者は、開示者から開示された秘密情報を、本目的以外のために使用してはならないものとする。
第 4 条(秘密情報の複製の取り扱い)(解説資料の 12 頁を参照)
受領者が、本目的のために必要な範囲において秘密情報を複製(文書、電磁的記録媒体、光学記録媒体およびフィルムその他一切の記録媒体への記録を含む。)する場合には、複製により生じた情報も秘密情報に含まれるものとする。
第 5 条(個人情報の提供)(解説資料の 13 頁-15 頁を参照)
1 乙が、個人情報の保護に関する法律(本条において、以下「法」という。)に定める個人情報または匿名加工情報(以下総称して「個人情報等」という。)を含んだ対
象データを甲に提供する場合には、法に定められている手続を履践していることを保証するものとする。
2 乙は、本共同開発の遂行に際して、個人情報等を含んだ対象データを甲に提供する場合には、事前にその旨を明示する。
3 甲は、第 1 項にしたがって個人情報等が提供される場合には、日本および中国の個人情報保護法を遵守し、個人情報等の管理に必要な措置を講ずるものとする。
第 6 条(秘密情報の破棄または返還)(解説資料の 16 頁を参照)
1 受領者は、本契約が終了した場合または開示者からの書面等による請求があった場合には、自らの選択および費用負担により、開示者から開示を受けた秘密情報(複製物および同一性を有する改変物を含む。以下本条において同じ。)を速やかに破棄または返還するものとする。
2 受領者は、開示者が秘密情報の廃棄を要請した場合には、速やかに秘密情報が化体した媒体を廃棄し、当該廃棄にかかる受領者の義務が履行されたことを証明する文書の提出を開示者に対して提出するものとする。
3 前 2 項の規定にかかわらず、甲は、乙から開示を受けた秘密情報のうち対象データについては、次条(PoC 契約および共同研究開発契約の締結)に基づき PoC 契約または共同研究開発契約が締結された場合に限り、同契約上に定められた、対象データの利用条件のもとで利用することができる。
第 7 条(PoC 契約および共同研究開発契約の締結)(解説資料の 17 頁を参照)
甲および乙は、本契約締結後、PoC(技術検証)または共同研究開発段階への移行および PoC 契約または共同研究開発契約の締結に向けて最大限努力し、乙は、本契約締結日から 2 か月(以下「通知期限」という。)を目途に、甲に対して、PoC 契約または共同研究開発契約を締結するか否かを通知するものとする。ただし、正当な理由がある場合には、甲乙協議の上、通知期限を延長することができるものとする。
第 8 条(損害賠償)(解説資料の 18 頁を参照)
本契約に違反した当事者に対し、相手方は、損害賠償を請求することができる。
【変更オプション条項】
甲、乙いずれかの一方が本契約に規定した義務に違反した場合、相手方に**(金
額)の違約金を支払わなければならない。上記の違約金が、本契約の違反により
相手に齎す損失を補填するに足りない場合、不足部分について、被害者側は相手
方に損害賠償を追及する権利がある。
第 9 条(差止め)(解説資料の 19 頁を参照)
契約当事者は、相手方が、本契約に違反し、または違反するおそれがある場合には、その差止め、またはその差止めに係る仮の地位を定める仮処分を申し立てることができるものとする。
第 10 条(期間)(解説資料の 19 頁を参照)
本契約の有効期限は本契約の締結日より 1 年間とする。ただし、本契約の終了後においても、本契約の有効期間中に開示等された秘密情報については、公知情報になる まで、本契約の規定(本条を除く。)が有効に適用されるものとする。
第 11 条(準拠法および裁判管轄)(解説資料の 20 頁-24 頁を参照)
第 11 条 本契約に関する一切の紛争については、日本法を準拠法とし、●地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。
<変更オプション A:被告地主義>
第 11 条 本契約に関する紛争については、甲(ケース1)/乙(ケース2)が被 告となる場合は、日本国法を準拠法とし、●地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。 乙(ケース1)/甲(ケース2)が被告となる場合は、中華人民共和国法を準拠法とし、●●人民法院を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。
<変更オプション B:主に開発を行う場所> 第 11 条 本契約に関する紛争については、
(ケース1)中華人民共和国法を準拠法とし、●●人民法院を第xxの専属的合 意管轄裁判所とする。
(ケース2)日本国法を準拠法とし、●地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁 判所とする。
【変更オプション:仲裁条項】
<変更オプション A:第三国・地域> |
第 11 条 本契約に関する一切の紛争については、日本国法を準拠法とし、(仲裁 |
機関名:(例)香港国際仲裁センター)に付託し、(仲裁規則:(例)香港国際仲 裁センターの仲裁規則、UNCITRAL 仲裁規則など)に従って、仲裁地として(都市名:(例)中国香港特別行政区)において仲裁により終局的に解決されるものとする。手続言語は英語とする。 <変更オプション B:被告地主義> 第 11 条 本契約に関する一切の紛争については、甲(ケース1)/乙(ケース2) が被申立人となる場合は、日本国法を準拠法とし、(仲裁機関名:日本の仲裁機関名)に付託し、(仲裁規則:前記仲裁機関の仲裁規則、UNCITRAL 仲裁規則など)に従って、仲裁地として日本国xxxにおいて仲裁を行うものとし、手続言語は日本語とする。乙(ケース1)/甲(ケース2)が被申立人となる場合は、中華人民共和国法を準拠法とし、(仲裁機関名:中国の仲裁機関名)に付託し、(仲裁規則:前記仲裁機関の仲裁規則、UNCITRAL 仲裁規則など)に従って、仲裁地として中華人民共和国●●市において仲裁を行うものとし、手続言語は中国語とする。いずれの場合も仲裁により終局的に解決されるものとする。 <変更オプション C:主に開発を行う場所> 第 11 条 本契約に関する一切の紛争については、 (ケース1)中華人民共和国法を準拠法とし、(仲裁機関名:中国の仲裁機関) に付託し、(仲裁規則:前記仲裁機関の仲裁規則、UNCITRAL 仲裁規則など)に従って、仲裁地として中華人民共和国●●市において仲裁により終局的に解決されるものとする。手続言語は中国語とする。 (ケース2)日本国法を準拠法とし、(仲裁機関名:日本の仲裁機関)に付託し、 (仲裁規則:前記仲裁機関の仲裁規則、UNCITRAL 仲裁規則など)に従って、仲 裁地として日本国xxxにおいて仲裁により終局的に解決されるものとする。 手続言語は日本語とする。 |
第 12 条(協議事項)(解説資料の 25 頁を参照)
本契約に定めのない事項または本契約について疑義が生じた場合については、協議の上解決する。協議を経ても解決できない場合、何れかの当事者は前条に従い、紛争 解決を求めることができる。
(契約言語)(解説資料の 26 頁を参照)
本契約締結の証として、中国語と日本語でそれぞれ本書 2 通を作成し、甲、乙 記名押印の上、中国語と日本語の各 1 通を保有する。また、日本語版、中国語版 のいずれもxxとする。ただし、両言語版で解釈等につき相違が発生した場合は、 日本語版に従う。 |
年 月 日甲 :
法定代表者: 住所:
乙 :
法定代表者: 住所:
【その他の追加オプション条項】(解説資料の 28 頁-30 頁を参照)
(立入検査条項)
甲および乙は、相手方が本契約に従って秘密情報等を管理していることを確認するため、相手方に対し、検査内容および日程を書面等により事前に通知の上、合理的な範囲において相当な方法により対象となる施設に立入り、検査を行うことができるも
のとし、相手方はこれに合理的な範囲内で協力するものとする。
(知的財産権の帰属条項)
秘密情報等に関連して生じた特許権、実用新案権、回路配置利用権、意匠権、著作
権、商標xxの知的財産権(以下総称して「xx的財産権」という。)は、すべて甲に帰属するものとする。
【別紙】「対象データ」(解説資料の 31 頁を参照)
(1)データの概要
(例)介護施設に乙がカメラを設置したうえで撮影した動画データ。当該動画データについては、乙において個人情報が含まれない形に匿名加工を行うか、あるいは撮影対象である被介護者本人から第三者提供に関する同意を取得するなど個人情報保護法上に定められている手続を履践するものとする。
(2)データの項目 (3)データの量
(4)データの提供形式