Contract
地 質 ・ 土 質 業 務 共 通 仕 様 書
群 馬 x x 政 部
制 定 令和元年10月 1日
第1章 x x第1節 x x
第 1 - 1 条 適 用
地質・土質調査業務共通仕様書(以下「共通仕様書」という。)は、群馬県農政部の発注する農業農村整備事業及び地すべり対策事業の地質・土質調査業務及びこれに類する業務(以下「調査業務等」という。)を実施する場合、建設工事に係る設計等業務の請負契約書(以下「契約書」という。)及び設計図書の内容について、統一的な解釈及び運用を図るとともに、その他の必要な事項を定め、もって契約の適正な履行の確保を図るためのものである。
2 設計図書は、相互に補完し合うものとし、そのいずれかによって定められている事項は、契約の履行を拘束するものとする。
3 特記仕様書、図面又は共通仕様書の間に相違がある場合、又は図面からの読み取りと図面に書かれた数字が相違する場合、受注者は、監督員に確認して指示を受けなければならない。
4 本業務において使用する計量単位は、国際単位系(SI)によるものとする。
第 1 - 2 条 用語の定義
共通仕様書に使用する用語の定義は、次の各号に定めるところによる。 (1) 「発注者」とは、支出負担行為者若しくは契約担当者をいう。
(2) 「受注者」とは、調査業務等の実施に関し、発注者と請負契約を締結した個人若しくは会社その他の法人をいう。
(3) 「監督員」とは、契約図書に定められた範囲内において受注者又は管理技術者に対する指示、承諾又は協議等の職務を行う者で、契約書第9条第1項に規定する者をいう。
(4) 「検査員」とは、調査業務等の完了の検査に当たって、契約書第 31 条第2項の規定に基づき検査を行う者をいう。
(5) 「管理技術者」とは、契約の履行に関し、業務の管理及び統括等を行う者で、契約書第 10 条第1項の規定に基づき、受注者が定めた者をいう。
(6) 「担当技術者」とは管理技術者のもとで業務を担当する者で、受注者が定めた者をいう。
(7) 「契約図書」とは、契約書及び設計図書をいう。 (8) 「契約書」とは、業務委託契約書をいう。
(9) 「設計図書」とは、仕様書、図面、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。
(10) 「仕様書」とは、共通仕様書及び特記仕様書を総称していう。
(11) 「共通仕様書」とは、調査業務等に共通する技術上の指示事項等を定める図書をいう。
(12) 「特記仕様書」とは、共通仕様書を補足し、当該調査業務等の実施に関する明細又は特別な事項を定める図書をいう。
(13) 「現場説明書」とは、調査業務等の入札等に参加する者に対して、発注者が当該調査業務等の契約条件を説明するための書類をいう。
(14) 「質問回答書」とは、現場説明書に関する入札等参加者からの質問書に対して、発注者が回答する書面をいう。
(15) 「図面」とは、入札等に際して発注者が交付した図面及び発注者から変更又は追加された図面及び図面のもとになる計算書等をいう。
(16) 「指示」とは、監督員が受注者に対し、調査業務等の遂行上必要な事項について書面をもって示し、実施させることをいう。
(17) 「請求」とは、発注者又は受注者が契約内容の履行あるいは変更に関して、相手方に書面をもって行為あるいは同意を求めることをいう。
(18) 「通知」とは、発注者又は監督員が受注者に対し、又は受注者が発注者又は監督員に対し、調査業務等に関する事項について、書面をもって知らせることをいう。
(19) 「報告」とは、受注者が監督員に対し、調査業務等の遂行に係わる事項について、書面をもって知らせることをいう。
(20) 「申し出」とは、受注者が契約内容の履行あるいは変更に関して、発注者に対して書面をもって同意を求めることをいう。
(21) 「承諾」とは、受注者が監督員に対し、書面で申し出た調査業務等の遂行上必要な事項について、監督員が書面により業務上の行為に同意することをいう。
(22) 「質問」とは、不明な点に関して書面をもって問うことをいう。
(23) 「回答」とは、質問に対して、書面をもって答えることをいう。
(24) 「協議」とは、書面により契約図書の協議事項について、発注者と受注者が対等の立場で合議することをいう。
(25) 「提出」とは、受注者が監督員に対し、調査業務等に係わる書面又はその他の資料を説明し、差し出すことをいう。
(26) 「書面」とは、手書き、印刷等の伝達物をいい、発行年月日を記録し、署名又は押印したものを有効とする。緊急を要する場合は、ファクシミリ又は電子メールにより伝達できるものとするが、後日有効な書面と差し換えるものとする。
なお、電子納品を行う場合は、別途監督員と協議するものとする。
(27) 「成果品」とは、受注者が契約図書に基づき履行した調査業務等の成果を記録した図書、図面及び関連する資料をいう。
(28) 「検査」とは、契約図書に基づき、検査員が調査業務等の完了を確認することをいう。
(29) 「打合せ」とは、調査業務等を適正かつ円滑に実施するために管理技術者等と監督員が面談により、業務の方針及び条件等の疑義を正すことをいう。
(30) 「修補」とは、発注者が検査時に受注者の負担に帰すべき理由による不良箇所を発見した場合に受注者が行うべき訂正、補足その他の措置をいう。
(31) 「協力者」とは、受注者が調査業務等の遂行に当たって、再契約する者をいう。
(32) 「使用人等」とは、協力者又はその代理人、もしくはその使用人その他これに準ずるものをいう。
第 1 - 3 条 業務の着手
受注者は、特別仕様書に定めがある場合を除き、契約締結後7日以内に調査業務等に着手しなければならない。この場合において、着手とは管理技術者が調査業務等の実施のため監督員との打合せ又は現地踏査を開始することをいう。
第 1 - 4 条 設計図書の支給及び点検
受注者からの要求があり、監督員が必要と認めた場合は、受注者に図面の原図若しくは電子データを貸与する。ただし、共通仕様書、各種基準、参考図書等市販されているものについては、受注者の負担において備えるものとする。
2 受注者は、設計図書の内容を十分点検し、疑義がある場合には、監督職員に書面により報告し、その指示を受けなければならない。
3 監督員は、必要と認めた場合には、受注者に対し、図面又は詳細図面等を無償で貸与又は追加支給するものとする。
第 1 - 5 条 監督員
発注者は、調査業務等における監督員を定め、受注者に通知するものとする。
2 監督員は、契約図書に定められた事項の範囲内において、指示、承諾、協議等の職務を行うものとする。
3 契約書の規定に基づく監督員の権限は、契約書第9条第2項に規定した事項である。
4 監督員は、その権限を行使する場合には、書面により行うものとする。
ただし、緊急を要する場合、監督職員が受注者に対し口頭による指示等を行った場合には、受注者は、その指示等に従わなければならない。監督員は、その指示等を行った後、7日以内に書面で受注者にその内容を通知するものとする。
第 1 - 6 条 管理技術者
受注者は、調査業務等における管理技術者を定め、発注者に通知しなければならない。
2 管理技術者は、契約図書等に基づき、業務の技術上の管理を行わなければならない。
3 管理技術者は、調査業務等の履行にあたり、別紙-1に定めるほか、日本語が堪能でなければならない。
4 管理技術者に委任できる権限は、契約書第 10 条第2項に規定した事項とする。
ただし、受注者が管理技術者に委任できる権限を制限する場合は、発注者に書面をもって報告しない限り、管理技術者は受注者の一切の権限(契約書第 10 条第2項の規定により行使できないとされた権限を除く)を有するものとされ、発注者及び監督員は管理技術者に対して指示等を行えば足りるものとする。
5 管理技術者は、監督員が指示する関連のある調査業務等の受注者と十分に協議の上、相互に協力し、業務を実施しなければならない。
6 管理技術者は、原則として変更できない。ただし、死亡、傷病、退職、出産、育児、
介護等やむをえない理由により変更を行う場合には、同等以上の技術者とするものとし、受注者は発注者の承諾を得なければならない。
第 1 - 7 条 担当技術者
受注者は、業務の実施にあたって担当技術者を定める場合は、その氏名その他必要な事項を監督員に提出するものとする。(管理技術者と兼務するものを除く)
2 担当技術者は、契約図書等に基づき、適正に業務を実施しなければならない。
第 1 - 8 条 提出書類
受注者は、発注者が指定した様式により、契約締結後に関係書類を監督員を経て発注者に遅滞なく提出しなければならない。ただし、業務請負代金額(以下「請負代金額」という。)に係る請求書、請求代金代理受領承諾書、遅延利息請求書、監督員に関す る措置請求に係る書類及びその他現場説明の際指定した書類は除く。
2 受注者が発注者に提出する書類で様式が定められていないものは、受注者において様式を定め、提出するものとする。ただし、発注者がその様式を指示した場合は、これに従わなければならない。
第 1 - 9 条 打合せ等
調査業務等を適正かつ円滑に実施するため、管理技術者等と監督員は常に密接な連絡をとり、業務の方針及び条件等の疑義を正すものとする。なお、連絡は積極的に電子メール等を活用し、相互に確認した内容については、必要に応じて書面を作成し、共有しなければならない。
2 管理技術者等と監督員は、調査業務等着手時及び設計図書で定める業務の区切りにおいて打合せを行うものとし、その結果について受注者が打合せ記録簿に記録し相互に確認しなければならない。
3 管理技術者等は、仕様書に定めのない事項について疑義が生じた場合には、速やかに監督員と協議しなければならない。
第 1 - 10 条 業務計画書
受注者は、契約締結後7日以内に業務計画書を作成し、監督員に提出しなければならない。
2 業務計画書には、契約図書に基づき下記事項を記載するものとする。 (1) 業務場所 (2) 業務内容及び方法
(3) 業務工程 (4) 業務組織計画
(5) 打合せ計画 (6) 成果物の品質を確保するための計画 (7) 成果物の内容、部数 (8) 使用する主な図書及び基準
(9) 使用機械の種類、名称及び性能 (10) 連絡体制(緊急時含む)
(11) その他
なお、(2)業務内容及び方法又は(11)その他には、第1 - 32 条安全等の確保、第 1
- 36 条個人情報の取扱い及び第 1 - 37 条行政情報流出防止対策の強化に関する事項も含めるものとする。
3 受注者は、業務計画書の重要な内容を変更する場合には、理由を明確にしたうえ、その都度監督員に変更業務計画書を提出しなければならない。
4 受注者は、監督員が指示した事項については、さらに詳細な業務計画に係る資料を提出しなければならない。
第 1 - 11 条 業務実績データの作成及び登録
受注者は、契約時又は変更時において、請負金額が 1 0 0 万円以上の業務について、業務実績情報システム(TECRIS)に基づき、受注・変更・完了時に業務実績情報として「登録のための確認のお願い」を作成し、受注時は契約後、土曜日、日曜日、祝日等を除き 10 日以内に、登録内容の変更時は変更があった日から、土曜日、日曜日、祝日
等を除き 10 日以内に、完了時は業務完了後、土曜日、日曜日、祝日等を除き 10 日以内に、書面により監督員の確認を受けたうえで、登録機関に登録申請しなければならない。
また、登録機関に登録後、TECRIS により「登録内容確認書」をダウンロードし、直ちに監督員に提出しなければならない。なお、変更時と完了時の間が、土曜日、日曜日、祝日等を除き 10 日間に満たない場合は、変更時の提出を省略できるものとする。
第 1 - 12 条 資料の貸与及び返却
監督員は、設計図書に定める図書及びその他関係資料を、受注者に貸与するものとする。
2 受注者は、貸与された図書及び関係資料等の必要がなくなった場合には、ただちに監督員に返却しなければならない。
3 受注者は、貸与された図書及びその他関係資料を丁寧に扱い紛失又は損傷してはならない。万一、紛失又は損傷した場合には、受注者の責任と費用負担において修復しなければならない。
4 受注者は、設計図書に定める守秘義務が求められる資料については、複写してはならない。
第 1 - 13 条 関係官公庁への手続き等
受注者は、調査業務等の実施に当たっては、発注者が行う関係官公庁等への手続きの際に協力しなければならない。また受注者は、調査業務等を実施するため、関係官公庁等に対する諸手続きが必要な場合には、速やかに行わなければならない。
2 受注者は、関係官公庁等から交渉を受けた場合には、遅滞なくその旨を監督員に報告し協議しなければならない。
第 1 - 14 条 地元関係者との交渉等
契約書第 12 条に定める地元関係者への説明、交渉等は、発注者又は、監督員が行うものとするが、受注者は、監督員の指示がある場合には、これに協力しなければならない。これらの交渉に当たり受注者は、地元関係者に誠意をもって接しなければならない。
2 受注者は、屋外で行う調査業務等の実施に当たっては、地元関係者からの質問、疑義に関する説明等を求められた場合は、監督職員の承諾を得てから行うものとし、地元関係者との間に紛争が生じないように努めなければならない。
3 受注者は、設計図書の定め、あるいは監督員の指示により受注者が行うべき地元関係者への説明、交渉等を行う場合には、交渉等の内容を書面により随時、監督員に報告し、指示があればそれに従わなければならない。
4 受注者は、調査業務等の実施中に発注者が地元協議等を行い、その結果を作業条件として業務を実施する場合には、設計図書に定めるところにより、地元協議等に立会するとともに、説明資料及び記録を作成しなければならない。
5 受注者は、前項の地元協議により、既に作成した成果の内容を変更する必要が生じた場合には、指示に基づいて変更しなければならない。
なお、変更に要する期間及び経費は、発注者と協議のうえ定めるものとする。
第 1 - 15 条 土地への立入り等
受注者は、屋外で行う調査業務等を実施するため国有地、公有地又は私有地に立入る場合には、契約書第 13 条の定めに従って、監督員及び関係者と十分な協調を保ち調査業務等が円滑に進捗するように努めなければならない。
なお、やむを得ない理由により現地への立入りが不可能となった場合には、ただちに監督員に報告し指示を受けなければならない。
2 受注者は、調査業務等実施のため植物伐採、かき、さく等の除去又は土地若しくは工作物を一時使用する場合には、あらかじめ監督員に報告するものとし、報告を受けた監督員は当該土地所有者及び占有者の許可を得るものとする。
なお、第三者の土地への立入りについて、当該土地所有者又は占有者の許可は発注者が得るものとするが、監督員の指示がある場合は受注者は、これに協力しなければならない。
3 受注者は、前項の場合において損失のため生じた必要経費の負担については、設計図書に示すほかは監督職員と協議により定めるものとする。
4 受注者は、第三者の土地への立入りに当たっては、あらかじめ身分証明書交付願を発注者に提出し身分証明書の交付を受け、現地立入りに際しては、これを常に携帯しなければならない。
なお、受注者は、立入り作業完了後 10 日以内に身分証明書を発注者に返却しなければならない。
第 1 - 16 条 調査業務等の管理
受注者は、 調査経過を撮影した現場写真を提出しなければならないが、その写真は被写体の性質、地点、調査経過が判別できるよう明確に撮影しなければならない。また、寸法の確認等の場合はスケール等をあて調査終了後の確認ができるようにしなければならない。
第 1 - 17 条 成果物の提出
受注者は、調査業務等が完了した場合には、設計図書に示す成果物を完了通知書とともに提出し、検査を受けなければならない。
2 受注者は、設計図書に定めがある場合、又は監督員の指示に対して同意した場合には、履行期間途中においても、成果物の部分引渡しを行わなければならない。
3 受注者は、試験結果の記録及び整理については、原則としてJIS規格、並びに地盤工学会編「地盤調査の方法と解説」(以下「地盤調査法」という。)及び「地盤材料試験の方法と解説」(以下「地盤材料試験法」という。)に従って行うものとする。
4 受注者は、「群馬県電子納品ガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)に基づいて作成した電子データにより成果品を提出するものとする。「ガイドライン」で特に記載がない項目については、監督員と協議のうえ決定するものとする。
5 受注者は機械ボーリングで得られたボーリング柱状図、土質試験結果一覧表の成果について、別途定める検定に関する技術を有する第三者機関による検定を受け、検定証明書を発注者に提出するとともに、発注者が指定する地盤情報データベースに登録しなければならない。
第 1 - 18 条 関連法令及び条例の遵守
受注者は、調査業務等の実施に当たっては、関連する関係諸法令及び条例等を遵守しなければならない。
第 1 - 19 条 検 査
受注者は、契約書第 31 条第1項の規定に基づき、完了通知書を発注者に提出する際には、契約書により義務付けられた資料の整備が全て完了し、監督員に提出していなければならない。
2 発注者は、調査業務等の検査に先立って受注者に対して書面をもって、検査日を通知するものとする。この場合、受注者は、検査に必要な書類及び資料等を整備すると ともに、屋外で行う検査においては、必要な人員及び機材を準備し、提供しなければならない。この場合、検査に直接要する費用は受注者の負担とする。
3 検査員は、監督員及び管理技術者の立会の上、次の各号に掲げる検査を行うものとする。
(1) 調査業務等成果物の検査 (2) 調査業務等管理状況の検査
調査業務等の状況について、書類、記録及び写真等により検査を行う。
第 1 - 20 条 修 補
検査員は、修補の必要があると認めた場合には、受注者に対して、期限を定めて修補を指示することができるものとする。
2 受注者は、検査員が指示した期間内に修補を完了しなければならない。
3 検査員が修補の指示をした場合、修補の完了の確認は、検査員の指示に従うものとする。
第 1 - 21 条 跡片付け
受注者は、現場業務が終了した時は、跡埋め、跡片付け及び清掃等を実施期間内に完了しなければならない。
第 1 - 22 条 条件変更等
契約書第 18 条第1項第5号に規定する「予期することのできない特別な状態」とは、
契約書第 29 条第1項に規定する天災その他の不可抗力による場合の他、発注者と受注者が協議し当該規定に適合すると判断した場合とする。
2 監督員が受注者に対して契約書第 18 条、第 19 条及び第 21 条の規定に基づく設計図書の変更又は訂正の指示を行う場合は、指示書によるものとする。
第 1 - 23 条 契約変更
発注者は、次の各号に掲げる場合において、調査等業務の請負契約の変更を行うものとする。
(1) 業務内容の変更により請負代金額に変更を生じる場合 (2) 履行期間の変更を行う場合
(3) 監督員と受注者が協議し、調査業務等施行上必要があると認められる場合 (4) 契約書第 30 条の規定に基づき、請負代金額の変更に代える設計図書の変更を
行う場合
2 発注者は、前項の場合において、変更する契約図書を、次の各号に基づき作成するものとする。
(1) 第 1 - 22 条の規定に基づき、監督職員が受注者に指示した事項
(2) 調査業務等の一時中止に伴う増加費用及び履行期間の変更等決定済の事項 (3) その他発注者又は監督職員と受注者との協議で決定された事項
第 1 - 24 条 履行期間の変更
発注者は、受注者に対して調査業務等の変更の指示を行う場合には、履行期間変更協議の対象であるか否かを合わせて事前に通知するものとする。
2 発注者は、履行期間変更協議の対象であると確認された事項及び調査業務等の一時中止を指示した事項であっても残履行期間及び残業務量等から履行期間の変更が必要でないと判断した場合は、履行期間の変更を行わない旨の協議に代えることができるものとする。
3 受注者は、契約書第 22 条の規定に基づき、履行期間の延長が必要と判断した場合には、履行期間の延長理由、必要とする延長日数の算定根拠、変更工程表その他必要な資料を発注者に提出しなければならない。
4 契約書第 23 条に基づき発注者の請求により履行期間を短縮した場合には、受注者は、速やかに業務工程表を修正し提出しなければならない。
第 1 - 25 条 一時中止
発注者は、契約書第 20 条第1項の規定により、次の各号に該当する場合には、受注者に書面をもって通知し、必要と認める期間、調査業務等の全部又は一部を一時中止させるものとする。
なお、暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他自然的又は人為的な事象(以下「天災等」という。)による調査業務等の中断については、第
1 - 33 条 臨機の措置により、受注者は、適切に対応しなければならない。 (1) 第三者の土地への立入り許可が得られない場合
(2) 関連する他の調査業務等の進捗が遅れたため、調査業務等の続行を不適当と認めた場合
(3) 環境問題等の発生により調査業務等の続行が不適当又は不可能となった場合 (4) 天災等により調査業務等の対象箇所の状態が変動した場合
(5) 第三者及びその財産、受注者、使用人等並びに監督員の安全確保のため必要があると認めた場合
(6) 前各号に掲げるものの他、発注者が必要と認めた場合
2 発注者は、受注者が契約図書に違反し、又は監督職員の指示に従わない場合等、監督員が必要と認めた場合には、調査業務等の全部又は一部を一時中止させることが できるものとする。
3 前2項の場合において、受注者は屋外で行う調査業務等の現場の保全については、監督員の指示に従わなければならない。
第 1 - 26 条 発注者の賠償責任
発注者は、以下の各号に該当する場合には、損害の賠償を行うものとする。
(1) 契約書第 27 条に規定する一般的損害、契約書第 28 条に規定する第三者に及ぼした損害について、発注者の責に帰すべき損害とされた場合
(2) 発注者が契約に違反し、その違反により契約の履行が不可能となった場合
第 1 - 27 条 受注者の賠償責任
受注者は、以下の各号に該当する場合には、損害の賠償を行わなければならない。 (1) 契約書第 27 条に規定する一般的損害、契約書第 28 条に規定する第三者に及ぼ
した損害について、受注者の責に帰すべき損害とされた場合 (2) 契約書第 40 条に規定するかし責任に係る損害が生じた場合 (3) 受注者の責により損害が生じた場合
第 1 - 28 条 部分使用
発注者は、次の各号に掲げる場合には、契約書第 33 条の規定に基づき、受注者に対して部分使用を請求することができるものとする。
(1) 別途調査業務等の使用に供する必要がある場合 (2) その他特に必要と認められた場合
2 受注者は、部分使用に同意した場合には、部分使用同意書を発注者に提出しなけれ
ばならない。
第 1 - 29 条 再委託
契約書第7条第1項に規定する「主たる部分」とは、次の各号に掲げるものをいい、受注者は、これを再委託することはできない。
(1) 調査業務等における総合的企画、業務遂行管理、手法の決定及び技術的判断等 (2) 解析業務における手法の決定及び技術的判断
2 受注者は、コピー、ワープロ、印刷、製本、速記録の作成、トレース、模型製作、計算処理(単純な電算処理に限る)、データ入力、アンケート票の配布、資料の収集
・単純な集計、電子納品の作成作業、その他特記仕様書に定める事項とする。
3 受注者は、前2項に規定する業務以外の再委託に当たっては、書面により発注者の承諾を得なければならない。
4 受注者は、調査業務等を再委託に付する場合には、書面により協力者との契約関係を明確にしておくとともに、協力者に対し調査業務等の実施について適切な指導、管理のもとに調査業務等を実施しなければならない。
第 1 - 30 条 成果物の使用等
受注者は、契約書第6条第5項の定めに従い、発注者の承諾を得て単独で又は他の者と共同で、成果物を公表することができる。
2 受注者は、著作権、特許権その他第三者の権利の対象となっている設計方法等の使用に関し、設計図書に明示がなく、その費用負担を契約書第8条に基づき発注者に求める場合には、第三者と補償条件の交渉を行う前に発注者の承諾を受けなければならない。
第 1 - 31 条 守秘義務
受注者は、契約書第1条第5項の規定により、業務の実施過程で知り得た秘密を第三者に漏らしてはならない。ただし、成果物の発表に際しての守秘義務について、第 1 -
0 条第1項の承諾を受けた場合には、この限りではない。
第 1 - 32 条 安全等の確保
受注者は、承諾なくして流水及び水陸交通の妨害となるような行為等、公衆に迷惑を及ぼす作業方法を採用してはならない。
2 受注者は、屋外で行う調査業務等に際しては、調査業務等関係者だけでなく、付近住民、通行者、通行車両等の第三者の安全確保に努めなければならない。
3 受注者は、特別仕様書に定めがある場合には所轄警察署、道路管理者、鉄道事業者、河川管理者、労働基準監督署等の関係者及び関係機関と緊密な連絡を取り、調査業務 等実施中の安全を確保しなければならない。
4 受注者は、業務箇所及びその周辺にある地上地下の既設構造物に対して支障を及ぼさないよう必要な防護工等の措置について事前に監督員に報告のうえ、対応しなければならない。
5 受注者は、業務現場が危険なため、一般立ち入りを禁止する必要がある場合は、その区域に適当な柵を設けるとともに「立入禁止」の標示をしなければならない。
6 受注者は、屋外で行う調査業務等の実施に当たり、事故等が発生しないよう使用人等に安全教育の徹底を図り、指導、監督に努めなければならない。
7 受注者は、屋外で行う調査業務等の実施に当たっては安全の確保に努めるとともに、労働安全衛生法等関係法令に基づく措置を講じなければならない。
8 受注者は、屋外で行う調査業務等の実施に当たり、災害予防のため、次の各号に掲げる事項を厳守しなければならない。
(1) 屋外で行う調査業務等に伴い伐採したxxxを焼却する場合には、関係法令を遵守するとともに、関係官公署の指導に従い必要な措置を講じなければならない。
(2) 受注者は、喫煙等の場所を指定し、指定場所以外での火気の使用は禁止しなければならない。
(3) 受注者は、火薬、ガソリン、塗料等の可燃物を使用する必要がある場合には周辺に火気の使用を禁止する旨の標示を行い、周辺の整理に努めなければならない。
9 受注者は、爆発物等の危険物を使用する必要がある場合には、関係法令を遵守するとともに、関係官公署の指導に従い、爆発等の防止に必要な措置を講じなければならない。
10 受注者は、屋外で行う調査業務等の実施に当たっては豪雨、豪雪、xx、地震、落雷等の自然災害に対して、常に被害を最小限にくい止めるための防災体制を確立しておかなければならない。また、災害発生時においては第三者及び使用人等の安全確保に努めなければならない。
11 受注者は、屋外で行う調査業務等実施中に事故等が発生した場合には、直ちに監督員に報告するとともに、監督員が指示する様式により事故報告書を速やかに監督員に提 出し、監督員から指示がある場合にはその指示に従わなければならない。
第1- 33 条 臨機の措置
受注者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとらなければならない。
また、受注者は、措置をとった場合には、その内容を速やかに監督員に報告しなければならない。
2 監督員は、天災等に伴い成果物の品質及び履行期間の遵守に重大な影響があると認められるときは、受注者に対して臨機の措置をとることを請求することができるものとする。
第1- 34 条 履行報告
受注者は、契約書第 15 条の規定に基づき、履行状況報告を作成し、監督員に提出しなければならない。
第1- 35 条 屋外で作業を行う時期及び時間の変更
受注者は、設計図書に屋外で作業を行う期日及び時間が定められている場合で、その
時間を変更する必要がある場合は、事前に監督員と協議するものとする。
2 受注者は、設計図書に屋外で作業を行う期日及び時間が定められていない場合で、官公庁の休日又は夜間に作業を行う場合は、事前に理由を付した書面を監督員に提出しなければならない。
第1- 36 条 個人情報の取扱い
受注者は、個人情報の保護の重要性を認識し、この契約による事務を処理するための個人情報の取扱いに当たっては、個人の権利利益を侵害することのないよう、個人情報の保護に関する法律(平成 15 年法律第 57 号)、行政機関の保有する個人情報の保護に
関する法律(平成 15 年法律第 58 号)、行政手続における特定の個人を識別する番号の
利用等に関する法律(平成 25 年法律第 27 号)等関係法令に基づき、次に示す事項等の個人情報の漏えい、滅失、改ざん又は毀損の防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。
2 秘密の保持
受注者は、この契約による事務に関して知り得た個人情報の内容をみだりに第三者に知らせ、又は不当な目的に使用してはならない。この契約が終了し、又は解除された後においても同様とする。
3 取得の制限
受注者は、この契約による事務を処理するために個人情報を取得するときは、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない。また、当該利用目的の達成に必要な範囲内で、適正かつxxな手段で個人情報を取得しなければならない。
4 利用及び提供の制限
受注者は、発注者の指示又は承諾があるときを除き、この契約による事務を処理するための利用目的以外の目的のために個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。
5 複写等の禁止
受注者は、発注者の指示又は承諾があるときを除き、この契約による事務を処理するために発注者から提供を受けた個人情報が記録された資料等を複写し、又は複製してはならない。
6 再委託の禁止及び再委託時の措置
受注者は、発注者の指示又は承諾があるときを除き、この契約による事務を処理するための個人情報については自ら取り扱うものとし、第三者にその取扱いを伴う事務を再委託してはならない。
なお、再委託に関する発注者の指示又は承諾がある場合においては、個人情報の適切な管理を行う能力を有しない者に再委託することがないよう、受注者において必要な措置を講ずるものとする。
7 事案発生時における報告
受注者は、個人情報の漏えい等の事案が発生し、又は発生するおそれがあることを知ったときは、速やかに発注者に報告し、適切な措置を講じなければならない。なお、発注者の指示があった場合はこれに従うものとする。
また、契約が終了し、又は解除された後においても同様とする。
8 資料等の返却等
受注者は、この契約による事務を処理するために発注者から貸与され、又は受注者が収集し、若しくは作成した個人情報が記録された資料等を、この契約の終了後又は解除後速やかに発注者に返却し、又は引き渡さなければならない。ただし、発注者が、廃棄又は消去など別の方法を指示したときは、当該指示に従うものとする。
9 管理の確認等
(1) 受注者は、取扱う個人情報の秘匿性等その内容に応じて、この契約による事務に係る個人情報の管理の状況について、年1回以上発注者に報告するものとする。なお、個人情報の取扱いに係る業務が再委託される場合は、再委託される業務に係る個人情報の秘匿性等その内容に応じて、再委託先における個人情報の管理の状況について、受注者が年1回以上の定期検査等により確認し、発注者に報告するものとする。
(2) 発注者は、受注者における個人情報の管理の状況について適時確認することができる。また、発注者は必要と認めるときは、受注者に対し個人情報の取扱状況に ついて報告を求め、又は検査することができる。
10 管理体制の整備
受注者は、この契約による事務に係る個人情報の管理に関する責任者を特定するなど管理体制を定め、第 1 - 10 条で示す業務計画書に記載するものとする。
11 従事者への周知
受注者は、従事者に対し、在職中及び退職後においてもこの契約による事務に関して知り得た個人情報の内容をみだりに第三者に知らせ、又は不当な目的に使用してはならないことなど、個人情報の保護に関して必要な事項を周知しなければならない。
第1- 37 条 行政情報流出防止対策の強化
受注者は、本業務の履行に関する全ての行政情報について適切な流出防止対策をとり、第 1 - 10 条で示す業務計画書に流出防止策を記載するものとする。
2 受注者は、以下の業務における行政情報流出防止対策の基本的事項を遵守しなければならない。
(関係法令等の遵守)
行政情報の取扱いについては、関係法令を遵守するほか、本規定及び発注者の指示する事項を遵守するものとする。
(行政情報の目的外使用の禁止)
受注者は、発注者の許可無く本業務の履行に関して取り扱う行政情報を本業務の目的以外に使用してはならない。
(社員等に対する指導)
(1)受注者は、受注者の社員、短時間特別社員、特別臨時作業員、臨時雇い、嘱託及び派遣労働者並びに取締役、相談役及び顧問、その他全ての従業員(以下「社員等」という。)に対し行政情報の流出防止対策について、周知徹底を図るものとする。
(2)受注者は、社員等の退職後においても行政情報の流出防止対策を徹底させるものとする。
(3)受注者は、発注者が再委託を認めた業務について再委託をする場合には、再委託先業者に対し本規定に準じた行政情報の流出防止対策に関する確認・指導を行うこと。
(契約終了時等における行政情報の返却)
受注者は、本業務の履行に関し発注者から提供を受けた行政情報(発注者の許可を得て複製した行政情報を含む。以下同じ。)については、本業務の実施完了後又は本業務の実施途中において発注者から返還を求められた場合、速やかに直接発注者に返却するものとする。本業務の実施において付加、変更、作成した行政情報についても同様とする。
(電子情報の管理体制の確保)
(1)受注者は、電子情報を適正に管理し、かつ、責務を負う者(以下「情報管理責任者」という。)を選任及び配置し、第 1 - 10 条で示す業務計画書に記載するものとする。
(2)受注者は、次の事項に関する電子情報の管理体制を確保しなければならない。イ 本業務で使用するパソコン等のハード及びソフトに関するセキュリティ対策 ロ 電子情報の保存等に関するセキュリティ対策
ハ 電子情報を移送する際のセキュリティ対策
(電子情報の取扱いに関するセキュリティの確保)
受注者は、本業務の実施に際し、情報流出の原因につながる以下の行為をしてはならない。
イ 情報管理責任者が使用することを認めたパソコン以外の使用ロ セキュリティ対策の施されていないパソコンの使用
ハ セキュリティ対策を施さない形式での重要情報の保存
ニ セキュリティ機能のない電磁的記録媒体を使用した重要情報の移送ホ 情報管理責任者の許可を得ない重要情報の移送
(事故の発生時の措置)
(1) 受注者は、本業務の履行に関して取り扱う行政情報について何らかの事由により情報流出事故にあった場合には、速やかに発注者に届け出るものとする。
(2) この場合において、速やかに、事故の原因を明確にし、セキュリティ上の補完措置をとり、事故の再発防止の措置を講ずるものとする。
3 発注者は、受注者の行政情報の管理体制等について、必要に応じ、報告を求め、検査確認を行う場合がある。
第1- 38 条 保険加入の義務
受注者は、雇用保険法(昭和 49 年法律第 116 号)、労働者災害補償保険法(昭和 22
年法律第 50 号)、健康保険法(大正 11 年法律第 70 号)及び厚生年金保険法(昭和 29
年法律第 115 号)の規定により、雇用者等の雇用形態に応じ、雇用者等を被保険者とするこれらの保険に加入しなければならない
第 1 - 39 条 調査・試験に対する協力
受注者は、発注者が自ら又は発注者が指定する第三者が行う調査及び試験に対して、監督員の指示によりこれに協力しなければならない
第2章 地形、地質踏査第1節 概 要
第 2 - 1 条 目 的
調査地域の地質に関する既存資料の収集及び地形、地質踏査等を行い、地質の性状及び構造等を把握する。これらの成果は、ダム、トンネル、頭首エ、ポンプ場、道路、水路、地下水取水施設等(以下「諸構造物」という。)の位置選定、地質構造解析、地すべり機構解析、基礎設計等の基礎資料とするものである。
第2節 一般地形、地質踏査第 2 - 2 条 調査方法
踏査は、調査目的にそった地形、地質露頭及び転石の観察、測定を行い特記仕様書で示す縮尺の地形図にまとめる。
2 踏査に当たっては露頭、湧水、地形の変化等諸種の事象に留意し、特に重要と思われる露頭等では、スケッチ、カラー写真撮影等を行う。
3 調査地域に関係する既存の地形、地質資料(地質図及び説明書、調査史、空中写真、井戸、ボーリング資料等)をできるだけ多く収集する。
第 2 - 3 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。 (1) 調査経過
(2) 地形図(地形分類とその説明)
(3) ルート、マップ(踏査を行ったルートの露頭記載図を作成する。記載は、地質、層理面、断層面等の走向傾斜、亀裂、節理の状況、風化の状況、岩級区分、湧水状況等について行う。)
(4) 地質図(地質分類、各分類単位ごとに構造、工学性、科学性等について説明する。)
(5) 土木工学及び水文地質学的所見(調査目的及び調査結果に対する所見、判断、設計施工上注意すべき地形地質条件等を土木工学及び水文地質学的に説明す る。)
(6) 地層露頭等のカラー写真(被写体の性質、地点、調査経過が判別できるよう説明文を添える等明確なものとしなければならない。また、寸法の確認等の場合は、スケール等をあて調査終了後確認ができるものでなければならない。)
(7) その他
第3節 地すべり地形、地質踏査第 2 - 4 条 調査方法
既存資料、空中写真等を参考にして現在及び過去の地すべりの範囲、地すべり地域区分、地すべり移動方向を原則として1/ 2,000 の地形図にプロットする。
2 過去の地すべりの記録、現在の状況、営農上の特徴や作業習慣などを地元民から聞きとる。
3 岩石の種類や各種の堆積物(段丘、扇状地、沖積層、崖錐等)の分布、地層層理面、節理面、片理面などの走向、傾斜、背斜軸、向斜軸、断層、基盤内の亀裂など地質的要素の位置、分布状態等を調査する。
4 構造物、xx、道路、溜池、樹木の被害状況を調査する。
5 地表面の亀裂や崩落崖の状況、隆起地、陥没地の分布を調査する。
なお、亀裂はその発生形態(新・旧等)により区分し、それぞれ段差、開口巾、落差、傾斜角度、及び比高差等を計測する。
6 地下水露頭の分布(温泉、湿地、井戸内の水位、湧水)を確認し湧水量、水温及び電気伝導度を測定する。
7 渓流の地すべり崩土、地すべり面の分布を確認し、渓流による侵食の有無及びその地すべりに対する影響について調査する。
8 溜池、水路等の漏水の有無とその地すべりに対する影響を調査する。第 2 - 5 条 成果物
第2章第2節第 2 - 3 条に定める成果物及び第2章第3節第 2 - 4 条に基づく成果物とするが、地質図、地質断面図等については地すべりに関するすべての情報を表現し、地すべり機構図としてまとめる。
第3章 ボーリング調査第 3 - 1 条 目 的
ボーリングは、コアを採取して土質、地質の状態を調査しあるいは、地中に孔をあけ、その孔を利用して諸種の原位置試験並びに測定、計器埋設及び試料採取を行うものであり、これらの成果は、諸構造物の位置選定、地質構造解析、地すべり機構解析、基礎設計等の基礎資料とするものである。
第 3 - 2 条 土質・岩の分類
土質・岩の分類は、地盤材料の工学的分類法によるものとする。第 3 - 3 条 調査方法
ボーリング機械は、特に定めのない限リロータリーボーリング機械を使用するものとし、所定の方向、深度に対して十分余裕のある能力をもつものでなければならない。
2 ボーリングの位置、基準となる標高、深度、孔径及び数量については、特記仕様書による。
3 現地におけるボーリング位置の決定は、原則として監督員の立ち会いのうえ行うものとし、後日調査位置の確認ができるようにしなければならない。
4 足場、やぐら等は、作業の完了まで機械を安定に保ちかつ、試験器具を正しく所定の位置に挿入できるよう十分堅固な構造でなければならない。
5 掘進方向は、特に指示の無い限り鉛直方向とする。
6 基準となる高さ(深度0m)の標示杭等は孔口付近に明示しておくものとする。
7 孔口は、ケーシングパイプ又は、ドライブパイプで保護するものとする。
8 掘進中は、深度、作業前後の孔内水位、掘進速度、ロッドの手ごたえ、給水量、圧
力計、循環水量(漏、湧水量)及び色、スライムの状態、混入物の状態等に絶えず注意し、変化した場合は、深度とともにただちに記録するものとする。
9 孔壁崩壊のおそれがある場合には、速やかに監督員に連絡し、その指示を受けなければならない。
10 原位置試験、サンプリングの場合はそれに先立ち、孔底のスライムをよく排除するものとする。
11 掘進中は孔曲がりのないように留意し、岩質、割れ目、断層破砕帯、湧水、漏水等に十分注意しなければならない。特に湧水については、その量のほか、必要があれば水位(被圧水頭)を測定するものとする。
12 コア採取を目的とするボーリングにあっては、次の各号に掲げる事項によるものとする。
(1) コアを採取する際には、採取を始める深さまで送水により洗孔し、孔中のスライムを排出させた後採取するものとする。ただし、洗孔することでx内を乱すおそれがあると判断される場合は、監督員と協議するものとする。
(2) 未固結土でコアボーリングを行うには、土質に応じたサンプラーを用い、採取率を高めるよう努めなければならない。
(3) 岩盤ボーリングを行う場合は、原則としてダブルコアチューブを用いるものとし、コアチューブの種類は岩質に応じて適宜使い分けるものとする。
(4) コアチューブはコアの採取毎に水洗いして、残砂を完全に除去しなければならない。
(5) コアの採取率は 100 %を目標とする。
(6) コアに破損をきたすようなロッドの昇降又は給水圧の大幅な変動は、行ってはならない。ただし、事故を生ずる恐れのある場合はこの限りでない。
(7) 採取したコアは、標本箱(原則として内長1m程度で5m分のコアが収納できるもの。)に丁寧に収め深度を明記する。その際、1回のコア採取長ごとに深度を明記した仕切板を入れておくものとする。又、風化しやすい岩石、粘土等は乱さないようにし、速やかにコア写真の撮影を行い必要に応じビニール等を巻いて保存する。なお、採取できなかった区間及び試験に供するためにコアを使用したところは、その旨表示し空けておくものとする。
(8) コア写真は、カラーパネル等を添えて真上から適切な距離で撮影し、地質の状況が正確に把握できるものでなければならない。
(9) 標本箱のxxxには、調査件名、孔番号、採取深度及びその他必要事項を記入するものとする。
13 ノンコアボーリングは、原則として1mごと又は岩質の変わるごとにスライムを採取し、深度を明記した標本ビン等に保存するものとする。
14 孔内地下水位は、毎日作業終了時と翌日の作業開始前に測定し、翌日の作業開始前の水位をその深度における孔内地下水位とする。
15 水平ボーリングを施工する場合のケーシングの挿入段数、仕上げ方法等は、仕様書等によるものとする。
(1) 地すべり調査等は掘削長まで硬質ポリ塩化ビニル管を挿入する。調査結果により
10 ~ 20cm 千鳥に径5 mm 以上のストレーナーを切る。また、外周には必要に応じてビニール管のフィルターの機能をもつ材料をもって被覆する。
(2) 排水量を測定する場合は、掘削直後から排水量が徐々に減り、一定量になるまで測定する。また、地すべり調査等については毎朝作業前とロッドつぎたし時に湧水量を測定する。
なお、測定期間、時期については、監督員の指示によるものとする。
16 試料を採取するオールコアボーリング※1の場合は、詳細な地質状況の把握が行えるよう、観察に供するコアを連続的に採取することとする。
試料を採取しない場合はノンコアボーリング※2を行うこととする。
ノンコアボーリング又はオールコアボーリングの適用は特記仕様書による。
※1 オールコアボーリングとは、観察に供するコアを連続的に採取するボーリングで、試料箱( コア箱) に納め、採取したコアを連続的に確認し、詳細な地質状況の把握が可能なものをいう。
※2 ノンコアボーリングとは、コアを採取しないボーリングで、標準貫入試験及びサンプリング( 採取資料の土質試験)等の併用による地質状況の把握が可能なものをいう。
第 3 - 4 条 オーガーボーリング
オーガーボーリングは、比較的浅い土の地盤で連続的に代表的な試料を採取して地盤の成層状態の把握や土質の分類を行ない、かつ地下水位を確認するために行うことを目的とする。
2 掘削は、原則としてハンドオーガータイプのポストホールオーガー又はスクリューオーガーによるが機械使用の場合は掘削深度に応じたものを用いるものとし、知り得た限りの地質状況を記録するものとする。
3 掘削に使用するオーガーは、土質に応じた種類を用いるものとする。
4 掘進中地下水の逸出があったときは、その水位を記録する。ただし、粘性土の場合は、定常状態になるまでに時間がかかるので、水位の観測は、数回にわたって行わなければならない。
5 地下水位以下の試料を採取する場合は、細粒分が洗い流されるおそれがあるので観察には十分注意しなければならない。
6 掘進中、砂礫層等に遭遇し、掘進が困難になった場合は、監督員の指示を受けなければならない。
7 崩壊性の砂層等孔壁が著しく崩壊し掘進が不可能となった場合は、速やかに応急の処置を講じて、監督員の指示を受けなければならない。
第 3 - 5 条 調査日報
調査日報には、次の事項を記載するものとし、監督員の要求があった時は直ちに提示可能な態勢にしておかなければならない。
(1) 調査名、調査場所、孔番号、調査地点標高、深度、穿孔角度(傾斜、水平ボーリング) 、地下水位、日付、調査責任者、主たる使用材料等。
(2) 層序、層厚、深度、地層の観測事項、試料の採取位置、試料の採取量、掘進時の観測事項(掘進速度、ロッド回転数、給水圧、使用ビット、送水量、逸水量又は
湧水量、排水色、ケーシングの有無、ケーシングロ径、挿入深度、崩壊等の事故の位置と程度等)等。
第 3 - 6 条 検 尺
掘進長の検尺は、調査目的を終了後、原則として監督員が立会のうえロッドを挿入
した状態で残尺を確認した後、xxxを引き抜き、全ロッド長の確認を行うものとする。第 3 - 7 条 コアの鑑定
コアの鑑定は、原則として肉眼観察又は触手等によるものとする。なお、この場合、鑑定基準を明確にしておくものとする。
第 3 - 8 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。 (1) 調査経過
(2) 第 3 - 5 条に記載する事項を含んだ地質柱状図
(3) 地質学的考察に基づき地質柱状図から作成した地質断面図(断面図内には地下水位及び諸試験結果等を記入する。)
(4) コアのカラー写真 (5) 調査日報
(6) コア又はスライム試料 (7) その他
第 3 - 9 条 その他
指定した深度に達しなくとも調査目的を達した場合又は指定した深度に達しても調査目的が果たせない場合は、監督員と速やかに協議するものとする。
第4章 ボーリング孔を利用した物理検層及び原位置試験第1節 概 要
第 4 - 1 条 目 的
ボーリング孔を利用した試験は、物理検層と力学的及び水文地質学的原位置試験に大別され、これらは、地層の物理性、地下水の拳動等を調査するものである。
なお、物理検層には、速度検層、電気検層、温度検層等がある。力学的試験には、変形・強度試験、変形・ひずみ試験、初期地圧測定試験等があり、水文地質学的試験には、現場透水試験、ルジオンテスト、間隙水圧測定、地下水検層等がある。
第2節 ルジオンテスト第 4 - 2 条 目 的
この試験は主としてダム基礎岩盤の透水性等の性状の評価、止水性、岩盤改良としてのグラウチングの計画、施工及び結果の判定などに関する資料を得ることを目的とする。
第 4 - 3 条 準拠資料
この仕様書に記載なき事項については、特記仕様書等によるほか「ルジオンテスト技術指針、同解説」((財)国土開発技術研究センター編)によるものとする。
第 4 - 4 条 試験方法
使用機器については、事前に監督員の承諾を受けるものとする。また、圧力計、流量計については事前に試験を実施し、精度の確認を行うものとする。
2 試験孔の掘削はxx掘りとし、できるだけ孔壁を乱さないようにするものとする。試験孔の孔径は、原則として 66mm とする。
3 試験は試験区間のボーリング完了後、速やかに実施するものとする。
4 試験区間長は5mを標準とし、これによらない場合は特記仕様書等によることとする。また、局部的にポンプ容量が不足する場合は監督員と協議の上、区間長を決定 するものとする。
5 試験孔は、試験に先立ち十分洗浄するものとする。
6 パッカーは、試験区間の止水が完全に行えるよう地質状況に応じて、適切な位置に設置するものとする。
7 測定は下記のとおり行うものとする。
(1) 注入圧力の昇降は段階的に行い、昇圧は最大注入圧力を含め原則として5段階以上、降圧は4段階以上とする。
なお、最大注入圧力については、監督員の指示によるものとする。
(2) 注入圧力は原則として口元圧力とし、注入圧力が一定になるように監視しながら試験するものとする。
(3) 注入量の測定は、各注入圧力段階で注入量が一定になったことを確認した後に行うものとする。注入量の測定時間は、原則として5分間とする。
(4) 注入量が特に多くグラウトポンプの吐出能力を超え試験ができない場合は、監督員と協議するものとする。
第 4 - 5 条 解析及び資料整理
解析は次のとおり行うものとする。
(1) 有効注入圧力は、口元圧力に対し、試験区間の中央から圧力計までの静水圧、地下水位及び管内抵抗による損失頭の補正を行い算出するものとする。
なお、管内抵抗による損失の補正方法については監督員の指示によるものとする。 (2) 試験結果から各試験区間毎に注入圧力― 注入量曲線を作成するものとする。 (3) 前項の注入圧力一注入量曲線から限界圧力を算出するものとする。
(4) 換算ルジオン値の算出については、監督職員の指示する方法により行うものとする。この場合、求めたルジオン値が換算ルジオン値であることを明示するものとする。
2 データ整理は次のとおり行うものとする。
(1) 試験中は、ボーリングの記録とあわせてパッカーセットの位置、圧力測定の位置を記録しておくものとする。
(2) 試験結果は注入圧力―注入量曲線等にまとめ、地質柱状図に記入する。
さらに、必要に応じて孔別、ステージ別の一覧図を作成し、地質柱状図(略図)とあわせて見やすい形で表現するものとする。
第 4 - 6 条 成果物等
成果物は、次の内容を含むものとする。
(1) 調査の目的及び概要
(2) 調査地域の地形及び地質の概要
(3) 調査の結果及び考察
(4) 試験孔位置図
(5) 地質柱状図(ルジオン値を併記する)
(6) 測定及び解析のデータ
(7) ルジオンマップ
(8) その他
2 試験記録等
(1) 試験記録
(2) 自記圧力計、流量計記録用紙
第3節 現場透水試験(土層を対象とする場合)第 4 - 7 条 目 的
この試験は、基礎地盤の透水性に関する資料を得ることを目的とする。第 4 - 8 条 一 般
試験方法の選定及び試験結果の解析方法は、特記仕様書等によるものとする。
2 試験孔の口径、試験の対象とする土層及びその深さは、特記仕様書等によるものとする。
3 ボーリングを行う際にべントナイト等の懸濁液類を使用する場合は、孔内の清掃方法と併せて監督員と協議するものとする。
4 試験部分の清掃は完全に行うものとする。
5 パッカーの使用に当たっては、設置する部分の土質状況に注意し漏水及びパイピングの発生は完全に防止するものとする。
6 加圧注水の場合の水頭は適切なものでなくてはならない。特に、砂質地盤においては過大な水頭を与えてはならない。
7 試験に使用する水は清浄なものでなければならない。第 4 - 9 条 試験方法
注水法
(1) 注水法は、地下水面以上の土層を対象とするものである。 (2) 試験は、定水位法又は変水位法によって行うものとする。
(3) 試験装置は、土層の状況に応じて流入水量が変えられる電気試験器又は定流量夕ンクを用いるものとする。
(4) 定水位法による場合は、水位を観察しながら注入量を変化させ水位を一定に保つものとする。測定間隔は、開始後3時間は 15 分、次の3時間は 30 分、以後は1時間とし、注水量が定常化したときに、試験を終了するものとする。
(5) 変水位法による場合は、孔中に注入し、注水停止後の水位の低下量と低下に要した時間を測定する。測定値が一定になったとき試験を終了するものとする。この際、特にケーシングと地盤とのすき間にすき間がないように注意しなければならない。
2 加圧注入法
(1) 加圧注入法は、地下水面下の土層又は比較的透水性の低い土層を対象とするものである。
(2) 試験は、地表面以上に水位を保つ場合及び孔中のある位置に水位を保つ場合とが
あり、いずれによるかは特記仕様書等によるものとする。
(3) 試験装置は、試験中の水位の状態及び流入水量の多少によって電気試験器又は定流量タンクを用いるものとする。
(4) パッカーを孔内に設置した後、試験に先立って完全止水を確認するため、漏水テストを行うものとする。
(5) 地表面以上に水位を保つ方法による場合は、次の順序で行う。
① 注水前、水位計で孔内水位を測定してこの水位をこの層のA地下水位とする。
② 注水を開始し孔への流入量を測定する。測定間隔は、試験開始後3時間は 15
分、次の3時間は 30 分、以後は1時間毎に行うものとする。
③ 流入量が定常化した時は注水を中止し、減水状況を測定し減水しなくなったときの水位をB地下水位とする。なお、一般にはA及びBは等しくなるが、相違する場合もあるのですべて正確に記録しておくものとする。
(6) 孔中のある位置に水位を保って試験を行う方法による場合は、前項(5)に準じた試験法とする。
3 簡易揚水試験
(1) 地下水位、地下水量(湧水)、透水係数を測定し、排水に伴う地下水位や影響圏を測定する。
(2) 揚水試験区間は3mとし、試験区間以外は遮水して実施し、試験は3mごとに行う。
(3) 水位を一定に保って(試験区間の上部1m程度とする。)、40 分間揚水を継続する。終了後直ちに回復水位測定を行う。
(4) 1分ごとに揚水量( L / min / 3.0 m)を測定し、それらの平均値を求める。 (5) 回復水位測定は 30 分以上測定する。測定間隔は最初の2分は 30 秒おき、10 分
までは1分おきとするが、10 分以上は水位の回復速度により適宜決定する。
(6) 使用機器は地下水が多量で試験区間が9 ~ 12 m 区間以浅についてはポンプ使用、それ以深及び地下水が少量の場合はべーラーを使用することとする。
(7) 地下水がない場合、あるいは揚水開始直後から水位回復がない場合、注入法により平均注入量から透水係数を求めることとする。
(8)孔内の水位上昇量と経過時間を片対数グラフにプロットし、ヤコブ等の方法により透水係数を算出する。
第 4 - 10 条 成果物
成果物は、次の内容を含むものとする。 (1) 調査の目的及び内容
(2) 試験結果(データなど) (3) 透水係数などの計算 (4) 総合考察
第4節 電気検層 第 4 - 11 条 目 的
この調査は、地層の見かけ比抵抗を測定し、それにより定性的に岩質、土質及び含水
状態を検討するものである。第 4 - 12 条 調査方法
調査方法は、特に指示がない限リノルマル法(2極法)とし、電極間隔及び測定間隔は監督員の指示によるものとする。
2 測定に先立ち、孔壁の崩壊を引き起こさない範囲内でxxにより孔内を洗浄するものとする。
3 泥水を使用している場合は、その固有比抵抗を測定する。第 4 - 13 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。 (1) 測定記録
(2) 比抵抗曲線図 (3) その他
第5節 地下水検層第 4 - 14 条 目 的
地下水の電気抵抗、温度等を測定することにより、地下水の流動状況等を検討するものである。
第 4 - 15 条 調査方法
地下水検層は、裸孔又は地下水面観測施設を設置した孔内に電解物質(食塩等)を投入して孔内水の電気抵抗を一時的に変化させ、その後の地下水の希釈による電気抵抗の時間的変動を地下水検層器により測定するものである。
2 孔内の水位、水温等の測定を行う。
3 検層に当たリゾンデを孔内に挿入し、計器の調整を行い孔内水のバックグランドの電気抵抗値を測定しておかなければならない。
4 孔内に投入した食塩等は、孔底付近まで挿入したビニールホース等を通じてコンプレッサー等により空気を圧入して孔内水が均一な溶液となるよう十分に撹拌しなければならない。この場合の食塩等の投入量は、孔内水の電気抵抗値の低下がバックグランドの電気抵抗値の 10 分の1程度となるようにしなければならない。
5 孔内水の電気抵抗値の測定は、原則として 0.25 m間隔に一定時間(撹拌直後、5分、
10 分、20 分、30 分、60 分、120 分、180 分)ごとに行うものとする。
また、180 分経過後にも電気抵抗値の変化が明瞭でない場合は、更に 240 分後に再測定するものとする。
6 電気検層を行う場合は、孔内の自然状態における電気抵抗値を原則として第 4 - 12
条により測定しなければならない。第 4 - 16 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。
(1) 測定記録(電気抵抗値、水温等) (2) 検層図
(3) 流動層の考察判定 (4) その他
第6節 孔内載荷試験第 4 - 17 条 目 的
この試験は、孔壁を水平方向に加圧し、地層の変位量によりその力学的性質を調査するものである。
第 4 - 18 条 調査方法
各孔は、測定に先立ち洗浄を行う。ただし、洗浄することで孔内を乱すおそれがある場合は、監督員と協議するものとする。
2 装置は、調査日的及び地層に応じたものを使用するものとする。
3 試験方法等は、「地盤調査法」等によるものとする。第 4 - 19 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。 (1) 測定記録
(2) 圧力―変位曲線
(3) K値及び変形係数E 値 (4) その他
第7節 地中歪計の設置観測第 4 - 20 条 目 的
地すべり運動にともなうボーリング孔の孔曲がりを測定し、地すべり面深度および地すべり運動の状況を調査するものである。
第 4 - 21 条 調査方法
ゲージの設置は、特記仕様書によるものとし、その装着にあたっては漏電、湿気等のないよう十分注意し、かつ計数値を順逆とも、8,000 × 10- 6 ~ 12,000 × 10- 6 の間に調整されたものを使用することとする。
なお、ゲージは工場で装着されたものを用い、現地において装着してはならない。
2 リード線は4 心平行リボン線を使用し、硬質塩化ビニールパイプの外側に配線して、ビニールテープで固定するものとする。
3 中継塩化ビニールパイプの規格は、特記仕様書によるものとし、径5 mm 以上の穴を 10 ~ 20cm 間隔千鳥状にパイプ4方に穿ったものとする。また、パイプは、地表面上に 50cm 以上出し、パイプ挿入後、孔壁とパイプの間の隙間は砂で充填するものとする。
4 歪計は、埋設前と埋設後にそれぞれ順逆で測定し、その計数値を記録する。
なお、埋設前の測定で計数値が 8,000 × 10- 6 ~ 12,000 × 10- 6 の範囲を超えたり、測定器の指針が一定値を示さない場合は、ただちに歪計を交換するものとする。
(1) 削孔後、歪計用パイプはただちに挿入する。
(2) パイプとパイプの接続はソケットを用い、ネジ止めボルトは使用せず接着剤を用いる。
(3) パイプに貼りつけてあるストレンゲージが同一面に、上部から下部まで直線となるように接続しなければならない。
(4) ボーリング孔内で、2ゲージ法はストレンゲージの応力面が地すべり運動に垂直に受けるよう設置する。
(5) 挿入のときは、測定パイプに電線をビニールテープで巻きつけて深層部に設置するパイプからxx接続しながら挿入してゆく。
(6) 静ヒズミ指示計は使用前にその電圧をチェックする。第 4 - 22 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。 (1) 測定結果表
(2) 構造断面図
(3) 調査経過等のカラー写真(内容は第2章第2節第 2 - 3 条に準ずる。)第8節 孔内傾斜計
第 4 - 23 条 目 的
地すべり運動にともなうボーリング孔の孔曲がりを測定し、地すべり面深度及び地すべり運動の状況を調査するものである。
第 4 - 24 条 調査方法
不動層地質を3m以上確保し、通常 86mm 以上の孔径でボーリングする。
2 孔内に溝付きのケーシングパイプを挿入し、パイプと孔壁の間をグラウトで十分充填する。
3 グラウトが十分硬化した後初期値を取る。
4 測定はケーシングパイプに沿って、傾斜計を内蔵したプローブを降下し、通常 50cm
ごとに昇降させながら、パイプの傾きを地表の指示針により傾き量を読み取る。
5 測定は地すべり測線に平行する方向とそれに直交する方向について測定し、すべりの平面的変位方向及び変位量を求める。
6 地すべりの進行状況は、測定値と初期値の差を求め、それを継続的に並べて検討する。
第 4 - 25 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。 (1) 測定結果表
(2) 構造断面図
(3) 調査経過等のカラー写真(内容は第2章第2節第 2 - 3 条に準ずる。)
第5章 サウンディング第1節 概 要
第 5 - 1 条 目 的
サウンデイングは、ロッドに付けた抵抗体を地中に挿入し、貫入、回転、引き抜き等の抵抗から地層の性状を調査するものである。
第2節 標準貫入試験第 5 - 2 条 目 的
この試験は、原位置における地盤の硬軟、締まり具合の判定、及び土層構成を把握するための試料採取することを目的とする。
第 5 - 3 条 試験方法
試験方法及び器具は、JIS A 1219 によるものとする。
2 試験の開始深度は、特記仕様書等によるものとする。また、その後の試験深度は、原則として深度1mごとに行うものとする。
3 打込完了後xxxは、1回転以上回転させてからサンプラーを静かに引き上げなければならない。
4 サンプラーの内容物は、スライムの有無を確認して採取長さを測定し、土質、色調、状態、混入物等を記録した後、保存しなければならない。
第 5 - 4 条 成果物
試験結果及び保存用資料は、JISA 1219 に従って整理し提供するものとする。
第3節 オランダ式二重管コーン貫入試験第 5 - 5 条 目 的
この試験は、軟弱地盤の原位置における土の静的貫入抵抗を測定し、土層の硬軟、締まり具合又は土層機構成を判定するために行うものである。
第 5 - 6 条 試験方法
試験方法及び器具は、J I S A 1220 によるものとする。
2 先端抵抗測定中及び外管圧入中に貫入抵抗が著しく変化する場合には、その深度においても測定する。
第 5 - 7 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。
(1) 調査位置案内図、調査位置平面図
(2) 試験結果は、地盤工学会記録用紙、報告用紙を使用してJISA 1220 に準拠して整理する。
第4節 ポータブルコーン貫入試験第 5 - 8 条 目 的
この試験は、人力により浅い軟弱地盤の原位置における土の静的貫入抵抗を測定し、土層の硬軟、締まり具合を判定するために行うものである。
第 5 - 9 条 試験方法
試験方法及び器具は、地盤調査法に示す単管式のポータブルコーンペネトロメーターによるものとする。
2 貫入方法は、人力による静的連続圧入方式で貫入抵抗を深さ 10cm ごとに測定し、そのときの貫入速度は、1 cm / sec を標準とする。
3 予定深度に達しない場合で試験が不可能となった場合は、位置を変えて再度試験を行うものとする。
4 単管式コーンペネトロメーターの計測深さは、原則として3mまでとする。第 5 - 10 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。
(1) 調査位置案内図、調査位置平面図 (2) 深度と静的貫入抵抗qcの関係
第5節 スウェーデン式サウンディング試験第 5 - 11 条 目 的
この試験は、深さ 10 m程度の軟弱地盤における土の静的貫入抵抗を測定し、土層の硬軟、締まり具合又は土層の構成を判定するために行うものである。
第 5 - 12 条 試験方法
試験方法及び器具は、JIS A 1221 によるものとする。
2 試験中、スクリューポイントの抵抗と貫入中の摩擦音等により土質の推定が可能な場合は、土質名とその深度を記録するものとする。
3 試験終了後、地下水が認められた場合は、可能な限り水位を測定し記録しなければならない。
第 5 - 13 条 成果物
成果物は、次のとおりとし、調査結果については、地盤工学会記録用紙、報告書用紙のJISA 1221 に準拠して作成するものとする。
(1) 調査位置案内図、調査位置平面図
(2) 土質又は地質断面図(着色を含む)、その他各種図面類
第6節 簡易動的コーン貫入試験第 5 - 14 条 目 的
この試験は、斜面やxxにおける地盤表層部の動的な貫入抵抗を測定し、その硬軟若しくは支持力を判定することを目的とする。
第 5 - 15 条 試験方法
試験方法及び器具は、JGS1433( 簡易動的コーン貫入試験) によるものとする。
2 貫入方法は鋼製ハンマーを自由落下させる方法とする。
3 コーンに付着した土の観察、ロッドに付着した地下水位の状況、傾斜地作業では斜面の傾斜角度をできるかぎり記録するものとする。
4 試験中、目的の深度に達する前に礫などにあたり試験が不可能になった場合は監督員と協議するものとする。
第 5 - 16 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。
(1)調査位置案内図、調査位置平面図
(2)調査結果については、地盤工学会記録用紙、報告書用紙のJGS 1433 に準拠して整理する。
第6章 サンプリング第1節 概 要
第 6 - 1 条 目 的
サンプリングは、観察と保管を目的とする標本用試料及び土質試験を目的とする試験用試料の採取を目的とする。
第2節 標本用試料
第 6 - 2 条 試料作製
標本用試料の採取位置及び数量は、特記仕様書等又は監督員の指示によるものとする。
2 試料は、含水量が変化しないような容器に入れ密封し、必要事項を記入したラベルを添付するものとする。
なお、ラベルの様式は、下記を標準とする。
調査名 | |||||
地点番号 | N O . | 番 | 号 | ||
採取深度 | m | ~ | m | ||
土質名 | |||||
打撃回数 | |||||
採取月日 | 令和 | 年 | 月 | 日 | |
採取者名 |
第3節 土質試験用試料(乱した試料)第 6 - 3 条 試料採取
試料は、原則として地盤を構成する地層が変化するごとに採取するものとする。
ただし、同一地層が連続する場合、その他特別な場合は、特記仕様書等又は監督員の指示によるものとする。
2 乱した試料の採取は、含水量が変化しないようにして標本箱又はビニール袋等に密封しておかなければならない。
なお、ビニール袋を用いる場合は、袋内に極力空気が残らないようにしなければならない。
第4節 土質試験用試料(乱さない試料)第 6 - 4 条 目 的
乱さない試料のサンプリングは、室内試験に供する試料を、原位置における性状を変えることなく採取することを目的とする。
第 6 - 5 条 試料採取
採取位置は、特記仕様書等又は監督職員の指示によるものとする。
2 採取方法については、土質及び調査目的に適したサンプラーを選定し、事前に監督員の承諾を受けなければならない。
3 固定ピストン式シンウォールサンプラーによる採取方法は地盤工学会基準JGS 1221「固定ピストン式シンウォールサンプラーによる土の乱さない試料の採取法」に準拠して行う。
4 デニソン型サンプラーによる採取は、土の硬軟に合わせて調整されたものを使用する。その他の採取方法については、固定ピストン式に準拠する。
第7章 解析等調査業務第 7 - 1 条 目 的
解析等調査業務は、調査地周辺に関する既存資料の収集及び現地調査を実施し、地質
・土質調査で得られた資料を基に、地質断面図を作成するとともに地質・土質に関する総合的な解析とりまとめを行うことを目的とする。
2 適用範囲は、ダム、トンネル、地すべり等を除くものとする。第 7 - 2 条 業務内容
解析等調査業務の内容は、次の各号に掲げる事項によるものとする。
1 既存資料の収集・現地調査 (1) 関係文献等の収集と検討。 (2) 調査地周辺の現地踏査。
2 資料整理とりまとめ
(1) 各種計測結果の評価及び考察。 (2) 異常データのチェック。
(3) 試料の観察。
(4) ボーリング柱状図の作成。
3 断面図等の作成
(1) 地層及び土性の判定。
(2) 土質又は地質断面図の作成。なお、断面図は着色するものとする。
4 総合解析とりまとめ
(1) 調査地周辺の地形・地質の検討。
(2) 地質調査結果に基づく土質定数の設定。 (3) 地盤の工学的性質の検討と支持地盤の設定。
(4) 地盤の透水性の検討。(現場透水試験や粒度試験等が実施されている場合)
(5) 調査結果に基づく基礎形式の検討。(具体的な計算を行うものでなく、基礎形式の適用に関する一般的な比較検討)
(6) 設計・施工上の留意点の検討。(特に、盛土や切土を行う場合の留意点の検討)第 7 - 3 条 成果物
成果物は、現地調査結果、ボーリング柱状図、土質又は地質断面図及び業務内容の検討結果を報告書としてとりまとめ提出するものとする。
第8章 物理探査第1節 概 要
第 8 - 1 条 目 的
物理探査(地表探査法)は、地震波、音波、重力、電気、磁気、放射能、温度等を媒介として地下の地質構造、地層の物理性等を調査、検討するものである。
第2節 弾性波探査
第 8 - 2 条 調査方法
探査は、火薬の爆発等によって発生する弾性波を測定するものとし、測線位置、延長及び探査深度は、特記仕様書等による。
2 探査に先立ち測線全線を踏査する等地質構造の概略を察知しておかなければならな
い。
3 探査方法は原則として屈折法とし、受振点間隔は5mを標準とする。
4 爆発点の間隔は、仕様書等によるが1つの受振器に少なくとも5回以上の地震波を受けるようにしなければならない。又、崖の上、大きな岩石の近傍、極端な地形の変化点等は避けなければならない。
5 弾性波探査装置は、原則として 24 成分のものを使用するものとする。
6 測線の両端、爆発点及び測点には、木杭等により位置を明示し、かつ、亡失しないように努めなければならない。
7 観測の前に計器の調整、ビックアップの固定、爆発符号の確認を行うものとする。
8 1つの展開が終わり次の展開に移る時には、測点を1点以上重複させるものとする。
9 観測は、必ず往復観測とするものとする。
10 火薬、雷管等の取扱いに当たっては、特に関係諸法規を遵守して安全に万全を期さなければならない。
11 爆発効果、ノイズの大小を考慮した火薬量を使用するものとする。
12 爆発孔は、調査終了後完全に埋戻しておくものとする。
13 隣接した2点以上の測点で欠測した場合は、再測定を行うものとする。
14 作業期間中は常に測定記録を点検し、不良の場合は速やかに再測定を行わなければならない。
第 8 - 3 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。
(1) 測定記録(記録用紙には地区名、日時、番号、爆発点、受振器の設置区間、ダイナマイト量、天候等を記入する。)
(2) 測線位置図、測線別速度断面図、走時曲線図
(3) 計算書及び解析報告書、なお、報告書には次の事項も整理しておくものとする。
① 記録(オッシログラフ)
② 記録の読み取り
③ 読取値の補正
④ 計算法及び計算経過
⑤ 作業経過のカラー写真等
⑥ その他
第3節 電気探査
第 8 - 4 条 調査方法
探査に先立ち測線全線を踏査し、露頭により、地質層序、固有比抵抗値等の概略を察知しておかなければならない。
2 電気探査装置は、必要に応じた性能を持つものを用いることとし、測線、電極の配列は、次の各号に掲げる事項によるものとする。
(1) 測線の位置、数、測点間隔は、調査の目的、探査対象の種類、大きさ、深度、地形、地質等を十分に検討した上で決定するものとする。
(2) 電極配置は、特に定めがない限リウエンナー法(4極法)又はシュランベルジャ
ー法(4極法)によるが、使用に先立ち監督員の承諾を得るものとする。
(3) 測線方向は、地形的に凹凸のある所や局部的に異物を埋設する箇所は避けなければならない。
(4) 測点を中心として地形、地質ともなるべく対称が保てる位置とする。 (5) 測点は、杭等により位置を明確にしておくものとする。
3 記録に当たっては、次の事項に留意するものとする。
(1) その日の天候の他、前日の降雨の有無についても記入する。 (2) 測線方向を測定し記入する。
(3) 地形に異常のある場合、又は障害により測線を曲げた場合は、その状況を記入する。
(4) 同一地点を2回測定した場合は、2回分とも記入し、両対数方眼紙にプロットの上、スムーズカーブに近い値を取る。
4 電極の接地に当たっては、次の事項に留意するものとする。
(1) 礫が多い所や、地表の固い所は接地面積を大きくするため電極を2本又は太いものにするか、土盛りして注水する。
(2) 測線下に障害があり接地困難の時は、測線と直角方向に電極を若千移動しながら接地の良い場所を探して電極を設置するものとする。
(3) 地形の傾斜方向に測線をxx場合、各電極は、傾斜面に対して直角に設置する。 (4) xxやxx(ただし、水深 50cm 以内)に電極を設置する場合は、電極棒を横だ
おしにしておくだけでもよいが、その方向は測線に直角とする。 (5) 非分極電極を用いる場合は、接地に十分注意する。
(6) 測定用のコードは、十分に強度があり絶縁したものを用いる。
5 測定中は、次の事項に注意しなければならない。
(1) 測定中の天候変化による地表の電気的特性の急変等、測定条件の変化を避けるため、測定はできるだけ短時間に行う。
(2) 測定値は、ただちに記録するとともに係数を乗じてρを算出し方眼紙上にプロットする。そしてρの値に不連続な点があれば再測定を行いスムーズカーブに近い値を採用する。
(3) ダイヤルのタップを切替える場合は、3点、2とおりのタップで測定する。第 8 - 5 条 解析方法
解析方法は、特に定めがない限り次によるものとする。
(1) 比抵抗値の解析は、標準曲線法、地層境界の解析は、標準曲線法と直視法等を併用して行うものとする。
(2) 付近に露頭がある場合は、その地質の固有比抵抗値を測定し、また、ボーリング資料がある場合は、その柱状図を参考にして解析を行うものとする。
第 8 - 6 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。
(1) 測定位置図、ρ~a曲線(柱状図、層比抵抗値を併記する。)、比抵抗断面図 (2) 解析結果は、一覧表にまとめ地層との対比等について考察を行うものとする。 (3) 作業経過のカラー写真等
(4) その他
第9章 試掘坑
第 9 - 1 条 目 的
試掘は、試掘地点の地質の状況等を直接観察、調査するとともに試料採取及び原位置試験を行うためのものである。
第 9 - 2 条 調査方法
試掘坑の断面及び延長は、特記仕様書等によるものとする。
2 掘削に当たり坑内の崩壊のおそれのあるところは、支保工等により作業の安全を期すものとする。
3 原則として、1/ 100 の縮尺により地質展開図を作成するものとする。第 9 - 3 条 試験等
この試掘坑を利用して行う試験等については、特記仕様書等によるものとする。第 9 - 4 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。 (1) 地質展開図
(2) 地質の状況( 種類、走向、傾斜、岩級区分、掘削の難易、地下水位、礫混入状況、風化の程度、岩盤亀裂状況、湧水量等)
(3) 地すべり調査に当たっては、地すべり面、粘土の厚さ、含水の状況、察痕の有無、地すべり面の方向等
(4) 試験及び写真撮影位置を図示した図面 (5) 作業経過及び坑内のカラー写真等 (6) その他
第 10 章 試掘井、揚水試験第1節 試掘井
第 10 - 1 条 目 的
試掘井は、各種探査で推定された水文地質環境を実証し、可採水量を算出するために行う。
第 10 - 2 条 調査方法
試掘井(揚水井、観測井)の位置、深度、孔径及び数量は、特記仕様書等によるものとする。
2 使用する機械は、コア、スライムをできるだけ多く採取することができるものを用いるものとする。
3 掘削に当たって、孔口はケーシングし、やむを得ない場合に限り、泥水を使用するものとする。セメンティションを行う場合は、監督員の承諾を得なければならない。
4 掘削中は、地層の変化に十分留意しなければならない。また、粘土と礫が混在しているような場合は、礫ばかりでなく、礫間を充填している粘土の採取にも努めるものとする。
5 毎日、掘削開始前と作業終了時に孔内水位を測定するものとする。
6 事故等で作業の継続が不可能になった場合は、速やかに監督員に連絡し、その処理について指示を受けなければならない。
7 掘削中は、地質の種類、深度、層厚、色調、硬さ、孔内水位の変動、使用ビットの種類、その他地層の判定に役立つ事項を必要に応じて記録するものとする。
8 掘削完了後、次の検層を行うものとする。
(1) 電気抵抗値測定(電極間隔は 0.5 m、1.0 mのそれぞれについて深度 0.5 mごと又は連続記録で行う。)
(2) 自然電位測定(深度 0.5 mごと又は連続記録で行う。) (3) 水温測定(深度 0.5 mごと又は連続記録で行う。)
9 検層完了後、その結果を監督員に報告し、xxxxxの設置深度、数量について指示を受けるものとする。
10 ケーシングパイプ及びスクリーン加エパイプの挿入は、仕様書等によるものとする。
第2節 揚水試験
第 10 - 3 条 調査方法
ケーシング完了後、監督員の承諾した揚水ポンプを設置し、xxになるまで十分に洗浄を行わなければならない。
2 揚水量は、主にxx堰により測定する。また、xx堰から越流した水が井戸に逆流しないように排水施設を整えるものとする。
3 洗浄完了後 12 時間以上経過したのち予備揚水試験を行う。予備揚水時間は、浅井戸においては、7時間以上揚水ののち2時間の回復水位を測定し、12 時間以上経過ののち本揚水試験を行う。また、深井戸における予備揚水時間は、7時間以上とし2時間の回復水位を測定し、24 時間以上経過ののち本試験を行うものとする。
4 本試験は、次により行うものとする。
(1) 浅井戸における揚水試験は、連続揚水試験法(以下「連続」という。)で行い、揚水時間は 12 時間以上とし、のち 12 時間の回復水位を測定する。また、深井戸における揚水試験は、段階揚水試験法(以下「段階」という。)及び連続で行うものとし、その揚水時間は段階については、往に6時間以上、復に6時間以上とし、
2時間の回復水位を測定する。こののち 24 時間以上経過ののち連続を行う。連続の揚水時間は、12 時間以上とし、のち 12 時間の回復水位を測定する。
(2) 段階は、揚水量を段階的に変化させて、これに対応する地下水位の安定状態を測定する。
(3) 連続は、揚水量を一定にして地下水位を変化させ、揚水停止後の地下水位の回復状態を測定する
(4) 段階は、少なくとも揚水量を5段階以上変化させて行う。なお、各段階ごとの揚水時間は2時間以上とする。
(5) 段階での揚水量、水位の測定は、原則として、少量の揚水から始め漸次水量を増加させ、回復水位は、正確にこの逆をとる。得られた水位変化曲線は、縦軸に水位を横軸に経過時間をとる。
(6) 段階完了後、水位の回復をまって 12 時間一定量を連続揚水し、水位、水量を測
定する。
(7) 連続の揚水量は、段階の結果から監督員が指示する。
5 揚水水位及びxx堰越流深は、原則として mm 単位まで測定するものとする。
6 観測時間の間隔は、段階、連続とも特に定めがない限り次のとおりとする。
経過時間 観測の種類 | 最初の5分 | 1時間 | つづく 2時間 | 以降 | |
揚水量 | 5分おき | 20分おき | 時間おき | ||
水 位 | 揚水井 | 30秒おき | 5分おき | 20分おき | 1時間おき |
観測井 | ― | 5分おき | 20分おき | 1時間おき |
7 回復水位の測定は、上表の経過時間を揚水停止後のものとして実施する。
8 揚水試験の結果から、次の各式によって水理定数を算定する。 (1) タイスの非平衡式
(2) ヤコブの式 (3) 回復式
(4) ティームの平衡式
(5) その他監督職員の指示する式
9 算出すべき水理定数は次のとおりとする。 (1) 透水係数 k ( cm /s又はm/d )
(2) 透水量係数 T ( cm2 /s又はm 2 / d ) (3) 貯留係数 S
(4) その他
第 10 - 4 条 水質試験
約2L水を採取し、有資格の研究所又は機関において水質試験を行うものとする。なお、水質試験項目は特記仕様書等によるものとする。
第3節 成果物
第 10 - 5 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。 (1) 地質柱状図
(2) 検層測定表(比抵抗値、自然電位、水温等)、検層図 (3) 揚水試験記録表、水位変動図、水理定数計算書
(4) 水質試験成績書 (5) 標本用試料
(6) 試験経過及び試料のカラー写真等 (7) その他
第 11 章 土質試験 第 11 - 1 条 試験法
採取された試料の土質試験は、特に定めがない限り次によるものとし、伴せて「地
盤材料試験方法」等を参考にするものとする。
(1) 土質試験のための乱した土の試料調製方法 JIS A 1201
(2) 土粒子の密度試験方法 JIS A 1202 (3) 土の含水比試験方法 JIS A 1203 (4) 土の粒度試験方法 JIS A 1204
(5) 土の液性限界・塑性限界試験方法 JIS A 1205
(6) 土の収縮定数試験方法 JIS A 1209
(7) 突固めによる土の締固め試験方法 JIS A 1210
(8) CBR試験方法 JIS A 1211
(9) 土懸濁液のpH試験方法 JGS 211
(10) 土の有機炭素含有量試験方法 JGS 231
(11) 砂置換法による土の密度試験方法 JIS A 1214
(12) 土の一軸圧縮試験方法 JIS A 1216
(13) 土の段階載荷による圧密試験方法 JIS A 1217
(14) 土の透水試験方法 JIS A 1218
(15) 土の一面せん断試験方法 「地盤材料試験法」
(16) 土の三軸圧縮試験方法 JGS 521 ~ 524
第 11 - 2 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。 (1) 土質試験結果一覧表
(2) 試験経過のカラー写真等 (3) その他
第 12 章 岩石試験 第 12 - 1 条 試験法
採取された試料の岩石試験は、特に定めがない限り次によるものとし、併せて「岩の調査と試験」等を参考にするものとする。
(1) 粗骨材の密度及び吸水率試験方法 JIS A 1110
(2) 岩石の圧縮強さ試験方法 JIS M 0302
(3) xxの引張強さ試験方法 JIS M 0303
(4) 岩石の強さ試験用試料の採取方法及び試験片の作製方法JIS M 0301
(5) 硫酸ナトリウムによる骨材の安定性試験方法JIS A 1122
(6) ロサンゼルス試験機による粗骨材のすりへり試験方法JIS A 1121
第 12 - 2 条 成果物
成果物は、次のとおりとする。 (1) 岩石試験結果一覧表
(2) 試験経過のカラー写真等 (3) その他
別紙-1
- 13 -
管理技術者の資格は原則として下記のとおりとする。
設 計 区 分 | 管 理 技 術 者 | 備 考 | ||
適用区分 | 委 託 x x | |||
・大規模橋梁(人道吊り橋含む) ・ダム(ダム高15m以上) ・道路トンネル ・新設水路トンネル ・水路橋、水管橋(橋長50m以上) ・ベノト、深礎、ケーソン等の特殊基礎工等の高度な技術と実績が必要とされるもの | ・技術士(総合技術監理部門) ・技術士 | |||
Ⅰ | ||||
※上記資格は全て当該業務に該当する 部門又は選択科目で同種業務における実績を有する者であること。 | ||||
Ⅱ | ・中規模橋梁(プレテンションPC橋梁で2スパン以下) ・ため池(提高15m以下) ・改修水路トンネル ・水路橋、水管橋、サイフォン ・各種大型擁壁(補強土壁(テールアルメ等)含む) (※但し、xx8m以上および耐震設計を考慮するもの) ・各種函渠(現場打ボックスカルバート)等 ※注1 ・生態系及び水質の保全を考慮したもの※注1等の適用区分Ⅰに次ぐ技術力を要するもの | ・技術士(総合技術監理部門) ・技術士 ・RCCM ・技術士補 ※上記資格は全て当該業務に該当する 部門又は選択科目で同種業務における実績を有する者であること。 | ||
Ⅲ | ・その他 適用区分Ⅰ及びⅡ以外に属する一般的な農道、かん排、ほ場整備、xx、環境等の事業に関わる委託設計 | 設計金額が 5百万円以上 | ・技術士 ・RCCM ・技術士補 ・農業土木技術管理士 ※同種業務における実務経験があること。 | |
Ⅳ | ・その他 適用区分Ⅰ及びⅡ以外に属する一般的な農道、かん排、ほ場整備、xx、環境等の事業に関わる委託設計 | 設計金額が 5百万円未満 | ・技術士 ・RCCM ・技術士補 ・農業土木技術管理士 ・1級土木施工管理技士 ・土地改良専門技術者 | |
※注1 『区分Ⅱ』の『各種函渠(現場打ちボックスカルバート)等』、『生態系の保全、配慮等を考慮したもの』を適用する場合は、その業務または、事業実施地区において上記委託内容が主たる業務である又は、主要あるいは重要な施設である場合に適用し、これ以外の場合は『区分Ⅲ』を適用する。
備 考
1.技術士及びRCCMの「当該業務に該当する部門」とは下記事例による。
事例1 大規模橋梁設計委託の場合 → 建設部門のみでなく専門部門として『鋼及びコンクリート』を当該する部門とする。事例2 トンネル設計委託の場合 → 建設部門のみでなく専門部門として『トンネル』を当該する部門とする。
2.大規模橋梁設計にあっては、基本設計(予備設計)段階から適用区分Ⅰとする。
3.計画時点における構想設計及び基本設計にあっては、その難易度を考慮し、適用区分Ⅱ又はⅢによる事を基本とする。
4.適用区分については、特記仕様書に必ず明記することとする。
5.技術士とは技術士法第6条による国家資格試験合格者で、登録を受け、技術士の名称を用いて、高等の専門的能力を必要とする業務を行う者をいう。
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6.RCCM(シビルコンサルティングマネージャー)とは、(社)建設コンサルタンツ協会が行う資格試験に合格し、管理技術者または技術士のもとで、業務に関する技術上の事項を処理し、または、業務成果の照査の任に当たる者をいい、登録の要件として次項を満たしている者。
a.RCCM資格試験に合格した者。
b.建設コンサルタント登録規定に基づく登録をしている企業及び個人のもとで勤務している者。 c.指導を受ける技術管理者又は技術士を特定できること。
d.RCCM資格試験合格後、4年以上経過した者、又はRCCM登録の有効期間を経過した者にあっては、登録更新講習を受講した者。
7.農業土木技術管理士とは、(社)土地改良測量設計技術協会が行う資格試験に合格し、当協会に備える農業土木技術管理士登録名簿に登録されているものをいう。
8.1級土木施工管理技士とは、建設業法第27条、同施行令第27条の3に基づく国家試験合格者をいう。
9.土地改良専門技術者とは土地改良事業専門技術者育成対策実施要領(昭和59年11月1日付け59構改C第689号構造改善局通達)による土地改良専門技術者の資格を有する者をいう。
10.技術士補とは、技術士法第5条による国家資格試験合格者で、第32条第2項の登録を受け、技術士補の名称を用いて技術士を補助するものをいう。
11.Ⅲ及びⅣの技術士、RCCM、技術士補の資格は建設工事に関わる部門又は選択科目とする。