Contract
令和元年7月
川崎市まちづくり局
第1章 総則
1.1 適用
1 建築設計業務委託共通仕様書その2(以下「共通仕様書2」という。)は、建築工事に係る建築設計(建築の意匠・構造、電気設備及び機械設備の基本設計並びにこれらの実施設計及び積算をいう。)の業務(以下「設計業務」という。)委託に適用する。
2 設計仕様書は、相互に補完し合うものとし、そのいずれかによって定められている事項は、契約の履行を規定するものとする。ただし、設計仕様書の間に相違がある場合、設計仕様書の優先順位は、次の(1)から(4)の順序のとおりとする。
(1) 質問回答書
(2) 別冊の図面
(3) 特記仕様書
(4) 共通仕様書
3 受注者は、前項の規定により難い場合又は設計仕様書に明示のない場合若しくは疑義を生じた場合には、監督員と協議するものとする。
1.2 用語の定義
共通仕様書に使用する用語の定義は、次の各項に定めるところによる。
1 「発注者」とは、川崎市長をいう。
2 「受注者」とは、設計業務の実施に関し、発注者と委託契約を締結した個人又は会社その他の法人をいう。
3 「監督員」とは、契約図書に定められた範囲内において受注者又は管理技術者に対する指示、承諾又は協議の職務等を行う者で、建築設計業務委託共通仕様書その1(以下「共通仕様書1」という。)第 12 条に定める者であり、まちづくり委託業務監督要綱第2条に基づく、総括監督員、xx監督員及び一般監督員を総称していう。
4 「検査員」とは、まちづくり局委託業務検査要綱第2条に定める者をいう。
5 「管理技術者」とは、契約の履行に関し、業務の管理及び統轄等を行う者で、共通仕様書1第 13 条第1項の規定に基づき、受注者が定めた者をいう。
6 「契約図書」とは、契約書及び設計仕様書をいう。
7 「契約書」とは、「xx市委託契約約款」をいう。
8 「設計仕様書」とは、別冊の図面、仕様書及びこれらの図書に係る質問回答書等をいう。
9 「仕様書」とは、共通仕様書及び特記仕様書(特記仕様書において定める資料及び基準等を含む。)を総称していう。
10 「質問回答書等」とは、別冊の図面、仕様書、現場状況等に関する入札等参加者からの質問書に対して、発注者が回答する書面をいう
11 「図面」とは、入札等に際して発注者が交付した図面及び発注者から変更又は追加された図面及び図面のもとになる計算書等をいう。
12 「特記仕様書」とは、設計業務の実施に関する明細又は特別な事項を定める図書
をいう。
13 「共通仕様書」とは、設計業務に共通する事項を定める図書をいう。
14 「特記」とは、1.1 の 2.の(1)から(3)に指定された事項をいう。
15 「指示」とは、監督員又は検査員が受注者に対し、設計業務の遂行上必要な事項について書面をもって示し、実施させることをいう。
16 「請求」とは、発注者又は受注者が、契約内容の履行又は変更に関して相手方に書面をもって行為又は同意を求めることをいう。
17 「通知」とは、発注者又は監督員が受注者に対し、若しくは受注者が発注者又は監督員に対し、設計業務に関する事項について、書面をもって知らせることをいう。
18 「報告」とは、受注者が発注者又は監督員若しくは検査員に対し、設計業務の遂行に当たって調査及び検討した事項について、書面をもって知らせることをいう。
19 「申出」とは、受注者が契約内容の履行又は変更に関して、発注者に対して、書面をもって同意を求めることをいう。
20 「承諾」とは、受注者が発注者又は監督員に対し、書面で申し出た設計業務の遂行上必要な事項について、発注者又は監督員が書面により同意することをいう。
21 「質問」とは、不明な点に関して、書面をもって問うことをいう。
22 「回答」とは、質問に対して書面をもって答えることをいう。
23 「協議」とは、書面により業務を遂行する上で必要な事項について、発注者と受注者が対等の立場で合議することをいう。
24 「提出」とは、受注者が発注者又は監督員に対し、設計業務に係る書面又はその他の資料を説明し、差し出すことをいう。
25 「書面」とは、手書き、xxxx等により、伝える内容を紙に記したものをいい、発効年月日を記載し、署名又は捺印したものを有効とする。緊急を要する場合は、電子メール、ファクシミリ等により伝達できるものとするが、後日有効な書面と差し替えるものとする。
26 「検査」とは、検査員が契約図書に基づき、設計業務の完了及び履行部分を確認することをいう。
27 「打合せ」とは、設計業務を適正かつ円滑に実施するために管理技術者等と監督員が面談等により、業務の方針、条件等の疑義を正すことをいう。
28 「修補」とは、発注者が受注者の負担に帰すべき理由による不良箇所を発見した場合に受注者が行うべき訂正、補足その他の措置をいう。
29 「協力者」とは、受注者が設計業務の遂行に当たって、その業務の一部を再委託する者をいう。
第2章 設計業務の範囲
設計業務は、一般業務及び追加業務とし、その範囲及び内容は次に揚げるところによる。
1 一般業務の内容は、平成 21 年国土交通省告示第 15 号(以下「告示」という。)別xx第1項に掲げるものとし、範囲は特記による。
2 追加業務の内容及び範囲は特記による。
第3章 業務の実施
3.1 業務の着手
受注者は、設計仕様書に定めがある場合を除き、契約締結後7日以内に設計業務に着手しなければならない。この場合において、着手とは、設計業務の実施のため、管理技術者が監督員との打合せを開始することをいう。
3.2 設計方針の策定等
1 受注者は、業務を実施するに当たり、設計仕様書及び監督員の指示を基に設計方針の策定(告示別xx第1項第一号イに掲げる基本設計方針の策定及び第二号イに掲げる実施設計方針の策定をいう。)を行い、業務当初及び変更の都度、監督員の承諾を得なければならない。
2 受注者は、設計計算書に、計算に使用した理論、公式の引用及び文献等並びにその計算過程を明記するものとする。また、電子計算機によって設計計算を行う場合は、プログラムと使用機種について事前に監督員を協議し、その承諾を得なければならない。
3.3 適用基準等
1 受注者は、業務実施に当たっては、特記仕様書に定める基準等(以下「適用基準等」という。)に基づき行うものとする。
2 受注者は、適用基準等により難い特殊な工法、材料、製品等を採用しようとする場合には、あらかじめ、監督員と協議し、その承諾を得なければならない。
3 適用基準等で市販されているものについては、受注者の負担において備えるものとする。
3.4 提出書類
1 受注者は、発注者が指定した様式により、契約締結後に、関係書類を監督員を経て、速やかに発注者に提出しなければならない。ただし、業務委託料(以下「委託料」という)に係る請求書、請求代金代理受領承諾書、遅延利息請求書、監督員に関する措置請求に係る書類を除くものとする。
2 受注者が発注者に提出する書類で様式及び部数が定められていない場合は、監督員の指示によるものとする。
3 業務実績情報を登録することが特記された場合は、登録内容について、あらかじめ監督員の承諾を受け、登録されることを証明する資料を監督員に提示し、業務完了検査後速やかに登録の手続きを行うとともに、登録が完了したことを証明する資料を監督員に提出しなければならない。
3.5 業務計画書
1 受注者は、契約締結後7日以内に業務計画書を作成し、監督員に提出しなければならない。
2 業務計画書の内容は、特記による。
3 受注者は、業務計画書の内容を変更する場合は、理由を明確にしたうえ、その都度監督員に変更業務計画書を提出しなければならない。
4 監督員が指示した事項については、受注者は更に詳細な業務計画に係る資料を提出
しなければならない。
3.6 守秘義務
受注者は、共通仕様書1第5条の規定により、業務の実施過程で知り得た秘密を第三者に漏らしてはならない。
3.7 再委託
1 共通仕様書1第 10 条第1項に定める「主要な部分」とは、建築設計業務等における総合的な企画及び判断並びに業務遂行管理をいい、受注者は、これを再委託することはできない。
2 共通仕様書1第 10 条第2項に定める「軽微な部分」とは、コピー、ワープロ、印刷、製本、計算処理、トレース、資料整理、模型製作、透視図作成等の簡易な業務をいい、受注者がこの部分を第三者に再委託する場合は、発注者の承諾を必要としない。
3 受注者は、第1項及び第2項に規定する業務以外の再委託に当たっては、あらかじめ発注者の承諾を得なければならない。
4 受注者は、設計業務を再委託する場合は、委託した業務の内容を記した書面により行うこととする。なお、協力者が発注機関の建設コンサルタント業務等指名競争参加資格者である場合は、指名停止期間中であってはならない。
5 受注者は、協力者及び協力者が再々委託を行うなど複数の段階で再委託が行われるときは当該複数の段階の再委託の相手方の住所、氏名及び当該複数の段階の再委託の相手方がそれぞれ行う業務の範囲を記載した書面を更に詳細な業務計画に係る資料として、監督員に提出しなければならない。
6 受注者は、協力者に対して、設計業務の実施について適切な指導及び管理を行わなければならない。また、複数の段階で再委託が行われる場合についても必要な措置を講じなければならない。
3.8 特許xxの使用
受注者は、共通仕様書1第 11 条ただし書きの規定に基づき、発注者に特許xxの使用に関して要する費用負担を求める場合、権利を所有する第三者と補償条件の交渉を行う前に発注者の承諾を得なければならない。
3.9 監督員
1 発注者は、設計業務における監督員を定め、受注者に通知するものとする。
2 監督員は、契約図書に定められた範囲内において、指示、承諾、協議等の職務を行うものとする。
3 監督員の権限は、共通仕様書1第 12 条第2項に定める事項とする。
4 監督員がその権限を行使するときは、書面により行うものとする。ただし、緊急を要する場合又は監督員が受注者に対し口頭による指示等を行った場合には、受注者はその指示等に従うものとする。監督員はその指示等を行った後7日以内に受注者に対し、書面によりその内容を通知するものとする。
3.10 管理技術者
1 受注者は、設計業務における管理技術者を定め、発注者に通知するものとする。
2 管理技術者の資格要件は、特記仕様書による。また、管理技術者は、日本語に堪能でなければならない。
3 管理技術者は、契約図書等に基づき、業務の技術上の管理を行うものとする。
4 受注者が管理技術者に委任できる権限は、共通仕様書1第 13 条2項に定める事項とする。ただし、受注者が管理技術者に委任できる権限を制限する場合は、発注者に書面をもってその内容を含め報告しない限り、管理技術者は受注者の一切の権限(共通仕様書1第 13 条2項の規定により行使できないとされた権限を除く。)を有するものとされ、発注者及び監督員は、管理技術者に対して指示等を行えば足りるものとする。
5 管理技術者は、監督員が指示するところにより、関連するその他の設計業務の受注者と十分に協議の上、相互に協力しつつ、業務を実施しなければならない。
3.11 資料の貸与及び返却
1 監督員は、設計仕様書において貸与すると定める図面及び諸適用基準並びにその他関連資料(以下「貸与資料」という。)を受注者に貸与するものとする。
2 受注者は、貸与資料の必要がなくなった場合は、直ちに監督員に返却するものとする。
3 受注者は、貸与資料を善良な管理者の注意をもって取扱わなければならない。万一、損傷した場合には、受注者の責任と費用負担において修復するものとする。
4 受注者は、設計仕様書に定める守秘義務が求められる資料については、これを他人に閲覧させ、複写させ、又は譲渡してはならない。
3.12 関連する法令、条例等の遵守
1 受注者は、設計業務の実施に当っては、関連する法令、条例等を遵守しなければならない。
3.13 関係官公庁への手続等
1 受注者は、設計業務の実施に当たっては、発注者が行う関係官公庁等への手続及び立会いの際に協力しなければならない。また、受注者は、設計業務及び工事監理業務を実施するため、関係官公庁等に対する諸手続及び立会いが必要な場合は、速やかに行うものとし、その内容を監督員に報告しなければならない。
2 受注者が、関係官公庁等から交渉を受けたときは、速やかにその内容を監督員に報告し、必要な協議を行うものとする。
3.14 打合せ及び記録
1 設計業務を適正かつ円滑に実施するため、管理技術者と監督員は常に密接な連絡をとり、業務の方針、条件等の疑義を正すものとし、その内容及びその結果については、そのつど受注者が書面(打合せ記録簿)に記録し、相互に確認しなければならない。
2 設計業務着手時及び設計仕様書に定める時期において、管理技術者と監督員は打合せを行うものとし、その結果について、管理技術者が書面(打合せ記録簿)に記録し、相互に確認しなければならない。
3.15 条件変更等
1 受注者は、設計仕様書に明示されていない履行条件について予期することのできない特別な状態が生じたと判断し、発注者と協議して当該規定に適合すると認められた場合は、契約書の規定により、速やかに発注者にその旨を通知し、その確認を請求しなければならない。
2 監督員が受注者に対して共通仕様書1第 18 条第5項、第 19 条及び第 28 条第1項に定める設計仕様書の変更又は訂正の指示を行う場合は、書面によるものとする。
3.16 一時中止
1 発注者は、次の各号に該当する場合は、共通仕様書1第 20 条第1項の規定により、設計業務の全部又は一部を一時中止させるものとする。
(1) 関連する他の設計業務の進捗が遅れたため、設計業務の続行を不適当と認めた場合。
(2) 天災等の受注者の責に帰すことができない事由により、設計業務の対象箇所の状態や受注者の業務環境が著しく変動したことにより、設計業務の続行が不適当又は不可能となった場合。
(3) 受注者が契約図書に違反し、又は監督員の指示に従わない場合等、監督員が必要と認めた場合。
3.17 履行期間の変更
1 発注者は、受注者に対して設計業務の変更の指示を行う場合においては、履行期間の変更を行うか否かを併せて事前に通知しなければならない。
2 受注者は、共通仕様書1第 22 条の規定に基づき、履行期間の延長が必要と判断した場合には、履行期間の延長理由、必要とする延長日数の算定根拠、業務工程を修正した業務工程表その他必要な資料を発注者に提出しなければならない。
3 受注者は、共通仕様書1第 23 条の規定に基づく発注者の請求により履行期間が変更された場合は、速やかに業務工程表を修正し、発注者に提出しなければならない。
3.18 修補
1 受注者は、発注者及び監督員から修補を求められた場合には、速やかに修補をしなければならない。
2 検査員は、修補の必要があると認めた場合には、受注者に対して、期限を定めてその修補を指示することができるものとする。
3 検査員が修補の指示をした場合には、その修補の完了の確認は検査員の指示に従うものとする。
4 検査員が指示した期間内に修補が完了しなかった場合には、発注者は、共通仕様書
1第 29 条第2項の規定に基づき検査の結果を受注者に通知するものとする。
3.19 設計業務の成果物
1 受注者は、設計業務を完了したときは、設計仕様書に示す成果物を業務完了届とともに提出し、検査を受けるものとする。
2 成果物には、特定の製品名、製造所名又はこれらが推定されるような記載をしてはならない。ただし、これにより難い場合には、あらかじめ、監督員と協議し、承諾を得なければならない。
3 国際単位系(SI単位)の適用に際し疑義が生じた場合は、監督員と協議を行うものとする。
4 受注者は、設計仕様書に規定がある場合又は監督員が指示し、これに同意した場合は、履行期間途中においても、成果物の部分引渡しを行わなくてはならない。
3.20 検査
1 受注者は、共通仕様書1第 29 条第1項の規定に基づいて、発注者に対して委託の完了を委託業務完了届により通知する。また、受注者は、設計業務が完了したとき、部分払を請求しようとするとき及び部分引渡しの指定部分に係る業務が完了したときは、検査を受けなければならない。
2 受注者は、検査を受ける場合は、あらかじめ成果物並びに指示、請求、通知、報告、承諾、協議、提出及び打合せに関する書面その他検査に必要な資料を整備し、監督員に提出しておかなければならない。
3 受注者は、契約書の規定に基づく部分払の請求に係る既履行部分の確認の検査を受ける場合は、当該請求に係る既履行部分の算出方法について監督員の指示を受けるものとし、当該請求部分に係る業務は、次の(1)及び(2)の要件を満たすものとする。
(1) 監督員の指示を受けた事項がすべて完了していること。
(2) 契約図書により義務付けられた資料の整備がすべて完了していること。
4 検査員は、監督員及び管理技術者の立会のうえ、契約図書に基づき次の各号に掲げる検査を行うものとする。
(1) 設計業務成果物の検査。
(2) 設計業務履行状況の検査(指示、請求、通知、報告、承諾、協議、提出及び打合せに関する書面その他検査に必要な資料により検査する。)。
3.21 部分使用
1 発注者は、次の各号の一に揚げる場合において、共通仕様書1第 31 条第1項の規定に基づき、受注者に対して成果物の一部の使用を請求することができるものとする。
(1) 別途設計業務の用に供する必要がある場合。
(2) その他特に必要と認められた場合。
2 受注者は、成果物の一部の使用に同意した場合は、成果物の一部の使用同意書を発注者に提出するものとする。
3.22 契約内容の変更
1 発注者は、次の各号に掲げる場合において、設計業務委託契約の変更を行うものとする。
(1) 業務委託料の変更を行う場合。
(2) 履行期間の変更を行う場合。
(3) 監督員と受注者が協議して、設計業務施行上必要があると認められる場合。
(4) 共通仕様書1第 28 条の規定に基づき業務委託料の変更に代える設計仕様書の変更を行う場合。
2 発注者は、前項の場合において、変更する契約図書を次の各号に基づき作成するものとする。
(1) 3.15 の規定に基づき監督員が受注者に指示した事項。
(2) 設計業務の一時中止に伴う増加費用及び履行期間の変更等決定済の事項。
(3) その他発注者又は監督員と受注者との協議で決定された事項。
3.23 発注者の賠償責任
1 発注者は、次の各号に該当する場合においては、損害の賠償を行わなければならない。
(1) 共通仕様書1第 26 条に定める一般的損害又は共通仕様書1第 27 条に定める第三者に及ぼした損害について、発注者の責に帰すべきものとされた場合。
(2) 発注者が契約に違反し、その違反により契約の履行が不可能となった場合。
3.24 受注者の賠償責任
1 受注者は、次の各号に該当する場合においては、損害の賠償を行わなければならない。
(1) 共通仕様書1第 26 条に定める一般的損害又は共通仕様書1第 27 条に定める第三者に及ぼした損害について、受注者の責に帰すべきものとされた場合
(2) 共通仕様書1第 35 条に定める成果物の瑕疵担保に係る損害が生じた場合