Contract
工事請負契約約款
(総則)
第1条 発注者及び受注者は、この約款(契約書を含む。以下同じ。)に基づき、設計図書(添付の図面及び仕様書(この契約の締結時において効力を有する工事標準仕様書が別に存在する場合は、これを含む。)をいう。以下同じ。)に従い、日本国の法令を遵守し、この契約(この約款及び設計図書を内容とする工事の請負契約をいう。以下同じ。)を履行しなければならない。
2 受注者は、契約書記載の工事を契約書記載の工期内に完成し、工事目的物を発注者に引き渡し、発注者は、その契約代金を支払う。この場合において、工期が日数で定められているときは、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号) に定める休日、12月29日から同月31日までの期間、1月2日、同月3日、日曜日及び土曜日は、この日数に算入しない。
3 仮設、施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段(以下「施工方法等」という。)については、この約款又は設計図書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。
4 受注者は、この契約の履行に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
5 この約款に定める請求、通知、報告、申出、承諾及び解除は、書面により行わなければならない。
6 この約款及び設計図書における期間の定めについては、この約款又は設計図書に特別の定めがある場合を除き、民法(明治29年法律第89号)及び商法(明治32年法律第48号)の定めるところによるものとする。
7 この契約に係る訴訟については、発注者の事務所の所在地を管轄する日本国の裁判所をもって合意による専属的管轄裁判所とする。
8 受注者が共同企業体を結成している場合においては、発注者は、この契約に基づく全ての行為を共同企業体の代表者に対して行うものとし、発注者が当該代表者に対して行ったこの契約に基づく全ての行為は、当該企業体の全ての構成員に対して行ったものとみなし、受注者は、発注者に対して行うこの契約に基づく全ての行為について当該代表者を通じて行わなければならない。
(工事用地の確保等)
第2条 発注者は、工事用地その他設計図書において発注者が提供すべきものと定められた工事の施行上必要な用地(以下「工事用地等」という。)を、受注者が工事の施行上必要とする日(設計図書に特別の定めがあるときは、その定められた日)までに確保しなければならない。
2 受注者は、確保された工事用地等を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
3 工事の完成、設計図書の変更等によって工事用地等が不用となった場合において、当該工事用地等に受注者が所有し、又は管理する工事材料、建設機械器具、仮設物その他の物件(下請負人が所有し、又は管理するこれらの物件並びに支給材料(発注者が受注者に支給する工事材料をいう。以下同じ。)、貸与品(発注者が受注者に貸与する建設機械器具及び工事材料をいう。以下同じ。)及び工事の施行に伴い生じた発生品(以下「発生品」という。) を含む。)があるときは、受注者は当該物件を撤去し、又は発注者に返還する支給材料、貸与品及び発生品を発注者の指定する場所へ搬出するとともに、当該工事用地等を原状に復して、発注者に明け渡さなければならない。
4 前項の場合において、受注者が正当な理由がなく、相当の期間内に当該物件を撤去せず、若しくは発注者の指定する場所へ搬出せず、又は工事用地等の原状回復を行わないときは、発注者は、受注者に代わって当該物件を処分し、若しくは搬出し、又は工事用地等の原状回復を行うことができる。この場合においては、受注者は、発注者の当該処分、搬出又は原状回復について異議を申し出ることができず、発注者の当該処分、搬出及び原状回復に要した費用を負担しなければならない。
5 第3項に規定する受注者のとるべき措置の期限、方法等については、発注者が受注者の意見を聞いて定める。
(関連工事の調整)
第3条 発注者は、受注者の施行する工事及び発注者の発注に係る第三者の施行する他の工事が施工上密接に関連する場合において、必要があるときは、その施工につき、調整を行うものとする。この場合において、受注者は、発注者の調整に従い、当該第三者の行う工事の円滑な施行に協力しなければならない。
(工程xx)
第4条 受注者は、設計図書に基づいて工程表を作成し、発注者に提出し、その承認を受けなければならない。
2 受注者は、発注者が契約金額内訳書の提出を求めたときは、これを提出しなければならない。
(権利義務の譲渡等)
第5条 受注者は、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、若しくは承継させ、又は担保の目的
に供することができない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
2 受注者は、工事目的物並びに工事材料のうち第12条第2項の検査に合格したもの及び製作品のうち第34条第3項の検査に合格したものを第三者に譲渡し、若しくは貸与し、又は抵当権その他の担保の目的に供してはならない。ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
(一括委任又は一括下請負の禁止)
第6条 受注者は、工事の全部若しくは主たる部分又は他の部分から独立してその機能を発揮する工作物の工事を一括して第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。
(下請負人の通知)
第7条 発注者は、受注者に対して、下請負人の商号又は名称その他必要な事項を通知させることができる。
(特許xxの使用)
第8条 受注者は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利
(以下「特許xx」という。)の対象となっている工事材料及び施工方法等を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし、発注者がその工事材料及び施工方法等を指定した場合において、設計図書に特許xxの対象である旨の明示がなく、かつ、受注者がその存在を知らなかったときは、発注者は、受注者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
(監督員)
第9条 発注者は、監督員を定めたときは、その氏名を受注者に通知しなければならない。監督員を変更したときも同様とする。
2 監督員は、この約款の他の条項に定めるもの及びこの約款に基づく発注者の権限とされる事項のうち発注者が必要と認めて監督員に委任したもののほか、設計図書に定めるところにより、次の各号に掲げる権限を有する。
⑴ 工事の施行についての受注者又は受注者の現場代理人(以下「現場代理人」という。)に対する指示、承諾及び協議
⑵ 設計図書に基づく工事の施行のための詳細図等の作成及び交付並びに受注者が作成した詳細図等の承諾
⑶ 設計図書に基づく工程の管理、立会い、工事の施行状況の確認並びに工事材料の試験及び検査( 確認を含む。)
3 発注者は、2名以上の監督員を置き、監督員の権限を分担させたときは、それぞれの監督員の有する権限の内容を受注者に通知しなければならない。
4 発注者は、この約款に基づく発注者の権限の一部を監督員に委任したときは、委任した権限の内容を受注者に通知しなければならない。
5 第2項に規定する監督員の指示又は承諾は、原則として、書面により行わなければならない。
(現場代理人及びxx技術者等)
第10条 受注者は、次の各号に掲げる者を定めて工事現場に設置し、その者の氏名その他発注者が必要と認める事項を発注者に通知しなければならない。これらの者を変更したときも同様とする。
⑴ 現場代理人
⑵ xx技術者(建設業法(昭和24年法律第100号)第26条第2項の規定に該当する場合は、監理技術者。以下同じ。)
⑶ 専門技術者(建設業法第26条の2に規定する技術者をいう。以下同じ。)
2 現場代理人は、工事現場に常駐し、その運営及び取締りを行うほか、工事の施行に関し、この約款に基づく受注者の一切の権限を行使することができる。
3 発注者は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する期間において、現場代理人の工事現場における運営、取締り及び権限の行使に支障がなく、かつ、発注者との連絡体制が確保されると認められる場合には、当該期間については、現場代理人の工事現場における常駐を要しないこととすることができる。
⑴ 現場事務所の設置、資機材の搬入又は仮設工事等が開始されるまでの期間
⑵ 工事の全部の施行を一時中止している期間
⑶ 工場製作を含む工事であって、工場製作のみが行われている期間
⑷ 前3号に掲げる期間のほか、工事現場において作業等が行われていない期間
4 第2項の規定にかかわらず、受注者は、自己の有する権限のうち、現場代理人に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは、あらかじめ、当該権限の内容を発注者に通知しなければならない。
5 現場代理人、xx技術者及び専門技術者は、これを兼ねることができる。
(工事関係者に関する措置請求)
第11条 発注者は、現場代理人がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとることを請求することができる。
2 発注者又は監督員は、xx技術者、専門技術者その他受注者が工事を施行するために使用している下請負人、労働者等で、工事の施行又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとることを請求することができる。
3 受注者は、前2項の規定による請求があったときは、速やかに、当該請求に係る事項について決定し、その結果を発注者に通知しなければならない。
4 受注者は、監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、発注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとることを請求することができる。
5 発注者は、前項の規定による請求があったときは、速やかに、当該請求に係る事項について決定し、その結果を受注者に通知しなければならない。
(工事材料の品質及び検査等)
第12条 工事材料の品質については、設計図書に定めるところによるものとし、設計図書にその品質が明示されていない場合にあっては、中等の品質を有するものとする。
2 受注者は、設計図書において発注者又は監督員の検査を受けて使用すべきものと指定された工事材料については、当該検査に合格したものを使用しなければならない。この場合において、当該検査に直接要する費用は、受注者の負担とする。
3 発注者又は監督員は、受注者から前項の検査の請求があったときは、遅滞なくこれに応じなければならない。
4 受注者は、工事現場内に搬入した工事材料を監督員の承諾を受けないで工事現場外に搬出してはならない。
5 前項の規定にかかわらず、受注者は、第2項の検査の結果不合格と決定された工事材料については、遅滞なく工事現場外に搬出しなければならない。
(監督員の立会い及び工事記録の整備等)
第13条 受注者は、設計図書において監督員の立会いを受けて調合し、又は調合について見本検査を受けるものと指定された工事材料については、当該立会いを受けて調合し、又は当該見本検査に合格したものを使用しなければならない。
2 受注者は、設計図書において監督員の立会いを受けて施行するものと指定された工事については、当該立会いを受けて施工しなければならない。
3 受注者は、前2項の規定により監督員の立会い又は見本検査を受ける場合のほか、発注者が特に必要があると認めて設計図書において見本又は工事写真等の記録を整備するものと指定した工事材料の調合又は工事の施行をするときは、設計図書に定めるところにより、当該記録を整備し、監督員の要求があったときは、遅滞なくこれを提出しなければならない。
4 監督員は、受注者から第1項又は第2項の立会い又は見本検査の請求があったときは、遅滞なくこれに応じなければならない。
5 第1項又は第3項の規定による見本検査又は見本若しくは工事写真等の記録の整備に直接要する費用は、受注者の負担とする。
(支給材料、貸与品及び発生品)
第14条 支給材料及び貸与品の品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所及び引渡時期は、設計図書に定めるところによる。
2 監督員は、支給材料又は貸与品の引渡しに当たっては、受注者の立会いの上、発注者の負担において、当該支給材料又は貸与品の確認を行わなければならない。この場合において、その品名、数量、品質又は規格若しくは性能が設計図書の定めと異なり、又は使用に適当でないと認められるときは、受注者は、その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
3 受注者は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けたときは、遅滞なく発注者に受領書又は借用書を提出しなければならない。
4 受注者は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けた後、当該支給材料又は貸与品に第2項の確認により発見することが困難であった隠れたかしがあり使用に適当でないと認めたときは、その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
5 発注者は、受注者から第2項後段又は前項の規定による通知を受けたときは、当該支給材料若しくは貸与品に代えて他の支給材料若しくは貸与品を引き渡し、支給材料若しくは貸与品の品名、数量、品質若しくは規格若しくは性能を変更し、又は理由を明示した書面により、当該支給材料若しくは貸与品の使用を受注者に請求しなければならない。
6 発注者は、前項に規定するほか、必要があると認めるときは、支給材料又は貸与品の品名、数量、品質、規格若しくは性能、引渡場所又は引渡時期を変更することができる。
7 前2項の場合において、必要があると認められるときは工期若しくは契約金額を変更し、又は発注者が受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を発注者が負担しなければならない。
8 受注者は、支給材料、貸与品及び発生品を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
9 受注者は、設計図書に定めるところにより、工事の完成、設計図書の変更等によって不用となり、又は使用目的が終了した支給材料、貸与品及び発生品を発注者に返還しなければならない。この場合において、貸与品は、修理清掃の後、監督員の確認を受けて引き渡さなければならない。
10 受注者は、故意又は過失により、支給材料、貸与品若しくは発生品を滅失し、若しくは毀損し、又は返還が不可能となったときは、発注者の指定した期間内に代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又はこれらに代えて損害を賠償しなければならない。
11 受注者は、支給材料又は貸与品の使用方法が設計図書に明示されていないときは、監督員の指示に従わなければならない。
(設計図書不適合の場合の改造義務及び破壊検査)
第15条 受注者は、工事の施行部分が設計図書に適合しない場合において、監督員がその改造を請求したときは、当該請求に従わなければならない。この場合において、当該不適合が監督員の指示によるときその他発注者の責めに帰すべき事由によるときは、必要に応じて工期若しくは契約金額を変更し、又は受注者に損害が生じたときは必要な費用を発注者が負担しなければならない。
2 発注者又は監督員は、受注者が第12条第2項前段又は第13条第1項、第2項若しくは第3項の規定に違反した場合において、必要があると認められるときは、工事の施行部分を破壊して検査することができる。
3 前項に規定する場合のほか、発注者又は監督員は、工事の施行部分が設計図書に適合しないと認められる相当の理由がある場合において、必要があると認められるときは、当該相当の理由を受注者に通知して、工事の施行部分を最小限度破壊して検査することができる。
4 前2項に規定する破壊検査及び破壊検査に伴う復旧に直接要する費用は受注者の負担とする。
(条件変更等)
第16条 受注者は、工事の施行に当たり、次の各号のいずれかに該当する事実を発見したときは、直ちにその旨を監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
⑴ 図面と仕様書が一致しないこと(これらの優先順位が定められている場合を除く。)。
⑵ 設計図書に誤びゅう又は脱漏があること。
⑶ 設計図書の表示が明確でないこと。
⑷ 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと。
⑸ 設計図書に明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと。
2 監督員は、前項の規定による確認の請求があったとき、又は自ら同項各号に掲げる事実を発見したときは、受注者の立会いの上、直ちに調査を行わなければならない。ただし、受注者が立会いに応じない場合は、受注者の立会いを得ずに当該調査を行うことができる。
3 発注者は、前項の調査の結果をとりまとめ、調査の終了後速やかに、その結果を受注者に通知するとともに、これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは、当該指示をしなければならない。
4 発注者は、前項の調査の結果において、第1項各号に規定する事実が発注者と受注者との間で確認された場合で、必要があると認められるときは、設計図書の訂正又は変更を行わなければならない。
5 前項の規定により、設計図書の訂正又は変更が行われた場合において、必要があると認められるときは工期若しくは契約金額を変更し、又は発注者が受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を発注者が負担しなければならない。
(設計図書の変更)
第17条 発注者は、必要があると認めるときは、その内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができる。この場合において、必要があると認められるときは工期若しくは契約金額を変更し、又は発注者が受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を発注者が負担しなければならない。
(工事の中止)
第18条 工事用地等の確保ができない等のため、暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的若しくは人為的な事象(以下「天災等」という。)であって受注者の責めに帰すことができないものにより、工事目的物等に損害を生じ、若しくは工事現場の状態が変動したため、又は第16条第
2項の調査の結果、同条第1項各号に掲げる事実についての確認が発注者と受注者との間で一致しないため、受注者が工事を施行することができないと認められるときは、発注者は、直ちに受注者に通知して、工事の全部又は一部の施行を一時中止させなければならない。
2 発注者は、前項の規定によるほか、必要があると認めるときは、受注者に通知して、工事の全部又は一部の施行を一時中止させることができる。
3 発注者が前2項の規定により工事の施行を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは工期若しくは契約金額を変更し、又は受注者が工事の続行に備えて工事現場を維持するための費用その他の工事の施行の一時中止に伴う増加費用を必要とし、若しくは発注者が受注者に損害を及ぼしたときは、発注者が必要な費用を負担しなければならない。
(受注者の請求による工期の延長)
第19条 受注者は、天候の不良、第3条後段の規定による関連工事への協力その他受注者の責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができないときは、その理由を明示した書面により、発注者に工期の延長を請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求があった場合において、必要があると認められるときは、工期を延長しなければならない。
3 前項の規定による工期の延長が発注者の責めに帰すべき事由によるときは、必要に応じて契約金額を変更し、又は受注者に損害が生じたときは発注者が必要な費用を負担しなければならない。
(発注者の請求による工期の短縮等)
第20条 発注者は、特別の理由により工期を短縮する必要があるときは、受注者に工期の短縮を請求することができる。
2 発注者は、この約款の他の条項の規定により工期を延長すべき場合において、特別の理由があるときは、延長する工期について、通常必要とされる工期に満たない工期への変更を受注者に請求することができる。
3 第1項の規定による請求に基づき工期を短縮し、又は前項の規定による請求に基づき工期を変更し、若しくは変更しない場合において、必要があると認められるときは契約金額を変更し、又は発注者が受注者に損害を及ぼしたときは発注者が必要な費用を負担しなければならない。
(賃金又は物価の変動に基づく契約金額の変更)
第21条 発注者又は受注者は、工期内でこの契約の締結の日から12月を経過した後に日本国内における賃金水準又は物価水準の変動により契約金額が不適当となったと認めたときは、相手方に対して契約金額の変更を請求することができる。
2 発注者又は受注者は、前項の規定による請求があったときは、変動前残工事金額(契約金額から当該請求時の既済部分に相応する契約金額を控除した額をいう。以下同じ。)と変動後残工事金額(変動後の賃金又は物価を基礎として算出した変動前残工事金額に相応する額をいう。以下同じ。)との差額のうち変動前残工事金額の
1000分の15を超える額につき、契約金額の変更に応じなければならない。
3 変動前残工事金額及び変動後残工事金額は、請求のあった日を基準とし、物価指数等に基づき発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議が整わない場合にあっては、発注者が定め、受注者に通知する。
4 第1項の規定による請求は、この条の規定により契約金額の変更を行った後再度行うことができる。この場合においては、同項中「この契約の締結の日」とあるのは、「直前のこの条に基づく契約金額変更の基準とした日」とする。
5 特別な要因により工期内に主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、契約金額が不適当となったときは、発注者又は受注者は、前各項の規定によるほか、契約金額の変更を請求することができる。
6 予期することのできない特別の事情により、工期内に日本国内において急激なインフレーション又はデフレーションが生じ、契約金額が著しく不適当となったときは、発注者又は受注者は、前各項の規定にかかわらず、契約金額の変更を請求することができる。
(臨機の措置)
第22条 受注者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとらなければならない。この場合において、受注者は、緊急やむを得ない事情があるときを除き、あらかじめ発注者の意見を聞かなければならない。
2 受注者は、前項の規定により臨機の措置をとったときは、そのとった措置の内容を直ちに発注者に通知しなければならない。
3 発注者は、災害防止その他工事の施行上特に必要があるときは、受注者に対して臨機の措置をとることを請求することができる。
4 受注者が第1項又は前項の規定により臨機の措置をとった場合において、当該措置に要した費用のうち、受注者が契約金額の範囲内において負担することが適当でないと認められる部分については、発注者が負担する。この場合における発注者の負担額は、発注者と受注者とが協議して定める。
(一般的損害)
第23条 工事目的物の引渡し前に、工事の既済部分、検査済持込工事材料、支給材料、貸与品又は発生品について生じた損害その他工事の施行に関して生じた損害(次条第1項若しくは第2項又は第25条第1項に規定する損害を除く。)については、受注者がその費用を負担する。ただし、その損害(火災保険その他の保険等によりてん補された部分を除く。)のうち発注者の責めに帰すべき事由により生じたものについては、発注者が負担する。
(第三者に及ぼした損害)
第24条 工事の施行に伴い第三者に損害を及ぼしたときは、受注者がその損害を賠償しなければならない。ただし、その損害(火災保険その他の保険等によりてん補された部分を除く。以下この条において同じ。)のうち発注者の責めに帰すべき事由により生じたものについては、発注者が負担する。
2 前項の規定にかかわらず、工事の施行に伴い通常避けることができない騒音、振動、地盤沈下、地下水の断絶等の理由により第三者に損害を及ぼしたときは、発注者がその損害を負担しなければならない。ただし、その損害のうち工事の施行につき受注者が善良な管理者の注意義務を怠ったことにより生じたものは、受注者が負担する。
3 前2項の場合その他工事の施行について第三者との間に紛争を生じた場合においては、発注者及び受注者は協力してその処理解決に当たるものとする。
(不可抗力による損害)
第25条 工事目的物の引渡し前に、天災等(設計図書で基準を定めたものにあっては、当該基準を超えるものに限る。)発注者及び受注者のいずれの責めにも帰すことができないもの(以下「不可抗力」という。)により、工事の既済部分、仮設物、発生品又は工事現場に搬入済みの工事材料若しくは建設機械器具に損害が生じたときは、受注者は、その事実の発生後直ちにその状況を発注者に通知しなければならない。
2 発注者は、前項の規定による通知を受けたときは、直ちに調査を行い、当該損害(受注者が善良な管理者の注意義務を怠ったことによるもの及び火災保険その他の保険等によりてん補される部分を除く。以下この条において「損害」という。)の状況を確認し、その結果を受注者に通知しなければならない。
3 受注者は、前項の規定により損害の状況が確認されたときは、損害による費用の負担を発注者に請求することができる。
4 発注者は、前項の規定により受注者から損害による費用の負担の請求があったときは、当該損害の額( 工事の既済部分、仮設物、発生品又は工事現場に搬入済みの工事材料若しくは建設機械器具であって検査又は立会いその他受注者の工事に関する記録等により確認することができるものに係る額に限る。)及び当該損害の取片付けに要する費用の額の合計額(以下「損害合計額」という。)のうち契約金額の100分の1の額を超える部分を負担しなければならない。
5 損害の額は、次の各号に掲げる損害につき、それぞれ当該各号に定めるところにより、発注者と受注者とが協議して定める。
⑴ 工事の既済部分に関する損害
損害を受けた既済部分に相応する契約金額相当額とし、残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
⑵ 発生品又は工事材料に関する損害
損害を受けた発生品又は工事材料で通常妥当と認められるものに相応する契約金額相当額とし、残存価値がある場合にはその評価額を差し引いた額とする。
⑶ 仮設物又は建設機械器具に関する損害
損害を受けた仮設物又は建設機械器具で通常妥当と認められるものについて、当該工事で償却することとしている償却費の額から損害を受けた時点における既済部分に相応する償却費の額を差し引いた額とする。ただし、修繕によりその機能を回復することができ、かつ、修繕費の額が上記の額より少額であるものについては、その修繕費の額とする。
6 数次にわたる不可抗力により損害合計額が累積した場合における第2次以降の不可抗力による損害合計額の負担については、第4項中「当該損害の額」とあるのは「損害の額の累計」と、「当該損害の取片付けに要する費用の額」とあるのは「損害の取片付けに要する費用の額の累計」と、「契約金額の100分の1の額を超える部分」とあるのは「契約金額の100分の1の額を超える部分の額から既に負担した額を差し引いた額」とし
て同項を適用する。
(契約金額の変更に代える設計図書の変更)
第26条 発注者は、この約款の規定に基づき契約金額を増額すべき場合又は費用を負担すべき場合において、特別の理由があるときは、契約金額の増額又は負担額の全部又は一部に代えて、設計図書を変更することができる。この場合において、設計図書の変更内容は、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
(検査及び引渡し)
第27条 受注者は、工事を完成したときは、直ちにその旨を発注者に通知しなければならない。
2 発注者は、前項の規定による通知を受けたときは、通知を受けた日から起算して14日以内に検査を完了しなければならない。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、工事目的物を最小限度破壊して検査することができる。
3 前項に規定するもののほか、発注者は、必要があると認めるときは、受注者に通知の上、検査を行うことができる。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を通知して、工事目的物を最小限度破壊して検査することができる。
4 発注者は、前2項の規定による検査を行うときは、受注者に立会いを求めなければならない。この場合において、受注者は、検査に立ち会わなかったときは、検査の結果について異議を申し立てることができない。
5 検査に要する費用及び検査のため変質、変形、消耗又は毀損したものを原状に復する費用は、全て受注者の負担とする。
6 第2項の検査に合格したときをもって、工事目的物の引渡しを完了したものとする。この場合において、工事目的物が受注者の所有に属するときは、その所有権は引渡しにより発注者に移転する。
7 受注者は、工事が第2項の検査に合格しないときは、直ちに修補をしなければならない。この場合においては、修補の完了を工事の完成とみなして、第1項、第2項及び第4項から前項までの規定を適用する。
8 前項の規定による修補が直ちに完了しないとき、又はその検査に合格しないときは、発注者は、損害金の支払を受注者に請求することができる。
9 第38条第2項の規定は、前項の規定により発注者が受注者に損害金の支払を請求する場合の損害金の額について準用する。
(契約代金の支払)
第28条 受注者は、前条第2項( 前条第7項後段の規定により、修補の完了を工事の完成とみなして適用する場合を含む。第3項において同じ。)の検査に合格したときは、契約代金の支払を請求することができる。
2 発注者は、前項の規定による請求があったときは、請求を受けた日から起算して40日以内に契約代金を支払わなければならない。
3 発注者が、その責めに帰すべき事由により、前条第2項に規定する期間内に検査をしないときは、その期限を経過した日から検査をした日までの期間の日数(以下「検査遅延日数」という。)は、前項に規定する期間(以下「約定期間」という。)の日数から差し引くものとする。この場合において、その検査遅延日数が約定期間の日数を超えるときは、約定期間は、検査遅延日数が約定期間の日数を超えた日において満了したものとみなす。
(契約保証金)
第29条 契約保証金は、契約金額が増減されたときは、これに応じて増減するものとする。ただし、既納保証金が未払の契約金額の10分の1以上あるときは、受注者は契約保証金の追加納入を要しない。
2 発注者は、第27条第2項(第27条第7項後段の規定により、修補の完了を工事の完成とみなして適用する場合を含む。)の検査に合格したとき、又は第40条第1項若しくは第41条第1項の規定によりこの契約が解除されたときは、受注者の請求があった日から40日以内に契約保証金を返還する。
3 発注者は、契約保証金について、利息を付さない。
(部分使用)
第30条 発注者は、第27条第6項の規定による引渡し前においても、工事目的物の全部又は一部を受注者の承諾を得て使用することができる。
2 発注者は、前項の規定により工事目的物の全部又は一部を使用する場合は、その使用部分を善良な管理者の注意をもって使用しなければならない。
3 発注者は、第1項の規定により工事目的物の全部又は一部を使用したことによって受注者に損害を及ぼしたときは、必要な費用を負担しなければならない。
(前払金)
第31条 受注者は、発注者が契約書において前払金の支払を約した場合において、公共工事の前払金保証事業
に関する法律( 昭和27年法律第184号)第2条第4項に規定する保証事業会社(以下「保証事業会社」という。)と契約書記載の工期の末日を保証期限とする同条第5項に規定する保証契約(以下「保証契約」という。)を締結したときは、その保証証書を発注者に提出して、契約書中前払金の項に記載された金額の前払金の支払を発注者に請求することができる。ただし、前払金の支払を行う前に、契約金額が130万円以下に変更されたとき、又は契約金額に支給材料の額を加えた額の3割以上の額の支給材料を支給することとなったときは、前払金の支払を請求することはできない。
2 前払金の支払を行う前に契約金額を減額変更した場合(前項ただし書に規定する場合を除く。)においては、同項中「契約書中前払金の項に記載された金額」とあるのは、「4億円を限度として変更後の契約金額の40パーセント以内の額(10万円未満の端数は切り捨てた額)」と読み替えて、同項本文の規定を適用する。
3 発注者は、第1項本文の規定による請求があったときは、速やかに前払金を支払う。
4 発注者は、前項の規定により前払金を支払った後に契約金額を変更した場合において、その変更額が変更前の契約金額の10分の2を超えるときは、前払金を追加払し、又は返還させることができる。
5 受注者は、前項の規定により、発注者が前払金の追加払を認めた場合において、その追加払を受けようとするときは、次条第1項の定めるところにより変更した保証契約に係る保証証書を発注者に提出した上で、これを請求しなければならない。
6 発注者は、契約金額の変更に伴い、受注者に対して前払金の返還を請求した場合において、指定する期限までに前払金が返還されなかったときは、返還期限の日の翌日から返還の日までの日数に応じ、当該未返還額に対し、政府契約の支払遅延防止等に関する法律( 昭和24年法律第256号)第8条第1項の規定により財務大臣が定める率(年当たりの割合は、閏( xxx)年の日を含む期間についても、1年を365日として計算した割合。以下「政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率」という。)により計算した額の遅延利息の支払を請求することができる。
(保証契約の変更)
第32条 受注者は、前条第5項の規定による前払金の追加払を受けようとするときは、保証契約を変更しなければならない。
2 受注者は、前条第5項に定めるもののほか、保証契約を変更したときは、変更後の保証証書を発注者に提出しなければならない。
3 受注者は、前払金の額の変更を伴わない工期の変更が行われた場合には、発注者に代わりその旨を保証事業会社に通知するものとする。
(前払金の使途等)
第33条 受注者は、前払金をこの工事の材料費、労務費、機械器具の賃借料、機械購入費(この工事において償却される割合に相当する額に限る。)、動力費、支払運賃、修繕費、仮設費及び現場管理費並びに一般管理費等のうち当該工事の施行に要する費用に相当する額として必要な経費以外の支払に充当してはならない。
2 受注者は、前項の規定に違反した場合又は保証契約が解約された場合は、既に支払われた前払金を直ちに発注者に返還しなければならない。
3 発注者は、受注者が前項の規定により前払金を返還する場合は、前払金の支払の日から返還の日までの日数に応じ、当該返還額に対し、政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率により計算した額の利息の支払を請求することができる。
(中間前払金)
第33条の2 発注者は、受注者が中間前払金に係る認定を受け、かつ、保証事業会社との間で中間前払金に関し、契約書記載の工期を保証期間とする保証契約を締結したときは、2億円を限度とし、受注者の請求により、契約金額の20パーセントの額(10万円未満の端数は切り捨てた額)を中間前払金として支払う。ただし、次条の規定による部分払を行う場合は、この限りでない。
2 受注者は、前項の認定を受けようとするときは、あらかじめ、発注者に対して書面により認定の請求をしなければならない。
3 発注者は、前項の請求があったときは、遅滞なく認定を行い、当該認定の結果を受注者に通知しなければならない。
4 受注者は、第1項の中間前払金の支払を受けようとするときは、前項の認定結果の通知を受けた後(発注者が別に中間前払金の請求時期を定めたときは、その時期)に、保証証書を発注者に提出した上で、中間前払金の請求をしなければならない。
5 発注者は、前項の請求を受けたときは、遅滞なく第1項の中間前払金を支払う。
6 第31条第4項から第6項まで、第32条及び前条の規定は、中間前払金を支払った場合について準用する。
(部分払)
第34条 発注者は、工事の完成前において、受注者の部分払請求を相当と認めるとき( 設計図書等において、受注者の部分払請求回数について制限を設けた場合は、その回数の範囲内で相当と認めるとき。)は、第3項の検査に合格した既済部分に相応する契約金額相当額(以下「既済部分の代価」という。)の10分の9以内で発注者が定める金額を支払うことができる。
2 発注者は、製作及びすえ付けその他の工事に関し、完成した製作品で次項の検査に合格して現場に持込みを終わったもの又は発注者の都合により現場持込みが困難と認められる製作品で、同項の検査に合格して発注者の指定する場所へ持込みが終わったものについて、工事の完成前において、受注者の部分払請求を相当と認めるときは、その製作品に相応する契約金額相当額(以下「製作代価」という。)の10分の9以内で発注者が定める金額を支払うことができる。
3 発注者は、受注者から前2項の規定による部分払に係る既済部分又は製作品を確認するための検査を求められたときは、これに応じなければならない。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、既済部分を最小限度破壊して検査することができる。
4 第27条第5項の規定は、前項の規定による検査について準用する。
5 第28条第1項及び第2項の規定は、第1項及び第2項の規定による部分払金の支払について準用する。この場合において、同条第1項中「前条第2項(前条第7項後段の規定により、修補の完了を工事の完成とみなして適用する場合を含む。第3項において同じ。)」とあるのは「第3 4条第3項」と、第28条第1項及び第
2項中「契約代金」とあるのは「当該部分払金」と読み替えるものとする。
6 既済部分の代価及び製作代価(以下「既済部分の代価等」という。)は、発注者が認定する。
7 第31条の規定により前払金が支払われている場合の部分払の額は、第1項、第2項及び前項の規定により算定した部分払の額から、当該前払金の額に契約金額に対する既済部分の代価等の割合を乗じて得た額を控除した額の範囲内とし、次の式により算定する。
部分払の額 ≦ 既済部分の代価等 ×
9 前払金額
- - -
10 契約金額
8 第1項及び第2項の規定による部分払の対象となった既済部分又は製作品が受注者の所有に属するときは、その所有権は、当該部分払金の支払により受注者から発注者に移転する。ただし、工事目的物全部の引渡しが完了するまでの保管は、受注者の責任とし、工事目的物全部の引渡しまでに生じた損害については、第23条、第24条及び第25条の規定を準用する。
(部分引渡し)
第35条 第27条(第3項を除く。)及び第28条の規定は、工事目的物について、発注者が設計図書において、工事の完成に先立って引渡しを受けるべきことを指定した部分(以下「指定部分」という。)がある場合における当該指定部分の工事が完了したときの検査、契約代金の支払等について準用する。この場合において、第2
7条第1項及び第7項中「工事」とあるのは「第35条第1項に規定する指定部分に係る工事」と、第27条第2項、第3項及び第6項中「工事目的物」とあるのは「第35条第1項に規定する指定部分に係る工事目的物」と、第28条中「契約代金」とあるのは「第35条に規定する部分引渡しに係る契約代金」と読み替えるものとする。
2 前項において準用する第28条第1項の規定により請求することができる部分引渡しに係る契約代金の額は、次の式により算定する。この場合において、指定部分に相応する契約代金の額は、発注者と受注者とが協議し
て定める。ただし、協議が整わない場合は、発注者が定め、受注者に通知する。
部分引渡しに係る契約代金の額 = 指定部分に相応する契約代金の額 × 1
(前払金等の不払に対する工事中止)
前払金額
- -
契約金額
第36条 受注者は、発注者が第31条第2項、第33条の2第1項又は第34条第5項若しくは前条第1項において準用する第28条第2項の規定による支払を遅延し、相当の期間を定めてその支払を請求したにもかかわらず支払をしないときは、工事の全部又は一部の施行を一時中止することができる。この場合において、受注者は、その理由を明示した書面により、直ちにその旨を発注者に通知しなければならない。
2 受注者が前項の規定により工事の施行を中止した場合において、必要があると認められるときは工期若しくは契約金額を変更し、又は受注者が工事の施行の一時中止に伴う増加費用を必要とし、若しくは発注者が受注者に損害を及ぼしたときは、発注者が必要な費用を負担しなければならない。
(かし担保)
第37条 発注者は、工事目的物にかしがあるときは、受注者に対して相当の期間を定めてそのかxx修補を請求し、又は修補に代え若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。ただし、かしが重要ではなく、かつ、その修補に過分の費用を要するときは、発注者は修補を請求することができない。
2 前項の規定によるかxx修補又は損害賠償の請求は、第27条第6項又は第7項(第35条第1項において準用する場合を含む。)の規定による引渡しを受けた日から2年以内(この契約が木造の建物等の建設工事又は電気工事、給排水衛生工事、空調工事その他の設備工事の請負契約である場合にあっては1年以内)に行わなければならない。ただし、そのかしが受注者の故意又は重大な過失により生じた場合は、請求を行うことのできる期間は10年とする。
3 この契約が、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)第94条第1項に規定する住宅新築請負契約である場合には、工事目的物のうち住宅の品質確保の促進等に関する法律施行令(平成12年政令第64号)第5条に定める部分のかし(構造耐力又は雨水の侵入に影響のないものを除く。)について修補又は損害賠償の請求を行うことのできる期間は、10年とする。
4 発注者は、工事目的物が第1項のかしにより滅失又は毀損したときは、前2項に定める期間内で、かつ、その滅失又は毀損の日から6月以内に第1項の権利を行使しなければならない。
5 第1項の規定は、工事目的物のかしが支給材料の性質又は発注者若しくは監督員の指図により生じたものであるときは適用しない。ただし、受注者がその材料又は指図が不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
(履行遅滞の場合における損害金等)
第38条 受注者の責めに帰すべき事由により工期内に工事を完成することができない場合は、発注者は、損害金の支払を受注者に請求することができる。
2 前項の損害金の額は、契約金額から検査に合格した指定部分(他の部分と明確に区分できるため、分割して引渡しを受けても支障がないと発注者が認める部分を含む。)に相応する契約金額を控除した額につき、遅延日数に応じ、政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率により計算した額とする。
3 発注者の責めに帰すべき事由により、第28条第2項(第35条第1項において準用する場合を含む。)の規定による契約代金の支払が遅れた場合は、受注者は、未受領金額につき、遅延日数に応じ、政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率により計算した額の遅延利息の支払を発注者に請求することができる。
(発注者の解除xx)
第39条 発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、この契約を解除することができる。この場合において、第1号の規定により契約を解除するときは、何ら催告を要しないものとする。
⑴ その責めに帰すべき事由により、工期内に工事を完成させないとき、又は工期経過後相当の期間内に工事を完成させる見込みが明らかにないと認められるとき。
⑵ 正当な理由がなく、工事に着手すべき時期を過ぎても工事に着手しないとき。
⑶ 第10条第1項第2号に掲げる者を設置しなかったとき。
⑷ 前3号に掲げる場合のほか、この契約に違反し、その違反によりこの契約の目的を達することができないと認められるとき。
⑸ 第41条第1項の規定によらないでこの契約の解除を申し出たとき。
⑹ 地方自治法施行令( 昭和22年政令第16号) 第167条の4第1項各号に掲げる者のいずれかに該当することが判明したとき。
⑺ この契約に関して、次のいずれかに該当したとき。
ア 受注者に違反行為があったとして、私的独占の禁止及びxx取引の確保に関する法律( 昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)第49条に規定する排除措置命令(排除措置命令がされなかった場合にあっては、独占禁止法第62条第1項に規定する納付命令。以下「排除措置命令等」という。)が確定したとき。
イ 刑法( 明治40年法律第45号) 第96条の6又は第198条の規定による刑が確定したとき(受注者が法人の場合にあっては、その役員又は使用人についてこれらの刑が確定したとき。)。
2 次の各号のいずれかに該当するときは、受注者は、違約金として、契約金額の10分の1に相当する額を発注者が指定する期限までに支払わなければならない。この場合において、検査に合格した指定部分又は検査に合格した既済部分があるときは、これに相応する契約金額相当額を違約金の算定に当たり契約金額から控除する。
⑴ 前項の規定により、この契約が解除されたとき。
⑵ 受注者がその債務の履行を拒否し、又は受注者の責めに帰すべき事由により受注者の債務について履行不能となったとき。
3 次の各号に掲げる者がこの契約を解除したときは、前項第2号の規定に該当するものとみなす。
⑴ 受注者について破産手続開始の決定があった場合における破産法(平成16年法律第75号)の規定により選任された破産管財人
⑵ 受注者について更生手続開始の決定があった場合における会社更生法(平成14年法律第154号) の規定により選任された管財人
⑶ 受注者について再生手続開始の決定があった場合における民事再生法(平成11年法律第225号) の規定により選任された再生債務者等
4 発注者は、契約保証金(契約保証金に代わる担保の提供が行われている場合における当該担保を含む。)を第
2項の違約金(第1項第6号及び第7号の規定による契約解除に係る違約金を除く。)に充当することができる。
(発注者による任意解除)
第40条 発注者は、前条第1項の規定によるほか、工事が完成するまでの間は、この契約を解除することができる。
2 発注者は、前項の規定によりこの契約を解除したことにより受注者に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償しなければならない。
(受注者の解除権)
第41条 受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、この契約を解除することができる。
⑴ 第17条の規定により設計図書が変更されたことにより、契約金額が3分の2以上減少したとき。
⑵ 第18条第1項及び第2項の規定による工事の施行の中止期間が当初の工期の10分の5(工期の10分の5が180日を超えるときは、180日)を超えたとき。ただし、中止が工事の一部のみの場合は、その一部を除いた他の部分の工事が完了した後90日を経過しても、その中止が解除されないとき。
⑶ 発注者がこの契約に違反し、その違反によってこの契約の履行が不可能となったとき。
2 前項第2号の場合において、日数の計算は、第1条第2項後段の規定を準用する。
3 受注者は、第1項の規定によりこの契約を解除した場合において、損害があるときは、その損害の賠償を発注者に請求することができる。
(契約解除に伴う措置)
第42条 発注者は、この契約が解除された場合においては、既済部分を検査の上、当該検査に合格した部分及び必要と認める持込工事材料に対して、相当と認める金額(第34条の規定による部分払をしているときは、既支払の部分払金額を控除した額)を支払い、その引渡しを受けるものとする。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、既済部分を最小限度破壊して検査することができる。
2 前項の場合において、検査又は復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
3 第1項の場合において、第31条の規定による前払金又は第33条の2の規定による中間前払金の支払をしたときは、当該前払金の額(第34条の規定による部分払をしたときは、その部分払において償却した前払金の額を控除した額)及び当該中間前払金の額を同項前段の規定による支払額から控除する。この場合において、受注者は、受領済みの前払金の額及び中間前払金の額になお余剰があるときは、発注者の指定する日までに、当該余剰額(第39条第1項又は第3項の規定による契約解除の場合にあっては、当該余剰額に、当該余剰額につき、前払金又は中間前払金の支払の日から返還の日までの日数に応じ、政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率により計算した額を加えた額)を発注者に返還しなければならない。
4 前項後段の規定は、この契約が解除された場合において第1項前段の規定により支払うべき金額がないときの前払金の返還について準用する。この場合において、前項後段中「受注者は、受領済みの前払金の額及び中間前払金の額になお余剰があるとき」とあるのは「受注者」と、「当該余剰額」とあるのは「既に支払われた前払金及び中間前払金の額」と読み替えるものとする。
5 受注者は、この契約が解除された場合において、貸与品又は発生品があるときは、当該貸与品又は発生品を発注者に返還しなければならない。この場合において、当該貸与品又は発生品が受注者の故意又は過失により滅失又は毀損したときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又はこれらに代えてその損害を賠償しなければならない。
6 受注者は、この契約が解除された場合において、支給材料があるときは、第1項に規定する既済部分の検査に合格した部分に使用されているものを除き、発注者に返還しなければならない。この場合において、当該支給材料が受注者の故意若しくは過失により滅失若しくは毀損したとき、又は既済部分の検査に合格しなかった
部分に使用されているときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又はこれらに代えてその損害を賠償しなければならない。
7 受注者は、この契約が解除された場合において、工事用地等に受注者が所有し、又は管理する工事材料、建設機械器具、仮設物その他の物件( 下請負人が所有し、又は管理するこれらの物件並びに支給材料、貸与品及び発生品を含む。)があるときは、当該物件を撤去(発注者に返還する支給材料、貸与品及び発生品については、発注者の指定する場所へ搬出)するとともに、工事用地等を原状に復して、発注者に明け渡さなければならない。
8 前項の場合において、受注者が正当な理由がなく、相当の期間内に物件を撤去せず、若しくは搬出せず、又は工事用地等を原状に復さないときは、発注者は、受注者に代わって当該物件を処分し、又は搬出し、工事用地等を原状に復することができる。この場合において、受注者は、発注者の処分若しくは搬出又は原状回復について異議を申し出ることができず、発注者の処分若しくは搬出又は原状回復に要した費用を負担しなければならない。
9 第5項、第6項及び第7項に規定する受注者のとるべき措置の期限、方法等については、契約の解除が第3
9条第1項又は第3項の規定によるときは発注者が定め、第40条第1項又は前条第1項の規定によるときは発注者と受注者とが協議して定める。
(賠償の予定)
第43条 受注者は、この契約に関して、第39条第1項第7号ア又はイのいずれかに該当するとき( 工事完成後にこれらに該当したときを含む。)は、発注者が契約を解除するか否かにかかわらず、賠償金として、契約金額の10分の1に相当する額を支払わなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
⑴ 第39条第1項第7号アに該当する場合で、その排除措置命令等の対象となる行為が、独占禁止法第2条第9項第3号及び不xxな取引方法(昭和57年6月18日xx取引委員会告示第15号)第6項に規定する不当廉売であるときその他発注者が特に認める場合
⑵ 第39条第1項第7号イに該当する場合(刑法第198条の規定による刑が確定したときに限る。)
2 前項の規定により受注者が賠償金を支払うべき場合において、当該受注者が共同企業体であって、既に解散しているときは、発注者は、当該共同企業体の代表者であった者又は構成員であった者に賠償金の支払を請求することができる。この場合において、当該共同企業体の代表者であった者及び構成員であった者は、共同連帯して同項の賠償金を発注者に支払わなければならない。
3 第1項の規定は、発注者に生じた実際の損害額が同項に規定する賠償金の額を超える場合においては、超過分につき賠償を請求することを妨げるものではない。
(契約金額、工期の変更方法等)
第44条 契約金額及び工期の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2 この約款の規定により、受注者が増加費用を必要とした場合又は損害を受けた場合に発注者が負担する必要な費用の額については、発注者と受注者とが協議して定める。
(相殺)
第45条 発注者は、受注者に対して有する金銭債権があるときは、受注者が発注者に対して有する保証金返還請求権、契約代金請求権及びその他の債権と相殺し、不足があるときは、これを追徴する。
(紛争の解決)
第46条 この約款の各条項の規定により発注者と受注者とが協議して定めるものにつき協議が整わなかった場合に発注者が定めたものに、受注者が不服があるときその他この契約に関して発注者と受注者との間に紛争を生じたときは、発注者及び受注者は、建設業法に定める建設工事紛争審査会(以下「審査会」という。)のあっせん又は調停によりその解決を図る。
2 現場代理人の職務の執行に関する紛争、xx技術者、専門技術者その他受注者が工事を施行するために使用している下請負人、労働者等の工事の施行又は管理に関する紛争及び監督員の職務の執行に関する紛争については、第11条第3項若しくは第5項の規定により発注者若しくは受注者が決定を行った後又は発注者若しくは受注者がこれらの規定による決定を速やかに行わない場合でなければ、発注者及び受注者は、前項のあっせん又は調停を請求することができない。
(仲裁)
第47条 発注者及び受注者は、その一方又は双方が審査会のあっせん又は調停により紛争が解決する見込みがないと認めたときは、前条の規定にかかわらず、発注者と受注者とが合意の上、審査会の仲裁に付し、その仲裁判断に服する。
(情報通信の技術を利用する方法)
第48条 この約款において書面により行わなければならないこととされている請求、通知、報告、申出、承諾、解除及び指示は、建設業法その他の法令に違反しない限りにおいて、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法を用いて行うことができる。ただし、当該方法は書面の交付に準ずるものでなければならない。
(暴力団等排除に関する特約条項)
第49条 暴力団等排除に関する特約条項については、別に定めるところによる。
(補則)
第50条 この約款に定めのない事項については、必要に応じて発注者と受注者とが協議して定める。