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「PFI事業契約に関する民事調停の不成立についての説明会」議事録(要旨)
日 時:令和3年8月11日(水) 午後6時30分~午後8時場 所:xx市役所 51会議室
出席者:xx市長、xx副市長、xxxx経営局長、xxxx経営局次長、xx資産経営課長、xx資産経営課主幹
参加者:42名
18時30分 説明会開始(司会:資産経営課主幹)
⑴市長あいさつ
PFI事業に関しては、見直し方針に沿った事業の実施と損害賠償の確定を民事調停の場で事業者であるエリアプラン西尾と協議をしてきた。民事調停が不成立になったことを受け、今回の説明会を開催させていただいた。
合併後のxx市においては、公共施設の再配置を進めていくことについて民間のノウハウを取り入れていくPFIを選択した。xx市方式と呼ばれるPFI事業については、施設の管理運営を重視し、大手建設会社ではなく地元企業が中心となって行うというところに特徴があった。そこに付随する特徴に問題があったと考えている。
本来公共事業は利用者となる市民の意向を反映させ、理解や賛同を受けて進めていくことが重要であるが、民間の創意工夫を重視したがために、市民ニーズと大きくかけ離れたものとなってしまった。
4年前の選挙の後に意見交換会やアンケートを実施し、当初予定されていたPFI事業について市民のニーズに沿ったものに見直しをして、平成30年3月に見直し方針を策定し、事業者に対し民意に沿った形での事業の実施を求めてきた。
xx町体育館やxxx中学校の改修など見直し対象外とされた施設の工事やきら市民交流センター など見直しの成果が出た反面、契約全体の見直しについては事業者の同意を得ることができなかった。事業者との話し合いは非常に不毛なやり取りが続き、お互いの信頼関係が破綻していると言われて
も仕方がない状況となっている。見直し方針に沿った事業の実施を求めてきたが、何年かかるかわからない状況であり、契約を解除して前を向いてまちづくりに取り組んでいく方がxx市のために必要であると判断をしている。今後は契約解除に軸足を置いて事業者と協議をしていきたい。
事業者は解除を前提とするような協議に応じる意思がないようであるが、呼びかけを行っていく。協議ができる状況でないと判断した場合は、合意ではなく市からの解除という選択肢も含めて協議をしていきたい。
⑵民事調停(特定事業契約に関する調停事件)の不成立についての説明(資産経営局長)
別添資料に基づき説明
⑶質疑応答 ※内容の一部を要約しています。市民
説明会開催案内は広報などで周知するのが普通である。PFI事業は一般市民にはわかりにくい。もう少し全市民に知らせる方法は。
資産経営局長
説明会開催案内は広報の締切には間に合わなかった。民事調停不成立については広報9月号で市民の方へ周知させていただく。
市民
SPCと市の関係性を危惧している。契約解除は理解できるが、もっと市民に実態を知らせるべき。
市民
今後解除の方向で協議を進めるということであるが、リスクなどの想定はあるか。
市長
解除することになれば法的根拠も含めて説明をさせていただく。最善は協議による合意解除であり、解除後の維持管理や運営に混乱が生じないようバトンタッチしていくことが重要だと考えている。
市民
最終的には裁判になるのか。
市長
解除や見直し方針に沿って事業を実施するにも、損害賠償は生じる。賠償額の決定を当事者間で行うことは難しいと考えているので、裁判になり第三者が入った形で金額が確定されていくものだと思っている。
市民
損害賠償が発生した場合の予算はどこになるか。
市長
市の予算から財源を確保するが、財政調整基金からの繰り入れもあり得る。
市民
市とSPCの公開された討論を実施して市民が実態を知るべき。
市長
参考にさせていただく。
市民
建設工事はどこがやっているのか。
資産経営局長
建設工事はxx地所と西尾地域開発が主に担っている。
市民
今になって民事調停不成立の説明会を開催するのはおかしい。調停は成立するとは思えない内容であり、2年前に不成立になって当たり前だと思っている。合意解除などできるわけがない。多額の賠償金を請求されるがどうするのか。
市長
民事調停で話し合いの場を設けることや期間に対する是非はあると思っている。結果としては2年
かかり大きな成果は出せなかったが、その時々の状況の中で弁護団と相談をして民事調停の場での話し合いが最善であると判断してきたので、ご理解いただきたい。また容易に合意解除できるとは考えていない。
市民
年度内あるいは来年度中に合意解除とならなかった場合は、市から解除すると言うことを期待している。
市長
当然選択肢としては考えている。
市民
xxな立場で見てもSPCの議論は一貫性がないと感じた。損害賠償に関する算定が自らではできないという主張が不思議に思う。今日受けた説明について、市民の立場でSPCの反応を確認したい。それを受けて市民としてどちらが正しいかを判断したいので、市議会においてSPCが説明する場を設けるようお願いしたい。
市長
決定するのは議会の権限であるが、意見があったことは伝える。
市民
平成28年度に出鱈目な契約をしたのは前市長であり、議会で賛成をした議員である。将来的に損害賠償が発生した場合は、それらの人達に請求すべきである。国内では前市長に請求した例はあるので勉強して欲しい。
市長
選挙を経る中で、新しいxx市のまちづくりに取り組んでいくことが望ましいと考えている。
市民
前市長や当事者に何らかの責任を取るように市長から言って欲しい。自分たちの税金でやりたいようにやられては困る。
市民
誰も賛成していなかったことを進めていった経緯など、普通の企業であれば問題についての反省をしていくと思うが、それが見えてこない。色々な問題があったと思うが、それを出して市民の意見を聞いて欲しい。もう一つ、維持組成費については内訳が出ていないという認識である。見直しにより少なくなるとも聞いているが、そのまま維持組成費を払っているのか、また内訳はわかっているのか。 市長
今回の契約は失敗だと思っている。平成30年3月に作成した検証報告書は、今回の契約を検証し
たということで大きな財産になったと思っている。その教訓をこれからの市政に生かしていくということは絶対に必要だと考えている。公共施設再配置に限らず、大きな政策の変更など、市民の方々の理解や賛同などを得て進めていくことは重要であると思っており、組織として市政運営に取り組んでいく。
資産経営局次長
維持組成費については、業務計画書や業務報告書の中で支払いの内訳は出ており、把握している。業務要求水準書の変更通知では、維持組成費を減額するとしているが、見直し方針の実現までの間は維持
組成費についてはそのまま支払い、実現した際に維持組成費の減額分を差し引きするという考えで、最終的には変更通知で積算した金額を支払うことを考えていた。
市民
維持組成費を減額して支払うという考え方は、契約書に謳われているのか。話し合いが決着しなければ、言いなりで支払っていくことにならないか。
資産経営局次長
調停の中で業務要求水準変更通知による業務の遂行について協議をしたが、協議は成立しなかったため、SPCと維持組成費の減額について合意ができているわけではない。契約解除に軸足を置くということで、今までのように長期間協議を続けていくということはない。
資産経営局長
見直し方針どおりに実施する合意ができればそこで支払いについての合意がなされるが、解除となった場合には、損害賠償額の中で精算するという考え方である。
市民
協議の中でSPCが損害金額を出さないとなると、裁判で損害賠償金額を確定していくことになると思うが、SPCが訴訟を起こさなければ市として払わないということはあり得るのか。もしくは市として損害賠償として正しいと思う金額を供託するといった考えはあるか。
市長
ご意見は参考にさせていただく。
市民
西尾市方式のPFIは全国で例がないのに、いきなりやろうとしたのか。
資産経営局長
コンサルタント会社が初めから入っている。その会社に色々なやり方があるということを指導された中で、xx市方式を採用したと考えられる。もう一つはたくさんの事業をやればスケールメリットがあるということで始めた。
市民
施設は別々の場所にあるのにスケールメリットがあるという考え方はどうなのか。
資産経営局長
通常の建設工事であればスケールメリットはそれほどないが、160施設の維持管理も契約に入っているので、そこはスケールメリットがあると考えられる。運営に関してもxx3館はまとめてSPCが運営しているので、個々に別の業者がやるよりもスケールメリットがあると考える。
市長
エリアマネジメントということで、組み合わせにより1つのことをやるよりも創意工夫の余地ができる。そのような視点でまちづくりが考えられる点がメリットとして言いたかったと思うが、改修事業などPFIではメリットが考えられないことも一緒にしてしまったのは理解しかねる。
市民
片方で喧嘩、片方で仲良くはできないと思う。また、この事業にスケールメリットがあったとしても、競争相手がいた方が維持管理などは安くできると思う。ロードマップを作成して説明会を開催してはどうか。
市長
この4年間は丁寧な合意形成に努めながら合意できないか協議してきたが、難しかったというのが反省点である。今後については、時間をかけて話し合いをしていくことがxx市のために良いこととは思わないので、契約解除に向けて話し合いを進めていきたい。一時的に損害賠償として一定の額は支払わなければならないが、将来を考えたときに契約を解除した方がxx市にとってはプラスになると考えている。
市民説明会はこれで終わりではなくて、今後も開催していきたいと考えている。ただし、ロードマップについては、どこまで共有できるかは考えさせていただきたい。
市民
今後議会で質問等もあるかと思うが、傍聴もできるので、その議会で説明をお願いしたい。
市民
損害賠償額がいくらになるかで市民がその金額は妥当かどうかの判断材料になると思う。具体的に金額はどのくらいを想定しているか。
資産経営局長
交渉となるので申し上げられない。
市長
億単位の金額にはなるかと思う。
(質疑終了)
市長あいさつの後、閉会。
以上