Contract
治験薬の管理業務手順書
平成10年 4月 1日 第1版平成17年10月11日 第2版平成28年 4月 1日 第3版
病院長 xx xx
目 次
1.目的と適用範囲 1
2.治験薬管理者の責務 1
3.治験薬管理者の業務 1
4.モニタリング、監査及び調査への協力 2
5.秘密の保全 2
6.記録の保全 2
7.配付 2
8.作成・改訂の経緯 3
9.適用時期 3
1.目的と適用範囲
この標準業務手順書は、当病院の治験の実施に際し、GCP省令及びその関連通知に基づいて治験を適正かつ安全に実施するために、治験薬管理者が行うべき業務手順を定める。
2.治験薬管理者の責務
1)治験薬管理者は、治験依頼者が作成した治験薬の取扱い及び保管、管理並びにそれらの記録に際して従うべき指示を記載した手順書(以下、「治験薬の取扱い手順書」という)、及びGCPに従って、以下の業務を行い、その記録を作成する。
① 治験薬の受領及び受領書の発行
② 治験薬の保管、管理、払出及び在庫確認
③ 治験薬の交付に先立ち、同意取得の把握
④ 被験者毎の治験薬使用状況の把握
⑤ 服薬しなかった治験薬の被験者からの回収
⑥ 治験依頼者への治験薬の返却及び返却書の発行
⑦ その他必要な業務
2)治験薬管理者は、全ての治験薬を保管、管理することを原則とする。
3)治験薬管理者は、治験薬の出納について不整合を認めた場合、速やかに治験事務局を介して病院長に報告する。
4)治験薬管理者は、必要に応じ治験薬管理担当者を置き、自らの管理の下に治験薬管理者の業務を遂行させることができる。
治験薬の性格上、治験責任医師による保管、管理が望ましい場合、治験薬管理者は治験責任医師から理由書を入手し、治験薬の保管、管理を治験責任医師に委託することが出来る。その際、治験薬管理者は、治験開始時に治験責任医師より「治験薬預り書」を受領し、治験終了時に治験責任医師から被験者毎の治験薬管理記録を治験残薬とともに入手し、その整合性を確認する。
3.治験薬管理者の業務
1)治験薬の受領等
①治験薬の取扱い手順書を治験事務局を通じて入手し、その手順書に記述された治験薬の保管・管理の方法等を確認する。
②契約が締結されたことを確認した後、治験依頼者から治験薬を受領する。その際、治験薬交付書と照合し、治験薬受領書を発行する。
③治験責任医師及びモニターと協議して処方箋の記載要領を定める。
④体重換算での処方を必要とする場合は、治験責任医師又は治験分担医師と打ち合わせ、適切な調剤が行えるようにする。
2)治験薬の保管、管理、払出、及び使用状況の把握
①治験薬は、一般診療用薬剤及び他の治験薬と明確に区分し、治験薬の取扱い手順書に記載された方法により、保管、管理する。
②禁凍結、冷暗所保存の治験薬の場合には、適切な設備で管理する。
③治験薬出納表又は治験薬管理表を作成し、治験薬の在庫、被験者毎の治験薬の使用状況(日付、数量)、治験薬の使用期限、及び治験の進行状況を把握する。
④治験薬管理表と在庫数量又は使用期限(必要な場合)との間に矛盾がないことを少なくとも月1回は確認する。
⑤治験薬の処方が治験実施計画書の用法・用量・投与期間から逸脱していないこと及び併用禁止薬の処方が行われていないことを確認した後、交付する。
⑥治験からの脱落、中止に該当する被験者があれば、その理由及び経過を治験責任医師又は治験分担医師に確認し、記録する。
〈注意〉適切な調剤とは、治験実施計画に基づく用法・用量から判断し妥当と考えられる調剤を指す。
必要に応じモニターに用紙、ゴム印等の作成を要請する。
「治験薬出納表」とは、治験薬規格(単位)毎に経時的に出納を録するものであり、「治験薬管理表」とは被験者毎に出納を記録すものである。
3)文書による同意取得の確認と記録
① 当該被験者に対して初めて治験薬が処方された場合には、処方箋に同意文書(写)が添付さていることを確認する。同意文書(写)を予め入手することが困難な場 合には、治験薬の処方箋に被験者の「同意取得済み」である旨の記号として「I C」が記入されていることを確認する。
② 被験者の同意取得の有無を確認し、同意文書に記載された被験者名を「治験薬管理表」に記載する。
4)服用しなかった治験薬の被験者からの回収
未服薬の治験薬がある場合には、治験薬の取扱い手順書に定められている方法に従い、治験薬を被験者から回収し、回収の記録を作成する。なお、未服用の治験薬は、未使用の治験薬と区別して、被験者ごとに保管する。
5)治験薬の返却
① 治験の中止・中断又は終了が確認されたときは、速やかに未使用治験薬(被験者から返却された治験薬を含む)、及び治験薬の取扱い手順書に定められている場
合、使用済みの治験薬の空き箱等を治験薬返却書とともに治験依頼者に返却する。その際、治験依頼者から治験薬回収書を受領する。
② 治験薬の返却に際しては、治験薬受領数量、処方数量及び返却数量の間に矛盾がないことを確認する。矛盾が認められた場合には、その理由を調査し、その結果を治験薬管理表に記入する。
③ 治験薬管理表には、被験者のプライバシー保護の観点から実名等をマスクし、その写しを治験依頼者に提供する。
4.モニタリング、監査及び調査への協力
治験薬管理者は、治験依頼者によるモニタリング及び監査並びに治験審査委員会及び国内外の規制当局による調査を正当な理由がある場合に受け入れる。
これらの場合には、当院で定める様式による申し込みがあった場合に必要に応じてモニター、監査担当者、治験審査委員会又は規制当局の依頼に対し、原資料等の全ての治験関連書類を直接閲覧に供する。
5.秘密の保全
治験薬管理者及び治験薬管理担当者は、被験者に関する守秘義務を負う。治験依頼者から提供された資料、情報及び治験結果に関しても同様である。また、治験を通じて得られた情報を専門学会等、外部に公表する場合は、事前に治験依頼者の承諾を文書で得る。
6.記録の保存
治験薬管理者の業務に関する全ての記録は、「記録の保存」の手順に従って保存する。
7.配付
この手順書の原本は、治験事務局で保管し、その写しを本病院の治験に係わる委員会及び各責任者に配付する。
8.作成・改訂の経緯
この手順書は、少なくとも年に1回治験事務局及び治験薬管理責任者により見直しを行い、必要に応じて改訂し、病院長の承認を得る。改訂版に、改訂日、改訂理由の概要及び改訂版数を記す。
9.適用時期
この手順書は、病院長の記名・押印は署名の日から施行する。 GCP省令は平成10年4月1日から全面施行される。
附則
本規程は、平成10年4月1日より施行する。
本規程は、平成17年10月11日より施行する。本規程は、平成28年4月1日より施行する。