4.パソコンを使用してお客さま自らが記録請求を行う場合、お客さまの ID やパスワードが盗用される等して不正にログインされたものであっても、当金庫が所定の方法 でお客さま本人からのアクセスであると認証したのであれば、お客さまに損害が生じても当金庫は責任を負わないことを定めています。
信用金庫取引約定書
― ご 説 明 書 ―
コ ザ 信 用 金 庫
は じ め に
平素はコザ信用金庫をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
当金庫では、お客様との融資取引の基本約定書である「信用金庫取引約定書」の改定を行いました。
新しい「信用金庫取引約定書」の内容は、この「ご説明書」に記載のとおりです。条文ごとに内容を説明し、条文上で使用されている専門的な用語についてはアンダーラインを引き、その意味について簡単に解説しています。
目 次
前文 | 1頁 |
第1条( 適用範囲) | 1頁 |
第2条( 手形または電子記録債権と借入金債務の併存) | 2頁 |
第3条( 利息、損害金等) | 2頁 |
第4条( 担保) | 3頁 |
第5条( 期限の利益の喪失) | 5頁 |
第6条( 割引手形または割引電子記録債権の買戻し) | 7頁 |
第7条( 甲を電子記録債務者とする電子記録債権の取得) | 8頁 |
第8条( 乙による相殺、払戻充当) | 9頁 |
第9条( 甲による相殺) | 10頁 |
第10条( 手形の呈示、交付または電子記録債権の支払等記録等) | 11頁 |
第11条( 乙による充当の指定) | 13頁 |
第12条( 甲による充当の指定) | 13頁 |
第13条( 電子記録債権返還前の取得金の取扱い) | 14頁 |
第14条( 危険負担、免責等) | 15頁 |
第15条( 費用の負担) | 16頁 |
第16条( 届け出事項の変更) | 17頁 |
第17条( 報告および調査) | 17頁 |
第18条( 適用店舗) | 18頁 |
第19条( 準拠法、合意管轄) | 18頁 |
第20条( 約定の解約) | 18頁 |
第21条 ( 反社会的勢力の排除) | 18頁 |
前 文
(以下「甲」という。)とコザ信用金庫(以下「乙」という。)は、甲乙間の取引について、次の各条項のとおり合意しました。
契約の当事者であるお客さまと当金庫の双方が本約定書の内容を十分理解したうえで、合意したものであることを明らかにしています。
第1条(適用範囲)
① 甲および乙は、甲乙間の手形貸付、手形割引、電子記録債権貸付、電子記録債権割引、証書貸付、当座貸越、債務保証、外国為替、デリバティブ取引、保証取引その他甲が乙に対して債務を負担することとなるいっさいの取引に関して本約定書の各条項を適用します。
② 甲が振出、裏書、引受、参加引受もしくは保証した手形または甲が電子記録債務者である電子記録債権を、乙が第三者との取引によって取得した場合についても本約定書の各条項を適用します。
③ 甲乙間で別途本約定書の各条項と異なる合意を行った場合には、その合意は本約定書に該当する条項に優先するものとします。
本条は、この約定書の条項が適用される取引の範囲を定めています。
【第1項】 手形、証書、電子記録債権での借入れまたは手形や電子記録債権の割引をはじめとするお客さまが当金庫に対して債務を負担することとなるいっさいの取引につ いて、本約定書が適用されることを定めています。
【第2項】 お客さまの署名(記名・捺印を含みます。)のある手形やお客さまが電子記録債務者となっている電子記録債権を、当金庫が手形割引、電子記録債権割引または担
保の対象として第三者から取得した場合なども、本約定書の適用範囲に含まれます。
【第3項】 お客さまと当金庫が、本約定書が適用される取引について、個別の契約により本約定書と異なった合意を行った場合は、その合意が本約定書の該当する条項よりも優先して適用されることを定めています。
◎ 用語についてのご説明 ◎
≪電子記録債権貸付≫
電子記録債権法に基づく新たな金銭債権である電子記録債権を活用した貸付で、お客さまを債務者、当金庫を債権者とする電子記録債権を発生させていただくことで行う取引です。
≪電子記録債権割引≫
お客さまが保有している電子記録債権を当金庫に譲渡していただくことで、その支払期日前に資金化する取引です。
≪債務保証≫
お客さまのご依頼に基づき、当金庫が第三者に対してお客さまの債務を保証する取引をいいます。代理貸付に伴う保証などがこの取引に当たります。
≪デリバティブ取引≫
お客さまと当金庫との間で契約を締結しているスワップやオプションなどの取引をいいます。
≪保証取引≫
お客さま以外の取引先が当金庫に対して負担する債務を、お客さまが保証する取引をいいます。お客さまの債務を当金庫が保証する「債務保証」とは異なります。
≪参加引受≫
為替手形の引受呈示をして引受を拒否された場合には、満期日前であっても手形の所持人は振出人や裏書人に請求することができます。この満期前の遡求を阻止するために、本来の支払人以外の者が手形の支払を引受けることを参加引受といいます。ここでは、お客さまがこの参加引受をした手形のことを指しています。
≪電子記録債務者≫
電子記録債権の発生記録における債務者(手形における振出人)と電子記録保証人(手形における裏書人等)を電子記録債務者といいます。
第2条(手形または電子記録債権と借入金債務の併存)
甲が乙より手形または電子記録債権によって貸付を受けた場合には、乙は手形もしくは電子記録債権または貸金債権のいずれによっても請求することができるものとします。
本条は、手形貸付取引の場合の手形債権と貸金債権、電子記録債権貸付の場合の電子記録債権と貸金債権との関係を定めています。
手形貸付では、当金庫はお客さまに対し貸金債権と手形上の債権、電子記録債権貸付では同様に貸金債権と電子記録債権を併せ持つことになりますが、いずれの債権によっても請求できることを明らかにしています。
第3条(利息、損害金等)
① 利息、割引料、保証料、手数料、清算金、これらの戻しについての割合および支払の時期、方法については、別に甲乙間で合意したところによるものとします。ただし、金融情勢の変化その他相当の事由がある場合には、甲または乙は相手方に対し、これらを一般に合理的と認められる程度 のものに変更することについて、協議を求めることができます。
② 甲は、乙に対する債務を履行しなかった場合には、支払わなければならない金額に対し年 14.5
パーセントの割合の損害金を支払います。この場合の計算方法は年365日の日割計算とします。ただし、利息、割引料、保証料については、損害金は付しません。
本条は、利息、損害金や手数料などについて定めています。
【第1項】 お客さまからお支払いいただく利息、割引料などや、当金庫がお客さまにお支払 いする戻し利息、戻し割引料などの利率、料率、支払の時期、方法については、お 客さまと当金庫との合意によって定めたところによりますが、金融情勢の変化など によって、利率、料率が一般に行われているものに比べ、合理的範囲を超える高率 もしくは低率となったような場合には、お客さま、または当金庫のいずれからでも、利率、料率を変更することについて協議を求めることができることを定めています。
【第2項】 万一お客さまから借入れなどのご返済をいただけない場合の損害金について定めています。また、利息、割引料、保証料については、損害金を付さないことを明確にしています。
◎ 用語についてのご説明 ◎
≪清算金≫
スワップやオプションなどのデリバティブ取引において、期限前終了時に発生する解約コストなどをいいます。
≪金融情勢の変化≫
政策金利の変動など金利水準に影響のある情勢の変化をいいます。
≪相当の事由≫
たとえば、災害、事変の発生などを指します。
≪一般に合理的と認められる程度のもの≫
慣習などに照らして客観的に常識の範囲と考えられる水準を指します。
第4条(担保)
① 担保価値の減少、甲またはその保証人(電子記録保証人を含む。以下同じ。)の信用不安等乙の甲に対する債権保全を必要とする相当の事由が生じ、乙が相当期間を定めて請求をした場合には、甲は乙の承認する担保もしくは増担保を提供し、または保証人をたてもしくはこれを追加するものとします。
② 甲が乙に対する債務を履行しなかった場合には、乙は、法定の手続または一般に適当と認められる方法、時期、価格等により担保を取立または処分のうえ、その取得金から諸費用を差し引いた残額を乙の指定する順序により債務の弁済に充当できるものとします。取得金を甲の債務の弁済に充当した後に、なお甲の債務が残っている場合には甲は直ちに乙に弁済するものとし、取得
金に余剰が生じた場合には乙はこれを権利者に返還します。
③ 甲が乙に対する債務を履行しなかった場合には、乙が電子記録名義人である電子記録債権および乙の占有している甲の動産、手形その他の有価証券は、乙において取立または処分することができるものとし、この場合もすべて第2項に準じて取り扱うものとします。
本条は、担保や保証に関する事項と当金庫が占有している担保外の動産や有価証券の処分に関する事項を定めています。
【第1項】 差し入れていただいている担保の価値が減少した場合やお客さまの信用状態が悪化した場合などで、当金庫が相当の期間を定めて請求したときは、あらたに担保を提供していただくことや保証人をたてていただくことを定めています。
【第2項】 万一お客さまにご返済いただけない場合は、法律が定める方法によるほか、客観的に適当と判断される方法などにより、当金庫が担保を取立または処分することができることを定めています。また、担保の取立または処分による取得金については、ご返済に充当してなお余剰を生じた場合には、権利者にお返しする義務が当金庫にあることを明確にしています。
【第3項】 万一お客さまにご返済いただけない場合には、当金庫が電子記録名義人となって いる電子記録債権や当金庫が占有しているお客さまの担保外の動産、手形その他の 有価証券についても、第2項の担保の場合と同様の手続によって取立または処分し、ご返済に充当することができることを定めています。
◎ 用語についてのご説明 ◎
≪電子記録保証人≫
電子記録債権の発生記録における債務について電子記録上で保証した者をいいます。
≪信用不安≫
資産、収入の著しい減少や他の債権者に対する債務の急激な増加などによって、債務の返済が危ぶまれるような状態になることを信用不安といいます。
≪相当期間≫
お客さまに担保の提供や保証人をたてていただく場合に、通常必要と考えられる期間をいいます。
≪電子記録名義人≫
電子記録名義人とは、電子記録上の債権者と質権者をいいます。ここでいう「乙が電子記録名義人である電子記録債権」とは、お客さまの割引依頼によって当金庫を譲受人とした譲渡記録がなされて当金庫が電子記録上で債権者となっていても、割引実行前で実質的にはお客様に帰属している電子記録債権のことを想定しています。
≪占有≫
占有とは、一般的には物を所持していることをいいます。たとえばここでいう「乙の占有している手形」とは、お客さまの取立依頼などによって当金庫がお預かりしている手形のことをいいます。
第5条(期限の利益の喪失)
① 甲について次の各号の事由が一つでも生じた場合には、乙から通知催告等がなくても、甲は乙に対するいっさいの債務について当然期限の利益を失い、直ちに債務を弁済します。
1.支払の停止または破産手続開始、民事再生手続開始、会社更生手続開始もしくは特別清算開始の申立があったとき。
2.手形交換所または電子債権記録機関の取引停止処分を受けたとき。
3.甲またはその保証人の預金その他の乙に対する債権について仮差押え、保全差押えまたは差押えの命令、通知が発送されたとき。
② 甲について次の各号の事由が一つでも生じた場合には、乙の請求によって、甲は乙に対するいっさいの債務について期限の利益を失い、直ちに債務を弁済します。
1.甲が乙に対する債務の一部でも履行を遅滞したとき。
2.担保の目的物について差押えまたは競売手続の開始があったとき。
3.甲が乙との取引約定に違反したとき。
4.甲の振出または引受に係る手形の不渡りがあり、かつ、甲が発生記録における債務者である電子記録債権が支払不能となったとき(不渡りおよび支払不能が6か月以内に生じた場合に限る)。
5.乙に対する甲の保証人が第1項第1号、第2号または本項の各号の一つにでも該当したとき。
6.甲の所在が不明となり、乙から甲に宛てた通知が、届出の住所に到達しなくなったとき。
7.本項各号のほか乙の債権保全を必要とする相当の事由が生じたとき。
③ 第2項の場合において、甲が住所変更の届出を怠る、あるいは甲が乙からの請求を受領しないなど甲が責任を負わなければならない事由により、請求が延着しまたは到達しなかった場合は、通常到達すべき時に期限の利益が失われたものとします。
本条は、借入金などの債務について、約定の返済期限が未到来であっても、お客さまにご返済いただかなければならない場合について定めています。
【第1項】 お客さまについて、万一不測の事態が生じた場合には、約定の返済期限前であっても、債務全額を直ちにご返済いただかなければならないことがあります。本項では、当金庫からの通知や催告などがなくても、当然にお客さまにご返済していただく場合を定めています。
【第2項】 第1項以外にも、当金庫からの請求によってお客さまの期限の利益が失われ、約定の返済期限前であっても、ご返済いただくことになる場合を定めています。
【第3項】 第2項の当金庫の請求によってお客さまの期限の利益が失われる場合に、お客さ
まからの住所移転の届出がないなど、お客さまに責任を負っていただかなければならない事由によって、請求が延着したり到達しなかったときは、その事由がなければ通常到達する時に期限の利益が失われる旨を定めています。
◎ 用語についてのご説明 ◎
≪期限の利益・期限の利益の喪失≫
期限の利益とは、期限の定めがあることによって生じる利益のことです。お客さまには、約定の返済期限が到来するまでは、借入金の返済を請求されても請求に応じる必要がないという利益があります。
期限の利益の喪失とは、お客さまがもっている返済期限までは返済請求に応じる必要がないという利益が失われることです。したがって、期限の利益を喪失されると返済期限前でもご返済いただかなければならないことになります。
≪支払の停止≫
業績の悪化などにより、買掛金や借入金などの債務の支払ができなくなったことを、債権者に対する通知や店頭の掲示によって、対外的に表明することです。営業所や事務所の閉鎖、夜逃げなども支払の停止に当たります。
≪手形交換所または電子債権記録機関の取引停止処分≫
手形交換所の取引停止処分とは、支払呈示された手形、小切手を不渡り(6か月に2回)にした振出人(為替手形の場合は引受人)と手形交換所の加盟金融機関との取引が、手形交換所規則によって一定の期間停止される処分のことです。この処分があると、2年間当座取引と貸出取引が禁止されます。
電子債権記録機関の取引停止処分とは、電子債権記録機関が株式会社全銀電子債権ネットワーク(以下「でんさいネット」という。)である場合には、6か月以内に電子記録債権が2回支払不能(支払期日までに電子記録債権が決済されなかったこと)となった場合に、でんさいネットの債務者利用とでんさいネットの参加金融機関からの貸出取引が、でんさいネットによって2年間禁止される処分のことです。
≪仮差押え(の命令)≫
債務が履行されない場合は、債権者は、強制執行により回収することになりますが、強制執行するためには、裁判所に訴えを起こして判決を得るなどの手続が必要です。仮差押命令とは、その間に債務者が財産を処分してしまうことがないように、債権者の申請により裁判所が発令するもので、債務者に財産の処分などを禁止する命令のことです。ここでは、当金庫以外の債権者の申請による、お客さまや保証人名義の当金庫の預金などに対する仮差押命令を指しています。
≪保全差押え≫
脱税のけん疑により、国税犯則取締法などに基づき、押収、領置などを受け、納税義務があると認められるにもかかわらず、納税を免れるおそれがある場合に、納税額確定前に税務署長があらかじめ滞納処分を執行する必要があると認める額を決定して差押えを行うことがあります。こ
の差押えを保全差押えといいます。
第6条(割引手形または割引電子記録債権の買戻し)
① 甲が乙より手形または電子記録債権の割引を受けた場合、甲について第5条第1項各号の事由が一つでも生じたときは全部の手形および電子記録債権について、甲は乙から通知催告等がなくても当然に手形面記載の金額または電子記録債権の債権額の買戻債務を負担し、直ちに弁済します。また、手形の主債務者もしくは電子記録債権の発生記録における債務者が期日に支払わなかったときまたは手形の主債務者もしくは電子記録債権の発生記録における債務者について第5条第1項各号の事由が一つでも生じたときは、その者が主債務者となっている手形およびその者が発生記録における債務者となっている電子記録債権の双方について買戻債務を負担します。
② 割引手形または割引電子記録債権について債権保全を必要とする相当の事由が生じた場合には、第1項以外のときでも、甲は乙からの請求によって手形面記載の金額または電子記録債権の債権額の買戻債務を負担し、直ちに弁済します。なお、甲が住所変更の届出を怠る、あるいは甲が乙からの請求を受領しないなど甲が責任を負わなければならない事由により、請求が延着しまたは到達しなかった場合は、通常到達すべき時に買戻債務を負担したものとします。
③ 甲が第1項または第2項による債務を履行するまでは、乙は手形所持人または電子記録債権 の債権者としていっさいの権利を行使することができます。
④ 甲が第1項または第2項により割引電子記録債権の買戻債務を履行した場合には、乙は遅滞なく当該割引電子記録債権について甲を譲受人とする譲渡記録(保証記録を付さないもの)を電子債権記録機関に対して請求し、または、乙を譲受人とする譲渡記録を削除する旨の変更記録を電子債権記録機関に対して請求するものとします。ただし、電子債権記録機関が電子記録の請求を制限する期間は、この限りではありません。
本条は、割引手形や割引電子記録債権をお客さまに買い戻していただかなければならない場合について定めています。
【第1項】 お客さまについて、第5条第1項に列挙されている事由が一つでも生じたときは、お客さまのご依頼により割引しているすべての手形や電子記録債権を、当金庫からの通知催告がなくても、手形に記載されている金額や電子記録債権の債権金額でお客さまに買い戻していただくことを定めています。
また、割引している手形の主債務者や電子記録債権の発生記録における債務者が期日に支払をしなかった場合や第5条第1項に列挙されている事由が一つでも生 じたときは、その者が主債務者である手形およびその者が債務者である電子記録債権はすべて、前記と同様に買い戻していただくことを定めています。
【第2項】 第1項以外でも、当金庫からの請求によって、お客さまにすべての割引手形や割
引電子記録債権を手形に記載されている金額や電子記録債権の債権金額で買い戻 していただかなければならない場合のあることと、この場合に、お客さまからの住所移転の届出がないなど、お客さまに責任を負っていただかなければならない事由によって、当金庫からの請求が延着したり到達しなかったときは、その事由がなければ通常到達する時に買戻債務が発生することを定めています。
【第3項】 第1項および第2項により、お客さまに割引手形や割引電子記録債権を買い戻していただく場合に、お客さまが買戻しを履行されるまでは、当金庫が手形の所持人または電子記録債権の債権者としての権利を行使できることを定めています。
【第4項】 お客さまが割引電子記録債権の買戻しを履行された場合は、譲渡記録等によってその電子記録債権を返還する旨と電子債権記録機関が記録請求の受付を制限して
いる期間中は、当金庫はその返還について履行責任を負わないことを定めています。
◎ 用語についてのご説明 ◎
≪買戻債務≫
手形割引や電子記録債権割引は手形や電子記録債権の売買とされていますが、この売買にはあらかじめ定めた買戻事由が発生したときは、売主である割引依頼人が手形に記載されている金額や電子記録債権の債権金額で買い戻さなければならないという債務を負う旨の特約が付されています。この債務が買戻債務です。お客さまのご依頼による割引手形や割引電子記録債権について買戻事由が発生したときは、お客さまに買戻債務をご負担いただくことになります。
≪手形の主債務者≫
約束手形の場合は手形の振出人、為替手形の場合は手形の引受人をいいます。
≪手形所持人または電子記録債権の債権者としていっさいの権利≫
手形所持人や電子記録債権の債権者に認められているすべての権利をいい、手形の取立や不渡りとなった場合の裏書人への請求、電子記録債権の発生記録における債務者から支払いを受けられる権利や支払不能となった場合の電子記録保証人への請求などがあります。
第7条(甲を電子記録債務者とする電子記録債権の取得)
乙が、甲を電子記録債務者とする電子記録債権を取得した場合、甲は、乙に対して当該電子記録債権の支払を担保するため、当該電子記録債権の支払期日において、その債権額として記録された金額を支払う債務を負担します。この場合において、乙が甲の有する財産に根担保権を有しているときは、当該債務は、信用金庫取引によって生じた債務として根担保権の被担保債務となります。
本条は、当金庫が、お客様が電子記録債務者となっている電子記録債権を取得した場合の取扱いについて定めています。
お客さまが電子記録債務者となっている電子記録債権をお客さま以外の第三者との取引によ
って当金庫が取得した場合には、その電子記録債権の債権額と同じ金額の金銭債務をお客さまが負担し、その金銭債務が信用金庫取引による債務として、根担保権の被担保債務となることを定めています。
◎ 用語についてのご説明 ◎
≪根担保権≫
根抵当権や根質権などの担保権をいいます。
≪被担保債務≫
根担保権で担保されている債務のことをいいます。
第8条(乙による相殺、払戻充当)
① 期限の到来、期限の利益の喪失、買戻債務の発生、求償債務の発生その他の事由によって甲が乙に対する債務を弁済しなければならない場合には、乙は、その債務と甲の預金、定期積金その他の債権とを、その債権の期限のいかんにかかわらず、いつでも相殺することができます。
② 第1項の相殺ができる場合には、乙は、事前の通知および所定の手続を省略し、甲に代わり諸預け金の払戻しを受け、債務の弁済に充当することもできます。この場合、乙は甲に対して充当した結果を通知します。
③ 乙が第1項による相殺または第2項による払戻充当を行う場合、債権債務の利息、割引料、清算金、損害金等の計算については、その期間を計算実行の日までとします。また、利率、料率等は甲乙間に別の定めがない場合には乙の定めによるものとし、外国為替相場については乙の計算実行時の相場を適用するものとします。
本条は、当金庫がお客さまの預金などを、お客さまの債務のご返済に充当する場合について定めています。
【第1項】 借入金につき約定の返済期限が到来もしくはお客さまが期限の利益を失われたとき、あるいは割引手形や割引電子記録債権につきお客さまが買戻債務を負われたときなど、お客さまに直ちに債務をご返済いただかなければならない場合には、お客さまの預金など当金庫に対する債権の期限が到来していなくても、その預金などの債権とお客さまにご返済していただかなければならない債務とを、当金庫がいつでも相殺することができる旨を定めています。
【第2項】 第1項の相殺ができる場合には、相殺に代わる手続として、事前の通知をすることなく、当金庫がお客さまの預金の払戻しを受けて債務のご返済に充当することができることと、この充当の結果をお客さまに通知することを定めています。
【第3項】 第1項および第2項により、当金庫が相殺、払戻充当を行う場合の債権、債務の利息などの計算期間と、適用する利率や料率、外貨表示の債権、債務に適用する為
替相場について定めています。
◎ 用語についてのご説明 ◎
≪求償債務≫
保証人が債務者に代わって債務を支払った場合は、債務者は保証人に対してその支払額を返さなければなりません。この債務者が負担する返還債務を求償債務といいます。
当金庫がお客さまの債務を保証している場合に、当金庫がお客さまに代わって債務を支払うと、お客さまに求償債務が発生することになります。
≪相殺≫
お客さまは当金庫に対して借入金債務があり、当金庫はお客さまに対して預金債務を負っているというように、二人がお互いに、相手方に対して債務を負担している場合に、お互いが債務の支払をする代わりに、いずれか一方の単独の意思によって、双方の債務を対当額で消滅させることです。
≪払戻充当≫
当金庫がお客さまの代理人として、証書、通帳や払戻請求書などの提出をいただかないで、お客さまの預金などの払戻しを受け、お客さまの当金庫に対する債務のご返済に充当することを払戻充当といいます。
第9条(甲による相殺)
① 甲は、弁済期にある甲の預金、定期積金その他の債権と甲の乙に対する債務とを、その債務の期限が未到来であっても相殺することができます。
② 満期前の割引手形または支払期日前の割引電子記録債権について甲が第1項により相殺する場合には、甲は手形面記載の金額または電子記録債権の債権額の買戻債務を負担して相殺することができます。ただし、乙が他に再譲渡中の割引手形または割引電子記録債権については相殺することができません。
③ 甲が第1項または第2項による相殺を行う場合には、相殺通知は書面によるものとし、相殺した預金、定期積金その他の債権の証書、通帳は届出印を押印して直ちに乙に提出します。
④ 甲が相殺した場合における債権債務の利息、割引料、清算金、損害金等の計算については、その期間を相殺通知の到達の日までとします。また、利率、料率等について甲乙間に別の定めがない場合には乙の定めによるものとし、外国為替相場については乙の計算実行時の相場を適用するものとします。なお、期限前弁済について特別の手数料の定めがある場合は、その定めによるものとします。
本条は、お客さまが預金などを、債務の返済に充当する場合について定めています。
【第1項】 お客さまの預金など当金庫に対する債権の期限が到来している場合には、お客さ
まが、その債権と当金庫に対する債務を、その債務の期限が到来していなくても相殺することができることを定めています。
【第2項】 お客さまの預金など当金庫に対する債権の期限が到来している場合には、満期が到来していない割引手形や割引電子記録債権であっても、お客さまが、買戻債務を負担したうえで、この買戻債務と相殺することができることを定めています。
同時に、再割引または担保のため当金庫が日本銀行などへ譲渡し、当金庫が手形または電子記録債権を保有していない場合には、お客さまによる相殺はできないことを定めています。
【第3項】 第1項または第2項によりお客さまが相殺される場合には、書面でご通知いただくことと、預金証書や通帳などに届出印を押印のうえご提出いただくことを定めています。
【第4項】 第1項または第2項によりお客さまが相殺される場合の、債権、債務の利息などの計算期間を定めています。また、適用する利率や料率を定めているほか、外貨表示債権や債務を相殺される場合に適用する為替相場や、相殺するお客さまの債務に手数料の定めがある場合の取扱いについて定めています。
第10条(手形の呈示、交付または電子記録債権の支払等記録等)
① 乙の甲に対する債権に関して手形または電子記録債権が存在する場合、乙が手形上の債権およ び電子記録債権によらないで第8条の相殺または払戻充当を行うときは、同時にはその手形または電子記録債権の返還を要しません。
② 第8条または第9条の相殺または払戻充当により甲が乙から返還を受ける手形または電子記録債権が存在する場合には、その手形は甲が乙まで遅滞なく受領に出向くものとします。ただし、満期前の手形については乙はそのまま取り立てをし、支払期日前の電子記録債権については乙はそのまま支払いを受けることができるものとします。
③ 乙が手形上の債権によって第8条の相殺または払戻充当を行う場合は、次の各号のときにかぎり、手形の呈示または交付を要しません。なお、手形の受領については第2項に準じます。
1.甲の所在が乙に明らかでないとき。
2.甲が手形の支払場所を乙にしているとき。
3.事変、災害等乙の責任によらない事由により、手形の呈示、交付が困難と認められるとき。
4.取立その他の理由によって呈示、交付の省略がやむをえないと認められるとき。
④ 乙は、電子記録債権に関して第8条または第9条の相殺または払戻充当後、遅滞なく、電子記録債権について、支払等記録または甲を譲受人とする譲渡記録(保証記録を付さないもの)の請求を行うものとします。ただし、電子債権記録機関が支払等記録または譲渡記録の請求を制限する期間は、この限りではありません。
⑤ 第8条または第9条の相殺または払戻充当の後なお直ちに履行しなければならない甲の乙に対する債務がある場合、手形に甲以外の振出人、引受人、裏書人または保証人等の手形債務者があるときまたは電子記録債権に甲以外の電子記録債務者があるときは、乙はその手形または電子記録債権をとめおき、取立、支払いを受けまたは処分のうえ、債務の弁済に充当することができるものとします。
本条は、当金庫またはお客さまが、預金などを手形貸付や手形割引のように手形が存在する債務、または電子記録債権貸付や電子記録債権割引のように電子記録債権が存在する債務の返済に充当した場合の手形や電子記録債権の処理について定めています。
【第1項】 手形貸付や手形割引のようにお客さまの債務に関して手形が存在する場合、または電子記録債権貸付や電子記録債権割引のように電子記録債権が存在する場合に、当金庫がお客さまに対する手形上の債権(振出人や裏書人に対する債権)や電子記録債権(発生記録の債務者や電子記録保証人に対する債権)によらないで第8条による相殺、払戻充当を行うときの、その手形や電子記録債権の処理について定めています。
【第2項】 当金庫がお客さまに対する手形上の債権や電子記録債権によらないで第8条による相殺、払戻充当を行う場合またはお客さまが第9条による相殺を行う場合に、お客さまに返却すべき手形や電子記録債権が存在するときの、返却方法を定めています。なお、満期前の手形については、お客さまにご返却する前に支払呈示期間が経過し、お客さまに損害が生じないよう、当金庫で取立ができることを定め、電子記録債権についても同様の理由で支払期日には当金庫がそのまま支払いを受けられ ることを定めています。
【第3項】 当金庫がお客さまに対する手形上の債権によって相殺、払戻充当を行うことについて、手形の呈示や交付を必要としない場合の定めと、この場合のお客さまに対する手形の返却方法について定めています。
【第4項】 電子記録債権貸付や電子記録債権割引との相殺、払戻充当後の電子記録債権の処理方法と、電子債権記録機関が記録請求の受付を制限している期間中は、当金庫はその履行責任を負わないことを定めています。
【第5項】 当金庫による相殺、払戻充当またはお客さまによる相殺の後、直ちにご返済いただかなければならないお客さまの債務が残っている場合には、手形にお客さま以外の手形債務者があるときや電子記録債権にお客さま以外の電子記録債務者がある ときは、当金庫が、その手形や電子記録債権を取り立てまた支払いを受け、代り金をその債務の返済に充当することができることを定めています。
◎ 用語についてのご説明 ◎
≪手形上の債権および電子記録債権によらない(相殺)≫
当金庫はお客さまに対して、手形貸付であれば手形債権のほかに貸付金債権、電子記録債権貸付であれば電子記録債権のほかに貸付金債権を有しています。また、手形割引や電子記録債権割引であれば一定の事由の発生によって買戻請求権という手形上の債権や電子記録債権以外の債権を取得します。この貸付金債権や買戻請求権との相殺が手形上の債権および電子記録債権によらない債権との相殺です。
≪支払等記録≫
電子記録債権の支払者を電子記録上で記録することをいいます。たとえば電子記録債権貸付とお客さまのご預金とを相殺した場合には、その電子記録債権についてお客さまを支払者とした支払等記録を行います。
第11条(乙による充当の指定)
第8条による相殺または払戻充当の場合、甲の乙に対する債務全額を消滅させるに足りないときは、乙が適当と認める順序方法により充当し、これを甲に通知するものとします。この場合、甲はその充当に対しては異議を述べることができないものとします。
本条は、当金庫がお客さまの預金などをご返済に充当する場合に、預金などの額がお客さまの債務の総額に満たないときは、どの債務に充当するか当金庫が選択できることを定めています。
第12条(甲による充当の指定)
① 甲が、弁済または第9条により相殺する場合、甲の乙に対する債務全額を消滅させるに足りないときは、甲が指定する順序方法により充当することができます。
② 甲が第1項による指定をしなかった場合は、乙が適当と認める順序方法により充当することができ、甲はその充当に対して異議を述べることができないものとします。
③ 第1項の指定により乙の債権保全上支障が生じるおそれがある場合は、乙は遅滞なく異議を述べたうえで、担保、保証の有無、軽重、処分の難易、弁済期の長短、割引手形または割引電子記録債権の決済見込みなどを考慮して、乙の指定する順序方法により充当することができるものとします。この場合、乙は甲に充当の順序、結果を通知します。
④ 第2項または第3項によって乙が充当する場合には、甲の期限未到来の債務については期限が到来したものとして、また満期前の割引手形については買戻債務を、支払期日前の割引電子記録債権については買戻債務を、債務保証については事前の求償債務を甲が負担したものとして、乙はその順序方法を指定することができるものとします。
本条は、お客さまが返済または預金などを債務に充当された場合に、その返済などの額が債務の総額に満たないときの処理について定めています。
【第1項】 お客さまが返済または相殺をされる場合には、お客さまがどの債務の返済に充当するかを指定できることを定めています。
【第2項】 お客さまが返済または相殺される場合に、お客さまがどの債務の返済に充当するかを指定されなかったときは、当金庫が指定できることを定めています。
【第3項】 第1項によりお客さまの方で返済に充当する債務を指定された場合でも、当金庫の債権の保全に支障を生じるおそれがある場合には、当金庫の方で、異議を述べたうえで、充当する債務を変更することができることと、その結果をお客さまに通知することを定めています。
【第4項】 お客さまが返済または相殺をされる際に充当する債務を指定されなかったため、またはお客さまの指定によると当金庫の債権保全に支障を生じるおそれがあるた
めに、当金庫が充当する債務を指定する場合には、約定の返済期限が到来していない債務、満期日の到来していない割引手形や支払期日の到来していない電子記録債権の買戻債務などについても、充当する債務として指定することができることを定めています。
◎ 用語についてのご説明 ◎
≪事前の求償債務≫
お客さまのご依頼により、当金庫がお客さまの債務の保証人となり、お客さまに代わって債務 を履行した場合に、お客さまが当金庫に対して負担する債務が求償債務ですが、民法の規定やお 客さまとの特約によって、当金庫が債務を履行する前であっても、お客さまに求償債務が発生し ご返済をいただかなければならない場合があります。この求償債務を事前の求償債務といいます。
第13条(電子記録債権返還前の取得金の取扱い)
乙は、電子記録債権を甲に返還しなければならない場合であっても、電子記録名義人が乙である限り、当該電子記録債権の発生記録における債務者から支払いを受けることができます。この場合において、乙がその取得金を保持する相当の理由があるときまたは乙が相当の期間内に甲にその取得金を支払ったときは、乙は甲に対してその取得金に関する利息、損害金等の支払義務を負わないものとします。
本条は、当金庫が電子記録債権の返還を要する場合でも、支払期日にその資金を受領することができ、その取得金を当金庫が保持する相当の理由があるときや相当の期間にお客さまに返還すれば、お客さまに対して利息や損害金等の支払義務を負わない旨を定めています。想定されるケースとしては、電子債権記録機関が記録請求の受付を制限している期間中にお客さまが割引電子
記録債権を買戻しされた場合などで、この期間中は譲渡記録等によるお客さまへの返還ができませんので、当金庫は電子記録名義人として支払期日にその電子記録債権の資金を受領することになります。
第14条(危険負担、免責等)
① 第1条第1項の各取引に関して甲が振出、裏書、引受、参加引受もしくは保証した手形もしくは甲が乙に提出した証書または甲が電子記録債務者である電子記録債権の電子記録について、紛失その他の事故等が生じた場合には、次の各号によるものとします。
1.事変、災害、輸送途中の事故等やむをえない事情によって紛失、滅失、損傷、消去または延着した場合には、甲は乙の帳簿、伝票、電磁的記録等の記録に基づいて債務を弁済します。なお、甲は乙からの請求があれば直ちに代り手形、証書を提出し、または代りの電子記録債権について電子債権記録機関に対し、発生記録もしくは譲渡記録を請求するものとします。この場合に生じた損害については、乙が責任を負わなければならないときを除き、甲が負担するものとします。
2.万一手形要件の不備もしくは手形を無効にする記載によって手形上の権利が成立しない場合、電子記録債権の発生要件の不備により電子記録債権が成立しない場合、または権利保全手 続の不備によって手形上の権利もしくは電子記録債権が消滅した場合でも、甲は手形面記載の金額または電子記録債権の債権額として記録された金額の責任を負うものとします。
3.乙が、手形、証書、電子記録債権の電子記録請求に係る書面等の印影を、甲の届け出た印鑑と相当の注意をもって照合し、甲に相違ないと認めて取引したときは、手形、証書、印章について偽造、変造、盗用等の事故があっても、これによって生じた損害は甲の負担とし、甲は手形、証書の記載文言または電子記録債権の電子記録にしたがって責任を負うものとします。
4.乙が、甲のID、パスワード等の本人確認のための情報が乙に登録されたものと一致することを乙所定の方法により確認し、相違ないと認めて取扱いを行った場合は、それが盗用、不正使用、その他の事故により使用者が甲本人でなかった場合でも、それによって生じた損害は甲の負担とし、甲は電子記録債権の電子記録にしたがって責任を負うものとします。
② 甲が乙に提供した担保について、事変、災害、輸送途中の事故等やむをえない事情によって損害が生じた場合には、乙が責任を負わなければならない事由によるときを除き、その損害は甲が負担するものとします。
本条は、お客さまの署名がある手形やお客さまから提出された証書、またお客さまが電子記録債務者となっている電子記録債権に紛失やその他の事故等が発生したり、担保に損害が発生したときの処理について定めています。
【第1項】1.お客さまから受け取った手形や証書または電子記録債権の電子記録が、災害、輸送途中の事故などにより紛失したり、消去されたりした場合には、当金庫の帳簿な
どの記録に基づいてお客さまにご返済いただくことなどを定めています。またそのために生じた損害は、当金庫が責任を負わなければならない場合を除きお客さまにご負担いただくことを定めています。
2.手形の記載事項や電子記録債権の発生要件の不備、権利保全手続の不備などにより、手形上また電子記録上の権利が成立しないまた消滅した場合でも、手形面記載の金額また電子記録債権の債権額として記録された金額についてお客さまにご返済いただくことを定めています。
3.手形や証書また電子記録債権の電子記録請求に係る書面等の印影の照合について、当金庫に過失がないときは、手形や証書、印章について、偽造や変造、盗用などの事故があった場合でも、手形、証書の記載の文言また電子記録債権の電子記録にしたがってお客さまにご返済いただくことを定めています。
4.パソコンを使用してお客さま自らが記録請求を行う場合、お客さまの ID やパスワードが盗用される等して不正にログインされたものであっても、当金庫が所定の方法でお客さま本人からのアクセスであると認証したのであれば、お客さまに損害が生じても当金庫は責任を負わないことを定めています。
【第2項】 お客さまから当金庫にご提出いただいた担保について、災害など当金庫に責任のないやむをえない事情により損害が生じた場合には、その損害はお客さまにご負担いただくことを定めています。
◎ 用語についてのご説明 ◎
≪権利保全手続の不備(による手形上の権利の消滅)≫
支払呈示期間内に手形を呈示しなかったことにより、裏書人に対する遡求権を失ったことなどをいいます。
≪相当の注意をもって照合≫
金融機関の印鑑照合事務担当者に対して社会通念上一般に期待されている注意力をもって、当金庫の職員が、お客さまのお名前が記載されている手形、証書、電子記録債権の電子記録請求に係る書面などに押捺されている印影と、お客さまの届出印鑑とを照合することです。
第15条(費用の負担)
乙が甲に対する権利の行使もしくは保全または担保の取立もしくは処分に要した費用、および甲が自己の権利を保全するため乙に協力を依頼した場合に乙が要した費用は、甲が負担するものとします。
本条は、担保の取立などに要した費用や、お客さまの権利を保全するためなどに要した費用の負担について定めています。
第16条(届け出事項の変更)
① 甲は、印章、名称、商号、代表者、住所その他届け出事項に変更があった場合は、直ちに書面により乙に届け出るものとします。
② 甲が住所変更の届出を怠る、あるいは甲が乙からの通知または送付書類等を受領しないなど、甲が責任を負わなければならない事由により、通知または送付書類が延着しまたは到達しなかった場合は、通常到達すべき時に到達したものとします。
本条は、お客さまの届け出事項に変更があった場合について定めています。
【第1項】 お客さまの届け出事項に変更があった場合の届け出方法について定めています。
【第2項】 当金庫からの通知や送付書類が延着したり到達しなかった場合でも、通常に到達したのと同じように、到達したことになる場合とその到達の時期について定めています。
第17条(報告および調査)
① 甲は、貸借対照表、損益計算書等の甲の財務状況を示す書類の写しを、定期的に乙に提出するものとします。
② 乙から請求があった場合は、甲は乙に対して、甲の財産、経営、業況等について遅滞なく報告し、また調査に必要な便益を提供するものとします。
③ 甲の財産、経営、業況等について重大な変化を生じたとき、または生じるおそれがある場合には、甲は、乙に対して遅滞なく報告するものとします。
本条は、お客さまからご報告いただく事項などを定めています。
【第1項】 お客さまとのお取引を円滑に継続していくために、お客さまの財務状況を示す書類については、定期的にご提出いただくことを定めています。
【第2項】 お客さまの財産、経営、業況などについては、第1項以外の場合にも必要に応じてご報告いただいたり、調査にご協力いただくことを定めています。
【第3項】 当金庫からの依頼の有無にかかわらず、お客さまの財産、経営、業況などをご報告いただかなければならない場合について定めています。
◎ 用語についてのご説明 ◎
≪重大な変化≫
たとえば、会社の合併または分割、営業の全部または一部譲渡、業種の変更、お客さまの重大な財産(主力工場など)の罹災・売却、経営上重要な人物(役員や株主構成など)の変動などが該当します。
第18条(適用店舗)
本約定書の各条項は、甲と乙の本支店との間の諸取引に共通に適用されるものとします。
本条は、お客さまがどの店舗で取引されても、この約定の各条項が適用されることを定めています。
第19条(準拠法、合意管轄)
① 甲および乙は、本約定書ならびに本約定に基づく諸取引の契約準拠法を日本法とすることに合意します。
② 甲および乙は、本約定書に基づく諸取引に関して訴訟の必要を生じた場合には、乙の本店の所在地を管轄する裁判所を管轄裁判所とすることに合意します。
本条は、お客さまと当金庫の取引に適用されるべき法と裁判の必要を生じた場合の管轄裁判所について合意するものです。
【第1項】 本約定書と本約定に基づく諸取引については、日本法が適用されることを定めています。
【第2項】 法律上、第一審に限り訴訟の管轄裁判所を当事者の合意で定めることができることから、本約定書に基づくお客さまとの諸取引に関して、万一お客さまと当金庫との間で訴訟が必要となった場合の第一審の管轄裁判所を合意するものです。
第20条(約定の解約)
第1条に定める取引がすべて終了し、甲が乙に対して負担する債務が存しない場合は、甲または乙いずれか一方が書面により他方に通知することによって、本約定を解約することができるものとします。
本条は、この約定を解約できることおよびその時期、解約の方法について定めています。
第21条(反社会的勢力の排除)
① 甲は、甲またはその保証人が、現在、暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロまたは特殊知能暴力集団等、その他これらに準ずる者(以下これらを「暴力団員等」という。)に該当しないこと、および次の各号のいずれにも該当しないことを表明し、かつ将来にわたって
も該当しないことを確約します。
1.暴力団員等が経営を支配していると認められる関係を有すること。
2.暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められる関係を有すること。
3.自己、自社もしくは第三者の不正の利益を図る目的または第三者に損害を加える目的をもってするなど、不当に暴力団員等を利用していると認められる関係を有すること。
4.暴力団員等に対して資金等を提供し、または便宜を供与するなどの関与をしていると認められる関係を有すること。
5.役員または経営に実質的に関与している者が暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有すること。
② 甲は、甲またはその保証人が、自らまたは第三者を利用して次の各号の一にでも該当する行為を行わないことを確約します。
1.暴力的な要求行為
2.法的な責任を超えた不当な要求行為
3.取引に関して、脅迫的な言動をし、または暴力を用いる行為
4.風説を流布し、偽計を用いまたは威力を用いて乙の信用を毀損し、または乙の業務を妨害する行為
5.その他前各号に準ずる行為
③ 次の各号の事由が一つでも生じ、乙において甲との取引を継続することが不適切である場合には、乙の請求によって、甲は乙に対するいっさいの債務について期限の利益を失い、直ちに債務を弁済します。なお、この場合において、甲が住所変更の届出を怠る、あるいは甲が乙からの請求を受領しないなど甲が責任を負わなければならない事由により、請求が延着しまたは到達しなかった場合は、通常到達すべき時に期限の利益が失われたものとします。
1.甲またはその保証人が暴力団員等または第1項各号のいずれかに該当したとき。
2.甲またはその保証人が第2項各号のいずれかに該当する行為をしたとき。
3.甲またはその保証人が第1項の表明・確約に関して虚偽の申告をしたことが判明したとき。
④ 第3項各号の事由が一つでも生じ、乙において甲との取引を継続することが不適切である場合には、乙の請求によって、甲は乙より割引を受けた全部の手形および電子記録債権について手形面記載の金額および電子記録債権の債権額の買戻債務を負担し、直ちに弁済します。甲がこの債務を履行するまでは、乙は手形所持人または電子記録債権の債権者としていっさいの権利を行使することができます。なお、この場合において、甲が住所変更の届出を怠る、あるいは甲が乙からの請求を受領しないなど甲が責任を負わなければならない事由により、請求が延着しまたは到達しなかった場合は、通常到達すべき時に買戻債務を負担したものとします。
⑤ 第3項または第4項の規定の適用により、甲またはその保証人に損害が生じた場合にも、乙になんらの請求をしません。また、乙に損害が生じたときは、甲またはその保証人がその責任を負うものとします。
⑥ 第3項または第4項の規定によりすべての債務が弁済された時に、第20条の規定にかかわらず本約定は失効するものとします。
本条は、お客さままたは保証人が暴力団員等および第1項各号の反社会的勢力ではないことなどを、お客さまに表明・確約していただくとともに、その表明・確約に違反した場合について定めています。
【第1項】 お客さままたは保証人が、現在、暴力団員等および第1項各号の反社会的勢力ではないこと、および将来にわたってもそれらには該当しないことを、お客さまに表明・確約していただいています。
【第2項】 お客さままたは保証人が、自らまたは第三者を利用して暴力的な要求行為などを行わないことを、お客さまに確約していただいています。
【第3項】 お客さままたは保証人が暴力団員等もしくは第1項各号の反社会的勢力に該当し、もしくは暴力的な要求行為などを行い、または第1項の表明・確約に関して虚偽 の申告をしたことが判明し、当金庫がお客さまと取引を継続することが不適切で ある場合には、当金庫からの請求によってお客さまの期限の利益が失われ、約定 の返済期限前であっても、ご返済いただくことを定めています。
この場合に、お客さまからの住所移転の届出がないなど、お客さまに責任を負っていただかなければならない事由によって、請求が延着したり到達しなかったときは、その事由がなければ通常到達する時に期限の利益が失われる旨を定めています。
【第4項】 お客さままたは保証人について、第3項で定める事由が一つでも生じ、当金庫がお客さまと取引を継続することが不適切である場合には、当金庫からの請求によって、お客さまにすべての割引手形や割引電子記録債権を手形に記載されている金額や電子記録債権の債権金額で買い戻していただくことを定めています。
この場合に、お客さまからの住所移転の届出がないなど、お客さまに責任を負っていただかなければならない事由によって、請求が延着したり到達しなかったときは、その事由がなければ通常到達する時に買戻債務が発生することを定めています。
【第5項】 お客さままたは保証人について、第3項または第4項の規定が適用されたことにより損害が生じた場合でも、その損害について当金庫になんらの請求をしないことを定めています。また、当金庫に損害が生じた場合には、その損害はお客さままたは保証人にご負担いただくことを定めています。
【第6項】 第3項または第4項の規定により借入金などすべての債務がご返済された時に、この約定書に基づく契約の効力が当然に失われることと、この場合には、お客さままたは当金庫から書面による解約の通知は必要ないことを定めています。
◎ 用語についてのご説明 ◎
《反社会的勢力》
反社会的勢力については、「組織犯罪対策要綱の制定について(依命通達)」(平成16年10月25日付警察庁次長通達)で以下のとおり定義されています。
※ 反社会的勢力の定義
ア)暴力団
その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む。)が集団的にまたは常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体をいう。
イ)暴力団員
暴力団の構成員をいう。ウ)暴力団準構成員
暴力団員以外の暴力団と関係を有する者であって、暴力団の威力を背景に暴力的不法行為等を行うおそれがあるもの、または暴力団若しくは暴力団員に対し資金、武器等の供給を行うなど暴力団の維持若しくは運営に協力し、若しくは関与するものをいう。
エ)暴力団関係企業
暴力団員が実質的にその経営に関与している企業、準構成員若しくは元暴力団員が経営する企業で暴力団に資金提供を行うなど暴力団の維持若しくは運営に積極的に協力し若しくは関与する企業または業務の遂行等において積極的に暴力団を利用し暴力団の維持若しくは運営に協力している企業をいう。
オ)総会屋等
総会屋、会社ゴロ等企業等を対象に不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり、市民生活の安全に脅威を与える者をいう。
カ)社会運動等標ぼうゴロ
社会運動若しくは政治活動を仮装し、または標ぼうして、不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり、市民生活の安全に脅威を与える者をいう。
キ)特殊知能暴力集団等
上記ア)からカ)に掲げる者以外の、暴力団との関係を背景に、その威力を用い、または暴力団と資金的なつながりを有し、構造的な不正の中核となっている集団または個人をいう。
以 上