アルジェリア:EUとの天然ガス売買契約交渉で妥協案が浮上か?
アルジェリア:EUとの天然ガス売買契約交渉で妥協案が浮上か?
EUが進めるガス自由化政策の影響で,アルジェリアなどの産ガス国と欧州の需要家によるガス売買契約の交渉が契約条項を巡り難航しているが,Pet ostrategies(April 22, 2002)によれば,アルジェリアとEU側は,交渉決着に向けて浮上した以下の内容の案を検討している。
①「仕向地条項(destination clause)」は撤廃する。
②需要家側がガスを転売する場合,転売利益を産ガス国がshareできるようにする,あるいは共同販売会社を設立する。
仕向地条項は,アルジェリア,ロシア,ノル
ウェーなどの産ガス国が欧州の需要家と結んでいる大半のガス売買契約に含まれるガス転売防止条項であり,ガス供給を受けるガス需要家や事業者はガスの転売や自社供給地域以外への販売が禁止されている。この仕向地条項が,EUのガス自由化策で禁止されている「ガス供給の競争を妨げる行為」に該当するとして,EU側は同条項の撤廃を産ガス国に求めているが,産ガス国は,本来生産者が享受すべき販売利益を需要家側が不当に得ることになるとして,撤廃に強く反対している。このため,欧州委員会
(European Commission,EC)が,産ガス国か
らの意見聴取を交えながら,この問題の解決へ向けて調整を続けている。
今回明らかになった案は,両者がぎりぎりで
妥協し得る案としてECが提案したものであり,アルジェリア側も前向きに検討しているといわれる。xxxxxxにとって本案は,ガス転売時にも一定の利益が確保できる(配分比率等は不明)という点で,受け入れ可能な案とみられる。本案による交渉決着は,xxxxxxにとって,新規ガスパイプライン構想(アルジェリア・イタリア間及びアルジェリア・スペイン間の2ライン)やLNG増強などの開発投資促進のための条件整備が進むことを意味する。また,アルジェリアは,仕向地条項が撤廃されれば,需要家が要求すると予想される契約期間の短縮やテイクオアペイ条項の見直しは回避できるとみている。
3月にSonatrachとスペインの電力会社 Iberdrolaが,15年間,10億m3/y(約70万t/y)のLNG供給契約に合意したが,これに上述の
「転売利益share」条項が含まれているとの見方もある。
(担当 xx)
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