Contract
「マンション標準管理委託契約書及び同コメント」改訂案に対する全管連の意見
本文関係 | 改正提案 | 理 x |
( 本マンションの表示及び管理対象部分) 第2条 本マンションの表示及び管理事務(本マンションの管理に関する業務のうち、甲が乙に委託する業務をいう。以下同じ。)の対象となる部分は、次のとおりである。 | 第2条 本マンションの表示及び委託業務(本マンションの管理に関する業務のうち、甲が乙に委託する業務をいう。以下同じ。)の対象となる部分は、次のとおりである。 | 本条の「管理事務」の定義は、適正化法の「管理事務」の定義と異なっており、紛らわしく好ましくない。委託業務が一般的に使用されている用語と考える。 |
( 管理事務の内容及び実施方法) 第3条 管理事務の内容は、次のとおりとし、別表第一から第四に定めるところにより実施する。 一 事務管理業務(別表第1に掲げる業務) | 第3条 委託業務の内容は、次のとおりとし、別表第一から第六に定めるところにより実施する。 一 財務管理業務 二 運営管理業務 | 二つの老いを迎える管理組合にとって今後その業務の重要性が増してくるので追加する。 ① 単なる会計・出納業務ではなく、資金管理を含めた総合的な 財務管理業務。 ② 運営管理業務として、業務の改善、コミュニティの形成の補助その他マネジメントの支援。 |
二 管理員業務(別表第2に掲げる業務) 三 清掃業務(別表第3に掲げる業務) 四 建物・設備管理業務(別 表第4に掲げる業務) | 三 管理員業務四 清掃業務 五 建物・設備業務 | |
六 緊急対応業務 (別紙1参照) | ③ 漏水、火災、停電等建物・設備の緊急事 態に常時対応。 |
本文関係 | 改正提案 | 理 x |
(第三者への委託) 第4条 乙は、前条第一号のx x事務の一部又は第二号、第三号、若しくは第四号の管理事務の全部又は一部を、第三者に再委託することができる。 | 第4条 乙は、前条第一号の業務の一部又は第二号から第六号までの業務の全部若しくは一部を、甲への事前通知 を経て、第三者に再委託することができる | 甲への事前通知は、コメントに追加されたが、「契約締結時」に限定しており、不十分である。建物の管理責任者として、事前通知を受けることが重要である。 |
( 管理事務に要する費用の負担及び支払方法) 第6条 2 二 支払期日及び支払方法 毎月○日までにその○ 月分を、乙が指定する口座に振り込む方法により支払う。 | 二 支払期日及び支払方法 毎月末日までにその前月 分を、乙が指定する口座に振り込む方法により支払う。 | 業務の履行を確認して支払うのが一般的慣習である。又、第3項では「業務終了後」の支払いを明記している。 |
4 甲は、第1項の委託業務費のほか、乙が管理事務を実施するのに伴い必要となる水道光熱費、通信費、消耗品費等の諸費用を負担するものとする。 | 4 甲は、第1項の定額委託業務費のほか、乙が甲の委託業 務を実施するのに伴い必要となる水道光熱費、通信費、消耗品費等の諸費用を負担するものとする。 | 「水道光熱費、通信費、消耗品費等」と明示されてしまうと、実際には乙が負担すべき費用であっても形式的に「水道光熱費、通信費、消耗品費等」であれば、甲の負担とされるおそれがある。 |
(管理事務xxの使用) 第7条 甲は、乙に管理事務を行わせるために不可欠な 管理事務室、管理用倉庫、清掃員控室、器具、備品等 (次項において「管理事務xx」という。)を無償で 使用させるものとする。 | 第7条 甲は、乙に管理事務を行わせるために必要な管理事務室、管理用倉庫、清掃員控室、器具、備品等(次項において「管理事務xx」という。)を無償で使用させるものとする。 | 「不可欠」という表現は過剰である。 |
本文関係 | 改正提案 | 理 x |
( 管理費等滞納者に対する督促) 第10条 乙は、第3条第一号の業務のうち、出納業務を行う場合において、甲の組合員に対し別紙第1 1 (2)②の督促を行っても、なお当該組合員が支払わないときは、その責めを免れるものとし、その後の収納の請求は甲が行うものとする。 (通知場所)第12条 2 | 第10x xは、第3条第一号の財務管理業務を行う場合 においては、甲の組合員に対し別紙Ⅲ滞納管理費等回収標準日程表に従い督促を行うものとする。 第12条 2 (追加) 七 乙の本契約履行を担当する組織、その責任者及び担当者並びに管理員の設置又は変更をしたとき | 多額の滞納管理費等が発生し、督促の実績も不明確デトラブルとなる事例も発生しているので、詳細な日程表を設定することが望ましい。 いつの間にか責任者が変わっていたなどの例もある。 |
(守秘義務等)第16条 2 乙は、甲の組合員等に対する個人情報について、その適正な取り扱いの確保に努めなければならない。 | 第16条 2 乙は、本契約に定める委託 業務を遂行するに当たり、組合員等の個人情報について、別紙Ⅲ「個人情報保護に関するガイドライン」を遵守しなければならない。 | 個人情報保護については、デリケートな問題であり、具体的に規定し、トラブル防止を図ることが望ましい。 |
別表関係 | 改正提案 | 理 由 |
別表第1 事務管理業務 1 基幹事務 (2)出納 ② 管理費等滞納者に対する督促 二 甲の組合員が管理費 等を滞納したときは、最初の支払期限から起算して○月の間、電話若しくは自宅 訪問又は督促状の方法により、その支払の督促を行う。 | 別表第1 財務管理業務 1基幹事務 (2)出納 ② 管理費等滞納者に対する督促 二 甲の組合員が管理費等を滞納したときは、最初の支払期限から起算して○月の間、別紙Ⅲ滞納管理費等 回収標準日程表により、その支払の督促を行う。 | 「電話若しくは自宅訪問又は督促状の方法」では、業務内容が不明確であり、滞納が増加した場合、回収努力について疑問が生じトラブルとなりやすいので、日程を合意する必要がある。 |
④ 甲の経費の支払い 乙は、甲の収支予算に 基づき、甲の経費を、甲の承認の下に甲の収納口座から、又は甲の承認を得て甲の保管口座から支払う。 | ④ 甲の経費の支払い 乙は、甲の指示に基づ き、甲の経費を、甲の承認を得て甲の収納口座又は甲の承甲の保管口座から支払う。 | ① 支出は、支出予算に基づき行うのではなく、契約に基づき行うものである。 ② 保証契約をしたからといって個別の支出まで甲の包括承認を得ているとの解釈で運用するのは行き過ぎである。支出と出納は、それぞれ別に承認を受けるべきである。そうすることによって、チェック機能が働き、事故防止にもなる。 |
2 基幹事務以外の事務管理業務 (1) 理事会支援業務 ① 組合員等の名簿の整 | 2 基幹事務以外の事務管理業務 (1) 理事会支援業務 ① 組合員等の名簿の整 |
別表関係 | 改正提案 | 理 由 |
備 | 備 | |
甲の組合員等異動届 | 甲の組合員等異動届 | |
に基づき、組合員及 | に基づき、組合員及び | |
び賃借人等の氏名、 | 賃借人等の氏名、連絡 | |
連絡先(緊急連絡先 | 先(緊急連絡先を含 | |
を含む。)を記載した | む。)を記載した名簿 | |
名簿を整備する。 | を整備する。 | |
整備された名簿につ | 理事長の任期は単年度 | |
いては、甲の理事xx | xxxxが多い。したが | |
らの求めがあったと | って、整備された甲の組 | |
きは、乙はこれを提供 | 合員及び賃借人等の氏 | |
するものとする。 | 名、連絡先(緊急連絡先 | |
を含む。)を記載した名 | ||
簿を所有しているとは | ||
限らないし、前任者から | ||
引き継いでいるとも限 | ||
らない。 |
コメント関係 | 改正提案 | 理 由 |
全般関係 ① この契約では、適正化法第 2条第六号に定める管理事務をマンション管理業者に委託する場合を想定しており、警備業法に定める警備業務、消防法に定める防火管理者が行う業務は、管理事務に含まれない。 | ②を削除する。 | 管理組合は、二つの老いを迎えて警備業務及び防火管理者の業務について、管理組合が直接契約をしたり、居住者が防火管理者の資格を取得することが困難になってきている。したがって、警備業務及び防火管理者は管理事務(委託業務)に含むことを原則とする。 |
6 第6条関係 | (追加)⑦ ② 及び⑥における管理事務 (委託業務)の取り扱いに ついて、定額委託業務費に含める方法を採択して定額委託業務費に含める場合は、実施時期や費用を明示し管理事務(委託業務)を実施しない場合の精算方法をあらかじめ明らかにすることに加えて、第 9条第 2 項に規定する甲の会計の収支状況に関する書面において、甲の未収入金に計上して、乙の前受金であることが確認できるように処理すべきである。 | |
24 別表第1 1(2)関係 ⑪ 乙の収納口座と甲の保管口座を設ける場合における乙の収納口座からの支払、保証契約を締結して甲の収納口座と甲の保管口座を設け | ⑪ 乙の収納口座と甲の保管口座を設ける場合における乙の収納口座からの支払、保証契約を締結して甲の収納口座と甲の保管口座を設 | 保証契約をしたからといって個別の支出まで甲の包括承認を得ているとの解釈はできない。業務処理上まとめて支払を行 |
コメント関係 | 改正提案 | 理 由 |
る場合における甲の収納口 | ける場合における甲の収納 | いたい場合は、別途甲の |
座からの支払については、乙 | 口座からの支払について | 包括承認を受けておくこ |
は甲からの支払委託により | は、その都度甲の承認を得 | とが必要である。 |
包括的に承認を受けている | て行うものとする。支払い | |
と考えられる。(後略) | について、包括承認を受け | |
ている場合はその限りでは | ||
ない。(後略) |
別紙Ⅰ 緊急出勤業務についての内容(第3条第六号)
業務内容 | 業務実施要領 |
1 24時間遠隔監視及び出動 | 1 乙は、集中監視センターにおいて、甲の次の設備機器を2 4時間体制で遠隔監視及び技術者の待機を行い、異常が発生した場合は、25分以内に現地に到着し、補修等必要な措置等必要な措置をとるものとする。 |
2 貯水槽の満減水警報 | 2 貯水槽の満水警報・減水警報を受信した場合は、警報ブザーを遠隔制御により停止させるとともに、現場に出勤し、応急処置及び関係先への連絡、故障修理手続き等必要な措置をとる。 |
3 火災警報 | 3 火災警報信号を受信した場合は、居住者への電話確認、消防署への通報等を行う。警報が誤報のときは、鳴動ベル停止及び故障機器の取替・修理等を行う。 |
4 停電信号 | 4 共用電源の停電信号を受信した場合は、居住者に確認の上、電力会社への問合せ、出動、故障修理手続き等を行う。 |
5 ホームセキュリティ警報 | 5 各住戸内のホームセキュリティ警報を受信した場合は、電話確認の上、必要に応じ関係先への連絡、復旧処置の通知等を行う。(各住戸内のホームセキュリティ装置を設置している場合に限る。) |
6 エレベーター通報 | 6 エレベーターの故障、異常発生の通報を受信した場合は、エレベーター技術者をマンションに派遣し、状況の確認、原因の調査及び作動した設備機器の点検・復旧のために必要な処理を行う。 |
別紙Ⅱ 滞納管理費等回収標準日程表(第10条)
日程 | 処理区分 | 処 理 x x | ||
1日 | ① | 納 期 | ① ② ③ ④ ⑤ ⑩ | 口座自動振替 管理組合口座へ振替ができたかどうか銀行から通知受領後、口座振替不能者に対し口座振替不能通知書を発送 電話・訪問により督促と滞納理由調査 滞納者に、管理費等支払催告書を発送 配達照明付内容証明郵便で催告書を発送理事会決議により駐車場使用契約解除等 弁護士又は司法書士に依頼し、指導を受けながら、適切な措置を実施する。 |
7日 | ②送 | 口振不能通知発 | ||
10日 | ||||
③ | 口頭・訪問督促 | |||
20日 | ||||
④ | 文書督促 | |||
40日 | ||||
④ | 内容証明郵便 | |||
60日 | ||||
⑤ | 駐車場契約解除 | |||
70日 ↓ ↓ 120日 | <法的措置> ⑥ 少額訴訟 ⑦ 支払督促 ⑧ 訴訟等 ⑨ 先取特権実行 |
(注1) 前各項実施に伴う送料等の必要経費は、甲の負担とする。
(注2) ⑦「少額訴訟」又は⑧「支払督促」は、甲が主体となって行い、乙は証拠となる資料の作成・整備等その補助事務を行う。
(注3) ⑨「訴訟等」又は⑩「先取特権実行」は、甲が実施し、乙は必要な資料の作成補助を行う。
別紙Ⅲ 個人情報保護に関するガイドライン(第16条)
1 管理業者は、委託業務実施にあたり、個人情報保護法を遵守すること。
2 管理業者は、受託した個人情報を委託業務実施の目的に限って使用し他の目的に供しないこと。
3 管理業者は、受託した個人情報の管理について、個人データの漏洩等防止、責任者の選任、使用者の制限、従業員の訓練等安全管理に万全を期すこと及び安全管理措置を管理組合に報告すること。
4 管理業者は、委託業務を第三者に再委託する場合は、管理組合に対して事前に書面により承認を得ること、また、再委託業者に、個人情報が適正に取り扱われるように必要かつ適切な監督を行うこと。
5 管理組合は、必要に応じ管理業者の事前の了解を得て、個人情報の保護に関する監査を行うこと。
6 個人情報に関する事件や事故が発生したときは、直ちに管理組合に報告するとともに、防止対策を講ずること。
7 委託業務終了後は、個人データは速やかに管理組合に返還すること。