SATOYAMA イニシアティブ国際パートナーシップ運営規定(仮訳)
SATOYAMA イニシアティブ国際パートナーシップ運営規定(仮訳)
第1条 名称と目的
1.1 本パートナーシップは「SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ」(以下、「IPSI」という。)と称する。
1.2 IPSIは、本運営規定に添付のパリ宣言において示されているように、SATOYAMAイニシアティブで特定された活動を実施するパートナーシップとする。
第2条 会員
2.1 IPSI は生物多様性と人間の福利のために社会生態学的生産ランドスケープ1 の促進・支援に熱心な団体2に開かれたものとする。
2.2 パートナーシップへの参加を申請する団体は、会員団体(以下会員という)となる参加目的と、社会生態学的生産ランドスケープに関する専門性や取り組みについて申請書に記し、IPSI事務局
(第6条参照)に提出するものとする。条項2.4に基づいて新たにIPSIに参加する団体は、各団体の社会生態学的生産ランドスケープに関係する専門性あるいは活動について明らかにし、共有するために、一つまたは複数の社会生態学的生産ランドスケープに関するケーススタディレポートを一つ以上、参加後に提出することが求められる。ケーススタディレポートは、本運営規定の補足文書に含まれるガイドラインに従い、英語、フランス語、またはスペイン語のいずれかで提出されるものとする。フランス語もしくはスペイン語によるレポートについては、英語で書かれた要旨を添付するものとする。
2.3 全ての参加申請書は、運営委員会(第5条参照)に対し、委員会会合の開催の遅くても2週間前までに事務局より届けるものとする3。
2.4 IPSIへの参加の承認は、条項2.2、2.3及び運営委員会により定められた基準に基づき運営委員会において決定されるものとする(条項5.2参照)。
2.5 会員の有効期限は、会員団体の自発的な理由による脱退(条項2.6参照)、もしくは条項2.7による理由に基づく IPSI総会(条項4.2参照)による会員資格停止の決定まで、継続される。
2.6 いかなる会員も事務局にあらかじめ文書で通知することにより脱退を選択することができる。
1「社会生態学的生産ランドスケープ」は、生物多様性を維持しながら、人間の福利に必要な物品・サービスを継続的に供給するための人間と自然の相互作用によって時間の経過とともに形成されてきた生息・生育地と土地利用の動的モザイクである。当該用語は、日本の里山・里海評価における議論をふまえ、SATOYAMA イニシアティブが対象とする地域の呼称として使用しており、シースケープも含むものである。
2 本運営規定における団体は以下のものを含む。(1) 国、地方政府機関、(2) 非政府組織、市民社会団体、(3) 先住民団体、地域コミュニティ
団体、(4) 学術、教育、研究機関、(5) 産業、民間セクター団体、(6) 国連機関、その他の国際機関、(7) その他
3 第一回運営委員会の開催時を除く。
2.7 会員は第9条に定める責務を果たせない場合、IPSI総会において会員資格停止の検討がなされることがある。
2.8 会員は、IPSIの活動に対する参加と支持が各会員の責任のもとで行われること及び会員であることが、そのいかなる活動に対してもIPSIの支持を示すものではないこと(条項7.2に示される活動を除く)を、理解し同意しているものとする。
第3条 参加の原則
3.1 会員団体は SATOYAMA イニシアティブの自然共生社会の実現という長期目標の支持という共通のコミットメントを共有する。
3.2 会員は XXXXXXXX イニシアティブの以下の3つの行動指針に賛同する。
・ 多様な生態系のサービスと価値の確保のためのxxの結集
・革新を促進するための伝統的知識と近代科学の融合
・伝統的な地域の土地所有・管理形態を尊重した上での、新たな共同管理のあり方(「コモンズ
4」の発展的枠組み)の探求
3.3 会員は条項 3.2 の行動指針に基づく以下の生態学的及び社会・経済学的視点についても賛同する。
・環境容量・自然復元力の範囲内での利用
・自然資源の循環利用
・地域の伝統・文化の価値と重要性の認識
・多様な主体の参加と協働による自然資源と生態系サービスの持続可能で多機能な管理
・貧困削減、食料安全保障、生計維持、地域コミュニティのエンパワーメントを含む持続可能な社会経済への貢献
第4条 IPSI定例会合
4.1 IPSIの定例会合の機能は以下の2点とする。
・IPSI総会は、それぞれの会員の長あるいは代理の代表者が参加し、全体的な活動の検討及び制度的な事項に対し決議を行うものとする。
・公開フォーラムは全ての関心を寄せる関係者が参加し、(1) 会員間や、SATOYAMAイニシアティブと関連するイニシアティブやプログラムとの間の、協力や相乗効果を強化し、(2) 社会生態学的生産ランドスケープの重要性の理解を促進し意識を高める。
4.2 運営委員会の委員(第5条参照)と会員の資格停止に関する事項は、IPSI総会において決定される。
4.3 IPSI総会はまた、運営委員会からの報告を受理し、運営委員会によって要請され必要とみなされた事項について決定を行うものとする。
4国際的/グローバルコモンズを除く。
4.4 IPSI総会における決定は原則として合意に基づくものとする。しかし、合意に基づく決定が困難な場合については、投票による決定ができるものとする。運営規定にかかわる事項については3分の2以上、そのほかの事項については半数以上の賛成をもって決定する。
4.5 IPSI総会、公開フォーラム、第5条に示される運営委員会は、経費節減のため連続して開催できるものとする。
第5条 運営委員会
5.1 運営委員会は、IPSIを代理する執行機関とする。統治及び管理機能は運営委員会に付与される。
5.2 運営委員会は以下のことを行う。(1) IPSIの活動の運営について検討し、方向性を示す、(2) 条項 7.2に記載される各活動クラスターの中核会員を指名する、(3) 自発的にあるいは、総会からの要求を受けて、各事項に対し決定を行う、(4) 条項2.4において示される参加申請について検討し、承認を与える、(5) 総会による検討事項を勧告する、(6) IPSI事務局への指導を行う、(7) IPSIのパートナーシップ形成と資源の動員を促進を支援する。
5.3 運営委員会の会合における決定は、可能な限り原則として合意に基づくものとする。しかし、合意に達することが困難な場合については、投票による決定ができるものとし、半数以上の賛成をもって決定する。
5.4 運営委員会は11名以上22名以下のIPSI会員の代表者からなるものとする。運営委員は2期
(1期とはIPSI総会開催時から次のIPSI総会開催時までの期間をいう)務める5ものとし、再選可能とする。
5.5 運営委員会の委員は、運営委員会へ参加の意思のあるIPSI会員から選出される。選出においては、団体の種類や、地域的なバランスを考慮するものとする。運営委員会の仕事の継続性を保つため、最初の2回の総会を除き、委員の半数が総会時に代替又は更新するものとする。
5.6 運営委員会委員の選出にあたっては、以下の要素を有する団体を優先する。(1) SATOYAMAイニシアティブに関連した重要な活動及びIPSIの協力活動を有すること、(2) 国内・地方や地域のパートナーシップとの強い連携を有すること、(3) IPSIに関するプロジェクト及び活動の実施のための資金源となる可能性のある窓口とメカニズムを特定、開拓できる能力を有すること
5.7 運営委員会は委員の中から議長を選出する。議長の任期は2期で再選は1回可能とする。
5.8 運営委員会は少なくても総会時に1回は対面式で会合を開催する。また、定期的にEメール等を通じた対話も行う。
第6条 事務局
6.1 事務局が決定するまでの間、UNU-IASが暫定事務局を務める。事務局は、IPSIの事務局に必要な業務遂行のための組織的能力に関する評価に基づき、総会において指定される。事務局の他会員への変更は、合意の上で、IPSI総会における承認に基づき行われるものとする。
6.2 事務局はIPSI総会と運営委員会を補佐する。事務局は以下に対する責任を負う。(1) IPSI定例会合、運営委員会会合、そのほか運営委員会が指定するIPSIに関連する会合における、必要な文書作成を
5 ただし、第一回総会において選出された運営委員のうち、半数の委員は3期務める。
含む準備、調整、手配、(2) IPSI会員及びその他の一般的な関係者との連携、(3) 第7条に示される 協力活動の促進、(4) 意識向上、アウトリーチ活動の実施、(5) IPSIのポータルサイトの開設と管理、
(6) 事務局の及びIPSIの活動のための資源動員を含むパートナーシップの構築の促進
6.3 IPSI、IPSI定例会合及び運営委員会会合の代理としての全ての公式なコミュニケーションは、事務局によって取り扱われるものとする。
第7条 活動
7.1 会員は、様々な既存の活動及び計画されている活動が、IPSIと共通点を有することを認識するものとする。
7.2 IPSIの協力活動は、2以上の会員によって行われるものとし、IPSIの活動の主要な部分を構成するものとする。IPSIの協力活動は、運営委員会の支持のもとに開発し、実施する。本条項は個々の会員の権限や活動に関して拘束力のある制限を課すものではない。
7.3 IPSIの活動の中心を明らかにするためにクラスターへの分類が行われる。しかし、各クラスターはそれぞれ関連する要素を持つものであり、クラスター活動の横断的な特徴が適切に認識され、クラスターレポートにおいて反映されるものとする。
7.4 IPSIは、IPSIの目的と活動において重要な会員の既存の活動及び計画されている活動にも基づくものであり、それらとの相乗効果を促進するものである。会員は、それぞれの活動や得られた教訓に関する情報を提供し、それらはクラスターレポートに組み込まれるものとする。
第8条 中核会員
8.1 運営委員会において、各活動クラスターの中核会員が指名されるものとする。中核会員は、中核会員としての効果的な作業の実施に必要な会員の組織的権限、適性、資源及び組織としての優位性の評価に基づいて指名され、総会に報告されるものとする。
8.2 各クラスターの中核会員は、IPSI会員間の情報共有及び運営委員会における検討のため、当該クラスターの活動に関する進捗状況を取りまとめ、年次報告書を準備、提示するものとする。
第9条 会員の責務
9.1 会員は XXXXXXXX イニシアティブの長期目標と目的を掲げ促進することに熱心に取組むものとする。
9.2 会員団体は条項 2.2 に示されるとおり、IPSI への参加後6ヶ月以内にケーススタディレポートを提出するものとする。
9.3 会員は各ケーススタディの情報が常に最新のものであるよう努めるものとする。
9.4 会員は IPSI の活動の一部または全てに積極的に参加するものとする。
9.5 会員団体はインターネットによる電話会議やその他の電子通信を含む IPSI の会合への参加に努めるものとする。
第10条 IPSI のための資源の動員
10.1 会員は IPSI の活動実施のための資源の動員を図るものとする。
10.2 会員は、既存の資金メカニズム、プログラムや、新たな資金メカニズムの開拓を通じ自身の活動の資金調達に努めるものとする。
10.3 会員、総会、運営委員会、事務局は、IPSI の活動と、途上国からの IPSI の会合への参加を支援するため、資源の動員に努めるものとする。
10.4 事務局は、IPSI の活動資金について予算案を作成するものとする。
第11条 承認、発効、修正及び解釈
11.1 本運営規定の承認は、IPSI への参加申請の際になされるものとする。
11.2 本運営規定は、2010年10月19日をもって発効し、IPSI が存在する限りにおいて有効とする。
11.3 本運営規定に対する修正は、IPSI 総会時になされる(第4条参照)。
11.4 本運営規定の全ての条項に関する解釈は運営委員会によってなされるものとする。