（１）発注者：被援助国政府またはその指定する当局であること。（省、庁、公社、大学、研究所、大使館等の被援助国政府機関）。2016 年 1 月調達ガイドラインが適用される案件については、G/A に規定される署名機関又は実施機関であること。
（参考資料５）
無償資金協力に係る契約書の作成要領
１．契約書の作成部数
契約書は最低２部作成する。
２．契約の当事者
（１）発注者：被援助国政府またはその指定する当局であること。（省、庁、公社、大学、研究所、大使xxの被援助国政府機関）。2016 年 1 月調達ガイドラインが適用される案件については、G/A に規定される署名機関又は実施機関であること。
（２） 受注者：E/N 及びG/A に規定される調達適格国籍を有する法人であること。
（３） 契約当事者の表示については、法人の場合には正式な法人名およびその所在地を記載する。
３．契約書の前文
当該契約は、JICA と被援助国政府との間で締結された贈与契約（G/A）に基づく計画の実施のために、発注者と受注者との間で締結された契約である旨記載されていること。
４．契約の日付
G/A の締結日以降であって、かつ無償資金の供与期限内であること。
５．契約書の署名
本契約書には契約当事者が署名を行い、また、差し替えができないよう全ページにイニシャルサインをすること。何らかの理由で全ページにイニシャルサインが取り付けられなかった場合は、袋とじ製本の上、署名欄に署名してあれば全ページにイニシャルサインしなくてもよい。
2016 年 1 月調達ガイドラインが適用される案件で、JICA の標準一般契約条件書（General Conditions）を用いる場合は、JICA の認証（同意）において、イニシャルサインは求めない。
６．契約書の認証
当該契約書は JICA の認証（同意）により、無償資金協力として適格な契約となる旨記載す
る。
７．契約の目的および契約当事者の業務範囲
（１）G/A に規定された援助の目的、使途を記載する。
（２）業務の範囲はG/A に規定された被援助国側のとるべき措置（被援助国側の業務）と抵触しないこと。
（３）契約書の一部を構成する設計図書、機材の仕様等に関する書類はあらかじめ JICA と被援助国政府で合意されたもの（概略設計、詳細設計結果等）に基づいていること。
（４）資機材および役務の調達国は、G/A に規定されている国及び調達適格国とされた国と合致すること。
８．契約金額
贈与資金を充当する契約金額は円貨建による固定額とし、精算払い等の方式をとらないこと
（予備的経費対象案件における特定資材の変動に伴う価格調整を除く）。契約金額総額の他に、コンサルタント契約については、実施設計・施工監理費・ソフトコンポーネント、業者契約については、施設建設費・機材調達費・機材据付費・運用（操作）指導費についても記載すること。2016 年1 月調達ガイドラインが適用される案件は、施工監理費のうち、瑕疵通知期間満了前検査（瑕疵検査）・メーカー保証期間満了前検査費は分けて記載すること。
９．契約の訂正および変更
（１）認証（同意）のため提出された契約書の訂正は、契約当事者の双方の合意（確認が証明される文書等の添付等）を必要とする。
（２）契約の変更はやむを得ない理由がある場合のみ認めることとするが、修正契約についても認証（同意）が必要となる。2016 年1 月調達ガイドラインが適用される案件は、調達ガイドラインにて、JICA の認証（同意）が必要としている重要な変更については、認証
（同意）が必要となる。
１０．契約期間
（１）G/A に記載された供与期限内とすること。
（２）契約期間の延長は両国政府の合意（口上書交換）による交換xxの延長及び JICA と被援助国政府との合意による延長がなされない限りできない旨、また、JICA の認証を必要とする旨記載すること。
１１．業務（工事、xxx）の完了時期
（１）原則 G/A に記載された工期内に設定すること（最終支払請求から、銀行及び JICA の手続きを経て、支払いに至るまで２週間程度の日数を要するため）。なお、最長でも G/A供与期限の少なくとも2 週間以上前には設定すること。
１２．支払条件
（１）支払スケジュールは、原則として日本国の関係法令に抵触しないものとする。具体的な支払いスケジュールは参考資料６を参照のこと。
（２）コンサルタント契約の場合、支払請求時に必要となる所定業務の完了証明書（発注者またはコンサルタントが作成）を発注者が発行（発注者の署名が必要）する旨記載する。
施設建設契約の場合は、コンサルタントが証明書を発行できる（但し、発注者の承認を要する場合もある）旨記載する。また、機材調達契約についてはB/L 等の書類を提出すること。
（３）業者契約（特に機材案件）において分割船積み等による分割支払請求を許容する場合は、分割船積み・分割支払いを認める旨記載すること。
（４）業者契約（機材案件）の支払条件については、船積払い、引き渡し払いを区別して記載すること。
１３．支払手続
受注者に対する支払いは、相手国が日本の銀行に対し発行するA/P に従ってなされる旨記載すること。
１４．相手国の義務
G/A での規定に基づき、以下の事項等を記載する。G/A の規定が通常の記述と異なる場合は、変更に合わせて記載すること。2016 年1 月調達ガイドラインが適用される案件は、G/A の相手国の義務（Schedule 4：受贈者の責務）を添付すること。
（１）受注者が調達する生産物および役務に対する、関税、内国税・その他の財政課微金等の免税措置
（２）生産物の陸揚げ・通関・国内輸送の速やかな実施のための措置
（３）当該業務を遂行するための入国・滞在に必要な便宜供与
（４）上記に加え施設建設契約の場合は、土地の確保・用地の整地および用地以外における配電・給排水その他付随施設の提供
１５．遅延
受注者が当該プロジェクトについて、発注者との間で当初合意された実施スケジュールに則ったプロジェクトの完成を遅らせたり、あるいは妨げたりするような事態が生じた場合、発注者に速やかに報告し、その対応処置をとることについて規定した条項を記載すること。
１６．不可抗力
（１）不可抗力についての説明と、そのような事態が発生した場合には、一時的にあるいは永久に業務遂行の責任のすべて、ないしは一部を免れることができる条件を記載すること。
（２）このような事態の発生の確認および受注者のとるべき措置等の手続きを記載する。
（３）このような事態に際しての、受注者及び発注者の権利と義務を記載する。
１７．紛争と提訴
まず、和解に努力し、最前の努力をもっても解決できない場合は、日本商事仲裁協会（The Japan Commercial Arbitration Association :JCAA）もしくは国際商業会議所（International
Chamber of Commerce :ICC）等の国際的な仲裁機関において必要となる手続きを行う旨記載する。
１８．契約の準拠法
発注者と協議し、契約の準拠法国を決定する。
１９．保証金（Advance Payment Security, Performance Security , Guarantee Bond 等）
発注者が要求する場合には設定して差し支えない（2016 年1 月調達ガイドラインでは、履行保証を要求することを明記している）が、保証条件、期間を明記する。。コンサルタント契約の場合には一般に設定していない。
また、契約上定められた期日に速やかに保証金を受注者に返還することを記載する。
施設・船舶xx・特殊機材を含む機材案件で前払金の支払いを伴う場合、それを保証する（同額の）保証金（Advance Payment Security）を設定する。
２０．工事または納期の延滞金
無償資金協力の工事、納期等が最小限度になっていること、また相手国にとって遅延に伴う経済損失はほとんどないことから、この条項は設定しない。
２１．保証期間
引渡し完了から最低１年間設定する。
２２．その他
（１）施設建設の案件で当該工事に引き続き、他の無償案件等で拡張工事が計画されている場合、当該契約のいかなる条項にも拡張工事について言及がなされないようにする。
（２）契約書に記載されるプロジェクト名はG/A に記載された名称を使用すること。
（３）２ヶ国語以上の契約書原本を作成する場合、原則、英、仏、西語のいずれかとし、どの言語の契約書を解釈の根拠とするかを明記すること。
（４）検査については、第三者機関による船積み機材の検査の結果、再検査をする必要が生じた場合の追加検査費用は、受注者が負担することを明記すること。
以 上