Contract
xx県建設部総価契約単価合意方式 試行実施要領の解説
1 はじめに
総価契約単価合意方式(以下「本方式」という。)については、「xx県建設部総価契約単価合意方式 試行実施要領」(以下「試行実施要領」という。)及び「xx県建設部総価契約単価合意方式 試行実施要領の解説」(以下「試行実施要領の解説」という。)に基づき行うものとしている。
本解説は、試行実施要領の内容を発注者、受注者ともに的確に理解するとともに、単価協議・合意の具体的な手順等を示すことにより、円滑な実施等に資することを目的とするものである。
2 工事工種体系
試行実施要領及び試行実施要領の解説に記載されているレベルの定義は下記のとおりとする。
レベル | 名 称 | x | x | 補 足 説 明 | 備 考(例) |
レベル1 | 工事区分 | 工事発注ロット及び発注者を考慮してレベル0を分割したもの | 通常、1 件の工事として発注される区分 | 築堤・護岸道路改良 | |
レベル2 | 工 | 種 | レベル1を構成する要素のうちで、一定の構造を持つ部位を施工するための一連作業の総称 | 複数の工事区分で共通的に行われる工種については、主体となる工事区分で体系化している | 法面工 地盤改良工擁壁工 |
レベル3 | 種 | 別 | 体系全体の見通しをよくするため、レベル2とレベル4をつなぐレベル区分 | 工種によっては、表示しない場合もある。また、可能な限り、施工順序に従った構成とする | 作業土工 場所打擁壁工 |
レベル4 | 細 | 別 | 工事を構成する基本的な単位目的物もしくは単位仮設物であって、単位とともに契約数量を表示するレベル | 検収対象となる単位目的物と検収対象とならない単位仮設物がある。積算・見積り時にはこのレベル項目が価格算出の基本となる | 掘削 法面整形 |
レベル5 | 規 | 格 | レベル4を構成する材料等の客観的な材質・規格ならびに契約上明示する条件等 | レベル4に付随して表示するレベルで、総括表では原則としてレベル4と同行に記述されるレベル | 掘削(土砂)掘削(軟岩) |
レベル6 | 積算要素 | レベル4の価格算定上の構成要素であって、基本的には契約上明示しないもの | 費用構成としての積算項目と、積算上の最小構成単位としての歩掛項目から構成されている | 施工パッケージ歩掛項目 |
3 入札公告等による入札参加希望者への周知【試行実施要領 5】
5 対象工事である旨の明示
発注者は、本方式の対象工事であることを入札公告に記載し、入札参加者に周知するものとする。
周知については、下記に示す記載例により、本方式の対象工事であることを入札参加希望者に周知するものとする。
【入札公告記載例】
入 札 公 告
下記のとおり一般競争入札を行いますので、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第1
67条の6の規定により公告します。(郵送による場合の提出方法は、一般書留又は簡易書留による「配達日指定郵便」に限定されています。県内の場合、配達日指定郵便として郵便局へ差し出せるのは、配達指定日の前々日までとなります。)
本件は、「受注希望型競争入札に係る低入札価格調査制度事務処理試行要領」(以下「低入札調査試行要領」という。)に基づく失格基準価格等を適用します。その概要は以下のとおりです。
1 予定価格が2億円以上の工事
(1) 入札書比較価格(予定価格の100/108の価格)の82.5/100から85/100の範囲内で、「低入札調査試行要領」第5により算定した価格を下回る価格の入札者は失格となります。
(2) 入札書比較価格(予定価格の100/108の価格)に85/100を乗じた額を下回る価格の契約者については、契約後確認調査を実施します。
2 予定価格が 100 万円を超え 2 億円未満の工事
(1) 入札書比較価格(予定価格の100/108の価格)の87.5/100から90/100の範囲内で、「低入札調査試行要領」第5により算定した価格を下回る価格の入札者は失格となります。
(2) 入札書比較価格(予定価格の100/108の価格)に90/100を乗じた額を下回る価格の契約者については、契約後確認調査を実施します。
3 1又は2に掲げる資料が提出されない場合や、専任技術者が配置できない場合等は、入札の無効(失格)、入札参加停止又は工事成績評定点の減点等の措置を行います。詳細については「建設工事に係る受注希望型競争入札公告〔共通事項〕」をご覧ください。
なお、本工事は、総価契約単価合意方式の対象工事です。
本方式の実施にあたっては、「xx県建設部総価契約単価合意方式 試行実施要領」及び「xx県 建設部総価契約単価合意方式 試行実施要領の解説」に基づき行います。
―――――――――――――――――――以下略―――――――――――――――――――
4 単価個別合意方式における単価合意の方法【試行実施要領 6-1】
6-1 単価合意の方法
工事請負契約締結後の単価合意は、以下の手続により実施するものとする。
(1) 単価合意は、工事数量総括表を基に受注者が提出した内訳書に基づき行うものとし、直接工事費、共通仮設費(積上げ分)、共通仮設費(率計上分)、現場管理費及び一般管理費等の単価等について合意するものとする。
(2) 単価合意書に記載された直接工事費及び共通仮設費(積上げ分)における単価並びに単価合意の実施方式の種類は、変更しないものとする。
(3) 協議開始日から起算して 14 日以内に単価合意が整った場合は、「単価合意書」(別記様式1)を作成の上合意するものとする。この場合には、発注者において「合意単価表」
(別記様式2)を作成の上、単価合意書に添付するものとする
(4) 協議開始の日から 14 日以内に協議が整わなかった場合は、包括的単価個別合意方式にて行うものとする。
単価協議・合意については、次の手順により行う。〔詳細は別紙1-1を参照〕
(1)単価協議の手順
〈1〉単価協議書、単価合意方式選択希望書及び請負代金内訳書様式の配付
発注機関の契約事務担当課は、契約締結後、当該工事の数量が記載された「請負代金内訳書」の様式(電子ファイル(Excel 形式))、「総価契約単価合意方式に係る単価協議について」(別紙2)及び「単価合意方式選択希望書」の様式(別紙2-2)を受注者に配付する。
また、単価協議書に記載する協議開始日は、契約締結の日から起算して6日以降(休日を含む。)速やかに単価協議が開始されるよう設定する。
〈2〉単価合意方式選択希望書及び請負代金内訳書の提出
(1) 受注者は、単価個別合意方式を希望する旨を記載した「単価合意方式選択希望書」(紙)と「請負代金内訳書」(紙・電子ファイル(Excel 形式))を、契約締結日から起算して
5日以内(休日を含む。)に発注機関の契約事務担当課に提出する。
(2) 発注機関の工事担当課は、「請負代金内訳書」の記載内容に記入漏れ等がないか確認を行う。
(3) 「請負代金内訳書」に記載の内容が、入札時の工事費内訳書と金額の違いがあったとしても、一致するよう修正を依頼せず、そのまま受け取る。
ただし、契約後確認調査の対象となった工事については、入札時の工事費内訳書の記載内容について妥当性の確認等を行うことから、「請負代金内訳書」の記載の内容と入札時の工事費内訳書の金額に違いがあった場合は、一致するよう修正を依頼する。
〈3〉単価協議
(1) 発注機関の工事担当課は、協議開始の日以降速やかに、受注者と単価協議を行う。なお、受注者から「請負代金内訳書」の提出後、発注者と受注者とが事前調整を実施
することを妨げない。
(2) 単価合意は、受注者が提出した「請負代金内訳書」に基づき、工事数量総括表の直接工事費及び共通仮設費(積上げ分)の細別に関する単価、共通仮設費(率計上分)、現場管理費、一般管理費等の金額を、妥当性を確認の上、合意するものとする。
(3) 単価合意に至るまでの間、複数回の協議を行った場合は、その都度「合意単価表(案)」
(「請負代金額内訳書」と同一様式であるが、単価協議以降「合意単価表(案)」と呼ぶ)の修正を受注者が行い、電子メール等で発注機関の工事担当課へ提出する。
【協議区分と合意の内容】
協議区分 | 合意の内容 | 備考 |
Ⅰ 直接工事費 | 単価(円) | 細別(レベル4)、金額は円止め(小数点以下切捨て) 一式の場合は金額(小数点以下切捨て) |
Ⅱ 共通仮設費(積上げ分) | 単価(円) | 細別(レベル4)、金額は円止め(小数点以下切捨て) 一式の場合は金額(小数点以下切捨て) |
Ⅲ 共通仮設費(率計上分) | 金額(円) | 金額は円止め(小数点以下切捨て) |
Ⅳ 現場管理費 | 金額(円) | 金額は円止め(小数点以下切捨て) |
Ⅴ 一般管理費等 | 金額(円) | 金額は円止め(小数点以下切捨て) |
(2)単価合意書締結
(1) 協議開始の日から起算して 14 日以内(休日含む。)に協議が整い最終的な「合意単価表(案)」が受注者から提出された場合、発注機関の工事担当課は「合意単価表」(実施要領:別記様式2)を作成し、契約事務担当課に報告(紙・電子ファイル(Excel 形式))する。
(2) 発注機関の契約事務担当課は、「単価合意書」(実施要領:別記様式1)を作成し、(1)の「合意単価表」と併せ、電子ファイル(PDF形式)等で受注者に送付する。
(3) 受注者は、押印したもの2通を発注機関の契約事務担当課に提出し、契約事務担当課は押印後、1通を受注者に送付する。
《当初契約において単価協議が整わなかった場合》
当初契約において、協議開始の日から起算して 14 日以内(休日含む。)に協議が整わずに最終的な合意単価表が提出されなかった場合は、包括的単価個別合意方式による「単価合意書」速やかに締結する。(「7 包括的単価個別合意方式における単価合意の方法」(3)及び
発注者
〈1〉 単価協議書(紙)
請負代金内訳書(電子データ)単価合意方式選択希望書(紙)
(契約締結後速やかに)
様式配付
〈2〉 単価合意方式選択希望書
請負代金内訳書(紙・電子データ)
提出
(契約締結の日から起算して5日以内(休日含む。))
〈3〉 単価協議
(協議開始日の日以降速やかに)
最終的な「単価合意書(案)」の提出
(協議開始日の日から起算して14日以内(休日含む。))
〈4〉 単価合意書締結
( 速やかに締結)
(4)を参照)
受注者
契約事務担当課 |
工事担当課 |
契約事務担当課 |
5 単価個別合意方式における契約金額の変更方法【試行実施要領 6-2】
6-2 単価個別合意方式における請負代金額の変更方法
請負代金額の変更に当たっては、単価合意書記載の単価を基礎として、変更請負代金額の総額について協議するものとする。
なお、変更請負代金額の積算に当たっては、以下の(1)及び(2)に留意すること。
(1) 直接工事費及び共通仮設費(積上げ分)については、単価合意書に記載の単価に基づき積算するものとする。
なお、単価合意書に記載のない単価の取扱いは、以下のとおりとする。
・「数量の増減が著しく県積算単価が変動する場合を含む条件変更の場合」「施工条件が異なる場合」は、細別(レベル4)の比率(変更前の県積算単価に対する合意単価の比率をいう。以下この項において同じ。)に変更後の県積算単価を乗じて積算するものとする。
・既存の工種(レベル2)に種別(レベル3)、細別(レベル4)が追加された場合は、当該工種(レベル2)の比率に県積算単価を乗じて積算するものとする。
・工種(レベル2)が新規に追加された場合は、県積算金額を基礎とし、受注者と発注者で協議した金額により積算するものとする。
(2) 共通仮設費(率計上分)、現場管理費、一般管理費等については、(1)により算出した対象額に、変更前の対象額に対する合意金額の比率及び『xx県建設部「積算基準及び標準歩掛」』の率式を利用した低減割合を乗じて算出するものとする。
なお対象額とは、共通仮設費(率計上分)にあっては直接工事費、現場管理費にあっては純工事費、一般管理費等にあっては工事原価をいう。
※本項は、発注者側の積算の考え方を記載したものである。
(1)直接工事費及び共通仮設費(積上げ分)の変更額の算定
【単価合意書に記載の合意単価以外を用いる場合】
① 数量に著しい変更が生じた場合で特別な理由がないとき
当該細別(レベル4)の比率(県積算単価に対する合意単価の比率をいう。以下本項において同じ。)に変更後の条件により算出した県積算単価を乗じる。
(例)「掘削(土砂)」の内容が、「普通土 30,000m3 未満」⇒「30,000m3 以上」となるなど県積算単価が変更
② 単価合意書の作成の前提となっている施工条件と実際の施工条件が異なる場合で特別な理由がないとき
・ 既存の細別(レベル4)の積算条件が変更された場合は、当該細別(レベル4)の比
率に変更後の条件により算出した県積算単価を乗じる。
(例)ダンプトラック運搬において、指定場所の変更により、運搬距離が変更
・ 既存の工種(レベル2)に、種別(レベル3)又は細別(レベル4)が追加された場合は、当該工種(レベル2)の比率に県積算単価を乗じる。
(例)「掘削(土砂)」に加え、新たに「掘削(軟岩)」が追加
③ 単価合意書に記載のない工種が生じた場合で特別な理由がないとき
・ 工種(レベル2)が新規に追加された場合の直接工事費、細別(レベル4)が新規に追加された場合の共通仮設費(積上げ分)については、合意した工事と施工体制が異な
ると判断し、『xx県建設部「積算基準及び標準歩掛」』(以下、積算基準書という。)等により算出した県積算金額を基礎とし、発注者と受注者とが協議した金額で積算する。
「発注者と受注者とが協議した金額で積算する。」とは、新規に追加された工種(レベル2)の県積算単価により算出した直接工事費と共通仮設費(積上げ分)の合計した金額(以下「予定金額」という。)について、受注者から金額の提出を求め、予定金額の範囲で単価を設定することをいう。
(例) 県積算単価により算出した直接工事費と共通仮設費(積上げ分)がそれぞれ 9,000,000 円と 500,000 円であった場合、予定金額は 9,500,000 円と設定される。受注者が提出した金額が
9,450,000 円であった場合のそれぞれの費用については、次のとおりである。協議比率=9,450,000/9,500,000(端数調整なし)
「掘削」レベル4
県積算単価 350(円/m3)
県積算金額 350(円/m3)×5,000m3=1,750,000
変更積算単価 350(円/m3)×(9,450,000/9,500,000)=348(円/m3)(小数点以下切捨て)変更積算金額 348(円/m3)×5,000m3=1,740,000・・・・・①
「埋戻し」レベル4金額
県積算単価 1,450(円/m3)
県積算金額 1,450(円/m3)×5,000m3=7,250,000 円
変更積算単価 1,450(円/m3)×(9,450,000/9,500,000)=1,442(円/m3)(〃)変更積算金額 1,442(円/m3)×5,000m3=7,210,000 円・・・・・②
共通仮設費(積上分)
「運搬工」レベル4金額
県積算金額 500,000 円
変更積算金額 500,000 円×(9,450,000/9,500,000)=497,368 円(〃)・・・・・③
合計=①+②+③=1,740,000+7,210,000+497,368=9,447,368(円)
④ 単価合意書記載の記載内容を基礎とした協議が不適当である場合で特別な理由がないとき
上記①又は②には該当しないが、単価合意によることが不適当な場合は、当該細別(レベル4)の比率に変更後の条件により算出した県積算単価を乗じる。ただし、当該単価が細別(レベル4)ではなく、工種(レベル2)又は種別(レベル3)のものである場合は、当該工種(レベル2)の比率に変更後の条件により算出した県積算単価を乗じる。
(例)「作業土工」(一式)において、目的物の計上変更に伴い数量が増減変更
【単価合意書記載の単価を用いる場合】
上記①~④以外の場合は、合意単価を用いる。
(例)①~④に該当しない数量増減変更。
工事工種体系ツリーは(xxxx://xxx.xxxxx.xx.xx/xxx/xxx/xxxxx.xxx)に掲載されている。
(2)直接工事費及び共通仮設費(積上分)の変更額の算定
間接労務費、工場管理費、共通仮設費(率分)、共通仮設費(イメージアップ分)、現場管理費、技術者管理費、機器管理費、据付間接費、設計技術費、一般管理費等などの率計算により算出する項目については、(1)の単価を基礎として算出した積算基準書で定める対象額
〔B〕に、変更前の対象額に対する合意金額の比率〔C〕及び積算基準書の率式を利用した変更前後の低減割合〔D〕を乗じて算出する。
(例)共通仮設費(率分)=B×C×D
B= 変更積算の共通仮設費(率分)の対象となる項目の合計額
変更前の共通仮設費(率分)の合意金額(C1) C=――――――――――――――――――――――――――――――――
変更前の共通仮設費(率分)の対象となる項目の合計額(C2)
Bを積算基準の率式に代入した値(D1) D=――――――――――――――――――――――――――――――――
C2を積算基準の率式に代入した値(D2)
<設計変更により共通仮設費(率分)対象額が 3,000 万円 ⇒ 3,300 万円となった場合の積算例> B =変更積算の共通仮設費(率分)の対象となる項目の合計額=33,000,000 円
C1=変更前の共通仮設費(率分)の合意金額=3,150,000(円)
C2=変更前の共通仮設費(率分)の対象となる項目の合計額=30,000,000(円) D1=Bを積算基準の率式に代入した値=10.85%
D2=C2を積算基準の率式に代入した値=10.95% D =D1/D2=10.85%/10.95%
共通仮設費(率分)=B×C×D=33,000,000×3,150,000/30,000,000×(10.85%/10.95%)
=3,433,356 円
6 単価個別合意方式における請負代金額の変更後の単価合意
【変更契約後の単価合意の方法】
① 具体的な手順は、「4 単価個別合意方式における単価合意の方法」に準じて行うものとする。
② 発注機関の工事担当課は、変更契約締結後、速やかに変更後の「請負代金内訳書」の様式(電子ファイル(Excel 形式))及び「総価契約単価合意方式に係る単価協議について」
(別紙2)を受注者に配付する。ただし、この際、「単価合意方式選択希望書」の様式(別紙2-2)は配付しない。
③ 受注者は、変更契約締結の日から起算して5日以内(休日を含む。)に、変更した「請負代金内訳書」(紙・電子ファイル(Excel 形式))を、発注機関の契約事務担当課に提出する。
④ 単価合意書に記載のない直接工事費及び共通仮設費(積上げ分)の細別に関する単価、共通仮設費(率計上分)、現場管理費、一般管理費等の金額について単価協議を行う。
⑤ 単価合意書に記載のある単価の変更は行わない。
⑥ ただし、以後、契約変更かつ部分払いがないことが明らかな場合は、単価協議は不要と する。
7 包括的単価個別合意方式における単価合意の方法【実施要領 7-1】
包括的単価個別合意方式は、受注者が希望した場合又は単価個別合意方式の当初契約において単価協議が整わなかった場合に適用される。ここでは、受注者が包括的単価個別合意方式を希望した場合を前提とする。
7-1 単価合意の方法
工事請負契約締結後の単価合意は、以下の手続により実施するものとする。
(1) 単価合意は、工事数量総括表に記載の項目について、請負比率に基づき、直接工事費、共通仮設費(積上げ分)、共通仮設費(率計上分)、現場管理費及び一般管理費等の単価等について合意するものとする。
(2) 単価合意書に記載された直接工事費及び共通仮設費(積上げ分)における単価並びに単価合意の実施方式の種類は、変更しないものとする。
(3) 受注者による包括的単価個別合意方式の選択後、「単価合意書」(別記様式1)を作成の上合意するものとする。この場合において、発注者において「単価表」(別記様式2)を作成の上、単価合意書に添付するものとする。
単価の合意は次の手順により行う〔詳細は(解説:別紙1-2)参照〕。
協議及び単価合意書の締結
(1)単価協議書、単価合意方式選択希望書及び請負代金内訳書様式の配付
4(1)〈1〉と同じ手順
(2)単価合意方式選択希望書の提出
受注者は、包括的単価個別合意方式を希望する旨を記載した「単価合意方式選択希望書」
(別紙2-2)を、契約締結日から起算して 5 日以内(休日を含む。)に発注機関の契約事務担当課に提出する。
なお、請負代金内訳書は建設工事標準請負契約約款第3条に基づき別途提出するものとするが、発注者が配付した様式を使用しなくてもよい。
(3)単価合意書の作成
① 発注機関の工事担当課は「合意単価表」(実施要領:別記様式2)を作成し、契約事務担当課に報告(紙・電子ファイル(Excel 形式))する。
② 当初単価合意は、当初の工事数量総括表に記載の項目※について、県積算単価に請負比率を乗じたものを合意単価とする。
※原則として、工事数量総括表に記載の細別(レベル4)を指す。
(4)単価合意書締結
発注機関の契約事務担当課は、「単価合意書」(実施要領:別記様式1)を作成し、(3)の①の「合意単価表」と併せ、電子ファイル(PDF形式)等で受注者に送付する。受注者は、記名押印したもの2通を発注機関の契約事務担当課に提出し、契約事務担当課は押印後、
1通を受注者に送付する。
なお、合意は、工事数量総括表を基本とし、契約変更の考え方について合意するものとする。
発注者
〈1〉 単価協議書(紙)
請負代金内訳書(電子データ)単価合意方式選択希望書(紙)
様式配付
(契約締結後速やかに)
〈2〉 単価合意方式選択希望書
提出
(契約締結の日から起算して5日以内(休日含む。))
〈3〉 単価合意書の作成(発注者)
〈4〉 単価合意書締結
(速やかに締結)
受注者
契約事務担当課
工事担当課
8 包括的単価個別合意方式における契約金額の変更【実施要領 7-2】
7-2 包括的単価個別合意方式における請負代金額の変更方法
請負代金額の変更に当たっては、単価合意書に記載された単価を基礎として、変更請負代金額の総額について協議するものとする。
なお、変更請負代金額の積算に当たっては、以下の(1)及び(2)に留意すること。
(1) 直接工事費及び共通仮設費(積上げ分)については、単価合意書に記載の単価に基づき積算するものとする。
なお、単価合意書に記載のない単価の取扱いは、以下のとおりとする。
・ 「数量の増減が著しく県積算単価が変動する場合を含む条件変更の場合」「施工条件が異なる場合」は、細別(レベル4)の比率(変更前の県積算単価に対する合意単価の比率をいう。以下この項において同じ。)に変更後の県積算単価を乗じて積算するものとする。
・ 既存の工種(レベル2)に種別(レベル3)、細別(レベル4)が追加された場合は、当該工種(レベル2)の比率に県積算単価を乗じて積算するものとする。
・ 工種(レベル2)が新規に追加された場合は、県積算金額を基礎とし、受注者と発注者で協議した金額により積算するものとする。
(2) 共通仮設費(率計上分)、現場管理費、一般管理費等については、(1)により算出した対象額(9 (2)の対象額をいう。以下同じ。)に、変更前の対象額に対する合意金額(合意金額は変更前の県積算額に請負比率を乗じた金額で算出)の比率及び『xx県建設部
「積算基準及び標準歩掛」』の率式を利用した低減割合を乗じて算出する。
※本項は、発注者側の積算の考え方を記載したものである。
(1)直接工事費・共通仮設費(積上げ分)の変更額の算定
【単価合意書記載の単価以外を用いる場合】
① 数量に著しい変更が生じた場合で特別な理由がないとき
5(1)①と同じ。
② 単価合意書の作成の条件となっている施工条件と実際の施工条件が異なる場合で特別な理由がないとき
5(1)②と同じ。
単価合意書に記載されていない工種が生じた場合で特別な理由がないとき
5(1)③と同じ。
③ 単価合意書の記載内容を基礎とした協議が不適当である場合で特別な理由がないとき
5(1)④と同じ。
【単価合意書記載の単価を用いる場合】
上記①~④以外の場合は、合意単価を乗じる。
(例)①~④に該当しない数量増減変更。
(2)共通仮設費(率計上分)、現場管理費、一般管理費等の変更額の算定
5(2)と同じ。
9 包括的単価個別合意方式における請負代金額の変更後の単価合意
【変更契約後の単価合意の方法】
① 発注機関の工事担当課は「合意単価表」(実施要領:別記様式2)を作成し、契約事務担当課に報告(紙・電子ファイル(Excel 形式))する。
② 第(●)回変更単価合意において、第(●)回変更後の工事数量総括表に記載の項目のうち、単価合意書記載の単価以外を用いる直接工事費及び共通仮設費(積上げ分)の細別単価、並びに共通仮設費(率分)、現場管理費及び一般管理費等の金額については、発注者が第(●)回変更請負代金額算出の際に設定した単価(金額)を合意単価(金額)とみなす。
③ 単価合意書に記載のある単価の変更は行わない。
④ 発注機関の契約事務担当課は、「単価合意書(第●回)」(実施要領:別記様式1)を作成し、①の「合意単価表」と併せ、電子ファイル(PDF形式)等で受注者に送付する。受注者は、記名押印したもの2通を発注機関の契約事務担当課に提出し、契約事務担当課は押印後、1通を受注者に送付する。
⑤ ただし、以後、契約変更かつ部分払いがないことが明らかな場合は、単価協議は不要と する。
(別紙1-1)
単価個別合意方式におけるフロー図
発 注 者
工事担当課(整備課、維持管理課等)
契約事務担当課
受注者
「入札」及び「契約(総価)」
【当初工事請負契約直後】
【変更時は変更契約直後】
※一括送付
・単価協議書
・単価合意方式選択希望書(当初のみ)
受理
5日以内(休日を含む。)
(請負代金内訳書提出まで)
配付(紙・電子データ)
(契約締結後速やかに)
単価個別合意方式を選択
単価合意方式選択希望書の作成
積算システムで請負代金内訳書
様式(EXCEL)の出力
請負代金内訳書 (様式)
電子データ
請負代金内訳書の作成
受理
紙と電子データを提出
(契約締結後5日以内)
電子データ
単価協議資料の作成
協議成立まで繰り返し
(協議開始日以降速やかに)
単価協議(工事担当課と受注者)
単価協議資料の修正
合意単価表(案)の作成
14日以内(休日を含む。)
(協議開始日から最終合意単価表提出まで)
メール等で電子データを提出
単価協議(工事担当課と受注者)
受理
合意単価表(案)
合意単価表(案)の作成
【最終内容】
紙と電子データを提出
(協議開始日の日から起算して14日以内(休日含む。))
合意単価表の作成
単価合意書の作成
送付(2通) 紙と電子データ
押印 |
受理 |
提出(2通)
決裁(押印)
送付(1通)
※1 「請負代金内訳書」と「合意単価表(案)」は同一様式であるが、単価協議日以降は「合意単価表(案)」という。
※2 「単価合意書」の締結は、合意単価表(案)〔最終内容〕受理後、速やかに行う。
包括的単価個別合意方式におけるフロー図
【当初工事請負契約直後】
【変更時は変更契約直後】
※一括送付
配付(紙・電子データ)
(契約締結後速やかに)
電子データ
単価合意方式選
択希望書の作成
請負代金内訳書
の作成
紙
(契約締結後5日以内)
報告
送付(2通)
紙
提出(2通)
送付(1通)
※1 「単価合意書」の締結は、「単価合意方式選択希望書」受理後、速やかに行う。
※2 手続き上は単価個別合意方式が選択する場合も想定し、請負代金内訳書の様式を送付する。
※3 「単価合意方式選択希望書」は当初契約の段階で選択しているため、当初契約の単価協議書のみ添付する。
決裁(押印)
受理
押印
合意単価表の作成
単価合意書の作成
受理
積算システムで請負代金内訳書
様式(EXCEL)の出力
請負代金内訳書 (様式)
包括的単価個別合意方式を選択
・単価協議書
・単価合意方式選択希望書(当初のみ)
受理
「入札」及び「契約(総価)」
発 注 者
工事担当課(整備課、維持管理課等)
契約事務担当課
受注者
5日以内(休日を含む。)
(契約締結後から単価合意方式選択希望書提出まで)
(別紙1-2)
(別紙2)
平成 年 月 日
(受注者名)
○○○○ 様
発注機関のx
x価契約単価合意方式に係る単価協議について
平成○○年○○月○○日付で契約を締結した下記工事について、xx県建設部 総価契約単価合意方式試行実施要領(案)に基づき単価合意書を締結したいので協議します。
なお、合意方式の選択について、別紙「単価合意方式選択希望書」に記載の上、平成○○年○
○月○○日までに提出してください。※変更契約締結後の単価協議の際は削除すること。
合意が締結した際は、発注者から送付する単価合意書に記名押印の上、2部提出してください。
記 | ||||
1 | 工 | 事 | 名 | 平成○○年度○○工事 |
2 | 工 | 事 場 | 所 | ○○○○ |
3 | 工 | 期 | 平成○○年○○月○○日から平成○○年○○月○○日まで | |
4 | 契 | 約 年 月 | 日 | 平成○○年○○月○○日 |
5 協議開始年月日 平成○○年○○月○○日
担 当
電 話 ファクシミリ電子メール
○○事務所○○課
○○ ○○
○○○○
○○○○
○○@xxxx.xxxxxx.xx.xx
(別紙2-2)
単価合意方式選択希望書
平成 年 月 日
発注機関の長 様
住 所
印
商号又は名称代 表 者 名
平成 年 月 日付で契約を締結した下記工事における単価合意方式は、
〔 単価個別合意方式 ・ 包括的単価個別合意方式 〕を希望します。
記
1 | 工 事 名 | 平成○○年度○○工事 |
2 | 工 事 場 所 | ○○○○ |
3 | 工 期 | 平成○○年○○月○○日から平成○○年○○月○○日まで |
4 | 契約年月日 | 平成○○年○○月○○日 |