Contract
平成 20 年 8 月 1 日
工事請負契約書第 25 条第5項(単品スライド条項)の適用について
牛久市発注の工事において、最近の特定の資材価格の高騰を踏まえ、工事請負契約書第25条第
5項(単品スライド条項)に基づく請負代金の見直しを円滑に行うことができるよう、本日、本条項を適用することとしましたのでお知らせします。
これは、昭和 55 年以来 28 年ぶりの措置であり、工事請負契約書に本条項を設けてからは、初めての適用となります。
なお、国では 6 月 13 日、茨城県では 6 月 23 日から適用開始されております。
1.単品スライドについて
「単品スライド」とは、工事請負契約書第25条5項に基づき、「特別な要因により工期内に主要な工事材料の日本国内における価格に著しい変動を生じ、請負代金額が不適当となったとき」に、請負代金額の変更を請求できる措置です。(参考資料[1][2])
2.今回の運用基準について
[1] 条項適用の対象とする資材
鋼材類と燃料油の2資材
特別な要因により価格に著しい変動を生じた資材として、各資材における価格変動の状況及び工事費における平均的シェアの両面から工事への大きな影響が見込まれる「鋼材類」と「燃料油」の2資材を対象としました。
[2] 請負代金額の変更の考え方
対象資材の価格上昇に伴う増額分のうち、受注者からの請負代金額の変更請求に
基づき、対象工事費の1%を超える額を発注者が負担。
工事請負契約書第 25 条(単品スライド条項を含む物価水準の変動に関する対応措置)は、通常合理的な範囲を超える価格の変動については、一方の契約当事者のみにその負担を負わせることは適当ではないとの考え方に基づき定められています。
この考え方に沿って、今回の運用基準においては、資材価格の上昇による請負代金額の増加分が、対象工事費(注1)の1%を超える額を発注者が負担することとしました。
注1: 基本的には工事の請負代金額の総価ですが、年度をまたがる工事や、全体スライドとの併用工事などについては、適用開始以前の出来高部分に相応する請負代金額を控除した額とします。
[3] 具体的な算定方法など
具体的な算定方法については、(参考資料[3])に示すとおりです。
3.単品スライド条項制定の経緯(参考)
・昭和 54~55 年にかけて、いわゆる第二次オイルショック時に一部の石油関連資材の価格が高騰し、建設工事の円滑な実施が危ぶまれる状況にみまわれました。この時点では、契約約款には具体な定めがなく、昭和 55 年度は、暫定措置として、実施約款の附則として「特約条項」を設けて、請負代金額の変更に対応しました。
・昭和 56 年度にはこの「特約条項」を一般化し、特別な要因に起因する建設資材の流動化傾向に備えるため置かれた規定が、現在の第25条第5項に相当します。ただし、具体の運用基準については定 めがありませんでした。
・昭和55 年度に行った実態上の対応は別として、一般化した形式で条項が制定されて以来、具体の運用基準を定めて本条項が適用されるのは初めてのことです。
・なお、工事期間中の資材価格の変動に対応する措置を定めた条項は、この特定の資材の価格上昇を対象にした単品スライド条項のほか、
○資材価格、労務単価等の価格水準全般の変動を対象としたいわゆる「全体スライド条項」(契約約款第25条第1項~4項)
○極めて急激なインフレ、デフレを対象とした短期間の急激な価格水準全般の変動を対象にしたいわゆる「インフレスライド条項」(同第6項)が定められており、状況に応じてそれぞれを使い分けられています。