Contract
情報・システム研究機構著作物取扱規程
第1章 総則
(目的)
平成18年6月30日制 定
最近改正平成28年2月1日
第1条 この規程は,大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(以下,「機構」という。)の役職員が機構において,研究,事業,教育,一般事務,その他プロジェクト(以下「研究等」という。)に従事し,広く社会への共同利用に供する理念の下に創作された成果について,著作物としての取扱いに関し必要な事項を定め,役職員の著作物の創作意欲の向上を奨励し,その権利を保障するとともに社会還元の促進に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この規程において,使用する以下の用語の意義は,次のとおりとする。
一 「著作物」とは,著作xx(昭和45年法律第48号)に定める著作物をいい,これには,例示としてデジタル技術を使用して作成された映像,画像,音声,文字等のデジタルコンテンツ,及び著作xx第10条第9号に掲げるプログラムの著作物,同法第12条の2に掲げるデータベースの著作物,半導体集積回路に組み込まれる電子回路を記述したデータ,半導体集積回路に組み込まれる回路素子や導線の配置パターンを表現するデータ及びそれらの設計書,仕様書,フローチャート等,取扱いに関する文書を含むものとする。
二 「著作者」とは,著作物を創作する者をいう。
三 「著作者人格権」とは,著作xx第18条から同法第20条までに規定する権利(外国におけるこれらの権利に相当する権利を含む)をいう。
四 「著作権」とは,著作xx第21条から同法第28条までに規定する権利(外国におけるこれらの権利に相当する権利を含む)をいう。
五 「機構著作物」とは,役職員が機構の発意に基づき研究等の成果として職務上作成する著作物であって,プログラムの著作物以外の著作物については,機構の名義の下に公表することが予定されている著作物をいう。
六 「準機構著作物」とは,役職員が公的研究資金制度若しくは機構の研究助成や資金等の支援又は機構の管理する施設・設備機器を利用した研究等の成果として職務上作成する著作物をいう。
七 「研究契約著作物」とは,機構又は役職員が機構外の者と共同研究契約,受託研究契約,その他研究等に関する契約に基づき作成した著作物をいう。ただし,次号に定める機構外に作成させる著作物は,本号に含まれないものとする。
八 「機構外に作成させる著作物」とは,機構又は役職員が機構外の者と請負又は業務委託契約等(以下、「委託契約」という。)を行い,その成果として作成されることが予測される著作物をいう。
九 「その他の著作物」とは,役職員が作成した著作物のうち,第4号から第8号に該当しない著作物をいう。
十 「役職員」とは,機構において研究等に従事し又は従事した者で,情報・システム研究機構組織運営規則第5条及び第15条に定める者をいう。
十一 「研究所」とは,国立大学法人法(平成15年法律第112号)第29条第1項第1号の規定に基づき設置された大学共同利用機関であり,情報・システム研究機構組織運営規則第2条第1項から第3項に規定される組織をいう。
十二 「技術移転」とは,機構外の者に対して,この規程に定める著作物の利用に関する許諾又は譲渡することをいう。
第2章 著作権の帰属
(機構著作物の帰属と技術移転)
第3条 機構著作物の著作者は,機構とし,機構はその著作者人格権及び著作権を保有する。
2 研究所は,機構著作物の維持に必要な管理を行うものとし,機構著作物の作成に関与した役職員は,これに協力するものとする。
3 機構著作物について,技術移転の必要が生じた場合は,第11条の規定を準用するものとする。
(準機構著作物の帰属と技術移転)
第4条 準機構著作物の著作者は,著作xx第15条の規定にかかわらず,当該著作物を作成した役職員とし,当該役職員は当該著作物の著作者人格権及び著作権を保有する。
2 準機構著作物の著作者は,第11条に規定する事由が発生したときは,同条に定める著作物利用届を提出するものとする。
3 準機構著作物の著作者は,第12条に基づき,機構が著作権を譲り受けることを決定したときは,当該準機構著作物の著作権を機構に譲渡しなければならない。
(準機構著作物の著作権の管理)
第5条 準機構著作物の著作者は,第12条の規定に基づき,その手続が完了し,機構が著作権者となる迄,当該準機構著作物の著作権を適正に管理しなければならない。
2 機構は,研究又は教育の目的で準機構著作物を無償で利用する権利を有するものとし,準機構著作物の著作者は,機構による無償の利用を制限することとなる機構外の者への無償の譲渡又は無償の独占的利用の許諾を機構長の書面による同意を得ることなく行ってはならないものとする。
(研究契約著作物の帰属)
第6条 研究契約著作物の著作者は,当該著作物を作成した役職員とし,当該役職員は当該著作物の著作者人格権及び著作権を保有する。
2 機構は,研究契約著作物が発生する要因となった共同研究契約等の定めにより相手方当事者との間で共有者となった場合,研究契約著作物の著作者である役職員から,当該役職員の著作権の持分を譲り受けることができるものとする。
(機構外に作成させる著作物の処置)
第7条 機構又は役職員は,機構外の者に対し委託を行い,その成果として著作物等が作
成されることが予測される場合に,予め当該機構外の者との間で締結する委託契約におい て,著作権の帰属及び著作者人格権の取扱い等について必要な処置をしなければならない。
(その他の著作物の帰属と技術移転)
第8条 その他の著作物の著作者は,当該著作物を作成した役職員とし,当該役職員は当該著作物の著作者人格権及び著作権を保有する。
2 その他の著作物の著作者は,技術移転を希望する場合,第4条第2項及び第3項の規定を準用することができるものとする。
(退職後の取扱い)
第9条 役職員が,在職中に完成した著作物の取扱いについては,機構を退職した後においても,この規程の適用を受けるものとする。
第3章 著作権の処理手続と補償金
(委任)
第10条 機構長は,この規程に定める著作権の処理を行うに当たり,関係規定に定める権限を各研究所長に委任する。
2 前項の規定を受けて,研究所はこの規程に別段の定めがある場合を除き,研究所に設置する知的財産を担当する部門(以下「研究所知的財産部門」という。)がこれを取り扱い,研究所知的財産部門にて決定を行うことができない場合は,情報・システム研究機構職務発明等規程第11条第2項に定める研究所知的財産委員会 ( 以下「研究所知的財産委員会」という。) の審議にて決定するものとする。
3 この規程に定める著作権の管理や技術移転等の処理に伴い発生する諸費用については,研究所の負担とする。
(準機構著作物等の届出と認定)
第11条 準機構著作物について,当該準機構著作物の著作者である役職員が,有償で技術移転することを希望する場合には,所定の書式による著作物利用届を予め所属する研究所知的財産部門に提出するものとする。
2 研究契約著作物について,当該研究契約著作物の著作者である役職員が,有償で技術移転することを希望する場合には,所定の書式による著作物利用届を予め所属する研究所知的財産部門に提出するものとする。ただし,共同研究契約等の相手方当事者が機構に対して無償の技術移転を希望している場合を含むものとする。
3 役職員は,前2項の規定に基づき提出する著作物利用届に,当該著作物の全ての著作者を明らかにするとともに,当該著作物が第三者の著作権及び知的財産権を利用している場合はこれに関する情報を記載しなければならない。
4 研究所知的財産部門は,役職員から届出があった著作物利用届について,前項の要件を満たしているか否か判定し,該当する著作物を認定するものとする。該当する著作物の認定の結果については,当該著作者に通知するものとする。
(著作権の譲受け)
第12条 機構長は,前条第4項の認定を受けて,機構が当該著作権を譲り受ける手続を行う場合には,予め,研究所知的財産委員会に対して,譲り受けの是非について諮るものとする。
2 前項の規定に基づき,研究所知的財産委員会が開催された場合には,当該委員会の審議内容及び結果を速やかに機構長に報告するものとする。
3 機構長は,研究所知的財産委員会の審議の結果,当該著作権を機構が譲り受けることを決定したときは,その旨を当該著作者に通知し,直ちに,当該著作権の著作者との間で,譲渡契約を締結するものとする。
4 前3項の規定に基づき,機構に当該著作権を譲渡した著作者(以下「譲渡原著作者」という。)は,以後,譲渡した著作物の利用に関し,著作者人格権及び原著作者としての権利の行使については,機構と機講外の者との間で締結した技術移転に関する契約の定めに従うものとする。
(権利の保護と技術移転)
第13条 機構は,保有する著作権を適切に保護し,社会還元の促進に資するため必要と判断したときは,適切な技術移転を行う。
2 機構長は,前条の規定に基づき機構の保有となった著作権について,技術移転の可否及び条件等を決定するものとする。ただし,当該技術移転に譲渡が伴う場合は,前条第
1項及び第2項の規定を準用する。
(認定又は譲受けに関する異議)
第14条 役職員は,第11条の規定によりなされた認定又は第12条の規定によりなされた譲受けの決定に対して異議あるときは,各通知を受けた日の翌日から起算した14日を限りとして,機構長に対し異議を申立てることができるものとする。
2 機構長は,異議の申し立てがあったときは,研究所知的財産委員会に再審議を命じ,申立ての当否について審議の上,決定するものとする。
(対価の配分)
第15条 機構長は,第12条の規定に基づき機構の保有となった著作権について,技術移転により収入を得たときは,次条の規定に基づき譲渡原著作者に対し配分を行うものとする。
(利用補償金)
第16条 機構長は,技術移転により収入を得たときは,年間の実績に基づき,次の割合で配分した額(以下。「利用補償金」という。)を譲渡原著作者に対し支払うものとする。
一 譲渡原著作者に100分の40
二 譲渡原著作者が作成時に所属していた研究所に100分の30
三 譲渡原著作者が作成時に所属していた研究所及び機構に対して100分の30
2 前項第2号の利用補償金を受けた研究所は,これを譲渡原著作者の研究費として活用することができる。
3 第1項第3号の利用補償金の研究所及び機構に対する再配分は,別途定めるものとする。
4 第1項に基づき利用補償金の支払いを受ける譲渡原著作者が複数のときは,各自の持分により再配分するものとする。
(利用補償金の支払い)
第17条 機構長は,譲渡原著作者に対して,前条の利用補償金を機構が定める日に機構
が定める方法により支払うものとする。
(利用補償金の取扱い)
第18条 利用補償金の支払を受ける権利は,譲渡原著作者が機構を退職した後においても存続する。
2 利用補償金の支払を受ける権利を有する譲渡原著作者が死亡したときは,その者の相続人がその権利を承継するものとする。
3 譲渡原著作者が機構を退職した場合には,譲渡原著作者又はその相続人は利用補償金の支払を受けるために,機構に対し住所,連絡先,及び受領方法の届出を行わなければならない。
4 前項による届出がなされない場合には,機構長は当該利用補償金の支払いを行わないことがある。
5 利用補償金の支払いを受ける権利の譲渡又は担保の設定は,事前に研究所知的財産委員会の文書による承認を得なければならない。
第4章 雑則
(経過処理規定-既存の準機構著作物)
第19条 この規程の改正施行日前に作成された機構著作物は改正前の規定第3条及び第
4条第1項第1号,準機構著作物は改正前の規定第4条第1項第4号及び第2項,研究契約著作物は改正前の規定第4条第1項第3号,第2項及び第3項,機構外に作成させる著作物は改正前の規定第4条第3項,その他の著作物は改正前規定第4条第1項第2号及び第2項に基づき解釈され,加えて改正されたこの規程のそれぞれに該当する条項の趣旨に従い取り扱われるものとする。
(既存の契約)
第20条 機構は,機構外の者と研究,委託や技術移転等に関する契約,その他の合意をする場合には,この規程の趣旨を機構外の者に十分説明し,機構及び職員等の権利を擁護する努力をしなければならない。
2 前項の規定にかかわらず,この規程と矛盾又は抵触する何らかの契約その他の合意をする場合は,当該合意を遵守しなければならない。
3 機構が,この規程の改正施行前に,機構外の者とこの規程と矛盾又は抵触する何らかの契約その他の合意を有している場合,当該矛盾又は抵触する点に限り,当該合意が優先するものとする。
(役職員の協力)
第21条 役職員は,機構の本部及び研究所の要請に応じ,著作物及び著作権の管理並びに技術移転に関して必要な情報を提供し,協力するものとする。
(規程の改廃)
第22条 この規程の改廃は,情報・システム研究機構知的財産委員会の審議を経て機構長が行う。
2 この規程に定めるもののほか,著作物等の取扱いに関し必要な事項は別に定める。附 則
この規程は,平成18年6月30日から施行し,平成18年4月1日から適用する。
附 則
この規程は,平成28年2月1日から施行する。