Contract
xxxxフラワー病院 治験・ 製造販売後臨床試験に係わる標準業務手順書
第1章 総則
(目的と適用範囲)
第1条 本手順書は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、
「医薬品医療機器等法」という)、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成9年3月 27 日付厚生省令第 28 号。以下、「GCP省令」という)及びその他関連する通知等に基づいて、当院における治験及び製造販売後臨床試験の実施に必要な手続きと運営に関する手順を定めるものである。
2 医療機器の治験を行う場合は、「医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成 17 年3月 23 日付厚生労働省令第 36 号。以下、「医療機器GCP省令」という)並びに医療機器GC P省令に関連する通知等に基づいて、当院における治験及び製造販売後臨床試験の実施に必要な手続きと運営に関する手順を定めるものである。
なお、この場合は、本手順書において「GCP省令」を「医療機器GCP省令」、「治験薬」を
「医療機器」、「被験薬」を「被験機器」、「有害事象」を「有害事象及び不具合」と読み替える。
3 本手順書は、医薬品及び医療機器の製造販売承認申請又は承認事項一部変更承認申請の際に提出すべき資料の収集のために行う治験及び製造販売後臨床試験に対して適用する。
4 製造販売後臨床試験においては、GCP省令並びに「医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令」(平成 16 年12 月20 日付厚生労働省令第 171 号)、「医療機器の製造販
売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令」(平成 17 年3月 23 日付厚生労働省令第 38号)その他関係通知(以下「GPSP省令」という。)を遵守して実施するものとする。なお、この場合は、本手順書において、「治験」とあるのを「製造販売後臨床試験」と読み替えるものとする。ただし、製造販売後臨床試験として医薬品医療機器等法、厚生労働省令等で別途規定されている事項については、読み替えを行わずに当該部分について規則を定める。
5 GCP省令改定後、当手順書の改訂までの期間については、GCP省令規定遵守を優先して、治験を実施するとともに、文書等にて運用する。
(秘密の保全)
第2条 治験の実施に係る者は、被験者に関する秘密を保全すること。また、治験依頼者から提供された資料、情報及び治験に関するデータや結果についても同様とする。
(記録の書式)
第3条 本手順書において、「書式」及び「参考書式」は「新たな『治験の依頼に係る統一書式』の一部改訂について(医xx発 0710 第4号、薬生薬審発 0710 第2号、薬生機審発 0710 第2号)及び以降の改訂に関する通知に定められるものを使用する。また、「院内書式」につい
ては、「xxxxフラワー病院 治験・製造販売後臨床試験取扱い規則 第 11 版」の「治験・製造販売後臨床試験に係わる院内書式集」に定めたものを使用する。
(記録の作成)
第4条 前条の書式については、治験依頼者との合意を前提として、以下の通り押印を省略することができる。
2 省略可能な押印は、前条の書式における、「治験審査委員長」「実施医療機関の長」「治験責任医師」の印章とする。ただし、書式8、書式 12、書式 13、書式 14、書式 15 に関しては押印を省略しないこと。
3 治験審査委員会委員長、病院長及び治験責任医師は、各々の責務で作成すべき書類の作成責任を負う。書類の作成及び授受等の事務的作業の支援は、以下の実施手順に基づき治験事務局職員を業務支援者として業務を代行させることができるが、最終責任は各書類の作成責任者が負うこと。
担 当 | 役 割 |
治験審査委員長 | ・治験審査委員長が作成する書類に関し、指示を決定する。 |
業 務 支 援 者 | ・治験審査依頼書を受領し保管する。 ・治験審査委員会委員長の指示に基づき、治験審査委員会の審査結果、議事録等を確認の上、「治験審査結果通知書」を作成する。 ・治験審査委員会委員長の指示に基づき、「治験審査結果通知書」を 交付する。 |
<治験審査委員会委員長が受領又は作成する書類>該当書類:書式4、5
<病院長が受領又は作成する書類>
該当書類:書式2、3、4、5、6、8、9、10、11、12 から 15 及び詳細記載用書式 16、 17、18
担 当 | 役 割 |
病 院 長 | ・病院長が作成する書類に関し、指示を決定する。 |
業 務 支 援 者 | ・治験依頼者、治験責任医師又は治験審査委員会委員長から提出された書類を受領し保管する。 ・病院長の指示に基づき、対応する書類を作成する。 ・病院長の指示に基づき、該当する書類を送付する。 |
<治験責任医師が受領又は作成する書類>
該当書類:書式1、2、5、6、10、11、16、17、18、院内書式5
担 当 | 役 割 |
治験責任医師 | ・治験責任医師が作成する書類に関し、指示を決定する。 |
業 務 支 援 者 | ・治験依頼者、病院長から提出された書類を受領し保管する。 ・治験責任医師の指示に基づき、対応する書類を作成する。 ・治験責任医師の指示に基づき、該当する書類を送付する。 |
4 第3項に従い作成責任者以外が事務的作業を代行する際は、作成責任者への確認依頼日や承認日又は指示事項等を残す等、作成責任者の指示であることが検証可能なような措置を講じる。なお、メールにて指示された場合、当該メールを保存することで記録に充てることができる。また、作成責任者の指示により治験依頼者に書類を提出する場合、宛先に作成責任者を含め当該メールを保存することで記録に充てることができる。
5 書式8、12、13、14、15、作成責任者が直接手書きした書類及び押印、署名等で作成者が検証可能な場合、第4項の対応は不要とする。
6 各種書類の確認と最終承認は当該書類の作成責任者とし、当該責任者が最終承認した日を書類の作成日とする。作成日が記載された書類は原本として取り扱う。
7 本手順書の改訂に伴い、「xxxxフラワー病院 治験・製造販売後臨床試験に係る標準業務手順書 補遺(2013 年6月 17 日)」は廃止する。
8 直接閲覧等実施連絡票の詳細な運用については、別途定める「直接閲覧等実施連絡票 運用規則」に従うこと。
第2章 病院長の業務
(治験実施体制の構築)
第5条 病院長は、治験の実施に際し、GCP省令等に基づいて治験が適正かつ円滑に実施されるために必要な治験実施体制を構築し、整備するものとする。
2 病院長は、治験依頼者より治験の依頼の相談があった場合、受託するか否かを総合的に検討する。
3 病院長は、治験を受託する場合は、自らが設置した治験審査委員会が当該治験を審議するための要件を満たしているか検討した上で、当該治験審査委員会の意見を聴くものとする。
(治験受託の申請依頼等)
第6条 病院長は、事前に治験責任医師より提出された治験分担医師・治験協力者xxx(書式2)を了承する。病院長が了承した治験分担医師・治験協力者リスト(書式2)を注意書きに応じて治験依頼者及び治験責任医師に提出する。
2 病院長は、治験に関する治験責任医師と治験依頼者との文書による合意が成立した後、治験依頼者に、治験依頼書(書式3)とともに審査に必要な下記資料を治験事務局に提出させるものとする。
1)治験実施計画書(治験責任医師と治験依頼者が合意したもの)
2)症例報告書(治験責任医師と治験依頼者が合意したもの)の見本(治験実施計画書において、症例報告書に記載すべき事項が十分に読み取れる場合は、当該治験実施計画書をもって症例報告書の見本に関する事項を含むものとする)
3)同意文書及びその他の説明文書(治験責任医師が治験依頼者の協力を得て作成したもの)
4)治験薬概要書(市販後臨床試験の場合は添付文書)若しくは治験機器概要書
5)被験者の募集手順(広告等)に関する資料
6)被験者の安全等に係わる報告
7)被験者への支払い(支払いがある場合)
8)被験者の健康被害に対する補償に関する資料
9)治験責任医師の履歴書及び治験分担医師となるべき者の氏名xxx(必要な場合は履歴書)
10)治験の現況の概要に関する資料(継続審査の場合)
11)その他治験審査委員会が必要と認める資料
3 病院長は、治験期間を通じて、治験審査委員会の審査の対象となる文書を最新のものにしなければならない。治験依頼者から追加、更新又は改訂された当該文書が提出された場合は、治験審査委員会及び治験責任医師に、治験責任医師から追加、更新又は改訂された当該文書が提出された場合は、治験審査委員会及び治験依頼者にそれらの当該文書の全てを速やかに提出する。
(治験実施の了承等)
第7条 病院長は、治験責任医師に対して治験の実施を了承する前に、治験審査依頼書(書式4)、治験責任医師(書式1)及び治験実施計画書等の審査の対象となる文書を治験審査委員会に提出し、治験の実施について治験審査委員会の意見を求める。
2 病院長は、治験審査委員会が治験の実施を承認する旨の報告を受け、これに基づく病院長の指示が治験審査委員会の決定と同じ場合は、治験審査結果通知書(書式5)により治験責任医師及び治験依頼者に通知する。なお、病院長の指示が治験審査委員会の決定と異なる場合は、治験審査結果通知書(書式5)の写とともに治験に関する指示・決定通知書(参考書式
1)により治験責任医師及び治験依頼者に通知する。
3 病院長は、治験審査委員会から治験実施計画書等の文書、又はその他の手順について何等かの修正を条件に治験の実施を承認する旨の報告を受けた場合は、前項に順じて治験責任医師及び治験依頼者に通知する。また、その点について治験責任医師及び治験依頼者が治験実施計画書等を修正した場合は、治験実施計画書等修正報告書(書式6)及び該当する資料を提出させ、病院長の指示通りに修正したことを確認する。
4 病院長は、治験審査委員会が治験の実施を却下する決定を下し、その旨の通知を受けた場合、治験の実施を了承することはできない。病院長は、治験の実施を了承できない旨を治験審査結果通知書(書式5)により、治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。
5 病院長は、治験依頼者より治験審査委員会の審査結果を確認するため、審査に用いられた治験実施計画書等の文書の入手を求める旨の申し出があった場合は、これに応じること。
(治験実施の契約等)
第8条 病院長は、治験審査委員会の意見に基づいて治験の実施を了承した後、治験依頼者と治験契約書(院内書式2-1、2-2、2-3、2-4)に基づき契約を締結し、双方が記名又は署名し、押印と日付を付すものとする。
2 治験責任医師は、契約書の内容を確認する。
3 病院長は、治験審査委員会が修正を条件に治験の実施を承認した場合は、第7条第3項の治験実施計画修正報告書により修正したことを確認した後に、治験契約書(院内書式2)により契約を締結するとともに、治験責任医師は本条前項に従うものとする。
4 治験契約書の内容を変更する際は、本条第1項に準じて覚書(院内書式3)を締結するとともに、治験責任医師は本条第2項に従うものとする。
(治験の継続)
第9条 病院長は、治験の期間が1年を超える場合は、少なくとも年1回、治験責任医師に治験実 施状況報告書(書式 11)を提出させ、治験の継続の適否について治験審査委員会に審査を依頼し、第7条に準じて治験責任医師及び治験依頼者に治験の継続の適否の指示、決定を通知する。
2 病院長は、治験審査委員会が実施中の治験に関して承認した事項を取消し(治験の中止又は中断を含む。)の決定を下し、その旨を通知してきた場合は、これに基づく病院長の指示、決定を治験審査結果通知書(書式5)により、治験責任医師及び治験依頼者に通知する。
3 病院長は、治験依頼者より治験審査委員会の継続審査等の結果を確認するため、審査に用いられた治験実施計画書等の文書の入手を求める旨の申し出があった場合は、これに応じなければならない。
(治験実施計画書等の変更)
第 10 条 病院長は、治験期間を通じて、治験審査委員会の審査対象となる文書が追加、又は更新された場合、治験責任医師又は治験依頼者から治験に関する変更申請書(書式 10)と該当文書を速やかに提出させ、治験審査委員会に審査を依頼し、第7条に準じて治験責任医師及び治験依頼者に治験の継続の適否の指示、決定を通知する。
2 病院長は、治験責任医師又は治験依頼者より事務的事項に関する変更情報を入手した場合、治験審査委員会の審査を不要と判断できるものとする。なお、事務的事項に関する変
更情報とは、治験依頼者の組織・体制の変更、実施医療機関の名称・診療科名の変更、実施医療機関及び治験依頼者の所在地又は電話番号の変更、治験責任医師の職名の変更、モニターの変更を指し、当該文書が提出された場合は、保管するものとする。ただし、本内容が治験実施計画書の変更として、治験依頼者より治験審査の依頼があった場合は、前項と同様の手続きをとる。
(治験実施計画書からの逸脱)
第 11 条 病院長は、治験責任医師より被験者の緊急の危険を回避するため、その他医療上やむを得ない理由により、緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書
(書式8)を入手した場合は、治験審査委員会に審査を依頼し、第7条に準じて治験責任医師及び治験依頼者に治験の継続の適否の指示、決定を通知する。また、病院長は、治験依頼者の合意として緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する通知書
(書式9)を入手し、治験責任医師に提出する。
2 病院長は、治験責任医師より治験実施計画書からの逸脱に関する報告書を入手した場合は、治験審査委員会に審査を依頼し、第6条に準じて治験責任医師及び治験依頼者に治験の継続の適否の指示、決定を通知する。
(有害事象の発生)
第 12 条 病院長は、治験責任医師より重篤な有害事象に関する報告等(書式 12、書式 13、書式 14、書式 15、書式 19、書式 20 及び詳細記載用書式)を入手した場合は、治験審査委員会に審査を依頼し、第7条に準じて治験責任医師及び治験依頼者に治験の継続の適否の指示、決定を通知する。
(安全性に関する情報の入手)
第 13 条 病院長は、治験依頼者より安全性情報等に関する報告書(書式 16)を入手した場合は、治験審査委員会に審査を依頼し、第7条に準じて治験責任医師及び治験依頼者に治験の継続の適否の指示、決定を通知する。なお、被験者の安全又は当該治験の実施に悪影響を及ぼす可能性のある重大な情報には、以下のものが含まれる。
1)他施設で発生した重篤で予測できない有害事象
2)重篤な有害事象又は治験薬及び市販医薬品の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が治験薬概要書(製造販売後臨床試験の場合は、添付文書の「使用上の注意」)から予測できないもの
3)死亡又は死亡につながるおそれのある症例のうち、有害事象によるもの、又は治験薬及び市販医薬品の使用による感染症によるもの
4)有害事象若しくは治験薬及び市販医薬品の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が著しく変化したことを示す研究報告
5)治験の対象となる疾患に対し効能若しくは効果を有しないことを示す研究報告
6)副作用若しくは感染症により癌その他の重大な疾病、障害若しくは死亡が発生するおそれがあることを示す研究報告
7)当該被験薬と同一成分を含む市販医薬品に係わる製造、輸入又は販売の中止、回収、廃棄その他の保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置の実施
(治験の中止、中断及び終了)
第 14 条 病院長は、治験依頼者から治験の中止又は中断、若しくは被験薬の開発中止の決定について記した開発の中止等に関する報告書(書式 18)を入手した場合は、治験責任医師及び治験審査委員会に対し、速やかにその文書(書式 18)の写により通知する。なお、通知の文書には、中止又は中断についての詳細が説明されていなければならない。
2 病院長は、治験責任医師から治験を中止又は中断について記した治験終了(中止・中断)報告書(書式 17)を入手した場合は、治験依頼者及び治験審査委員会に対し、速やかにその文書(書式 17)の写により通知する。なお、通知の文書には、中止又は中断についての詳細が説明されていなければならない。
3 病院長は、治験責任医師から治験の終了について記した治験終了(中止・中断)報告書(書式 17)を入手した場合は、治験依頼者及び治験審査委員会に対し、速やかにその文書(書式 17)の写により通知する。
(直接閲覧)
第 15 条 病院長は、治験依頼者によるモニタリング及び監査、並びに治験審査委員会及び国内外の規制当局による調査を受け入れ、これらによる調査が適切かつ速やかに行われるよう協力する。また、モニター、監査担当者、治験審査委員会又は国内外の規制当局の求めに応じ、原資料等の全ての治験関連記録を直接閲覧に供する。
第3章 治験審査委員会
(治験審査委員会及び治験審査委員会事務局の設置)
第 16 条 病院長は、治験を行うことの適否その他の治験に関する調査審議を行わせるため、治験審査委員会を院内に設置する。
2 病院長は、前項の治験審査委員会の委員を指名し、当該治験審査委員会と協議の上、当該治験審査委員会の運営の手続き、記録の保存に関する手順、委員名簿及び会議の記録の概要を公表する。
3 病院長は、自らが設置した治験審査委員会に出席することはできるが、委員になることはできない。また、審議及び採決に参加することもできない。
4 病院長は、治験審査委員会の業務の円滑化を図るため、第1項により設置した治験審査委員会の運営に関する事務及び支援を行う者を指名し、治験審査委員会事務局を設置する。
第4章 治験責任医師の業務
(治験責任医師の要件)
第 17 条 治験責任医師は、以下の要件を満たさなくてはならない。
1)教育・訓練及び経験によって、治験を適正に実施しうる者であること。また、そのことを証明する最新の履歴書(書式1)を病院長に提出する。
2)治験実施計画書、最新の治験薬概要書、製品情報及び治験依頼者が提供する、その他の文書に記載されている治験薬の適切な使用法に十分精通している。
3)医薬品医療機器法薬事法第 14 条第3項及び第 80 条の2に規定する基準並びにGCP省令を熟知し、これを遵守する。
4)モニタリング及び監査、並びに治験審査委員会及び国内外の規制当局による調査に協力し、また、モニター、監査担当者、治験審査委員会又は国内外の規制当局の求めに応じて、原資料等の全ての治験関連記録を直接閲覧に供する。
5)合意された募集期間内に必要数の適格な被験者を集めることが可能であることを過去の実績等により、示すことができる。
6)合意された期間内に治験を適正に実施し、終了するに足る時間を有している。
7)治験を適正かつ安全に実施するため、治験の予定期間中に十分な数の治験分担医師及び治験協力者等の適格なスタッフを確保でき、また適切な設備を利用できる。
8)治験関連の重要な業務の一部を治験分担医師又は治験協力者に分担させる場合は、治験分担医師・治験協力者xxx(書式2)を作成し、予め病院長に提出し、その了承を得る。なお、必要な場合には治験分担医師の履歴書(書式1)も病院長に提出する。
9)治験分担医師及び治験協力者に、治験実施計画書、治験薬及び各人の業務について十分な情報を与え、指導及び監督する。
(治験責任医師の責務)
第 18 条 治験責任医師は次の事項を行う。
1)治験実施計画書の被験者の選択・除外基準の設定及び治験を実施する際の個々の被験者の選定にあたっては、人権保護の観点及び治験の目的に応じ、健康状態、症状、年齢、性別、同意能力、治験責任医師等との依存関係、他の治験への参加の有無等を考慮し、治験に参加を求めることの適否を慎重に検討する。
2)同意能力を欠く者については、当該治験の目的上、被験者とすることがやむを得ない場合を除き、原則として被験者としない。
3)社会的に弱い立場にある者を被験者とする場合は、特に慎重な配慮を払う。
4)治験依頼者から提供される治験実施計画書案及び最新の治験薬概要書、その他必要な資料・情報に基づき、治験依頼者と協議し、当該治験を実施することの倫理的及び科学的妥当性について十分検討する。その結果に基づき、治験実施計画書及び症例報告書の見本の内容並びに治験実施計画書を遵守することについて、治験依頼者と合意書(院内書
式1、治験依頼者様式でも可)にて合意する。治験実施計画書及び症例報告書の見本が改訂される場合も同様である。
5)治験実施の申請をする前に、治験依頼者の協力を得て、被験者から治験の参加に関する同意を得るために用いる同意文書及びその他の説明文書を作成する。
6)治験実施前及び治験期間を通じて、治験審査委員会の審査の対象となる文書のうち、治験責任医師が提出すべき文書を最新のものにする。当該文書が追加、更新又は改訂された場合は、その全てを速やかに治験に関する変更申請書(書式 10)とともに病院長に提出する。
7)治験依頼の申し出があり、治験依頼者との合意を行った後は、病院長に治験依頼書(書式3)を提出する。
8)治験審査委員会が治験の実施又は継続を承認し、又は何らかの修正を条件に治験の実施又は継続を承認し、これに基づき、病院長より治験審査結果通知書(書式5)で通知された後、その指示、決定に従って治験を開始又は継続する。治験審査委員会が実施中の治験に関して承認した事項を取消し(治験の中止又は中断を含む)、これに基づき治験審査結果通知書(書式5)で通知された場合は、その指示、決定に従う。
9)治験審査委員会が当該治験の実施を承認し、これに基づき治験審査結果通知書(書式5)で通知される前に、被験者を治験に参加させてはならない。
10)本手順書第 21 条で規定する場合を除いて、治験実施計画書を遵守して治験を実施する。
11)治験薬は承認された治験実施計画書を遵守した方法のみで使用されていることを保証する。
12)治験薬の正しい使用法を各被験者に説明、指示し、当該治験薬にとって適切な間隔で、各被験者が説明された指示を正しく守っているか否かを確認する。
13)実施中の治験において、治験の期間が1年を超える場合は、少なくとも年1回、病院長に治験実施状況報告書(書式 11)を提出する。
14)被験者の緊急の危険を回避するためのもの等、医療上やむを得ない理由により治験実施計画書に従わなかったものについてのみ、その理由を記載した緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書(書式8)を作成し、直ちに病院長に提出する。
15)治験実施中に重篤な有害事象が発生した場合は、その事象を特定し、重篤な有害事象に関する報告書等(書式 12、書式 13、書式 14、書式 15、書式 19、書式 20 及び詳細記載用書式)にて速やかに病院長及び治験依頼者に報告する。同時に治験の継続の適否について病院長より治験審査結果通知書(書式5)にて指示を受ける。
16)治験が何らかの理由で中止又は中断された場合は、被験者に速やかにその旨を通知し、被験者に対する適切な治療、その他必要な措置を講じる。また、自ら治験を中断し、又は中止した場合は、病院長に治験終了(中止・中断)報告書(書式 17)を提出する。
17)治験実施計画書の規定に従って正確な症例報告書を作成し、その内容を点検し、問題がないことを確認した上で記名押印又は署名し、治験依頼者に提出するとともに、その写を保管する。また、治験分担医師が作成した症例報告書については、その内容を点検し問題がないことを確認した上で記名押印又は署名し、治験依頼者に提出するとともに、その写を保管する。
18)治験の実施に係る文書又は記録を病院長の指示に従って保存すること。なお、これらの保存の対象となる記録には、治験の実施に関する重要な事項について行われた治験依頼者との書簡、会合、電話連絡等に関するものも含む。
(被験者の同意の取得)
第 19 条 治験責任医師又は治験分担医師は、被験者が治験に参加する前に、被験者に対して同意文書及びその他の説明文書を渡して十分に説明し、治験への参加について自由意思による同意を文書により得る。
2 同意文書には、説明を行った治験責任医師又は治験分担医師、被験者が記名押印又は署名し、各自日付を記入する。なお、治験協力者が補足的な説明を行った場合は、当該治験協力者も記名押印又は署名し、日付を記入する。
3 治験責任医師又は治験分担医師は、被験者が治験に参加する前に、前項の規定に従って記名押印又は署名と日付が記入された同意文書の写及びその他の説明文書を被験者に渡す。また、被験者が治験に参加している間に説明文書が改訂された場合は、その都度、第1項及び第2項の規定に従って同意を取得し、記名押印又は署名と日付を記入した同意文書の写及び説明文書を被験者に渡す。
4 治験責任医師、治験分担医師及び治験協力者は、治験への参加又は治験への参加の継続に関し、被験者に強制する等の不当な影響を及ぼしてはならない。
5 同意文書及び説明に関して口頭で提供される情報には、被験者に権利を放棄させるかそれを疑わせる語句、又は治験責任医師、治験分担医師、治験協力者、医療機関、治験依頼者の法的責任を免除するかそれを疑わせる語句が含まれていてはならない。
6 文書及び口頭による説明には、被験者が理解可能で、可能な限り非専門的な言葉を用いる。
7 治験責任医師又は治験分担医師は、同意を得る前に、被験者が質問をする機会と、治験に参加するか否かを判断するのに十分な時間を与えること。その際、当該治験責任医師、治験分担医師、補足的説明者としての治験協力者は、全ての質問に対して被験者が満足するよう答える。
8 被験者の同意に関連し得る新たな重要な情報が得られた場合は、治験責任医師は、速やかに当該情報に基づき説明文書を改訂し、予め治験審査委員会の承認を得る。また、治験責任医師又は治験分担医師は、すでに治験に参加している被験者に対しても当該情報を速やかに伝え、治験に継続して参加するか否かについて、被験者の意思を確認するとともに、説明文書を用いて改めて説明し、治験への参加の継続について被験者から自由意思による同意を文書で得る。
9 治験責任医師及び治験分担医師は、被験者の同意取得が困難な場合、非治療的治験を実施する場合、緊急状況下における救命的治験の場合及び被験者が同意文書等を読めない場合については、GCP省令第 50 条第2項及び第3項、第 52 条第3項及び第4項並びに第 55 条 を遵守する。
10 治験責任医師及び治験分担医師は、別に定める臨床研究部部員(以下、「治験コーディネーター」という)に治験協力者として被験者への説明と同意取得のための支援を求める。
(被験者に対する医療)
第 20 条 治験責任医師は、治験に関連する医療上の全ての判断に責任を負う。
2 病院長及び治験責任医師は、被験者の治験参加期間中及びその後を通じ、治験に関した臨床上問題となる全ての有害事象に対して、十分な医療が被験者に提供されることを保証する。また、治験責任医師又は治験分担医師は、有害事象に対する医療が必要となったことを知った場合、被験者にその旨を伝える。
3 治験責任医師又は治験分担医師は、被験者に他の主治医がいるか否かを確認し、被験者の同意のもとに、主治医に被験者の治験への参加について知らせる。
4 被験者が治験の途中で参加を取り止めようとする場合、又は取り止めた場合は、被験者はその理由を明らかにする必要はないが、治験責任医師又は治験分担医師は、被験者の権利を十分に尊重した上で、その理由を確認するため、適切な対応に努める。
(治験実施計画書からの逸脱等)
第 21 条 治験責任医師又は治験分担医師は、治験依頼者との事前の文書による合意及び治験審査委員会の事前の審査に基づく文書による承認を得ることなく、治験実施計画書からの逸脱又は変更を行ってはならない。ただし、被験者の緊急の危険を回避するためのものである等、医療上やむを得ないものである場合、又は治験の事務的事項(例:医療機関の名称・診療科名の変更、医療機関の所在地又は電話番号の変更、治験責任医師の職名の変更、モニターの変更等)のみに関する変更である場合は、この限りではない。
2 治験責任医師又は治験分担医師は、承認された治験実施計画書から逸脱した行為を理由のいかんによらず全て記録する。
3 治験責任医師又は治験分担医師は、被験者の緊急の危険を回避するためのものである等医療上やむを得ない事情のために、治験依頼者との事前の文書による合意及び治験審査委員会の事前の承認なしに治験実施計画書からの逸脱又は変更を行うことができる。その際は、治験責任医師は、緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書(書式
8)を作成し、又、治験実施計画書の改訂が適切な場合は、その案を作成し、可能な限り早急に治験依頼者並びに病院長及び治験審査委員会の承認を得るとともに、病院長を経由し
て、治験依頼者と緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書
(書式9)にて合意を得る。
第5章 治験薬の管理
(治験薬の管理)
第 22 条 治験薬の管理責任は、病院長が負う。
2 病院長は、治験薬を適切に保管、管理させるために治験薬管理者を指名し、病院内で実施される全ての治験の治験薬を管理させるものとする。なお、治験薬管理者は必要に応じて治験薬管理補助者を指名し、治験薬の保管、管理を行わせることができる。
3 治験薬管理者は、治験依頼者が作成した治験薬の取扱い及び保管、管理並びにそれらの記録に際して従うべき指示を記載した手順書に従って、また、GCP省令を遵守して適正に治験薬を保管、管理する。
4 治験薬管理者は次の業務を行う。
1)治験依頼者から治験薬を受領し、治験薬受領書を発行する。
2)治験薬の保管、管理及び払い出しを行う。
3)治験薬管理表及び治験薬出納表を作成し、治験薬の使用状況及び治験進捗状況を把握する。
4)被験者から返却された未使用治験薬の返却記録を作成する。
5)未使用治験薬を治験依頼者に返却し、未使用治験薬返却書を発行する。
6)その他、第3項の治験依頼者が作成した手順書に従う。
5 治験薬管理者は、治験実施計画書に規定された量の治験薬が被験者に投与されていることを確認する。
第6章 治験事務局
(治験事務局の設置及び業務)
第 23 条 病院長は、治験の実施に関する事務及び支援を行う者を指名し、臨床研究部内に治験事務局を設けるものとする。なお、治験事務局は治験審査委員会事務局を兼ねるものとする。
2 治験事務局は、次の者で構成する。
1) 事務局長:臨床研究部責任者
2) 事務局員:治験コーディネーター及び事務職員 若干名
3 治験事務局は、病院長の指示により、以下の業務を行う。
1)治験審査委員会の委員の指名に関する業務(委員名簿並びに会議の記録及びその概要の作成を含む)
2)治験依頼者に対する必要書類の交付と治験依頼手続きの説明
3)治験依頼書及び治験審査委員会が審査の対象とする審査資料の受付
4)治験審査結果通知書(書式5)に基づき、病院長の治験に関する指示を記した治験審査結果通知書(書式5)の作成と治験依頼者及び治験責任医師への交付(治験審査委員会の審査結果を確認するために必要とする文書の治験依頼者への交付を含む)
5)治験契約に係わる手続き等の業務
6)治験終了(中止・中断)報告書(書式 17)の受領及びこれに基づく通知書の交付
7)記録の保存
8)治験の実施に必要な手順書の作成
9)その他治験に関する業務の円滑化を図るために必要な事務及び支援
4 第2項の治験コーディネーターは、治験責任医師の指導及び監督の下、以下の医学的判断を伴わない治験に関する業務を行う。
1)治験の対象となる被験者の適格性調査
2)治験の進捗状況の管理
3)症例報告書の作成支援
4)被験者に関する対応(第 19 条第 10 項に関する同意説明補助業務を含む)
6)治験依頼者に関する対応(第 28 条及び第 29 条を含む)
5)その他治験実施に関する業務の円滑化を図るために必要な支援業務
第7章 記録の保存
(記録の保存責任者)
第 24 条 病院長は、医療機関内において保存すべき治験に係る文書又は記録の保存責任者を指名する。
2 文書・記録ごとに定める記録の保存責任者は以下のとおりとする。
1)診療録、検査データ、同意文書等:医療事務責任者
2)レントゲンフィルム:放射線科責任者
3)治験の審査及び受託に関する文書等:臨床研究部責任者
4)治験薬に関する記録(治験薬管理表、治験薬出納表、被験者からの未使用薬返却記録、治験薬納品書、治験薬受領書等):治験薬管理者
5)治験責任医師が保存すべき治験の実施に係る文書又は記録のうち、治験の実施に関する重要な事項について行われた治験依頼者との書簡、会合、電話連絡等に関する文書:臨床研究部責任者
3 病院長又は治験の記録の保存責任者は、医療機関において保存すべき治験に係る文書又は記録が第 25 条第1項に定める期間中に紛失又は廃棄されることがないように、また、求めに応じて提示できるよう措置を講じておく。
(記録の保存期間)
第 25 条 病院長は、医療機関において保存すべき治験に係る文書又は記録を、1)又は2)の日のうちいずれか遅い日までの間保存する。なお、製造販売後臨床試験の場合は3)の日まで保存する。ただし、治験依頼者がこれよりも長期間の保存を必要とする場合は、保存期間及び保存方法について治験依頼者と協議する。
1)当該被験薬に係る製造販売承認日(開発が中止又は治験の成績が承認申請書に添付されないことを決定した旨の通知を受けた場合はその通知を受けた日から3年が経過した日)
2)治験の中止又は終了後3年が経過した日
3)製造販売後臨床試験の場合は、当該被験薬の再審査又は再評価が終了する日まで
2 病院長は、治験依頼者より前項にいう製造販売承認取得した旨を記した開発の中止等に関する報告書(書式 18)を受領する。
3 病院長は、治験依頼者より前項にいう製造販売承認取得した旨を記した開発の中止等に関する報告書(書式 18)を入手した場合は、治験審査委員会及び治験責任医師に提出し、開発の中止等に関する報告書(書式 18)の写を提出する。
第8章 治験ネットワーク
(外部医療機関からの治験審査依頼)
第 26 条 当院で実施する治験と同一の治験について、外部医療機関から審査の依頼があった場合は第6条第2項、第3項、第7条及び第9条から第 13 条並びに第 14 条第3項条の規定を準用する。
2 病院長は、前項の治験について外部医療機関の長から当院治験審査委員会へ調査審議を依頼される場合は、予め、次に掲げる事項を記載した文書により当該外部医療機関の長との契約を締結する。
1)当該契約を締結した年月日
2)院長(当院治験審査委員会の設置者)及び当該医療機関の名称及び所在地
3)当該契約に係る業務の手順に関する事項
4)当院治験審査委員会が調査審議を行う範囲及び意見を述べるべき期間
5)被験者の秘密の保全に関する事項
6)その他必要な事項
(外部医療機関における被験者の本院への受け入れ)
第 27 条 外部医療機関における被験者に関して、副作用等の発生及び当該外部医療機関では実施困難な検査等の必要が生じた場合は、当該被験者を受けいれるものとする。
2 前項の規定により当該被験者を受け入れた場合は、当該外部医療機関の治験責任医師から当該被験者の治験実施状況等、当該被験者に適切な医療及び処置等を施すために必要な情報を速やかに入手するものとする。
3 その他、外部医療機関における被験者を受け入れる場合の手続き等については被験者受け入れに係わる業務委託契約(書)を別途締結する。
第9章 モニタリング(直接閲覧)及び監査
(モニタリング)
第 28 条 治験責任医師、治験分担医師、治験協力者及び治験事務局担当者は、第 15 条に従い、治験依頼者が指名するモニターが十分なモニタリングが実施できるよう配慮する。
2 当院にモニタリングを申し入れるにあたり、モニターは臨床研究部に直接閲覧等実施連絡票
(院内書式4)を送信する。
3 臨床研究部はxxxxが治験実施計画書及びその関連書類に明記されている機関に所属の者であることを確認の上、モニタリングの日時を決定し、当該モニターに受け入れについて連絡する。臨床研究部職員は、モニタリングの日時までに、前項の直接閲覧等実施連絡票に記載された資料等を準備する。
4 モニタリングは臨床研究部が指定する場所において行い、モニタリングへの立会いは、治験責任医師、治験分担医師、治験協力者が行う。なお、必要に応じて、臨床研究部事務職員が対応する。
(監査)
第 29 条 治験責任医師、治験分担医師、治験協力者及び治験事務局担当者は、第 15 条に従い、治験依頼者が指名する監査担当者が十分な監査が実施できるよう配慮する。
2 当院に監査を申し入れるにあたり、監査担当者は、臨床研究部に直接閲覧等実施連絡票(院内書式4)を送信する。
3 臨床研究部は、監査担当者が治験実施計画書及びその関連書類に明記されている機関に所属の者であることを確認の上、監査の日時を決定し、当該監査担当者に受け入れについて連絡する。臨床研究部職員は監査の日時までに、前項の直接閲覧等実施連絡票に記載された資料等を準備する。
4 監査は臨床研究部が指定する場所において行い、監査への立会いは、治験責任医師、治験分担医師、治験協力者が行う。なお、必要に応じて、臨床研究部事務職員が対応する。
以 上