※移植に際し、細胞の分散を防ぐ目的で人工関節液「アルツ:超短期吸収型ヒアルロン酸を、1cc移植では0.5~0.6cc程、2cc移植では1~1.2cc程使用(適 応外使用:出来上がってきた細胞数により増減)します。
自家培養真皮線維芽細胞移植術 説明・同意書
本同意書は「自家培養真皮線維芽細胞移植術」(以下、本治療という)を受けられる患者様のために作成いたしました。治療内容をご理解いただき、患者様ご本人の意思に基づいて本治療を受けられるかどうかをお決め下さい。
【真皮線維芽細胞と真皮線維芽細胞移植術とは】
ひょうひ し ん ぴ
真皮線維芽細胞は真皮の線維を作り出す芽のような細胞です。皮膚は表皮と真皮からできています。表皮の厚さは平均
約0.2㎜であり、その95%は表皮ケラチノサイトという細胞で構成されています。一方、真皮の厚さは平均約2㎜で、
80%以上はコラーゲン線維からできており、肌のハリを保っています。そのコラーゲン線維を作るのが、真皮線維芽細胞です。真皮線維芽細胞移植術はこの細胞を移植する事によって真皮萎縮症の改善をはかる治療法です。
【本治療の対象となる症状】
本治療の対象疾患等は、真皮萎縮症です。真皮萎縮症とはステロイド長期連用による真皮の萎縮、アトピー性皮膚炎による真皮萎縮、過度な紫外線暴露による真皮萎縮(光老化)、さらに加齢などの経年変化による過度な真皮の萎縮により、皮膚の強度や弾力性を失った皮膚の改善、回復を目的とする方を治療の対象とします。
治療部位は顔面、首前面、手の甲とし、真皮萎縮により見える範囲の大きい部分への皮膚改善を目的とした方を治療の対象とします。なお急性期を越えて、炎症が沈静化した疾患に限ります。
【本治療を受けられない方】
以下①~⑦のいずれかの条件に当てはまる患者様は本治療を受けることができません。
①20歳未満の方 ②妊娠中、妊娠の可能性がある方 ③本治療の内容について理解が難しいと判断した方 ④当院指定の感染症検査で陽性反応がでた方 ⑤ヒトインスリンや抗生物質、他の薬剤に対し過敏症の既往歴がある方 ⑥著しく多臓器機能が悪い方、それについて治療中の方 ⑦その他、担当医師が不適当と判断した場合
【治療内容】
1) 血液検査:感染症の項目は ①梅毒 ②HBV(B型肝炎) ③HCV(C型肝炎) ④HIV(エイズ) ⑤HTLV - 1(成人T細胞白血病) ⑥パルボウィルスB19(必要な場合に限る) 検査結果は1週間程で確認ができます。
2) 皮膚の採取:培養する皮膚の採取と培養に用いる採血を行います。耳の後ろから1㎝×0.5㎝の皮膚を採取します
(採取量の増加を希望する場合は医師と相談)。局所麻酔を施すので痛みはなく、創部は絆創膏で固定、約1週間で治癒します(医師の判断で縫合の場合もあり)。培養に用いる採血量は大凡140㎖ですが医師の判断で変わる場合あります。
※採取した皮膚の状態が悪く、規格に準じた細胞数ができない場合、再採取するか、治療自体を断念する場合もある。
3) 細胞の培養:委託先の細胞加工施設にて、採取した皮膚から細胞を抽出。抽出した細胞は培養を経て、治療に用いる真皮線維芽細胞となります。
4) 細胞移植1回目:表面麻酔を約20~30分行った後、顔面、首前面、手の甲など症状の気になる部分に注射器で細かく穿刺し、細胞を移植します。移植時間は1㏄あたり約15分程度です。移植直後は凹凸や針跡が出現しますが、1~2日で殆ど目立たなくなります。まれに「腫れ」が1週間以上続くこともありますが、これは正常な生体反応です。移植当日から腫れが引くまでの間は、熱いお風呂に長時間入る、治療局所を冷やし過ぎるなどの刺激はお控えください。移植後1
0時間経過後から洗顔、メイクが可能(強く擦るのはお控えください)です。
※移植に際し、細胞の分散を防ぐ目的で人工関節液「アルツ:超短期吸収型ヒアルロン酸を、1cc移植では0.5~0.6cc程、2cc移植では1~1.2cc程使用(適応外使用:出来上がってきた細胞数により増減)します。
※細胞の定着を促進し少量の細胞でも効果をだす目的で「フィブラストスプレー:合成FGF(トラフェルミン)」を1ccあたり0µ ℊ~5µℊ使用(適応外使用:年齢・症状により増減)します。インフォームド・コンセント後、患者様のご希望により「フィブラストスプレー:合成FGF(トラフェルミン)」を予め使用しない方法も選択できます。
5) 細胞移植2回目:細胞移植1回目と同様の方法で移植を行います。
6) 検診:定期ケアとして移植後1か月後、3カ月後、6か月後、1年後に来院いただき検診を受けていただきます。
7) 再移植:生体材料を原料とする為、おいて、細胞移植が再度必要と判断した場合は追加の移植を行います。
本人の生体材料を原料とするため、一回に治療できる範囲が限られます。そのため検診にて、細胞移植が必要と判断された場合、追加の移植を行います。
【本治療法の利点】
1) ご自身の真皮線維芽細胞(自家細胞)によるxx治療であり、ヒアルロン酸注入療法、コラーゲン注入療法、ボトックス注入療法などの一過性の対症療法とは異なります。
2) ご自身の真皮線維芽細胞を用いるため、異物反応やアレルギーの可能性は限りなく低いと考えられており、自己組織への生体適合性が高く効果も期待できます。
3) 施術による患者様へのダメージを最小限に抑えることがxxxx。
【本治療法の有害事象ならびに注意点】
1) 自家細胞を移植することから細胞移植そのものによる異物反応、アレルギーの危険性は非常に低いと考えられますが下記が観察されております。ただし、後遺障害は観察されておりません。
・治療時、治療後に局部(治療部位)の発赤、腫脹、一過性色素沈着が起こる場合があります。非常にまれに治療部位以外に発赤、腫脹、一過性色素沈着が起こる場合もあります。なお、一般的にこれらの症状は1 週間ほどで完全に消失しますが、非常にまれに数ヶ月~1年程度続く場合があります。
・治療部位での皮下出血斑、治療していない部位への皮下出血斑が見られる場合もあります(上眼瞼を治療した場合の下眼瞼など)。なお、一般的にこれらの症状は1~2週間ほどで完全に消失しますが、非常にまれに数ヶ月~1年程度続く場合があります。
・治療後、治療部位に炎症反応を起こす場合があります。腫れが数日から1週間程度持続する場合があります。なお、一般的にこれらの症状は1~2週間ほどで完全に消失しますが、非常にまれに炎症性変化が数ヶ月~1年程度続く場合があります。
・治療後、一時的な皮膚のざらつき感や、凹凸感が出現する場合があり、まれにこれらの症状は外見上からも認識される場合があります。なお、一般的にこれらの皮膚症状は数ヶ月後には消退しますが、非常にまれに1年程度続く場合があります。
・フィブラストスプレーを使用することによって細胞の定着促進や少量の細胞でも効果を期待できますが、皮膚が硬くなるなどの過剰肉芽組織ができる事があります。
・線維芽細胞抽出のため耳の後ろの皮膚切開時の術後瘢痕やケロイドが残る場合はあります。
・皮膚切開後、麻酔の効果が切れた後に疼痛を感じる事があります。
2) 効果の出現程度、持続期間は患者様の症状や年齢、治療回数により異なります。
3) 本人の生体材料を原料とするため、一回に治療できる範囲が限られます。
4) 授乳に対する危険性はほとんど考えられませんが、ご心配の方は予め医師にご相談ください。
5) 悪性新生物(がん)の根治後もしくは経過観察中の方は、予め医師にご相談ください。原則、悪性新生物(がん)治療を優先させていただきます。
6) 治療時に使用する薬剤による副作用が起こる可能性があります。もし、薬剤による副作用が起こった場合は、症状に応じて適切な処置を行いますので、直ちに当院までご連絡ください。
【他の治療法】
真皮萎縮症とはステロイド長期連用による真皮の萎縮、アトピー性皮膚炎による真皮萎縮、過度な紫外線暴露による真皮萎縮(光老化)、さらに加齢などの経年変化による過度な真皮の萎縮などの症状により引き起こされるものです。
この症状に対しての治療法は有効性の高い治療法がなく、民間療法としてマッサージ、肌に塗布するクリーム、高周波を利用した美容装置レーザーによる除去などで目立ちにくくする方法や一過性の対処療法(ヒアルロン酸注入法やコラーゲ
ン注入療法、ボトックス注入療法など)などがあります。一般的にこれらの治療法は保存療法であり、症状を改善させることは望めないと考えられております。真皮線維芽細胞移植術はご自身の真皮線維芽細胞(自家細胞)を移植することによりxx的な真皮萎縮の症状の改善を図る治療法です。
【細胞培養に対する注意事項(皮膚の再採取と細胞移植の遅延)】
採取した皮膚の状態により、細胞が増えにくい場合があり、治療継続が困難と判断した際は皮膚の再採取を行います。委託先細胞培養加工施設の取扱不備により、細胞培養が出来なくなった場合、細胞移植が最大5週間程遅延します。非常事態(長時間の停電、天変地異等)により、万が一培養が中断された場合、細胞移植が最大5週間程遅延します。
【患者様の自己決定権について】
本治療は患者様ご自身の判断(意思決定)によって開始されます。本治療を希望されない場合、他の治療法を選択する権利があります。また、本治療開始前、治療中にかかわらず、中止・中断、再開する権利があります。患者様の意思決定の如何にかかわらず不利益は発生しません。尚、患者様のご判断で本治療を中止した場合はキャンセル料が生じます。
【健康被害が発生した場合の補償について】
もし健康被害が生じた場合は、遠慮なくお申し出ください。直ちに医師が対応し、必要に応じて最善の処置を行います。 当クリニックでは、救急医療指定病院である日本大学病院と提携し直ちに救急医療が受けられる体制を整えております。本治療が原因で健康被害を生じた場合、治療にかかる料金は補償させていただきます。一方、予見できない副作用発症の場合や治療効果についての主観的な相違がある場合の治療費や補償については双方協議して決定します。
【患者様の秘密保持について】
患者様の秘密の保持に関して、この治療に携わる医師には、刑法第134条(秘密漏示)の守秘義務が、また看護師、受付スタッフ、培養技術者にも守秘義務が課せられています。患者様の同意を得ることなく当院への受診、治療効果等が公表されることはございません。ただし、法令に基づく関係省庁への報告義務の履行についてはこの限りではございません。本治療に係る個人情報は、クリニック管理者によって法に基づいて厳正に管理されています。
【情報開示について】
委託先細胞加工施設へ治療に必要な範囲内で患者様の個人情報を提供します。患者様の個人情報の利用目的の通知、個人情報の開示、訂正、追加、削除、個人情報の利用もしくは第三者への提供の停止等の求めに応じ対応します。
【お問い合せ窓口】
本治療に関するお問い合せ、治療中・治療後の患者様からのお問い合せ、苦情については下記までご連絡ください。医療法人社団 桜伸会 サンテクリニック (窓口受付時間:日曜・祝日の休診日を除く11:00~18:30)
x000-0000 xxxxxxxx0-00-00 xxxxxx0x TEL:00-0000-0000 責任者(院長):xx x
【治療費用について】
■診察代(初診時のみ):10,000円 ■血液検査代:50,000円 ■皮膚採取代:150,000円 ■細胞抽出代:100,000円
■移植代(細胞加工・手技料込み) 1cc:150,000円 2cc:260,000円 3cc:370,000円 4cc:480,000円
■細胞保管料 1ヶ月:10,000円 年間:120,000円
※保管料は細胞委託会社と患者様の直接契約となるため、患者様より細胞委託会社に直接お支払いいただきます。
【キャンセル・返金に関するポリシー】
患者様のご判断による中止、中断の場合、以下の規定により返金もしくはキャンセル料が発生します。
返金額は各工程の進捗状況により決定しますが、各工程で終了している治療はそこまでの料金を頂戴します。細胞培養にかかわる各工程(細胞抽出後、ならびに細胞培養委託後)のキャンセル料は以下のとおりです。
■細胞抽出後 1cc:67,500円 2cc:110,000円 3cc:166,500円 4cc:207,000円
■細胞培養委託後(移植予定の15日前まで) 1cc:15,000円 2cc:26,000円 3cc:37,000円 4cc:48,000円
■細胞培養委託後(移植予定の14日前から) 1cc:150,000円 2cc:260,000円 3cc:370,000円 4cc:480,000円
※最初の細胞抽出には最低限の原価がかかるため、培養加工会社へ支払う金額を基準に設定しております。
治療同意書
医療法人社団 桜伸会 サンテクリニック 御中
このたび、私は皮膚・血液を採取し、自家真皮線維芽細胞移植術を行うにあたり、担当医師より詳細な説明を受け、十分に理解し、納得した上で自らの意思で施術を受けることに同意します。特に下記項目については、担当医師とともに確認いたしました。
■ エイズを含めた感染症検査を行い、感染症が認められた場合は治療を断念すること
■ 痛みの緩和のため「麻酔薬(エムラ、ペンレス、キシロカイン)」を使用すること
■ 細胞の分散を防ぐため人工関節液「ヒアルロン酸:承認名『アルツ』承認薬(適用外使用)」を少量使用すること(1cc移植の場合0.5~0.6cc、2cc移植の場合は1~1.2ccほど)
■ 細胞の定着を促進するため皮膚治療剤「トラフェルミン(合成FGF)商品名『フィブラストスプレー』承認薬(適用外使用)」を
□ 少量使用すること □ 使用しないこと
■ 治療料金について
年 月 日
患者様 氏名(本人自署)
住所
同席者 氏名(任意)
担当提供医師
【その他特記事項】
この同意書にサインした後でも撤回することができます。このことで患者様の正当な権利が制限されることはありません。