Contract
2022年 10 ⽉ 24⽇
ミネベアミツミ株式会社
ミネベアミツミ初の「グリーンボンド」発⾏に関するお知らせ
ミネベアミツミ株式会社(以下、当社という)は、2022 年 5 ⽉ 11 ⽇に公表したグリーンボンド・フレームワークに基づき、当
社初となるグリーンボンド(無担保社債)の発⾏を 2022 年 11 ⽉以降に予定し、本⽇ 10 ⽉ 24 ⽇、本発⾏に向けた社債の訂正発⾏登録書を関東財務局⻑に提出しましたので、お知らせいたします。
1. 本グリーンボンド発⾏の⽬的と背景
現在、脱炭素社会の実現や SDGs(持続可能な開発⽬標)の達成に向けて、環境・社会課題に対する企業の姿勢がこれまで以上に求められています。このようななか、当社が社会的公器として最も真剣に取り組まなければならないのは、単に利益を向上させることではなく部品メーカーとして社会的課題を解決していくことであると考えています。
そこで、当社は、製造業の競争⼒の源泉である「QCDS(Quality 品質、Cost 価格、Delivery 納期、Service サービス)」に、「Eco(環境)/Efficiency(効率)」と「Speed(スピード)」 を加えた「QCDESS®」を、当社の 100 周年にあたる 2051 年に向けた基礎固めのための経営戦略として掲げました。品質・価格・納期・サービスだけでなく、環境への配慮・効率性を徹底した製品の開発・製造・販売を経営戦略の中⼼に置き、企業活動そのものを通して地球環境の改善、持続可能な社会の発展への貢献することを⽬指しております。QCDESS 戦略の具体的な 2 本柱の施策として、再⽣エネルギーの活⽤や省エネルギー化を推進することによるカーボンニュートラルへの挑戦と、当社製品の省エネ効率の向上を通じ、世界全体のカーボンニュートラルに貢献する MMI ビヨンドゼロの推進があります。特に、世界の電⼒消費の半分はモーターからきているといわれており、その構成部品であるボールベアリングからアナログ半導体において、当社の超精密加⼯技術を駆使することが社会の役に⽴つと考えております。⾃社の CO₂排出量の削減努⼒に加え、当社の部品をご使⽤いただいている世界のお客様の CO₂排出量削減を強⼒にサポートすることで、世界全体の CO₂排出量削減に貢献していきます。当社は、このたび発⾏を予定するグリーンボンドを活⽤し、カーボンニュートラルに向けた脱炭素電源の調達や、当社製品の省エネ効率の向上に資するプロジェクトへの投資を⾏うことで、持続可能な地球環境の実現に貢献してまいります。
* QCDESS は、ミネベアミツミ株式会社の登録商標です。登録番号は 6538154 号です。
2. 本グリーンボンドの概要
社債の名称 | ミネベアミツミ株式会社第 10 回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(グリーンボンド) (別称︓ミネベアミツミ・グリーンボンド) |
発⾏年限 | 5 年 |
発⾏額 | 未定 |
発⾏時期 | 2022 年 11 ⽉以降(予定) |
グリーンボンド適合性評価 | 国際資本市場協会(ICMA)の「グリーンボンド原則 (Green Bond Principles)2021」及び環境省の「グリーンボンドガイドライン 2020 年版」に適合しており、第三者機関である株式会社⽇本格付研究所(JCR)より「JCR グリーンボンド・フレームワーク評価」の最上位評価である「Green 1 (F)」の評価を取得済 |
主幹事証券会社 | xx證券株式会社、三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券株式 会社、⼤和証券株式会社 |
ストラクチャリング・エージェント* | xx證券株式会社 |
* グリーンボンド・フレームワークの策定および第三者評価取得の助⾔等を通じて、グリーンボンドの発⾏⽀援を⾏う者のこと。株式会社⽇本格付研究所(JCR)によるグリーンボンド・フレームワーク評価結果 (別紙 1)
<ご参考>
グリーンボンド・フレームワーク (別紙 2)
ご注意︓この⽂書は、グリーンボンド発⾏に向けた訂正発⾏登録書の提出に関して⼀般に公表するための発表⽂であり、投資勧誘⼜はそれに類する⾏為を⽬的として作成されたものではありません。
以上
掲載されている情報は、発表⽇現在のものです。
その後、製品情報、問い合わせ先などが変更になっている場合がありますのであらかじめご了承下さい
報道関係お問い合わせ先︓
ミネベアミツミ株式会社 広報・IR 室
Phone: 00-0000-0000 Fax: 00-0000-0000 E-mail: xxxxxxx@xxxxxxxxxxxxxx.xxx
別紙 1
22 -D-0086
2022 年 5 月 11 日
JCR グリーンボンド・フレームワーク評価 by Japan Credit Rating Agency, Ltd.
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおりグリーンボンド・フレームワーク評価結果を公表します。
ミネベアミツミ株式会社の
グリーンボンド・フレームワークに Green 1(F)を付与
発 行 体 | : | ミネベアミツミ株式会社(証券コード:6479) |
評 価 対 象 | : | グリーンボンド・フレームワーク |
<グリーンボンド・フレームワーク評価結果>
総合評価 | Green 1(F) |
グリーン性評価(資金使途) | g1(F) |
管理・運営・透明性評価 | m1(F) |
第 1 章:評価の概要
1.ミネベアミツミ株式会社の概要
ミネベアミツミ株式会社(ミネベアミツミ)は 1951 年設立の幅広い製品をグローバルで展開する総合精密部品メーカーである。2017 年に電子部品大手のミツミ電機を完全子会社化し、「ミネベア」から「ミネベアミツミ」に商号変更した。超精密機械加工技術や大量生産技術をはじめとするコア技術を生かし、8
つのコア事業と 3 つのサブコア事業を手掛け、ニッチ分野を中心に多角化を図っている。なお、ミネベアミツミは、自社保有技術を融合、活用してコア事業を進化させるとともに、その進化した製品をさらに相合することでさまざまな分野で新たな製品を創出する、という意味を込めて、自社のことを、「総合」ではなく、「相い合わせる」ことを意味する、「相合(そうごう)」精密部品メーカーと称している。
主力の機械加工品事業では、ミニチュアボールベアリング、HDD 用ピボットアッセンブリーで世界シェアの過半を占め、航空機用ロッドエンド・ファスナーでも高いシェアを有する。電子機器事業ではモーター、LED バックライト、計測機器などを扱う。ミツミ事業は、スマートフォン向け光デバイス、ゲーム機向け機構部品、アナログ半導体などを主力とする。ユーシン事業は 19 年に買収した自動車部品メーカーのユーシンを主体とする。ミニチュアボールベアリングやモーター、アナログ半導体などコア事業に定義される製品群は、技術革新があっても容易に置き換わることがなく、収益基盤が安定している。現在、製品の製造・販売において、国内に加え、中国、タイ、フィリピン、マレーシア、カンボジア、韓国、シンガポールなどのアジア、米国、欧州の各国にてグローバルに事業を展開している。
2.ミネベアミツミのサステナビリティ戦略
ミネベアミツミは、「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」を経営理念とし、経営上の重要課題(マテリアリティ)にも、「地球環境課題解決への貢献」を設定している。同理念のもと、「QCDESS™: Quality, Cost, Delivery, Eco/Efficiency, Service, Speed」を戦略の基盤として掲げている。品質・価格・納期・サービスだけでなく、環境への配慮・効率性を徹底した製品の開発・製造・販売を経営戦略の中心に置くことで、企業活動そのものを通して地球環境改善に貢献したいと考えている。さらに、環境目標として、製品による CO2 排出削減貢献量 2020 年度対比 30%増加(約 230 万 t-CO2、2030 年度目標)、グリーンプロダクツの売上高比率 90%以上(2028 年度目標)、自社の CO2 排出量 2020 年度対比 30%削減(2030 年度目標)を設定している。
ミネベアミツミでは、サステナビリティ推進部門が主体となってサステナビリティに関する取り組みを推進しており、CO2 の排出削減量の算定などはサステナビリティ推進部門に属するグループ環境管理室が行っている。また、部門に属さない会議体として、Carbon Neutral Steering Committee(CNSC)、環境マネジメント委員会、リスク管理委員会が設定されている。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言へ賛同しているほか、「CDP 気候変動 2021」および「CDP ウォーターセキュリティ 2021」において、どちらも「A-」の評価を得ている。社内の環境マネジメントについては、ISO14001 の外部審査による認証を受けている。以上より、専門的知見を有する社内外の専門家がサステナビリティに関する取り組みに関与している。
3.グリーンボンド・フレームワークについて
今般の評価対象は、ミネベアミツミが環境目標の達成に資する施策のうち、省電力に資する高品質ベアリング、革新的精度向上ベアリングの生産や研究開発に係る費用、EV 主機モーター用ベアリングの生産や研究開発に係る費用、自社の CO₂排出削減を推進するため、自社の事業活動にて利用する電力をクリーンエネルギーへ転換するための設備投資または電力購入に係る費用に対する資金充当を目的として設定したグリーンボンド・フレームワーク(本フレームワーク)である。JCR は、ミネベアミツミが本フレームワークで定めた適格基準は、いずれも地球・社会のサステナビリティに大きく貢献するものであると評価している。また、プロジェクトの選定プロセス、資金管理体制および発行後レポーティング体制等についても適切に構築され、透明性が高いと評価している。
この結果、本フレームワークについて、JCR グリーンファイナンス評価手法に基づき、「グリーン性評価
(資金使途)」を“g1(F)”、「管理・運営・透明性評価」を“m1(F)”とした。この結果、「JCR グリーンボンド・フレームワーク評価(総合評価)」を“Green 1(F)”とした。評価結果は次章にて詳述する。また、本フレームワークは「グリーンボンド原則1」および「グリーンボンドガイドライン2」において求められる項目について基準を満たしていると JCR は評価している。
1 グリーンボンド原則 2021 年版
https:// xxx.xxxxxxxxx.xxx/xxxxxx/xxxxxxxxx/Xxxxxxxxxxx - finance/ 2021 - updates/ Green- Bond-Principles- June- 2021 - 140621 . pdf
2 グリーンボンドガイドライン 2020 年版
https:// www.en v. xx.xx/xxxxx/xxxxx/xx/000000.xxx(xx.00 - 47)
第 2 章:各評価項目における対象事業の現状と JCR の評価
評価フェーズ1 : グリーン性評価
JCR は評価対象について、以下に詳述する現状およびそれに対する JCR の評価を踏まえ、本フレームワークから発行されるグリーンボンドの資金使途の 100%がグリーンプロジェクトであると評価し、評価フェーズ1:グリーン性評価は、最上位である 『g1(F)』 とした。
(1) 評価の視点
本項では最初に、調達資金が明確な環境改善効果をもたらすグリーンプロジェクトに充当されているかを確認する。次に、資金使途において環境へのネガティブな影響が想定される場合に、その影響について内部の専門部署又は外部の第三者機関によって十分に検討され、必要な回避策・緩和策が取られているかについて確認する。最後に、持続可能な開発目標(SDGs)との整合性を確認する。
(2) 評価対象の現状と JCR の評価資金使途の概要
a. プロジェクトの環境改善効果について
<資金使途にかかる本フレームワーク>
ミネベアミツミは、本フレームワークにおいて、資金使途を以下の通り定めている。同社により発行されるグリーンボンドの発行総額と同額が新規ファイナンスまたはリファイナンスとして、新規または既存の適格プロジェクトに充当される予定である。なお、既存プロジェクトへの充当の場合は、グリーンボンドの発行から 2 年以内に実施されたものとしている。
事業区分 | ICMA GBP カテゴリー | 適格事業 |
A. ボールベアリングの生産および研究開発 | ・ 環境適応製品、環境に配慮した生産技術およびプロセスおよび認証を受けた高環境効率製品 | 下記製品の生産設備に係る設備投資および研究開発に係る費用 ◼ 省電力に資する高品質ベアリング ◼ 革新的精度向上ベアリング <想定最終用途> ・ データセンターで利用されるファンモーター ・ 高級家電( エアコン等) |
・ クリーン輸送 | 下記製品の生産設備に係る設備投資および研究開発に係る費用 ◼ EV 主機モーター用ベアリング <想定最終用途> ・ x EV( 電動車) | |
B. 脱炭素電源調達 | ・ 再生可能エネルギー | 自社の事業活動にて利用する電力をクリーンエネルギーへ転換するための設備投資または電力購入に係る費用 ◼ 自社設備へのxxx発電等の導入、運営、維持 ◼ 再生可能エネルギー電力購入 |
(出所:ミネベアミツミ グリーンボンドフレームワークより JCR 作成)
<本フレームワークに対する JCR の評価>
分類 A-1 : ボールベアリングの生産および研究開発 省電力に資する高品質ベアリング、革新的精度向上ベアリング
資金使途分類 A-1 は、省電力に資する高品質ベアリング、革新的精度向上ベアリングの生産設備に対する投資や研究開発に係る費用である。本資金使途は、グリーンボンド原則における「高環境効率商品、環境適応商品、環境に配慮した 生産技術およびプロセス」、環境省のグリーンボンドガイドラインに例示されている資金使途のうち、「環境配慮製品、環境に配慮した製造技術・プロセスに関する事業」に該当する。
ベアリングは、自動車、産業機械を始めとするあらゆる機械の回転部分に使用され、機械製品の性能、品質を左右する機械要素部品である。軸を正確かつ滑らかに回転させ、摩擦によるエネルギー損失や発熱を低減させる部品で、まさに省エネルギーそのものを機能とする環境貢献型製品である。ベアリングは、超精密加工や、材料の工夫によって、輸送用機械、工業用機械など様々な分野で CO2 削減に貢献しており34、今後も、省エネルギーへの貢献が期待されている。また、製品寿命を延ばすことにも寄与するため、廃棄物を減らすという観点から、省資源にも資する。
本資金使途分類で対象とするのは、省電力に資する高品質ベアリング、革新的精度向上ベアリングである。ミネベアミツミのミニチュアボールベアリングは、モーター等の回転機器の最重要部品であり、データセンターをはじめとした IT 関連電子機器の冷却用ファンモーターや、エアコンの部品に採用されている。摩擦の低減によるモーターのエネルギー効率の向上や、最終製品のダウンサイジングへの貢献によって、エネルギー総量の削減に資する。特に、DX(デジタル・トランスフォーメーション)のさらなる推進により、データセンターの電力消費/CO₂排出量が社会的課題になるなか、データセンター向けのベアリングによる省エネルギーの効果は環境に対して大きな貢献をすると想定される。JCR は、以下の算定式を用いた定量的な CO2 排出削減量貢献量の試算結果の開示を受け、適切に計算されていることを確認した。
図 1.CO2 排出削減貢献量 算定式
製品使用時の 消費電力削減効果
(出所:ミネベアミツミ グリーンボンド・フレームワーク)
ミネベアミツミは 2021 年 5 月に新中期事業計画目標の中で、創業 100 周年にあたる 2051 年に向けた戦略(QCDESS 戦略)を公表し、戦略に資する 2 本柱の施策の一つとして、「MMI ビヨンドゼロの推進」を掲げた。「MMI ビヨンドゼロ」とは、同社製品の省エネ効率の向上を通じ、世界全体のカーボンニュートラルに貢献することである。具体的には、同社製品の精度を上げることで、それを使用する顧客やその先の顧客の商品の電力を削減し、CO₂排出量の削減に貢献する取り組みである。
3 2016 年 11 月 日本ベアリング工業会ベアリングの CO 2 排出削減貢献レポート
https:// xxx.xxxx.xx.xx/xxx/xxxxxxxxxxxxx.xxx
4 ミネベアミツミグループ統合報告書 2021
https:// xxx.xxxxxxxxxxxxxx.xxx/xxxx/xxxxxxxxx/xxxxxxxxxx/xxxxxxxxxx_xxxxxx/x0000/__xxxXxxxx/xxxxxxxxxx/0 021/ 10/ 08/ 2021_integrated_report. pdf
4/19
ミネベアミツミは、2020 年度から削減貢献量の算定を開始し、2030 年度までに削減貢献量の 2020 年度比 30%増加を目指すことを環境目標として公表している。
分類 A-2: ボールベアリングの生産および研究開発 EV 主機モーター用ベアリング
資金使途分類 A-2 は、EV の普及に伴い需要の拡大が見込まれる EV 主機モーター用ベアリングの生産設備への新規投資や研究開発に係る費用である。資金使途分類 A-2 は、グリーンボンド原則における「クリーン輸送」、環境省のグリーンボンドガイドラインに例示されている資金使途のうち、「クリーンな運輸に関する事業」に該当する。
EV 主機モーター用ベアリングについては、前述したベアリングそのものの省エネルギーに資する機能に加え、最終製品である xEV(電動車)5自体がクリーンな輸送機器であり、環境改善効果は高い。従来ミネベアミツミでは外径 22mm 以下を中心とした小径・ミニチュアボールベアリングを製造してきたが、EV 主機モーター用ベアリングはより大きい外径のものが求められる。そこで、ミネベアミツミは、小径・ミニチュアボールベアリングで培った高速回転、電食対応、高温耐久性のノウハウとグループ会社のテクノロジーを相合し、より大きい外径に対応する独自の EV 主機モーター用ベアリングの開発を進めている。当該技術について、ミネベアミツミは既に実装段階に入っており、主として生産設備の増強に資金を充当する予定である。
また、EV 主機モーター用ベアリングについては、日本ベアリング工業会における、ベアリング業界のカーボンニュートラル行動計画フェーズII 目標 (「低炭素社会実行計画」(2030 年目標))6において、2050 年カーボンニュートラルに向けた革新的技術の開発・導入として、「燃料電池車
(FCV)・電気自動車(BEV)等の先端技術に必要なベアリングの開発」が挙げられており、業界のカーボンニュートラルに向けた取り組みとしても整合的である。
世界の主要国で温暖化対策を目的とした EV の普及を促す動きが顕著になっている。国際エネルギー機関(IEA)の予測7によれば、2030 年の世界のEV(BEV+PHEV)の生産台数は、持続可能シナリオでは、2020 年の 316 万台から 4,664 万台まで急速に拡大し、全販売台数の約 35%を占める見通しとなっており、EV の基幹部品である EV 主機モーターに用いられるベアリングの需要は拡大する見込みである。
5 経済産業省資源エネルギー庁 https:// xxx.xxxxxx.xxxx.xx.xx/xxxxx/xxxxxxx/xx hoteikyo/ xev. html
BEV( Battery Electric Vehicle )、 HEV( Hybrid Electric Vehicle )、 PHEV/ PHV( Plug- in Hybrid Electric Vehicle/ Plug-in Hybrid Vehicle )、 FCEV/ FCV( Fuel Cell Electric Vehicle / Fuel Cell Vehicle )の総称
6 2021 年度第 1 回 産業構造審議会 産業技術環境分科会 地球環境小委員会 電子・ 電機・ 産業機械等ワーキンググループ 資料 6 日本ベアリング工業会 資料
https:// xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxxx/xxxxxxxxx/xxxxxx_xxxxxxx/xxxxxx_xxxxxx/xxxxxx_xx/xxx/0000_000_00_0 2. pdf
7 IEA Global EV car sales scenario 2020 - 2030 ( 2021 年 4 月 28 日更新)
https:// xxx.xxx.xxx/xxxx-xxx-xxxxxxxxxx/xxxxxx/xxxxxx-xx-xxxxx-xx-xxxxxxxx-0000-0000
図 2.IEA EV(BEV+PHEV)販売台数予測
[百万台]
50
既往政策シナリオ
持続可能シナリオ
40
30
20
10
0
[%]
40
35
30
25
20
15
10
5
0
2020 2025 2030 2025 2030
中国 欧州 米国 日本 インド その他 EVの割合
(出所:IEA 2030 年世界の EV 生産台数予測データより JCR 作成)
分類 B: 脱炭素電源調達
資金使途分類 B は、カーボンニュートラル実現に向けて、自社の CO₂排出削減を推進するため、自社の事業活動にて利用する電力をクリーンエネルギーへ転換するための設備投資または電力購入に係る費用である。資金使途分類Bは、グリーンボンド原則における「再生可能エネルギー」、グリーンボンドガイドラインに例示されている資金使途のうち、「再生可能エネルギーに関する事業」に該当する。
本資金使途は、自社工場から排出される CO2 削減を企図した再生可能エネルギー由来電力の調達費用および自社工場における再生可能エネルギー設備の設置費用である。ミネベアミツミの GHG 排出量の約 9 割は電気の使用に起因しており、電源調達方法を再生可能エネルギーに転換、又は、xxx等再エネ発電施設を工場に設置することにより、大幅な排出量削減が見込める。すでに、ミネベアミツミでは、海外所在の 2 工場にメガソーラー発電施設を整備し、年間 4,000 t-CO2 換算の排出削減を実現した。今後も、再生可能エネルギーの導入によって、さらなる自社の CO2 排出削減を推進すべく、再エネの導入・調達について社内検討を進めている。
ミネベアミツミは 2021 年 5 月に新中期事業計画目標の中で、創業 100 周年にあたる 2051 年に向けた戦略(QCDESS 戦略)を公表した。QCDESS 戦略に資する具体的な 2 本柱の施策の一つとしても、「カーボンニュートラルへの挑戦」を掲げ、自社の CO₂排出削減推進を打ち出している。同社は 2030 年度の当社売上高 2.5 兆円目標を掲げており、特段の施策を打たない場合には CO₂排出量は現状の数倍に上ることが想定される。xxx発電の導入などの再生エネルギーの活用や社内の省エネルギー化を推進することにより、2030 年度の CO₂排出量につき 2020 年度比 30%削減を目指すことを環境目標として公表している。本資金使途は、同削減目標の実現に資する使途であると JCR は評価している。
図 3. ミネベアミツミ カーボンニュートラルへの挑戦
*Business as usual (特段の対策のない場合の CO₂排出量)
(出所:ミネベアミツミ グリーンボンド・フレームワーク)
以上より、JCR は、ミネベアミツミが定めた資金使途は、ミネベアミツミが環境目標の達成に資する施策であり、いずれも高い環境改善効果が期待されると評価している。
b. 環境に対する負の影響について
ミネベアミツミは、すべての適格候補事業は、環境・社会的リスク低減のために以下について対応していることを確認することをフレームワークにて明記している。
⚫ 事業所在地の国・地方自治体にて求められる環境関連法令等の遵守
⚫ 事業所在地の国・地方自治体にて求められる工場・製造設備の建設・導入やxxx発電等施設の建設・運営に関する安全面に関する法令等の遵守
⚫ 事業の実施にあたり地域住民への十分な説明の実施
ミネベアミツミの製造設備は電化したものがほとんどであり、製造に伴う大気への環境負荷は小さい。また、エネルギー効率の高い設備やプロセスの採用により、工場からの廃棄物、排水が最小限となるよ う、規制にて求められる水準を上回る取り組みを実施している。特に排水に関しては、水使用量の多い タイ、中国の工場において「工場排水ゼロシステム」を導入し、放流する工場排水とその環境影響のゼ ロ化に取り組んでいる。
以上より、JCR はミネベアミツミが環境に対する負の影響について、適切に対処していると評価している。
c. SDGs との整合性について
JCR は、本フレームワークを通じて実現されるプロジェクトは、ICMA の SDGs マッピングを参考にしつつ、以下の SDGs の目標およびターゲットに貢献すると評価した。
目標 7:エネルギーをみんなに そしてxxxxに | |
ターゲット 7.2 2030 年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。 ターゲット 7.3 2030 年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。 | |
目標 9:産業と技術革新の基礎をつくろう | |
ターゲット 9.4 2030 年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術および環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。すべての国々は各国の能力に応じた取り組みを行う。 | |
目標 12:つくる責任 つかう責任 | |
ターゲット 12.2 2030 年までに天然資源の持続可能な管理および効率的な利用を達成する。 | |
目標 13:住み続けられる街づくりを | |
ターゲット 13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。 |
評価フェーズ2 : 管理・運営・透明性評価
JCR は評価対象について、以下に詳述する現状およびそれに対する JCR の評価を踏まえ、x x・運営体制がしっかり整備され、透明性も非常に高く、計画どおりの事業の実施、調達資金の充当が十分に期待できると評価し、評価フェーズ2:管理・運営・透明性評価は、最上位である
『m1(F)』 とした。
1. 資金使途の選定基準とそのプロセスに係る妥当性及び透明性
(1) 評価の視点
本項では、本フレームワークを通じて実現しようとする目標、グリーンプロジェクトの選定基準とそ のプロセスの妥当性および一連のプロセスが適切に投資家等に開示されているか否かについて確認する。
(2) 評価対象の現状と JCR の評価
a. 目標
<グリーンボンドを通じて実現を目指す目標にかかる本フレームワーク>
QCDESS 戦略と環境負荷低減への対応
サプライチェーン全体で CO₂排出量削減が求められるなかで、当社のような超精密部品メーカーとしても、GX
(グリーン・トランスフォーメーション)への取り組みは喫緊の課題であり、CO₂排出量削減に貢献できない部品・製品は市場から駆逐されていくと考えています。
そこで、当社の経営戦略の中でも、製造業の競争力の源泉である「QCDS(Quality 品質、Cost 価格、
Delivery 納期、Service サービス)」に、「Eco( 環境)/Efficiency( 効率)」と「Speed( スピード)」 を加えた
「QCDESS」を新たな 100 周年の基礎固めとして掲げ、品質・価格・納期・サービスだけでなく、環境への配慮・効率性を徹底した製品の開発・製造・販売を経営戦略の中心に置くことを決定しました。
QCDESS 戦略の具体的な 2 本柱の施策として、当社では①カーボンニュートラルへの挑戦、②MMI ビヨンドゼロの推進を行っています。
①カーボンニュートラルへの挑戦
カーボンニュートラル実現に向けて、まずは自社の CO₂排出削減を推進してまいります。2030 年度の当社売上高 2.5 兆円という目標を達成するにあたり、特段の施策を打たない場合には CO₂排出量は現状の数倍に上ることが想定されます。そこで、xxx発電の導入などの再生エネルギーの活用や社内の省エネルギー化を推進することにより、2030 年度の CO₂排出量につき 2020 年度比 30%削減を目指します。
②MMI ビヨンドゼロの推進
「MMI ビヨンドゼロ」とは、当社製品の省エネ効率の向上を通じ、世界全体のカーボンニュートラルに貢献するというものです。具体的には、当社製品の精度を上げることで、それを使用するお客様やその先のお客様の商品の電力を削減し、CO₂排出量を削減することに貢献する取り組みです。
当社製品によるCO₂排出削減貢献量の算定は、電子情✲技術産業協会(JEITA)のガイドラインに準拠して行っており、評価対象製品の消費電力と、1 世代前の当社部品が搭載されている製品の消費電力を比較したときの消費電力の削減量に基づき算定しています。
2020 年度から削減貢献量の算定を開始し、2020 年度は 175 万 9 千 t- CO₂という結果を得ました。この削減貢献量を 2030 年度までに 30%増やすことを目標とします。
<本フレームワークに対する JCR の評価>
ミネベアミツミは、2021 年 9 月に経営理念を「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」と見直し、脱炭素など外部環境の変化を踏まえ、経営の重要課題として「マテリアリティ」も改めて見直しを行った。マテリアリティの一つとして、「地球環境課題解決への貢献」を掲げ、強みである超精密機械加工技術と相合をいかした「環境貢献型製品による世界の CO₂排出量削減」と、「事業活動による環境負荷の最小化」を両立させることを目指している。また、ミネベアミツミが公表した環境目標では、CO2 排出削減貢献量 2020 年度対比 30%増加(約 230 万 t-CO2、2030 年度目標)、グリーンプロダクツの売上高比率 90%以上
(2028 年度目標)、自社の CO2 排出量 2020 年度対比 30%削減(2030 年度目標)を設定している。
本フレームワークで定めた資金使途のうち、A 分類:ボールベアリングの生産および研究開発は、前述した通り省エネルギーに資する製品の普及につながり、会社自体のサステナビリティと地球全体のサステナビリティを強力に推し進めるための施策である。すなわち、「環境貢献型製品による世界の CO₂排出量削減」と整合しており、環境目標の CO2 排出削減貢献量目標に貢献する。資金使途のうち B 分類は、「事業活動による環境負荷の最小化」と整合し、環境目標の自社の CO2 排出量削減目標に資する使途であると JCR は評価している。
以上より、本フレームワークで対象としている事業は、ミネベアミツミの経営理念および環境目標と整合的であると JCR は評価している。
b. 選定基準
ミネベアミツミにおける資金使途の選定基準は、評価フェーズ 1 に記載の通りであり、JCR では、前述の選定基準について、いずれも地球・社会のサステナビリティを推進するうえで意義の高いプロジェクトを対象とした水準であると評価している。
c. プロセス
<選定プロセスにかかる本フレームワーク>
プロジェクトの評価と選定のプロセス
担当事業本部が事業計画を策定し、経営管理部や財務部等のメンバーから構成される検討委員会にて事前検討を行い、当社の業務意思決定機関である取締役会において決定します。その上で、適格事業の要件に適合するか財務部が担当事業部門と協議・確認を経て選定し、東京本部長が最終決定します。
<本フレームワークに対する JCR の評価>
ミネベアミツミのグリーンボンドの選定プロセスでは、環境への貢献度が高く、かつ環境・社会的リスク低減のための取り組みを実施していることが確認できた事業をグリーン適格事業として設定する。環境への貢献度が高いことの確認は、①該当事業を担当する事業本部により策定された事業計画の内容および②当該事業の実施による CO2 排出削減量換算値および当社内におけるグリーンプロダクツとしての基準への適合状況を基に、グループ環境管理室によって判断される。これらの情報を基に、経営管理部や財務部等のメンバーから構成される検討委員会が事前検討を行い、その検討結果をもとに、同社の業務意思決定機関である取締役会が最終的に決定する。
実際に調達された資金を充当する際は、経営管理部と財務部が中心となって資金配分を決定する。財務部が担当事業部門と協議・確認を行い、充当候補事業が適格事業の要件に適合するかを東京本部長が最終的に判断・決定する。
以上より、社内の専門部署であるグループ環境管理室が、グリーン性を判断し、取締役会によって最終決定されること、資金充当においては取締役専門である東京本部長が最終決定を行うことから、適切な選定プロセスが構築されていると JCR は判断した。
本フレームワークに定められているミネベアミツミの目標、選定基準、プロセスは、適切に構築されている。ミネベアミツミは、フレームワーク上にグリーンボンドの満たすべき要件として目標、選定基準、プロセスを明記し、フレームワーク文書をウェブページ上に掲載し開示する予定である。また、起債に際しては、フレームワークの内容については、債券発行に際しての開示書類にも記載し、投資家への周知をはかり、起債にあたっての投資家へのIR を通じて、これらの内容を直接投資家に説明も行う予定である。よって、透明性は確保されている。
2. 資金管理の妥当性および透明性
(1) 評価の視点
調達資金の管理方法は、発行体によって多種多様であることが通常想定されるが、グリーンボンドの発行により調達された資金が、確実にグリーンプロジェクトに充当されること、また、その充当状況が容易に追跡管理できるような仕組みと内部体制が整備されているか否かを確認する。
また、グリーンボンドにより調達した資金が、早期にグリーンプロジェクトに充当される予定となっているか、また、未充当資金の管理・運用方法の評価についても重視している。
(2) 評価対象の現状と JCR の評価
<資金管理にかかる本フレームワーク>
調達資金の管理
グリーンボンドとして調達した資金については、当社の財務部が適格事業への充当および管理を行います。財務部は、本フレームワークにて発行されたグリーンボンドの発行額と同額が適格事業のいずれかに充当されるよう、償還までの間、定期的に内部管理システムを用いて、追
跡、管理します。
グリーンボンドによる調達資金が適格事業に全額充当されるまでの間、現金または現金同等物にて運用し、発行から 3 年の間に充当を完了する予定です。
<本フレームワークに対する JCR の評価>
ミネベアミツミは、財務部が資金管理に関する指示を出し、各地の経理部の担当者がその指示に従って資金管理を行う。本フレームワークにて発行されたグリーンボンドの発行額と同額が適格事業のいずれかに充当されるよう、償還までの間、自社開発した会計管理システムを用いて、財務部が定期的に追跡、管理する。資金の管理については、東京本部長が最終承認を行う。グリーンボンドによる調達資金は、適格事業に全額充当されるまでの間、現金または現金同等物の安全な方法にて運用される。
フレームワークに基づく調達資金の充当計画について、ミネベアミツミは、全ての事業において、リファイナンスの場合はグリーンボンドの発行時から 2 年以内に実施、稼働開始された事業を対象とし、新規ファイナンスの場合の充当は債券発行から 3 年以内に完了する予定であることを JCR は確認した。また、ミネベアミツミは次回債にて調達する資金の具体的充当事業について、リファイナンスおよび新規ファイナンスを想定し、適切に充当先の事業の資金計画を立てていることも併せて確認した。
内部会計管理システムの数値の確からしさについては、経理部で決算を取り纏め、東京本部長が経営会議に上程する過程で、監査法人による監査を四半期毎に受けることで担保している。また、資金調達に関連する契約書や支払伝票等の各種文書については、法令および当社で定められている文書管理方法に基づき、定められた管理方法に従い、定められた期間において、適切な場所に保管される。
以上から、JCR ではミネベアミツミの資金管理についての妥当性および透明性は高いと評価している。
3. レポーティング体制
(1) 評価の視点
本項では、本フレームワークを参照して行われるグリーンボンドの発行前後の投資家等への開示体制が詳細かつ実効性のある形で計画されているか否かを評価する。
(2) 評価対象の現状と JCR の評価
<レポーティングにかかる本フレームワーク>
資金充当状況レポーティング
当社はグリーンボンドにて調達された資金が全額充当されるまでの間、年次にて、調達資金の適格事業への充当状況に関する以下の項目について、実務上可能な範囲でレポーティングする予定です。
✓ 調達資金の適格事業への充当額と未充当額
✓ 未充当額がある場合は、充当予定時期
✓ 新規ファイナンスとリファイナンスの割合
資金充当状況に関する初回レポートは、グリーンボンドの発行日から 1 年以内に発行する予定です。なお、調達資金が充当された後に大きな資金状況の変化が生じた場合は、適時に開示します。
インパクトレポーティング
グリーンボンドの償還までの間、適格事業による環境への効果に関する以下の項目について、年次にて、実務上可能な範囲でレポートする予定です。また、大きな状況の変化が生じた場合は、適時に開示します。
事業区分 | ICMA GBP カテゴリー | 適格事業 | インパクト レポーティング項目( 例) |
ボールベアリングの生産および研究開発 | ・ 環境適応製品、環境に配慮した生産技術およびプロセスおよび認証を受けた高環境効率製品 | ◼ 省電力に資する高品質ベアリング | ・ 技術・製品の概要 ・ 顧客利用時の CO2 排出削減量( t- CO2 /年) ・ 研究開発の場合、 ∙ 研究開発計画の概要と進捗状況 |
◼ 革新的精度向上ベアリング | |||
∙ 研究開発対象事業の概要と 目指す効果についての説明 | |||
( 想定利用目的や製品等) | |||
・ クリーン輸送 | ◼ EV 主機モーター用ベアリング | ・ 技術・製品の概要 ・ 搭載された xEV( 電動車) の台数( 台/ 年) | |
・ 研究開発の場合、 ∙ 研究開発計画の概要と進捗状況 | |||
∙ 研究開発対象事業の概要と 目指す効果についての説明 | |||
( 想定利用目的や製品等) | |||
脱炭素電源調達 | ・ 再生可能エネルギー | ◼ 自社設備へのx xx発電等の導入、運営、維持 | ・ 設置地域別の CO2 排出削減量( t- CO2 /年) |
◼ 再生可能エネルギー電力購入 | ・ CO2 排出削減量( t- CO2 /年) |
<本フレームワークに対する JCR の評価>
a. 資金の充当状況に係るレポーティング
ミネベアミツミは、グリーンボンドで調達した資金の充当状況について年次にてウェブサイト、統合報告書のいずれかまたは両方で開示する予定である。調達資金の充当対象に滅失等の大きな変動が生じ、未充当資金が発生した場合も同様にその内容を開示する予定である。JCR では、資金の充当状況にかかるレポーティングは適切であると評価している。
b. 環境改善効果に係るレポーティング
ミネベアミツミは、環境改善効果にかかるレポーティング項目として、本フレームワークに記載 の内容を年次にてウェブサイト、統合報告書のいずれかまたは両方で開示することを予定している。なお、ボールベアリングの生産および研究開発における顧客利用時の CO2 排出削減貢献量について は、電子情報技術産業協会(JEITA)ガイドラインに準拠して、算定する。評価対象製品の消費電力と
1 世代前の部品が搭載されている製品の消費電力を比較したときの消費電力の削減量を、削減効果と
しており、評価フェーズ 1 に記載の算定式(p.4)にて定義している。
以上より、レポーティング内容は、環境改善効果については具体的かつ定量的なデータを含むものであり、JCR は本レポーティング計画に定める開示項目および開示頻度について、環境改善効果にかかる指標が十分開示される予定であり、適切であると評価している。
4. 組織の環境への取り組み
(1) 評価の視点
本項では、発行体の経営陣が環境問題について、経営の優先度の高い重要課題と位置づけているか、環境分野を専門的に扱う部署の設置又は外部機関との連携によって、グリーンボンド発行方針・プロセス、グリーンプロジェクトの選定基準などが明確に位置づけられているか、等を評価する。
(2) 評価対象の現状と JCR の評価
ミネベアミツミは、「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」を経営理念としている。もともと、経営の本質は
「サステナビリティ(持続可能性)」であるという信念のもと、「より良き品を、より早く、より多く、 より安く、より賢くつくることで社会に貢献する。」という経営理念を掲げ、継続的な成長と持続可能 性を追求し、利益の最大化とリスクマネジメントに努めていた。近年、脱炭素社会の実現や SDGs の達 成に向けて、環境・社会課題に対する企業の姿勢がこれまで以上に求められていることを踏まえ、将来 に向けたさらなる同社の成長と地球・社会の持続可能な発展の両立を目指し、2021 年 9 月に、経営理念 に“持続可能性”の観点を加えた表現の見直しを実施した。また、脱炭素など外部環境の変化を踏まえ、経営の重要課題として「マテリアリティ」も改めて見直しており、「地球環境課題解決への貢献」を重 要課題として掲げている。
図 4.ミネベアミツミグループの経営理念・マテリアリティ・環境目標
(出所:ミネベアミツミグループ統合報告書 2021)
ミネベアミツミは、2021 年 5 月に新中期事業計画目標についての説明を行い、創業 100 周年にあたる 2051 年に向けて、新たな 100 周年の基礎固めとして QCDESS 戦略を公表した。これは、製造業の競争力の源泉である「QCDS(Quality 品質、Cost 価格、Delivery 納期、Service サービス)」に、「Eco
(環境)/Efficiency(効率)」と「Speed(スピード)」 を加えたものである。品質・価格・納期・サービスだけでなく、環境への配慮・効率性を徹底した製品の開発・製造・販売を経営戦略の中心に置くことで、企業活動そのものを通して地球環境改善に貢献したいと考えている。QCDESS 戦略の具体的な 2本柱の施策として、①カーボンニュートラルへの挑戦(自社の CO2 排出削減)、②MMI ビヨンドゼロの推進(CO2 排出削減貢献)に取り組んでいる。さらに、ミネベアミツミは、①②の施策に加え、ミネベアミツミグリーンプロダクツ制度(※)など、環境貢献型製品の開発・普及に取り組んでいる。ミネベ
アミツミの試算によれば、2020 年度の CO2 排出削減貢献量は 1,759 千 t-CO2、2020 年度のグリーンプロダクツの売上高比率は 87.4%であった。
※ミネベアミツミグリーンプロダクツ制度:2019 年より導入された、省スペースや省エネルギー化に貢献する製品の中でも、特に環境貢献に優れた製品を選定する制度。制度認定の要件は社内に公開されており、専門部署であるグループ環境管理室が選定する。認定された製品は認定マークを付けて広報することが可能となり、環境貢献度の高いものだと社内外に明示的にアピールできる。
図 5.ミネベアミツミの製品による CO2 排出削減貢献量の実績(2020 年度)
(出所:ミネベアミツミグループ統合報告書 2021)
図 6.ミネベアミツミグリーンプロダクツ売上高比率(2020 年度)
(出所:ミネベアミツミグループ統合報告書 2021)
ミネベアミツミは、上記取り組みを行うにあたって、サステナビリティ推進部門を設置している。 CO2 の排出削減量の算定等はサステナビリティ推進部門に属するグループ環境管理室が行っている。また、部門に属さない会議体として、環境マネジメント委員会、リスク管理委員会、Carbon Neutral Steering Committee(CNSC)が、社長執行役員直下の組織として設置されている。環境マネジメント委員会は、気候変動課題を深く考察する会議体であり、気候変動に関連するリスクや機会の評価、対応計画について議論する。リスク管理委員会は会社全体のリスク管理における重要な意思決定をおこなう機関で、気候変動リスクへの対応も環境マネジメント委員会と連携して行う。環境マネジメント委員会およびリスク管理委員会は、気候変動に関するリスク、機会およびそれぞれの対応状況につき定期的に取
締役会へ報告する。CNSC は GX(グリーン・トランスフォーメーション)など社会の変化に対応できるように、2021 年に新設された会議体であり、電源調達などの気候変動への対応方法について議論し、全社的な合意形成の場と位置付けられている。CNSC の委員長は、元環境省大臣官房審議官、北海道大学大学院・東北大学大学院教授の経験を有する者が務めている。
また、ミネベアミツミは、気候関連財務情報開示の重要性を認識し、2020 年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同している。さらに、外部評価として、「CDP 気候変動 2021」および「CDP ウォーターセキュリティ 2021」において、どちらも「A-」の評価を得ている。社内の環境マネジメントについては、ISO14001 の外部審査による認証を受けている。
以上より、経営陣が環境問題を経営の優先度の高い重要課題と位置づけているほか、専門的知見を有する社内外の専門家が組織としてサステナビリティに関する取り組みに関与していると JCR では評価している。
■評価結果
本フレームワークについて、JCR グリーンファイナンス評価手法に基づき「グリーン性評価(資金使途)」を“g1(F)”、「管理・運営・透明性評価」を“m1(F)”とした。この結果、「JCR グリーンボンド・フレームワーク評価」を“Green 1(F)”とした。本フレームワークは、「グリーンボンド原則」および「グリーンボンドガイドライン」において求められる項目について基準を満たしていると考えられる。
【JCR グリーンボンド・フレームワーク評価マトリックス】
管理・運営・透明性評価 | ||||||
m1(F) | m2(F) | m3(F) | m4(F) | m5(F) | ||
グリーン性 評価 | g1(F) | Green1(F) | Green2(F) | Green3(F) | Green4(F) | Green5(F) |
g2(F) | Green2(F) | Green2(F) | Green3(F) | Green4(F) | Green5(F) | |
g3(F) | Green3(F) | Green3(F) | Green4(F) | Green5(F) | 評価対象外 | |
g4(F) | Green4(F) | Green4(F) | Green5(F) | 評価対象外 | 評価対象外 | |
g5(F) | Green5(F) | Green5(F) | 評価対象外 | 評価対象外 | 評価対象外 |
(担当)xx xx・xx xx
本評価に関する重要な説明
1. JCR グリーンファイナンス・フレームワーク評価の前提・意義・限界
日本格付研究所(JCR)が付与し提供する JCR グリーンファイナンス・フレームワーク評価は、グリーンファイナンス・フレームワークで定められた方針を評価対象として、JCR の定義するグリーンプロジェクトへの適合性ならびに資金使途等にかかる管理、運営および透明性確保の取り組みの程度に関する、JCR の現時点での総合的な意見の表明です。したがって、当該方針に基づき実施される個別債券または借入等の資金使途の具体的な環境改善効果および管理・運営体制・透明性評価等を行うものではなく、当該フレームワークに基づく個別債券または個別借入につきグリーンファイナンス評価を付与する場合は、別途評価を行う必要があります。また、JCR グリーンファイナンス・フレームワーク評価は、当該フレームワークに基づき実施された個別債券または借入等が環境に及ぼす改善効果を証明するものではなく、環境改善効果について責任を負うものではありません。グリーンファイナンス・フレームワークにより調達される資金の環境改善効果について、JCR は発行体または発行体の依頼する第三者によって定量的・定性的に測定される事項を確認しますが、原則としてこれを直接測定することはありません。
2. 本評価を実施するうえで使用した手法
本評価を実施するうえで使用した手法は、JCRのホームページ(xxxxx://xxx.xxx.xx.xx/)の「サステナブルファイナンス・ESG」に、「JCR グリーンファイナンス評価手法」として掲載しています。
3. 信用格付業にかかる行為との関係
JCR グリーンファイナンス・フレームワーク評価を付与し提供する行為は、JCR が関連業務として行うものであり、信用格付業にかかる行為とは異なります。
4. 信用格付との関係
本件評価は信用格付とは異なり、また、あらかじめ定められた信用格付を提供し、または閲覧に供することを約束するものではありません。
5. JCR グリーンファイナンス・フレームワーク評価上の第三者性
本評価対象者と JCR との間に、利益相反を生じる可能性のある資本関係、人的関係等はありません。
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、またはその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、または当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCR は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。JCR グリーンファイナンス評価は、評価の対象であるグリーンファイナンスにかかる各種のリスク(信用リスク、市場流動性リスク、価格変動リスク等)について、何ら意見を表明するものではありません。また、JCR グリーンファイナンス評価は JCR の現時点での総合的な意見の表明であって、事実の表明ではなく、リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもありません。JCR グリーンファイナンス評価は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。JCR グリーンファイナンス評価のデータを含め、本文書にかかる一切の権利は、JCR が保有しています。JCR グリーンファイナンス評価のデータを含め、本文書の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■用語解説
JCR グリーンファイナンス・フレームワーク評価:グリーンファイナンス・フレームワークに基づき調達される資金が JCR の定義するグリーンプロジェクトに充当される程度ならびに当該グリーンファイナンスの資金使途等にかかる管理、運営および透明性確保の取り組みの程度を評価したものです。評価は 5 段階で、上位のものから順に、Green1(F)、Green2(F)、Green3(F)、Green4(F)、Green5(F)の評価記号を用いて表示されます。
■サステナビリティファイナンスの外部評価者としての登録状況等
・ 環境省 グリーンボンド外部レビュー者登録
・ ICMA (国際資本市場協会に外部評価者としてオブザーバー登録)
・UNEP FI ポジティブインパクト金融原則 作業部会メンバー
・Climate Bonds Initiative Approved Verifier (気候債イニシアティブ認定検証機関)
■その他、信用格付業者としての登録状況等
・ 信用格付業者 金融庁長官(格付)第 1 号
・ EU Certified Credit Rating Agency
・ NRSRO:JCR は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の
4 クラスに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則
17g-7(a)項に基づく開示の対象となる場合、当該開示は JCR のホームページ(xxxxx://xxx.xxx.xx.xx/xx/)に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 TEL:00-0000-0000 FAX:00-0000-0000
別紙 2
ミネベアミツミ グリーンボンド・フレームワーク
2022 年 5 月
1. はじめに
1.1 会社概要
ミネベアミツミ(以下、「当社」)は、1951 年 7 月、日本で初めてのミニチュアベアリング専業メーカーとしてxxxxx区に誕生しました。70 周年の歴史の積み重ねのなかで、当社は電子機器分野に進出するとともに、ミツミ電機、ユーシン、エイブリックとの経営統合を経て、ボールベアリングからモーター、センサー、アクセス製品、半 導体に至るまで、8 本槍*と呼ぶコア事業を中心に世界でも類をみないユニークな事業ポートフォリオを持つ「相 合(そうごう)**」精密部品メーカーへと成長しました。現在、製品の製造・販売において、国内のみならず、中国、タイ、フィリピン、マレーシア、カンボジア、韓国、シンガポールなどのアジア、米国、欧州の各国にてグローバルに事業を展開しています。
* 8 本槍: 当社のコア事業の定義である①巨大な市場において、ニッチ領域である、②超高品質、超精密機械加工技術が活用できる、③技術革新があっても容易には置き換わらない、という 3 つの基準を満たしている事業であり、その中でも特に当社が高シェア・高収益をあげ、競争優位性を発揮できるベアリング、モーター、アクセス製品、アナログ半導体、センサー、コネクタ/スイッチ、電源、無線/通信/ソフトウェア、の 8 つの中核製品・事業のこと。
** 相合(そうごう): 「総合」ではなく、「相い合わせる」ことを意味し、自社保有技術を融合、活用してコア事業「8本槍」を進化させるとともに、その進化した製品をさらに相合することでさまざまな分野で新たな製品を創出すること。
1.2 当社の経営理念とサステナビリティ
当社では、「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する」を経営理念としています。これは、経営の本質は「サステナビリティ(持続可能性)」であるという信念のもと、将来に向けたさらなる当社の成長と地球・社会の持続可能な発展の両立を目指し、経営理念に“持続可能性”の観点を加えた表現の見直しを実施したものです。
経営戦略においては、「Eco/Efficiency」を重視する「QCDESSTM*」戦略を 100 周年に向けた基礎固めとして新たに掲げています。さらに、GX(グリーン・トランスフォーメーション)・DX(デジタルトランスフォーメーション)など社会の変化に素早く対応するため、「Carbon Neutral Steering Committee」、「Global Information Security Steering Committee」などの委員会を新設しています。
そして、脱炭素など外部環境の変化を踏まえ、経営の重要課題として「マテリアリティ」も改めて見直しをいたしました。「地球環境課題解決への貢献」として製品による CO₂排出削減貢献量**や自社の CO₂排出量削減目標を明確化するとともに、「社会を支える高品質な精密部品の創出」のために、大量生産・安定供給体制およびx x・安全な管理体制の構築や、環境・人権問題に配慮した調達の推進、地域社会への共生により力を入れてい きます。さらに、「従業員の力を最大化」に向け、人材育成やダイバーシティの推進などボトムアップをはかる活動も推進していきます。
* QCDESS: 当社独自の戦略で、QCDS(Quality, Cost, Delivery, Service)に E(Eco/Efficiency)と S
(Speed)を加えたもの。詳細は「1.3 QCDESS 戦略と環境負荷低減への対応」をご参照。
** CO₂排出削減貢献量: 以下の算定式により算出・可視化。
製品使用時の 消費電力削減効果
経営の基本方針
(成長と持続可能性実現のための方策)
経営の基本方針
(経営理念を実現するための社員の行動指針)
経営理念
(成長と持続可能性への貢献に対する基本的な考え方)
より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献する
社是「五つの心得」に基づいた透明度の高い経営
1. 従業員が誇りを持てる会社でなければならない
2. お客様の信頼を得なければならない
3. 株主の皆様のご期待に応えなければならない
4. 地域社会に歓迎されなければならない
コーポレート・ガバナンス
マテリアリティ(重要課題)
重要テーマ3: 従業員の力を最大化
重要テーマ2: 社会を支える高品質な精密部品の創出
重要テーマ1: 地球環境課題解決への貢献
経営戦略
5. 国際社会の発展に貢献しなければならない
常識を超えた「違い」による新しい価値の創造
Passion to Create Value through Difference
コア事業の多角化と「相合」によるシナジー |
「相合」による差別化 |
自律成長を主軸に、積極的なM&Aで事業拡大 |
「QCDESS」戦略の推進 |
環境目標
⚫製品によるCO₂排出削減貢献量 2031年3月期 約 230万トン
(2021年3月期比)
⚫グリーンプロダクツ売上高比率 2029年3月期 90%以上
⚫CO₂排出量 2031年3月期 総量 ▲30%
(2021年3月期比)
経営目標 (2029年3月期まで)
売上高 2.5兆円 and/or 営業利益 2,500億円
EPS成長率+15%以上 CAGR ROE15%以上
持続的成長の基盤として、コーポレート・ガバナンスを継続的に強化し、経営の透明性を確保
2051年
創業100周年
会社としての
×
地球・社会の
サステナビリティ
サステナビリティ
重要テーマ 1 | 地球環境課題解決への貢献 | |
マテリアリティ | 主な中期目標(2025年度めど) | |
1 | 環境貢献型製品による世界のCO₂ 排出量削減 | ⚫ 製品によるCO₂排出削減貢献量 約230万トン(2031年3月期) ⚫ グリーンプロダクツの売上高比率90%以上 (2029年3 月期) |
2 | 事業活動による環境負荷の最小化 | ⚫ 自社のCO₂排出量を売上高原単位で2020年3月期比10%削減(2026年3月期) ⚫ 自社のCO₂排出量を総量で2021年3月期比30%削減(2031年3月期) |
重要テーマ 2 | 社会を支える高品質な精密部品の創出 | |
マテリアリティ | 主な中期目標(2025年度めど) | |
3 | 超精密部品の大量・安定供給体制の強化 | ⚫ 精度大幅アップによる超高性能ベアリングなどの量産体制構築 ⚫ 事業拡大による、新規分野の製品にも対応可能な、製品安全管理体制の強化 |
4 | 責任ある調達の推進 | ⚫ 環境・人権問題を考慮したCSR調達ガイドラインの高度化(ガイドラインへのRBA基準の導入と、それに基づく自己監査の実施) |
5 | 地域社会との共生 | ⚫ 地域社会とのコミュニケーションの継続 |
重要テーマ 3 | 従業員の力を最大化 | |
マテリアリティ | 主な中期目標(2025年度めど) | |
6 | グローバル規模の人材育成 | ⚫ ミネベアミツミグループとしての統合効果をいかし、グローバルでの事業の拡大、発展を積極的に推進するための人材開発強化 |
7 | グローバル規模のダイバーシティの推進 | ⚫ 新卒採用における女性の割合20%以上 |
8 | 働きやすい環境づくり | ⚫ 従業員が生き生きと働くための多様な働き方の実現 |
9 | 従業員の安全と健康 | ⚫ 重大労働災害(死亡事故)ゼロ件 ⚫ 定期健康診断受診率100% |
1.3 QCDESS 戦略と環境負荷低減への対応
サプライチェーン全体で CO₂排出量削減が求められるなかで、当社のような超精密部品メーカーとしても、GX
(グリーン・トランスフォーメーション)への取り組みは喫緊の課題であり、CO₂排出量削減に貢献できない部品・製品は市場から駆逐されていくと考えています。
そこで、当社の経営戦略の中でも、製造業の競争力の源泉である「QCDS(Quality 品質、Cost 価格、Delivery納期、Service サービス)」に、「Eco(環境)/Efficiency(効率)」と「Speed(スピード)」 を加えた「QCDESS」を新 たな 100 周年の基礎固めとして掲げ、品質・価格・納期・サービスだけでなく、環境への配慮・効率性を徹底した製品の開発・製造・販売を経営戦略の中心に置くことを決定しました。
QCDESS 戦略の具体的な 2 本柱の施策として、当社では①カーボンニュートラルへの挑戦、②MMI ビヨンドゼロの推進を行っています。
1.3.1 カーボンニュートラルへの挑戦
カーボンニュートラル実現に向けて、まずは自社の CO₂排出削減を推進してまいります。2030 年度の当社売上高 2.5 兆円という目標を達成するにあたり、特段の施策を打たない場合には CO₂排出量は現状の数倍に上ることが想定されます。そこで、xxx発電の導入などの再生エネルギーの活用や社内の省エネルギー化を推進することにより、2030 年度の CO₂排出量につき 2020 年度比 30%削減を目指します。
*Business as usual (特段の対策のない場合の CO₂排出量)
1.3.2 MMI ビヨンドゼロの推進
「MMI ビヨンドゼロ」とは、当社製品の省エネ効率の向上を通じ、世界全体のカーボンニュートラルに貢献するというものです。具体的には、当社製品の精度を上げることで、それを使用するお客様やその先のお客様の商品の電力を削減し、CO₂排出量を削減することに貢献する取り組みです。
当社製品による CO₂排出削減貢献量の算定は、電子情報技術産業協会(JEITA)のガイドラインに準拠して行っており、評価対象製品の消費電力と、1 世代前の当社部品が搭載されている製品の消費電力を比較したときの消費電力の削減量に基づき算定しています。
2020 年度から削減貢献量の算定を開始し、2020 年度は 175 万 9 千 t- CO₂という結果を得ました。この削減貢献量を 2030 年度までに 30%増やすことを目標とします。
こうした取り組みのほか、ミネベアミツミグリーンプロダクツ制度も運用しており、環境貢献型製品の開発・普及に取り組んでいます。
◆ ミネベアミツミグリーンプロダクツ
当社の製品は、ほぼすべてがダウンサイジングを可能とする、小型で精密な環境貢献型製品で あり、摩擦や抵抗を減らすことで省スペースや省エネルギー化に貢献し、製品・事業そのものが地球環境改善に貢献しています。2019 年より、そのなかでも特に環境貢献に優れた製品を選定し、ミネベアミツミグリーンプロダクツとして認定する「グリーンプロダクツ制度」を導入しました。当社は、今後さらに、企業活動そのものを通じて省エネルギーや地球環境改善に貢献する製品を創出し、 2028 年度には当社売上高に占めるグリーンプロダクツの比率を 90%以上にまで高める計画で
す。今後、超高品質、省エネルギー化への社会的な要求の高まりとともに、当社の貢献・成長のチャンスはますます拡大していくと考えています。
<カーボンニュートラルと MMI ビヨンドゼロを合わせた CO₂排出量削減効果>
現在、脱炭素社会の実現や SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、環境・社会課題に対する企業の姿勢がこれまで以上に求められています。このようななか、当社が社会的公器として最も真剣に取り組まなければならないのは、単に利益を向上させることではなく部品メーカーとして社会的課題を解決していくことであると考えています。世界の電力消費の半分はモーターからきているといわれるため、ボールベアリングからアナログ半導体まで、まさに当社の超精密加工技術を駆使することが社会の役に立つと確信しています。
この度、当社の製品・企業活動そのものを通して持続可能な社会の発展への貢献を促進すべく、当社のグリーンプロダクツやカーボンニュートラルの取り組みを後押しする資金を調達するため、「グリーンボンド・フレームワーク」を策定いたしました。
2. グリーンボンド・フレームワーク
当社は、地球環境改善に貢献する企業活動を実施するための資金をグリーンボンドにて調達するために、本グリーンボンド・フレームワークを策定しました。
本フレームワークは、国際資本市場協会(ICMA)が定めるグリーンボンド原則(GBP)2021 および日本の環境省によるグリーンボンドガイドライン 2020 年版に適合していて、以下の 4 つの項目について定めています。
1. 調達資金の使途
2. プロジェクトの評価と選定のプロセス
3. 調達資金の管理
4. レポーティング
2.1 調達資金の使途
当社が発行するグリーンボンドの発行総額と同額が、新規ファイナンスまたはリファイナンスとして、新規または既存の以下の適格事業へ充当されます。なお、既存事業への充当の場合は、グリーンボンドの発行から遡って 2 年以内に実施された事業とします。
<適格事業>
事業区分 | ICMA GBP カテゴリー | 適格事業 | SDGs |
ボールベアリングの生産および研究開発 | ・ 環境適応製品、環境に配慮した生産技術およびプロセスおよび認証を受けた高環境効率製品 | 下記製品の生産設備に係る設備投資および研究開発に係る費用 ◼ 省電力に資する高品質ベアリング ◼ 革新的精度向上ベアリング <想定最終用途> ・ データセンターで利用されるファンモーター ・ 高級家電(エアコン等) | |
・ クリーン輸送 | 下記製品の生産設備に係る設備投資および研究開発に係る費用 ◼ EV 主機モーター用ベアリング <想定最終用途> ・ xEV(電動車) | ||
脱炭素電源調達 | ・ 再生可能エネルギー | 自社の事業活動にて利用する電力をクリーンエネルギーへ転換するための設備投資または電力購入に係る費用 ◼ 自社設備へのxxx発電等の導入、運営、維持 ◼ 再生可能エネルギー電力購入 |
2.2 プロジェクトの評価と選定のプロセス
本グリーンボンドの調達資金が充当される適格事業は、担当事業本部が事業計画を策定し、経営管理部や財務部等のメンバーから構成される検討委員会にて事前検討を行い、当社の業務意思決定機関である取締役会において決定します。その上で、適格事業の要件に適合するか財務部が担当事業部門と協議・確認を経て選定し、東京本部長が最終決定します。
なお、すべての適格候補事業は、環境・社会的リスク低減のために以下について対応していることを確認します。
⮚ 事業所在地の国・地方自治体にて求められる環境関連法令等の遵守
⮚ 事業所在地の国・地方自治体にて求められる工場・製造設備の建設・導入やxxx発電等施設の建設・運営に関する安全面に関する法令等の遵守
⮚ 事業の実施にあたり地域住民への十分な説明の実施
2.3 調達資金の管理
グリーンボンドとして調達した資金については、当社の財務部が適格事業への充当および管理を行います。財務部は、本フレームワークにて発行されたグリーンボンドの発行額と同額が適格事業のいずれかに充当されるよう、償還までの間、定期的に内部管理システムを用いて、追跡、管理します。
グリーンボンドによる調達資金が適格事業に全額充当されるまでの間、現金または現金同等物にて運用し、発行から 3 年の間に充当を完了する予定です。
2.4 レポーティング
当社は適格事業への充当状況ならびに環境改善効果を年次にて当社ウェブサイト、統合報告書のいずれかまたは両方にて報告します。
2.4.1. 資金充当状況レポーティング
当社はグリーンボンドにて調達された資金が全額充当されるまでの間、年次にて、調達資金の適格事業への充当状況に関する以下の項目について、実務上可能な範囲でレポーティングする予定です。
✓ 調達資金の適格事業への充当額と未充当額
✓ 未充当額がある場合は、充当予定時期
✓ 新規ファイナンスとリファイナンスの割合
資金充当状況に関する初回レポートは、グリーンボンドの発行日から 1 年以内に発行する予定です。なお、調達資金が充当された後に大きな資金状況の変化が生じた場合は、適時に開示します。
2.4.2. インパクトレポーティング
グリーンボンドの償還までの間、適格事業による環境への効果に関する以下の項目について、年次にて、実務上可能な範囲でレポートする予定です。また、大きな状況の変化が生じた場合は、適時に開示します。
事業区分 | ICMA GBP カテゴリー | 適格事業 | インパクト レポーティング項目(例) |
ボールベアリングの生産および研究開発 | ・ 環境適応製品、環境に配慮した生産技術およびプロセスおよび認証を受けた高環境効率製品 | ◼ 省電力に資する高品質ベアリング | ・ 技術・製品の概要 ・ 顧客利用時の CO2 排出削減量(t- CO2/年) ・ 研究開発の場合、 ∙ 研究開発計画の概要と進捗状況 ∙ 研究開発対象事業の概要と目指す効果についての説明(想定利用目的や製品等) |
◼ 革新的精度向上ベアリング | |||
・ クリーン輸送 | ◼ EV 主機モーター用ベアリング | ・ 技術・製品の概要 ・ 搭載された xEV(電動車)の台数 (台/年) ・ 研究開発の場合、 ∙ 研究開発計画の概要と進捗状況 ∙ 研究開発対象事業の概要と目指す効果についての説明(想定利 用目的や製品等) | |
脱炭素電源調達 | ・ 再生可能エネルギー | ◼ 自社設備へのxxx発電等の導入、運営、維持 | ・ 設置地域別の CO2 排出削減量(t- CO2/年) |
◼ 再生可能エネルギー電力購入 | ・ CO2 排出削減量(t- CO2/年) |
以上