Contract
~制度に係るルール~
ウクライナ・ビジネス支援事業
2024 年 4 月 15 日
独立行政法人 国際協力機構
目次
第 4 その他留意事項 133
1. 不正行為の防止 133
2. 秘密の保持 144
3. 個人情報保護 155
4. 採択企業の活動評価 166
6. 広報への協力依頼 166
はじめに
本資料は「ウクライナ・ビジネス支援事業」(以下「本支援事業」といいます。)への 応募を検討するにあたり、あらかじめご理解いただきたい内容を記した制度説明資料とな ります。応募前にご準備いただきたい内容や事業実施期間中を含めた本支援事業の決まり について記載していますので、本書の内容をよくご理解のうえ応募するようお願いします。
ウクライナ・ビジネス支援事業は、ウクライナの復旧・復興プロセスにおける民間ビジネスと連携した開発課題解決の促進に資する製品/サービス・技術・ノウハウを有する本邦民間企業等(以下「提案法人」といいます。)に対し、JICA が予め配置したコンサルタントによるビジネスアドバイザリ、調査事務支援を得ながら事業計画を策定する事業となります。
JICA が採択した提案法人(以下「採択企業」といいます。)は、JICA と「負担付贈与契約」を締結し、契約書に定義する「成果品」をJICA に提出すること及びその他の各条件
(本支援条件)を遵守(採択企業による「負担」)することを条件として、JICA は募集要項に定める助言及び調査支援(本支援)を採択企業に提供する(JICA による「贈与」)ものとなります。なお、提案法人の自社事業に対する助成金事業や補助金事業 1とは異なりますので、ご留意下さい。
また、契約内容は提案内容(ご提出いただいた企画書)をもとにJICA と協議のうえ決定されるため、採択時点でJICA が見積内容を含む提案内容を全て承認、契約締結を確約しているものではありませんのでご了承ください。
加えて、税金を原資とするJICA の事業は、会計検査院から定期的な検査を受ける等、各 種手続きや経費の適切な執行が求められております。しかし、残念ながら、過去には虚偽 の証憑書類に基づく精算報告を行ったため、JICA の契約から排除される「措置」2の対象 となった採択企業も発生しています。採択企業の皆様には適切な経費管理をお願いします。
1 「国が特定の事務、事業に対し、国家的見地から公益性があると認め、その事務事業の実施に資するため反対給付を求めることなく交付される金銭的給付」。補助事業者の事業への財政援助の作用を持つ(委託費と補助金の違い (mext.go.jp)より引用)。
2 独立行政法人国際協力機構が行う契約における不正行為等に対する措置規程
(https://www.jica.go.jp/joureikun/act/frame/frame110000942.htm)
第1 案件形成にあたっての前提条件
採択企業とJICA 及び JICA コンサルタントの代表的な調査活動の役割分担は以下の通りですが、提案内容や調査の進捗に応じて個別に調整が必要になる事を予めご了承くださ
い。
採択企業 | JICA 及びJICA コンサルタント | |||
調査活動 | ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ | 調査計画書(調査目的、調査工程、調査支援対象経費内訳等を含む)の作成キックオフミーティング 主体的な調査の遂行 欧州地域等の渡航及び本邦招へい並びにそれに係る準備 調査報告書(事業計画書、ロジックモデル等を含む)の作成 ビジネスプラン発表 | ① ② ③ ④ | 調査計画書策定・調査実施にかかる助言 ビジネスアドバイザリ情報収集・分析支援 (JICA コンサルタントのみ)欧州地域等の渡航及び本邦招へい並びにそれに係る準備支援 |
調査補助活動 | ① ② ③ | 採択企業内の実施体制の構築、外部要員の取り纏め JICA 及びJICA コンサルタントに対して進捗報告・相談 (計画に対する変更が発生した場合 等)協議書の作成・締結 | ① ② ③ ④ ⑤ | 採択企業=JICA 間の契約監理調査進捗のモニタリング 調査支援対象経費の予算管理・精算 航空券(欧州地域等及び本邦調査)等の現物支給 再委託契約や現地傭人等の調達・監理 |
(1) JICA 及び JICA コンサルタントの役割
JICA は、ウクライナの復旧・復興プロセスにおける民間ビジネスと連携した開発課題解 決の促進に資する採択企業のビジネスプランの策定支援を行います。具体的には、調査計 画書策定・調査実施に係る助言、JICA コンサルタントを通じたビジネスアドバイザリ、現 地及び国内でのデータ収集の支援、関連事業の情報を提供します。ビジネスアドバイザリ とは、コンセプト設計の助言、調査設計の助言、基礎情報収集及びそれを踏まえた基礎情 報の助言、ニーズ検証の助言、ソリューション検証の助言、ビジネスモデル案作成の助言、初期ビジネスプラン策定と改定の助言、受容性検証・収益性検証の助言等、検討状況に応 じた助言が含まれます。また、調査実施に必要な経費は、JICA コンサルタントを介して現 物支給します。
なお、JICA コンサルタントは、JICA の代理人という位置づけになりますので、JICA の利益に相反する行為を行うことはできません。JICA コンサルタントは、JICA コンサルタント単独での法律行為、事実行為の業務受託又は請負とみなされる行為、採択企業の業務
(本支援業務において採択企業がJICA に提出するべき提出物・成果品の作成)を代行する 行為、その他上記の範囲を超える行為等を承ることはできません。また、現地の状況や予 算の制約等の理由により、JICA コンサルタントによる支援の一部(第三国渡航への同行等)が制限されることがあります。また、JICA コンサルタントには採択企業との利益相反がな いことを確認させますが、もし採択企業の側でJICA コンサルタントと取引関係があるなど 利益相反の可能性がある事実を認識した場合は、速やかにJICA に申し出てください。
本支援事業の応募から実施の過程で採択企業に生じた直接損害、間接損害については、本調査期間中又は終了後においてもJICA 及びJICA コンサルタントは、一切責任を負わないものとします。
(2) 採択企業の役割
採択企業は、自社ビジネスの事業化に向けた準備及び実施を主体的に行います。具体的には、採択企業は、ウクライナの復旧・復興に貢献するビジネスに取り組みます。JICA 及びJICA コンサルタントは、実務上可能な限り信頼性の高い情報収集の支援、及び、有用な助言を提供するよう努めますが、提供した情報の正確性、完全性、目的適合性、最新性及び助言の有用性の確認及び本調査でJICA コンサルタントからの助言内容の採否は、採択企業が自らの責任と判断で行います。
採択企業は、調査主任者を中心に本調査を実施し得る十分な体制(調査従事者の確保、調査従事者の役割分担の明確化、外部要員の取り纏め等)を整えてください。
(1) 調査主任者
• 提案法人(共同企業体の場合は代表法人、次項参照)に所属する調査に従事する者
(以下「調査従事者」といいます。)の中から調査主任者を指定ください。
• 調査主任者は、JICA 及び JICA コンサルタントとの協議の上、別添資料 5「ウクライナ・ビジネス支援事業の実施に関する契約書」に基づく契約管理を行います。
(2) 共同企業体
• 本支援事業実施後も共同でビジネス展開を目指す場合(例えば共同出資による現地法人の設立などを想定)は、複数法人から構成される共同企業体による応募を認めます。なお、協力関係が本支援内に限定されることが想定される場合は、外部要員としてください。
• 共同企業体を構成する場合は、構成員の中から代表法人を指定するとともに、その各構成員は、所属する者のうち必ず 1 名以上を、調査業務に従事する者(以下「調査従事者」といいます。)として、本支援事業に参加させることとします。
• 共同企業体は、全ての構成企業が応募資格要件を満たす必要があります。提案法人 と同様に財務諸表、登記事項証明書、及び納税証明書(その 3 の 3)の提出が必要です。
(3) 外部要員
• 提案法人が本調査の実施に際して活用したい提案法人外の要員(提案法人が独自に 契約しているコンサルタントや企業と協力関係にある民間企業や自治体等の職員等。以下「外部要員」といいます。)がある場合、企画書に提案法人で必要とする外部 要員として記載し、その必要性が認められれば、当該提案法人の支援上限額の範囲 内で、当該外部要員の旅費及び現地活動に要する経費を活動支援(費用負担)に含 めることが可能です。外部要員の調査参画にあたっては、JICA コンサルタントに よる支援内容と重複しないことが条件となりますので、企画書において外部要員の 調査内容を記載ください。
• 人件費や間接経費等は経費負担対象外となりますので、当該外部要員に要するこれら経費は提案法人の負担となります。
• 採択以降に外部要員を追加する必要がある場合は、JICA コンサルタントとの役割分担等も踏まえつつ、個別に必要性を確認し、JICA が追加可否を判断します。
(4) 外国籍人材
• 調査従事者に外国籍人材の活用を認めます。特に、日本国内のウクライナ避難民の活用 3を推奨します。
• 雇用方法(正規、非正規、アルバイト等)は問わず、今後業務従事者に追加予定の場合でも、人員体制の中で記載いただくようお願いします。ただし、調査主任者については、日本語でのコミュニケーションが行えることを必須とします。
3. 協議議事録 事業実施に際して、ウクライナの公的機関等をカウンターパートとする場合において、 同カウンターパートに便宜供与や責任分担を求める場合、調査対象国公的機関等から承認が必要となることがあります。その場合は、採択企業の責任において同機関と協議議事録
(締結相手・様式・締結時期は任意)を取り交していただくようお願いします。ただし、協議議事録が必要な場合において、それが締結出来ていないという理由でJICA との契約期間を延長する事は出来ません。なお、カウンターパートは公的機関等とする必要はありません。
本支援事業において JICA が採択企業に提供する調査支援経費は、募集要項の別添資料 3
「調査支援対象費目」の記載内容の範囲であり、原則、JICA コンサルタントを介して採択企業に対して調査支援対象物品を現物支給します。同資料に記載のない経費は積算できま
3 JICA は、日本に滞在するウクライナ避難民が両国の架け橋人材となることを目指し、様々なイベント(①②)を開催してきています。こうした取り組みにご賛同いただける企業は、ウクライナ避難民のご活用をご検討ください。
① https://www.jica.go.jp/information/seminar/2023/1531502_36701.html
② https://www.jica.go.jp/information/seminar/2023/20240323.htm
せん。また、応募書類の作成を含む準備段階等、契約締結前に採択企業が負担した費用については、いかなる理由であってもJICA は負担しません。同様に、契約履行期限後に発生する経費についても、JICA は負担しません。
なお、JICA コンサルタントは採択企業の求めに応じて JICA が承認した調査支援対象経費に沿って調査支援対象物品を調達しますが、調達済の調査支援対象物品の経費について採択企業の意向や都合に起因するキャンセル費(又はキャンセル不可であった場合の当該実費)等が発生した場合は、当該費用をJICA コンサルタントが採択企業に請求します。採択企業はJICA コンサルタントからの請求に対して遅滞なく支払いをしてください。支払期限から 1 か月を経過しても支払われない場合にはJICA による支援を一時停止する、本支援を終了する等の対応を行う場合があります。
応募時は、募集要項の別添資料 3「調査支援対象費目」に沿って調査支援対象経費を積算し、募集要項の別添様式 3「調査支援対象経費積算表」を作成して下さい。
第2 採択後の流れ
採択後、JICA と採択企業との間で企画書及び最新情報に基づいて、募集要項の別添資料
4「ウクライナ・ビジネス支援事業の実施に関する契約書(サンプル)(契約約款及び仕様 書を含む)」に沿って契約を締結する交渉を行い、合意に至った場合に契約を締結します。
契約内容は提案内容をもとに JICA と協議のうえ決定されるため、採択時点で提案内容
(見積内容を含む)を承認しているものではなく、採択は契約の締結を保証するものではありません。また、契約内容の協議如何によっては、採択企業に対して提案内容の一部見直しを依頼、採択企業が希望する時期に契約締結ができない場合がありますのでご了承ください。
契約締結後、採択企業、JICA 及び JICA コンサルタント間で調査期間・調査内容・計画・体制等について具体的な協議を行います。それらを取り纏めた調査計画書を提出、JICA にて承認した後に調査が開始されます。
また、調査期間にあたる約 8 か月間は、契約期間(2025 年 12 月 31 日)に収まるよう設定する必要があります。
なお、本支援事業の主な調査内容は以下の通りです。
ウクライナ・ビジネス支援事業 | ● ウクライナ、ターゲット顧客、顧客が直面する問題/ニーズ、提供価値の仮説構築 ● 市場規模、競合動向、開発課題、規制、途上国政府機関の調達プロセス等の情報収集 ● ビジネス展開に必要なパートナー企業・機関(候補含む)の情報収集 ● 顧客候補リスト作成、初期的なニーズ・ソリューション検証、製品/サービス概要設定(価格帯含む) ● ビジネスを通じた開発途上国の課題解決の筋書き(ロジックモデ ル)の仮説構築 |
採択企業がJICA コンサルタントの助言を得てもなお約款の定める所定の期間内に調査計画書を提出できない場合や第三者の権利を使用しなければ行えない活動であることが判明した場合は、JICA は調査開始前に将来に向かって契約を終了させることができます。
調査実施中は、本調査による海外展開の進捗及びその成果につき、JICA に対し報告するほか、提出物及び成果品をJICA に対して提出するものとします。また、本調査完了時に、採択企業にはJICA が主催する場で調査を踏まえたビジネスプランを発表いただきます。採択企業やJICA 関連部署・他の支援機関で議論する事により、調査終了後のビジネス化を促進する目的で実施致します。発表内容や参加者については、JICA と採択企業で相談の上、決定します。本調査の効果を最大化する観点から、ウクライナ側関係者への発表も必要に応じて検討して参ります。
【提出物及び成果品】
報告書名 | 記載内容 | 提出時期 | 部数 |
調査計画書 (提出物) | 実施計画・体制・目的、調査工程、調査支援対象経費内訳等 (A4サイズ3-4頁程度) | 契約締結日から起算して30営業日以内 | 1部 (電子データ) |
調査完了報告書 (案) | 事業計画書及びロジックモデル (詳細は下記の通り)、本支援事業全体の実施結果、達成状況 ( A4 サイズ形式・頁数指定無 し) | 調査完了予定の2カ月前 | 1部 (電子データ) |
調査完了報告書 (成果品) | 同上 ( A4 サイズ形式・頁数指定無し) | 調査完了時 | ・簡易製本報告書一式報告書:1部 ・CD-ROM:1枚 ・電子データ |
【調査完了報告書 記載内容】
調査項目 | 非公開設定可能な項目 |
I. 事業計画 | |
1. 自社戦略における本調査の位置づけ | |
2. 市場環境 | |
3. ターゲット顧客・ニーズ | |
4. 製品・サービス概要 | |
5. フィージビリティ(技術/運営/規制等の実現可能性) | |
6. ビジネスモデル | |
7. 将来的なビジネス展開、ロードマップ | 〇 |
II. ロジックモデル |
調査完了報告書に記載いただく項目は以下の通りです。同報告書は公開版と非公開版を作成いただきます。情報の公開範囲については、JICA との相談の上、営業秘密等の理由により一部項目を非公開とする事が可能ですが、非公開設定可能な項目については原則以下の通りです。なお、市場環境、ターゲット顧客・ニーズ、法規制等の対象国情報に関する公開情報についてはJICA コンサルタントの報告書等でも記載され公開されます。
第3 実施中の諸条件
本支援事業の実施にあたって、JICA コンサルタントは「業務実施契約における契約管理ガイドライン(※1)」に則り、採択企業の支援を実施します。また、調査支援対象経費の積算・精算に当たっては、募集要項の別添資料 3「調査支援対象費目」及び「コンサルタント等契約における経理処理ガイドライン(※2)」に則ることとなります。採択企業におかれましても、上記ガイドラインの趣旨を踏まえて、これに沿って対応いただくこととなります。
※1 https://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/guide_g.html
※2 https://www.jica.go.jp/announce/manual/guideline/consultant/quotation.html
また、本支援事業の実施にあたっては、「国際協力機構環境社会配慮ガイドライン
(2022 年 1 月公布)」4が適用されます。提案の採択にあたり、環境や地域社会に与える 影響の規模や重大性等に応じて「環境カテゴリ」の分類がJICA により行われます。カテゴ リ C 以外の(環境への影響が大きいと判断された)調査については、同ガイドラインの規 定に基づき、事業の計画・実施に際して、環境社会配慮団員の参加、情報公開の実施等を 含む適切な環境社会配慮が行われる必要があります。カテゴリ C 以外の事業について、契 約締結までに負の影響を回避し、最小化し、軽減し、緩和しあるいは代償するために必要 な方策が提示されないとき、JICA は採択を取り消し、または契約締結後に発覚した場合は、契約を将来に向かって終了させることがあります。
(1) JICA の安全対策措置
JICA は、契約書第 11 条の「安全対策措置等」の条項に基づき、現地の日本大使館、相手国政府等と緊密に連携の上、採択企業(共同企業体を含む)に対して国別の「安全対策措置(渡航措置及び行動規範)」、「安全対策マニュアル」、「海外安全対策ハンドブック」(JICA の安全対策 HP にてダウンロード可能)及び注意喚起情報の提供等を行い、安全確保に努めます。
また、昨今の世界的な治安情勢の変化を踏まえ、本支援事業の採択企業・団体の皆様には、調査従事者を対象にJICA が主催する、渡航先に応じた安全対策研修を受講していただきます。原則、安全対策研修は採択案件毎に受講する必要があります。詳しくはこちら
(https://www.jica.go.jp/about/safety/training.html)をご参照ください。
事業対象国、地域の治安状況又は感染症の流行等により、採択後に安全対策に必要な経費
4 国際協力機構環境社会配慮ガイドライン(2022 年 1 月公布)https://www.jica.go.jp/environment/guideline/index.html
(警備員傭上費用等)の計上を採択企業に依頼することがあります。それにより当該経費を含めた契約金額が例外的に上限金額を上回ることがあります。
(2) 海外旅行保険への加入
開発途上国では、様々な安全上のリスクが生じます。急病やケガ等への対応に、非常に高額な経費がかかる場合があります。これらの経費は採択企業の負担となりますので、必ず、十分な補償内容の海外旅行保険(治療・救援費用が 5,000 万円以上を原則)に加入いただくか、これと同等の緊急医療搬送体制を構築するようお願いします。なお、5,000 万円という金額はこれまでに発生した事例を踏まえて設定していますが、緊急時にかかる経費は国・地域・状況によって異なります。
JICA は採択企業に対し、契約締結後に財務諸表及び納税証明書の提示を求めることがありますので、その場合は速やかに提示をお願いします。
本調査の活動に付随する知的財産権の取扱いについては、原則として以下のとおり取り扱うものとします。
(1) 採択企業が本調査の活動に関連して作成した実証結果を含む成果品(ビジネスプラン及びロジックモデル)の知的財産権は、採択企業に帰属します。ただし、その帰属に拠らず、本調査の有効期間終了後においても、実証結果を含む成果品の知的財産権は、JICA が無償で利用できることとします。
(2) 活動の中心となる製品/サービス・技術・ノウハウは提案法人固有の又は提案法人がビジネス展開の権利を有するサービス・技術・ノウハウであることを前提とし、採択企業は、特許権、著作権その他の知的財産権等の第三者の権利の対象となっていないことを確認する義務を負うとともに、第三者の権利を使用する調査方法、資機材等を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負うとともに、その使用に要する費用を負担しなければならないものとします。採択企業が第三者の知的財産権を侵害し、また侵害した疑いが生じたことによって、 JICA 又は JICA コンサルタントが当該第三者から何らかの請求を受けた場合、採択企業は JICA 又は JICA コンサルタントに生じた一切の費用(弁護士費用を含みますがそれに限りません)を補償するものとします。
(3) 本調査の成果及び調査結果は、適切に管理の上、JICA の事業活動の評価及び成果の発信、業務改善(これを目的とした調査研究及び政策提言活動を含む)のために公表されることを原則とし、また本調査のフォローアップのために利用します。当該目的の範囲内において、国若しくは地方の行政機関又は公的機関、独立行政法人、大学若しくは委託事業者等のう
ち国若しくは地方の行政機関が指定する者(JICA の委託、請負先等となる場合を含むが、これに限らない)に当該情報を提供し、統計的に処理した上で公表することがあります。
(4) 本支援事業によりウクライナにおけるビジネス展開を実現した事例について、JICA は、自ら又は他の支援機関を通じ、民間企業等に対し、当該事例に関する情報(事例に関する詳細のほか、採択企業の企業名、製品名、現地法人名称、ブランド名称等を含みますが、これに限りません)の提供を行うことがあります。JICA は発信内容について採択企業に確認させていただくことがあります。
(5) JICA は、採択企業に対し、JICA が実施又は関与するセミナー等を通じた成果普及・広報活動への協力を要請することがあります。
(6) 採択企業は、本支援事業の採択によって生じた権利の全部又は一部を、第三者に譲渡し又は担保に供することはできません。
(1) 提案法人又は採択企業につき、以下のいずれかに該当した場合は、採択を取消す又は契約 締結後であれば契約を解除することがあります。この場合において、JICA 又は JICA コンサルタントは、採択取消又は契約解除によって採択企業に生じた苦情、異議申し立ては受け付けず、かつ、これにより生じた損害には、損害賠償その他の一切の責任を負いません(募集要項の別添資料 4「ウクライナ・ビジネス支援事業の実施に関する契約書(サンプル)(契約約款及び仕様書を含む)」もご確認ください。
また、その契約解除の時点で、既に採択企業により調査が行われている場合は、期限を定めて、JICAがその業務実施のために支援した額に相当する額を返還いただくことがあります。加えて、「独立行政法人国際協力機構が行う契約における不正行為等に対する措置規程」に定める措置の要件に該当する場合は、採択企業に対してJICAの契約競争から排除する措置、今後の「中小企業・SDGsビジネス支援事業」の応募資格の停止等の措置及び法的措置を講じる場合もあります。
② 企画書、その他提出物において重要な事実や説明が省略され(その省略が意図的 に行われたかどうかは問わない)、その結果、JICA が事実を誤認したとき。なお、提案法人又は採択企業(共同企業体の場合はいずれかの構成員)の財務状況、役 員及び従業員の状況、製品/サービス・技術・ノウハウに関する効果、販売実績、 顧客や第三者による評価、製品/サービス・技術・ノウハウの導入に際し障害とな りうる事実(競合する製品/サービス・技術・ノウハウの有無、原材料の調達の不 安定さ、第三者の所有する知的財産権その他権利関係の調査結果)などは重要な 事実とみなされます。
③ 提案法人又は採択企業が募集要項「第 2 応募資格要件」に定める応募資格要件を満たしていないことが判明した若しくは満たさなくなったとき。
④ 提案法人又は採択企業(共同企業体の場合はいずれかの構成員)が反社会的勢力であると判明したとき。
⑥ 締結する契約書に定める発注者の解除権に該当する事由が存するとき。
⑨ JICA が提供した支援を他の用途に使用したとき又は使用しようとしたとき。
⑩ 提案法人又は採択企業又はその役員若しくは従業員が、国内外の法令に反する行為、法令に反する行為ではないが不正な行為若しくは公序良俗に反する行為を行ったとき、又はその疑いが生じたとき。
採択又は契約締結後に、以下に挙げる事由により、本調査の実施が明らかに困難であるとJICA が判断する事態が発生した場合には、採択取消又は契約締結後であれば契約を解除することがあります。その場合はそれまでにかかった費用の負担は採択企業の負担となります。
① 採択通知日から 3 か月以上の期間、契約交渉に実質的な進展がなく、契約締結に至らないとき。
② 採択企業が、事由の如何を問わず、本調査期間の終期までに、ウクライナにおけるビジネス展開について、その目標の成果発現の見込みがないとJICA が判断したとき。
③ 採択企業が対象国におけるビジネス展開について応募時に設定していた一定の目標を達成したとJICA が判断したとき。
④ 採択企業が JICA や JICA コンサルタントの質問に回答せず、助言又は指導を無視し、それらに反する行為を繰り返したとき、又はその疑いが生じたとき。
⑥ 企画書で提案した調査実施体制の変更により、本調査に係る提案法人又は採択企業による業務の遂行が困難になったとき。
⑦ 採択企業の自己都合により、第 1 で規定される採択企業の役割を放棄したとき。
⑧ 必要とする対象国政府関係機関の協力が得られない又は当該関係機関との信頼関係が大きく損なわれ、その改善が困難であるとき。
⑨ その他、JICA や本支援事業の名称を不正利用する等、採択企業として不適切と
JICA が判断したとき(例:JICA の名を使って特定企業への投資勧誘を行う行為)。
採択企業は、支援を担当するJICA コンサルタントの割り当てに関し、JICA やJICA コンサルタントに対して、異議や苦情を述べたり、変更を求めたりすることはできません。
他方、JICA は JICA コンサルタントによる採択企業への支援内容及び品質の妥当性を確認するため、採択企業に対して、JICA コンサルタントによる支援内容・品質にかかる評価の提出及び必要に応じてヒアリングを実施します。
本支援事業への応募を以て、上記フィードバックの実施について同意いただいたものとします。なお、フィードバックシートの内容について、当該JICA コンサルタント(及びその所属先)以外には共有・開示いたしません。
第4 その他留意事項
(1) 贈収賄
不正競争防止法は、経済協力開発機構(OECD)の「国際商取引における外国公務員に 対する贈賄の防止に関する条約」を国内的に実施するために、外国公務員贈賄に係る罰則 を定めています。我が国政府は、たとえ手続きの円滑化のみを目的とした少額の支払いで あっても、それが「国際的な商取引に関して営業上の不正の利益を得るため」であった場 合には、外国公務員贈賄罪が成立し得るとしています。従って、採択企業は、下記ウェブ サイト等で同法の規定内容を確認した上、現地活動中は言うまでもなく、本邦受入活動中 においても、相手国実施機関職員等へ金品等の供与(一般慣習に比して豪華な宿泊や食事、お土産等も含む)及びそれと同等とみなされる行為を、絶対に行ってはいけません。
• 外国公務員贈賄防止(経済産業省ウェブサイト)
http://www.meti.go.jp/policy/external_economy/zouwai/
• 外国公務員贈賄防止指針(経済産業省ウェブサイト)
https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/zouwai/overviewofguidelines.html
• OECD 外国公務員贈賄防止条約の概要(外務省ウェブサイト)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oecd/komuin.html
これらを踏まえ、採択企業は、事業の実施において、特に以下の点にご留意ください。
① 採択企業による本邦受入活動参加者に対する高額の物品や、日当・宿泊費として過大な金銭の提供又は著しく華美な接待等を行わないこと。
② 事業の実施における相手国政府関係者への対応に際しては、不正競争防止法第 18条(外国公務員等に対する不正の利益の供与等の禁止)に抵触しないよう留意すること(不正競争防止法第 18 条の運用についても上記の経済産業省のウェブサイトを参照)。
③ 併せて、上記政府関係者の我が国入国査証資格に関する出入国管理及び難民認定法等、本邦受入活動参加者の本邦滞在に関し適用される法令・規則についても十分理解し、違反しないように留意すること。
また、外務省及び JICA は、ODA 事業における不正事案の発生を受け、ODA 事業における不正腐敗事案の再発防止策を講じています。下記ウェブサイト等で外務省及びJICA の不正腐敗防止策を十分理解し、不正腐敗情報に接した場合は、JICA 又は外務省の不正腐敗情報相談窓口(※)に速やかに相談してください。
※ JICA 不正腐敗情報相談窓口
https://www2.jica.go.jp/ja/odainfo/index.php
※ 外務省(ODA)不正腐敗情報相談窓口
https://www3.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/fusei/
• JICA の再発防止策の更なる強化(JICA ウェブサイト)
https://www.jica.go.jp/about/corp_gov/leniency_program.html
• 外務省の不正腐敗事案の再発防止策(外務省ウェブサイト)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/kaikaku/f_boshi.html
JICA では、ODA 事業受注企業による不正腐敗防止の取組を更に促すため、不正腐敗の定義、不正腐敗防止のための制度、相手国政府・実施機関・企業が講じるべき取組等について解説したガイダンスを作成しています。このガイダンスは、関係者の不正腐敗に関する認識を深め、不正対策の徹底を求めるものですので、必ずご確認ください。
• JICA 不正腐敗防止ガイダンス
https://www2.jica.go.jp/ja/odainfo/pdf/guidance.pdf
(2) 提供する現物の不適切な取り扱い
JICA コンサルタントが調達済の現物について、不適切な使用は行わないでください。
(3) 契約締結時の誓約書
契約締結時には採択企業代表者が自筆したコンプライアンスに係る誓約書(募集要項の別添資料 5.契約時誓約書(サンプル))を提出いただきます。
採択企業は、本調査の実施の過程において、JICA 又は JICA コンサルタントから得た情報のうち秘密情報として明示された情報及び相手国政府又は企業等本支援事業の関係者から、文書、口頭、電磁的記録媒体その他開示の方法及び媒体を問わず、また、契約締結の前後を問わず、開示された一切の情報(以下「秘密情報」)を秘密として保持し、これを第三者に開示又は漏洩してはならないものとします。ただし、次の各号に定める情報については、この限りではありません。
• 開示を受けた時に既に公知であったもの
• 開示を受けた時に既に採択企業が所有していたもの
• 開示を受けた後に採択企業の責に帰さない事由により公知となったもの
• 開示を受けた後に第三者から秘密保持義務を負うことなく適法に取得したもの
• 開示の前後を問わず、採択企業が独自に開発したことを証明しうるもの
• 法令並びに政府機関及び裁判所等の公の機関の命令により開示が義務付けられたもの
• 第三者への開示につき、JICA 又は秘密情報の権限ある保持者から開示について事前の承認があったもの
採択企業は、本契約の有効期間終了後、速やかに本調査により相手方から得た秘密情報を適切な方法により相手方に返却、消去、または破棄することを確認するものとします。
また、JICA コンサルタントは JICA との本支援事業にかかる契約書にて本調査の実施の過程における秘密の保持を遵守することが定められ、また、JICA は独立行政法人国際協力機構職員就業規則第 4 条禁止行為にて秘密保持義務が定められております。JICA は、本支援事業の実施過程において採択企業から開示された情報のうち秘密情報として明示された情報を秘密として保持し、JICA コンサルタントは事業完了後、直ちにこれを廃棄することとなります。
採択企業は、本調査に関して、JICA の保有個人情報(「個人情報の保護に関する法律
(平成 15 年法律第 57 号)、以下「個人情報保護法」といいます。」第 2 条第1項で定義される保有個人情報を指し、以下「保有個人情報」といいます。)を取り扱う場合は、次の各号に定める義務を負うものとします。
また、JICA コンサルタントは JICA との本支援事業にかかる契約書にて本調査の実施の過程における保有個人情報の取り扱い義務が定められ、また、JICA の役職員は個人情報保護に関する実施細則で、保有個人情報の管理のための措置が責務とされています。
⚫ 採択企業は、次の各号に掲げる行為を遵守すること。ただし、あらかじめJICA の承認を得た場合は、この限りでない。
- 保有個人情報について、改ざん又は本調査の履行に必要な範囲を超えて利用、提供、複製してはならない。
- 保有個人情報を第三者へ提供し、その内容を知らせてはならない。
⚫ 採択企業が前号に違反したときは、採択企業に適用のある個人情報保護法が定める罰則が適用され得ることを、採択企業内に周知すること。
⚫ 保有個人情報の管理責任者を定めること。
⚫ 保有個人情報の漏えい、滅失、毀損の防止その他個人情報の適切な管理のために必要な措置を講じること。採択企業は、JICA が定める個人情報保護に関する実施細則
(平成 17 年細則(総)第 11 号)を準用し、当該細則に定められた事項につき適切な措置を講じるものとする。特に個人情報を扱う端末の外部への持ち出しは、JICA が認めるときを除き、これを行ってはならない。
⚫ JICA の求めがあった場合は、保有個人情報の管理状況を書面にて報告すること。
⚫ 保有個人情報の漏えい、滅失又は毀損その他の本条に係る違反行為等が発生したときは、直ちに被害の拡大防止及び復旧等のために必要な措置を講ずるとともに、速やかにJICA に報告し、その指示に従うこと。
4. 採択企業の活動評価 JICA は本支援事業実施を通じて、採択企業の業務プロセス、業務姿勢(実施過程の主体 性、立ち振る舞い)及び成果品の質を評価します。同活動評価結果は、以後に本支援事業
へ応募された際の審査に考慮されますので、この点予めご了解ください。
また、採択企業は契約履行期限後一定期間、JICA が実施する海外ビジネスの継続状況及び開発インパクト測定を含むモニタリング調査に回答・協力するものとします。
応募書類審査、事業開始から終了までの進捗監理と事業化に向けた支援に際し、守秘義 務を課した上で、JICA による事業運営を補助する外部委託業者を配置しています。従って、提案法人及び採択企業とJICA との面談への当該業者の同席や、提案法人及び採択企業への 連絡・依頼・助言等について、当該業者を通じて行う機会が想定されますことをご了承く ださい。
また、JICA との契約終了後も、外部委託業者を通じて、財務諸表の提出、経費実地検査、事後モニタリング調査等のウクライナ・ビジネス支援事業に関するご協力をお願いするこ とがあります。
事業実施の期間中及び事業終了後でも、採択された提案に関し、JICA 及び本支援事業の積極的な広報につき可能な範囲でご協力をお願いします。
以上