注)本案件のプロポーザルの提出方法につきましては、「電子データ(PDF)」とさせていただきます。
企画競争説明書
業 務 名 称:ルワンダ国キガリ市水道事業体運営改善プロジ ェクト
調達管理番号:21a00772
【内容構成】
第1章 企画競争の手続き
第2章 プロポーザル作成に係る留意事項第3章 特記仕様書案
第4章 業務実施上の条件
注)本案件のプロポーザルの提出方法につきましては、「電子データ(PDF)」とさせていただきます。
詳細については「第1章 8 プロポーザル等の提出」をご確認ください。
2021年11月4日 独立行政法人国際協力機構
本説明書は、独立行政法人国際協力機構(JICA)が、民間コンサルタント等に実施を委託しようとする業務について、当該業務の内容及び委託先を選定する方法(企画競争)について説明したものです。
企画競争とは、競争参加者が提出する技術提案書(以下「プロポーザル」という。)に基づき、その企画、技術の提案、競争参加者の能力等を総合的に評価することにより、当機構にとって最も有利な契約相手方を選定する方法です。競争参加者には、この説明書及び貸与された資料に基づき、本件業務に係るプロポーザル及び見積書の提出を求めます。
なお、本説明書の第3章「特記仕様書案」、第4章「業務実施上の条件」は、プロポーザルを作成するにあたっての基本的な内容を示したものですので、競争参加者がその一部を補足、改善又は修補し、プロポーザルを提出することを妨げるものではありません。プロポーザルの提案内容については、最終的に契約交渉権者と行う契約交渉において、協議するものとしています。
第1章 企画競争の手続き
1 公示
公示日 2021年11月4日(木)
2 契約担当役
理事 xx xx
3 競争に付する事項
(1)業務名称:ルワンダ国キガリ市水道事業体運営改善プロジェクト
(2)業務内容:「第3章 特記仕様書案」のとおり
(3)適用される契約約款:
( )「調査業務用」契約約款を適用します。これに伴い、消費税課税取引と整理しますので、最終見積書において、消費税を加算して積算してください。(全費目課税)
(○)「事業実施・支援業務用」契約約款を適用します。これに伴い、契約で規定される業務(役務)が国外で提供される契約、すなわち国外取引として整理し、消費税不課税取引としますので、最終見積書においても、消費税は加算せずに積算してください。(全費目不課税)
なお、本邦研修(または本邦招へい)に係る業務については、別途「技術研修等支援業務実施契約約款」を適用した契約を締結することとし、当該契約については消費税課税取引と整理します。ただし、最終見積書においては、消費税を加算せずに積算してください。
(4)契約履行期間(予定):2022年2月 ~ 2027年3月
以下の3つの契約履行期間に分けて契約書を締結することを想定しています。
第1期:2022年2月 ~ 2024年1月第2期:2024年2月 ~ 2025年7月第3期:2025年8月 ~ 2027年3月
なお、上記の契約履行期間の分割案は、当機構の想定ですので、競争参加者は、業務実施のスケジュールを検討のうえ、異なった分割案を提示することを認めます。ただし、各期の契約履行期間の終了が年度末(3月6日以降)とならないよう留意ください。
契約履行期間の分割の結果、契約履行期間が12ヶ月を超える場合は、前金払の上限額を制限します。具体的には、前金払については分割して請求を認めることとし、それぞれの上限を設定する予定です。
新型コロナウイルス感染拡大等による影響により、本企画競争説明書に記載の現地業務時期、契約履行期間、業務内容が変更となる場合も考えられます。これらにつきましては契約交渉時に協議のうえ決定致します。
(5)前金払の制限
本契約については、契約履行期間が12ヶ月を越えますので、前金払の上限額を制限します。
具体的には、前金払については分割して請求を認めることとし、それぞれの上限を以下のとおりとする予定です。なお、これは、上記(4)の各期の契約履行期間を想定したものであり、契約履行期間が異なる場合等の限度額等につきましては、契約交渉の場で確認させていただきます。
(第1期)
1)第1回(契約締結後):契約金額の20%を限度とする。
2)第2回(契約締結後13ヶ月以降):契約金額の20%を限度とする。
(第2期)
1)第1回(契約締結後):契約金額の26%を限度とする。
2)第2回(契約締結後13ヶ月以降):契約金額の14%を限度とする。
(第3期)
1)第1回(契約締結後):契約金額の24%を限度とする。
2)第2回(契約締結後13ヶ月以降):契約金額の16%を限度とする。
4 窓口
【選定手続き窓口】
調達・派遣業務部 契約第一課
担当者:xx x Xxxxxxx.Xxxxxx@xxxx.xx.xx
注)持参及び郵送による窓口での受領は廃止となりました。
【事業実施担当部】
地球環境部 水資源グループ水資源第二チーム
5 競争参加資格
(1)消極的資格制限
以下のいずれかに該当する者は、当機構の契約事務取扱細則(平成 15 年細則
(調)第 8 号)第 4 条に基づき、競争参加資格を認めません。また、共同企業体の
構成員となることや契約の下請負人(業務従事者を提供することを含む。以下同じ。)となることを認めません。プロポーザル提出時に何らかの文書の提出を求めるものではありませんが、必要に応じ、契約交渉の際に確認させて頂きます。
1)破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者
具体的には、会社更生法(平成 14 年法律第 154 号)又は民事再生法(平成
11 年法律第 225 号)の適用の申立てを行い、更生計画又は再生計画が発行していない法人をいいます。
2)独立行政法人国際協力機構反社会的勢力への対応に関する規程(平成 24 年
規程(総)第 25 号)第 2 条第 1 項の各号に掲げる者
具体的には、反社社会勢力、暴力団、暴力団員、暴力団員等、暴力団員準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等を指します。
3)独立行政法人国際協力機構が行う契約における不正行為等に対する措置規程
(平成 20 年規程(調)第 42 号)に基づく契約競争参加資格停止措置を受けている者
具体的には、以下のとおり取扱います。
① 競争開始日(プロポーザル等の提出締切日)に措置期間中である場合、競争への参加を認めない。
② 競争開始日(プロポーザル等の提出締切日)の翌日以降から、契約相手確定日(契約交渉権者決定日)までに措置が開始される場合、競争から排除する。
③ 契約相手確定日(契約交渉権者決定日)の翌日以降に措置が開始される場合、競争から排除しない。
④ 競争開始日(プロポーザル等の提出締切日)以前に措置が終了している場合、競争への参加を認める。
(2)積極的資格要件
当機構の契約事務取扱細則第 5 条に基づき、以下の資格要件を追加して定めます。
1)全省庁統一資格
令和 01・02・03 年度全省庁統一資格を有すること。
2)日本登記法人
日本国で施行されている法令に基づき登記されている法人であること。
(3)利益相反の排除
利益相反を排除するため、本件業務の TOR(Terms of Reference) を実質的に作成する業務を先に行った者、各種評価・審査業務を行う場合であって当該業務の対象となる業務を行った者、及びその他先に行われた業務等との関連で利益相反が生じると判断される者については、競争への参加を認めません。また、共同企業体の構成員となることや契約の下請負人となることも認めません。
具体的には、以下に掲げる者については、競争への参加を認めません。
ルワンダ国キガリ市水道事業体運営改善プロジェクト詳細計画策定調査(評価分析)」(調達管理番号:20a01277)の受注者(株式会社日本開発サービス)及び同業務の業務従事者
(4)共同企業体の結成の可否
共同企業体の結成を認めます。ただし、業務xx者は、共同企業体の代表者の者とします。
なお、共同企業体の構成員(代表者を除く。)については、上記(2)に規定 する競争参加資格要件を求めません(契約交渉に際して、法人登記等を確認することがあります)。
共同企業体を結成する場合は、共同企業体結成届(様式はありません。)を作成し、プロポーザルに添付してください。結成届には、代表者及び構成員の全ての社の代表者印又は社印は省略可とします。また、共同企業体構成員との再委託契約は認めません。
(5)競争参加資格要件の確認
競争参加資格要件のうち、全省庁統一資格及び法人登記については、提示いただく全省庁統一資格業者コードに基づき確認を行います。その他の競争参加資格要件については、必要に応じ、契約交渉に際し再確認します。
6 資料の配付依頼
資料の配付について希望される方は、当機構ウェブサイトの手順に則り依頼ください。
(URL: xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxx/xxxxxx/xxxxxxxxxxxx.xxxx)
・第4章 業務実施上の条件に記載の配付資料
・「独立行政法人国際協力機構情報セキュリティ管理規程(2021年4月1日版)」及び「情報セキュリティ管理細則(2021年3月31日版)」
「独立行政法人国際協力機構情報セキュリティ管理規程(2021年4月1日版)」及び「情報セキュリティ管理細則(2021年3月31日版)」については、プロポーザル提出辞退後もしくは失注後、受注した場合は履行期間終了時に速やかに廃棄することを指示します。
7 説明書に対する質問
(1)質問提出期限:2021年11月11日(木) 12時
(2)提出先:上記「4.窓口 【選定手続き窓口】」(電子メール宛先及び担当者)
注1)原則、電子メールによる送付としてください。
注2)電子メール件名に「【質問】調達管理番号_案件名」を記載ください。注3)xx性・xx性確保の観点から、電話及び口頭でのご質問は、原則として
お断りしています。
(3)回答方法:2021年11月17日(水)までに当機構ウェブサイト上にて行います。
(URL: xxxxx://xxx0.xxxx.xx.xx/xx/xxxxxxxx/xxxxx.xxx?xxxxxxxxx0)
8 プロポーザル等の提出
(1)提出期限:2021年12月3日(金) 12時
(2)提出方法:
プロポーザル・見積書及びプレゼンテーション実施に必要な資料(プレゼン テーションを実施する場合のみ)を、電子データ(PDF)での提出とします。上記(1)の提出期限日の4営業日前から1営業日前の正午までに、プロポーザル提出用フォルダ作成依頼メールをe-koji@jica.go.jpへ送付願います。
(件名:「提出用フォルダ作成依頼_(調達管理番号)_(法人名)」)なお、具体的な提出方法につきましては、「業務実施契約の公示にかかる説明書等の受領方法及び競争参加資格確認申請書・プロポーザル・見積書等の電子提出方法(2021年10月13日版)」を参照願います。以下にご留意ください。
1) プロポーザル等はパスワードを付けずにGIGAPOD内のフォルダに格 納ください。
2) 本見積書と別見積書は GIGAPOD 内のフォルダに格納せず、PDFに パスワードを設定し、別途メールで x-xxxx@xxxx.xx.xx へ送付ください。なお、xxxxxは、JICA 調達・派遣業務部からの連絡を受けてから送付願います。
(URL: xxxxx://xxx0.xxxx.xx.xx/xx/xxxxxxxx/xxxxx.xxx?xxxxxxxxx0 )
※依頼が1営業日前の正午までになされない場合はプロポーザルの提出ができなくなりますので、ご注意ください。
(3)提出先:
1)プロポーザル及びプレゼンテーション実施に必要な資料(プレゼンテーションを実施する場合のみ)
「当機構調達・派遣業務部より送付された格納先 URL」
2)見積書:
件名:(調達管理番号)_(法人名)_見積書
〔例:20a00123_○○株式会社_見積書〕本文:特段の指定なし
添付ファイル:「20a00123_○○株式会社_見積書」
※見積書のPDFにパスワードを設定してください。なお、xxxxxは、JICA調達・派遣業務部からの連絡を受けてから送付願います。
評価点の差が僅少で価格点を計算する場合、もしくは評価結果順位が第一位になる見込みの場合のみ、パスワード送付を依頼します。
(4)提出書類:
1)プロポーザル・見積書
2)プレゼンテーション実施に必要な資料(プレゼンテーション実施する場合 のみ)
(5)プロポーザルの無効
次の各号のいずれかに該当するプロポーザルは無効とします。
1)提出期限後にプロポーザルが提出されたとき
2)同一提案者から2通以上のプロポーザルが提出されたとき
3)虚偽の内容が記載されているとき
4)前各号に掲げるほか、本説明書又は参照すべきガイドライン等に違反したとき
(6)見積書
本件業務を実施するのに必要な経費の見積書(内訳書を含む。)の作成に当たっては、「コンサルタント等契約における経理処理ガイドライン」(2020 年 4 月)を参照してください。
(URL: xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxx/xxxxxx/xxxxxxxxx/xxxxxxxxxx/xxxxxxxxx.xxxx)
1)「3 競争に付する事項」において、契約全体が複数の契約期間に分割されることが想定されている場合は、各期間分及び全体分の見積りをそれぞれに作成して下さい。
2)以下の費目については、別見積りとしてください。 a)旅費(航空賃) b)旅費(その他:戦争特約保険料) c)一般業務費のうち安全対策経費に分類されるもの
d)直接経費のうち障害のある業務従事者に係る経費に分類されるもの e)その他(以下に記載の経費)
本邦研修に係る経費
ベースライン調査(現地再委託経費) エンドライン調査(現地再委託経費)
無収水対策機材設置工事(現地再委託経費)
省エネルギー対策機材設置工事(現地再委託経費)域内水道事業体連携に係る経費
3)以下の費目については、以下に示す定額を見積もってください。 a)無収水対策機材費: 30,000 千円 b)省エネルギー対策機材費:20,000 千円
4)外貨交換レートは以下のレートを使用して見積もってください。 a)現地通貨RWF1= 0.11284 円
b)US$1 =111.36400 円
c)EUR1 =130.00000 円
5)新型コロナウイルス感染対策に関連する経費
PCR 検査代及び隔離期間中の待機費用等は見積書に計上しないでください。契約交渉の段階で確認致します。
6)その他留意事項特になし
9 プロポーザル評価と契約交渉権者決定の方法
提出されたプロポーザルは、別紙の「プロポーザル評価配点表」に示す評価項目及びその配点に基づき評価(技術評価)を行います。評価の具体的な基準や評価に当たっての視点については、「コンサルタント等契約におけるプロポーザル作成ガイドライン」の別添資料1「プロポーザル評価の基準」及び別添資料2「コンサルタント等契約におけるプロポーザル評価の視点」を参照してください。
技術評価点が基準点(100点満点中60点)を下回る場合には不合格となりま
す。
(URL: xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxx/xxxxxx/xxxxxxxxx/xxxxxxxxxx/xxxxxxxx_000000.xxxx)
(1)評価対象業務従事者について
プロポーザル評価配点表の「3.業務従事予定者の経験・能力」において評価対象となる業務従事者とその想定される業務従事人月数は以下のとおりです。
1)評価対象とする業務従事者の担当専門分野 a)業務xx者/事業運営管理 b)財務管理
c)無収水管理
2)評価対象とする業務従事者の予定人月数約 42.5 人月
(2)評価配点表以外の加点について
評価で60点以上の評価を得たプロポーザルを対象に、以下の2点について、加点・斟酌されます。
1)若手育成加点
本案件は、業務管理グループの適用対象案件ですが、「若手育成加点」は適用しません。
2)価格点
各プロポーザル提出者の評価点について第1位と第2位以下との差が僅少である場合に限り、提出された見積価格を加味して契約交渉権者を決定します。
評価点及び若手育成加点の合計の差が第1位の者の点数の2.5%以内であれば、見積価格が最も低い者に価格点として2.5点を加点し、その他の者に最低見積価格との差に応じた価格点を加点します。
具体的には以下の計算式により、下表のとおり価格点を加算します。最低見積価格との差に係る計算式:
(当該者の見積価格-最低見積価格)/最低見積価格×100(%)最低見積価格との差(%)に応じた価格点
最低価格との差(%) | 価格点 |
3%未満 | 2.25点 |
3%以上 5%未満 | 2.00点 |
5%以上 10%未満 | 1.75点 |
10%以上 15%未満 | 1.50点 |
15%以上 20%未満 | 1.25点 |
20%以上 30%未満 | 1.00点 |
30%以上 40%未満 | 0.75点 |
40%以上 50%未満 | 0.50点 |
50%以上 100%未満 | 0.25点 |
100%以上 | 0点 |
(3)契約交渉権者の決定方法
契約交渉権者は、以下の手順で決定されます。
1)競争参加者の競争参加資格要件を確認。
2)プロポーザルをプロポーザル評価配点表に基づき評価。
3)評価が60点未満であったプロポーザルを失格として排除。
4)若手育成加点の対象契約である場合、要件を満たすプロポーザルに2点を加算。
5)評価点が僅少(最高評価点との点差が2.5%以内)である場合、見積書を開封し、価格評価を加味。
6)上記、1)~5)の結果、評価点が最も高い競争参加者が契約交渉権者に決定。
10 評価結果の通知と公表
評価結果(順位)及び契約交渉権者を2021年12月21日(火)までにプロポ ーザルに記載されている電子メールアドレス宛にて各競争参加者に通知します。
なお、この評価結果については、以下の項目を当機構ウェブサイトに公開することとします。
(1)プロポーザルの提出者名
(2)プロポーザルの提出者の評価点
以下の評価項目別小計及び合計点を公表する。
①コンサルタント等の法人としての経験・能力
②業務の実施方針等
③業務従事予定者の経験・能力
④若手育成加点*
⑤価格点*
*④、⑤は該当する場合のみ
また、評価結果の順位が第 1 位にならなかった競争参加者については、評価結果
通知のメール送付日の翌日を起算日として 7 営業日以内に調達・派遣業務部(e- xxxxx@xxxx.xx.xx)宛に申込み頂ければ、日程を調整の上、プロポーザルの評価内容について面談で説明します。7 営業日を過ぎての申込みはお受けしていません。説明は 30 分程度を予定しています。
注)新型コロナウイルス感染拡大防止のため、電話等による説明とする可能性があります。詳細につきましては、申し込み後にあらためてご連絡いたしま す。
なお、受注者につきましては、監督職員との打合せ時に、必要に応じてプロポーザルの評価内容についての説明をご依頼ください。
11 契約情報の公表
本企画競争に基づき締結される契約については、機構ウェブサイト上に契約関連情報(契約の相手方、契約金額等)を公表しています。また、一定の関係を有する法人との契約や関連公益法人等については、以下のとおり追加情報を公表します。詳細はウェブサイト「公共調達の適正化に係る契約情報の公表について」を参照願います。
(URL: xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxx/xxxxxx/xxxxxxxxx/xxxxxxxxxx/xxxxxxxxx.xxxx)
プロポーザルの提出及び契約の締結をもって、本件公表に同意されたものとみなさせていただきます。
(1)一定の関係を有する法人との契約に関する追加情報の公表
1)公表の対象となる契約相手方取引先
次のいずれにも該当する契約相手方を対象とします。
ア.当該契約の締結日において、当機構の役員経験者が再就職していること、又は当機構の課長相当職以上経験者が役員等として再就職していること
イ.当機構との間の取引高が、総売上又は事業収入の 3 分の 1 以上を占めていること
2)公表する情報
ア.対象となる再就職者の氏名、職名及び当機構における最終職名イ.直近 3 か年の財務諸表における当機構との間の取引高
ウ.総売上高又は事業収入に占める当機構との間の取引高の割合エ.一者応札又は応募である場合はその旨
3)情報の提供方法
契約締結日から1ヶ月以内に、所定の様式にて必要な情報を提供頂きます。
(2)関連公益法人等にかかる情報の公表
契約の相手方が「独立行政法人会計基準」第 13 章第 6 節に規定する関連公益法
人等に該当する場合には、同基準第 13 章第 7 節の規定される情報が、機構の財務諸表の付属明細書に掲載され一般に公表されます。
12 誓約事項
プロポーザルの提出に際し、競争参加者は以下の事項について誓約していただきます。誓約は、プロポーザル提出頭紙への記載により行っていただきます。
(1)反社会的勢力の排除
以下のいずれにも該当せず、将来においても該当することがないこと。
ア.競争参加者の役員等が、暴力団、暴力団員、暴力団関係企業、総会屋、社会運動等標榜ゴロ、特殊知能暴力集団等(各用語の意義は、独立行政法人国際協力機構反社会的勢力への対応に関する規程(平成 24 年規程(総)第 25 号)に規定するところにより、これらに準ずるもの又はその構成員を含む。以下、
「反社会的勢力」という。)である。
イ.役員等が暴力団員でなくなった日から 5 年を経過しないものである。ウ.反社会的勢力が競争参加者の経営に実質的に関与している。
エ.競争参加者又は競争参加者の役員等が自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって、反社会的勢力を利用するなどしている。
オ.競争参加者又は競争参加者の役員等が、反社会的勢力に対して、資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的若しくは積極的に反社会的勢力の維持、運営に協力し、若しくは関与している。
カ.競争参加者又は競争参加者の役員等が、反社会的勢力であることを知りながらこれを不当に利用するなどしている。
キ.競争参加者又は競争参加者の役員等が、反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有している。
ク.その他、競争参加者がxxx暴力団排除条例(平成 23 年xxx条例第 54 号)又はこれに相当する他の地方公共団体の条例に定める禁止行為を行っている。
(2)個人情報及び特定個人情報等の保護
法人として「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」及び「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)
(平成 26 年 12 月 11 日特定個人情報保護委員会)」に基づき、個人情報及び特定個人情報等を適切に管理できる体制を整えていること。
本契約において、「個人番号関係事務」を委託することは想定していませんが、業務に関連して競争参加者が謝金等を支払う可能性も想定されるため、そのような場合において、法令に基づく適切な管理ができる体制にあるのかを確認させていただくことが趣旨です。
13 その他留意事項
(1)配付・貸与資料
当機構が配付・貸与した資料は、本件業務のプロポーザルを作成するためのみに使用することとし、複写又は他の目的のために転用等使用しないでください。
(2)プロポーザルの報酬
プロポーザル及び見積書の作成、提出に対しては、報酬を支払いません。
(3)プロポーザルの目的外不使用
プロポーザル及び見積書は、本件業務の契約交渉権者を決定し、また、契約交渉及び契約管理を行う目的以外に使用しません。ただし、行政機関から依頼があった場合、法令で定められている範囲内において、プロポーザルに記載された情報を提供することがあります。
(4)プロポーザルの電子データについて
不採用となったプロポーザルの電子データは、当機構にて責任をもって削除します。また、不採用となったプロポーザルで提案された計画、手法は無断で使用しません。
(5)虚偽のプロポーザル
プロポーザルに虚偽の記載をした場合には、プロポーザルを無効とするとともに、虚偽の記載をしたプロポーザル提出者に対して資格停止措置を行うことがあります。
(6)プロポーザル作成に当たっての資料
プロポーザルの作成にあたっては、必ず以下のページを参照してください。
1)調達ガイドライン(コンサルタント等の調達):
当機構ウェブサイト「調達情報」>「調達ガイドライン、様式」>「コンサルタント等契約 関連ガイドライン/個別制度の解説」
(URL: xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxx/xxxxxx/xxxxxxxxx/xxxxxxxxxx/xxxxx.xxxx)
2)業務実施契約に係る様式:
同上ウェブサイト「調達情報」>「調達ガイドライン、様式」>「様式 業務実施契約」
(URL: xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxx/xxxxxx/xxxx/xxxxxx_x/xxxxx_xxxxx_000000.xxxx)
第2章 プロポーザル作成に係る留意事項
1 プロポーザルに記載されるべき事項
プロポーザルの作成に当たっては、「コンサルタント等契約におけるプロポーザル 作成ガイドライン」の内容を十分確認の上、指定された様式を用いて作成して下さい。
(URL: xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxxxxxx/xxxxxx/xxxxxxxxx/xxxxxxxxxx/xxxxxxxx_000000.xxxx)
(1)コンサルタント等の法人としての経験、能力
1)類似業務の経験
注)類似業務:水道事業運営に係る業務
2)業務実施上のバックアップ体制等
3)その他参考となる情報
(2)業務の実施方針等
1)業務実施の基本方針
プロポーザル及び見積書は本説明書の記載内容に基づき作成いただきます。一方で、コロナ禍の影響が長引き現地渡航できない状況が継続する可能性もありえます。現地調査について、本説明書あるいはプロポーザルの計画から延期せざるを得ない場合を想定し、現地調査開始前に実施できる国内業務について提案があればプロポーザルに追加で記載してください。こちらの提案につきましては、制限ページ数外、見積不要とします。
2)業務実施の方法
1)及び2)を併せた記載分量は、25ページ以下としてください。
3)作業計画
4)要員計画
5)業務従事予定者ごとの分担業務内容
6)現地業務に必要な資機材
7)実施設計・施工監理体制(無償資金協力を想定した協力準備調査の場合のみ)
8)その他
(3)業務従事予定者の経験、能力
1)業務管理体制の選択
本案件では、業務管理グループ(副業務xx者1名の配置)の適用を認めます。業務管理グループの詳細については、上記プロポーザル作成ガイドラインの別添資料3「業務管理グループ制度と若手育成加点」を参照ください(なお、本企画競争説明書の「第1章 企画競争の手続き9(2)」に記載のとおり、本案件は「若手育成加点」の適用はありませんので留意ください)。
業務管理グループを採用するか否かを明示の上、業務管理グループを提案する場合、その配置、役割分担等の考え方について記載願います。
2)評価対象業務従事者の経歴
評価対象となる業務従事者の担当専門分野は以下のとおりです。評価対象業務従事者にかかる履歴書と類似業務の経験を記載願います。
⮚ 業務xx者/水道事業運営管理 *1号俸相当者を指示します
⮚ 財務管理
⮚ 無収水管理
各評価対象業務従事者を評価するに当たっての類似業務経験分野、業務経験
地域、及び語学の種類は以下のとおりです。
【業務xx者/事業運営管理)】
a)類似業務経験の分野:水道事業運営管理に係る各種業務 b)対象国・地域又は同類似地域:アフリカ及び全途上国 c)語学能力:英語
d)業務xx者等としての経験
【業務従事者:担当分野 財務管理】 a)類似業務経験の分野:財務管理に係る各種業務 b)対象国・地域又は同類似地域:アフリカ及び全途上国 c)語学能力:英語
【業務従事者:担当分野 無収水管理】 a)類似業務経験の分野:無収水管理に係る各種業務 b)対象国・地域又は同類似地域:なし c)語学能力:なし
2 プロポーザル作成上の条件
(1)自社と雇用関係のない業務従事者の配置
自社の経営者または自社と雇用関係にある(原則、当該技術者の雇用保険や健康保険の事業主負担を行っている法人と当該技術者との関係をいう。複数の法人と雇用関係にある技術者の場合、主たる賃金を受ける雇用関係があるものをいう。また、雇用予定者を除く。なお、雇用関係にあるか否かが明確ではない場合は、契約書等関連資料を審査の上、JICA にて判断します。)技術者を「専任の技術者」と称します。また、専任の技術者以外の業務従事者を「補強」と称します。
補強については、全業務従事者の 4 分の 3 までを目途として、配置を認めます。ただし、受注者が共同企業体である場合、共同企業体の代表者及び構成員ごとの業務従事者数の 2 分の 1 までを目途とします。
なお、業務xx者については、自社(共同企業体の場合は代表者)の「専任の技術者」を指名してください。また、業務管理グループが認められている場合、副業務xx者についても自社(共同企業体の場合は、代表者又は構成員)の「専任の技術者」を指名してください。
注1)共同企業体を結成する場合、その代表者または構成員となる社は、当該共同企業体以外が提出するプロポーザルにおいて、補強として業務従事者を提供することを認めません。
注2)複数の競争参加者が同一の者を補強することは、これを妨げません。注3)評価対象業務従事者を補強により配置する場合は、当該業務従事予定者の所属する社又は団体(個人の場合は本人の同意書)から同意書(様式 はありません。)を取り付け、プロポーザルに添付してください。同意書 への、補強を行う者の代表社印又は社印(個人の場合は個人の印)押印は
省略可となります。
注4)評価対象外業務従事予定者を補強により配置する場合、契約交渉時に同意書を提出してください。契約時点で確定していない場合、同業務従事者を確定する際に提出してください。
注5)補強として業務従事者を提供している社との再委託契約は認めませ
ん。
注6)通訳団員については、補強を認めます。
(2)外国籍人材の活用
途上国における類似業務の経験・実績を持つ外国籍人材の活用が可能です。ただ し、委託される業務は我が国ODAの実施業務であることに鑑み、外国籍人材の活用上限は、当該業務全体の業務従事人月の2分の1及び業務従事者数の2分の1を目途としてください。
なお、業務xx者を含む評価対象業務従事者に外国籍人材を活用する場合で、当該業務従事者が日本語を母国語としない場合は、日本語のコミュニケーション能力について、記述してください。日本語の資格を取得している場合、証書の写しを添付してください。
3 プレゼンテーションの実施
プロポーザルを評価する上で、より効果的かつ適切な評価を行うために、別添の実施要領で業務xx者等から業務の実施方針等についてプレゼンテーションを求めます。
注)新型コロナウイルス感染拡大防止のため、電話によるプレゼンテーションとする可能性があります。詳細につきましては、あらためてご連絡いたします。
別紙:プロポーザル評価表
別添:プレゼンテーション実施要領
プロポーザル評価配点表
評 価 項 目 | 配 点 | |
1.コンサルタント等の法人としての経験・能力 | (10) | |
(1)類似業務の経験 | 6 | |
(2)業務実施上のバックアップ体制等 | 4 | |
2.業務の実施方針等 | (40) | |
(1)業務実施の基本方針の的確性 | 16 | |
(2)業務実施の方法の具体性、現実性等 | 18 | |
(3)要員計画等の妥当性 | 6 | |
(4)その他(実施設計・施工監理体制) | - | |
3.業務従事予定者の経験・能力 | (50) | |
(1)業務xx者の経験・能力/業務管理グループの評価 | (26) | |
業務xx 者のみ | 業務管理 グループ | |
① 業務xx者の経験・能力:業務xx者/水道事業運営 | (26) | (8) |
ア)類似業務の経験 | 8 | 3 |
イ)対象国又は同類似地域での業務経験 | 3 | 1 |
ウ)語学力 | 4 | 1 |
エ)業務xx者等としての経験 | 4 | 2 |
オ)その他学位、資格等 | 2 | 1 |
② 副業務xx者の経験・能力:副業務xx者/○○○○ | (-) | (8) |
ア)類似業務の経験 | - | 3 |
イ)対象国又は同類似地域での業務経験 | - | 1 |
ウ)語学力 | - | 1 |
エ)業務xx者等としての経験 | - | 2 |
オ)その他学位、資格等 | - | 1 |
③ 業務管理体制、プレゼンテーション | (5) | (10) |
ア)業務xx者等によるプレゼンテーション | 5 | 5 |
イ)業務管理体制 | - | 5 |
(2)業務従事者の経験・能力: 財務管理 | (12) | |
ア)類似業務の経験 | 6 | |
イ)対象国又は同類似地域での業務経験 | 1 | |
ウ)語学力 | 2 | |
エ)その他学位、資格等 | 3 | |
(3)業務従事者の経験・能力: 無収水管理 | (12) | |
ア)類似業務の経験 | 8 | |
イ)対象国又は同類似地域での業務経験 | - | |
ウ)語学力 | - | |
エ)その他学位、資格等 | 4 |
プレゼンテーション実施要領
プレゼンテーションは業務xx者(業務管理グループを提案する場合には、業務xx者又は副業務xx者、もしくは両者が共同で)が行ってください。なお、業務xx者以外に1名(業務管理グループを提案する場合には、業務xx者又は副業務xx者以外に1名)の出席を認めます。また、実施時の資料についてはプロポーザ ル提出時に併せてご提出ください。
1.実施時期: 2021年12月9日(木) 15:00~17:00
(各社の時間は、プロポーザル提出後、別途指示します。)
2.実施方法:新型コロナウイルス感染拡大防止のため、Microsoft-Teams による実施を基本とします。詳細につきましては、プロポーザルをご提出いただいた後にあらためてご連絡いたします。その際に、接続に不具合が生じる可能性がある場合は、電話会議などに方法の調整をいたしますので申し出てください。
(1)一社あたり最大、プレゼンテーション10分、質疑応答15分とします。
(2)使用言語は、プレゼンテーション、質疑応答とも日本語とします。 a)Microsoft-Teams を使用する会議
競争参加者が、自らが用意するインターネット環境・端末を用いての Microsoft-Teams の音声機能によるプレゼンテーションです。(Microsoft- Teams による一切の資料の共有・表示は、プロポーザル提出時に提出された資料を含めて、(システムが不安定になる可能性があることから)認めません。)指定した時間に Teams の会議室へ接続いただきましたら、入室を承認します。インターネット接続のトラブルや費用については、競争参加者の責任・負担とします。
b)電話会議
通常の電話のスピーカー機能による音声のみのプレゼンテーションです。プレゼンテーション参加者から当機構が指定する電話番号に指定した時間に電話をいただき、接続します。電話にかかる費用は、競争参加者の負担とします。
注)当機構在外事務所及び国内機関の JICA-Net の使用は認めません。
以 上
第3章 特記仕様書案
本特記仕様書案に記述されている「脚注」については、競争参加者がプロポーザルを作成する際の参考情報として注意書きしたものであり、契約に当たって、契約書附属書Ⅱとして添付される特記仕様書からは削除されます。
また、契約締結に際しては、契約交渉相手方のプロポーザルの内容を適切に反映するため、契約交渉に基づき、必要な修正等が施された上で、最終的な「特記仕様書」となります。
第1条 総則
この仕様書は、独立行政法人国際協力機構(以下「発注者」という。)と受注者名(以下「受注者」という。)との業務実施契約により実施する「ルワンダ国キガリ市水道事業体運営改善プロジェクト」に係る業務の仕様を示すものである。
第2条 プロジェクトの背景
ルワンダ政府は、中長期国家開発計画「変革のための国家戦略」(2017年)に基づき、2024年までに全国民に安全な水を提供することを目標に挙げている。一方で、ルワンダでは都市部における急速な発展が顕著であり、2020年に改訂されたキガリ市マスタープランにおける人口増加シナリオでは、2012年に約110万人であったキガリ市の人口は、地方からの人口流入により、2050年にはおよそ380万人に増加する見込みである。さらにキガリ市周辺の7セクター(Shyorongセクター、Rundaセクター、Xxxxxxxxセクター、Ntaramaセクター、Muyumbuセクター、Gahengeriセクター、Nyakaliroセクター)では、キガリ市よりも安価な土地利用が可能であることから、居住を目的とした開発が進められている。ルワンダの第5次Integrated Household Living Survey(2016年/2017年)によると、キガリ市内の水供給サービス(戸別給水によるxx給水および公共水栓等によるものを含む)は87%であるが、キガリ市及び周辺7セクター(以下「キガリ市広域地域」という。)の急激な人口増加による水需要の増加に対応できておらず、浄水場の処理能力不足や大量の漏水による給水制限や給水停止が起きていることに加え、水源の濁度が高いことに起因する浄水場の浄水量低下や維持管理上の負担の増大等が起きている。
2014年にルワンダ政府は水衛生公社(Water and Sanitation Corporation Ltd。以下「WASAC」という。)を新設し、WASACがキガリ市を含むルワンダ全国での水衛生に携わっている。キガリ市広域地域においては、キガリ市内の3箇所の主要浄水場と総延長4,000 kmを超える送配水管網の維持管理をWASACが担っている。一方で、キガリ市広域地域の全支店では、既存の給水システムでは潜在的な需要量に追い付いておらず、24時間連続給水が不可能であり、恒常的にレーショニング・プログラム(計画的な間欠給水)が実施されている。2019年時点で、北部幹線系統は週4日の給水、南部幹線は週3日の給水にとどまっているなど、該当地域の状況は深刻であるといえる。
このような状況下において、国際協力機構(JICA)は開発計画調査型技術協力
「キガリ市上水道改善整備マスタープランプロジェクト」を2019年から実施している。主な目的は、将来的な水需要の急増に対して給水を確保するため、既存及び新規の給水システムを長期にわたってより効率的・効果的に活用するための包括的なマスタープランを策定することである。現在、2050年を目標年次としてキガリ市広域地域の水需要量である1,067,000 m3/day(一日最大給水量)を賄うマ
スターシナリオを作成するとともに、マスターシナリオを達成するための15年投資計画を策定している。今後、策定した計画を実現していくにあたり、キガリ市水道事業体運営改善プロジェクト(以下「本事業」という。)では以下の事項を支援することが期待される。
維持管理の観点では、漏水箇所の把握、補修を適切に対応し、高低差の激しい 地形条件に対しても効率的な運用を行っていくことが求められている。また、浄 水場においても、高い濁度への対応として薬剤注入量の最適化を行い、運転コス トの削減に取り組む必要がある。組織・人材面では、地下水源の管理を行う技術 職員を育成することで、持続可能な水資源の開発と適切な維持管理を行っていく ことが求められている。また、WASACが部門間で協力していく体制を構築して いくことや、様々な政府省庁との調整を行っていく必要がある。財務面では、今 後設備投資を行っていくため、適切な料金改定の計画を検討していく必要がある。加えて、コスト構造の認識を財務部にとどまらず各部局が認識し、効率化を検討 することが今後の投資計画の検討にあたり重要となっている。これらの事項を本 事業では支援し、WASACが今後マスターシナリオ及び15年投資計画を実現して いくための基礎を構築する。
また、2016年からJICAが実施している技術協力「キガリ市無収水対策強化プロジェクト」を通じて、WASACは無収水対策として漏水対応のノウハウを習得し、パイロットエリアにて無収水対策の効果を実証してきた。今後は、広域での無収水の削減を目指し、xx的な原因である、配水区域のブロック化(配水区域を分割して管理する手法)がされていないことによる不均衡な送配水圧や質の低いサービス管の利用を減らすための配水管網整備・機材活用の検討や制度管理について、本事業で支援する。
ルワンダ国政府はこれまでのプロジェクト成果を踏まえ、マスタープランを効果的に実施するためのWASACの能力強化を目的とするだけでなく、能力強化を通じた組織改革により顧客サービスの向上を目指し、我が国に対し技術協力プロジェクトの実施を要請した。
第3条 プロジェクトの概要
(1) プロジェクト名
ルワンダ国キガリ市水道事業体運営改善プロジェクト
(2) 上位目標
WASAC が信頼のおける給水サービスを持続的に提供できるようになる。
(3) プロジェクト目標
WASAC の上水道マスタープランの計画・実施能力が向上する。
(4) 成果
成果 1:事業体改革の実施の枠組みが確立され、WASAC が組織横断的な問題を解決できるようになる。
成果 2:マスタープランを実施するための財務管理能力が向上する。成果 3:効率的な無収水削減を実施するための能力が向上する。
成果 4:上水道施設が効率的に運用される。
(5) 活動の概要
【成果 1 に係る活動】
1.1 WASAC の現在の経営の枠組みを分析する。
1.2 マスタープランや事業体改革戦略実施のための組織的な枠組みを検証する。
1.3 マスタープランや事業体改革戦略の実施をけん引し、調整や監督組織でもある One Strategic Team (OST)と、関連団体との調整をするプログラムサポート委員会を設置する。
1.4 直近のWASAC の 5 か年ビジネス戦略計画と年間アクションプランの実施について相対的な評価を実施する。
1.5 活動 1.4 の結果を反映した給水サービスに係る 5 か年ビジネス戦略計画を作成する。
1.6 5 か年ビジネス戦略計画に基づいてキガリ市 3 か年ローリング活動計画とパフォーマンス指標(PI)を設定する。
1.7 3 か年ローリング活動計画を実施する。
1.8 パフォーマンス指標を通して実施をモニタリングする。
1.9 3 か年ローリング活動計画の年次評価を実施し、計画を修正する。
1.10 組織の分野横断的な課題を抽出し、それらの課題を解決するための方法を検討する。
1.11 解決策をWASAC の部署や関連組織に提案する。
1.12 提案された解決策の実施についてモニタリングする。
1.13 3 か年ローリング活動計画の総合評価を実施する。
1.14 戦略的ビジネスプランに活動 1.13 の結果を反映させる。
【成果 2 に係る活動】
2.1 WASAC の現時点での財務管理能力についてのアセスメントと分析を実施し、収益増加やコスト削減につながる優先的な活動を選択する。
2.2 関連政策、プロセスマニュアルの見直し、見直された政策やプロセスマニュアルに関する説明や研修を含むキャパシティ向上のための活動計画を作成する。
2.3 活動 2.2 で作成されたアクションプランを実施する。
2.4 財務諸表を分析し、その結果を関連部署と共有する。
2.5 統合されたマスタープランの実施に必要な資金を概算する。
2.6 資金繰りのシナリオや条件を精査する。
2.7 WASAC の財政状態や投資計画に基づいて、水道料金改訂や資金繰り戦略を作成する。
【成果 3 に係る活動】
3.1 パイロット支店またはエリアを選択する。
3.2 選択したパイロット支店またはエリアを分離し流入量をモニターする。
3.3 活動 3.4 と 3.5 に必要な配水管網(口径、材質、修理記録等)のデータベースを準備する。
3.4 配水管網の再構築に関する設計の研修を実施する。
3.5 現状の配水管網の水圧ゾーンマップを作成する。
3.6 パイロット支店またはエリアにおける無収水削減に関する活動計画
(フロートバルブの設置や修理、水圧削減バルプの設置、漏水修理、検針エラー、不法接続の減少など)を作成する。
3.7 ベースライン調査を実施する。
3.8 活動 3.6 で作成された無収水削減年間活動計画を実施する。
3.9 無収水削減対策のコスト便益パフォーマンス指標を選択する。
3.10 コスト便益パフォーマンス指標を定期的にモニターする。
3.11 コスト便益パフォーマンス指標のモニタリングに関する研修を支店に対して実施する。
3.12 活動 3.10 の結果を次年度の年次活動計画に反映させる。
3.13 活動 3.6、3.8、3.10 及び 3.12 を各財政年度に繰り返して実施する。
3.14 サービス管の接続に関する現在の課題を抽出する。
3.15 サービス管の接続の向上に重要な対策を考慮する。
3.16 改善策を導入したサービス管設置の結果をモニタリングする(手順書の作成など)
3.17 パイロット活動の結果を無収水削減 5 か年計画に統合する。
3.18 成果 3 の活動を WASAC の幹部や全支店にセミナーやワークショップを通して共有する。
【成果 4 に係る活動】
4.1 浄水場の調査とアセスメントを実施する。
4.2 手順書(SOP)チームを編成する。
4.3 浄水場の薬品注入の最適化に関する手順書を作成する。
4.4 浄水場の薬品注入の最適化に関する OJT を実施する。
4.5 浄水場やポンプ場の電力消費量についての調査とアセスメントを実施する。
4.6 高い電力消費量または非効率な電力量消費の設備を特定し分析する。
4.7 特定したパイロット設備に節電機器を設置する。
4.8 パイロット設備の節電機器の効率や効果を評価し報告する。
4.9 活動 4.8 に基づいて各設備の節電計画を作成する。
4.10 成果 4 の活動を WASAC の幹部や全支店にセミナーやワークショップを通して共有する。
(6) 対象地域
キガリ市及び周辺7セクター
(7) 関係官庁・機関
WASAC(カウンターパート機関(C/P))
(8) プロジェクト実施期間
2022 年 2 月から 2027 年 3 月までとする。
第4条 業務の目的
「キガリ市水道事業体運営改善プロジェクト」に関し、本事業に係るR/Dに基づき業務(活動)を実施することにより、期待される成果を発現し、プロジェクト目標を達成する。
第5条 業務の範囲
(1)本業務は、2021年10月22日に署名されたR/Dに基づき実施されるプロジェクトにおいて、「第4条 業務の目的」を達成するため、「第7条 業務の内容」に示す事項を実施することである。併せてコンサルタントは、プロジェクト全体の進捗、成果の発現を把握し、必要に応じプロジェクトの方向性について、JICAに提言を行うことが求められる。
(2)また、コンサルタントは本業務実施にあたり、プロジェクトの目的がルワンダ国側関係者の能力向上であることに留意し、「第6条 実施方針および留意事項」に十分配慮して業務を実施することが求められる。
(3)コンサルタントは本業務の進捗に応じて「第8条 成果品等」に示す報告書
等を作成し、ルワンダ国側関係者に説明・協議のうえ提出する。
第6条 実施方針及び留意事項
(1)本事業の実施方針
本事業は、キガリ市において、WASAC の財務管理能力の強化・無収水削減の実現・効率的な施設の運営・維持管理の強化を支援することで、WASAC が上水道マスタープランを実施していくための計画・実施能力強化を図り、もって信頼のおける持続的な給水サービスの提供に寄与するものである。以下の基本方針を念頭に置き、活動を行うことである。
【成果 1 活動】
将来的なマスタープランの実現にあたり、WASAC 内の分野横断的な課題に対応するための組織(One Strategic Team。以下「OST」という。)を組成 し、OST が成果 2~4 の活動をモニタリング/評価するとともに、組織横断的な課題の抽出及び解決に向けた提案を行い、活動の改善を後押しする。また、
OST はプロジェクト終了後も存続し、M/P の実現にあたっての活動をモニタリング/評価していく。なお、キガリ市以外も含むWASAC 全体の事業戦略である 5 Year Strategic Business Plan に対して、上水道パートの作成を支援する。
【成果 2 活動】
WASAC の財務管理能力を分析し、収支改善に関連する課題達成に向けての能力強化に取り組む。また、マスタープランで計画されている設備投資計画に応じた資金需要を試算するとともに、財務シミュレーションを実施し、料金改定提案や資金調達戦略の作成に取り組む。(なお、成果2における収支改善の取り組みは、成果3、4で扱うもの以外を対象とする。)
【成果 3 活動】
無収水削減活動を実施するパイロット支店/エリアを選定し、無収水削減に向けた計画をWASAC が自ら策定し、対策を講じる。パイロット支店/エリアの選定には、流量を計測するモニタリング設備が整っていることを必須とし、条件を満たす支店/エリアを選定する。また、活動結果として、無収水削減に係る費用対効果を算定し、その効果をWASAC の上層部、関係部局・機関に共有す
る。別途、漏水の主たる要因の一つであるサービス管の質の担保のため、現状に至る課題を整理し、制度の改善を含めたWASAC のサービス管布設に伴う対応プロセスの改善にあたる。
【成果 4 活動】
水道施設における維持管理費用の削減の観点から、特に薬剤注入量の最適化、電力消費量の削減に係る検討などを想定している。薬剤注入量の最適化の観点では、浄水場ごとに現状分析の上、OJT により薬剤注入量の最適化を目指す。一方で、電力消費の観点では消費電力の大きいもしくは非効率な設備を選定し、省エネ機材を設置して電力削減効果を確認する。
以上より、成果 1~4 達成することで、WASAC が上水道マスタープランを実施していくための計画・実施能力強化を図るとともに、信頼のおける持続的な給水サービスの提供に寄与するものである。本概要を下図に示す。
プロジェクト構成
上位目標:WASACにより信頼のおける給水サービスが持続的に提供できるようになる
WASACの能力が強化されたことで施設維持管理だけでなく、給水サービス自体が改善され、結果として住民の信頼を獲得し、より良い給水サービスを提供する
プロ目 :上水道マスタープランに対するWASACの計画・実施能力が強化される
モニタリング
無収水削減による間欠給水の改善
⇒収入増
効率的な運用に
よるコスト削減
各成果の実現によりWASACの計画・実施能力の強化を支援する
成果4:上水道施設がコスト効率的に運用される
• 水道施設における維持管理費用の削減の観点を検討する。
• 薬剤注入量の最適化の観点では、浄水場ごとに現状分析の上、 OJTでの薬剤注入量の最適化を目指す。
• 電力消費の観点では消費電力の大きいもしくは非効率な設備をパイロット設備として選定し、省エネ機材を設置して電力削減効果を確認する。
成果3:効率的な無収水削減の実施能力が強化される
• パイロット支店/エリアを選定し、無収水削減に向けた対策を WASAC自ら計画を策定し、対策を講じる。
• 活動結果として、無収水削減に係る費用対効果を算定し、その
効果をWASACの上層部、関係部局に共有する。
• 別途、漏水の主たる要因の一つである給水管の質の担保のため、現状に至る課題を整理し、制度の改革を含めたWASACの給水管
布設に伴う対応フローの改善にあたる。
成果2:マスタープランを実施するための財務管理能力が強化される※
• WASACの財務管理能力を分析し、収支改善に関連する課題への能力強化に取り組む。
• M/Pなどの設備投資計画に応じた資金需要を試算し、財務シ
ミュレーションを実施。それに伴う料金改定や資金調達戦略の作成に取り組む。
成果1:マスタープラン実施のためのフレームワークが構築され、WASACが分野横断的な課題を解決できるようになる
• MPの実現のため、WASAC内の分野横断的な課題に対応する組織 One Strategic Team(OST)を組成する。
• OSTが成果2~4の活動をモニタリングし、活動の改善を後押しする。また、OSTはプロジェクト終了後も存続し、M/Pの実現にあたっての活動をモニタリング・調整していく。
※成果2における収支改善の取り組みは、成果3、4で扱うもの以外を対象とする。
(2)ルワンダでの我が国の過去の支援との関係
ルワンダに対して、我が国では過去に無償資金協力や技術協力プロジェクト等 を実施してきており、それらの成果を活用した本事業での活動実施が求められる。背景で記載の通り、過去の案件である開発計画調査型技術協力「キガリ市上水道 改善整備マスタープランプロジェクト」、技術協力プロジェクト「キガリ市無収 水対策強化プロジェクト」ではキガリ市を対象として、広く支援を行ってきた。これらの過去の案件の教訓や提言、xxxx等を十分に理解し、活用したプロジ ェクト展開を検討すること。
また、無償資金協力「キガリ市中央北部給水サービス改善計画」も本事業と同時期に実施される予定である。これらの案件との関連性を理解し、上記調査結果を活用するとともに、特に成果 3 の無収水削減活動において、パイロットエリアを検討するなど連携して活動を実施すること。
(3)本事業の実施体制
本事業の実施にあたっては、成果 1 において、カウンターパートであるWASAC内に OST を組成する。OST の役割などについては第 6 条(9)を参照のこと。また、同様に特に成果 1 において、別途調達される水道経営アドバイザーと連携して業務を実施していくことが求められる。水道経営アドバイザーについては、第 6 条(11)を参照のこと。
(4)特にプロポーザルにて提案を求める事項
プロポーザルの作成に当たっては、特に以下の事項について、コンサルタントの知見と経験に基づき、可能な範囲で具体的な提案を行うこと 。
・本邦研修の実施内容
・ベースライン調査の調査項目
・成果 2 に係る財務管理能力強化の実施方法
・成果 3 に係る無収水削減対策の効率的な実施手法
・成果 4 に係る施設維持管理上のコスト削減要因の抽出手法
・域内水道事業体連携の取り組み
なお、業務量を大幅に超える提案を行う場合、プロポーザルにおいて代替案として提案することを明記し、見積書についても同代替案についての見積書であることを明記して提出することとする。代替案についての見積書については契約交渉時に代替案の内容と併せて協議を行うこととする。
(5)本邦研修
本事業実施期間中に、本事業の効果を更に高めるために本邦研修の実施を予定する。本邦研修においては、上位目標でもある信頼のおける給水サービスを WASAC が持続的に提供できるようになるため、水道事業での顧客サービスに関する内容を含めた本邦研修を想定している。
研修内容や受け入れ先については、プロポーザルでの提案内容を踏まえ、本業務の開始後に調整を行い、確定する。なお、コンサルタントは、カウンターパート及び JICA と協議の上、研修対象者の人選、研修内容の検討、講師の選定、日程の調整等を行うとともに、研修に同行する等を担う。また、研修で達成する成果に加えて、講義・視察内容、行程等の具体的な研修内容をまとめて、事前に JICAに提出する。現時点では、プロジェクト第 1 期中に 1 回、渡航日を含めて 21 日間程度、参加人数は、WASAC の関係者から 10 名程度を想定している。第三国研修を採用する場合の実施場所は、本事業の効果発現の促進に資する国を提案すること。プロポーザルでは、現時点で想定される内容を具体的に提案し、「コンサルタント等契約における研修・招へい実施ガイドライン(2017 年 6 月)」に基づき、実施費用(講師謝金、教材作成、会場借用当に係る費用及び受入費用(渡航費、宿泊費、手当等にかかる費用)を別見積もりとして計上する(本業務のための業務人月は 2 人月を目安とし、本見積に含める。本業務人月は第4章(2)
の2)に記載の 92.5 人月の内数)。但し、新型コロナウイルス感染拡大の状況によって実施時期等考慮する必要があるため、研修の計画段階から JICA と協議を行うこと。
(6)ベースライン/エンドライン調査
成果 3 に係る活動の実施にあたり、対象とするパイロットサイトにおける無収水削減活動の費用対効果を算定するため、ベースライン調査を実施する。調査項目としては次の調査を想定している。また、併せて各成果の効果を確認するため、プロジェクト開始時のキャパシティアセスメントを実施すること。
・パイロットサイト内のエリアごとの漏水量の推定(成果 3)
・パイロットサイト内の給水圧の調査(成果 3)
・無収水率の算定(成果 3)
・サービス管の布設状況の調査(成果 3)
・C/P のキャパシティアセスメント(各成果)
ベースライン調査はプロジェクト開始後約 1 年以内に結果取りまとめまで行うことが望ましい。実施に際しては現地の風土や慣習を考慮し、調査実施に際して必要な手続きを事前に済ませること。また、調査は対象地域の文化的背景を考慮した手法・内容とすること。実施に際してはルワンダ国のコンサルタントを活用するものとし、現地再委託にて実施することが望ましい。また、ベースライン調査前に先方政府と協議の上決定し、ベースラインにて必要な情報を整理するものとする。なお、調査手法、項目については、プロポーザルの中で提案すること。
(7)WASAC の組織体制変更の可能性
近年、監督機関であるインフラストラクチャ―省(Ministry of Infrastructure。以下「MININFRA」という。)をはじめとした関係機関は WASAC の組織改編を想定した検討を進めている。組織改編の検討においては、WASAC の分社化を含む内容が提案されており、本事業の実施前もしくは実施中に組織改編が実施される可能性がある。WASAC の組織改編が実現した際にも、本事業の目標を達成すべくWASAC の組織体制の変化に柔軟に対応し、関係部署のとりまとめを行うとともに、プロジェクトの継続に向けた活動を実施すること。
(8)utility turnaround に関するWASAC の意向
JICA は本事業の目標を、先行する協力で作成した上水道 M/P のうち主に投資計画を実現するための体制強化や財務状況の改善を行うことと考えていたが、 WASAC はそれ以上に、ゴールに向かう継続的な PDCA や日々のモラル改善の繰り返しによって、顧客から信頼を得られる水道公社に組織の体質を改善することが必要で、そのための戦略を日本人の専門家と一緒に作りたいという期待が示された。この期待に応えるため、次期5か年ビジネス戦略計画のドラフトを本事業で支援することとした。また、特に顧客との関係については、本邦研修等にテーマとして組み込み、日本などの水道事業体の対応を紹介することを想定する。
水道公社の組織体質改善(utility turnaround)は、経営改善や事業改善によるコストカットと効率化を指すことにもなるが、水道事業体の企業としての特殊性
(政治的な料金設定や、公衆衛生に対する社会的責任)や、WASAC は水道事業体としての技術力や管理能力が発展途上であることを考えると、コンサルタントが改善の舵取りをするのではなく、日々の事業をどのように改善していくかを専門家と一緒にWASAC 自身が考えて少しずつ変わり、組織として力をつけていくことが望ましい。
(9)成果 1:One strategic team の意義、役割について
先行のキガリ市上水 M/P プロジェクトでは、各プロジェクトを進めるために、部門間の調整を強化するユニットを設置する必要があると提案されている。また、キガリ市無収水対策プロジェクトを通じて、WASAC は漏水対応のノウハウは習 得したが、漏水をさらに削減するには技術・制度の浸透や予算配分の問題など、部署横断的な問題の存在が浮かび上がっている。
本事業ではM/P の提案に基づき成果1で OST というユニットを設置し、これまで解決が難しかった部署横断的な課題に対応できる体制を整え、成果2~4の管理と実施中に発生した課題に対処する。OST は各部署より上位レベルでの決定権を持つ必要があるため、CEO 自身もメンバーになることを確認している。 OST が実際にどのていど問題を解決し、他の成果に対する管理ができるかは、 WASAC 自身のコミットメントは当然ながら、専門家が WASAC の各部局の機能や役割を十分に理解してWASAC と協働できるかであり、WASAC と専門家の関係構築が非常に重要となる。
(10) 5 カ年ビジネス戦略計画と 3 カ年ローリング活動計画との関係
5 カ年ビジネス戦略計画は、WASAC が策定している経営戦略をまとめたものであり、WASAC の管轄である全地域の上水道、下水道のビジネス戦略計画である。本事業では、このうち成果 1 において上水道パートの策定を支援する。また、
5 カ年ビジネス戦略計画の作成支援を行うものの、一方で本事業の実施期間内に
5 カ年ビジネス戦略計画の見直しまで収まらないことから、別途本事業の実行上
に必要な事項を抽出した 3 カ年ローリング活動計画を策定する。また、この 3 カ
年ローリング活動計画の見直しを行うことで、将来的な 5 カ年ビジネス戦略計画の作成に役立てるものとする。
Rwanda Water Supply and
Sanitation Master Plan
Kigali Water Master Plan
Overall Evaluation of WASAC Five-Year Strategic Business Plan (2015/16-2019/20)
WASAC Five-Year Strategic Business Plan (2020/21-2024/25)
Annual Action Plan
Annual Action Plan
Annual Action Plan
Annual Action Plan
Three-Year Rolling Action Plan
For tackling cross-organizational issues and issues related to Output 2, 3 and 4.
Annual Action Plan
Annual Action Plan
(11) 成果 1:別途調達する専門家との連携
本公示内容とは別途に、水道経営アドバイザーとして単独型の専門家を調達予定である。この水道経営アドバイザーは短期のシャトル型での派遣を想定しており、WASAC の CEO を中心とした経営層(Management)向けに日本での水道事業の経験や組織改善に向けたアドバイスを提供する。水道経営アドバイザーが実施する活動(WASAC への助言)を踏まえ、本公示内容における専門家は、WASACが OST を運用し、分野横断的に調整を行うことに対し、WASAC への実務面でのサポートや調整を行う。本事業においては、業務xx者が中心となってプロジェクト全体及び成果 1 を取りまとめるが、水道経営アドバイザーとの連携もふまえ、効率的に本事業を実施すること。なお、これらの関係性は以下の通りである。
C/Pの実施体制 プロジェクトの投入 補足説明
業務xx者
水道経営アドバイザー
(別契約)
WASAC
One Strategic Team = Output1 Team
Branches
Directorate of Urban Water and Sewage
Output4 Team 施設維持管理
Branches
Directorate of Commercial Service
Directorate of Urban Water and Sewage
Output3 Team 無収水削減
Directorate of Finance
Output2 Team 財務
Representative of each Department related to Output 2 to 4
Representative of SPIU
Representative of CPSD
Chairperson: Chief Executive Officer |
Project Manager: Deputy Chief Executive Officer |
Senior Management |
• アドバイザーは経営層向けに日本での経験や組織改善に向けたアドバイスを提供。
戦略の検討・決定はC/P
専門家(成果1)
・事業運営管理
・事業戦略
• 専門家はWASACが主体となってOSTが分野横断的に調整を行うことに対し、実務面でのサ ポートや調整を行う。
専門家(成果2)
・財務管理
・財務計画
専門家(成果3)
・無収水管理
・無収水削減計画
機 材(成果3)
・弁類、管材等
専門家(成果4)
・施設維持管理
・電気電子
機 材(成果4)
・節電機材
(12) 成果 2:財務管理能力強化に向けた課題の整理
成果 2 においては、WASAC の財務管理能力を分析し、収支改善に関連する課題への能力強化に取り組むこととしているが、詳細計画策定調査においては具体的にどのような改善が必要であるかまでは特定できていない1。本事業においては、成果 2 の活動である投資計画を踏まえた料金改定、外部資金の獲得を想定した活動の実施に耐えうるような現状のアセスメントと研修の立案が求められる。なお、研修の立案に向けての現状分析の手法や研修内容の選定方法、実施方法については、プロポーザルの中で提案すること。
(13) 成果 2:投資計画に基づいた料金改定戦略と外部資金獲得
成果 2 では財務管理能力に関わる研修を踏まえたうえで、施設整備計画をもとにした資金調達計画を検討する。これには水道料金の改定による収入の改善を検討するだけでなく、WASAC による市中銀行からの資金調達や他ドナーからの資金獲得を想定した支援を想定している。本事業では資金調達計画の検討を行うだけでなく、WASAC とともに市中銀行もしくは他ドナーからの資金調達に根差した交渉資料の作成等を支援する。
(14) 成果 3:無収水削減事業への費用対効果の算出
成果 3 の無収水削減に関する活動では、パイロットプロジェクトを実施して、圧力管理とサービス管の改善による無収水削減に取り組み、費用対効果を測定し、測定結果を予算獲得のための交渉資料として活用してもらうことを想定してい る。漏水を減らすためには資機材の投入が必要であるが、xx更新を面的に行う だけの費用を技術協力で賄うことはできないため、圧力管理のための一部のバル
1 WASACは、財務状況に関して会計検査院から度重なる厳しい指摘を受けている。会計検査院からの指摘で
は、14項目にわたる指摘がなされているうち、不正確な財務諸表、コーポレートガバナンス、無収水などがその中でも主だった課題として挙げられており、顧客の信用低下に繋がっているとされている。このことからも、収支改善に取り組む前段として、基礎的な財務管理能力の向上が必要であると考えられる。
ブ調達やサービス管に関する制度の見直しなどを行う。また、投資計画や M/P の目標年が 2035 年や 2050 年であることを見据えると、人材育成も重要であるため、バルブ設置場所の検討のために必要な管網分析の研修は対象者を限定せずなるべく多くのWASAC 職員が受講できるようにする。
なお、本事業の限られた予算下において、効率的な無収水削減活動を実施し、費用対効果を占める手法について、プロポーザルの中で提案すること。
(15) 成果 3:パイロット支店/エリア選定時の留意事項
本事業では、圧力管理のための一部のバルブ調達を想定しており、無収水率を計測するモニタリング設備の資機材投入は想定していない。よって、パイロット支店/エリアの選定時には、流量のモニタリング設備の整った支店/エリアを選定する必要がある2。現在、WASAC ではモニタリング設備の整備を進めているものの、計画通りの整備が実現されている状況ではなく、プロジェクトの実施時に整備状況を確認するものとし、パイロット支店/エリアの選定時には留意すること。
(16) 成果 3:無償資金協力事業との連携
協力準備調査の実施が予定されているキガリ市中央北部給水サービス改善計画では、ノトラ配水池下流の配水管のブロック化により、漏水を削減して水源を創出し、レメラ配水池からの配水エリアの給水サービスを改善することを目指している。本事業の無収水削減パイロット地域は、プロジェクト開始後に決定する予定であるが、協力準備調査の検討結果も踏まえてパイロット支店/エリアの決定をすること。
(17) 成果 4:施設維持管理上のコスト削減要因の検討
成果 4 においては、上水道施設において、コスト面で非効率となっている事項について改善を行うものとした。詳細計画策定調査時点ではポンプ設備などを念頭に置いた省エネルギー化や、浄水場における薬剤投入量の適正化として整理したが、本事業においては、プロジェクト序盤で水道施設全般を改めて評価し、コスト面で非効率な事項を抽出するものとする。
特に、詳細計画策定調査では深く掘り下げていないが、WASAC では浄水場の水源としている井戸水源の維持管理がなされていないことが確認されている。井戸からの取水量が減少し、高濁度の河川からの取水に頼っていることで、結果として高コストな浄水処理を採用していることが想定され、これらのコスト構造と改善に向けて見込まれる費用対効果を整理すること。また、結果として水源の維持管理の改善が費用対効果の面で重要であることが確認された場合には、JICAと相談の上、成果 4 の活動を変更もしくは追加することを検討する。
なお、施設維持管理上のコスト削減要因を効率的に把握する手法及び削減要因として着目すべきポイントについては、プロポーザルの中で提案すること。
(18) 域内水道事業体連携の取り組み
JICA は、グローバル・アジェンダ「持続可能な水資源の確保と水供給」において、水道事業体のナレッジ創出と共有を重視している。
WASAC はマラウイのリロングウェ水公社(Lilongwe Water Board。以下「LWB」という。)と 2017 年 7 月に協力協定書を締結し、無収水削減も含め、相互の学び合いを促進することを合意している。2018 年 11 月には、ルワンダのキガリ市において、「第 1 回無収水対策ベンチマーキングワークショップ」が開催され、ケニアのエンブ水資源管理会社( Embu Water & Sanitation Company。以下
2 流量をモニタリングできる範囲を設定するものとするが、必ずしも支店単位で区域分けできている状況ではないため、支店単位に限らず特定のエリアをパイロット範囲として選定することも想定している。
「EWASCO」という。)も含めた 3 つの水道事業体による域内連携の取り組み
が行われている。第 2 回については、LWB がホストとなり 2019 年 9 月にリロングウェにて開催され、「無収水削減にかかる好事例・失敗の教訓」について各国の取り組みを踏まえた学びあいが実施された。第 3 回ワークショップは、 EWASCO がホストとなり、2021 年にケニアでの開催を予定していたが、コロナウイルスの感染拡大の影響により延期されている。
域内連携の取り組みでは 3 水道事業体が自主的に設定した活動を日々行って おり、3 か月ごとにオンラインでの進捗報告会議を開催し、また年 1 回開催され るワークショップは、これらの活動の最終報告の場としても位置付けられている。これらの状況を踏まえ、受注者は以下の支援を WASAC および本域内水道事業体 連携に対して行う。更に、本活動により WASAC が得られるナレッジをどのよう にプロジェクト活動に生かしていくか、具体的にプロポーザルで提案すること。
① WASAC が日々実施している本活動への助言、モニタリング及び必要な支援。
② 3 か月ごとに開催される進捗報告会への参加及びWASAC 報告の準備状況の確認と必要な支援。
③ 域内連携に関わる日本人関係者(3 か国の技プロ専門家、3JICA 事務所及び本部担当者で構成。不定期開催)会合への参加。
④ ルワンダ外で開催されるワークショップへのWASAC 引率(2022 年以降、ケニア、ルワンダ、マラウイの順に年 1 回 4 日程度のワークショップ開催予定。WASAC からの参加者は 5 名程度を想定。)。
⑤ ルワンダで開催されるワークショップにおけるWASAC のホスト支援(キガリ市内で 4 日程度のワークショップ開催。参加者総数は 50 名程度を想定。)
(19) ジェンダーの視点に立った取組
当該セクターにおけるジェンダー平等推進の現状(政策・制度等含む)と本事業の関係性等を確認する。プロジェクトの実施にあたって実施する各種調査は、可能な限り各項目について男女別のデータを入手し、女性(カウンターパート、事業の受益者、顧客・利用者等)が抱えるニーズや課題を分析したうえで、本事業におけるジェンダー主流化ニーズおよび具体的な対策について確認し、実施することとする。
(20) C/P のオーナーシップの確保
本プロジェクトは、成果品となるマニュアルや研修教材等を作成することもさることながら、業務実施のプロセスにおいて如何に C/P の能力を向上させるかが最も重要である。コンサルタントは、ルワンダ国側関係機関の主体性を尊重し、そのオーナーシップを引き出しながら、共同作業を通じて彼らが必要な能力を向上させ、自らそれらを活用していくことができるようにしていくプロセスについて十分意識・工夫するものとする。
(21) プロジェクトの柔軟性の確保
キャパシティ・ディベロップメントを目的とする技術協力プロジェクトでは、 C/P のパフォーマンスやプロジェクトを取り巻く環境の変化によって、プロジェクトの活動を柔軟に変更していくことが必要となる。この趣旨を踏まえ、コンサルタントは、プロジェクト全体の進捗、成果の発現状況を把握し、必要に応じプロジェクトの方向性について、適宜 JICA に提言を行うことが求められる。JICA
は、これら提言について、遅滞なく検討し、必要な処置(先方 C/P との合意文書の変更、契約の変更等)を取ることとする。
第7条 業務の内容
本件に係る業務工程は、2022年2月に開始し、以下の3つの期間に分けて実施し、
2027年3月頃の終了を目途とする。第1期:2022年2月 ~ 2024年1月第2期:2024年2月 ~ 2025年7月第3期:2025年8月 ~ 2027年3月
各期の契約期間の終了時点において、次期以降の契約期間や業務内容の変更の有無等についてJICAと協議する。なお、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によるxx専門家の渡航制限の影響に鑑み、コンサルタントとJICAとの協議に基づき契約期間を決定する。また、各契約期間における業務については、以下の内容を想定している。
コンサルタントは、以下の内容を参考にコンサルタントが適切と考える期間及び各期における業務内容を検討し、プロポーザルにおいて提案すること。
【第 1 期契約期間:2022 年 2 月~2024 年 1 月】
<プロジェクト全般に係る活動>
(1)業務計画書の作成
第 1 期の業務に係る業務計画を作成し、JICA に説明の上、内容につき合意を得る。
(2)ワーク・プランの作成及び合意
本事業にかかる詳細計画策定調査報告書等を踏まえて、プロジェクトの全体像を把握し、全期間にわたるプロジェクト実施の基本方針・方法、業務工程計画等を作成する。また、これらを基に、ワーク・プラン(第1期)(案)を作成する。同プラン(案)を基に関係機関と協議し、プロジェクトの全体像について合意する。
(3)本邦研修の確定
本業務の開始にあたり、研修内容の検討、研修受け入れ先との調整を行い、研修内容を確定する。なお、本邦研修の実施にあたっては、「コンサルタント等契約における研修・招へい実施ガイドライン(2017 年 6 月)」の記載事項に留意し、必要な手続きに余裕を持って行う。
(4)PDM ver. 1(案)の策定
ベースライン調査やキャパシティ・アセスメントの結果等に基づき、C/P と協働でPDM ver. 1(案)を策定し、ステアリング・コミッティ(Steering Committee。以下「SC」という。)3にて関係者と内容について協議、確認を行う。
(5)業務進捗報告書(第 1 期)の作成
第 1 期における現地作業の終了時に、プロジェクトの活動内容を業務進捗報告書(第 1 期)として取りまとめる。同レポートの作成にあたっては、JICA の確認を経た後、ルワンダ側関係機関と協議を行い、同レポートに記載される事項に係る合意を得た後に製本する。
<成果 1 に係る活動>
(1)WASAC の現在の経営の枠組みを分析する。(活動 1.1)
3 技術協力プロジェクトにおける合同調整委員会(Joint Coordination Committee)と同等の役割を担う。
成果 1 において分野横断的な課題に対応し、マスタープランの実現を推進していくにあたり、現状での WASAC の経営の枠組みを分析し、改善に向けた基礎資料とする。
(2)マスタープランや事業体改革戦略実施のための組織的な枠組みを検証する。
(活動 1.2)
今後のマスタープランの実現及び事業体改革戦略の実施の観点から、WASACの組織体制を分析し、改善に向けた基礎資料とする。
(3)マスタープランや事業体改革戦略の実施をけん引し、調整や監督組織でもある One Strategic Team (OST)と、関連団体との調整をするプログラムサポート委員会を設置する。(活動 1.3)
OST の設立について、活動 1.1、1.2 の結果を活用しつつ検討を行う。詳細計画策定調査においても OST に含める部署を整理したが、OST の活動を想定した役割や運営方法などの詳細を検討する。また、関係機関との調整に活用するプログラム支援委員会の役割や運営方法などの詳細を検討し、設立する。なお、本事業終了後も OST が継続して機能するよう、OST がWASAC の組織の一部として機能していくよう組織改定を働きかける。
(4)直近の WASAC の 5 か年ビジネス戦略計画と年間アクションプランの実施について相対的な評価を実施する。(活動 1.4)
WASAC では 5 カ年ビジネス戦略計画の改定を行う予定である。成果 1 ではそ
の上水道セクターにかかる作成を支援することから、本活動では従前の 5 カ年
ビジネス戦略計画のレビューを行い、次期 5 カ年ビジネス戦略計画策定のための基礎資料とする。
(5)活動 1.4 の結果を反映した給水サービスに係る 5 か年ビジネス戦略計画を作成する。(活動 1.5)
活動 1.4 の結果に加え、マスタープランに基づいた主要な課題に対する対応を WASAC の各部署と共に検討したうえで、5 カ年ビジネス戦略計画のうち上水道分野にかかるドラフトの作成を支援する。なお、下水道分野に係るパートは対象外である。
(6)5 か年ビジネス戦略計画に基づいてキガリ市 3 か年ローリング活動計画とパフォーマンス指標(PI)を設定する。(活動 1.6)
5 カ年ビジネス戦略計画はWASAC の運営方針を決めるものであるが、5 カ年戦略計画では本事業の実施期間を超えるため、本事業内でのレビューや改善をすることができない。よって、本事業では 3 カ年のローリングプランを作成するとともに、モニタリングに必要となる PI を 5 カ年戦略計画から抽出して設定する。
(7)3 か年ローリング活動計画を実施する。(活動 1.7)
(8)パフォーマンス指標を通して実施をモニタリングする。(活動 1.8)
(9)3 か年ローリング活動計画の年次評価を実施し、計画を修正する。(活動 1.9)年度ごとに実施状況をモニタリングすることで改善点を整理し、次年度への活動に反映する。
(10) 組織の分野横断的な課題を抽出し、それらの課題を解決するための方法を検討する。(活動 1.10)
WASAC では部署ごとの縦割りが問題の解決に支障となることが想定されており、OST がその課題を特定し、解決策を提示することで上水道マスタープラ
ンの実現に向けた活動の実施を行う。また、課題を解決するための方法を検討する。
(11) 解決策をWASAC の部署や関連組織に提案する。(活動 1.11)
(12) 提案された解決策の実施についてモニタリングする。(活動 1.12)
<成果 2 に係る活動>
(1)WASAC の現時点での財務管理能力についてのアセスメントと分析を実施し、収益増加やコスト削減につながる優先的な活動を選択する。(活動 2.1) WASAC の財務管理能力の現状を分析し、能力強化に必要な分野を抽出するとともに、特にマスタープランの実施に関連してクリティカルとなる事項を整理する。
(2)関連政策、プロセスマニュアルの見直し、見直された政策やプロセスマニュアルに関する説明や研修を含むキャパシティ向上のための活動計画を作成する。
(活動 2.2)
財務管理能力の強化に資するトレーニングを行うが、この研修により後述の資金調達計画や料金見直しの必要性についての知見が向上されることを期待する。
(3)活動 2.2 で作成されたアクションプランを実施する。(活動 2.3)
(4)財務諸表を分析し、その結果を関連部署と共有する。(活動 2.4)
研修の成果を踏まえて財務諸表を分析し、現状認識を改めるとともに、関係部署に周知することで組織全体でのコスト認識を定着させる。
(5)統合されたマスタープランの実施に必要な資金を概算する。(活動 2.5)
マスタープランの実施に関して、必要な資金調達額を整理することで、今後の戦略に必要な金額を算定する。
(6)資金繰りのシナリオや条件を精査する。(活動 2.6)
必要な資金調達額をもとに、財務シミュレーションを実施する。
(7)WASAC の財政状態や投資計画に基づいて、水道料金改訂や資金繰り戦略を作成する。(活動 2.7)
WASAC は今後マスタープランを実現していくにあたり、水道料金の段階的な改定や他ドナーからの資金調達が必須となってくる。本活動を通してその戦略を策定するとともに、他ドナーからの資金調達や交渉に必要な資料作成を支援する。
<成果 3 に係る活動>
(1)パイロット支店またはエリアを選択する。(活動 3.1)
無収水削減活動を実施するパイロット支店もしくはパイロットエリアを選定するが、本事業においてプロジェクト資金によって流量計を新たに設置する計画はない。よって、開始時点で流量が測定可能な区域を選定するものとする。また、活動 3.3 におけるデータベースの構築に支障のない区域とすることも必要である。なお、選定にあたっては、実施予定である無償資金協力の進捗状況も勘案して検討すること。
(2)選択したパイロット支店またはエリアを分離し流入量をモニターする。(活動
3.2)
選定したパイロット支店/エリアにおいて、想定通りの流入量の計測が可能であるか確認する。
(3)活動 3.4 と 3.5 に必要な配水管網(口径、材質、修理記録等)のデータベースを準備する。(活動 3.3)
パイロット支店/エリアにおいて配水管網の再構築を検討するにあたり、必要な情報を整理する。
(4)配水管網の再構築に関する設計の研修を実施する。(活動 3.4)
WASAC はこれまでに無収水削減に係る計画を立案してきているが、再構築を WASAC が自ら検討していくにあたり、現状では不足していると考えられる能力強化を実施する。
(5)現状の配水管網の水圧ゾーンマップを作成する。(活動 3.5)
パイロットエリアの水圧ゾーンマップを構築し、無収水削減計画に資する基礎情報を整理する。
(6)パイロット支店またはエリアにおける無収水削減に関する活動計画(フロートバルブの設置や修理、水圧削減バルプの設置、漏水修理、検針エラー、不法接続の減少など)を作成する。(活動 3.6)
パイロットエリアにおける無収水削減活動に係る年間活動計画を策定する。策定には前述の活動で整理した基礎情報を活動し、WASAC が計画を策定することを支援する。
(7)ベースライン調査を実施する。(活動 3.7)
ベースライン調査を実施し、本成果で求められる結果である無収水削減活動の費用対効果が分かる項目を調査する。
(8)活動 3.6 で作成された無収水削減年間活動計画を実施する。(活動 3.8)
(9)無収水削減対策のコスト便益パフォーマンス指標を選択する。(活動 3.9) PI を設定することで、無収水削減活動の効果を算定する。また、無収水削減活動の投入に対する効果を算定する必要があるため、コスト情報及び改善結果の把握が可能となる指標も設定する。
(10) コスト便益パフォーマンス指標を定期的にモニターする。(活動 3.10)
(11) コスト便益パフォーマンス指標のモニタリングに関する研修を支店に対して実施する。(活動 3.11)
活動結果の効果を判断するための、B/C について整理を行う必要がある。
WASAC が分析し、整理を行うために必要な研修を実施する。
(12) 活動 3.10 の結果を次年度の年次活動計画に反映させる。(活動 3.12)
(13) 活動 3.6、3.8、3.10 及び 3.12 を各財政年度に繰り返して実施する。
(活動 3.13)
(14) サービス管の接続に関する現在の課題を抽出する。(活動 3.14)
キガリ市の配水管網においてはサービス管の材質が不適切であるために主な漏水個所となっていることが報告されている。それに至る法制度や手順書、実際の業務フローなどを調査し、課題を整理する。
(15) サービス管の接続の向上に重要な対策を考慮する。(活動 3.15)活動で整理した内容踏まえ、改善に必要な項目を整理する。
(16) 改善策を導入したサービス管設置の結果をモニタリングする(手順書の作成など)(活動 3.16)
<成果 4 に係る活動>
(1) 浄水場の調査とアセスメントを実施する。(活動 4.1)
浄水場の維持管理状況を確認し、運用上で非効率な運用が行われている事項を特定する。この活動では以降の活動(薬剤注入量の最適化)に限らず、浄水場全般について調査を実施するものとし、特に水源管理(井戸水源)に係る
状況をコスト面で調査する。調査結果は JICA に報告するとともに、以降の活動内容について追加、修正を行うか協議する。
(2) 手順書(SOP)チームを編成する。(活動 4.2)
活動 4.1 で特定した事項に対し、運用の標準化・改善を図るための SOP を組織する。対象となる部署は特定した課題によるものとする。
(3) 浄水場の薬品注入の最適化に関する手順書を作成する。(活動 4.3)
本活動は課題として薬剤注入量の最適化が選定された場合の記述であるが、
SOP の改善点を整理し、技術面、コスト面で最適な手順、内容に改善する。
(4) 浄水場の薬品注入の最適化に関する OJT を実施する。(活動 4.4)改善したSOP をもとに、現場での実施のための OJT を行う。
(5) 浄水場やポンプ場の電力消費量についての調査とアセスメントを実施する。
(活動 4.5)
キガリ市の地形条件からも、送配水に係る電力消費は大きな課題となっている。本活動では上水道施設における設備の電力消費量を調査し、データベースとして整理する。
(6) 高い電力消費量または非効率な電力量消費の設備を特定し分析する。(活動
4.6)
データベースをもとに、電力消費量が高い、もしくは非効率な設備を特定する。
(7) 特定したパイロット設備に節電機器を設置する。(活動 4.7)
特定した設備に対し、エネルギー削減設備を本事業で導入する。
【第 2 期契約期間:2024 年 2 月~2025 年 7 月】
<プロジェクト全般に係る活動>
(1)業務計画書の作成
第 2 期の業務に係る業務計画を作成し、JICA に説明の上、内容につき合意を得る。
(2)ワーク・プランの作成及び合意
前期の活動結果を踏まえて、当期の活動の基本方針、具体的方法等を記述したワーク・プラン(案)を作成し、関係機関と協議し、当期の活動内容をワーク・プランとして合意する
(3)業務進捗報告書(第 2 期)の作成
第 2 期における現地作業の終了時に、プロジェクト活動の進捗状況を業務進捗報告書(第 2 期)として取りまとめる。同レポートの作成にあたっては、JICA の確認を経た後、SC で報告し、同レポートに記載される事項に係る合意を得た後に製本する。
<成果 1 に係る活動>
(1)(活動 1.7, 1.8, 1.9, 1.10, 1.11, 1.12)
第 1 期の活動内容に同じ。
<成果 2 に係る活動>
(1)(活動 2.2, 2.3, 2.4, 2.5, 2.6, 2.7)
第 1 期の活動内容に同じ。
<成果 3 に係る活動>
(1)(活動 3.6, 3.8, 3.10, 3.11, 3.12, 3.13, 3.16)
第 1 期の活動内容に同じ。
(2)パイロット活動の結果を無収水削減 5 か年計画に統合する。(活動 3.17)
活動結果を 5 カ年計画にフィードバックする。
(3)成果 3 の活動を WASAC の幹部や全支店にセミナーやワークショップを通して共有する。(活動 3.18)
活動結果をWASAC の幹部に発表することで、マスタープランにも示されている通り、無収水削減活動が今後のキガリ市における水需要を満足させるために重要な課題であることを認識させるとともに、無収水削減活動の費用対効果を示す。
<成果 4 に係る活動>
(1)(活動 4.4)
第 1 期の活動内容に同じ。
(2)パイロット設備の節電機器の効率や効果を評価し報告する。(活動 4.8)
(3)活動 4.8 に基づいて各設備の節電計画を作成する。(活動 4.9)
パイロット設備における結果を踏まえ、全浄水場における節電計画を立案する。
(4)成果 4 の活動をWASAC の幹部や全支店にセミナーやワークショップを通して共有する。(活動 4.10)
省エネルギー対策の費用対効果に加え、全施設で省エネルギー化や成果 4 で実施した内容を進めることで得られる効果を共有する。
【第 3 期契約期間:2025 年 8 月~2027 年 3 月】
(1)業務計画書の作成
第 3 期の業務に係る業務計画を作成し、JICA に説明の上、内容につき合意を得る。
(2)ワーク・プランの作成及び合意
前期までの活動結果を踏まえて、当期の活動の基本方針、具体的方法等を記述したワーク・プラン(案)を作成し、関係機関と協議し、当期の活動内容をワーク・プランとして合意する
(3)プロジェクト事業完了報告書の作成
本業務の終了時に、プロジェクト活動結果、プロジェクト目標の達成度、上位目標の達成に向けた提言等をプロジェクト事業完了報告書として取りまとめる。同報告書の作成にあたっては、JICA の確認を経た後、SC で報告し、JICA 及びルワンダ側関係機関から同レポートに記載される事項に係る合意を得た後に製本する。
<成果 1 に係る活動>
(1)(活動 1.7, 1.8, 1.9, 1.10, 1.11, 1.12)
第 1 期の活動内容に同じ。
(2)3 か年ローリング活動計画の総合評価を実施する。(活動 1.13)
3 カ年の実施結果を評価することで、OST の活動による効果を評価するとともに、本事業の完了後も C/P が持続的に活動を継続できるように提言を整理する。
(3)戦略的ビジネスプランに活動 1.13 の結果を反映させる。(活動 1.14)
5 カ年ビジネス戦略計画に対し、3 カ年ローリングプランの反省点を考慮して戦略計画を見直しする。
<成果 2 に係る活動>
(1)(活動 2.2, 2.3, 2.4, 2.5, 2.6, 2.7)
第 1 期、第 2 期の活動に同じ。
<成果 3 に係る活動>
(1)(活動 3.6, 3.8, 3.10, 3.11, 3.12, 3.13, 3.16, 3.17, 3.18)
第 2 期の活動内容に同じ
<成果 4 に係る活動>なし
【全契約期間を通じての業務】
(1)合同モニタリング・SC の実施
実施機関と共同で、6 ケ月毎に本事業のモニタリングを実施する。モニタリングの結果は、モニタリングシート(xx・英文)にまとめた上で JICA ルワンダ事務所に提出する。同時期に、第4章(3)1)の配布資料である「リスク管理・チェックリスト」(xx)も更新し、JICA 本部と JICA ルワンダ事務所に提出する。
モニタリングシートには、プロジェクト開始時点と比べた成果の発現状況、プロジェクト目標や上位目標達成に向けた見込みを活動結果に基づいて分かりやすく表現するとともに、プロジェクトの実施体制、運営上の工夫や教訓も含めて報告するものとする。また、SC は最低でも年に一度開催し、上記モニタリング結果の確認を行うと同時に、今後の活動計画や予算確保状況の確認、プロジェクトの実施にかかる重要事項の協議等を行う。
(2)モニタリング調査
JICA は、プロジェクト実施期間中、活動の進捗状況の確認のため、中間レビュー、終了時評価などを含むモニタリング調査団を複数回派遣することを予定している。同調査の実施に際して、コンサルタントは、既に実施した業務に関連して作成した資料等を整理、提供するとともに、現地調査において必要な便宜を供与するものとする。
(3)広報
コンサルタントは以下への情報発信の広報活動を含めつつ、効果的な広報手法をプロポーザルで提案すること。
1)現地マスメディアへの発信
プロジェクトの内容や成果をルワンダ国内に広く周知させるため、プロジェクト開始・終了時ならびに節目となる活動の実施時期には、JICA ルワンダ事務所と協力し、現地マスメディア等へのプレスリリースの配信、記者会見の開催や記者向けの説明などを行う。また、本事業の実施機関に対しても、現地マスメディアへの発信を積極的に行うよう働きかける。
2)現地関係機関や他援助機関・NGO 等への発信
ルワンダ水セクターに関係する他援助機関・NGO 等が、本事業に関心を持ち、積極的な参加・協力を行うように、適切な媒体・方法を通じて情報発信を行う。
3)日本国内向け広報
プロジェクトの内容や成果を日本国内に周知するため、プロジェクトホームページの開設、JICA プロジェクトブリーフノートの作成・配布、JICA 等の依頼に応じて各種セミナー・勉強会における講演に協力する。その他、効果的な広報手法を積極的に提案し、JICA との合意の下で実行する。
特に、プロジェクトホームページを活用し、プロジェクトの活動に係る記事を定期的に寄稿し、国内広報に役立てること。寄稿に際して難解な専門用語は避け、平易な表現にするなど工夫をし、水分野になじみのない読者にとも分かるように
留意すること。プロジェクトホームページへの記事の寄稿は、少なくとも年に 4
~5 回の頻度で行うこと。
4)国際会議における発信
本事業実施中に、アフリカ開発会議(TICAD)、ストックホルム世界水週間、国際水協会(IWA)世界会議、世界水フォーラム等の国際会議の開催が想定される。これらの機会において、プロジェクトの取り組み・成果を発信することを検討する。詳細については、具体的な内容が固まった際に契約変更等により対応する。
5)JICA プロジェクトブリーフノートの作成・配布
各期の最後に、それまでの活動の進捗状況をもとに JICA プロジェクトブリーフノートを作成し、JICA に提出するとともに、関係機関に配布する。最終版の作成に当たっては、JICA への説明及び内容に関する協議を踏まえること。なお、 JICA プロジェクトブリーフノートの内容及び留意点は「第8条.報告書等」を参照のこと。
6)写真、映像
各種広報媒体で使用できるよう、活動に関連する写真・映像(映像は必要に応じ)を撮影し、成果品として提出する(各期 45 枚程度を想定)。撮影に当たっては、本事業の成果を分かりやすく伝えられるよう、プロジェクト実施前と実施後が比較できるよう努める。なお、撮影した写真や映像の著作権は JICA に帰属するものとする。
(4)持続可能な開発目標(SDGs)を意識したプロジェクト運営
PDM における指標の設定及びそのモニタリングにあたっては、SDGs(特にゴール3、ゴール6)に対するプロジェクトの貢献度を示すことを意識する。これを踏まえて、他機関との協議資料や対外的な広報資料には SDGs とプロジェクトの関係を記載する。
(5)域内水道事業体連携の取り組み
第 6 条(18)に記載する内容について、全契約期間を通じて活動を支援する。支援内容は第 6 条(18)に記載の通り、進捗報告会への参加及び準備支援、関係する日本人関係者会合への参加、ルワンダ外で開催されるワークショップへの WASAC 引率、ルワンダで開催されるワークショップにおける WASAC のホスト支援を想定する。
第8条 報告書等
(1)報告書等
業務の各段階において作成・提出する報告書等は以下のとおり。
各期の終了時に提出する業務進捗報告書及び、プロジェクト事業完了報告書は、それぞれの期間に作成した技術協力等成果品を添付するものとする。各期の最終 成果品は業務進捗報告書及びプロジェクト事業完了報告書とし、提出期限は契約 履行期間の末日とする。
なお、以下に示す部数は、JICAへ提出する部数であり、先方実施機関との協議、国内の会議等に必要な部数は別途用意すること。また、以下に記載された報告書等は指定された部数の他、電子データでもJICAに提出すること。
年次 | レポート名 | 提出時期 | 部数 |
第1期 | 業務計画書(第1期) | 契約締結後10営業日以内 | xx:3部 |
(共通仕様書の規定に基づく) | |||
ワーク・プラン(第1期) | 業務開始から約3ヵ月以内 | xx:3部 英文:3部 | |
モニタリングシート | 業務開始から半年ごと | xx:1部 英文:1部 | |
JICAプロジェクトブリーフノート | 第1期契約終了時 ※ドラフトを1か月前に提出し、JICAからのコメントを踏 まえて最終化したもの。 | CD-R(xx、英文):1枚 | |
業務進捗報告書(第1期) ※写真集含む | 第1期契約業務完了x | xx:4部英文:4部 CD-R:5枚 | |
第2期 | 業務計画書(第2期) (共通仕様書の規定に基づく) | 契約締結後10営業日以内 | xx:3部 |
ワーク・プラン(第2期) | 業務開始から約3ヵ月以内 | xx:3部 英文:3部 | |
モニタリングシート | 業務開始から半年ごと | xx:1部 英文:1部 | |
JICAプロジェクトブリーフノート | 第2期契約終了時 ※ドラフトを1か月前に提出し、JICAからのコメントを踏まえて最終化したもの。 | CD-R(xx、英文):1枚 | |
業務進捗報告書(第2期) ※写真集含む | 第2期契約業務完了x | xx:4部英文:4部 CD-R:5枚 | |
第3期 | 業務計画書(第2期) (共通仕様書の規定に基づく) | 契約締結後10営業日以内 | xx:3部 |
ワーク・プラン(第2期) | 業務開始から約3ヵ月以内 | xx:3部 英文:3部 | |
モニタリングシート | 業務開始から半年ごと | xx:1部 英文:1部 | |
JICAプロジェクトブリーフノート | 第3期契約終了時 ※ドラフトを1か月前に提出し、JICAからのコメントを踏 まえて最終化したもの。 | CD-R(xx、英文):1枚 | |
プロジェクト事業完了報告書 ※写真集含む | 第3期契約業務完了x | xx:4部英文:4部 CD-R:5枚 |
プロジェクト事業完了報告書については製本することとし、その他の報告書等については簡易製本とする。報告書等の印刷、電子化(CD-R)の仕様については
「コンサルタント等契約における報告書の印刷・電子媒体に関するガイドライン
(2020年1月)」を参照する。
各報告書の記載項目(案)は以下のとおりとする。最終的な記載項目の確定に当たっては、JICAとコンサルタントで協議、確認する。
1)業務計画書
①業務の実施方針
(ア) 業務実施の基本方針
(イ) 業務実施の方法
(ウ) 業務フローチャート
(エ) 作業工程計画
(オ) 要員計画
(カ) その他(再委託業務の仕様、機材輸入、輸送計画、その他必要事項)
②コンサルタントの業務実施体制
③全体見積り金額と当該年度契約金額
2)ワーク・プラン
(ア)プロジェクトの概要(背景・経緯・目的)
(イ)プロジェクト実施の基本方針
(ウ)プロジェクト実施方法
(エ)プロジェクト実施体制(SCの体制を含む)
(オ)PDM(指標の見直し及びベースライン設定)
(カ)業務フローチャート
(キ)詳細活動計画(Work Breakdown Structure: WBS 等の活用)
(ク)要員計画
(ケ)先方実施機関便宜供与事項
(コ)その他必要事項
3)モニタリングシート
モニタリングシートは、JICA指定の様式に基づき作成すること。
4)業務進捗報告書/プロジェクト事業完了報告書
①プロジェクトの概要(背景・経緯・目的)
②活動内容(PDM、POに基づいた活動のフローに沿って記述)
③プロジェクト実施運営上の課題・工夫・教訓(業務実施方法、運営体制等)
④プロジェクト目標の達成度(6項目評価に基づくプロジェクトの自己レビュー、合同モニタリング評価結果の概要等)
⑤上位目標の達成に向けた提言
⑥次期活動計画添付資料
(ア)PDM(最新版、変遷経緯)
(イ)業務フローチャート
(ウ)WBS等業務の進捗が確認できる資料
(エ)専門家派遣実績(要員計画)(最新版)
(オ)研修員受入れ実績
(カ)遠隔研修・セミナー実施実績(実施した場合)
(キ)合同調整委員会議事録等
(ク)その他活動実績
※⑥は進捗報告書のみ、④、⑤は完了報告書のみに記載
(2)技術協力成果品
以下の技術協力成果品を提出する。提出にあたっては、業務進捗報告書及びプロジェクト事業完了報告書に添付して提出する。
(ア)ベースライン調査結果
(イ)エンドライン調査結果
(ウ)各成果の活動を通じて作成したガイドラインやマニュアル
(エ)プロジェクト期間中に実施したセミナー又は技術研修の開催記録
(3)コンサルタント業務従事月報
コンサルタントは、国内・海外における業務従事期間中の業務に関し、以下の内容を含む月次の業務報告を作成し、共通仕様書第7条に規定されているコンサルタント業務従事月報に添付して、JICAに提出する。なお、先方と文書にて合意したものについても、適宜添付の上、JICAに報告するものとする。以下、月報で想定される内容を示す。
1)今月の進捗、来月の計画、当面の課題
2)活動に関する写真
3)Work Breakdown Structure (WBS)
4)業務フローチャート
(4)JICAプロジェクトブリーフノート
コンサルタントは、本業務に関する活動を対象としてJICAプロジェクトブリーフノートを各期終了時にそれぞれ作成する。JICAプロジェクトブリーフノートはプロジェクトの内容、教訓、成果等を分かりやすくまとめた対外広報用資料であり、主たる読者としては、途上国の関係者、他の開発パートナーの職員、日本国内の援助関係者、JICA専門家、学識経験者、大学生等を想定する。
具体的には、契約締結後、別途JICAが提供する記載要領に基づき作成するが、目的と基本コンセプト、分量は以下のとおり。
1)JICAプロジェクトブリーフノートの目的と基本コンセプト
(ア)プロジェクトが問題解決のために取ったアプローチや工夫、その結果、達 成した成果、得られた教訓等について、ビジュアルで理解しやすい資料とし て取りまとめることにより、JICAの事業から得られたナレッジを広く外部の 方と共有し、活用してもらうことを目的とする。また、プロジェクトに関す る広報資料、国際会議等対外的な説明資料として利用することを目的とする。
(イ)一般に公開する文書とし、ウェブサイト上で容易に検索、ダウンロードできるようにする。
(ウ)プロジェクトのエッセンスを全て取り込んだ簡潔な文書とする。構成は、
①プロジェクトの背景と問題点、②問題解決のためのアプローチ、③アプローチの実践結果、④プロジェクト実施上の工夫・教訓、を原則とする。
(エ)プロジェクト開始当初のベースラインやアプローチの検討の段階から、プロジェクトの最終的な成果までの全体を含むようにする。
(オ)伝えたい内容を端的に表現した地図、図表、写真を多く使用し、現場の状況や協力のアプローチ、成果等を一般の方にも分かりやすく伝える工夫をする。
(カ)カラーで作成し、見た目にも美しく仕上げる。
(キ)日本語、英語で作成する。
2)分量
(ア)xx・英文共にA4版8~10ページ程度を目安とする。
第4章 業務実施上の条件
(1)業務量目途と業務従事者構成案
1)業務量の目途
約92.5人月(現地:90.0人月、国内2.5人月。第3章第6条(5)に記載の本邦研修又は第三国研修に関する業務人月目安2人月を含む)
2)業務従事者の構成案
業務従事者の構成(及び格付案)は以下を想定していますが、競争参加者は、業務内容等を考慮の上、最適だと考える業務従事者の構成(及び格付)を提案してください。
① 業務xx者/水道事業運営管理(1号必須)
② 水道事業戦略
③ 財務管理(3号)
④ 財務計画
⑤ 無収水管理(3号)
⑥ 無収水削減計画
⑦ 配水管網設計/水理解析
⑧ 上水道施設維持管理
⑨ 水源管理
⑩ 電気・機械
11 費用便益分析
(2)現地再委託
以下の業務については、業務対象国・地域の現地法人(ローカルコンサルタント等)への再委託を認めます。
⮚ ベースライン調査
⮚ エンドライン調査
⮚ 無収水対策機材設置工事
⮚ 省エネルギー対策機材設置工事
(3)配付資料/閲覧資料等
1)配付資料
⮚ ルワンダ国キガリ市水道事業体運営改善プロジェクト詳細計画策定調査報告書
⮚ キガリ市上水道改善整備マスタープランプロジェクトファイナルレポート要約版及びマスタープラン
⮚ キガリ市中央北部給水サービス改善計画準備調査 業務計画書
⮚ 署名済 R/D
⮚ 要請書
⮚ リスク管理チェックリスト
2)公開資料
⮚ JICA 開発途上国課題発信セミナー 水(水供給・手洗い) xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxxx_xxxxxxx/xxxx/xxxxxxxxx/xxxxxxxx/xx00xx00000x l66t-att/20201005_03-1.pdf
⮚ キガリ市無収水対策強化プロジェクト HP xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxx/xxxxxxx/0000000/xxxxx.xxxx
⮚ キガリ市上水道改善整備マスタープランプロジェクト HP xxxxx://xxx.xxxx.xx.xx/xxx/xxxxxxx/0000000/xxxxx.xxxx
(4)対象国の便宜供与
JICAが2021年10月22日にルワンダ国政府と締結したR/Dに基づく。
(5)資機材調達
1)コンサルンタントが調達する機材
本業務では成果3及び成果4の活動に必要な機材の調達をコンサルタントに委託することを想定している。活動に必要な機材の品目・金額・数量等にかかるJICA側の現時点での想定は下表の通りであるが、詳細な仕様及び数量は調達する前に JICAと協議の上、決定する。
コンサルタントは、当機構の業務の一環として関連する会計規程を遵守し、「コンサルタント等契約における物品・機材の調達・管理ガイドライン(2017年度6月版)」に従って資機材を調達すること。
供与機材を本邦調達もしくは現地調達とするかは、プロジェクト開始後の調査結果を基に、水道事業体の保有機材やルワンダで調達可能な機材の品質、価格帯等を考慮し、JICA及び先方政府と協議を行った上で決定する。
機材名 | 数量 |
無収水対策機材 | 1式 |
省エネルギー対策機材 | 1式 |
2)JICAが調達する機材なし
(6)安全管理
安全対策に関するJICA事務所からの指示に従うとともに、JICAが設定する安全管理基準を厳守すること。また、専門家チームとしても、日常的に治安情報の収集に努める必要がある。なお、緊急時の連絡体制については、特に万全を期すること。
現地業務期間中は安全管理に十分留意すること。現地の治安状況については JICA事務所などで十分な情報収集を行うと共に、現地業務での安全確保のために関連機関に対する協力依頼及び調整作業を十分に行うこととする。また、JICA事務所と常時連絡が取れる体制とし、特に地方にて活動を行う場合には、現地の治安状況や移動手段などについて同事務所からの承認を得ることとする。また、現地業務に先立ち、外務省「たびレジ」に登録すること。また、現地作業中における安全管理体制をプロポーザルに記載すること。
(7)不正腐敗防止
「JICA不正腐敗防止ガイダンス(2014年10月)」の趣旨を念頭に本業務を実施すること。なお、疑義事項が生じた場合には、不正腐敗情報相談窓口またはJICA担当者に速やかに相談するものとする。
(8)複数年度契約
本業務においては、年度を跨る契約(複数年度契約)を締結することとし、年度を跨る現地作業及び国内作業を継続して実施することができることとする。経費の支出についても年度末に切れ目なく行えることとし、会計年度ごとの精算は必要ない。
以上