UKクラブ
日本版第17号
2005年5月
約45億ドル
UKクラブ
再保険契約
20億5千万
ドル
過
第3層
+5億ドル 再
10億ドル 油濁限度額
5,000万ドル
3億5千万ドル用船者限度額
600万ドル
Club Retention
30Mまで Lower Pool
20M Upper Pool Hydra
25%
Hydra
第1層
+5億ドル
保
第2層
+5億ドル 険
第4層
+5億ドル 超
クレーム
+10億ドル
オーバースピル
2005保険年度
UKクラブは今年度もスタンダード&プア- ズの保険財務力評価で P&Iクラブ中最高のクラスであるA評価を維持しています。
この評価は当クラブの堅実な財務力と質のよいメンバー構成に基づいています。一般にS&Pの評価方法には二通りあり、公表された財務諸表のみで調査する場合ランク表示に “pi”がつきますが、当クラブのように、より詳細にわたるデータ提供により評価する場合はクラブの資本、財務の柔軟性、業界での位置付け・リスク・営業実績、投資政策などが評価対象の項目となります。詳しくは 2004年度決算報告書にてご報告いたします。
今年度の保険内容の変更点は、クラブ・リテンションが5百万ドルから6百万ドルに引上げられたこと、テロを含むP&I戦争危険カバーが継続され、限度額が上乗せされたこと、 UKクラブ独自に手当てしているスイス・リー再保険の契約見直しがあったこと、オーバースピル再保険は昨年より多少手厚い保護となった
Swiss Re再保険
2005年グループ再保険
2005年再保険コスト
こと等です。骨子は以下の通り。
再保険の仕組み
国際グループ・プール
6百万ドルまでのクレームは各クラブで扱われますが、6百万ドルを超える部分は、国際グループでプールされ全クラブで負担しあってリスク分散をしています。このプールの限度額は昨年度同様5千万ドルですが、今年度からUpper Layerはグループのキャプティブ再保険組織 Hydraに再保険をかけることになりました。
UKクラブは2000年2月にスイ
ス・リーの子会社であるEuropean Reinsurance Co. of Zurichと 10年間の再保険契約を結びました。この契約は、クレームの急増、保険料収支の不均衡や投資損失など理由のいかんを問わず、クラブのソルベンシー比率(支払備金に対する総資金の割合)が一定基準を下回った時に再保険回収できるというものです。当初より5年経過後に契約内容の見直しをすることになっており、上記ソルベンシー保護は継続することとし高額クレームの保護を追加して契約が更新されました。(回覧08/05)
クレームがプール限度額の5千万
ドルを超えると国際グループの超過再保険の範囲になります。第1層の再保険料の25%はグループで共同保険していますが、それ以外の層は 100%ロイズ・マーケットで再保険されています。超過再保険のコストは昨年度と同料率ですが、船舶1トンあたりの再保険コストでみると、てん補範囲は拡大しているにもかかわらず10年前のちょうど半額になっています。客船以外のほとんどの船舶の料率は昨年よリ多少低くなっています。
<2頁へつづく>
(Unit: cent) Basic War Total
Rate Rate Rate
Dirty Tanker 62.26 1.59 63.85
Other Tanker 28.82 1.59 30.41
Dry Xxxxx 00.00 0.00 00.00
Xxxxxxxxx 00.00 0.00 00.00
Xxxxx xxxxxxxxxxx xxxxx xxx 0000
xxx油濁条項 追加保険料
国際グループの再保険委員会
(RISC) は1990年以降の油濁事故を分析し、アメリカと他国の油濁清掃費用を比較しました。
OPA90施行以来アメリカを航行するタンカー船主の皆様には米国における油濁事故費用をカバーするために航海毎に追加保険料をお支払いただいています。
バーレル当りのコストという単純比較はできませんが、入手し得る資料による調査の結果は明らかにアメリカでの清掃費用のレベルは他国の4倍であることがわかりました。しかし今年度の同保険料は7.5%ほど引き下げられております。クラブでは、今後もこの追加保険料システムの見直しを継続して参ります。(回覧01/05)
P&I戦争危険特別担保
国際グループが手配するP&I戦争危険特別担保の再保険契約のてん補限度額は、船舶の適正価額を超えるクレームにつき、一船舶一事故あたり4億ドルから5億ドルに引上げられました。一方再保険料率はトン当り1.73セントから1.59セントに引き下げられています。
昨年同様前提として、船舶の市場価額(ルール第5章D項参照)或いは他の保険会社から回収できる金額のいずれか高い金額を超える費用に限ります。
一般の船舶保険では生化学等兵器によるクレームは除外されています
が、グループではこの生化学等兵器除外条項も特別xxしています。
カバーするのは船主責任に関連する船員のリスクと訴訟関係費用のみです。この特別てん補の限度額は一船舶一事故当りのクレーム総額に対し3千万ドルです。これら特別てん補条項の一部は、米国テロリズム危険保険法に沿ったもので、保険料のうち0.25セントは同法準拠のためのコストとみなしていますが、テロ行為によるクレームに対する追加保険料はありません。(回覧03/05図表解説参照)
オーバースピル・カバー
RISC
各クラブの管理者で構成している国際グループ再保険委員会 (RISC: Reinsurance Sub-Committee) は外部アクチュアリー及び保険コンサルタント等を交え、再保険政策及びカバーに対するコスト効果を検証しています。
グループや各クラブが直面し得る再保険リスクを的確に把握できる様コンサルタントらによって、複雑なリスクモデルが作成されました。
RISCでは、このリスクモデルを活用し、グループ超過再保険プログラムのコストを再検証するだけでなく、昨年から5千万ドルに引上げられたプール・リテンションの想定リスクに対する潜在的コストを検証しています。□
超過再保険の限度額は20億5千万ドルとかなり高額ではありますが、万一これを上回る巨大事故が起きた場合は、国際グループ・クラブのすべてのメンバーが相応の割合で負担しなければなりません。この割合は全クラブの加入船舶の総トン数に対する各クラブの加入総トン数の割合に基づきますが、UKクラブ理事会では、このような事態に備えメンバーの万一の場合の負担を回避するべくクラブ単独で2億ドルを限度額とする再保険を手配しています。(約30億ドル相当のクレームに対応可能)(回覧06/05)
HYDRA
2004年度にプールの限度額を3千万ドルから5千万ドルに引上げた結果、超過再保険料を20%抑えることができましたが、その分のリスクはグループクラブにとって増加しておりました。
しかし、国際グループではキャプティブ再保険会社「HYDRA」を設立することが全クラブ各理事会により合意されるに至り、2005年2月20日より再保険業務を開始する運びとなりました。
HYDRAはそれぞれが独立した勘定口座を通して各クラブのリスクを再保険として受けます。再保険の仕
組みはプールの(Upper Layerにあたる)3千万ドルを超える2千万ドル
(つまり5千万ドルまで)を第1層とし、超過再保険第1層(5千万ドルから5億ドルの層)の25%部分にあたるプール自家保険部分を第2層とします。HYDRAはこの第2層について再々保険を手当てしています。
用船者責任制限
2005年度より用船者責任限度額が次の通り変更になりました。
① ルール5B(ii) から「みなし限度額」条項を削除、
② 3億ドルの用船者油濁リスク責任限度額を削除、
③ 用船者のリスク制限額を油濁、非油濁事故ともに3億5千万ドルの単一限度額とする。
本担保はグループ再保険契約が適用されない、個別に限度額を選択する用船者契約には適用されません。尚、通常のいわゆるTCLカバー ではなくMutual船に、用船者あるいは共同被保険者として記名されている場合の用船者責任限度額の内容は昨年と変更ありません。詳細は該当船舶の2005年度加入証書に明記
されています。(回覧02/05)□
「No Room for Error」日本語字幕付DVD
日本各地で人のミスによる事故が続発しており、ヒューマン・エラーや組織のあり方などが注目されています。クラブが2003年に発表した DVD“No Room for Error”は、海上事故におけるヒューマン・エラーについて深く研究しています。衝突、財物損傷、貨物、人身そして油濁という5つのシナリオから、事故を引起こした<直接的過失>と、そこに潜む<潜在的欠陥>を検証してヒューマン・エラーの発生を事前に防ぐためには何が必要であったかを考察しています。
この度、日本支店では同DVDの
日本語字幕版を作成しましたので、会社の社員研修や乗組員教育だけでなく経営者及び役員の皆様にも是非ご覧いただき、損害防止文化の啓蒙にお役立て下さい。英語のナレーションに日本語字幕のほか中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語の字幕が選べるようになっています。詳しくは当日本支店へお問合せください。□
損害防止活動 - 乗船検査報告
1月の理事会で昨年の乗船検査報告がありました。2004年は日本を含む14カ国で456隻が検査され、 1990年以来の検査船舶数は通算
7,669隻となりました。
乗船検査は全体としてクラブの船舶構成分布に沿うよう個々の検査員が無作為に選んだ船に対して行われています。特にポート・ステート・コントロールの検査対象となることの多いバルク船や貨物船に対してはより多くの船舶を検査対象としています。船齢別でも25年以上の船舶は別として、ほぼクラブの構成分布に従っています。
クラブの検査は主に損害防止の点を重視しており、船級協会が行う検査と重複しないようにしています。品質において重大な問題が見つかったときは外部検査員による再検査が必要となります。2004年に検査された456隻のうち203隻は問題なく、241隻は何らかの改善点を指摘されました。重大な問題のあった
船舶は12隻のみでそのうち11隻はコンディション・サーベイを求められました。指摘された改善点の多くは、業務や保守体制、安全基準といった項目で、船齢15年以上の船舶が大多数を占めています。
コンディション・サーベイ
クラブのポリシーでは船齢10年以上の船舶はクラブ加入前に検査を受けることとなっていますが実際は加入後一定期間内に検査しているのが実態です。しかし船齢20年以上の船舶に対しては加入前に厳格な検査が要求されます。
また加入後でもクレーム処理の過程で何らかの欠陥が見つかった場合はコンディション・サーベイを行うこともあります。2004年度に加入前の検査を実施した39隻のうち、基準に満たないとして加入を拒否した船舶は18隻ありました。クラブでは、これらの検査によりメンバー全体の船舶の品質の向上を目指しています。□
損害防止活動 - 乗組員の雇用前検診プロジェクト(PEME) 報告
PEMEプロジェクトは船員がxxな雇用xx診を受診することにより事前に不適格な船員を排除するためUKクラブが1996年にP&I業界で初めて着手したものです。
現在では診療所の診断結果をモニターするだけでなく、乗組員の疾病
や送還費用を効果的に管理し、船員クレームを減少させて、メンバーの保険成績を上げることを目的としています。現在フィリピン、インドネシア、インド、ミャンマー、クロアチア等を含む世界12ヶ国の26診療所がクラブのガイドラインに沿っ
た検診を行っています。
不適格となった受診者の疾病別統計は左の表の通りです。ひとたびクレームが起こればコストは平均でも約7,000ドルもかかってしまいますが、PEME検査費用は一件平均82ドル程でP&Iでカバーすることができます。
558
431 421
314 276
170
133 132 130
102
700
600
500
400
300
200
100
腎臓病
その他
糖尿病
胆のう疾患
肺機能障害
肺結核
高血圧
肝機能異常
難聴
B型肝炎
0
件数
PEME世界統計
このプロジェクトへの参加は簡単です。ご希望の国名をお知らせいただければ、診療所のリストをご提示いたします。その上で簡単な質問状にご記入いただき、診療所名及び対象船をご指定いただければ、即座に利用可能となります。
尚、検査対象項目は概略標準的なものですが、わずかな費用で、薬物、アルコール、コレステロール、超音波検査等を追加することもxxxx。□
不適格事由
3
クラブ理事のご紹介
クラブ理事は例年10月の年次総会で選任されます。任期は3年で35名の理事が年4回行われる理事会でクラブの政策を決定します。昨年10月の総会にて新たに選任された理事をご紹介します。
● xxxx:(株)商船三井副会長(日本)
● Xxxxx Xxx : (シンガポール) NOLグループ社長 兼 CEO
● Xxxxxx Xxxxxxxxxx: (ギリシャ)
Eletson Corporation取締役
● Xxxxxx Xxxxxxxxx Xxxxx(ブラジル)
Transpetro社取締役
尚、日本の船社からはxxxx氏のほか欧州日本郵船会社会長、xxxxが在任中です。□
UKクラブ日本語サイトができました
この度、UKクラブでは日本語のウェブサイトを開設しました。クラブルールや回覧など出版物の日本語資料の閲覧、ダウンロードのほか、日本のメン バーの皆様に役立つ資料をまとめています。
アドレスは xxxx://xxx.xxxxxxx.xx/ です。UKクラブのメインページ Industrial Link からもアクセスすることができます。
今後とも日本の皆様に「クラブの情報をわかりやすく」をモットーに日本語ページを充実させていく所存ですので、気軽にアクセスしていただき、ご意見ご希望を是非日本支店までお聞かせいただければ幸いです。□
コレスポンデンツ通信
UKクラブのコレスポンデンツであるISS P&Iが、本年5月9日より愛媛県今治市に事務所を開設しました。従来神戸事務所で扱っていたxxxxは森雅之支店長が今治にて継続いたします。また今後のクレーム処理サービスは、東京事務所あるいは今治事務所にて対応いたしますので、よろしくお願いいたします。
尚、コレスポンデンツ・サービスを含めUKクラブ全般に対する
ご意見ご要望がございましたら当日本支店へお寄せください。
支店名
支店長住所 電話
ファックス
アイエスエス ピーアンドアイ 今治支店
(英名 ISS P&I Japan, Imabari Branch)
x xx
愛媛県今治市xx町5丁目8-31xxホームズ1階
0000-00-0000
0000-00-0000
xxxxxxxx.xxxx@xxx-xxxxxxxx.xxx
〒794-0015
(xxxxx、xxx)
発行者 UK P&Iクラブ 日本支店 電 話 03-5442-6110
住 所 | xxxxxxx0-0-00 | ファックス | 00-0000-0000 |
発 x | xx浜松町ビル8階 平成17年5月 | Web site: Mail Box: |