Contract
ペルー・アメリカ合衆国自由貿易協定要約
1. 協定の制度的枠組みに関係に関する各章の内容
1.1 規定範囲
制度的枠組みに関する交渉グループは,協定の前文と協定全体に関係する5つ の章(1 章,19 章,20 章,22 章,23 章)について討議した。これらの章では,各章がそれぞれ規定する内容に加え,施行後の協定の運用に関わるテーマを扱 っている。
1.2 各章の内容
最も重要なテーマは,「FTAとその他の条約との関係」,2つ以上の章に影響する「一般定義」,及び各締約国固有の定義(「国民」と「国土」の定義)である(第1章に規定)。
この章(実際には第19章「透明性」の章のこと)には強調すべき3つのテーマがある。1点目は、各締約国が定める措置(法律、規則、手続きその他)はそれぞれ公表されることである。2点目は、それらの措置について関心のある人たちや他方の締約国の閲覧に供することを約束せねばならず、また、各締約国は協定の履行に影響を及ぼすと思われる現行の法律、または法律案について他方の締約国に通知せねばならないことだ。3点目は、不正・汚職対策に関する部分である。両締約国は共同宣言を行い、不正・汚職の予防と対策に努める意向を示す。企業に対して刑法上の責任を問う可能性については触れていないが、罰則を課すことを可能にする条項も含まれている。
協定の適用・運用を監督する機能を有し、また、協定の解釈を巡って論争が生じた場合に最初にこれを解決するための機関として閣僚レベルの合同委員会を設置する(第20章)。この委員会には条約の約束事項の修正または変更を検討する権限が与えられている。
第20章セクションBでは貿易能力強化委員会の設置が定められ、協定適用の枠組みにおいて各締約国は夫々の貿易能力の強化と、より自由な貿易を実現するための調整を図ることを目指した国家戦略を提出しなければならない旨規定する。この委員会は各プロジェクト優先順位の決定、同プロジェクト実施のためのドナーの誘致、その他必要な調整・運営事業の監督、その進捗状況の評価などを担当する。
安全保障については(第22章「例外」の中で)、この協定の定めるいかなる条項も国内または国際的に定められた安全保障措置に相反するものであってはならないと定めている。
この章(実際には第23章「最終規定」)は、協定への新規加入と破棄(離脱)の手続きについて定める。破棄(離脱)について協定は、どの締約国も協定を離脱できるが、それによって他のメンバーに対する協定の効力が失われることはないと定めている、また、協定からの離脱(破棄)は、すべての当事者に通達後六ヶ月を経て有効となる。
2. 電子商取引に関する章(第15章)の内容について
2.1 規定範囲
両締約国は、電子商取引によって経済成長と機会が生み出されることや、その利用と発展を妨げる障害を取り除くことの重要性を認識し、また、電子商取引に影響を及ぼす措置に対し、WTO の規制の適用を認める。
2.2 内容
本章の目的は、企業や政府機関の間で電子商取引の利用を促進させるために情報技術へのアクセスを保証することで、そのため本章はデジタル製品に対する関税上の障害を撤廃することを考慮している。
デジタル製品やその考案者を差別するような保護主義的措置については撤廃することを定めている。また電子商取引において消費者が重要な役割を果たすことを認識した上で、より効率的に電子商取引が行われるため、締約国間においてすでに定められている行政及び法律上のメカニズムを認めた。
また本章では、電子署名や電子認証実現を目指す約束事項が定められ、これによって両締約国は電子的手段を使って本人確認を行い、より安全で信頼性の高い有効な取引ができる。
3. 通関手続きに関する章(第5章)の内容について
3.1 規定範囲
本章は各締約国の通関手続きに関するもので、締約国間の貿易に便宜を与え、貨物の引渡しに要する時間を改善し、税関利用者により高い安全性を提供すると同時に、リスク性の高い貨物に照準を当てるよう税関の検査方法を改善することを目的とする。
3.2 内容
一般国民や税関利用者に税関業務や手続きに関する知識を持たせるため、インターネットを含むメディアを使って税関業務に関する一般的な法規制等をすべて公開する。
両締約国は貨物到着後48時間以内に商品の引渡しを認めるものとする。 両締約国は貨物を保税倉庫等に移動することなく引渡しを認めるものとする。
両締約国は関税額の確定以前に商品の引渡しを認めるものとする。
通関手続きを自動化し、情報システムを改善するために、各締約国は:
- 国際標準を用いる。
- 税関利用者が情報システムにアクセスできるようにする。
- 貨物の到着以前に情報の提出及び処理ができるようにする。
- リスク管理(検査対象貨物の選別)のために情報システムを利用する。
- 情報システムに互換性を持たせるよう努力する。
- 世界税関機構のガイドラインに沿って共通のデータ構築を行うよう努力する。
一方の締約国が不正な輸入が行われている疑いを抱いたときには、他方の締約国にその輸入に関する極秘情報を提出するよう文書で要求できる。各締約国は他方に対し、輸出が税関法、特に密輸防止に関する法令を遵守して行われていることが確認できるよう、必要な情報を提供するよう努力をする。
締約国は税関の法律行為(決議、公告など)が行政及び司法によるチェックを受けることを認める。
締約国は税関規則に反する行為に対する民法上、行政上、また刑法上の罰則の適用を可能にする措置を維持する。
本章に基づいたペルー側の義務は以下に従い発生する。
- 「規則の公表」、「リスク管理(到着時点における貨物検査)」、
「速達貨物の取扱い」に関する条項は本協定の発効から2年後に有効となる。
- 「事前通告」に関する条項は本協定の発効から3年後に有効となる。
- 「貨物の引渡し」に関する条項は本協定の発効から1年後に有効となる。
4. 投資に関する章(第10章)の内容について
4.1 規定範囲
本章の規定は各締約国が対内投資に適用している措置(法律、規制、慣例など)に適用される。
本章の規定は既存の投資及び将来行われる投資を対象に適用されるが、本協定の発効以前に発生した出来事や行為、またすでに存在しない状況に対しては義務が生じないものとする。
本章の原則や規定は、投資家やその国内の法律が認める投資形態に沿った投資に対して適用される。また、投資の設立から管理運営、展開、一部または全部の引揚げまで、すべての段階に適用される。
4.2 内容
各締約国は他方の締約国の投資家に対し、二つの基準において差別のない取扱いを行うことを国として保証する。
一つは諸外国投資家と比較した上での取扱い(最恵国待遇)、もう一つは国内投資家と比較した上での取扱い(内国民待遇)である。
他方の締結国の投資家による自国内における投資の設立、買収、拡大、管理、指揮、運営、譲渡、その他投資によって派生する事項について、国内投資家が同様の状況に置かれた場合と同じ取扱いをしなければならない。
また本章は投資に要件を設けることを禁止している。たとえば、一定の量または比率に及ぶ物品やサービスの輸出の義務付け、商品に占める国産品の割合が一定の水準または比率を満たすことの義務付け、国産品を優先扱いすることの義務付け、或いは特恵措置の適用を受けるための条件付けといった履行要件の設定を禁止している。
この問題に関する取り決めは2カ国間レベルでのみ適用されるものではなく、各締約国内で行われる内外資を問わずすべての投資に横並びに適用される。
本章は、投資の所有権、投資関連資金の移動、自由事業の通常の管理運営と開発に対し正当な理由なく影響を与える行政措置など、ビジネス外の偶発的なリスクから投資家を保護している。接収などの措置が採られた場合を想定し、補
償措置が設けられている。
国と投資家の間で争議が発生した場合の解決策も盛り込まれており、国が本章の定める義務に違反する行為を採った場合に適用される。
前述の解決策はさらに、国がある投資家に対し天然資源の開発、公共サービス の提供、またはインフラ開発などの許可を与え(投資協定)たにもかかわらず、国が契約に伴う義務を履行しなかった場合にも適用される。この概念の中には、鉱山や石油開発のためのコンセッション契約、空港、港湾その他インフラ設備 のコンセッションに関する契約や、投資家がその投資の開発のために必要とす るこれらに付随した他の諸契約などが含まれる。
ただし、この解決策は、本協定の発効以前に行われた行為または事柄や、すでに消滅している状況に対してはいかなる場合にも適用されない。
5.国境を越えるサービス取引に関する章(第11章)の内容について
5.1 規定範囲
本章では、以下の場合を除き、あらゆるサービス分野とあらゆるレベルの政府機関に適用される。
- 航空サービス及びこれらの関連サービス。この例外措置には領空の通行権が含まれるが、これらは航空運輸当局により特別な協定などで扱われているため、自由貿易協定の対象にはならない。
- 文化産業に関連する補助金を含む、サービス提供者への補助金。
- サービスの公共入札。(これについては、政府調達に関する条項にその取扱いが定められている。)
- 金融サービス。(特定の章で取り上げられている)
- 政府の権限を行使して提供されるサービス。例えば各省庁、調整機関、国家警察、軍隊などが提供するサービス。
本章は多国間協定的な側面を持っている。つまりここに定める取り決めは、協定に加盟するすべての国が要求出来るが、アンデス共同体の枠組みにおける取り決めなど、ペルーがこの分野に関してすでに合意している協定を保護するため、附属書において留保されている。
5.2 内容
締約国は互いに内国民待遇を適用しなければならない。つまり、国内のサービス提供者と他方の締約国のサービス提供者を差別してはならない。
締約国は第三国のサービス提供者に対し、本協定の締約国以上の待遇を与えてはならない。
締約国はある特定の分野におけるサービス提供者の数、その取引や資本の総額、各サービス提供者の提供できる業務数、及び特定のサービス部門で採用される 人の数を制限することはできない。
締約国は、相手国が、国境を越えてサービスを提供する場合、またはしようとした場合、サービス提供者に対し、現地滞在(現地に代表事務所を開設する、あるいは駐在するなどの条件)を求めてはならない。国境を越えるサービスとは、例えばアメリカ合衆国(以下、米国)に駐在したり、事務所を開設することなく、リマ事務所から業務を提供することをいう。
「専門的サービスに関するワーキング・グループ」を設け、将来、相互理解やライセンスの取得を容易にする措置、その他、締約国が関心のある専門的サービスに関する事項について話し合う。このグループは、ペルー、もしくは米国で一時ライセンスを取得するという方法で、専門的サービスを米国に輸出する機会をより有効に利用するための便宜を図る。
このワーキング・グループはすべての専門分野を横並びに扱うが、どの専門分野を優先するかについては締約国が合意に達することを求め、第一段階では会計、エンジニアリング、建築の分野を優先するというペルー側の提案を認めている。
米国は、FTAの発効から1年後に、ニューヨーク、ニュージャージー、カリフ ォルニア、テキサス、フロリダの各州とコロンビア特別区でエンジニアリング、会計、建築、法務、看護、歯科、医学一般、及び医療補助業務の専門サービス 提供者(ペルー人)に対し市民権及び永住権(事前の現地雇用を含む)を透明 な手続きをもって付与することを約束した。
採用人員割り当てについての附属書事項:この項では外国人労働者の採用人員割り当てに関連する措置に対する特別な取扱いを定めている。ペルーは、外国人労働者契約法で定められた割り当てを、米国の専門職及び専門技術者に適用しないことを約束しているが、法律自体にも専門職と専門技術者の採用割り当てに関する例外措置があることが記されている。
漁業一般法細則、芸術家法及び商船活性化法に定められた外国人採用割り当ては適切に保護され、前章の取り決めも、相反する措置に関する義務も適用されない。
6. 環境に関する章(第18章)の内容
6.1 規定範囲
本章では以下のテーマを扱う:本章の目的、環境保護のレベル、環境法の適用、手続きに関する規則、環境行政改善のための措置、環境問題審議会、環境に関 する協力、生物の多様性、環境に関する助言、環境に関する多国間協定との関 係、定義。
6.2 内容
各締約国の天然資源に対する主権を認める。本章の目的は環境政策と通商政策の相互支援に資することである。
各締約国は独自の環境保護基準を設ける権利及び環境開発のための優先順位を設定する権利を有し、それらの水準を改善することを約束する。
締約国はその国内法に照らし、環境に関する法律違反に対し罰則を適用し、または補償するための司法上または行政上の措置を設けることを約束する。
環境問題審議会:環境に関する章で定められた項目の実施の進捗状況を評価し、討議する機関。
締約国は生物多様性を保全し、その持続可能な利用を行うことの重要性を認める。また、原住民その他民族の共同体に伝わる知識や習慣を尊重し、保存することの重要性といった、生物多様性の保全が果たす持続的開発における役割の重要性を認める。締約国は生物多様性に関する協力を強化するものとする。
7. 労働に関する章(第17章)の内容
7.1 規定範囲
各締約国における労働者の労働に関する基本理念の保護。
本章では、以下を労働法の定義の一部とする:
- 共同経営の権利
- 組織化し、団体で交渉を行う権利
- あらゆる形の強制労働または労働の義務づけの禁止
- 未▇▇者を雇用する場合の最低年齢の制定及び劣悪な条件下における未▇▇者の労働の禁止および廃止
そのほか、最低賃金、労働時間、安全及び職業上の保健など、許容される労働条件の保護が含まれている。
7.2 内容
労働上の基本的な権利に関し夫々の国が負っている国際的な義務と国際労働機構(ILO)のメンバーとしての義務の再確認。
各締約国の憲法及び法に関する自治権の絶対的尊重の再確認。
労働法を両締約国の通商に資するよう安定的な形で効果的に適用する。貿易及び投資振興のため、労働法律を弱体化または縮小させない。
協力に関する章及び附属書の実施・運用を担当するために両締約国の労働省代表によって構成される「労働問題審議会(CLAB)」を設置する。その主な機能として国民への伝達方法を検討する上での方針を打ち出すこと、報告書の作成、労働問題に関する照会を行うことなどがある。
労働問題に関するペルーの国際的な公約の履行を進めるために、ペルーの法及び自治権の枠内で協力を行うことの重要性を認める。その意味で、▇▇▇▇による監督のもと、各締約国の担当者によって構成される「労働協力・能力開発審議会」を設ける。
本章から派生するあらゆる問題への対処に協力するため、労働問題に関する照会を行う特別な審議会を設ける。その手続きは遅滞なく行われ、相互に満足できるよう解決策を得られるに十分な情報を提供するものとする。
8.貿易能力の強化に関する章(第20章セクションB)の内容
8.1 規定範囲
各締約国の代表によって構成される「貿易能力強化委員会(FCC)」を設置する。その主な役割の一つは、課題に立ち向かい、効果的にこれを乗り越え市場開放の便益を活用できるよう、環境を整えることにある。そこで、FCCの会合では米国の支援機関や各種国際団体からプログラムやプロジェクトを通じて支援や無償技術協力を受けるための調整を行う。その目的で専門のワーキンググループが設けられた。
8.2 内容
貿易能力強化(FCC)のために各締約国の代表者で構成される委員会の設置を定める。
FCC委員会は、民間団体、民間及び公的機関が提供するプロジェクト、及び ENFCC(FCCの国家戦略計画)が定めるガイドラインに沿ったプロジェクトを優先する。また、それらプロジェクトの運用と適用を支援する国際協力機関を招待するなど国際協力実施の調整を行う。
CAFTAの条文で定められた内容とは異なり、本章では各プログラムやプロジェクトによるインパクトのフォローアップを行う目的で、この委員会の評価及びモニタリング業務をより効率的かつ効果的に行うためのメカニズムの開発を予定している。
9.電気通信に関する章(第14章)の内容
9.1 規定範囲
本章は電気通信事業に関する規制で、その主な目的は、各通信市場において競争を促進させることを考慮にいれた上で、最低限の規制を設けることを目的としている。電気通信サービスが競争力の高いものであれば、その大幅な利用を促すことになり、結果として締約国間の財及びサービスの貿易がさらに増加するであろう。本章の対象分野にラジオ放送は含まれない。
9.2 内容
本章では(ペルーの現況を踏まえて)独占的な電気通信事業者に対し新たな義務を課している。それらは、最終消費者に転売することができる卸業者に対し電話サービスを販売すること、コストを反映した妥当な料金で回線をリースすること、自社のネットワークと他社のネットワークの相互接続に必要な通信設備の設置場所の物理的または実質的に共同利用(地所の共用)すること、また競合企業に対し、妥当な料金で差別なく通行権、電柱や送電線などの使用を認めることなどである。
また本章には、相互接続を実施する上での電気通信事業者間の意見の相違(すでにペルーで多く発生している)を規制措置及び協議により解決するための対応策が盛り込まれている。また、本章の条文で考慮されている不介入の原則については、ペルーの電気通信省も同じ方針を採っており、市場が活発に動いている場合には、統制を加える側はその介入を差し控えるものとしている。
米国が締結した他の条約と異なり、電気通信に関する本章においては、携帯電話業界を支配している事業者側の反競争的行為を阻止するために一定の義務を課している。ここに言う反競争的行為とは、競争原理に反する補助金や、競争相手から得た情報を利用して結果的に反競争的な結果をもたらす場合を言う。反競争的行為に対するセーフガードと呼ばれるこの対策は、現在OSIPTELが、反競争的な行為につき一方から訴え出た場合、またはそのような形跡が見受けられる場合に事後段階で適用している。
本章では固定電話業者による番号ポータビリティの相対的義務について触れている。つまり、利用者がプロパイダーを変えた場合でも同じ電話番号を保持できるということである。この義務は我々アンデス諸国では “技術的にも経済的にも成り立つ場合”という条件のもとに義務とされるため、相対的なものである。
10.農業に関する章(第2章セクションG)の内容
10.1 規定範囲
本章には内国民待遇と産品の市場アクセス、関税割当の管理と実施、農産物の輸出に対する補助金、輸出公社、農業セーフガード措置などに関する規定が含まれている。
同じく本セクションでは砂糖に対する補助金のメカニズム、(鶏など)鳥類の輸出に関する照会、農産物貿易委員会に対する措置を定めている。また、附属
書では農業セーフガード措置に関する一般的注釈と農産物に対する関税廃止リストを定めている。
10.2 内容
本章では、一方の締約国の国土内における他方の締約国の商品に対する内国民待遇の原則の適用を保証している。
各締約国は、関税割当の取扱い手続きが透明であり、一般市民がアクセスでき、タイムリーで、差別がなく、市場の状況に合った措置であり、出来る限り貿易 の障害とならないことを保証せねばならない。
両締約国は、ある産品に対して輸入関税割当の枠内で限られた数量に無税での輸入を認めているが、それらの輸入量はその商品の輸入総額に対してみれば、限られた金額にあたるものである。
両締約国は多国間レベルで農産物の輸出に対する補助金を廃止するという共通の目的を持っている。締約国は世界貿易機構(WTO)おけるこの補助金の廃止や、どのような形態であってもその再導入を防ぐための合意に向けて協力するものとし、そのため、両締約国間の貿易における輸出補助金を廃止する。
第三国の補助金を受けた産品が両締約国のうちの何れかの市場に搬入された場合には、それらの輸出を受け入れた国が他方の国に対し補正措置を適用するための話し合いを行うか、もしくは悪影響を受けた国が他方の国に向けた輸出に対する補助金制度を復活させることが出来る。
両締約国は輸出公社について、輸出権の制限を廃止し、ある農産品の総輸出量の大部分を扱っている販売公社に対し直接または間接的に与えられている特別融資を廃止し、輸出公社の活動と維持管理をより透明なものにすることを目指し、WTOにおける合意に向けて協力するものとする。
農産物に対するセーフガード措置:農産物貿易を保護するメカニズムで、締約国の原産農産物にかかる関税の還付を認めている。本FTAは一方の国の農産物に対するセーフガード措置は、暦年で措置を発動した年の末日までしか保持することが出来ないものとしている。
農産物セーフガード措置は明確な形で実施すべきである。その措置が適用され てから60日以内に、措置を採った国は、農産物が措置の対象となった他方の国 に対し文書によって通知し、その措置に関する情報を提供しなければならない。要請があれば、措置を適用する国は農産物が措置の対象となっている他方の国 と協議を持つものとする。
ペルーは、米国との自由貿易協定締結に向けて交渉した枠内で、36のセンシティブ品目に対し量的に実施する、農畜産物特別セーフガード(SEA)を適用する。その中には粉ミルク、バター、チーズ、標準品質の牛肉、鶏モモ肉、米などがある。
砂糖に対する補償メカニズム: 米国は、いかなる年度にも、非課税枠の砂糖製品のうち一部または全部に免税措置を採用することに合意する代わりに、相手国の砂糖製品輸出業者に対する補償のメカニズムを適用することが出来る。
その補償額は、ペルーの輸出業者が米国にその量の砂糖製品を輸出した場合に得られたと想定される収入額と同等の金額で、米国がそのオプションを採用してから30日以内に与えられる。米国はこのオプションを実施する最低90日前にペルーにその旨を伝え、要請があれば、そのメカニズムの実施についてペルーと協議を開始しなければいけない。
両締約国は鶏肉の貿易に関し、本協定発効後9年目に協定の実施、運営について協議と再検討を行うものとする。
締約国は本協定の発効日から遅くとも180日後までに各締約国の代表者で構成される農業取引委員会を設置する。
米国のペルーに対する提案: 米国と交渉された自由貿易協定では、アスパラガス、パプリカ、アーティチョーク、ミックス野菜、ブドウ、マンゴー、オレンジ、エタノールなど、アンデス貿易促進麻薬撲滅法(ATPDEA)に含まれるすべての産品に対し、関税ゼロの特恵措置を▇▇的なものにする。同様に、オリーブ、綿花、野菜缶詰、その他の果物類で、以前この法律の対象となっていなかった他の産品に対しても即時の関税撤廃が得られた。
このように、本協定では1,241品目に対する関税が撤廃され、すでに関税ゼロを得ていた388品目と合わせると、ペルーの農産物全体の90%に対し、米国の市場への即時アクセスが確保されることになるが、それはペルーの対米国農産物輸出額の99%を占める。
ペルーの米国に対する提案: ペルーは、農産物品目の56%にあたり、米国からの輸入総額の87%を占める451品目に対し、関税撤廃を提案した。
また、米、牛肉、乳製品、鶏モモ肉、硬いイエローコーン、精製油その他125 のセンシティブ品目に対し、ペルーは10年間または10年以上の関税引き下げ期 間を与えた。同様に、ペルーは本協定で米国と合意した枠の中で、エバミルク、
チーズ類、標準品質の牛肉、鶏モモ肉、米などの36品目に対し、量的に農畜産物特別セーフガード(SEA)を適用する。
ペルーは将来締結される他の協定でより有利な市場アクセス条件が得られた場合、それらの条件を米国に対しても適用することを約束した。この約束の対象となる商品は、牛乳、トウモロコシ、肉類(牛肉、鶏肉、豚肉)に関係したものとその副産品の一部(139税関品目)になる。
ペルーの提案する農産物のうち主要なものを下記に列挙する:
• 乳製品:交渉で得た条件は長期の関税引き下げ期間と限られた割当量をもって、各締約国にとって、互恵的で▇▇なアクセスを可能にする。
品目 | 基本関税率 % | 減税期間 年数(猶予年数) | 輸入割当トン | 増加率 | SEA 農作物特別セーフガード |
液体牛乳 | 25 | 15 | xx | xx | xx |
エバミルク | 25 | 17 年 (10) | 4,630 | 12 | 量 |
コンデンスミルク | 25 | 17 (10 ) | 4,630 | 12 | 量 |
粉ミルク | 35 | 17 (10 ) | 4,630 | 12 | 量 |
糖分なし濃縮ミルク | 25 | 17 (10 ) | xx | 12 | 量 |
ヨーグルト | 25 | 15 | 70 | 10 | xx |
乳清 | 25 | 即時 | xx | xx | xx |
バター | 25 | 15 | 500 | 10 | 量 |
チーズ | 25 | 17 (10 ) | 2,500 | 12 | 量 |
アイスクリーム | 25 | 15 | 300 | 10 | 量 |
乳製品 (砂糖で練ったミルク) | 17 | 15 | 2,000 | 10 | xx |
• トウモロコシ: ペルーの硬質イエローコーンの生産量は約96万8,000トンで、輸入量は100万トンに達する。交渉の結果、トウモロコシの場合、基本関税 を25%とし、長期の関税引き下げ期間と無税の輸入割当枠が決められた。 農業開発の国内アジェンダの一部として、ペルーのトウモロコシ生産者に 対し、補償プログラムが策定された。
品目 | 基本関税率 % | 減税期間 年数(猶予年数) | 輸入割当トン | 増加率 | SEA 農作物特別セーフガード |
イエローコーン | 25 | 12 | 500,00 | 6 | xx |
ホワイトコーン | 25 | 10 | xx | xx | xx |
その他トウモロコシ | 25 | 10 | xx | xx | xx |
きび | 25 | 5 | xx | xx | xx |
コーンシリアル | 25 | 8 | xx | xx | xx |
コーンスターチ | 25 | 3 | xx | xx | xx |
• 米:この産品の関税引き下げは52%の基本関税率からスタートし、長い削減期間と4年間の猶予期間が設けられる。与えられた輸入割当量は、2002年から2004年の平均消費が150万トンであったペルーの推定消費量の5%に相当する。
品目 | 基本関税率 % | 減税期間 年数(猶予年数) | 輸入割当トン | 増加率 | SEA 農作物特別セーフガード |
殻付 | 52 | 17 (4 ) | 74,000 | 6 | 量 |
殻なし | 52 | 17 (4 ) | 74,000 | 6 | 量 |
精米 | 52 | 17 (4 ) | 74,000 | 6 | 量 |
粉砕 | 52 | 17 (4 ) | 74,000 | 6 | 量 |
ライスシリアル | 25 | 5 | xx | xx | xx |
• 豚肉: この分野の産品の大部分は10年以下の関税引き下げ期間となった。ペルーにとってセンシティブなセクターであることを配慮し、また、輸出 ポテンシャルを考慮し、競争力をつけるために必要な措置に努める。本協 定でこのセクターが受ける恩典は、豚の総合飼料に欠かせない大豆ペース トの無税輸入とトウモロコシのゼロ関税輸入割当である。
品目 | 基本関税率 % | 減税期間 年数(猶予年数) | 輸入割当トン | 増加率 | SEA 農作物特別セーフガード |
骨組み | 25 | 5 | xx | xx | xx |
ハム | 25 | 5 | xx | xx | xx |
その他の肉 | 25 | 5 | xx | xx | xx |
冷凍骨組み | 25 | 5 | xx | xx | xx |
冷凍ハム | 25 | 5 | xx | xx | xx |
その他の冷凍肉 | 25 | 5 | xx | xx | xx |
臓物 | 17 | 5 | xx | xx | xx |
レバー | 12 | 5 | xx | xx | xx |
その他の臓物 | 17 | 5 | xx | xx | xx |
ベーコン | 25 | 即時 | xx | xx | xx |
その他のベーコン | 25 | 5 | xx | xx | xx |
燻製ハム | 25 | 5 | xx | xx | xx |
燻製ベーコン | 25 | 2 | xx | xx | xx |
その他の肉 | 25 | 5 | xx | xx | xx |
脂肪 | 12 | 10 | xx | xx | xx |
ハム加工品 | 25 | 7 | xx | xx | xx |
肩肉加工品 | 25 | 7 | xx | xx | xx |
その他の加工品 | 12 | 7 | xx | xx | xx |
• 牛肉: ペルーの推定牛肉消費量は15万3,000トン、 食用臓物は4万6,000トン であり、関税割当量は各製品の消費量のそれぞれ1%と22%に相当する。牛 肉の標準肉に関する割当量外の関税率は10年以上の期間で引き下げられる。同様に、プレミアム肉はペルーでは需要が限られているので、即時関税撤 廃が与えられた。現在の輸入量はわずかである。
品目 | 基本関税率 % | 減税期間 年数(猶予年数) | 輸入割当トン | 増加率 | SEA 農作物特別セーフガード |
骨つき | 25 | 15 | xx | xx | xx |
プレミアム肉 | 25 | 即時 | xx | xx | xx |
標準肉 | 25 | 12 | xx | xx | xx |
冷凍つき | 25 | 12 | xx | xx | xx |
骨なし | 25 | 12 | 800 | 6 | 量 |
その他の牛肉 | 25 | 12 | 800 | 6 | 量 |
冷凍骨なし | 25 | 12 | xx | 6 | 量 |
舌 | 12 | 10 | 10,000 | 6 | xx |
レバー | 12 | 10 | 10,000 | 6 | xx |
その他 | 12 | 10 | 10,000 | 6 | xx |
胃袋 | 12 | 10 | 10,000 | 6 | xx |
その他加工品 | 25 | 12 | xx | xx | xx |
• 鶏肉: 米国には鶏モモ肉1万2,000トンの割当が与えられたが、
ペルー国内の鶏肉総消費量に対する割合(1.9%)はCAFTA 諸国に与えられたもの(消費量の5%)より低い。鶏肉の関税引き下げ期間は10年以下である。ペルーの養鶏セクターには、養鶏に必要な総合飼料を準備するための重要な原料であるトウモロコシの割当分を無税で輸入できるという恩典がある。
品目 | 基本関税率 % | 減税期間 年数(猶予年数) | 輸入割当トン | 増加率 | SEA 農作物特別セーフガード |
生鮮鶏モモ肉 | 25 | 17 (8) | 12,000 | 8 | 量 |
冷凍鶏モモ肉 | 25 | 17 (8) | 12,000 | 8 | 量 |
ターキーモモ肉 加工品 | 25 | 17 (8) | 12,000 | 8 | 量 |
その他の生鮮カット | 25 | 5 | xx | xx | xx |
その他の冷凍カット | 25 | 5 | xx | xx | xx |
その他の部位 | 25 | 2 | xx | xx | xx |
生鮮ターキー | 25 | 8 | xx | xx | xx |
冷凍ターキー | 25 | 5 | xx | xx | xx |
生鮮ターキーカット | 25 | 5 | xx | xx | xx |
冷凍ターキーカット | 25 | 5 | xx | xx | xx |
孵化用殻つき卵 | 12 | 即時 | xx | xx | xx |
乾燥たまご | 12 | 8 | xx | xx | xx |
加工品 | 12 | 5 | xx | xx | xx |
他のカット加工品 (鶏肉) | 25 | 2 | xx | xx | xx |
他の加工品 (他の鳥) | 25 | 5 | xx | xx | xx |
卵アルブミン | 12 | 3 | xx | xx | xx |
• 綿: 繊維・縫製品の主要原料であるこの産品は即時の関税撤廃とする。センシティブな品目であることを考慮し、関税の引き下げを補償する目的のプログラムに取り組んできた。
品目 | 基本関税率 % | 減税期間 年数(猶予年数) | 輸入割当トン | 増加率 | SEA 農作物特別セーフガード |
綿 | 12 | 即時 | xx | xx | xx |
• 小麦: 小麦は製粉業に必須の原料である上、ペルーの小麦生産はほとんどが軟質小麦で、輸入されているのは製粉業用の硬質小麦である。小麦は即時の関税撤廃とされる。
品目 | 基本関税率 % | 減税期間 年数(猶予年数) | 輸入割当トン | 増加率 | SEA 農作物特別セーフガード |
小麦 | 17 | 即時 | xx | xx | xx |
• 大麦: 本FTAの枠内になされる大麦の自由化は、飼料用の大麦しか生産し ないペルーの生産に影響を与えない。現在の輸入大麦、特にモルト大麦は、ビール産業に当てられている。
品目 | 基本関税率 % | 減税期間 年数(猶予年数) | 輸入割当トン | 増加率 | SEA 農作物特別セーフガード |
ビール用 | 17 | 即時 | xx | xx | xx |
飼育用 | 17 | 即時 | xx | xx | xx |
粉末用 | 25 | 10 | xx | xx | xx |
• 植物油:ペルーは種子と未精製油の関税をただちに撤廃するが、精製油の関税引き下げは10年間に亘って行う。なお未精製油に対するMFN(最恵国向け)関税は4%であるのに引き換え精製油に対する関税は12%である
この分野ではペルーは大豆精製油に対し割当を決め、その量については代用品使用問題を防止するために民間セクターと話し合った。
品目 | 基本関税率 % | 減税期間 年数(猶予年数) | 輸入割当トン | 増加率 | SEA 農作物特別セーフガード |
大豆精製油 | 12 | 10 | 7,000 | 5 | xx |
コーン精製油 | 12 | 10 | xx | xx | xx |
混合油 | 12 | 7 | xx | xx | xx |
綿油 | 12 | 10 | xx | xx | xx |
大豆祖油 | 4 | 即時 | xx | xx | xx |
ひまわり祖油 | 4 | 即時 | xx | xx | xx |
• 砂糖: 米国は、ペルーが他の国と締結した協定と同様に、ペルーに原糖をはじめ、砂糖を含んだ産品の47品目に対し、限られた輸入割当を与えた。この割当は、▇▇▇▇共同体の中でも最も多い割当量の一つにあたる現在の約4万3,000トンに、1万1,000トンを追加している。1万1,000トンの割り当ては、ペルーが純輸出国のステータスを確保することを条件としている。一方、砂糖製品と砂糖含有製品に関するペルー市場の開放は、以下の表にあるように、5年から10年の期間で行われていく。
品目 | 基本関税率 % | 減税期間年数 | 輸入割当トン | 増加率 | SEA 農作物特別セーフガード |
黒糖 (panela 削り物) | 12 | 5 | xx | xx | xx |
その他サトウキビ の粗糖 | 58 | 5 | xx | xx | xx |
サトウダイコン の砂糖 | 58 | 5 | xx | xx | xx |
色・香を添加 したもの | 12 | 5 | xx | xx | xx |
その他の砂糖 (精糖) | 58 | 5 | xx | xx | xx |
メープル糖と メープルシロップ | 12 | 即時 | xx | xx | xx |
デキストロース | 4 | 即時 | xx | xx | xx |
グルコースシロップ | 17 | 10 | xx | xx | xx |
その他シロップ | 12 | 5 | xx | xx | xx |
グルコース | 17 | 10 | xx | xx | xx |
グルコースシロップ | 17 | 5 | xx | xx | xx |
化学的に純粋な フルクト-ス | 4 | 5 | xx | xx | xx |
その他のフルクトー スとフルクトースシロップ | 30 | 5 | xx | xx | xx |
蜂蜜の代替品 | 12 | 即時 | xx | xx | xx |
キャラメル化した メラーゼ、砂糖 | 30 | 即時 | xx | xx | xx |
着色料、香料を添加した砂糖 | 30 | 5 | xx | xx | xx |
その他のシロップ | 30 | 5 | xx | xx | xx |
その他 | 4 | 即時 | xx | xx | xx |
価格帯制度: ペルーは米国産の輸入品に対し、価格帯制度を適用しないと約 束する。それらの輸入品には、段階的削減が合意された基本関税率を適用する。第三国に適用した最恵国(MFN)向け税率が基本優先関税率より低い場合は、 米国産の輸入品はMFNレベルの関税で輸入し、価格帯制度が該当する場合には、その結果も含まれる。これらの規定では、たとえば米国のチリやCAFTAとの FTA同様に、移行期間中には米国の輸入に部分的に価格帯制度を適用する。
附属書 No. 1
ペルーの対米国提案の内訳
ペルーの輸入額 (1,000 ドル単位) 2002 – 2004 年平均
ペルー HS8 | 品目数 | 品目 % | 米国から | 世界から | 対米国貿易 % |
即時アクセス | 510 | 56.1% | 242,671 | 837,643 | 88.7% |
優先アクセス | 451 | 49.6% | 238,258 | 826,148 | 87.1% |
MFN アクセス | 59 | 6.5% | 4,413 | 11,495 | 1.6% |
2 - 3 年後にアクセス | 17 | 1.9% | 577 | 21,779 | 0.2% |
5 - 7 年後にアクセス | 245 | 27.0% | 2,939 | 88,033 | 1.1% |
8 - 9 年後にアクセス | 12 | 1.3% | 0 | 302 | 0.0% |
10 - 12 年後にアクセス | 813 | 8.9% | 22,561 | 177,340 | 8.2% |
15 - 17 年後にアクセス | 44 | 4.8% | 4,870 | 72,005 | 1.8% |
合計 | 909 | 100.0% | 273,619 | 1,197,102 | 100.0% |
米国の対ペルー提案の内訳
米国の輸入額 (1,000 ドル単位) 2002 – 2004 年平均
米国HS8 | 品目数 | 品目 % | ペルーから | 世界から | 対ペルー貿易 % |
即時アクセス | 1,629 | 89.7% | 562,716 | 49,705,004 | 99.1% |
優先アクセス | 1,241 | 68.3% | 444,985 | 29,563,813 | 78.3% |
MFN アクセス | 388 | 21.4% | 117,731 | 20,141,191 | 20.7% |
5年後にアクセス | 3 | 0.2% | 0 | 21 | 0.0% |
10 年後にアクセス | 1 | 0.1% | 0 | 15 | 0.0% |
15 年後にアクセス | 77 | 4.2% | 2,921 | 212,619 | 0.5% |
17 年後にアクセス | 60 | 3.3% | 160 | 122,645 | 0.0% |
NMF (割当のみ) | 47 | 2.6% | 2,265 | 96,931 | 0.4% |
合計 | 1,817 | 100.0% | 568,062 | 50,137,235 | 100.0% |
11.金融サービスに関する章(第12章)の内容
11.1 規定範囲
本章の目的は、現在ペルーの金融サービス取引の市場開放を▇▇化すると同時に、米国市場をより開放的にすることである。
金融サービスにおけるペルーの市場開放の観点から、本章では銀行、保険、証券取引分野での現在の市場開放の大部分を▇▇化しており、特にこれら三つの金融分野におけるアメリカの投資及び投資家に対する市場開放の完全な▇▇化が図られているが、これらの取り決めは現在のペルーの国際金融取引業務に対する実際の開放度よりは低いものである。
これら市場開放に関する取り決めは、あらゆる意味において、SBS(銀行・保険監督機関)、CONASEV (証券・株式監督機関),BCRP(中央準備銀行)などの機関が持っている適正な統制力を削ぐものではないことを強調すべきである。
具体的に言うと、銀行及び証券業務に対する市場開放は、ペルーで営業する諸外国の金融機関に対して保障されている。その意味ではペルーにおける外国銀行に対する統制方法にはなんらの変更もなされないわけである。なお、金融市場に関する情報の提供、金融データの処理、ペルーに事務所を置かない金融機関による投資顧問といった業務のほか、米国におけるこれらサービスの消費についても▇▇的に自由化される。
保険及び保険関連業務については、ペルーにおける保険会社設立と活動を認めている現在の市場開放が▇▇化された。また、外国における保険商品の消費の自由化も固定されるが、強制保険や社会保障関連の保険については例外とし、この点に関してはペルーの現行の法規が適用される。
年金積み立て基金の運営管理について、本協定では、ペルーの現行の法律が定 めている通り、米国資本による年金積み立て基金運営会社の設立を認めている。
11.2 内容
内国民待遇: これは、各締約国の国境を越える投資や投資家、資金提供者に対し、自国民と同様の扱いをするという取り決めで、締約国の間では差別的な扱いは禁止になるということである。ペルーの現行法規は、国境を越えるサービスについては適用が制限されるという条件付で、すでに内国民待遇適用の原則を定めている。
最恵国待遇: この取り決めにより、一方の締約国は他方に対し、本協定の加盟国でない他の国の国境を越える投資や投資家、資金提供者に与えるのと同様の待遇を与えるものと定めている。(国境を越える取引には除外部分がある。附属書の説明を参照)。ペルーの現行法規でも国による差別はしていない。
市場アクセスの制限の禁止: 本条項を通じ、各締約国が店舗の数や取引額などに制限を設けること、必要性に関する証明を強要すること、金融機関の法人形態に制限を加えたりすることなどを主として禁じる。
機密情報の取り扱い:この取り決めにより、金融システム利用者である個人および企業の金融関連情報が他に漏れないことが保証されている。
紛争解決: この点に関しては、本章は投資に関する章(第10章)における紛争解決のためのメカニズムに従うが、より詳しい事項が追加されている。たとえば、金融サービス紛争に係わる4人の調停員はその分野に詳しい人でなければいけないことや、協議の段階から紛争開始までの間に、可能であれば金融監視委員会が意見の調整を図り、紛争解決のメカニズムの適用を避けることなどである。
12.貿易の技術的障壁に関する章(第7章)の内容
12.1 規定範囲
本章は、中央政府が考案、決定、実行し、直接又は間接に締約国間の物品貿易に影響を与えうる基準、技術的な規格や適合性の評価手続き(試験、検査、認証、その他)で、 重要でない改正や補足事項を除くすべてに適用される。
本章は協定の他の章で取り扱われている公的機関による調達の仕様や衛生および動植物検疫措置には適用されない。
12.2 内容
締約国はWTO合意に従いお互いの義務と権利を再確認する。
貿易に便宜を与えるために、両締約国は特定の分野及び関心事項における協力事業を通して基準、技術的な規格及び適合性評価手続きに関する共同作業を強化する。
これらの活動には、夫々の技術規格と国際規格との整合又は調和、適合性評価手続きによる結果の承認と受け入れ、適合性評価機関の評価に用いる認定の使用などを目指す協力事業等を含めることが出来る。
各締約国は、他方の国土内で行われた適合性評価の結果をお互いに受け入れやすくするために、既存のさまざまなメカニズムについて、共に取り組むように努める。
一方の締約国が他方の締約国の技術規格について、自国のものと同等であると認めなかった場合には、申請をしたうえで、そのように決定した事由を説明せねばならない。
基準、技術規格、適合性評価手続きの制定に透明性を保証するため、各締約国は他方の締約国の人民がその作業に参加し、自国の者と同等の立場で意見を述べることを認める。
貿易技術障害対策委員会: 両締約国の代表をメンバーとする貿易技術障害対策委員会を設置する。
13. 政府調達に関する章(第 9 章)の内容
13.1 規定範囲
ペルーの各政府機関が米国とのFTAの枠内で行うべき資本財及びサービスに関する契約を行うに当たり、品質と価格の上で最大限のメリットを享受するために、本章では透明性、差別廃止、適正な手続きなどについて定めている。
本章は、附属書に挙げられた条件の下に合意された一定の金額に関し、附属書にリストアップされた機関によって行われる調達のみに適用されるが、両締約国は特定の物品、サービス、プログラムを対象から除外している。
13.2 内容
本章は、物品およびサービス調達やその物品とサービスの提供者に対し、内国 民待遇(他方の締約国のサービス提供者を自国のサービス提供者と同等に扱い、差別しない待遇)を適用すると述べている。
各機関は、両国間の貿易に無用な障害を設ける目的で技術仕様書を作成、採用、又は適用しないものとする。
各締約国は異議の申し立てを受け付け、審査を行うために、公的機関から独立 した最低一つの行政機関または司法機関を設置或いは任命する。この点に関し、各締約国は各自の審査手続きが公示され、適切な時期に透明且つ効果的に行わ れ、適正手順の原則に沿ったものであることを保証せねばならない。
両締約国のすべての省庁はこの取り決めに従い、また、例外の措置が採られた場合を除き、それら省庁の各傘下機関も自動的に本取り決めの適用を受ける。さらに、中央政府レベルのその他の機関、国営公社、ペルーの場合にはそれに次ぐレベルとして各地方行政機関、米国の場合には各州の行政機関にも適用される。
物品のネガティブリスト: ペルー側は軍及び警察が行う縫製品と履物の調達を、米国側は国防総省が行う武器、弾薬、船舶、宇宙船の調達をそれぞれ除外した。
サービスのネガティブリスト: ペルー側は建築、エンジニアリング設計、建設及び据付段階におけるエンジニアリング、会計と会計検査、調停と和解などを本章の適用から除外とし、米国側は、情報処理及び関連する電気通信事業、船舶に関連するメンテナンス、修理、物品の設置や艤装の業務、浚渫業務などを除外とした。
ペルーは本章の適用対象から PYME(中小企業)のための振興措置と食糧支 援プログラムをはずした。前者の場合、ペルーは国家機関による調達への PYMEの参加を促進するため、現行の法律を維持してもよいことになっている。
14. 知的財産に関する章(第16章)の内容
14.1 規定範囲
本章では知的財産権に関するさまざまな法規の形式を統制する措置を定めている。
A. 一般措置
B. 商標
C. 地理的表示
D. ドメイン名
E. 著作権とそれに関連する権利
F. 衛星放送番組を伝える信号の保護
G. 特許
▇. 一部の規制対象商品に関する措置
I. 公衆衛生と薬品の入手
J. 検査データや公衆衛生データの保護
K. 遵守
L. 知的財産と生物多様性
M. 技術革新と開発の促進
14.2 内容
両締約国はFTAの発効日に、下記の国際協定に批准または加盟する。
• 衛星により送信される番組伝送信号の伝達に関する条約(1974年)
• 特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約(1977年)とその補足協定(1980年)
• WIPO著作権条約 (1966年)
• 演奏と表音文字に関するOMPI協定(1996年)
現在ペルーはブダペスト条約以外の上記に述べられた協定の加盟国であることを記しておく。
両締約国は2008年1月1日以前、または本FTA発効日のいずれか遅い方の期日に、下記の協定に批准または加盟するものとする。
• 特許協力条約(1970年)はその見直しと補足改正(1979年)に従う。
• 商標法条約(TLT)(1994年)
• 新種植物保護国際条約(1991年)(UPOV 会議)
同様に、両締約国は下記の協定に批准または加盟するために妥当と考えられる努力をする。
• 特許法条約(2000年)
• 意匠の国際登録に関するハーグ条約(1999年)
• 標章の国際登録に関するマドリッド協定ついての議定書(1989年)
反競争的行為:本章では、知的財産権の乱用から生じる反競争的行為を防止するために、両締約国が必要な措置をとることを禁止しない。但しそれらの措置と本章の一貫性が問われない場合に限るものとする。
内国民待遇:本章の対象となっている知的財産のすべてのカテゴリーに関し、各締約国は他方の締約国の国民に、知的財産権の保護とその権利の行使、およびその権利から得られるその他の利益について自国の国民と同等の待遇を与える。
商標登録:商標の登録をする際、サインが視覚的に認識できるという条件は要求しない。また、商標のサインが音やにおいから成るというだけの理由で登録を拒否しない。
各締約国は、商標権者には、第三者がその許可を得ずして、商業活動の中で商標権者が登録したと同様または類似の商品・サービスに、地理的な表示を含めた同様または類似のサインを使用した場合、その使用によって混乱が生じる可能性があれば、これを阻止する独占的な権利があることを認める。
知名度の高い商標:工業所有権の保護に関するパリ条約(1967年)第6条は、知名度の高い商標によって知られる商品やサービスと同一でない、または類似しない商品やサービスに対し、商標登録の有無にかかわらず、その商標を使用することにより、それらの商品やサービスと商標所有者の間に関連があるように見え、そのことにより商標所有者の利益が損なわれる恐れのある場合に適用される。
保護期間:各締約国は、商標の初回登録の有効期間およびすでに登録されている商標の更新期限を10年以上とする。
ライセンスの有効性を確立するため、または商標にかかるあらゆる権利を確立するため、あるいはその他の目的で商標を登録する必要はない。ただしそれとは別に、管轄当局は情報収集の目的で、▇▇▇▇▇の証明書の提出を要求することはできる。
ドメイン名:登録商標のサイバースクワッティング問題に取り組むために、各締約国は国別コードトップレベルドメイン(”country-code top-level domain” (ccTLD))の運営者に、「統一ドメイン名紛争処理方針」(1999年)に定められている原則に基づいた適切な紛争解決手続きを採るよう要求しなければならない。
同様に、各締約国は自国の”ccTLD”(“country code top-level domain”)の運営者に、ドメイン名を登録した者のコンタクト先の情報を含む正確で信頼の置けるデー ターベースに、一般市民がオンラインアクセスできるようにすることを要求し なければいけない。
著作権とそれに関連する権利:米国とのFTAでは、アメリカ側の望んでいた、コピーライトシステム独特の包括的な取扱いとは違って、著作権とそれに関連する権利を分けて、それぞれが別々の取扱いを受けられるようにした。
(写真を含めた)作品の保護期間の計算は下記の通りとする:
- 保護期間は、自然人の生涯に基づき、その期間は作者の生涯より短くても、死後70年の期間より短くてもいけない、また、
- 自然人の生涯を基にしない計算では、その期間は: 1)作品が初めて許可を得て公開された年の年末から数えて、70年の期間より短くてはいけない、或いは 2)その作品が作られた時点から50年間に許可を得た公開がなかった場合、作品が作られた年の年末から数えて70年間以上。
ある演奏・実演・レコードの保護期間は下記の通りに計算する:
- 保護期間は、自然人の生涯に基き、保護期間はその人の生涯より短くても、死後70年の期間より短くてもいけない、また、
- 自然人の生涯を基にしない計算では、その期間は: 1)作品が始めて許可を得て公演・公開された年の年末から数えて、70年の期間より
短くてはいけない、或いは 2)その演奏・実演・レコードが作られた時点から50年間に許可を得た公開がなかった場合、その実演・レコードが作られた年の年末から数えて70年間以上。
特許: 各締約国は、すべての技術分野において、商品や手法などのあらゆる発明品に対し、その発明が新しいものであり、創造的な活動を含み、産業に応用できるものであれば、特許を与える。
特許対象除外:本章の規定は、ADPIC(TRIPS協定)に定められている通り、 27.2条項の発明品 (人間や動物の健康や生命の保護、植物の保護、環境を深刻 な被害から守ることを含め、公共の秩序や道徳を守るために、必然的に商業的 な開発を阻止しなければいけない発明品)と 27.3条項の発明品(診断、治療、外科手術の方法および動物)を特許権の対象から除外することを妨げるもので はない。また、ペルーは、知名度の高い製品の新しい使用法の特許登録を認め る米国の主張を取り下げることを得た。
植物に関する新技術に対する特許については、ペルーはそれらの技術が新しく、創造的で産業に適用できるものであれば、特許の交付を通じて保護のために適 切な努力をすることを約束する。
特許の取り消しは、各締約国の特許法に鑑み特許の交付が拒否されるような理由に基づいてのみ、その特許の取り消しができる。これに関し、第三者が反対権を行使することにより特許申請手続きに介入できる可能性は存続し、特許が不正に与えられた場合には、第三者は無効の申し立てを行うことができる。
医薬品または農薬の販売許可申請を幇助するために必要な情報を作成する目的で、現行の特許によって保護されている素材を第三者が利用する事を認め、その許可によって生産されたあらゆる製品は、情報の作成に関連する以外の目的で生産、利用、販売用の提供、または輸入等をその締約国の国土内で行うことは認められない。
ペルーは、特許の交付に異常な遅れがあった場合、特許の名義人の要請により特許の有効期限が調整できるよう、メカニズム(国内法規)を整備せねばならない。
異常な遅延とは、一方の締約国の国土で、特許交付が申請の日から5年以上かかった場合、或いは特許試験申請から3年以上かかった場合のいずれか遅いほうのことであり、この遅延には申請者の行為による遅れは計上されない。
特許で保護された医薬品について、その最初の商品化の認可手続きの結果、特許期間が異常に短縮された場合、特許の名義者にそれを補償するため、特許期間を回復させなければならない。承認手続きの異常な遅延の定義については衛生当局の判断に任せる。
新しい医薬品または農薬の発売を認めるための条件として、製品の安全性と効能に関する資料の提供を要求または許可した場合には、締約国は、最初に販売許可を得るために製品の安全性や効能に関する情報を提出した者の許可なくして、別の者に下記の書類に基づく同様または類似の製品の販売許可を与えてはならない:
(i) 販売許可を裏づけるために提出された安全性と効能に関する資料
(ii) 販売許可証
その期間は、販売許可を受けた日から医薬品の場合は最低5年間、農薬の場合は10年間とする。
締約国の一方が、新しい医薬品または農薬の販売許可に関連してそれ以前に他方の国で許可を受けた製品の安全性と効能に関する証拠資料の提出を要求または許可した場合、他方の国で最初に安全性と効能に関する資料を提出した者の許可がない限り、以下の資料に基づき別の者に同じ製品または類似品を販売するための許可を与えないものとする。
(i) 他方の国で販売を行うための事前許可の裏づけとして提出した安全性と効能に関する資料
(ii) 他方の国において発行済みの販売許可証。
その期間は、他方の国土内で新製品の販売許可を受けた日から医薬品の場合は最低5年間、農薬の場合は10年間とする。
ペルーは権利保護のために、他方の国で情報を提出する者に対し、他方の国で販売許可を獲得以後5年以内に、自国での許可を申請するよう要求することができる。
新しい医薬品とは、一方の国土内で医薬品として使用するため事前に認められた化学物質を含まないものを言い、新しい農薬製品とは一方の国土内で事前に農薬として使用するための許可を受けなかった化学物質を含むものを言う。
ペルーは、知的財産権に関する章の内容の定める義務が、ペルーが公衆衛生を保護するために必要な措置を採ること、特にHIV/エイズ、肺結核、マラリア、その他伝染病などに対してや、緊急を要する状況や国家の緊急事態などの場合に万人が医薬品を入手できる体制を促進するといったことに影響を及ぼさないという米国の理解を得た。その意味で、ペルーはADPIC(WTO)と自国の法律に定められた、必須の許可証や権利例外措置(並行輸入)といった例外措置や制限措置を適用する権限を維持する。
また、知的財産権に関する章は、公衆衛生に関するADPIC一般協議会の宣言および公衆衛生とADPICに関するドーハ宣言の第6条の運用に関する2003年8月30日の一般協議会の決定に基づく解決策の効果的な利用を阻むことはない。
同様に、ペルーは米国から、知的財産権の章で合意された試験データ保護規制の内容を明確にする事が出来た。そこには公衆衛生と適正な医薬品の入手を保護するための例外措置や制限措置が設けられている。
生物多様性: 生物多様性と伝来の▇▇に関し、ペルーは米国と重要な合意を得ることができた。これらの重要性を認め、また、これらが文化、経済、社会の開発に貢献する潜在能力も認める。
両締約国は下記の重要性を認める:
- 当局の管理下にある遺伝子資源にアクセスするには、事前に当局の許可を取得すること。
- 伝来の▇▇や遺伝子資源の利用によってもたらされる利益の▇▇な分配
- 特許の条件が満たされていることを保証するための品質検査を推進する。
- 遺伝子資源又は伝来の▇▇へのアクセス及びこれら資源または知識から派生し得る利益の▇▇な分配は、利用者と供給者間の双方が合意する条件を反映した契約によって適切に実施する。
- 各締約国は、以下の方法によって入手した伝来の▇▇または遺伝子資源に基づく発明品に対する特許に関する情報を共有する方法を設定する。
- 重要な情報を持ち、公にアクセスが可能なデーターベース
- 特許取得の可能性と何らかの関係があると思われる技術面での状況について、試験を担当する当局に文書にて照会すること
15.繊維-縫製品に関する章(第3章)の内容
15.1 規定範囲
繊維とアパレルの領域では、本FTAは合成または人工繊維、絹、ウール、高級動物繊維、コットン、その他植物繊維及び合成または人工繊維の糸及び織物、衣料品、各種縫製品、さらにすべてに繊維素材を用いた鞄、スーツケース、ハンドバッグなどのほか、雨傘、グラスファイバー製品、ベッドカバーなど取り扱う。
絹、コットン、ウールその他高級動物の繊維、その他の植物繊維は、農産物分野に該当するため、ここでは触れていない。
15.2 内容
セーフガード措置:貿易救済のメカニズムで、最恵国待遇の関税(MFN、 WTO 加盟国に課する関税)を復活させるためのものである。優先待遇の無い関税であり、国内市場に損害あるいはその恐れがあるときに適用することができる。セーフガード措置の適用最大期間は、措置がとられてから3年間(2+1)である。繊維セーフガードは協定発効から最初の5年間(移行期間)の中でしか適用できない。この問題に関しては、その措置の適用期間が短い点にも見られるように、ペルーは輸出促進という見解に立っている。チリの対米FTAの場合には8年間、モロッコは10年間である。
税関協力:繊維・アパレル製品の貿易に影響を与えるような、各国の法律、規則、手続きや国際協定などを逃れる行為を予防するために両締約国の当事者に協力させるメカニズムであり、協定が定めた原産地規則の履行を保証するための原産地基準の確認における協力も含められている。
原産地特定条件(REO):原産と非原産の混ざった材料または100%非原産材料を用いて作られた製品が守らなければならないルール。
REOは、第三国産の材料で作られた最終製品が原産品とみなされ、本FTAの恩恵を受ける可能性を示している。繊維分野でのREOはタリフジャンプ制度に基づくが、その唯一の例外はブラジャーで、関税分類の変更に加えて技術的な条件が求められている。
紡績糸とニット生地に対するタリフジャンプは、大部分の場合に“fibra en adelante”(繊維以降)、つまり繊維は締約国産のものとすべきこととしている。
このルールには例外があり、例えば平織りの場合には“hilado en adelante”(紡 績以降)のルールが適用され、繊維は第三国から輸入することが出来る。なお、シルクと麻の場合には、紡織を行った場所が原産地となる。
縫製品に対するタリフジャンプは、大部分の場合“hilado en adelante” (紡績以降)に該当し、製糸工程は締約国の国土内で行なわれ、繊維は第三国から輸入出来ることを意味する。 シルクと麻の場合には裁断と縫製のルールが適用されるため例外とされ、生地は第三国から輸入出来ることになっている。
狭い幅の生地、縫い糸、衣料品の裏生地、ポケット用生地の4つの部品については、完成品の関税分類を決めるにあたり例外的に追加条件が求められている。用具、縁布、ラベル、飾り、芯地などは第三国から供給を受けることが出来る。
例外は以下の通りである:
- 狭い幅の生地、ネック及びカフスなどは、“tela en adelante”(布以降)のルールを守らなければならない。生地は締約国の国土内で織られねばならないが、第三国の糸を用いることが出来る。
- 綿花を原料とする縫い糸と合成または人工繊維は“tela en adelante”
(布以降)のルールに従うが、第三国から間欠的に輸入される合成または人工繊維の糸を例外とする。
- 衣料品本体部分の裏地は”hilado en adelante”(紡績以降)のルールをま
もらなければならない。但しビスコース・レーヨン生地は例外とし、第三国から輸入することが出来る。また、袖、ズボン、チョッキの
裏地も第三国から輸入することが出来る。
- ポケット用の生地は、”hilado en adelante”(紡績以降) のルールを守らなければならない。
デミニミスの原則:この原則は原産地規則(REO)に柔軟性を与える。最終製品の関税分類を決定するパーツで、原産品でない材料の一部が最終製品の産地を決めるREOに適合しなかったがために原産品として扱われなかったものであっても、REOに適合しなかった材料の重量が、製品の関税分類を決定するパーツの10%を超さない場合に限り、原産品と見なすことが出来る。
伸縮性のある糸:リクラ、スパンデックス等の伸縮性のある糸については、R EOが締約国の国土で生産されたものである事を要求している場合、それは 100%締約国原産でなければならないことを意味し、デミニミスの恩恵は受けられない。
希少供給品リスト(LEA):REOは、繊維製品または衣類に第三国から輸入した繊維、糸、または▇▇▇の材料を使用することことを認めていないが、ルールに融通性を持たせ、LEAに定められた材料については最終製品の原産国に影響を与えることなく第三国からの輸入品を使用することができる。
LEAには、REOの規定によると本来国産品を使用すべき材料のうち、締約国が適切な時期に商業規模の数量を供給できないものが挙げられている。その名の示す通り、需要と供給の関係で、供給されていないかまたは供給が限られているものを言う。
▇▇▇は米国のCITAが運営することになっている。それに関しCITAは、両締約国に申請に関する情報を適宜伝えること、また、決定は裏づけとなる情報に基づき、その情報とともに両締約国に送付されることも含め、透明な運営をすると約束した。
LEAには21の6ケタの分類番号があり、3つがウールまたは高級動物の毛から できた糸、5つが綿織物、4つが人工・合成繊維の紡糸、4つが人工・合成繊維 の織物、2つが人工・合成の断続繊維の糸、2つが人工・合成の断続繊維の織物、
1つがニットに当たる。商品としては、ビスコース・レーヨン紡糸、細かい特徴のある▇▇の布や人工・合成繊維の紡糸などがある。その他両締約国相談の上で、本FTAの発効前からAGOA、CBTPA、ATPDEAのリストに含まれている製品も本FTAのLEAに含めることができる。
LEAの材料は、表生地を織るため、または表生地の一部として使うことができる。その場合、縫い糸、布幅の狭い生地、裏地などは第三国から輸入できる。その他、▇▇▇の材料は縫い糸、裏地、ポケット用生地、第42章に挙げられている布を作るために使える、また、それらの一部であっても良い。
ナイロン糸の累積拡大:このメカニズムでは、商品が原産品の性格を失うことなく、カナダ、メキシコ、イスラエルからのナイロン糸の輸入を認めることにより、REOに柔軟性を持たせている。
手工芸・民芸品に対する待遇: 輸出国側が証明書を発行することのみで米国に手工芸・民芸品を非関税で輸出することが出来る。民芸・工芸品の場合には原産地証明を提出する必要はない。
16. 競争政策に関する章(第13章)の内容
16.1 規定範囲
競争政策の章では、両締約国の企業が市場において、反競争的行為を行った場合、制裁を加える可能性を認める枠組みが制定されている。各国の法規や地域 (アンデス諸国)の法規を認め、競争を歪む行為に対し、それぞれの当局が罰する権限を認める。
同様に、指定独占企業や独占企業が市場のルールを遵守し、市場で競争している各種サービス提供者を差別しないよう、それらの業者の活動のために明確なルールを決めている。また、各締約国の指定独占企業が独占的な立場を利用して反競争的な形で貿易に歪みを与えることを防ぐために、それらの独占企業に関する情報へのアクセスと透明性に関するルールを設けている。
16.2 内容
本章は、競争について管轄する当局同士で情報交換、他方の利益に影響を与える出来事の通知や協議・相談を行うなどの迅速なメカニズムを通じた相互協力の基盤を決めている。その目的で、本章の義務の履行を監視したり、必要であれば、将来実行する動きに関して提言を述べたりするワーキンググループを設置する。
本章には、両締約国が競争に関する法制度とその運用を管轄する当局を維持し、それぞれの当局で事例への対応に適切な手続きを守るといった約束が含まれて いる。また、ここではペルーの地方レベルの行政機関と、競争に関する法制度 が明確に認められていることを強調したい。
また、自由貿易地域内での指定独占企業(または合法的な独占企業)と公社の活動の管理ができ、その活動が競争条件の下で行われることを保証する。最後に、輸出協会が自由貿易地域で行う活動の監視を可能にするメカニズムも設定している。
17. 原産地規則に関する章(第4章)の内容
17.1 規定範囲
本章では、協定によって合意された関税上の優先待遇の便益を受けるすべての商品の原産地の認定、管理、確認のための規制が設けられている。ただし、紡績と衣料品の章(第3章)では、幾つかの特別な措置と、関税率表の50~63類に該当するこの分野に適用し得る原産地に関する特定条件についての合意が行なわれている。
17.2 内容
原産地認定のための基準:
- 完全に得られまたは生産される産品。完全に得られる産品とみなされるものには、採掘されたもの(鉱物)、栽培し収穫したもの(植物)、生まれて飼育された、或いは狩りや釣りで得られた動物や、生きた動物からできる副産物(卵と牛乳)、及び本協定締約国の原産材料を100%使用して製造された製品をいう。
- 原産材料と非原産材料を使用して生産された製品。生産に原産と非原産の原料(材料)を使う製品は、原産地特定規則の附属書に示された原産品の要件を満たさなければならない。原産地特定規則は関税分類項目(HS6桁)レベルで設定されており、関税分類の変更、域内原産材料の占める価値、技術的な条件、或いはそれらの組み合わせに基づいて判断される。
- 原産材料を使用して生産された製品:締約国の一方またはそれ以上の原産の材料のみを使って生産された製品は原産品とみなされる。
域内原産材料の価格を算定する方式:本章では域内原産材料の価格を算定するために2つの方式が決められている。それは2つの取引価格方式(ビルドアップ方式とビルドダウン方式)と純費用方式、合計3つの方式である。原産地特定規則が求める場合、それらの方式を使用することができる。
デミニミス:代替ルールであり、すべての非原産材料が必要な分類変更をしていなくても、それらの非原産材料が製品の調整価格の10%以内であれば、製品を原産品として認めることを可能にするルールである。砂糖、コーヒー、乳製品、油製品及び柑橘類分野の産品はデミニミスの対象から除外されている。
付属品、部品、工具類:ある製品に通常使われている付属品、予備部品或いは工具で、製品と共に納入されるものは、製品自体が原産品であれば、原産扱いを受ける。それらの付属品などは、製品の生産に使われたすべての非原産材料が関税分類変更の要件を満たしているかどうか評価される時点で、その評価の対象には含められない。ただし、それらの付属品、部品や工具が商品と一緒に分類されていること、別の伝表に入れられていないこと、また、それらの個数と価格が商品に対し一般的なものであることが条件である。
製品が域内原産品割合の規制の対象となっている場合には、付属品、部品及び工具の価格は、商品の域内産品の価値を算定するときに、原産材料、或いは非原産材料、いずれか当てはまるものとして価格計算の対象とする。
通過貨物と転載:下記の場合、商品を原産品として認めない。
- 両締約国の国土外で、製品が追加加工されたり、何らかの作業の対象となった場合。ただし、商品の荷降ろし、再積み込み、商品を良好な状態で保つため、或いは締約国の国土に運搬するために必要なその他の作業を除く。或いは、
- 商品が、締約国以外の国土内でその国の税関当局の管理の下におかれていなかった場合。
原産申請:協定発効後最初の3年間は、輸入者は、輸入者、輸出者、または生 産者が発行する原産地証明書に基づき優先関税待遇を申請しなければいけない。その証明書の最低限の内容は本協定に定められている。遅くとも本協定発効か ら3年後には、輸入者が、商品が原産品であるという自らの知識を基に、優先 関税待遇を申請できる可能性もある。
18. 工業製品の市場アクセスに関する章(第2章)の内容
18.1 規定範囲
本章には内国民待遇、関税撤廃のほか、関税免除、商品の一時輸入、商品の修理や改変後の再輸入、低額な商品サンプルや広告用印刷物の無税輸入、などの特別な制度も含まれている。
また、本章には輸入許可証、貨物、事務手続き、輸出税、特殊商品や商品貿易委員会の取扱いについての措置が記載されている。
18.2 内容
内国民待遇:この条項は一方の締約国の国土内で、他方の国の製品に内国民待遇原則の適用を保証している。そのために、GATTの第3条項とその注釈も本協定の一部になっている。締約国からの輸入品も国内で生産された製品も同じ待遇を受けることになっている。この待遇のことを内国民待遇と言い、製品が市場に入った時から適用する。
関税撤廃:本条項は関税削減予定表をもって、関税の撤廃を決めている。締約国の一方が他方の原産品に対し、現行の関税(基本関税)を引き上げることを禁止し、これらの関税は合意された予定表に従って減税されていくと定めている。また、ペルーがアンデス共同体域内に本協定と同様あるいはより有利な待遇を与えることを制限するものではない。
一方、すべての締約国間で合意した上で、上記の予定表を早めることを可能とする。これをより正確に行うために、一方の締約国のみが関税の引き下げを行った後には、関税削減予定表に定められた率まで関税を引き上げることが出来る。またWTOの争議解決機関の許可があった場合には関税を引き上げるかまたは現在の関税を維持することも出来るものとしている。
輸出入の制限:本条項は輸入、輸出および輸出向けの販売に対するあらゆる制限や禁止を撤廃している。ただし、GATTの第11条項(国の緊急事態や規則、技術規制による場合を除く量的な制限の撤廃)とその注釈に従って適用される措置を除く。GATTの規定によれば、輸出入の際の価格規制を設けまたは維持すること(ただしアンチダンピング措置および補助金相殺関税措置を除く)、担保を要件として輸入許可証を発給すること、その他任意の輸出制限(アンチダンピング措置や補助金相殺関税措置と相容れない措置)を設けることなどが禁止されている。
また、ある非締約国向けにある商品を輸出入することに対し、禁止または制限 措置が維持・採択された場合には、本協定は、一方の締約国が、他方の締約国 からその非締約国のその商品を輸入することを禁止・制限することを妨げるも のではない。また、その商品を締約国の一方から他方の国土に輸出する条件と して、その商品を国内で消費することなく、直接または間接的な方法でその非 締約国に再輸出してはいけない、という条件を付すことを妨げるものでもない。
輸出税:本条項は、締約国は他方の締約国の国土内に輸出される商品に対し▇ ▇、税金、その他の負担金を課す措置を採択・維持しないことと定めているが、それらの税金その他の負担金は、商品が第3国向け輸出または両国内で消費さ れるものであるときに課税される場合を例外とする。
特有の製品:ペルーは米国の特有の製品として、バーボンウイスキーとテネシーウイスキー(テネシー州のみで製造が許可されている)を認める。米国は
「ペルーピスコ」をペルーの特有の製品として認める。特有の製品を認識するということは、認識された商品は米国またはペルー、それぞれの国でその商品の生産に係わる法律および規制に従って製造された製品以外のものの販売は許されないことを意味する。
内国民待遇と輸出入に関する規制についての附属書:本附属書では、内国民待遇(第 2.2 条項)と輸出入に対する制限の撤廃(第 2.8 条項)に関する規定の例外にあたる一部の商品の輸入を規制する法的な措置を定めている。
ペルーの場合、この附属書に、衣服や履物、タイヤ、車両・車用の車体・エンジン・部品、放射線源を使用する機材などの中古品で、ペルーが法律で輸入を禁止しているものを取り入れている。
米国の場合、1947年に関税及び貿易に関する一般協定(GATT)を締約した時点で強制法になっていたことから、この附属書に全種類の丸太の輸出規制、ならびに1920年の商船法および旅客船法が定める現行措置を維持することを含めている。書
関税交渉の結果:以下に関税交渉の結果を示す。
米国の対ペルー提案:繊維製品を除き、米国の対ペルー輸入のうち、すべての工業製品は協定発効日から自由化される。これは、現在 ATPDEA の恩恵を受けている全ての製品が自由貿易協定の即時関税撤廃の対象になるということを意味する。
同様にATPDEA の対象になっていないものも、20 品目(靴の 17 品目とマグロの 3 品目)を除き、10 年間で段階的に関税削減・撤廃される。
ペルーの対米国提案:繊維産業を除く工業分野の提案では、同分野の全関税品目の77.09%について、関税撤廃または即時の関税引き下げを行う。つまりペルーの対米輸入の80.76%を即時関税削減することになる。(2001~2003年の平均値:交渉の評価のための基本期間)
Bバスケットの自由化(5年間)は、工業分野を構成する関税品目の11.42%を対象にするが、これはペルーの対米輸入の5.87%に相当する。(2001~2003年の平均値)
Eバスケットと呼ばれるグループでは7年間で段階的な関税引き下げが行われ、そこにはアメリカが関心をもっている製品が含まれる。そのバスケットには38の関税品目(工業分野の0.74%)が含められているが、これは米国からの輸入の3.59%(2001~2003年平均値)あるいは2.99%(同2002~2004年)に値する。
Cバスケットの自由化は、工業分野の関税品目のうち11.42%が対象になっているが、これは米国からの輸入の9.87%に値する。(2001~2003年平均値)
また、第2.2附属書に記載された、衣服や履物、タイヤ、車両・車用のエンジン・部品、放射線源を使用する機材などの中古品で、ペルーが輸入を禁止しているものは、関税引き下げの対象にならないことを強調する必要がある。
一方、BおよびCバスケットに含まれている再加工品は5年の猶予期間が与えられ、6年目から段階的な関税引き下げが開始される。Aバスケットの再加工品は即時に関税が引き下げられる。
情報技術に関する合意(ITA):協定の枠内で、ペルーはサイド・レターに署名することにより、2007年から先端技術商品を対象に、WTOの情報技術合意
(ITA)を批准することを約束する。この合意の目的はMFN関税を撤廃する
(各締約国は他方に、第三国に与えている有利な待遇と同様の待遇を与える)ことである。
19.
衛生および動植物検疫措置に関する章(第6章)の内容
19.1 規定範囲
本章は透明且つ安全な貿易が保証されるよう、衛生および動植物検疫措置を実施する際のすべての局面を対象とし、当分野における国際的な措置に従い、人間、動物、植物の健康を守り、その目的のために両締約国が批准する国際的な誓約を厳守するものとする。
本章では、上記を考慮し、特に世界貿易機構(WTO) の衛生および動植物検疫措置に関する合意と、両締約国が加盟している国際組織の枠内で、ペルーが引き受けた義務と権利の履行を認める誓約が含められている。
19.2 内容
最も重要な点は、衛生および動植物検疫措置が実行された際に、農畜産物貿易で生じた問題の解決を可能にする組織、「衛生及び動植物検疫措置に関する常設技術委員会」の設置である。
この委員会は、これらの措置の実行に必要な、技術的な面と科学的な面での共同作業に取り組むことによって、担当組織間の理解に重要な役割を果たすことになる。また、両締約国が参加するさまざまなフォーラムにも共同参加し、問題に取り組むことになる。
この委員会の最も重要な業務である貿易問題の解決には、各ケースが必要とする専門家で構成された専門の対策グループを組む。そのために、本章は委員会存続に必要な要件をはじめとする業務指示を記載している。
20. セーフガード措置および貿易保護に関する章(第5章)の内容
20.1 規定範囲
本章は貿易救済措置を取り扱い、セーフガード措置アンチダンピング・補助金相殺関税措置の二つのセクションに分かれている。
補助金相殺関税措置の問題では両締約国が世界貿易機構(WTO)の枠組で負っている義務と権利を保持した。
セーフガード措置に関するセクションでは、本協定が整備されるまでの移行期間中に、本FTAの関税削減措置により輸入が増加した場合に国産の類似品または直接の競合製品の生産に損害を与える場合を想定して、関税一般に適用できる全般的な制度について合意した。
20.2 内容
セーフガード措置の項では、関税の引き下げが理由で輸入が増加し、それが国産の類似品または直接の競合製品の生産に重大な弊害を及ぼし、または脅迫の理由となった場合には、関税の減税措置の中止、又は最恵国待遇(MFN待遇:契約者双方が夫々に、第三国に与えた特恵待遇と同等の待遇を保証する措置)を復帰させることができる。
同様に、セーフガード制度は自由貿易の状態に達するまでの移行期間中は有効であると決めている。つまり、繊維製品を除く工業製品の場合は、FTA発効時点から10年間、農産物の場合は17年間ということである。
セーフガード措置は2年間の期間で適用され、各商品に対し2年間の延長が一回に限ってできるものとし、措置期間終了時に減税措置をその時点に該当する関税率に戻すものとする。
深刻な被害を決めるための調査方法は、WTOのセーフガード合意書に定められた通りであるが、該当する条項に必要な変更を加えた上で、FTAにも挿入されている。また、貿易において当初設けられたセーフガード制度と実質的に同等の効果、または当初定められたセーフガードの結果として期待される補足税額を持つコンセッションの譲与を通して行なわれる貿易自由化の保障に関する交渉の通達、照会に関する条項が述べられている。
最後に、FTAの一般セーフガード措置とWTOのグローバルなセーフガード措置の関連性を設定している。これに関し、両措置を同時に同商品に適用しないことと、WTOの枠内におけるグローバル措置から、FTAの一方の締約国の商品を除外することに合意した。
21. 紛争解決に関する章の内容
21.1 規定範囲
「紛争解決メカニズム」の目的は本協定の誓約に従うことで取得された権利が一方の締約国が制定した、あるいは制定しようとしている措置によって減少されたり、または害を受けたりして紛争が生じた場合、協定の当事者である両締約国に透明で迅速な手段を与え、紛争解決に用いられるようにすることを目的とする。
21.2 内容 章の内容
基本的に、紛争解決の経過として:(1)相談の段階、(2)委員会の参与、
(3)調停員パネルの設定という3つの異なる段階が設けられた。
相談の段階で、両締約国がお互いに満足のいくような解決に至らなかった場合は、委員会の参与を要請し、第2段階に移ることができる。
委員会に論争の決着がつけられなかった場合、当事者の一方の要請で、第3段階で調停員パネルの参加を求めることができる。調停員▇▇▇は主として資格を持った仲裁員で構成され、メンバーの国籍と紛争問題に関する専門知識の有無を考慮した上で構成するものとしている。
出所:ペルー貿易観光省
