Contract
令和4年3月31日
賃金等の変動に対する工事請負契約書第21条第8項
(インフレスライド条項)の適用実施について
国は、労働市場の実勢価格を適切に反映するとともに、社会保険への加入徹底の観点から、必要な法定福利費相当額を反映させた、「令和4年3月から適用する公共工事設計労務単価」(以下「xxx単価」という。)を決定・公表し、xxxにおいては「令和3年3月から適用する公共工事設計労務単価」と比べて約1.9%の上昇となりました。
さらに、国では、平成26年6月に改正された、公共工事の品質確保の促進に関する法律(平成17年法律第18号)に、公共工事の品質確保の担い手が中長期的に育成・確保されるための適正な利潤が確保されるよう、市場実態等を的確に反映した積算による予定価格の適正な設定が発注者の責務として位置付けられたことを踏まえ、予定価格へのxxx単価の早期適用と一定の既契約の工事については、インフレスライド条項を適用し、xxx単価を反映するよう各自治体に対し要請しています。
中央区においても、この要請を踏まえ、一定の既契約工事についてはxxx単価に対応し、令和4年3月1日が工期内にあり、かつ残工期が2か月以上ある工事を対象にインフレスライド条項(工事請負契約書第21条第8項)を別紙のとおり適用することとしましたのでお知らせします。
受注者の皆様には、この趣旨をご理解いただき、契約金額が変更された場合は、下請企業との間で締結している請負契約の金額の見直し等を行い、xxx単価の上昇を踏まえた技能労働者への賃金水準の引上げ及び法定福利費相当額(事業者負担分及び労働者負担分)を適切に含んだ額での下請契約とされるよう、より一層の徹底をお願いします。
【問合せ先】
総務部経理課契約係 00-0000-0000
別紙
賃金等の変動に対する工事請負契約書第21条第8項
(インフレスライド条項)の運用について
中央区が発注・契約する工事において、工事請負契約書第21条第8項の規定により、受注者が契約金額の変更を請求する場合(以下「スライド請求」という。)の取扱いについては、次のとおりです。
請求に当たっては、工事主管部署と十分な協議をお願いします。
1 適用対象工事
令和4年3月1日が工期内にある工事で、かつ、2(3)の残工期が、原則として2か月以上ある工事を対象とします。
運用開始日以後に受発注者間で適用対象工事であることを確認の上、スライド請求することができます。
2 定義
(1)請求日
インフレスライド条項により、受注者が契約金額の変更の請求を書面により提出した日とします。
(2)基準日
スライド額算出の基準とする日をいい、出来高を算定する基準となる日、賃金水準及び物価水準の変動後単価の基準となる日です。請求日と同じ日とすることを基本としますが、請求日から起算して14日以内で発注者と受注者とが協議して定める日とすることができます。
(3)残工期
基準日以降の工期までの工事期間とします。ただし、基準日までに契約変更を行っていない場合でも先行指示等により工期延長が明らかな場合には、その工期延長期間を考慮することができます。
(4)出来形数量
基準日における既済部分に係る設計数量
(5)スライド額
5により算出した契約変更の対象となる額
3 請求方法
(1)受注者が、インフレスライド条項の規定により契約金額の変更を請求する場合、書面(参考書式1-1)に賃金水準又は物価水準の変動により契約金額が不適当となったことを示す資料(参考書式1-2ほか)及び誓約書(参考書式1-3)を添付し、工事主管部署に提出してください。工事主管部署では、スライド額協議開始日及び基準日を定め、請求日の翌日から起算して
7日以内に受注者に通知します。(参考書式2-1)。
(2)スライド請求は、運用開始日から次の賃金水準の変更がなされる(次の公共工事設計労務単価の改定の時期)までの間に行ってください。この間の請求は1回までとします。
4 出来形数量の確認
(1)スライド額の基礎となる残工事量を算出するため、工事主管部署は請求日から起算して14日以内に基準日時点における出来形数量の確認を行います。
受注者は、出来形数量の確認に当たり必要な資料を提出してください。
(2)出来形数量の確認は、工事設計内訳書等に対応して行います。
(3)出来形数量の基本的な扱い
ア 現場搬入材料について、監督員が搬入を確認したものは出来形数量として取り扱います。
イ 工事設計内訳書等で一式計上した仮設工等について、出来形数量の対象とする場合、その数量は発注者の積算に係る数量とします。
ウ 各工事におけるア及びイの詳細については、工事主管部署へ確認してください。
(4)受注者の責めに帰すべき事由により工事が遅延していると認められる部分は、出来形数量に含めるものとします。
5 スライド額の算出
(1)スライド額は、次式により算出します。 S=[P2-P1-(P1×1/100)]
この式において、S、P1及びP2は、それぞれ次の額を表します。 S :スライド額
P1:変動前残工事金額(契約金額から基準日における既済部分に相応する契約金額を控除した額)
P2:変動後残工事金額(変動後の賃金又は物価等を基礎として算出した
(P1)に相当する額) P2=α×Z2
α :落札率(当初契約金額/予定価格)(有効数字は積算基準による。) Z1:発注者の積算金額から基準日における既済部分に相応する積算金額を
控除した額
Z2:変動後の賃金又は物価等を基礎として算出した(Z1)に相当する額
(2)P1及びZ1の算出に用いる単価は、起工時における中央区の積算単価とします。
(3)P2及びZ2は、基準日の物価指数等(積算に使用する単価の変動率)により定めることとし、残工事に係る全ての単価を基準日時点のものに入れ替えて算出します。ただし、受発注者の協議資料等に基づき双方で合意した場合は、別途の物価指数を用いることができます。
なお、消費税及び地方消費税の税率の改正による増額分は除きます。
(4)P2及びZ2を算出する際に用いる単価については、基準日時点の中央区積算単価とします。
(5)(4)によることが著しく不適当であると認められる場合には、受発注者の協議によることとします。
(6)発注者から協議書(参考書式3-1)により受注者にスライド額(案)を提示します。異議のない場合は、スライド額協議開始日の翌日から起算して
14日以内に承諾書(参考書式3-2)を提出してください。
なお、14日以内に協議が整わない場合には、発注者がスライド額を決定し通知します(参考書式3-3)。
6 契約変更の時期
原則として、スライド額の決定後、速やかに行います。ただし、精算変更時点で行うこともできます。
【参考】工事請負契約書第21条第8項(インフレスライド条項) 抜粋
工期内にインフレーションその他の予期することができない特別の事情により賃金又は物価に著しい変動を生じ契約金額が著しく不適当となったときは、前各項の規定にかかわらず、発注者と受注者とが協議して契約金額を変更するものとする。