S スライド額 P1 =α×Z1変動前残工事金額(契約金額から基準日における既済部分に相応する契約金額を控除した額) P2 =α×Z2変動後残工事金額(変動後の賃金又は物価等を基礎として算出した(P1)に相当する額) α 落札率(当初契約金額/予定価格)…有効数字は積算基準による Z1 発注者の積算金額から基準日における既済部分に相応する積算金額を控除した額 Z2 変動後の賃金又は物価等を基礎として算出した(Z1)に相当する額
令和5年2月xx区総務部経理管財課
工事請負契約書約款第25条6項(インフレスライド条項)の運用について
1 概 要
区発注の工事において、工事請負契約書約款第25条第6項の規定により受注者が契約金額の変更を請求する場合(以下「スライド請求」という。)の取扱いを定めたものである。
2 対象工事
契約書にインフレスライド条項が規定された工事で残工期が2月以上あること
3 定 義
🟏請求日…xxxx請求を書面により提出した日とする。
🟏基準日
スライド額算出の基準とする日とし、出来高を算定する基準となる日、賃金水準及び物価水準の変更後単価の基準となる日を指す。(令和5年2月1日以降の日付)
基本的には請求日と同日とするが、請求日から起算して14日以内で区と受注者とが協議のうえ定めることもできる。
🟏残工期
基準日以降の工期までの工事期間を指す。ただし、基準日までに契約変更を行っていない場合でも先行指示等により工期延伸が明らかな場合は、当該期間を考慮することができるものとする。
🟏出来形数量…基準日における既済部分に係る設計数量
🟏スライド額…7により算出した契約変更の対象となる額
4 本運用の開始日
令和5年2月1日からとする。
5 請求方法
(1)受注者がスライド請求をする場合、書面(様式1-1)に賃金水準又は物価水準の変動により契約金額が不適当になったことを示す資料(様式1-2)を添付し、工事主管課に提出すること。工事主管課はスライド額協議開始日及び基準日を定め、請求日の翌日から起算して7日以内に受注者に通知すること。
(2)原則、直近の賃金水準の変更から次の賃金水準の変更(次の公共工事設計労務単価の改定時期)までの間で1回とするが、複数回の請求を制限するものではない。
6 出来形数量の確認
(1)スライド額の基礎となる残工事量を算出するため、工事主管課は請求日から14日以内に、基準日時点における出来形数量の確認を行う。受注者は出来形数量の確認に当たり、必要な資料を提出する。
(2)出来形数量の確認は、工事設計内訳書等に対応して行う。
(3)基本的な扱い
ア 現場搬入材料について、監督員が搬入を確認したものは出来形数量として取り扱う。イ 工事設計内訳書等で一式計上した仮設工事等について、出来形数量の対象とする場
合、その数量は発注者の積算に係る数量とする。
ウ 各工事におけるア及びイの詳細については、工事主管課へ確認すること。
(4)受注者の責めに帰すべき事由により工事が遅延していると認められる部分は、出来形数量に含めるものとする。
7 スライド額の算出
(1)スライド額は次式により算出するものとする。 S=[P2-P1-(P1×1/100)]
この式において、S、P1及びP2は、それぞれ次の額を表するものとする。
S | スライド額 |
P1 | =α×Z1 変動前残工事金額(契約金額から基準日における既済部分に相応する契約金額を控除した額) |
P2 | =α×Z2 変動後残工事金額(変動後の賃金又は物価等を基礎として算出した(P1)に相当する額) |
α | 落札率(当初契約金額/予定価格)…有効数字は積算基準による |
Z1 | 発注者の積算金額から基準日における既済部分に相応する積算金額を控除した額 |
Z2 | 変動後の賃金又は物価等を基礎として算出した(Z1)に相当する額 |
(2)P1及びZ1の算出に用いる単価は、起工時における積算単価とする。
(3)P2及びZ2は、基準日の物価指数等(積算に使用する単価の変動率)により定めることとし、残工事に係る全ての単価を基準日時点のものに入れ替えて算出する。ただし、受発注者の協議資料等に基づき双方で合意した場合は、別途の物価指数を用いることができる。 なお、消費税及び地方消費税の税率の改正による増額分は除く。
(4)P2及びZ2を算出する際に用いる単価については、基準日時点の積算単価とする。
(5)(4)によることが著しく不適当であると認められる場合には、受発注者の協議によることとする。
(6)発注者から協議書(様式3)により受注者にスライド額(案)を提示し、異議のない場合は、スライド額協議開始日の翌日から起算して14日以内に承諾書(様式4)を提出する。なお、スライド額協議開始日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者がスライド額を決定し、通知する(様式5)。
(7)スライド請求を複数回行う場合は(1)~(6)まで同様に実施する。この場合、基準日における契約金額にはそれまでに実施したスライド額を含むものとする。
8 契約変更の時期
スライド額に係る契約変更は、精算変更時点で行うことができる。
9 手続きの流れ
別紙『インフレスライドの手続きフロー』のとおり
10 全体スライド条項の適用について
上記インフレスライド条項の運用に伴い、当面の間、見合わせる。
11 その他
本運用は令和6年3月31日までの時限的措置とする。 ただし、その間の物価変動等の状況によって再検討する。
(参考)工事請負契約書約款抜粋
第25 条(賃金又は物価の変動に基づく契約金額の変更)
6 予期することのできない特別の事情により、工期内に日本国内において急激なインフレーション又はデフレーションを生じ、契約金額が著しく不適当となったときは、発注者又は受注者は、前各項の規定にかかわらず、契約金額の変更を請求することができる。
7 前2項の場合において、契約金額の変更額については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議が整わない場合にあっては、発注者が定め、受注者に通知する。