Ehime prefecture
営繕工事請負契約に係る設計変更ガイドライン
平成 28 年4月
(令和元年 12 月一部改定)
土 x x
Ehime prefecture
愛媛x
x 築 住 宅 課営 繕 室
目 次
設計変更ガイドライン
1.ガイドライン策定の目的 1
2.設計図書作成時の留意点 4
3.設計変更時の留意点 7
4.設計変更が不可能なケース 9
5.設計変更が可能なケース 9
6.設計変更フロー 12
7.関連事項 13
【参考】関係様式 16
1.ガイドライン策定の目的
平成 26 年6月4日に施行された「公共工事の品質確保の促進に関する法
律」の改正法(以下「改正品確法」という。)では、「担い手の育成と確保」を目的として、発注者の責務に「適切に施工条件を明示するとともに、必要と認められるときは、適切な設計図書の変更及びこれに伴う請負代金の額又は工期の変更を行うこと」が新たに規定された。
また、平成 27 年4月から適用となった、改正品確法第 22 条に基づく発注関係事務の運用に関する指針においても「現場条件等を踏まえた適切な設計図書の作成」「施工条件の変化等に応じた適切な設計変更」が示されたところである。
本ガイドライン(案)は、改正品確法に定める発注者の責務を果たすため、設計変更に係る手続きやルールを明確にし、これを受発注者の共通指針とし て、設計変更を適切に実施することを目的として策定した。
(1)公共建築工事の特徴
公共建築工事は、不特定多数の利用者や施設管理者等の様々な要望を総合的に勘案して設計を行い、多種多様な自然・環境条件の影響、工事中の安全確保、近隣への迷惑防止措置等、社会条件への配慮も必要となるなかで一品生産的な目的物を完成させるものである。
公共建築工事の請負契約においては、総額による請負契約を締結する方法
(総価契約)を採用していることから、仮に実際に要した費用が請負代金額を超えたとしても工事内容に変更がない限り追加払いはない(設計図書である設計書に記載の数量は積算上の参考数量である。)が、工事の進捗とともに、当初発注時に予見できない施工条件や環境の変化等が起こり得ることから、施工条件等の変更により、その内容に応じた設計変更の必要が生じる場合が多くある。
そのため、当初積算時に予見できない事態に備え、その前提条件を明示 し、施工条件が変わった場合の措置を明確にすることにより設計変更の円滑化を図る必要がある。
(2)設計変更の現状
契約図書に明示されている内容と実際の現場条件が一致しない場合には、契約書の関連条項に基づき、設計図書に明示した内容を変更し、併せて工期や請負代金額の変更が必要となるケースがある。
しかし現状は、契約図書に明示すべき事項が不明確な表示であるために、その変更対応が問題となる場合や、口頭のみで協議したために、設計変更の段階で意見が食い違い変更に反映されなかったといった事例があるほか、現場条件が当初の想定に対して大きく乖離していたにもかかわらず「任意仮 設」であるがために変更しないなど、発注者と受注者との間でトラブルとなる事例が見受けられる。
(3)工事の請負契約とは
発注者と受注者は、各々の対等な立場における合意に基づいて、xxな契約を締結し、xxに従って誠実にこれを履行するものとする(工事請負契約より抜粋)とされており、発注者と受注者の立場は対等であるという相互認識が必要である。
(4)適切な変更設計の必要性
改正品確法の基本理念に「請負契約の当事者が対等の立場における合意に基づいてxxな契約を適正な額の請負代金で締結」と示されているととも に、発注者の責務として「設計図書に適切に施工条件を明示するとともに、必要があると認められるときは、適切に設計図書の変更及びこれに伴い必要となる請負代金の額又は工期の変更を行うこと」が規定されている。
(5)ガイドライン策定の目的
設計変更に係る業務の円滑化を図るためには、発注者と受注者がともに、設計変更における課題や留意点、手続きの流れ等について十分理解しておく必要がある。
そこで、工事請負契約書及び既存の通知等の内容を踏まえ、留意点等を
「設計変更ガイドライン(案)」として取りまとめた。
みきゃん
愛媛県イメージアップキャラクター
公共工事の品質確保の促進に関する法律(抜粋)
(基本理念)
第三条 公共工事の品質は、公共工事が現在及び将来における国民生活及び経済活動の基盤となる社会資本を整備するものとして社会経済上重要な意義を有することに鑑み、国及び地方公共団体並びに公共工事の発注者及び受注者がそれぞれの役割を果たすことにより、現在及び将来の国民のために確保されなければならない。
(発注者の責務)第七条 ~略~
五 設計図書(仕様書、設計書及び図面をいう。以下この号において同じ。)に適切に施工条件を明示するとともに、設計図書に示された施工条件と実際の工事現場の状態が一致しない場合、設計図書に示されていない施工条件について予期することができない特別な状態が生じた場合その他の場合において必要があると認められるときは、適切に設計図書の変更及びこれに伴い必要となる請負代金の額又は工期の変更を行うこと。
発注関係事務の運用に関する指針(抜粋)
Ⅱ 発注関係事務の適切な実施について
(現場条件等を踏まえた適切な設計図書の作成)
工事に必要な関係機関との調整、住民合意、用地確保、法定手続などの進捗状況を踏まえ、現場の実態に即した施工条件(自然条件を含む。)の明示等により、適切に設計図書を作成し、積算内容との整合を図る。
(施工条件の変化等に応じた適切な設計変更)
施工条件を適切に設計図書に明示し、設計図書に示された施工条件と実際の工事現場の状態が一致しない場合、設計図書に明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じた場合その他の場合において、必要と認められるときは、適切に設計図書の変更及びこれに伴って必要となる請負代金の額や工期の適切な変更を行う。
2.設計図書作成時の留意点
設計変更を適切に行うためには、その前提となる設計図書が適正に作成されていることが重要となる。
(1)現場条件等の確認
発注者は設計図書の作成に先立ち必ず工事施工箇所の現場に臨場し、工事施工に影響を及ぼすポイントを確認するものとする。
[主な確認点]
・発注範囲の確認
・敷地境界ラインの確認
・工事施工に必要な仮設備や仮設ヤードの借地範囲の確認
・支障物件の有無の確認
・施工機械の搬入路(経路、幅員、高さ・重量制限等)の確認
・仮設道の設置が必要な箇所の確認
・既設構造物の状態の確認
・安全対策の必要性の確認
・通行制限、迂回路の有無の確認
・排水計画の確認
・その他
(2)施工条件の明示について
施工条件は、契約条件となるものであることから、当初設計時には現場をあらかじめ確認したうえで施工条件を適切に把握し、現場の実情に即した積算を実施するとともに、工事内容等に応じて設計図書のなかで適切に明示するものとする。また、明示された条件に変更が生じた場合は、契約書に基づき、適切に対応するものとする。
(3)条件明示すべき事項
ここでは、条件明示すべき事項(案)を項目別に例示する。
明示 項目 | 明示事項(案) |
工程関係 | ①他の工事の開始又は完了の時期により、当該工事の施工時期、全体工事等に影響があ る場合は、影響箇所及び他の工事の内容、開始又は完了の時期 |
②施工内容、施工時期、施工時間及び施工方法が制限される場合は、制限される施工x x、施工時期、施工時間及び施工方法 | |
③当該工事の関係機関等との協議に未成立のものがある場合は、制約を受ける内容及び その協議内容並びに成立見込み時期 | |
④関係機関、自治体等との協議の結果、特定された条件が付され当該工事の工程に影響 がある場合は、その項目及び影響範囲 | |
⑤工事着手前に地下埋設物及び埋蔵文化財等の事前調査を必要とする場合は、その項目 及び調査期間。又、地下埋設物等の移設が予定されている場合は、その移設期間 | |
⑥設計工程上見込んでいる休日日数以外の作業不能日数等 | |
用地 関係 | ①施工のための仮用地等として施工者に官xxx及び発注者が借り上げた土地を使用さ せる場合は、その場所、範囲、時期、使用条件、復旧方法等 |
公害関係 | ①工事に伴う公害(騒音、振動、粉じん、排出ガス等)防止のため、施工方法、建設機械・ 設備、作業時間等を指定する必要がある場合は、その内容 |
②濁水、湧水等の処理で特別の対策を必要とする場合は、その内容(処理施設、処理条件 等) | |
③工事の施工に伴って発生する騒音、振動、地盤沈下、地下水の枯渇等、電波障害等に起因する事業損失が懸念される場合は、事前・事後調査の区分とその調査時期、未然に防止 するために必要な調査方法、範囲等 | |
安全対策関係 | ①交通安全施設等を指定する場合は、その内容、時期 |
②鉄道、ガス、電気、電話、水道等の施設と近接する工事において施工方法、作業時間等 に制限がある場合は、その内容 | |
③落石、雪崩、土砂崩落等に対する防護施設が必要な場合は、その内容 | |
④交通誘導員の配置を指定する場合は、その内容 | |
⑤有毒ガス及び酸素欠乏等の対策として、換気設備等が必要な場合は、その内容 | |
工事用道路関係 | 1. 一般道路を搬入路、搬出路として使用する場合 |
①工事用資機材等の搬入経路、使用時期、使用時間帯等に制限がある場合は、その経路、 期間、時間帯等 | |
②搬入、搬出路の使用中及び使用後の処置が必要である場合は、その処置内容 | |
2. 仮道路を設置する場合 | |
①仮道路に関する安全施設等が必要である場合は、その内容、期間 | |
②仮道路の工事終了後の処置(在置又は撤去) | |
③仮道路の維持補修が必要である場合は、その内容 | |
仮設備関係 | ①仮土留、仮橋、足場等の仮設物を他の工事に引き渡す場合及び引き継いで使用する場 合は、その内容、期間、条件等 |
②仮設備の構造、工法及びその範囲を指定する場合(指定仮設)は、その構造及び施工方 法 |
③仮設備の設計条件を指定する場合は、その内容 | |
建設副産物関係 | ①建設設発生土が発生する場合は、その受入場所及び仮置き場所までの距離、時間等の 処分及び保管条件 |
②建設副産物の現場内での再利用又は減量化が必要な場合は、その内容 | |
③建設副産物及び建設廃棄物が発生する場合は、その処理方法、処理場所等の処理条件。なお、再資源化処理施設又は最終処分場を指定する場合は、その受入場所、距離、時間等 の処分条件 | |
工事支障 物件等 | ①地上、地下等における占用物件の有無及び占用物件等で工事支障物が存在する場合は、 支障物件名、管理者、位置、移設時期、工事方法、防護等 |
②地上、地下等の占用物件工事と重複して施工する場合は、その工事内容及び期間等 | |
排水関係 | ①排水の工法、排水処理の方法及び排水の放流先等を指定する場合は、その工法、処理の 方法、放流先、予定される排水量、水質基準及び放流費用 |
②水替・流入防止施設が必要な場合は、その内容、期間 | |
薬液注入関係 | ①薬液注入を行う場合は、設計条件、工法区分、材料種類、施工範囲、削孔数量、削孔延 長及び注入量、注入圧等 |
②周辺環境への調査が必要な場合は、その内容 | |
その他 | ①工事用資機材の保管及び仮置きが必要である場合は、その保管及び仮置き場所、期間、 保管方法等 |
②工事現場発生品がある場合は、その品名、数量、現場内での再使用の有無、引き渡し場 所等 | |
③支給材料及び貸与品がある場合は、その品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所、 引渡期間等 | |
④関係機関・自治体等との近接協議に係る条件等その内容 | |
⑤仮設工法を指定する場合は、その施工方法及び施工条件 | |
⑥工事用水及び工事用電力を指定する場合は、その内容 | |
⑦新技術・新工法・特許工法を指定する場合は、その内容 | |
⑧部分使用を行う必要がある場合、その箇所及び使用時期 |
[特記仕様書記載例]
・学校行事開催時、試験期間中は施工不可となる場合があることから、学校側との調整が必要。(工程関係)
・本工事で設置する仮囲いは工事完了後も在置し、今後発注予定の○建第○○号に引き渡すものとする。なお、仮設期間は全体で○カ月見込んでいる。
(仮設備関係)
・耐震スリットの施工については、学校の休暇期間中の施工とする。(その他) 等
3.設計変更時の留意点
(1)設計変更をする場合は、同一業者が実施する方が合理的であることを前提に、原則として次の点に留意する。
〇現に施工中の工事との密接な関連性があること。
〇緊急性が高く早期対応が必要であること。 等
(2)指定・任意の正しい運用
○標準積算基準の考え方
標準積算基準は、xx性と競争性の確保を重視し、標準的な施工能力を有する建設業者が標準的な工法で施工する場合に必要となる経費を算出することを基本としている。標準積算は、標準的な工法等と実際の施工が異なることを許容するものであり、標準工法と比べて効率的な施工となった場合又は標準工法で施工が可能であるにも関わらず非効率な施工が行われた場合においても施工方法等の違いは設計変更の対象とはならない。
○自主施工の原則
仮設・施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段については、その責任の所在を明らかにする必要から、原則として受注者が定めるものとされている。これは「自主施工の原則」とも言われている。
○指定・任意の考え方
指定・任意については工事請負契約書第1条第3項に基本的な考え方が定められており、適切に扱う必要がある。
・「指定」については、施工条件として仮設・施工方法等を発注者が予め設計図書に条件として明示する。なお、「指定」以外は、「任意」と言う。
発注者(監督員)は任意の趣旨を踏まえ、適切な対応が必要
※不適切な事例
・標準歩掛ではバックホウで施工となっているので、「クラムシェルでの施工は不可」と対応
・新技術の活用について発注者から申し出があった場合に、「積算上の工法で施工」するよう対応
・「任意」については、その仮設、施工方法の一切の手段の選択は受注者の責任で行うことから、その仮設・施工方法に変更があっても原則として設計変更の対象としない。ただし、設計図書に示された施工条件と実際の現場条件が一致しない場合は変更できる。
仮設、施工方法には、指定と任意があり、発注においては、指定と任意の部分を明確にする必要がある。
任意については、受注者が自らの責任で行うもので、仮設、施工方法等の選択は、受注者にゆだねられている(変更の対象としない)
ただし、任意であっても、設計図書に示された施工条件と実際の現場条件が一致しない場合は変更できる。
指定、任意の考え方
指定 | 任意 | |
設計図書の記載 | 施工方法について具体的に示す (契約条件として位置付け) | 施工方法について具体的には示さない (契約条件ではないが、参考図とし て標準的工法を示すことがある) |
施工方法等の変更 | 発注者の指示又は承諾が必要 | 受注者の任意 (施工計画書の変更・提出は必要) |
施工方法の変更がある場 合の設計変更 | 設計変更の対象となる | 設計変更の対象とならない |
当初明示した条件の変更 に対応した設計変更 | 設計変更の対象となる | 設計変更の対象となる |
(3)変更設計時の受発注者間協議について
変更設計が必要な場合においては、手続きの透明性向上及び迅速化を目的として以下の実施例を参考に設計変更の内容確認を行う「変更設計協議」を適宜実施するものとする。
○協議を実施する要件
・請負金額の大幅な減少が見込まれる場合
・大規模工事で変更内容が多岐に及ぶ場合
・受注者から要請があった場合
・その他、円滑な変更契約のため必要な場合
[協議実施例]
・出 席 者(受発注者とも、原則複数名の参加)発注者:監督員及び担当係長
受注者:xx技術者及び現場代理人
・協議時期 変更設計図書の作成時 等
・協議内容 設計図書の変更内容、変更数量及び変更金額 等
4.設計変更が不可能なケース
■下記の場合においては、原則として設計変更できない。
(ただし、工事請負契約書第 26 条(臨機の措置)による対応の場合は除く)
① 契約図書に条件明示のない事項において、発注者との「協議」を行わず受注者が独自に判断して施工した場合。
② 発注者と「協議」を行っているが、発注者からの回答前に施工した場合。
③ 「承諾」で施工した場合。
④ 工事請負契約書に定められた所定の手続き(契約書第 18 条~25 条)を経ていない場合。
⑤ 口頭のみの指示・協議等、正式な書面によらずに施工した場合。
5.設計変更が可能なケース
■下記の場合においては、所定の手続きを踏むことにより設計変更が可能である。
(1)工事請負契約書第 18 条に該当(条件変更等)
事例
・工事施工上必要な材料名について、図面ごとに一致しない場合。
・建築、電気設備及び機械設備の各分野の設計内容が互いに不整合な場合。等
① 図面、仕様書、現場説明書又は現場説明に対する質問回答書が一致しない場合(第1項第1号)
② 設計図書に誤り又は脱漏がある場合(第1項第2号)
事例
・条件明示する必要があるにも係わらず土質に関する条件明示がない。
・図面に設計寸法の明示がない。
・地下水位に関する一切の条件明示がない。
・交通誘導警備員についての条件明示がない。等
③ 設計図書の表示が明確でない場合(第1項第3号)
事例
・図面の記載内容が読み取れない場合。
・土質柱状図は明示されているが地下水位が不明確。
・水替工実施の記載はあるが、運転条件(作業時排水・常時排水)について不明確。
・関連工事(契約書第2条)の内容が不明確。等
事例
・設計図書に明示された地形・土質が現地条件と一致しない。
・交通誘導警備員の人数等が規制図と一致しない。
・地下水位が現地条件と一致しない。
・設計図書の明示された想定支持地盤と実際の工事現場が大きく異なる事実が判明した場合。
・施工中に設計図書に示されていないアスベスト含有建材を発見し、調査及び撤去が必要となった場合。
・設計図書に明示された配管・配線等と実際の工事現場における配管配線等が大きく異なる事実が判明した場合。
・所定の手続きにより行った設計図書の訂正・変更で現地条件と一致しない。
・その他、新たな制約等が発生した場合。等
④ 設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しない場合。(第1項第4号)
事例
・施工中に地中障害物を発見し、撤去が必要となった場合。
・施工中に埋蔵文化財を発見し、調査が必要となった場合。等
⑤ 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別の状態が生じた場合。(第1項第5号)
(2)工事請負契約書第 19 条に該当(設計図書の変更)発注者から設計図書の変更に係る指示があった場合。
(3)工事請負契約書第 20 条に該当(工事の中止)
受注者の責に帰すことができない自然的又は人為的事象により、受注者が工事を施工できないと認められる場合。
事例
・関係機関協議が未了のため工事に着手出来ない。
・掘削中に予見出来ない埋設物が発見された。
・設計図書に工事着工時期が定められた場合、その期日までに受注者の責によらず施工できない場合。
・警察、河川・鉄道管理者等の管理者間協議が未了の場合。
・管理者間協議の結果、施工できない期間が設定された場合。
・受注者の責によらない何らかのトラブル(地元調整等)が生じた場合。
・設計図書に定められた期日までに詳細設計が未了のため、施工できない場合。
・予見できない事態が発生した(地中障害物の発見等)場合。
・工事用地の確保が出来ない等のため工事を施工できない場合。
・設計図書と実際の施工条件の相違又は設計図書の不備が発見されたため施工を続けることが困難な場合。
・埋蔵文化財発掘又は調査、その他の事由により工事を施工できない場合。等
(4)工事請負契約書第 21 条に該当(受注者の請求による工期の延長)
受注者は、天候の不良、関連工事の調整への協力その他受注者の責めに帰すことができない事由により工期内に工事を完成することができないときは、その理由を明示した書面により、発注者に工期の延長変更を請求することができる。
事例
・天候不良の日が例年に比べ多いと判断でき、工期の延長が生じた場合。
・設計図書に明示された関連工事との調整に変更があり、工期の延長が生じた場合。
・その他受注者の責めに帰すことができない事由により工期の延長が生じた場合。等
(5)工事請負契約書第 22 条に該当(発注者の請求による工期の短縮等)
事例
・関連工事等の影響により、工期短縮が必要な場合。
・その他の事由(地元調整、関係機関調整等)により工期の短縮が必要な場合。等
発注者は、特別の理由により工期を短縮する必要があるときは、工期の短縮変更を受注者に請求することができる。
(6)「設計図書の照査」の範囲を超える作業
受注者が行うべき「設計図書の照査」の範囲を超える作業を実施する場合。
事例
・建築物及び工作物の位置・高さ・面積等が変更となり構造計算の再計算が必要。等
(7)指示書への概算金額の記載について
発注者からの指示又は受発注者間の協議に基づき契約変更に先だって受注者に作業を行わせる場合は、必ず書面(指示書)にて指示を行うこと。また、変更追加指示が新規工種の場合は指示書にその内容に伴う増減額の概算金額を記載するよう努める。
ここで記載する概算金額(請負代金額の増減額)は「参考値」であり、契約変更金額を拘束するものではない。
なお、緊急的に作業を指示する必要がある場合や、概算金額の算定に時間を要する場合は、概算金額の記載は省略できるものとする。
指示書への記載(概算金額に係る追加記載例)
【参考】
概算金額:約〇〇百万円増(減)額の見込み。
※本指示における概算金額は、後日の契約変更に係る協議のための参考値であり、契約変更金額を拘束するものではない。
7.関連事項
(1)設計図書の照査
設計図書の照査については工事請負契約書に規定している。
(2)受発注者の情報共有や協議の迅速化
①三者会議の実施
三者会議は、愛媛県土木部が発注する建設工事において、設計の意図や施工上の留意点及び課題を施工者に正確に伝達し、設計図書と現場との整合性を確認することにより、工事施工の円滑化と工事の品質確保を図るため、設計者(監理者)、施工者及び発注者間の情報共有等を行うものであり、積極的な活用が望ましい。
(実施事例)
・主たる工種に新工法・新材料を採用した工事
・施工条件が厳しい工事
・大規模な仮設を行う工事 等
実施イメージ
②ワンデーレスポンスの実施
ワンデーレスポンスは、これまでも監督員個々において実施していた
「現場を待たせない」「速やかに回答する」という対応をより組織的でスピーディなものとし、工事現場において発生する諸問題に対し迅速な対応を実現するため平成21年度より土木部発注工事で実施している。
(実施内容)
・監督員は、原則として「その日のうち」に受注者に回答するものとする。
・即日回答が困難な場合は、いつまでに回答が必要なのかを受注者に確認のうえ「回答予定」の予告を「その日のうち」に行うものとする。
工期の遅れ
■公共物の効果発現が遅延
■住民からの苦情
■受注者の発注者への不信
■受注者の業務量の増加
安全性・品質の低下
無理な工程
ワンデーレスポンスの実施により「指示待ち状態」を短縮・解消し、適正な工期の確保を図る。
・予告した「回答予定」に回答できない場合は、明らかになった時点で速やかに新たな「回答予定」を受注者に連絡するものとする。
ワンデーレスポンスイメージフロー
受注者からの質問・協議※
等が必要で
回答が
即日回答可能な場合 回答に時間を要する場合
の日のうち
そ に
受注者へ回答
(質問・協議に対する回答)
対外協議、検討 回答に時間がかかる場合は、いつまでに 必要なのかを確認
日の
その うちに受注者へ回答
(回答予定の予告)
回答予定に間に合わない場合は、早めに受注者と再度打合せを行う
回答予定日までに回答が可能か
YES
回答予定までに受注者へ回答
(質問・協議に対する回答)
NO
(※)
受注者からの質問・協議は、的確な状況資料により早期に行うことが重要である。
工事請負契約書様式
様式第5号(第9条第4項関係)
局 x | x x | 管理課長 | 主席工事検査専門員 | 主 幹 | 建設 第 課長 | 係 長 | 係 員 | 監督員 |
(同)本書のとおり指示してよろしいか。
(なお、御決裁の上は、工事請負契約書様式第 号により受注者に通知いたしたい。)
指示、xxxx協議書
監 督 員 | 印 | |
年 月 日( 曜日)天候 | 図 面 等 | |
工事番号 | ||
工 事 名 | ||
受注者名 | ||
受注者に対する監督、指示、検査等 | ||
受注者からの要求、通知等 | ||
上司からの命令、指示等 | ||
(注)1「検印」及び「上司からの命令、指示等」欄を除き、1部を受注者に送付すること。
2 受注者が完成届を提出したときは、本書を関連の書類に添付のこと。
3「検印」欄は、適宜補正して使用すること。
工事請負契約書様式
様式第 18 号(第 18 条第1項関係)
年 月 日
(監督員) 様
(受注者) 印
設計図書との不一致等について
下記のとおり設計図書との不一致等の事実を発見したので、確認されたく通知します。
記
工事番号、工事名 及び工事場所 | ||
設計図書との不一致等の内容 | 左に対する措置方法等の意見 | |
注 「左に対する措置方法の意見」は、受注者からの希望があれば、その内容を記入すること。
工事請負契約書様式
様式第 19 号(第 18 条第3項関係)
第 号
年 月 日
(受注者) 様
地方局長
(公印省略)
設計図書との不一致等に関する調査結果について
年 月 日付けで通知のあった設計図書との不一致等について調査を実施し、その結果を下記のとおり取りまとめたので通知します。
記
工事番号、工事名 及び工事場所 | ||
設計図書との不一致等の内容 | 左に対する調査の結果 (とるべき措置を含む。) | |
注 本庁設計に係る工事の場合は、発信者を地方局長から土木部長に訂正して使用すること。
工事請負契約書様式
様式第 20 号(第 19 条関係)
第 号
年 月 日
(受注者) 様
地方局長
(公印省略)
設計図書の変更について
下記のとおり設計図書の変更が必要となったので通知します。
なお、工期又は請負代金額の変更等については、別途協議します。
記
工事番号、工事名 及び工事場所 | |
設 計 図 書 の 変 更 事 項 | |
付 記 事 項 |
注 1 設計図書の変更事項は、できる限り詳細に記載すること。
2 本庁設計に係る工事の場合は、発信者を地方局長から土木部長に訂正して使用すること。
工事請負契約書様式
様式第 24 号(第 23 条第1項、第 24 条第1項、第 25 条第7項、第 30 条第1項関係)
(第 号)
年 月 日
(受注者又は発注者)
様
(地方局長又は受注者)
印
(公印省略)
工期
請負代金額 の変更について(協議)設計図書
年 月 日契約を締結した下記1の工事について、下記2及び3のとおり
工期
請負代金額設計図書
を変更いたしたいので、工事請負契約書
第 23 条第1項
第 24 条第1項
第 25 条第7項
第 30 条第1項
の規定
により協議します。
記
1 工事番号及び工事名
2 変更内容
3 変更理由
注 1 不要の文字は、抹消すること。
2 記の2「変更内容」については、現行と変更後を対比して記載するとともに、必要に応じて、算定、積算の根拠となった資料を添付すること。
3 本庁設計に係る工事の場合は、発信者を地方局長から土木部長に訂正して使用すること。
工事請負契約書様式
様式第 25 号(第 23 条第1項、第 24 条第1項、第 25 条第7項、第 30 条第1項関係)
(第 号)
年 月 日
(発注者又は受注者)
様
(受注者又は地方局長)
印
(公印省略)
工期
請負代金額設計図書
の変更について(回答)
年 月 日付け( 第
とおり承諾します。
号)で協議のあったこのことについては、下記の
記
1 工事番号及び工事名
2 変更内容
3 変更理由
注 1 不要の文字は、抹消すること。
2 記の2及び3について、相手方からの協議どおりに承諾する場合は、「 年月 日付け( 第 号)で協議のあったとおり」と記載すること。
3 本庁設計に係る工事の場合は、発信者を地方局長から土木部長に訂正して使用すること。
工事請負契約書様式
第
号
年 月 日
(受注者)
様
地方局長
(公印省略)
工期
請負代金額 の変更について(通知)設計図書
年
月
日付け( 第
号)で協議した(協議のあった)このこ
とについては、期日までに協議が調わなかったので、発注者において下記のとおり
工期
請負代金額設計図書
第 23 条第1項を定めたから、工事請負契約書 第 24 条第1項
第 25 条第7項
第 30 条第1項
ただし書の規定
より通知します。
記
1 工事番号及び工事名
2 変更内容
3 変更理由
様式第 26(第 23 条第1項、第 24 条第1項、第 25 条第7項及び第 30 条第1項のただし書関係)
注 1 不要の文字は、抹消すること。
2 記の2「変更内容」については、現行と変更後を対比して記載するとともに、必要に応じて、算定、積算の根拠となった資料を添付すること。
3 本庁設計に係る工事の場合は、発信者を地方局長から土木部長に訂正して使用すること。
工事請負契約書様式
様式第 27 号(第 23 条第2項、第 24 条第2項、第 25 条第8項、第 30 条第2項関係)
(第 号)年 月 日
(受注者又は発注者) 様
(地方局長又は受注者) 印
(公印省略)
工事請負契約書
第 23 条第2項
第 24 条第2項
第 25 条第8項
第 30 条第2項
の規定による協議開始の日について
(通知)
このことについて、協議開始の日を下記のとおり定めたので、通知します。
記
1 工事番号及び工事名
工期
2 請負代金額設計図書
の変更が必要となった事由
3 協議開始の日 年 月 日
注 1 不要の文字は、抹消すること。
2 本庁設計に係る工事の場合は、発信者を地方局長から土木部長に訂正して使用すること。