アジアLNG価格見直しの実用ガイド-パート1
アジアLNG価格見直しの実用ガイド-パート1
現在、アジアのバイヤーが長期LNG契約の下で価格調整を求める実質的な商業インセンティブがあります。しかし、調整がすべてで達成できるかどうかは、およびその場合でもプロセスと結果は、それぞれの価格見直し条項の条件に依存しそうです。したがって、これら見直し条項の運用が十分に理解されていることが重要です。
以下に、価格見直し条項で一般的にみられる3つの主要要素を概説します。
1. トリガー
一般的には、満たされていることを請求側当事者が示す必要がある1つまたは複数の指定された「トリガー」があります。
しばしばこれは一定期間の経過であることがあります。 例えば、最初の見直しは、契約の下で最初の納品日から設定された年数後に発生する可能性があり、後続の見直しはその後の定められた間隔で（例えば、4年または5ごとに）実施されます。見直し条項を発動できるようになるまで、当事者は設定されている年数を待たなければならないため、これは見直しの発生回数を制限すると共に、その中間期間に苦難を引き起こす可能性があります。
トリガーは、多くの場合、他の要素も満たしている必要があります。例えば、見直し日の前に買い手市場で「重大」または「実質的」な変化が発生し、そのような変化は影響を受ける当事者の制御を超えており、買い手市場内のガスの市場価値に影響を与えることを必要条件とするかもしれません。
トリガーの異なる要素のすべてが満たされているかどうかについては、議論を呼ぶのが普通です。こうした紛争のリスクは、より具体的に起草し、定まった基準をより客観的にクリアすればするほど、低減することができます。
2. プロセス
効果的な価格見直し条項は、価格見直しが要求された場合に両当事者が従うべきプロセスを、明確な用語で詳しく記述しています。
通常は、規定の期間にわたる交渉のための要件があります。旧式のアジアの契約の中には、交渉で合意に至らなかった場合にどうすべきかについて何も述べていないものもあります。文言に応じて、これは請求側当事者がそれ以上の訴求権を持たないこと
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を意味するか、または、一般的な仲裁条項の下で仲裁に付託することができる紛争があることを意味するかもしれません。
多くの近代的なアジアLNG契約では、合意された解決策がなくても、仲裁に価格見直し要求を付託する特定の資格があります。
3. 方法
価格見直し条項が価格調整が行われるべき方法を明確に述べている場合、合意された解決策を実現する見通しは著しく高くなります。同様に、見直しのための方法論が記載されていない場合は、仲裁裁判所が価格見直し紛争を判定できない場合があります
。
規定の方法論は、買い手の経済的地位に直接関連していることがあります。例えば、購入したガスを経済的に市場に売り込めるような価格であることを要求します。その代わりに、方法論は、「同等の契約」の下での価格、またはエンドユーザー市場での価格、または関連する炭化水素の価格を参照した見直しが必要になることもあります
。
繰り返しますが、起草がより具体的であればあるほど、また既定の基準をより客観的にクリアすればするほど、紛争が友好的に解決される可能性は大きくなります。