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<市民と市職員の皆様へ>
【仮称】市民と市との協働事業における
宝塚市委託契約ガイドライン(作業班案)
はじめに
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社会情勢の変化により、市民の価値観や地域課題が多様化していく中、すべてのニーズや課題に市だけで対応していくことは難しくなってきており、今後ますます、市民と市が共に力を合せながら「協働」でまちづくりを進めていくことが求められます。
コメントの追加 [a1]: 用語集で解説が必要
市民と市との協働事業には「共催」「後援」「委託」「補助・助成」等の様々な形態があります。中でも「委託」で事業を行う場合は、市民と市との間に契約行為が発生するため、特有の複雑xx難しさがあります。
そのため、宝塚市と宝塚市協働のまちづくり促進委員会は、「委託」においても、お互いが対等な立場で「対話」によるコミュニケーションを大切にしながら、理解し合い、気持ちよく協働事業を進めていけるよう、このガイドラインを作成しました。
※ このガイドラインは「宝塚市協働の指針」の考え方を基に作成しており、協働の指針と同様、市民を「個人としての市民、自治会、まちづくり協議会、地域団体、市民活動団体、中間支援団体、事業者」としますが、事業者と市との委託契約に比べ、市 民活動団体といった非営利で活動する団体と市との委託契約はあまり馴染みがないことから、特に非営利団体に関する記載内容を充実させています。
<委託は協働の形態の1つ>
「委託」は、あくまで市民と市との協働事業の1つの形態です。すべての協働事業が
「委託」を目指す必要はなく、事業目的や内容に応じた協働の形態を選択することが大切です。
ガイドラインの対象となる委託契約
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宝塚市協働の指針において、協働とは、「事業の主体になる市民や行政が、企画から評価 まで全ての段階で参画し、互いに責任を持って、役割を分担しながら、協力して事業を実行すること」としています。
この協働の定義を踏まえ、このガイドラインでは、市民と市との協働事業における「委託」契約の内、事業内容を市民と市で協議して決めていくことができる「プロポーザル方式」と
「特名随意契約」による委託契約(4pの 5-(1)を参照)を対象とします。
お伝えしたいポイント
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市民と市職員は、お互いに立場や違いがあります。
お互いが気持ちよく委託契約を進めていくため、このガイドラインでお伝えしたいポイントは次のとおりです。
<市民・市職員への共通のポイント>
市民と市職員がお互いの立場や違いを理解し、事業内容の検討・実践・振り返り等 の様々な場面において「対話」によるコミュニケーションを大切にすること
<市民へのポイント>
公金で事業を行う際に求められることや、市の契約のルールなどを知ること
<市職員へのポイント>
市民への委託のメリット、非営利とは何か、非営利団体の経費の考え方などを知ること
<「協働」する目的を忘れずに>
よりよいまちづくり、市民の幸せな生活の実現のために協働事業を実施するという目的を忘れずに、よりよい事業となるように取り組みましょう。
このページ以降、各項目の見出しに、主に市民に読んでほしい内容には【主に市民への説 明】、主に市職員に読んでほしい内容には【主に市職員への説明】、市民と市職員の双方に読んでほしい内容には【市民と市職員の双方への説明】と記載していますので、参考にし
てください。★ マークの中に「市民」「市職員」と書いたアイコンをつくる
市職員
市民
契約の前に・・・
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(1) 市民への委託のメリットってなに?【主に市職員への説明】
市民が持つネットワークや専門的知識・経験・技術などを事業の中で生かしていくことで、以下のようなメリットが期待できます。
①市だけで行うよりも柔軟でかつ市民の視点で事業を実施することができ、より市民ニーズに対応した事業結果につながります。
②市民との信頼関係を築くことができ、今後の業務に生かすことができます。
③市政への市民参画の促進につながります。
(2) お互いの立場や違いを理解しましょう【市民と市職員の双方への説明】
市は、全市民のためにxx、平等を原則として活動しており、法令などに基づいて契約のルール(4p「5 契約において気を付けること」を参照)を定めています。
市民には、それぞれに様々な特徴(目的・規模・実績・得意xxx)があります。こうした立場や違いを、お互いが丁寧に説明するとともに、理解し合いながら、契約
にのぞむことが大切です。
(3) 市と契約する市民に求められること【主に市民への説明】
市からの委託事業は、「公金」を使って実施することになるため、透明性を確保し、公益を担う責任と自覚を持ち、市民ならではの専門的知識・経験・技術、そして問題解決のためのネットワークを備え、事業を遂行することが求められます。
なお、事業内容によっては法人格を必要とする等の一定の要件を求められることがあります。
<将来のために法人化は必要?>
法人化には「社会的信用の向上」「不動産の団体での登記が可能となる」「個人資産と団体資産を明確に分けることができる」「契約などにおいて、代表者個人ではなく、法人として責任を負うことができる」などのメリットがあり、事業や団体の継続性や安定性、信用性を高めていくことにもつながります。ぜひ、NPO 法人等の法人格の取得を検討してください。
契約において気を付けること
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(1) 受託者の選定方法【市民と市職員の双方への説明】
市が行う契約は、公金を財源とする性質上、法令を遵守し、透明性やxx性、経済性(競争性)、履行の確保に十分に配慮しなければなりません。そのため、原則は価格競争によって受託者を選定します。
しかし、協働の事業においては、価格競争よりも、市民の専門的知識・経験・技術、そして問題解決のためのネットワークを重視する方がより高い事業効果を発揮する場合があります。価格競争によらず、受託者を選定する方法として、主に以下の2つがあります。
■プロポーザル方式
業務の内容が技術的に高度なものや、専門的な技術が求められるような業務
(契約の目的や性質上、質を追求する必要があるもの)であって、広く提案を募り、最も優れた提案者を選定する方法です。
■特名随意契約
契約の目的若しくは性質その他特別な事情により契約の相手方が特定されるとき又は災害の発生等により緊急を要する場合に特定の一者を選定する方法です。
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「プロポーザル方式」や「特名随意契約」といった方法を含む「 | 随意契約 | 」は、 |
地方自治法で定められた場合にのみ認められています。また「特名随意契約」の場合は、市において、一者しかないと判断した理由を明らかにすることが必要です。 |
(2) 事業内容等の決め方【市民と市職員の双方への説明】
市においては財源などに限りがあり、市民も人材などに限りがあります。お互いの立場や違いを理解し、事業内容を検討しましょう。
ア 協働においては各主体が企画から参画し、協力して進めていくことが大切です。プロポーザル方式や特名随意契約により契約を行う場合、双方が協議しながら事業内容(仕様)を決めていくことができます(※)。協働の効果を最大限に発揮するためにも、対話を大切にし、十分に意見交換を重ねながら、仕様を決めていきましょう。
※ プロポーザル方式の場合は、企画提案内容について市で審査を行ったうえで選定された候補者と協議をし、仕様書を作成していきます。
x 以下のこと等についても話し合い、決まったことは契約書に記載しましょう。
① 成果物は何か
② 成果物がどちらに(又は双方に)帰属するのか
③ 役割分担・責任分担はどうするか
④ 実績報告の時期・内容
ウ 事業終了後に、事業目的の達成状況をどのような基準で振り返るかについても、事前に話し合い、共通認識を持っておきましょう。
(3) 事業費の積算【主に市職員への説明】
<『非営利』ってどういうこと?>
市民活動団体は「営利を目的としない(=非営利)団体」ですが、非営利とは「お金を稼いではいけない」という意味ではなく「事業で稼いだ利潤を構成員で分配しない」という意味です。(事業費に再分配します。)
NPO 法人などの中には、質の高いサービスを安定して提供するためスタッフに賃
金を支払う団体や、組織として運営するための事務所費等必要な経費も存在します。つまり、市民活動団体が契約の相手方となる場合も、事業者等と同様、事業の実施
や団体の運営等に係るお金が必要です。
必要な経費を適切に積算することで、事業の中で市民の専門的知識・経験・技術などを十分に発揮してもらうことにつながり、結果として、事業の効果が高まることが期待されます。市は事業費を積算する際、市民が適切に事業を遂行できるよう、下記のア・イを参考に必要な全ての経費を算入しましょう。
ア 直接費
直接費とは、事業の実施に直接的に必要な費用をいいます。想定される主なものは、以下のとおりです。
<想定される主な直接費>
項目 | 内容 |
人件費 | 事業従事者の賃金など |
報償費 | 講師、ボランティアへの謝金など |
使用料/賃借料 | 会場費/物品等の借用費など |
消耗品費 | 文具/日用品など |
印刷製本費 | コピー代/冊子等の印刷代など |
役務費 | 郵便代、通信費、保険料など 但し、日常の運営にかかる経費は除く |
食糧費 | 団体構成員以外が関わる会議でのお茶、コーヒ ー代程度 |
交通費 | 電車賃・タクシー代など |
その他事業に必要な経費 | 事業実施に必要な上記以外の経費 |
Q 市民活動団体等の非営利団体になぜ人件費を支払う必要があるの?また、目安はあるの?
A 市民活動団体等の非営利団体のスタッフも労働への適正な対価が得られなければ質の高い活動を継続することができません。契約の相手方となる市民活動団
体等の非営利団体も企業等と同様にその成果には一定の品質が求められており、その事業の遂行に必要な人件費は当然見積もられるべきで、非営利だからといって無償または低報酬での奉仕を求めることは適切ではありません。業務量や難易度、専門性などを踏まえ、市場価格も参考にしながら、企業等と契約する場合と
同様に、適切な金額で積算する必要があります。
人件費として、県が定める「最低賃金」で安易に積算していませんか?業務内容に応じて、適切な人件費を積算しましょう!
イ 間接費
Q 市民活動団体等の非営利団体に間接費は必要なの?
A 市民活動団体等の非営利団体は組織として活動するので、事業実施のための直接費のほかに、事務所の維持費や、総務スタッフに支払う経費など、事業を間接
的にサポートするための間接費が必要です。
Q 間接費積算の目安は?
A 事業内容に応じて、合理的な根拠のもと、企業等と契約する場合と同様に積算することが必要です。
間接費とは、事業の実施とは直接関連しない付随的な費用のことをいいます。具体的には事務所を管理運営していくために必要な人件費、家賃、光熱水費、研修費、通信費、消耗品費、減価償却費等の費用のうち、当該業務に関して必要となる費用の合計額のことをいいます。
Q 団体の前年度決算に繰越金(剰余金)が発生しているが、積算する事業費を減額する必要がある?
A 団体の繰越金(剰余金)は、団体の足腰を強くするために努力して生み出した
NPO 法人についても、事業で稼いだ利益を今後の事業費に再分配するために、繰越金として計上することは認められています。
ものであり、事業の維持・拡大、市場環境や社会情勢の変化に適切に対応するため、また、感染症や災害など想定外の事態で一定のリスク対応を行うためにも必要なものです。そのため、市側は、団体の繰越金(剰余金)に応じて事業費を積算するのではなく、あくまで、事業内容の遂行に必要な経費を積算することが必
要です。
(4) 必要な事業費を認識しましょう【主に市民への説明】
積算する市の認識はもちろん、市民側においても、事業を実施するのに必要な経費が いくらかかるのか、適切に把握することが必要です。市への見積書の提出等の際は、(3)を参考に、直接費や間接費も含めた必要な事業費を適切に見積もり、安請け合いとなら ないよう心がけましょう。
(5) 契約の締結【市民と市職員の双方への説明】
話し合いを重ね再検討しても、双方が合意できない場合は、xxを持って断ることも考えましょう。
市民から市へ見積書を提出し、双方が合意すれば、契約を締結しましょう。折り合いがつかない場合は、もう一度、双方で話し合って事業内容(仕様)を再検討しましょう。
契約の後は・・・実践、振り返り、公 表
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(1)実践【市民と市職員の双方への説明】
ここまで書かれてきたことに気を付けて契約を結ぶことができた後は、双方が一緒に決めてきた内容に基づいて、協働で事業を実践していきましょう。実践の中でも、日頃からコミュニケーションをとり、進捗を確認し合いながら進めて行きましょう。
(2)振り返り【市民と市職員の双方への説明】
振り返りは、事業結果を客観的に捉え、課題や改善点を見つけ、次に生かしていくために重要なものです。お互いに事業結果全体を振り返り、事業をより良いものにしていきましょう。
(3)公表【市民と市職員の双方への説明】
振り返りを行った後は、その結果をお互いに共有し、公表しましょう。結果を公表することで、事業の透明性を確保でき、社会的認知度の向上にもつながります。
協働の事業における実践•振り返り•公表の進め方や、気を付けるべき点については
「協働のマニュアル(p11~p15)」に記載しています。協働のマニュアルを参考に、連携しながら進めていきましょう。
<巻末に用語集を付ける>
•協働事業:
•協働の指針:
•市民活動団体:
•NPO 法人:
•まちづくり協議会:
•自治会:
•協働のマニュアル:
•契約書:
•仕様書:
•随意契約:
等々•••
<資料編>
<協働とは?>
(1) 協働とは「事業の主体になる市民や行政が、企画から評価まで全ての段階で参 画し、互いに責任を持って、役割を分担しながら、協力して事業を実行すること」をいいます。
(2) 協働で取り組む事業は、公共的領域に該当する事業の内、許認可、課税、行政処分など行政が単独で行う領域と市民団体等が単独で行う領域を除いたすべての事業が該当します。幅広い分野で、協働事業を行うことが可能です。
(宝塚市協働の指針p3 より抜粋)
<協働の原則とは?>
「協働」で事業を円滑に進めるために、協働の担い手である各主体が守るべき8つの原則です。
わたしたちは、各主体の間に能力や資源の違いがあっても、対等な関係にあるとして、お互いの立場や意見を尊重します。
わたしたちは、地域の課題や活動情報などまちづくりに関する情報を地域に公開し、共有します。
わたしたちは、目的や性格の異なる各主体のそれぞれの立場や違いを認め、相互理解を深め、信頼関係を大切にします。
わたしたちは、各主体の力を最大限活かすために、それぞれの自主性•自立性を尊重します。
わたしたちは、協働しようとする事業の目的を明確にして、共有します。
わたしたちは、果たすべき役割や責任を調整し、役割を分担して、事業の目的を達成できるように取り組みます。
わたしたちは、自己の立場や活動に拘り過ぎず、互いに話し合い理解しあって、柔軟に対応し協調して、自己変革をいとわないで活動します。
わたしたちは、協働で取り組んだ事業の成果と課題を評価•検証し、その結果を共有して次の事業に役立てます。
(宝塚市協働の指針p4より抜粋)
8.評価•検証の原則
7.相互変革の原則
6.役割分担の原則
5.目的の明確化と共有の原則
4.自主性•自立性尊重の原則
3.相互理解の原則
2.情報公開•情報共有の原則
1.対等の原則