Contract
資料6
定期借地権設定合意書(例)
借地権設定者鹿児島県(以下,「甲」という。)と,借地権者〔○○○〕(以下,「乙」という。)とは,甲の所有する後記物件明細書の土地(以下,「本件土地」という。)について,借地借家法(平成3年法律第 90 号。以下,「法」という。)第[22/23]条[第1/2項]で定める[一般/事業用]定期借地権(以下,「本件借地権」という。)の設定に関する契約(以下,「本契約」という。)に関し,次のとおり合意する。
(目的)
第1条 甲は,本件土地に関し令和○年○月○日に甲乙で締結した鹿児島港本港区エリアまちづくり事業(ドルフィンポート敷地・ウォーターフロントパーク地区)(以下,「本事業」という。)に関する基本計画協定書(以下,「本件協定書」という。)の付属文書として添付された基本計画書
(ただし,本件協定書第5条第1項によって変更されたときは変更後のもの(以下,「基本計画書」という。))に基づいた事業の実施を目的として,乙に対して本件土地を賃貸し,乙はこれを賃借する。
2 本件借地権は,建物所有を目的とする賃借権とする。
3 本契約により設定される本件借地権については,契約の更新(更新の請求又は土地の使用の継続によるものを含む。)又は建物の築造による法第4条に規定する存続期間の延長はないものとし,乙は甲に対する法第 13 条による建物買取請求権を有しないものとする。
[法第 23 条第 2 項の事業用定期借地権の場合は,次の文言]
「本契約により設定される本件借地権については,法第 23 条第2項の事業用定期借地権であ り,よって契約の更新(更新の請求又は土地の使用の継続によるものを含む。)又は建物の築造による法第4条に規定する存続期間の延長はなく,乙は甲に対する法第 13 条による建物買取請求権を有しない。」
(指定用途)
第2条 乙は,本件借地権の存続期間中,本件土地を,基本計画書に基づき,基本計画書に定める
○の用途(以下,「指定用途」という。)に供しなければならない。
2 乙は,本件協定書に基づき,本件土地を敷地として乙が整備する建物(以下,「本件建物」という。)において必要な工事に着手し,本件建物を令和○年○月○日(以下,「指定期日」という。)までに指定用途に供しなければならない。
3 乙は,本契約に定める借地権の存続期間中,引き続き指定用途に供しなければならない。
4 本件土地及び本件建物の維持,管理に関し,第三者との間で損害賠償等トラブルが発生した場合は,すべて乙の責任と費用負担において,解決・処理するものとする。
(存続期間)
第3条 本件借地権の存続期間は,令和○年○月○日から令和○年○月○日までの○年間とする。
(引渡し)
第4条 甲は,第 10 条の規定による保証金を乙が甲に対して全額預託したことを条件として,前条の本件借地権の存続期間の初日に本件土地を現状有姿で引き渡したものとする。
2 前項の引渡しの時点で,本件土地上に工作物等が存する場合,工作物等の移転については,甲
の指示に従い,乙の責任と費用負担により行うものとする。
3 乙は,本契約締結後に,本件土地について数量の不足,土壌汚染,地下埋設物その他の工事上の障害などがあることを発見しても,賃料の減免もしくは損害賠償の請求又は契約の解除をすることができないものとする。
(指定用途の変更,建物の増改築等)
第5条 乙は,本件協定書の変更により,指定用途を変更,もしくは,新たに建物を建築,又は建物を解体,再築又は増改築(以下,「増改築等」という。)するときは,合わせて,本契約も変更することとする。
2 前項の変更を行う場合は,第[7]条第1項に定める貸付料の変更も行うこととする。
3 乙は,第1項に定める場合を除き,本件建物の増改築等を行ってはならない。
(土地の保全義務など)
第6条 乙は,善良なる管理者の注意をもって本件土地の維持管理に努めなければならない。
2 乙は,本件土地につき,有害な使用をしてはならず,騒音,振動,悪臭,有毒ガス又は汚水の排出など近隣に迷惑をかけてはならない。
3 乙は,甲の承諾を得ることなく本件土地の形質を変更してはならない。
(賃料)
第7条 賃料は,1か月金○円也とし,乙は,甲に対し,次の定めに従い,賃料を支払わなければならない。
① 毎年4月 30 日限り,当該年度の4月,5月,6月分を一括して支払い
② 毎年7月 31 日限り,当該年度の7月,8月,9月分を一括して支払い
③ 毎年 10 月 31 日限り,当該年度の 10 月,11 月,12 月分を一括して支払い
④ 毎年1月 31 日限り,当該年度の1月,2月,3月分を一括して支払い
2 賃貸借開始の月又は賃貸借終了の月が1か月に満たない場合は,当該月の日数により日割計算するものとし,10 円未満は切り捨てるものとする。
3 甲は,賃貸借開始後,原則として満3年を経過する毎に乙に対し,賃料の改定を請求することができるものとし,乙は,これを無条件で受け入れるものとする。
4 前項の賃料の改定は,従前の賃料の年額に国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律(昭和 31 年法律第 82 号)の規定に基づいて甲が鹿児島市に交付すべき市町村交付金の変動額を加算して行うものとする。
5 甲は,第3項,第4項に基づき賃料の改定をしようとするときは,改定日の3か月前までに乙に対し,書面により通知するものとする。
6 前3項の規定に関わらず,賃料の額が土地の価格,諸物価の変動その他の経済事情の変動等により,又は近傍類似の賃料の額に比して著しく不相当となったときは,甲及び乙は,それぞれ相手方に対し,賃料の増減を請求することができる。
(遅延損害金)
第8条 乙において,賃料の支払いを遅滞したときは,乙は甲に対し,前記納入期限の翌日から納入支払いが完了するまでの日数に応じ,遅延した賃料に,鹿児島県契約規則(昭和 39 年鹿児島県
規則第 2 号)の遅延利息の条項において定める利率で納入期限において適用あるもの(年 365 日の日割計算とし,100 円未満の端数は切り捨てるものとする)を乗じて得た額の遅延損害金を加算して支払わなければならない。
(弁済による充当の順序)
第9条 乙が賃料及び前項の遅延損害金を支払い,納入すべき場合において,納入された金額が賃料及び遅延損害金の合計額に満たないときは,まず遅延損害金から充当するものとする。
(保証金)
第 10 条 乙は,甲に対し本契約の締結と同時に,乙の債務を担保するため,保証金として,賃料の 18 か月相当分金○○○円を預託しなければならない。
2 乙が預託した保証金は,乙の甲に対する未払い債務,第[23]条に規定する損害賠償その他本件借地権の設定契約に基づき乙が負担すべき一切の債務,及び本件土地に存する建物,工作物及び備品等の除去その他本件借地権終了時の更地返還を懈怠した際に要した費用等の一切を担保するものとする。
3 本契約の終了に伴い乙が本件建物を解体し甲に返還した場合において,甲は,本契約に関して生じた乙の債務で未払いのものがあるときは保証金の額からその未払債務額及び損害賠償の額を差し引いた金額を,また,未払いがないときは保証金の額を,それぞれ遅滞なく乙に返還しなければならない。なお,乙が預託した保証金額が前項の被担保債権額に満たない場合,乙は,甲に対し甲が指定する期日までにその不足額を支払わなければならない。なお,保証金には利息を付さないものとする。
4 乙は,保証金返還請求権をもって,甲に対する賃料その他の債務と相殺することができない。
5 乙は,甲の書面による承認を得て第三者に本件借地権を譲渡し,かつ,これとともに甲に対する保証金返還請求権を譲渡する場合を除いて,同請求権を譲渡することはできない。
6 乙は,保証金返還請求権に質権その他の担保を設定することはできない。
(費用負担)
第 11 条 甲は,本件土地に係る公租公課を負担し,乙は,本件土地の使用に伴う必要な費用のすべてを負担するものとする。
(本件借地権の無断譲渡等の禁止など)
第 12 条 乙は,甲の書面による事前の承認を得ないで次の各号に該当する行為を行ってはならない。
① 本件借地権を第三者に譲渡し,又は本件土地を第三者に転貸すること
② 本件建物を譲渡すること
③ 本件建物を区分所有権の目的とすること
2 乙が甲の承諾を得て,本件借地権を第三者に譲渡する場合,乙は,同時に第[10]条第3項の保証金返還請求債権を当該第三者(譲受人)に移転・譲渡する手続も行うものとし,xはこれに異議を述べないものとする。
3 乙が甲の承認を得て,本件借地権を第三者に譲渡する場合,乙は,本契約並びに本件協定書の乙の契約上の地位を書面にて第三者に承継させなければならない。
(本件借地権にかかる担保権の設定)
第 13 x xは,事前の書面による甲の承認なしに,本件借地権に担保権を設定することはできない。
2 乙は,前項の規定により甲が本件借地権に対する担保権設定を承認した場合であっても,保証金返還請求権に対する担保設定をすることはできない。
3 甲は,第1項による承認を受けた担保権の実行については担保権者と協議を行い,協定を締結することができる。
(造作買取請求権の放棄)
第 14 x xは,本契約の終了に際し,本件建物その他本件土地に付属する建物・工作物等の買取りを,甲に請求することはできない。
(本件建物の賃貸借に当たり遵守すべき事項)
第 15 条 乙が,本件建物の全部又は一部を第三者に賃貸する場合,あらかじめ書面により建物の賃借人の氏名(企業名),住所(所在地),店名,営業内容,賃貸借期間を甲に連絡,通知するものとし,甲が協議を求めたときは,これに応じなければならない。
2 乙は,前項の第三者については事前に充分な審査を行い,本件建物を風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律(昭和 23 年法律第 122 号)第2条第1項に定める風俗営業,同条第5項に定める性風俗関連特殊営業その他これらに類する事業又は暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第 77 号)第2条第2項に規定する団体の事務所等の用に供してはならない。
3 本件建物を第三者に賃貸するに当たっては,乙はあらかじめ本件借地権が法第[22/23]条[第1
/2項]に基づく[一般/事業用]定期借地権であり,存続期間満了時に本件借地権が消滅すること及び本件借地権の期間満了までに本件建物を撤去し,甲に土地を明渡し返還しなければならないことを当該第三者に明示して周知させ,当該第三者との間で,法第 39 条にもとづく期間満了時までの定期建物賃貸借契約を書面により締結しなければならない。
4 乙は,本件建物を第三者に使用させる場合,第三者に本契約の目的に反した使用をさせてはならず,かつ当該第三者をして契約満了時における本件土地の返還及び原状回復を阻害し又は困難にさせるおそれのある行為をさせてはならない。
5 乙は,本件土地の明渡しまでに,本件建物のすべての賃借人その他の使用者との関係を自らの費用と責任において終了させるものとし,甲に対し,一切迷惑,負担等をかけてはならない。
(乙の届出義務)
第 16 条 乙は,次の各号の一つに該当するに至ったときは,甲に対し,直ちにその旨を書面により届出なければならない。
① 所在地,社名又は連絡先電話番号が変更したとき
② 代表者に変動が生じたとき
③ 合併または分割が行われたとき
④ 破産手続開始,民事再生手続開始,会社更生手続開始もしくは特別清算開始の申立てを受け,又はこれらを自ら申し立てたとき
⑤ 解散したとき
(甲の実地調査権と乙の協力義務)
第 17 条 甲は,乙において次の各号の一つに該当する事由が生じたときは,乙に対し,その業務又は資産の状況に関して質問し,又は実地に調査し,あるいは参考となるべき資料の提出を求めたり,その他必要とする報告を求めることができることとする。この場合,乙は,甲の調査等を拒み,妨げ又は協力を怠ってはならない。
① 賃料の支払いがないとき
② 第[2]条の指定用途の規定に違反したとき
③ 第[5]条第1項にもとづく指定用途の変更またはその他の増改築等を行うとき
④ 第[6]条に定める土地の保全義務等の規定に違反したとき
⑤ 第[12]条の本件借地権の無断譲渡の禁止等の規定に違反したとき
⑥ 第[13]条の担保権の設定禁止の規定に違反したとき
⑦ 第[15]条の建物の賃貸借に際しての各遵守事項に違反したとき
⑧ 第[16]条に定める届出義務に違反したとき
⑨ その他甲が必要と認めるとき
(違約損害金)
第 18 x xが次の各号の一つに該当した場合において甲から請求があったときは,乙は甲に対し,次に定める違約損害金を支払わなければならない。
① 乙が第[2]条の指定期日までに本件建物を整備すべき規定,第[15]条の本件建物の賃貸借における遵守事項に関する義務規定,第[17]条の実地調査に際しての協力義務規定の各規定に違反した場合は,金○円(保証金の 10 パーセントに相当する額)
② 乙が第[2]条第1項,第[5]第1項の指定用途の変更手続に関する義務規定,第[5]条第
3項の本件建物の増改築時の禁止規定,第[12]条の本件借地権の無断譲渡の禁止等の義務規定,第[13]条の本件借地権の担保権設定禁止の義務規定の各規定に違反した場合は,金○円
(保証金の 30 パーセントに相当する額)
(契約の解除)
第 19 条 甲は,乙が次の各号の一つに該当したときは,相当の期間を定めて催告の上,本契約を解除することができる。
① 賃料を支払期限後6か月を過ぎても支払わないとき
② 保証金を納入期限まで納入しないとき
③ 保証金返還請求権を第三者に譲渡し,又は担保に供したとき(第[10]条第5項及び第[12]条第2項に基づき甲の承認を得て譲渡するときを除く。)
④ その他本契約に定める義務を履行せず,甲・乙間の信頼関係を損ねたとき
2 甲は,乙が次の各号の一つに該当し,かつ第[18]条に定める違約損害金を請求してもなお違反状態が是正されないと認めるときは,催告をしないで本契約を解除することができる。
① 第[2]条第[1]項,同第[3]項の規定に反し,本件土地の使用を行ったとき
② 第[2]条第[2]の規定に反し,指定期日までに本件建物を指定用途に供しなかったとき
③ 第[5]条の規定に反し,増改築等を行ったとき
④ 第[12]条の規定に反し,本件借地権の譲渡等を行ったとき
⑤ 第[13]条の規定に反し,本件借地権に担保権を設定したとき
⑥ 第[15]条に規定する義務に反したとき
⑦ 第[17]条の規定に反し,甲の実地調査等を拒み,妨げ又は協力を怠ったとき
⑧ 乙が不渡処分,滞納処分,強制執行を受け,破産手続開始,民事再生手続開始,会社更生手続開始もしくは特別清算開始の申立てを受け,又はこれらを自ら申し立てたとき
3 甲は,本件土地を国,県その他公共団体において,公用又は公共用に供するため必要が生じたときは,地方自治法(昭和 22 年法律第 67 号)第 238 条の5第4項の規定に基づき,本契約を解除することができる。
4 甲は,基本計画書に基づき本事業の一部として甲の所有する土地を乙又は乙以外の者に貸し付けているときにおいて,当該貸付けにかかる土地の賃貸借契約が借主の債務不履行により解除されたときは,本契約を解除することができる。
5 前項により本契約が解除されたときにおいて,甲は,乙に対して,損害賠償,補償等の責任は一切負わない。
(原状回復義務)
第 20 条 本契約が期間満了,契約解除,合意解約,中途解約その他の事由により終了したときは,乙は,甲の指定する期日までに本件建物その他の工作物など乙が本件土地に附属させたものすべてを自らの費用でもって収去し,更地で明渡し返還しなければならない。ただし,xが,乙と協議のうえ指示したときは,本件建物その他の工作物などの一部を収去せず,甲に無償で譲渡するものとする。
2 本契約が期間満了により終了する場合,乙は,期間満了の1年前までに甲に対し,本件建物の取り壊し,及び本件建物の賃借人の退去等,本件土地の返還に必要な事項を書面により報告しなければならない。
3 本契約終了後,乙が第1項の規定にもとづき本件土地を明渡さないときは,乙は,甲に対し前記明渡し指定期限の翌日から明渡し完了に至るまで本契約終了時の賃料の3倍相当額(年 365 日の日割計算とし,10 円未満は切り捨てとする)の遅延損害金を支払わなければならない。
4 第1項の更地とは,本件土地に乙が設置した地下の工作物及び埋設物,並びに地上の建物及び工作物を全て撤去し,土地を平坦にすることをいう。
(契約終了に際しての賃料の精算)
第 21 条 甲は,本契約の終了に際し,乙から受領済の未経過期間に係る賃料があるときは,同期間に係る賃料(年 365 日の日割計算とし,10 円未満は切り捨てとする)を精算して乙に返還するものとする。
(有益費等の放棄)
第 22 x xは,本契約終了後,本件土地を明渡し返還するに際し,乙において支出した必要費又は有益費等が現存している場合であっても,甲に対して償還等の請求をすることはできないこととする。
(損害賠償責任)
第 23 条 甲は,乙が本契約に定める義務を履行しないため損害を受けたときは,本契約の遅延損害金,違約損害金の定めにかかわらず,被った損害の賠償を乙に対し別途請求することができる。
(xx証書作成費用等)
第 24 条 本契約締結に係るxx証書作成,[一般/事業用]定期借地権設定及び抹消登記,不動産鑑定評価に要する費用等第[5]条に定める契約変更に要する費用,その他契約に要する費用は,すべて乙の負担とする。
(本合意書の効力)
第 25 条 本合意書の各事項は,次条に定めるxx証書の作成によって効力を生ずるものとする。
(xx証書の作成)
第 26 条 甲及び乙は,本合意書を内容とするxx証書を作成するものとする。
2 前項で定めるxx証書については,乙の強制執行認諾文言付きとする。
(規定外事項)
第 27 条 本契約に定めがない事項その他本契約の各条項につき,解釈上又は運用上疑義が生じた事項については,甲及び乙が鹿児島県の関係条例及び規則等関係法令に従い誠意をもって協議して解決するものとする。
(裁判管轄)
第 28 条 本契約に関する紛争については,鹿児島地方裁判所を第xxの管轄裁判所とすることに甲,乙双方とも合意した。
上記の合意を証するため,この合意書2通を作成し,それぞれに甲乙記名押印して各自その1通を保有する。
令和○年○月○日
甲 [住 所]
鹿児島県
鹿児島県知事
乙 [住 所]
[名 称]
[代表者]
物件明細書
(本件土地の位置関係・形状等は別紙図面1《鹿児島港本港区●街区実測図》に赤線で表示したとおりである。