清水銀行(頭取 岩山 靖宏)は、お客様の SDG s の達成をご支援するため、各種サステナブルファイナンスの提供に努めており、その一環としてこのたび、株式会社德(代表取締役 河合 毅治)と「しみずポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約を締結いたしました。
株式会社德 との
「しみずポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約締結について
xx銀行(頭取 xx xx)は、お客様の SDG s の達成をご支援するため、各種サステナブルファイナンスの提供に努めており、その一環としてこのたび、株式会社德(代表取締役 xx xx)と「しみずポジティブ・インパクト・ファイナンス」契約を締結いたしました。
本件の取組みにあたっては、関連会社の株式会社xx地域経済研究センター(代表取締役 xx xx)がインパクト分析・特定のうえ評価書を作成し、株式会社日本格付研究所(代表取締役社長 xx xx)がポジティブ・インパクト金融原則との適合性を確認しました。
xx銀行では、2021 年 12 月に「環境方針」「責任ある投融資方針」からなる「xx銀行サステナビリティ方針」を策定し、持続可能な社会の実現や社会的課題の解決に向けた取り組みを加速させてまいりました。今後も社会・環境問題の解決に資する取り組みを一層推進し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
1.契約概要
契 約 日 : 令和 6 年 2 月 29 日(木)融資金額 : 5,000 万円
資金使途 : 運転資金
2.借入人概要
企 業 名 : 株式会社德
所 在 地 : xxxxxxxxxxxxx000-00事業内容 : うなぎ料理店
3.借入人の主な取組み(詳細は「ポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書」をご参照ください)
(1)特定されたインパクト
ポジティブなインパクトの成果が期待できる事項 | ・安心安全な食の提供 ・健康経営への取組み ・日本食文化の海外発信 ・サプライチェーンの拡大 ・ダイバーシティ経営の推進 |
ネガティブなインパクトの低減が必要となる事項 | ・従業員の健康と職場の安全性の確保 ・ワークライフバランスの推進 ・資源の有効活用 |
(2)測定する KPI
社会面 | ・2027年までにHACCP認証を取得し、以後継続する ・2024年までに「ふじのくに健康づくり推進事業所宣言」の認定を受け、以後継続する ・2030年までに日本産食材を使用する海外の店舗数を9店舗以上とし、日本食と日本の文化を発信する ・重大な労働先代事故ゼロを継続し、軽微な労働災害事故の発生件数を年間5件以下とする ・2030年までに1人当たりの年間有給休暇取得日数を12日以上とする ・2030年までに1人当たりの月間平均残業時間を30時間以下とする | |
社会面経済面 | ・2030年までに仕入先数、販売先数を50社以上とする ・2030年までに女性管理職を8名以上とする ・2030年までに65歳以上の従業員数を5名以上とする | |
環境面 | ・廃油、段ボール、空き缶のリサイクル率100%を維持する |
以 上
<ニュースリリースに関するお問い合せ> xx銀行 支店営業部 山梨 054-366-9990
株式会社xx地域経済研究センター
The Shimizu Regional Economy Research Center,INC
ポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書
2024 年 2 月 29 日
株式会社xx地域経済研究センター
株式会社xx地域経済研究センター
The Shimizu Regional Economy Research Center,INC
目次 | |
1.評価の概要••••••••••••••••••••••••••• | 1 |
2.PIF の概要••••••••••••••••••••••••••• | 2 |
3.企業概要•••••••••••••••••••••••••••• | 3 |
4.包括的分析••••••••••••••••••••••••••• | 6 |
5.サステナビリティ経営体制•••••••••••••••••••• | 12 |
6.インパクトの特定•••••••••••••••••••••••• | 16 |
7.KPI の決定••••••••••••••••••••••••••• | 19 |
8.モニタリング•••••••••••••••••••••••••• | 23 |
xx地域経済研究センターは、株式会社日本格付研究所の協力を得て、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が公表している「ポジティブ•インパクト金融原則」に則り、株式会社徳(以下、徳という)の包括的なインパクト分析を行いまし た。
xx銀行は、本評価書で特定されたポジティブ•インパクトの拡大とネガティブ•インパクトの低減に向けた取り組みを支援するため、徳に対してポジティブ•インパクト•ファイナンス(以下、PIF という)を実行します。
1.評価の概要
(企業概要)
xxxxxが、有限会社xxx鰻料理店(以下、xxxという)から静岡県浜松市にあるうなぎ料理店「うなぎxxx 肴町店」の経営権を 1995 年に譲り受け、うなぎ料理店事業を開始した。2003 年に株式会社徳を設立し、xx氏が代表取締役社長に就任した。 2006 年京都高島屋百貨店に「うなぎ徳 京都店」を出店し、以後大都市の中核商業施設にテナント出店する方針の下で、うなぎ料理店 9 店舗を展開している。2022 年に鉄板焼き料理店「THE HAMANAKO TERRACE」を開店し、日本料理店事業に参入した。グループ企業には、国内企業として活鰻の仕入れと加工を行う株式会社 T•F•S(以下、 T•F•S という)、海外企業としてタイ王国でうなぎ料理店、とんかつ料理店、創作和食居酒屋を運営する Toku(Thailand)Co.,Ltd.、アメリカ合衆国でうなぎ料理•寿司店を運営する Xxxx USA,Inc.がある。
(インパクト特定)
うなぎ料理店事業におけるポジティブ•インパクトとして特定した項目は「食糧」「健康•衛生」「雇用」「文化•伝統」「包括的で健全な経済」「経済収束」とし、ネガティブ•インパクトとして特定した項目は「健康•衛生」「雇用」「資源効率•安全性」「廃棄物」とした。
(KPI の決定)
ポジティブなインパクトの成果が期待できる事項として、社会面において、「食糧」「健康•衛生」ではテーマを「安心•安全な食品の提供」とし KPI は「HACCP1認証を取得する」とした。「健康•衛生」ではテーマを「健康経営への取り組み」とし KPI は「『ふじのくに健康づくり推進事業所宣言2』の認定を受ける」とした。「文化•伝統」ではテーマを「日本食文化の海外発信」とし KPI は「海外の店舗数を 9 店舗以上とし、日本食
1 HACCP とは、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去または低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法である。(出典:厚生労働省ホームページ)
2 「ふじのくに健康づくり推進事業所宣言」とは、静岡県の健康寿命の更なる延伸を目指し、個人の健康づくりや事業所の健康経営の取り組みを後押しするため、企業や事業所が、従業員の健康管理や維持•増進のための具体的な取組目標を宣言し、その取り組みを静岡県が支援する制度である。(出典:静岡県ホームページ)
と日本の食文化を発信する」とした。社会面•経済面において、「食糧」「経済収束」ではテーマを「サプライチェーンの拡大」とし KPI は「サプライチェーン数を 50 社以上とする」とした。「雇用」「包括的で健全な経済」ではテーマを「ダイバーシティ経営の推進」とし KPI は「女性管理者を 8 名以上とする」「65 歳以上の従業員数を 5 名以上とする」とした。ネガティブなインパクトの低減が必要となる事項として、社会面において、「健康•衛生」ではテーマを「従業員の健康と職場の安全性の確保」とし KPI は「重大な労働災害事故ゼロを継続し、軽微な労働災害事故の発生件数を年間 5 件以下とする」とした。「雇用」ではテーマを「ワークライフバランスの推進」とし KPI は「1 人当たりの年間有給休暇取得日数を 12 日以上とする」「1 人当たりの月間平均残業時間を 30時間以下とする」とした。環境面において、「資源効率•安全性」「廃棄物」ではテーマを「資源の有効活用」とし KPI は「廃油、段ボール、空き缶のリサイクル率 100%を維持する」とした。
(モニタリング)
モニタリング体制として、統括責任者をxx社長、プロジェクトリーダーをxx営業部長とし、プロジェクトチームとして営業部内に SDGs 推進チームを組成した。今後少なくとも年 1 回はモニタリングする体制を構築し、進捗状況を確認する。
2.PIF の概要
今回実施予定の融資概要
契約日及び返済期限 | 2024 年 2 月 29 日~2031 年 2 月 20 日 |
金額 | 50,000,000 円 |
資金使途 | 材料仕入資金 |
モニタリング期間 | 7 年 |
3.企業概要
企業名 | 株式会社徳 |
グループ企業 | 国内 会社名(◎中心企業) 種類•店舗数 ◎徳 うなぎ専門料理店 9 店舗鉄板焼き料理店 1 店舗 T•F•S 魚介類加工業 タイ王国(以下、タイという) 会社名 種類•店舗数 Xxxx(Thailand) うなぎ専門料理店 2 店舗 Co.,Ltd. とんかつ料理店 3 店舗創作和食居酒屋 1 店舗 アメリカ合衆国(以下、アメリカという) 会社名 種類•店舗数 Xxxx USA,Inc. うなぎ料理•寿司店 1 店舗 |
従業員 | 130 名(役員含む、2024 年 1 月 31 日時点) |
資本金 | 39 百万円 |
業種 | 飲食業 |
事業の内容 2022 年度 売上高構成比 | うなぎ料理店事業 90% 日本料理店事業 10% |
沿革 | 1995 年 xxxxxが静岡県浜松市にてうなぎ料理店事業開始 2002 年 xxx港区に「うなぎ徳 西麻布店」出店 2003 年 資本金 24 百万円にて株式会社徳を設立、xx氏が社長就任 2006 年 京都高島屋(百貨店)に「うなぎ徳 京都店」出店 2011 年 JR 博多シティに「うなぎ徳 博多店」出店 2012 年 xxヒカリエに「うなぎ徳 xx店」出店 2014 年 浜松市中央区頭陀寺に路面店「うなぎ徳 浜松店」出店 2016 年 東急プラザ銀座に「うなぎ徳 銀座店」ルクア大阪に「うなぎ徳 大阪店」出店 2018 年 資本金を 39 百万円に増資 2019 年 遠鉄百貨店本館に「うなぎ徳 浜松遠鉄店」出店 2022 年 SDGs 宣言 2022 年 xxxxxxxxxxxxに粹月棲(すいげつろう)建設 |
2022 年 粹月棲に「徳 浜名湖別邸」、鉄板焼き「THE HAMANAKO TERRACE」開店 2023 年 経営革新計画3承認 | |
企業理念 | 1.安心で安全な信頼ある商品提供 2.お客様に真心と感動を 3.人の成長促進 4.食を通じて社会に貢献 5.xxを見つめて |
組織図 | うなぎ徳博多店 JR博多シティ うなぎ徳大阪店ルクア大阪 うなぎ徳京都店 京都高島屋 うなぎ徳浜松店 浜松市中央区頭陀寺 うなぎ徳浜松遠鉄店遠鉄百貨店本館 取締役会 代表取締役 専務取締役 営業部長 徳浜名湖別邸 浜松市中央区舞阪町弁天島 THE HAMANAKO TERRACE 浜松市中央区舞阪町弁天島 うなぎ徳西麻布店 xxxxxxxx0xx うなぎ徳銀座店東急プラザ銀座 うなぎ徳xx店xxヒカリエ 店舗写真 博多店 大阪店 京都店
|
3 経営革新計画は、中小企業が「新事業活動」に取り組み、経営の相当程度の向上を図ることを目的に策定する中期的な経営計画である。「中小企業経営強化法」に規定され、都道府県知事等の承認を得ると様々な支援策の対象となる。(出典:中小企業庁「2022 年版 経営革新計画進め方ハンドブック」)
浜松店 浜松遠鉄店 浜名湖別邸
写真出典:同社提供 THE HAMANAKO TERRACE 西麻布店 銀座店
写真出典:同社提供 xx店 写真出典:同社提供 |
4.包括的分析
(1)業種別インパクトの状況
徳の事業はうなぎ料理を主軸とする飲食店事業である。うなぎ料理を主軸とする飲食店事業におけるインパクトレーダーの標準値において、ポジティブなインパクトとして発現した項目は「食糧」「健康•衛生」「雇用」「文化•伝統」、ネガティブなインパクトとして発現した項目は「雇用」「廃棄物」となった。
561 5610 レストラン及び移動式飲食業 | 標準値 | |
ポジティブ | ネガティブ | |
水(入手可能性) | ||
食糧 | ||
住居 | ||
健康•衛生 | ||
教育 | ||
雇用 | ||
エネルギー | ||
移動手段 | ||
情報 | ||
文化•伝統 | ||
人格と人の安全保障 | ||
xx | ||
強固な制度•平和•安定 | ||
水(質) | ||
大気 | ||
土壌 | ||
生物多様性と■生態系サービス | ||
資源効率•■安全性 | ||
気候 | ||
廃棄物 | ||
包括的で健全な経済 | ||
経済収束 |
(2)サプライチェーン全体におけるインパクトの状況
ⅰ業界動向
うなぎの国内供給量は、昭和 60(1985)年頃から輸入の増加により供給量は増加 し、平成 12(2000)年には約 16 万トンが供給されたが、その後減少し、近年では 6 万トン前後となっている。国内で漁獲されたうなぎ及び養殖されたうなぎは、ほぼニホンウナギである。一方、輸入されたうなぎについては、ニホンウナギのほか、アメリカウナギの輸入が増加している。
うなぎの国内供給量
出典:水産庁「ウナギをめぐる状況と対策について」うなぎの養殖に必要な、うなぎの稚魚「シラスウナギ」の漁獲量が激減し、深刻な種苗不足になっている。シラスウナギが減った主な要因は、(1)乱獲、(2)海流の変化、(3)河川構造物など人工物による環境変化と言われている。そのため、2014 年「ニホンウナギ」が国際自然保護連合(IUCN)の定める「絶滅危惧種 IB 類(レッドリスト)」に指定された。そして、2014 年 9 月以降、日本•中国•台湾•韓国間でシラスウナギの採捕規制が敷かれ、養殖(池入れ)量は 2 割減(21.7t)で合意された。
日本のうなぎの生産は、温暖な気候できれいな水が豊富にある地域で盛んに行われており、2022 年における養殖うなぎの生産量では 1 位が鹿児島県 7,858 トン、2 位愛知県 4,205 トン、3 位xx県 3,574 トン、4 位静岡県 2,365 トンとなっている。
主な生産地とうなぎの特徴は以下のとおりである。
•鹿児島県:生産量、流通量はトップクラスで、温暖な気候ときれいで豊富な地下水が養殖に適している
•愛知県:主にxx市で生産されxx川の水を用い自然に近い環境で育てている
•xx県:うなぎ養殖の新興であり、水質の良さから臭みの少ないうなぎが生産できる
•静岡県:うなぎの養殖発祥の地ともいわれ、代表的な生産地は浜名湖周辺
うなぎの代表的な調理方法には、関東風と関西風がある。関東風は背開き、白焼き、蒸す、竹串を使う、頭を落としてから焼く。関西風は腹開き、蒸さない、金串を使う、頭をつけたまま焼き最後に落とす。関東風はお店によってあっさりしたものからこってりし
たものまで幅広く、関西風はこってりしたボリューム感があるのが特徴である。うなぎは肋骨がなく腹開きは料理人の包丁の技術が要求されるが、背開きは、背びれがとりやすい、うなぎがおとなしくなって裂きやすいなど、腹開きより裂きやすいといわれている。静岡県では 1960 年代に浜名湖でうなぎの大規模な養殖が行われ、2022 年、全国第 4 位の養殖うなぎの生産量を誇っている。浜松市でうなぎ養殖が発展した要因は、①養殖に必要な水資源が豊富であったこと、②うなぎの稚魚が浜名湖に遡上し容易に採捕できたこと、③後背地から飼料となる養蚕サナギの供給が十分であったこと、④年間平均気温が 15℃前後であることである。そして、浜松が東海道のxxxという物流に適した立地であったことから全国的に有名な産地となった。
ⅱ事業概要
徳の事業概要
xxxxxが、静岡県浜松市にあるうなぎ料理専門店「うなぎxxx」肴町店を有限会社xxx鰻料理店から継承し 1995 年に創業した。2002 年にxxx港区に「うなぎ徳 西麻布店」を出店した。2003 年に株式会社徳を設立し、同氏が代表取締役社長に就任した。2006 京都高島屋百貨店に「うなぎ徳 京都店」を出店し、2011 年 JR 博多シティ、2012 年xxヒカリエ、2016 年東急プラザ銀座、ルクア大阪、2019 年遠鉄百貨店本館と大都市の中核商業施設へのテナント出店を基本方針として行ってい
る。また 2022 年に弁天島に粹月樓(すいげつろう)を建設し、うなぎ料理店「徳 浜名湖別邸」の出店と、鉄板焼き料理店「THE HAMANAKO TERRACE」を出店し日本料理店事業に参入した。
同社のうなぎ料理店事業においては、同社の地元である浜名湖産うなぎを主に使用し、関東風の調理方法で、「うなぎxxx 肴町店」時代から継ぎ足した秘伝の「たれ」でうなぎ料理を提供している。また米は契約農家の無農薬米を使用し、炊き立てにこだわりを持って提供している。「うな重」の価格帯に 3,000 円から 9,000 円の幅を持たせ、百貨店や駅ビルのテナントに店舗を設けることで、地元客、ビジネス客、日本人観光客、外国人観光客といった幅広い顧客層をターゲットにしている。外国語のメニューを用意しており外国人観光客でも利用しやすい環境を整えている。
同社は、現在うなぎ料理店 9 店舗、日本料理店 1 店舗を運営し、養鰻業者との連携を高め、地元浜松の主要産業であるうなぎ養殖事業を下支えしていく方針の下で、事業拡大を続けている。xxxは「串打ち 3 年、裂き 8 年、焼き一生」と言われており、同
社では調理技術の習得、伝承を重視している。全店に調理経験 10 年以上の従業員を配置し若手従業員の実技指導を行っており、上司や先輩がマンツーマンで指導を行う OJT による人材育成に取り組んでいる。また調理に関する専門知識習得や衛生管理面の強化を図るため、従業員の調理師免許の取得費用を会社負担とする支援に取り組んでいる。
同社は、2023 年に静岡県から 2 件の経営革新計画の承認を受けている。経営革新計画のテーマを①「浜松の味を海外に広めるとんかつ店の展開」、②「国産食材を使用した伝統的日本料理店の海外展開」としている。経営革新計画のテーマを①「浜松の味を海外に広めるとんかつ店の展開」、②「国産食材を使用した伝統的日本料理店の海外展開」としている。①「浜松の味を海外に広めるとんかつ店の展開」では、タイを中心にとんかつ店を出店し、地元浜松のメーカーが生産するソースを使用し、釜で炊いたxxxとともに提供することで浜松の知名度向上に貢献する。②「国産食材を使用した伝統的日本料理店の海外展開」では、「うなぎ、和牛、かにを伝統的な日本の調理方法、日本の味付けで提供する日本料理店をタイに出店し、国産、県内産の食品を主に使用することで食材の需要拡大に貢献する」としている。今後もグループ企業である海外法人と連携し、日本食文化を広めるため、店舗数と進出国を増加させていく方向性である。
出典:同社提供
T•F•S の事業概要
うなぎ生産者やうなぎ問屋からニホンウナギの仕入れを行い、徳の国内各店舗に供給するほか、串打ち、白焼き加工したものを徳の国内外の店舗に供給するほか、外部にも販売している。T•F•S が活鰻を仕入れ、徳の浜松店で活鰻の「裂き」工程を行う。 T•F•S では、串打ち、白焼きのオートメーション設備を導入し、加工業務を行っている。
Xxxx(Thailand) Co.,Ltd.の事業概要
2018 年にタイに現地法人 Xxxx(Thailand) Co.,Ltd.を徳が設立し、バンコク市内のアイコンサイアム高島屋のレストランフロアへ「うなぎ徳」を出店している。以後、「うなぎ徳」2 店舗、「とんかつ徳」3 店舗、「徳兵衛」1 店舗の計 6 店舗を運営している。
「うなぎ徳」では、日本国内と同様のメニュー、味付け、調理方法でうなぎ料理を提供している。「とんかつ徳」では、タイの農場で飼育された豚を使用し、浜松のソースメ
ーカーのソースを使用している。「徳兵衛」では、かに•和牛•うなぎを主とした創作和食居酒屋として運営している。「うなぎ徳」「xxxxx」「徳兵衛」ともに釜で炊いた炊き立てのxxxを提供している。
店舗写真
xxxx | xxxx | xxxxx |
アイコンサイアム高島屋 | セントラルワールド | タニヤプラザ |
xxxxx | xxx | xxxxx |
セントラルワールド | バンコク•プロンポン | シーコンスクエア |
写真出典:同社提供
Xxxx USA,Inc.の事業内容
2019 年アメリカに現地法人 Xxxx USA,Inc.を設立し、ロサンゼルスに「徳うなぎ&寿司」を出店している。うなぎ料理は日本国内と同様のメニュー、味付け、調理方法で提供している。寿司のネタは、日本人寿司職人がロサンゼルスのフィッシュマーケット等で鮮魚等を買い付けて提供している。酒類は日本産ビール、焼酎、日本酒を日本から輸入し、提供している。
店舗写真
徳うなぎ&寿司
写真出典:同社提供
ⅲサプライチェーンの概要
同社が使用する日本産活鰻は、浜名湖産が 50%、愛知県産が 25%、xx県産と鹿児島県産がそれぞれ 12.5%の割合となっている。日本産活鰻はxx水産を含め3社から仕入れ、使用する米については、国内全店とアメリカについては全てxx県の大潟村あきたこまち生産者協会が無農薬で生産する「あきたこまち」を使用している。うなぎ専門店で使用する「たれ」は「うなぎ八百徳 肴町店」時代から継ぎ足した秘伝の「たれ」を使用しいる。「たれ」の主な原料となる醤油は浜松市のメーカーから仕入れたものを使用し、同社の浜松店で味を調えた「たれ」を国内各店舗に配送して使用している。タイにおいては、日本の醤油メーカーのタイ工場で製造された醤油を用いて浜松の味に合わせている。 2023 年よりタイで展開を開始したとんかつ料理店では、豚肉は現地産のものを使用しているが、「ソース」については浜松のメーカーから仕入れたものを使用している。
酒や飲料水、調味料のほか、店舗で使用する主な副資材として食器類、厨房用具類を仕入れている。
同社グループにおけるサプライチェーンは、以下のとおりである。
養鰻場•米生産者協会,
酒類、調味料、食器等副資材
米等の食材
副資材
活鰻
タイ
アメリカ
T•F•S
豚肉•日本米 日本米生産者•
生産者 魚市場
串打ち•白焼き加工した鰻
活鰻
裂き工程
徳本店
食品輸出事業者
日本国内10店舗
タイ6店舗
アメリカ1店舗
顧客
顧客
顧客
5.サステナビリティ経営体制
(1)サステナビリティ経営方針企業理念
1.安心で安全な信頼ある商品提供
2.お客様に真心と感動を
3.人の成長促進
4.食を通じて社会に貢献
5.未来をみつめて
また同社ではグループ企業の T•F•S とともに SDGs 宣言を行い、SDGs の実現に向けた取り組みを行っている。両社共通で「食の安心•安全」「環境保全」「労働環境の整備」「地域貢献•社会貢献」を掲げ、具体的な取り組みを行っている。
出典:清水銀行ホームページ
(2)社会面における対応
〈食糧、健康•衛生に関して取り組んでいる項目、課題等〉
同社は、安心•安全な食を提供するため、うなぎについては地元である浜名湖産を中心に日本産のうなぎを使用し、米は無農薬栽培された日本産米を使用している。同社は
「HACCP に沿った食品衛生管理基準」の下で、社内 HACCP として定めたルールに基づく衛生管理の取り組みを徹底し、全店舗で毎日「検食」として提供する食品の一部をサンプルとして 2 か月間冷凍保存し、衛生検査会社により毎月 1 回抜き取り細菌検査を行っている。また、各店舗所在地の管轄保健所にて開催される衛生管理者講習に毎年各
店から 2 名以上を参加させている。今後、更なる衛生管理の強化を図る考えから、 HACCP 認証を取得する方針である。
「検食」サンプル冷凍保管用ケース
写真出典:作成者撮影
〈健康•衛生に関して取り組んでいる項目、課題等〉
同社では、従業員の健康管理には十分配慮しており、全従業員が年 1 回の健康診断を受けており 100%の受診となっている。更なる従業員の健康維持のために、従業員の検診 100%実施の継続、感染症予防対策の実施等による「ふじのくに健康づくり推進事業所宣言」の認定を目指している。
また同社では、創業以来重大な労働災害事故は発生していないが、生のうなぎを裂く加工工程があり、包丁での切創などの軽微な労働災害事故は年 10 件程度発生している。今後も、毎日の朝礼時に事故事例の共有と対策を行うことにより、労働災害事故の発生の抑制を目指していく方向性を確認した。
〈雇用に関して取り組んでいる項目、課題等〉
同社の企業理念に「人の成長促進」とあるように、同社は採用した従業員に対し、加工技術指導と調理師免許取得の支援に取り組んでいる。調理師免許を取得するためには 2 年
間の実務経験を必要とするため入社 3 年目以降の従業員について調理師免許取得を推奨し、資格の取得費を同社が全額負担している。今後においても、資格取得について積極的に支援していくことを確認した。
同社の現状の雇用において、有給休暇の取得日数は 1 人当たり年間平均 10 日となっている。同社ではワークライフバランスを推進していくことから、有給休暇取得管理表を作成し有給休暇を積極的に取得させていく方向性を確認した。
同社の 2023 年の従業員1人当たりの月間平均残業時間は 40 時間であった。今後も、業務効率化を図り、従業員のワークライフバランスを重視しながら、働きがいがあり、更に残業のない業務遂行を目指していく方向性を確認した。
〈文化•伝統に関して取り組んでいる項目、課題等〉
徳グループは、タイとアメリカで、国内で提供するものと同様の調理方法により、うなぎや日本食、日本の酒を海外顧客に提供することを通じて日本食文化を発信している。海外店舗では、国内でうなぎ調理技術、和食調理技術、日本流の接客「おもてなし」を教育することで、海外で伝統的な日本食の提供、「おもてなし」接客ができる店舗づくりを実現しており、日本食の文化•伝統の発信に寄与している。タイのとんかつ料理店は日本産食材•酒類の魅力や特徴を PR していることが評価され、2023 年に独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)の「日本食材サポーター店認定制度4」における
「日本食材サポーター店」に認定されている。海外顧客に対しては同社のホームページと同内容の英語、フランス語、中国語、韓国語版HPを整備している。現在の海外店舗は、タイとアメリカの 2 カ国となっている。今後は店舗数と進出国も増加させ、伝統的な日本食、日本流の接客を更に発信していく方向性を確認した。
(3)社会面•経済面における対応
〈食糧、経済収束に関して取り組んでいる項目、課題等〉
徳グループのサプライチェーンにおいて、仕入先として 31 社、販売先として 10 社、
合計 41 社にて事業を行っている。サプライチェーンの拡大により、伝統の味を損なわないうなぎを安定的に供給できる体制を維持し、浜名湖産を中心に日本産のうなぎをより多く消費してもらうことで、結果としてうなぎ生産者や日本米生産者の事業安定につながる。また、海外に新規出店を進めていくことは、国内のうなぎ生産者や調味料メーカー等の事業拡大に加え、現地の農業事業者や食材製造事業者の事業拡大につながる。今後においてサプライチェーンの拡大を図っていく方向性を確認した。
〈雇用、包括的で健全な経済に関して取り組んでいる項目、課題等〉同社の従業員の状況は以下のとおりである。
種類 | 男性 | 女性 | 合計 |
役員 | 2 | 1 | 3 |
管理者 | 11 | 3 | 14 |
一般 | 42 | 71 | 113 |
合計 | 55 | 75 | 130 |
男女比率 | 42.3% | 57.7% | 100.0% |
うち外国人 | 0 | 1 | 1 |
4 日本産農林水産物•食品の海外発信を強化するためのもので、農林水産省が定めた「海外における日本産食材サポーター店認定に関するガイドライン」に基づき運営されている。「良質で安全な日本の食材とお酒等を世界の人々に伝える」取り組みに共感し、世界各地から日本産食材や酒類を発信するレストラン、小売店を「日本食材サポーター店」として日本貿易振興機構及び日本貿易振興機構が認定した団体により認定される。(出典:日本貿易振興機構ホームページ)
役員を含めた女性管理者は現在 4 名であり、役員を含めた管理者 17 名に対する女性管理者比率は 23.5%である。同社では、女性一般職に対する管理者による店舗運営管理の OJT や役員による面接機会を増やしており、女性管理者を増加させる方針である。
同社では特別支援学校を訪問し新卒の学生を採用する活動を続けている。過去には 2 名採用していた実績があり、今後も積極的に採用していく方針である。65 歳以上の高齢者は現在 2 名在籍しており、今後も継続雇用等により高齢者の活躍の場を設けていく方針であることを確認した。
(4)環境面における対応
〈資源効率•安全性、廃棄物に関して取り組んでいる項目、課題等〉
同社では、提供する食品の調理において、余剰が発生しないよう厳格な仕入管理を徹底しており、製品余剰による廃棄物は発生していない。うなぎの頭などの調理残渣については廃棄物回収業者を通じて浜松市により焼却処理されている。使用済の食用油や段ボール、空き缶などの廃棄物は 100%廃棄物処理業者によりリサイクル処理されている。各店舗で使用する副資材はエコ資材の利用を推進しており、プラスチックストロー及び紙コースターの使用を廃止している。今後においても、廃棄物に配慮した食品の供給体制を維持していく方向性を確認した。
(5)その他地域貢献等の取り組み
同社では、地域の将来を担う子供たちに向けて地域食材について理解と興味を持たせ、うなぎの食文化を継承していくために、毎年、浜松市立芳川北小学校の社会科見学の受け入れと、小学校や幼稚園のいずれか1校へうなぎ給食の提供を行っている。社会科見学ではうなぎ料理の製造工程や浜松のうなぎの食文化、うなぎの生態をわかりやすく伝えている。給食の提供ではうなぎの提供とあわせ、活鰻のつかみ取り体験などのイベントを行っている。こうした取り組みは地域の子供たちに対して浜松のうなぎをより身近に感じさせるとともに、地元への愛着心の醸成に一役買っている。
このほか、うなぎ養殖には天然の稚魚が用いられるため、浜名湖では資源保護のために産卵期が近づいているうなぎを購入して放流する事業が行われており、同事業への寄付を行うことで間接的に資源保護に協力している。
6.インパクトの特定
(1)インパクトの特定分析
UNEP FI のインパクトレーダーにおける標準値を基に、前記の分析を踏まえ、下記のプレ審査シートにて個社別の状況を考慮して、インパクトと KPI 設定対象を特定した。
インパクト領域 | total | UNEP FI 標準値 | 個社分析修正値 | インパクトの詳細具体的取組内容 | KPI 設定対象 | 関連するSDGsターゲット |
入手可能性、アクセス可能性、手ごろさ、品質(一連の固有の特徴がニーズを満たす程度)
水 (入手可能性) | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
食糧 | ポジティブ | ○ | ○ | HACCPに基づく食品衛生管理の取り組み強化 浜名湖産を中心とした日本産うなぎの販売先拡充によるサプライチェーンの拡大 | ○ | 2.4 3.4 9.1 |
ネガティブ | ||||||
住居 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
健康•衛生 | ポジティブ | ○ | ○ | HACCPに基づく食品衛生管理の取り組み強化 従業員の検診100%実施の継続、感染症予防対策の実施等による「ふじのくに健康づくり推進事業所宣言」認定取得 | ○ | 2.4 3.4 |
ネガティブ | ○ | 事故事例の共有と対策実施による労働災害事故発生の抑制 | ○ | 3.4 3.d | ||
教育 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
雇用 | ポジティブ | ○ | ○ | OJT実施による女性管理者の増加高齢者雇用の促進 | ○ | 5.5 8.5 10.2 |
ネガティブ | ○ | ○ | 有休取得日数の増加残業時間の削減 | ○ | 8.5 | |
エネルギー | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
移動手段 (モビリティ) | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
情報 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
文化•伝統 | ポジティブ | ○ | ○ | 日本の食文化の発信 | ○ | 2.3 8.9 |
ネガティブ | ||||||
人格と人の安全保障 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
正義 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
強固な制度•平和•安定 | ポジティブ | |||||
ネガティブ |
質(物理的•化学的構成•性質)と有効利用
水(質) | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
大気 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
土壌 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
生物多様性と生態系サービス | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
資源効率•安全性 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ○ | 廃油、段ボール、空き缶のリサイクル | ○ | 12.5 | ||
気候 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ||||||
廃棄物 | ポジティブ | |||||
ネガティブ | ○ | ○ | 廃油、段ボール、空き缶のリサイクル | ○ | 12.5 |
環境の制約内で人間のニーズを満たす手段としての人と社会の経済的価値創造
包括的で健全な経済 | ポジティブ | ○ | OJT実施による女性管理者の増加高齢者雇用の促進 | ○ | 5.5 8.5 10.2 | |
ネガティブ | ||||||
経済収束 | ポジティブ | ○ | 海外店舗数の増加 浜名湖産を中心とした日本産うなぎの販売先拡充によるサプライチェーンの拡大 | ○ | 2.3 8.9 9.1 | |
ネガティブ |
(2)インパクト特定徳のインパクト特定
インパクトレーダーの標準値として発現した項目に、包括的分析を行い、サステナビリティ経営体制において分析した結果、ポジティブでは「包括的で健全な経済」「経済収束」を追加し、ネガティブでは「健康•衛生」「資源効率•安全性」を追加してインパクトを特定した。
特定したインパクト
ポジティブ:「食糧」「健康•衛生」「雇用」「文化•伝統」「包括的で健全な経済」
「経済収束」
ネガティブ:「健康•衛生」「雇用」「資源効率•安全性」「廃棄物」
561 5610 レストラン及び移動式飲食業 | 修正値 | |
ポジティブ | ネガティブ | |
水(入手可能性) | ||
食糧 | ||
住居 | ||
健康•衛生 | ||
教育 | ||
雇用 | ||
エネルギー | ||
移動手段 | ||
情報 | ||
文化•伝統 | ||
人格と人の安全保障 | ||
正義 | ||
強固な制度•平和•安定 | ||
水(質) | ||
大気 | ||
土壌 | ||
生物多様性と■生態系サービス | ||
資源効率•■安全性 | ||
気候 | ||
廃棄物 | ||
包括的で健全な経済 | ||
経済収束 |
(3)インパクトレーダーにおけるマッピング
特定したインパクトをもとにインパクトレーダーで発現したインパクト•マップは以下のとおりとなる。
【修正後】インパクト•マップ
ポジティブ
ネガティブ
入手可能性-水
その他
食糧
経済収束 住居
包括的で健全な経済 健康•衛生
廃棄物
教育
気候
雇用
資源効率•安全性
エネルギー
生物多様性と生態系サービス
移動手段
土壌
情報
大気
文化•伝統
質-水
強固な制度•平和•安定
人格と人の安全保障
正義
7.KPI の決定
(1)ポジティブなインパクトの成果が期待できる事項
ⅰ社会面
テーマ | 安心•安全な食品の提供 |
インパクトレーダー | 食糧、健康•衛生 |
取組内容 | HACCP に基づく食品衛生管理の取り組み強化 |
SDGs との関連性 | 2.4:2030 年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。 3.4:2030 年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を 促進する。 |
KPI | •2027 年までに HACCP 認証を取得し、以後継続する |
テーマ | 健康経営への取り組み |
インパクトレーダー | 健康•衛生 |
取組内容 | 従業員の検診 100%実施の継続、感染症予防対策の実施等に よる「ふじのくに健康づくり推進事業所宣言」認定取得 |
SDGs との関連性 | 3.4:2030 年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。 |
KPI | •2024 年までに「ふじのくに健康づくり推進事業所宣言」 の認定を受け、以後継続する |
テーマ | 日本食文化の海外発信 |
インパクトレーダー | 文化•伝統 |
取組内容 | 日本の食文化の発信 |
SDGs との関連性 | 2.3: 2030 年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。 8.9:2030 年までに、雇用創出、地方の文化振興•産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。 |
KPI | •2030 年までに日本産食材を使用する海外の店舗数を 9 店 舗以上とし、日本食と日本の食文化を発信する |
ⅱ社会面•経済面
テーマ | サプライチェーンの拡大 |
インパクトレーダー | 食糧、経済収束 |
取組内容 | 浜名湖産を中心とした日本産うなぎの販売先拡充によるサプ ライチェーンの拡大 |
SDGs との関連性 | 9.1:全ての人々に安価で公平なアクセスに重点を置いた経済発展と人間の福祉を支援するために、地域•越境インフラを含む質の高い、信頼でき、持続可能かつ強靱(レジリエント)なインフラを開発する。 |
KPI | •2030 年までに仕入先数、販売先数を 50 社以上とする |
テーマ | ダイバーシティ経営の推進 |
インパクトレーダー | 雇用、包括的で健全な経済 |
取組内容 | OJT 実施による女性管理者の増加、高齢者雇用の促進 |
SDGs との関連性 | 5.5:政治、経済、公共分野でのあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保する。 8.5:2030 年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一価値の労働についての同一賃金を達成する。 10.2:2030 年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、全ての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。 |
KPI | •2030 年までに女性管理者を 8 名以上とする •2030 年までに 65 歳以上の従業員数を 5 名以上とする |
(2)ネガティブなインパクトの低減が必要となる事項
ⅰ社会面
テーマ | 従業員の健康と職場の安全性の確保 |
インパクトレーダー | 健康•衛生 |
取組内容 | 事故事例の共有と対策実施による労働災害事故発生の抑制 |
SDGs との関連性 | 3.4:2030 年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。 3.d:全ての国々、特に開発途上国の国家•世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のため の能力を強化する。 |
KPI | •重大な労働災害事故ゼロを継続し、軽微な労働災害事故の発 生件数を年間 5 件以下とする |
テーマ | ワークライフバランスの推進 |
インパクトレーダー | 雇用 |
取組内容 | 有給休暇取得日数の増加 残業時間の削減 |
SDGs との関連性 | 8.5:2030 年までに、若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、ならびに同一価値の労働についての同一賃金を達成する。 |
KPI | •2030 年までに 1 人当たりの年間有給休暇取得日数を 12日以上とする •2030 年までに 1 人当たりの月間平均残業時間を 30 時間 以下とする |
ⅱ環境面
テーマ | 資源の有効活用 |
インパクトレーダー | 資源効率•安全性、廃棄物 |
取組内容 | 廃油、段ボール、空き缶のリサイクル |
SDGs との関連性 | 12.5:2030 年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。 |
KPI | •廃油、段ボール、空き缶のリサイクル率 100%を維持する |
(3)地域において認識される社会的課題•環境問題への貢献
うなぎの完全養殖は実用化されていないため、うなぎの養殖には天然の稚魚を用いている。このため資源の保全が課題となっている。同社では、浜名湖養魚漁業協同組合が毎年行っている産卵に向かう成熟したうなぎを買い上げて放流する事業に資金提供を行い、間接的に社会的課題•環境問題の解決に協力をしている。また海外への店舗展開により、浜松の食材や日本産食材を海外に紹介する事業活動を行っており、日本の食文化を広めることに貢献している。
8.モニタリング
(1)モニタリング体制
同社では、本 PIF の組成に当たり横断的なプロジェクトチームを組成した。統括責任者を河合社長、プロジェクトリーダーを河野営業部長とし、プロジェクトチームとして営業部内に SDGs 推進チームを組成した。同社の企業理念、経営方針を基に、事業実績、企業活動等の棚卸しを行い、本 PIF のインパクトの特定及び目標と KPI の策定を行った。
本 PIF 実行後においては、決定したインパクトの内容や KPI を営業会議•朝礼等で社員へ周知し、関連するサプライチェーンへも通達し、達成に向けた連携を図り、プロジェクトチームを中心に同社全体で KPI の達成に向けた推進体制を構築していく。
統括責任者
代表取締役社長 河合 毅治氏プロジェクトリーダー
営業部長 河野 篤氏プロジェクトチーム
営業部 SDGs 推進チーム
(2)モニタリングの頻度と方法
本 PIF で設定した KPI 及び進捗状況については、同社と清水銀行及び当社の担当者が定期的な場を設け、共有する。会合は少なくとも年に 1 回は実施するほか、日頃の情報交換や営業活動の場等を通じて実施する。
本評価に関する説明
1.本評価書は、清水地域経済研究センターが、清水銀行から委託を受けて作成したもので、清水地域経済研究センターが清水銀行に対して提出するものです。
2.清水地域経済研究センターは、依頼者である清水銀行及び清水銀行がポジティブ•インパクト•ファイナンスを実行する徳から供与された情報や徳へのインタビュー等で収集した情報に基づいて、現時点での状況を評価したものであり、将来における実現可能 性、ポジティブな成果•見通し等を保証するものではありません。
3.清水地域経済研究センターが本評価に用いた情報は、信頼できるものと判断したものではあるものの、その正確性等について独自に検証しているわけではありません。清水地域経済研究センターはこれらの情報の正確性、適時性、完全性、適合性その他一切の事項について、何ら表明または保証するものではありません。
4.本評価は、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)が提唱した PIF 原則及び PIF 実施ガイド、ESG 金融ハイレベル•パネルにおいてポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」に則って行ってお
ります。
〈評価書作成者〉
〒424-0941
静岡市清水区富士見町 2 番 1 号
株式会社清水地域経済研究センター常務取締役 杉山晶彦
Tel 054-355-5510、Fax 054-353-6011
第三者意見書
2024 年 2 月 29 日株式会社 日本格付研究所
評価対象: 株式会社徳に対するポジティブ・インパクト・ファイナンス |
貸付人:株式会社清水銀行 |
評価者:株式会社清水地域経済研究センター |
第三者意見提供者:株式会社日本格付研究所(JCR) |
結論:
本ファイナンスは、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス原則に適合している。
また、環境省のESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置さ
れたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的である。
I. JCR の確認事項と留意点
JCR は、清水銀行が株式会社徳(「徳」)に対して実施する中小企業向けのポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)について、株式会社清水地域経済研究センターによる分析・評価を参照し、国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)の策定したPIF 原則に適合していること、および、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的であることを確認した。
PIF とは、SDGs の目標達成に向けた企業活動を、金融機関が審査・評価することを通じて促進し、以て持続可能な社会の実現に貢献することを狙いとして、当該企業活動が与えるポジティブなインパクトを特定・評価の上、融資等を実行し、モニタリングする運営のことをいう。
PIF 原則は、4 つの原則からなる。すなわち、第 1 原則は、SDGs に資する三つの柱(環境・社会・経済)に対してポジティブな成果を確認できるかまたはネガティブな影響を特定し対処していること、第 2 原則は、PIF 実施に際し、十分なプロセス、手法、評価ツールを含む評価フレームワークを作成すること、第 3 原則は、ポジティブ・インパクトを測るプロジェクト等の詳細、評価・モニタリングプロセス、ポジティブ・インパクトについての透明性を確保すること、第 4 原則は、PIF 商品が内部組織または第三者によって評価されていることである。
UNEP FI は、ポジティブ・インパクト・ファイナンス・イニシアティブ(PIF イニシアティブ)を組成し、PIF 推進のためのモデル・フレームワーク、インパクト・レーダー、インパクト分析ツールを開発した。清水銀行は、中小企業向けの PIF の実施体制整備に際し、清水地域経済研究センターと共同でこれらのツールを参照した分析・評価方法とツールを開発している。ただし、PIF イニシアティブが作成したインパクト分析ツールのいくつかのステップは、国内外で大きなマーケットシェアを有し、インパクトが相対的に大きい大企業を想定した分析・評価項目として設定されている。JCR は、PIF イニシアティブ事務局と協議しながら、中小企業の包括分析・評価においては省略すべき事項を特定し、清水銀行及び清水地域経済研究センターにそれを提示している。なお、清水銀行は、本ファイナンス実施に際し、中小企業の定義を、PIF 原則等で参照している IFC(国際金融公社)の定義に加え、中小企業基本法の定義する中小企業、会社法の定義する大会社以外の企業としている。 JCR は、中小企業のインパクト評価に際しては、以下の特性を考慮したうえでPIF 原則
との適合性を確認した。
① SDGs の三要素のうちの経済、PIF 原則で参照するインパクト領域における「包括的で健全な経済」、「経済収れん」の観点からポジティブな成果が期待できる事業主体である。ソーシャルボンドのプロジェクト分類では、雇用創出や雇用の維持を目的とし
た中小企業向けファイナンスそのものが社会的便益を有すると定義されている。
② 日本における企業数では全体の 99.7%を占めるにもかかわらず、付加価値額では 52.9%にとどまることからもわかるとおり、個別の中小企業のインパクトの発現の仕方や影響度は、その事業規模に従い、大企業ほど大きくはない。1
③ サステナビリティ実施体制や開示の度合いも、上場企業ほどの開示義務を有していないことなどから、大企業に比して未整備である。
II. PIF 原則への適合に係る意見
PIF 原則 1
SDGs に資する三つの柱(環境・社会・経済)に対してポジティブな成果を確認できるかまたはネガティブな影響を特定し対処していること。
SDGs に係る包括的な審査によって、PIF は SDGs に対するファイナンスが抱えている諸問題に直接対応している。
清水銀行及び清水地域経済研究センターは、本ファイナンスを通じ、徳の持ちうるインパクトを、UNEP FI の定めるインパクト領域および SDGs の 169 ターゲットについて包括的な分析を行った。
この結果、徳がポジティブな成果を発現するインパクト領域を有し、ネガティブな影響を特定しその低減に努めていることを確認している。
SDGs に対する貢献内容も明らかとなっている。
PIF 原則 2
PIF を実行するため、事業主体(銀行・投資家等)には、投融資先の事業活動・プロジェクト・プログラム・事業主体のポジティブ・インパクトを特定しモニターするための、十分なプロセス・方法・ツールが必要である。
JCR は、清水銀行がPIF を実施するために適切な実施体制とプロセス、評価方法及び評価ツールを確立したことを確認した。
(1) 清水銀行は、本ファイナンス実施に際し、以下の実施体制を確立した。
1 経済センサス活動調査(2016 年)。中小企業の定義は、中小企業基本法上の定義。業種によって異なり、製造業は資本金 3 億円以下または従業員 300 人以下、サービス業は資本金 5 千万円以下または従業員 100 人以下などだ。小規模事業者は製造業の場合、従業員 20 人以下の企業をさす。
(出所:清水銀行提供資料)
(2) 実施プロセスについて、清水銀行では社内規程を整備している。
(3) インパクト分析・評価の方法とツール開発について、清水銀行からの委託を受けて、清水地域経済研究センターが分析方法及び分析ツールを、UNEP FI が定めた PIF モデル・フレームワーク、インパクト分析ツールを参考に確立している。
PIF 原則 3 透明性
PIF を提供する事業主体は、以下について透明性の確保と情報開示をすべきである。
・本PIF を通じて借入人が意図するポジティブ・インパクト
・インパクトの適格性の決定、モニター、検証するためのプロセス
・借入人による資金調達後のインパクトレポーティング
PIF 原則 3 で求められる情報は、全て清水地域経済研究センターが作成した評価書を通して銀行及び一般に開示される予定であることを確認した。
PIF 原則 4 評価
事業主体(銀行・投資家等)の提供する PIF は、実現するインパクトに基づいて内部の専門性を有した機関または外部の評価機関によって評価されていること。
本ファイナンスでは、清水地域経済研究センターが、JCR の協力を得て、インパクトの包括分析、特定、評価を行った。JCR は、本ファイナンスにおけるポジティブ・ネガティブ両側面のインパクトが適切に特定され、評価されていることを第三者として確認した。
III. 「インパクトファイナンスの基本的考え方」との整合に係る意見
インパクトファイナンスの基本的考え方は、インパクトファイナンスを ESG 金融の発展形として環境・社会・経済へのインパクトを追求するものと位置づけ、大規模な民間資金を巻き込みインパクトファイナンスを主流化することを目的としている。当該目的のため、国内外で発展している様々な投融資におけるインパクトファイナンスの考え方を参照しながら、基本的な考え方をとりまとめているものであり、インパクトファイナンスに係る原則・ガイドライン・規制等ではないため、JCR は本基本的考え方に対する適合性の確認は行わない。ただし、国内でインパクトファイナンスを主流化するための環境省及びESG 金融ハイレベル・パネルの重要なメッセージとして、本ファイナンス実施に際しては本基本的考え方に整合的であるか否かを確認することとした。
本基本的考え方におけるインパクトファイナンスは、以下の 4 要素を満たすものとして
定義されている。本ファイナンスは、以下の 4 要素と基本的には整合している。ただし、要素③について、モニタリング結果は基本的には借入人である徳から貸付人である清水銀行及び評価者である清水地域経済研究センターに対して開示がなされることとし、可能な範囲で対外公表も検討していくこととしている。
要素① 投融資時に、環境、社会、経済のいずれの側面においても重大なネガティブインパクトを適切に緩和・管理することを前提に、少なくとも一つの側面においてポジティブなインパクトを生み出す意図を持つもの
要素② インパクトの評価及びモニタリングを行うもの
要素③ インパクトの評価結果及びモニタリング結果の情報開示を行うもの
要素④ 中長期的な視点に基づき、個々の金融機関/投資家にとって適切なリスク・リターンを確保しようとするもの
また、本ファイナンスの評価・モニタリングのプロセスは、本基本的考え方で示された評価・モニタリングフローと同等のものを想定しており、特に、企業の多様なインパクトを包括的に把握するものと整合的である。
IV. 結論
以上の確認より、本ファイナンスは、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト・ファイナンス原則に適合している。
また、環境省の ESG 金融ハイレベル・パネル設置要綱第 2 項(4)に基づき設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」と整合的である。
(第三者意見責任者) 株式会社日本格付研究所
サステナブル・ファイナンス評価部長
梶原 敦子
担当主任アナリスト 担当アナリスト
川越 広志 新井 真太郎
本第三者意見に関する重要な説明
1. JCR 第三者意見の前提・意義・限界
日本格付研究所(JCR)が提供する第三者意見は、事業主体及び調達主体の、国連環境計画金融イニシアティブの策定したポジティブ・インパクト金融(PIF)原則への適合性及び環境省 ESG 金融ハイレベル・パネル内に設置されたポジティブインパクトファイナンスタスクフォースがまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」への整合性に関する、JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該ポジティブ・インパクト金融がもたらすポジティブなインパクトの程度を完全に表示しているものではありません。
本第三者意見は、依頼者である調達主体及び事業主体から供与された情報及び JCR が独自に収集した情報に基づく現時点での計画又は状況に対する意見の表明であり、将来におけるポジティブな成果を保証するものではありません。また、本第三者意見は、PIF によるポジティブな効果を定量的に証明するものではなく、その効果について責任を負うものではありません。本事業により調達される資金が同社の設定するインパクト指標の達成度について、JCR は調達主体または調達主体の依頼する第三者によって定量的・定性的に測定されていることを確認しますが、原則としてこれを直接測定することはありません。
2. 本第三者意見を作成するうえで参照した国際的なイニシアティブ、原則等
本意見作成にあたり、JCR は、以下の原則等を参照しています。
国連環境計画 金融イニシアティブ ポジティブ・インパクト金融原則
環境省 ESG 金融ハイレベル・パネル内ポジティブインパクトファイナンスタスクフォース
「インパクトファイナンスの基本的考え方」
3. 信用格付業にかかる行為との関係
本第三者意見を提供する行為は、JCR が関連業務として行うものであり、信用格付業にかかる行為とは異なります。
4. 信用格付との関係
本件評価は信用格付とは異なり、また、あらかじめ定められた信用格付を提供し、または閲覧に供することを約束するものではありません。
5. JCR の第三者性
本 PIF の事業主体または調達主体と JCR との間に、利益相反を生じる可能性のある資本関係、人的関係等はありません。
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、事業主体または調達主体及び正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、またはその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、または当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCRは、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。本第三者意見は、評価の対象であるポジティブ・インパクト・ファイナンスにかかる各種のリスク(信用リスク、価格変動リスク、市場流動性リスク、価格変動リスク等)について、何ら意見を表明するものではありません。また、本第三者意見は JCR の現時点での総合的な意見の表明であって、事実の表明ではなく、リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするものでもありません。本第三者意見は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。本文書の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■用語解説
第三者意見:本レポートは、依頼人の求めに応じ、独立・中立・公平な立場から、銀行等が作成したポジティブ・インパクト・ファイナンス評価書の国連環境計画金融イニシアティブのポジティブ・インパクト金融原則への適合性について第三者意見を述べたものです。
事業主体:ポジティブ・インパクト・ファイナンスを実施する金融機関をいいます。
調達主体:ポジティブ・インパクト・ビジネスのためにポジティブ・インパクト・ファイナンスによって借入を行う事業会社等をいいます。
■サステナブル・ファイナンスの外部評価者としての登録状況等
・国連環境計画 金融イニシアティブ ポジティブインパクト作業部会メンバー
・環境省 グリーンボンド外部レビュー者登録
・ICMA (国際資本市場協会に外部評価者としてオブザーバー登録) ソーシャルボンド原則作業部会メンバー
・Climate Bonds Initiative Approved Verifier (気候債イニシアティブ認定検証機関)
■本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部 TEL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026