所在地 大阪府大阪市住之江区南港北二丁目1番10号 ATCビルITM棟9階 所在地 大阪府大阪市住之江区南港北二丁目1番10号 ATCビルITM棟3階 第13条 第11条第1項の規定により引き渡された運営権設定対象施設について,種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)(本事 業開始日時点で,当該施設において法令等上又は要求水準上求められる基準を満たさないこととなる物理的な契約不適合であって,募集要項等市が優先交渉権者に開示した資料...
大阪市工業用水道特定運営事業等
公共施設等運営権実施契約書
|
事業名 |
大阪市工業用水道特定運営事業等 |
|
事業の場所 |
別紙2及び関連資料集の運営権設定対象施設一覧に定める施設の所在地ほか |
|
事業期間 |
第88条に定めるとおり |
|
一部負担金の総額 |
4,356,363,637円(市が第67条に基づき本事業期間中に運営権者に支払う一部負担金の総額は,左記の金額に消費税及び地方消費税相当額を加えた金額とする。ただし,第67条第9項に従って変更された場合には変更後の金額とする。なお,一部負担金に係る市の支払いは第67条に定めるところに従う。)
|
上記の事業について,市と運営権者は,各々対等な立場における合意に基づいて,次の条項によってxxな公共施設等運営権実施契約を締結し,xxに従って誠実にこれを履行するものとする。
本契約を証するため,本書2通を作成し,市及び運営権者が記名押印の上,各自その1通を所持する。
令和3年10月15日
所在地 xxxxxxxxxxxxxxxx0x00x XXXxxXXXx0x
市 名称 大阪市
代表者 大阪市水道局長 xx xx ㊞
所在地 xxxxxxxxxxxxxxxx0x00x XXXxxXXXx0x
運営権者 商号又は みおつくし工業用水コンセッション株式会社
名称
代表者 代表取締役 xx xx ㊞
目 次
第1条 本契約は,市及び運営権者が相互に協力し,本事業を円滑に実施するために必要な一切の事項を定めることを目的とする。 1
第2条 本事業は,特定事業,附帯事業及び任意事業から構成される。 1
第3条 本契約は,要求水準書,募集要項等及び提案書類と一体の契約であり,これらはいずれも本契約の一部を構成する。また,本契約の定めに基づき,別途市と運営権者の間で締結される契約等(ただし,運転管理等業務委託契約を除く。)は,いずれも本契約の一部を構成する。 1
第4条 本事業に要する資金調達は,本契約に別段の定めがある場合を除き,すべて運営権者の責任において行うものとする。 1
第5条 本事業において運営権者が収受する利用料金,一部負担金及び末端xx撤去関連費用は,運営権者の収入とする。 1
第6条 運営権者は,自らの責任及び費用負担により,本事業開始予定日までに,本事業の実施に必要となる工業用水道事業法第3条第2項に規定する経済産業大臣の許可を取得しなければならない。また,運営権者は,当該許可取得日以降,工業用水道事業法に従って必要な許可の取得,報告,届出等を実施し,本事業期間にわたり当該許可を維持しなければならない。 2
第7条 前条第1項に規定する許可のほか,本事業の実施に必要となる一切の許認可等は,運営権者が自らの責任及び費用負担により取得し,本事業期間にわたり維持しなければならない。また,運営権者が本事業を実施するために必要となる一切の届出及び報告は,運営権者が自らの責任において作成し,提出するものとする。ただし,市が許認可等の取得又は届出をする必要がある場合には,市が必要な措置を講ずるものとし,当該措置について市が運営権者の協力を求めた場合には,運営権者はこれに応じるものとする。なお,市は,別紙3に記載の許認可等について,本事業期間中これを維持するものとし,当該許認可等が本事業に必要とされなくなった場合又は変更が必要となった場合には,運営権者と協議の上,対応するものとする。 2
第8条 運営権者は,本契約締結後速やかに,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に従い,大要別紙4の内容で本事業に係る供給規程を作成の上,市に提出し,供給規程の内容について市と十分に協議しなければならない。運営権者が供給規程を変更しようとする場合も同様とする。 2
第9条 運営権者は,本契約に別段の定めがある場合を除き,本事業の実施に係る一切の責任を負うものとする。また,運営権者は,本契約に別段の定めがある場合を除き,本事業の実施に要する費用をすべて負担する。 3
第10条 運営権者は,本契約締結日現在において,市に対して次の各号に掲げる事実を表明し,保証する。 3
第11条 運営権者は,本事業開始予定日までに,別紙5-1に記載のとおり,市との間で,①運営権設定対象施設の引渡し,②運営権者譲渡対象資産の譲渡,③運営権者貸付対象資産の貸付け及び④運営権者承継対象契約の承継(契約相手方の承諾の取得を含む。)を完了しなければならない。各承継等の方法については,別紙5-1に記載のとおりとし,運営権者譲渡対象資産の譲渡については,別紙5-2の様式に従って物品譲渡契約を,運営権者貸付対象資産の貸付けについては,別紙5-3の様式に従って物品貸付契約を,それぞれ締結する。運営権者は,承継した運営権者承継対象契約について,本事業期間中,別紙5-1に記載の条件及び期間で継続するものとする。 4
第12条 市は,本契約締結日から本事業開始日までの間,本事業に関し,自ら又は利用者の費用負担により,次の各号に掲げる工事のうち,別紙12-1に定める工事のみを行う。 5
第13条 第11条第1項の規定により引き渡された運営権設定対象施設について,種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)(本事業開始日時点で,当該施設において法令等上又は要求水準上求められる基準を満たさないこととなる物理的な契約不適合であって,募集要項等市が優先交渉権者に開示した資料及び本契約締結前に優先交渉権者又は運営権者が知り得た情報から合理的に予測することのできないものに限る。なお,①経年劣化(経年劣化に伴うxxの不具合を含む。),②本事業開始日以降に生じた第三者破損による運営権設定対象施設の不具合及び③関連資料集Jに示す運営権設定対象施設の不具合は契約不適合に該当しない。以下本項,第2項及び第3項において同じ。)が発見された場合,運営権者は,本事業開始日以後1年以内(以下本条において「契約不適合責任期間」という。)に市に通知する。市は,契約不適合責任期間内に運営権者から当該通知があった場合であって,当該契約不適合から運営権者に生じた損害又は費用等の額が1件につき100万円(消費税及び地方消費税相当額を含まない金額とする。)を超えた場合に限り,市において当該契約不適合の修補を行い,又は当該契約不適合に起因して運営権者に生じた損害又は費用等を補償するものとし,その時期及び方法については,市及び運営権者の協議により定める。なお,運営権設定日以後本事業開始日までの期間に契約不適合が発見された場合も同様とする(ただし,この場合,契約不適合から運営権者に生じた損害又は費用等の額を問わない。)。 5
第14条 市は,本事業開始日において締結している別紙6-1に記載の協定等について,本事業期間中,これを維持するものとし,当該協定等が本運営事業に必要とされなくなった場合又は変更が必要となった場合には,運営権者と協議の上,対応するものとする。 7
第15条 運営権者は,本事業期間を通じて,要求水準書に定めるところに従い,24時間365日の安定給水を行うための本事業の実施体制及び市との連絡体制を確保する。 7
第16条 運営権者が,市の職員(以下「市職員」という。)の派遣を要請した場合には,市及び運営権者は,市職員の派遣について協議する。 7
第3章 本運営事業用地及び運営権設定対象施設に対する使用権の設定等 7
第17条 運営権者は,本事業を実施するにあたり,別紙7に定める行政財産目的外使用許可に基づく第三者による本運営事業用地の使用を妨げないものとする。 7
第18条 市は,本事業開始日において,民法第593条に基づく使用貸借として,運営権設定対象施設のうち,水道メーター(以下「水道メーター」という。)を運営権者に無償で貸し付け,これを運営権者に引き渡す(なお,水道メーターの設置又は更新等に要した費用については,第59条の規定に従う。)。水道メーターの貸付期間は本事業期間と同じとし,本契約が何らかの理由により解除され,又は終了した場合,当該使用貸借も当然に終了するものとする。 7
第19条 市及び運営権者は,基本協定書に基づき運営権者に対して運営権設定対象施設に設定された運営権が,第22条第1項及び第2項に定める本運営事業の開始条件(同条第3項ただし書により市が充足しないことを認めた条件を除く。)がすべて満たされたことをもって,その効力が発生することを確認する。かかる効力発生により,当該効力発生時点における運営権設定対象施設の運営等に関する権利及び責任は,本契約で別途定める場合を除き,市から運営権者に移転する。 8
第20条 運営権者は,別紙8に定める方法により,市に対して,本事業期間中,運営権対価並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を支払う。運営権者は,運営権対価に利息を付すことを要しない。 8
第21条 前条の規定による運営権対価の支払いが前条第1項又は第3項に定める期日よりも遅延した場合,運営権者は,当該遅延期間に応じ第122条に規定する遅延利息を市に支払わなければならない。 8
第22条 運営権者は,本事業開始予定日までに,次の各号に掲げる本運営事業の開始条件を充足しなければならない。 8
第23条 運営権者は,市がPFI法第21条第1項の規定により指定する本事業開始予定日までに,前条第1項に規定する開始条件(同条第3項ただし書により市が充足しないことを認めた条件を除く。)をすべて充足させ,本運営事業を開始しなければならない。 10
第24条 運営権者は,本事業期間中,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に従い,次の各号に掲げる特定事業を実施するものとする。各業務の内容の詳細については,要求水準書及び募集要項等に定める内容に従うものとする。 10
第25条 運営権者は,本事業期間中,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に従い,附帯事業として次の各号に掲げる給水施設に関する業務を実施するものとする。各業務の内容の詳細については,要求水準書及び募集要項等に定める内容に従うものとする。 11
第26条 運営権者は,自ら又は運営権者子会社等をして,本事業期間中,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に従い,市の事前の承認を得た上で,任意事業を実施することができる。 12
第27条 運営権者は,本事業期間中,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に定めるところに従い,本事業に係る業務(委託禁止業務を除く。以下本条において同じ。)の一部を第三者に委託し,又は請け負わせることができる。 12
第28条 運営権者は,本事業に係る組織体制について,事業体制図並びに各役員及び責任者(要求水準書第2-3-(2)-ウ-(イ)に定める責任者をいう。以下本項において同じ。)の一覧表を作成し,かつ,備え置くとともに,本事業開始予定日までに当該事業体制図及び一覧表を市に提出しなければならない。また,①事業体制の変更又は②役員若しくは責任者について配置変更等を行う場合は,都度,かかる事業体制図及び一覧表を修正し,その変更理由を添えて市に提出しなければならない。 13
第29条 運営権者は,本事業期間を通じて,自らの責任及び費用負担において,別紙11に定める種類及び金額の保険をxxしなければならない。ただし,運営権者は,市が事前に承諾した場合には,保険のxxに代わる措置を取ることができる。 14
第30条 市は,法令等の変更により要求水準の内容を変更する必要が生じた場合には,当該変更内容を運営権者に対して通知し,以後,要求水準は当該通知に従って変更されたものとみなし,運営権者はこれを遵守するものとする。この場合,第71条及び第72条の定めに従うものとする。 14
(市による新たな施設の建設又は運営権設定対象施設以外の既存施設の更新等) 14
第31条 市は,公益上の必要がある場合,本運営事業に関連する新たな施設(第57条第1項の適用対象となる施設を除く。)の建設又は運営権設定対象施設以外の既存施設の更新等を実施することができる。この場合において,市は,市の決定に従って,当該施設の建設又は既存施設の更新等に伴う要求水準の変更内容を運営権者に対して通知した上で,当該施設の建設又は既存施設の更新等を行うことができるものとする。かかる通知をもって,要求水準は変更されたものとみなし,運営権者は,当該変更後の要求水準を遵守しなければならない。 14
第32条 運営権者は,要求水準書,募集要項等及び提案書類に基づき,事前に市との間で協議及び調整を行った上で,本事業開始予定日から,令和14年3月31日までの期間についての本事業に係る全体事業計画書の案を作成し,令和3年12月末日までに,市に提出しなければならない。運営権者は,全体事業計画書の案を作成するに当たっては,基本的に要求水準書に定める事項の範囲で運営権者が提案書類において本事業の実施に関して提案した内容に準拠するとともに,次の各号に掲げる事項その他要求水準書に定める項目(なお,記載方法等の詳細については,市が別途指定する。)を記載するものとする。 15
第33条 運営権者は,要求水準書,募集要項等及び提案書類に基づき,事前に市との間で協議及び調整を行った上で,第1期計画期間についての本事業に係る中期事業計画書の案を作成し,令和3年12月末日までに,市に提出しなければならない。運営権者は,当該計画期間についての本事業に係る中期事業計画書の案を作成するに当たっては,基本的に要求水準書に定める事項の範囲で運営権者が提案書類において本事業の実施に関して提案した内容に準拠するとともに,次の各号に掲げる事項その他要求水準書に定める項目(なお,記載方法等の詳細については,市が別途指定する。)を記載するものとする。 16
第34条 運営権者は,要求水準書,募集要項等及び提案書類に基づき,事前に市との間で協議及び調整を行った上で,本事業開始予定日を含む事業年度についての本事業に係る単年度事業計画書の案を作成し,令和3年12月末日までに,市に提出しなければならない。運営権者は,本事業開始予定日を含む事業年度についての本事業に係る単年度事業計画書の案を作成するに当たっては,基本的に要求水準書に定める事項の範囲で運営権者が提案書類において本事業の実施に関して提案した内容に準拠するとともに,次の各号に掲げる事項その他要求水準書に定める項目(なお,記載方法等の詳細については,市が別途指定する。)を記載するものとする。 18
第35条 市は,必要があると認めるとき(施設管理者の指示があった場合を含むが,これに限られない。)は,運営権者に対し,前三条に基づいて承認した事業計画書の変更を求めることができる。 21
第36条 運営権者は,本事業期間中,各四半期(ただし,第四四半期を除く。)の末日から45日以内に,本事業の財務及び財務の健全性に係る指標の実績値並びに単年度事業計画書に対する進捗状況に関する四半期事業報告書を作成し,市に提出しなければならない。 21
第37条 運営権者は,本事業期間中,各計画期間の末日(及び第33条第9項の規定により延長期間についての中期事業計画書が作成された場合には,当該中期事業計画書の対象期間の末日)から3ヶ月以内に,本事業の業務に関する中期事業報告書を作成し,市に提出しなければならない。 21
第38条 運営権者は,不可抗力を含む災害又は事故等の緊急時には事業継続計画に従い対応するものとし,対応中及び対応後に報告書等を作成し,市に報告しなければならない。 22
第39条 運営権者は,本事業について,要求水準書の定めに従い,区分経理を行う。 22
第40条 運営権者は,本事業期間中,次の各号に掲げる運営権者及び運営権者子会社等の情報について,要求水準書に定める経理の区分に応じ,当該各号に掲げる期限までに,市に報告するものとする。なお,運営権者及び運営権者子会社等の事業年度の期間及び決算期間は同一としなければならない。 22
第41条 運営権者は,本事業期間中,要求水準書及び募集要項等に定める事項並びに本事業に関し市が必要と認めて(固定資産台帳の整理等のため必要があるときを含むが,これに限られない。)報告を求めた事項及び提出を求めた書類について,要求水準書及び募集要項等に定める期限までに(報告又は提出の期限が定められていない場合には遅滞なく)市に報告し,又は提出しなければならない。 23
第43条 運営権者は,xx(取水管及び浄配水場の構内配管並びにこれらの附属設備(制水弁,空気弁,消火栓,排水設備等)を除く。以下本条において同じ。)について,維持保全,緊急修繕及び支障移設等(支障移設に係るxxの移設,新設,撤去及び防護並びに鉄蓋(制水弁,消火栓等)の高さ調整を含むが,これらに限られない。以下同じ。)を行う。ただし,xx及び給水施設(道路部分に存在する給水施設に限る。以下本条において同じ。)において,突発的な漏水事故等が発生した際の緊急作業(要求水準書第4-3-(4)-ア-(ウ)において市水道事業がxx的に実施するものとしている業務に限る。)は,市が別紙16に従い実施する。 23
第44条 本事業期間中,①原水水質の異常による取水停止,②施設若しくはxxの突発的な故障又は破損,③停電による施設の停止,④災害等に伴う施設又はxxの破損,⑤工事の施工その他の要因に起因して,工業用水の供給に支障があり,水道事業からのバックアップを行う必要が生じた場合,運営権者は,市が別途指定する様式により,バックアップの手法,バックアップを要する理由及び期間並びに想定応援給水量等について,市と事前に協議を行った上で,市に対し,水道事業からのバックアップを要請することができる。市は,当該要請を受けた場合,別紙17に従い水道事業からのバックアップを実施する。 25
第45条 運営権者は,要求水準書,募集要項等,提案書類及び第32条から第34条までの規定により市の承認を得た事業計画書に従って計画業務,設計業務及び施工業務を行うものとする。ただし,緊急やむを得ない事情がある場合として市が別途認めた場合は,この限りではない。 26
第46条 市は,必要があると認めるときは,運営権者に対し,第32条から第34条までの規定に基づいて承認した事業計画書のうち施設管理計画及びxx管理計画(運営権設定対象施設の更新等に関する部分に限る。以下本条において「更新計画」という。)の変更を求めることができる。 26
第47条 運営権者は,事業計画書に従って運営権設定対象施設の施工業務を行うために必要な,市水道局が実施する施設管理者及び交通管理者に対する各種申請及び届出(ただし,①市水道事業がxx的に実施する突発的な漏水事故等が発生した際の緊急作業に伴うもの,又は②施設管理者若しくは交通管理者から市水道局が当該申請及び届出を実施するよう求められたものに限る。)に関し,当該申請及び届出を市が実施する場合には,申請書類,届出書類及び図面等の関係図書(以下「申請書類等」という。)を市水道局に提出し,市水道局の承認を得なければならない。 26
第48条 運営権者は,事業計画書に従って計画業務,設計業務及び施工業務を行う場合には,本契約,要求水準書,募集要項等,モニタリング計画及び提案書類に従って,あらかじめ設計図書その他モニタリング計画に示す重要管理点に係る計画書等の書類(以下本条において「設計図書等」という。)を市に提出し,市の承認を得なければならない。 27
第49条 第47条に規定するほか,設計業務及び施工業務の実施に当たって,市が関係機関への申請,報告及び届出等を必要とする場合,運営権者は,書類作成及び手続等について,必要な協力を行うものとする。また,設計業務及び施工業務の実施に関して市が取得した許認可等について,当該設計業務及び施工業務の実施に関して条件が付された場合には,運営権者は,当該条件に従って当該設計業務及び施工業務を実施するものとする。 27
第50条 運営権者は,運営権設定対象施設の施工業務(当該施工業務と合わせて実施する給水管接合替並びに当該施工業務に準じて実施する①末端xxの撤去工事,②xxの維持保全,③緊急修繕工事,④支障移設等及び⑤給水施設工事を含む。)を完了したときは,当該施工業務の内容が要求水準を満たしていることを確認するため,工事完成検査を実施するものとする。 28
第51条 本事業における運営権設定対象施設の施工業務の目的物は,市による当該工事の完成の確認をもって市の所有に属し,当然に運営権設定対象施設に含まれるものとして運営権の効力が及ぶものとする。 28
第52条 第50条第4項に基づいて市が運営権者から引渡しを受けた工事の目的物について,破損等の契約不適合が発見された場合,市は,当該工事の目的物の引渡しから1年以内に限り,運営権者に対し,相当の期間を定めて,当該契約不適合の修補を請求し,又は修補に代えて若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。ただし,当該契約不適合について運営権者に故意又は重過失がある場合には,本項に基づく運営権者の責任期間は,当該工事の目的物の引渡しから10年,又は市が当該契約不適合を知った時から5年のいずれか短い期間とする。 28
第53条 運営権者は,特定事業における自らの維持修繕及び運営に係る費用の削減並びに運営権設定対象施設の資産価値の増加等を目的として,必要な機器及び構築物等を自らの費用負担により設置又は建築することができるものとし,新たに設置した機器及び建築した構築物等は,運営権者が所有するものとする。ただし,設置又は建築に当たっては,運営権者は,本事業運営上の必要性,周辺施設への影響,浄配水場の将来計画等を十分に検討した上で,事前に市と協議を行い,当該機器等の設置又は構築物等の建築の可否に関する市の承認を得なければならない。 29
第54条 運営権者は,本事業の実施に当たり,本事業の円滑な運営のため,市と綿密に連絡調整を行うとともに,市の指示に従い,各種資料の作成,情報提供等を行うものとする。運営権者は,本事業開始日の前日までに市が締結し,履行が終了していない契約に基づく建設工事,施設撤去工事,上水道の配水管更新・維持保全その他市が実施する工事等について,市及び運営権者の双方の業務が円滑に行えるよう,市と適宜調整を行うものとする。 29
第55条 運営権者は,本契約締結日以降,市が行う補助金の申請手続等についての検討及び書類作成等の支援を行う。 29
第56条 市は,本事業開始日以降においても,次の各号に掲げる工事のうち,別紙12-2に定める工事を実施することができるものとし,運営権者は,市による第1号及び第2号に掲げる工事の完了後速やかに,当該工事の対象となった運営権設定対象施設の引渡しを受けるものとする。 30
第57条 市は,前条に定めるもののほか,公益上の理由を検討した上で必要と判断した場合,市が実施主体となり,市の費用負担により,運営権の同一性が維持される限度で,本事業に係る新たな施設の建設又は運営権設定対象施設の更新等を行うことができ,運営権者はかかる建設又は更新等に最大限協力しなければならない。当該建設又は更新等に係る部分は,当然に運営権設定対象施設に含まれるものとして運営権の効力が及ぶものとする。 30
第58条 運営権者は,本運営事業を実施するに当たり,既存技術の陳腐化等への対応のために新技術を導入する必要がある場合は,自らの費用負担により,当該新技術を導入し,使用するものとする。ただし,市が当該新技術の導入を要求し,当該新技術の導入及び使用に係る費用が当該新技術を導入しなかった場合の費用を上回る場合は,市が当該新技術の導入及び使用に係る費用と当該新技術を導入しなかった場合の差額を負担するものとする。 31
第59条 運営権者は,①別紙13に定める本事業開始日の前日までに市が建設又は更新等を実施した運営権設定対象施設及び②第56条第1項に基づき引渡しを受けた運営権設定対象施設について,PFI法第20条に基づき,本事業期間中に市が計上する減価償却費相当額(以下「20条負担金」という。)並びにこれに係る消費税及び地方消費税額相当額を負担する。 31
第60条 運営権者は,運営権設定対象施設以外で,本事業の実施のために使用する上工共有施設等に係る次の各号に掲げる費用(以下「非運営権設定対象施設等関連費用」という。)を負担する。なお,非運営権設定対象施設等関連費用の金額(第1号に掲げるものを除く。)は,当該上工共有施設等に関して市が負担した実費(公共調達手続により決定した契約額等)相当額のうち,本事業に関連する事業量等に基づき市が別途合理的に算定する金額とする。 31
第61条 運営権者は,20条負担金のほか,本事業期間中における運営権設定対象施設に関連する費用として,次の各号に掲げる費用(以下「その他運営権設定対象施設関連費用」という。)を負担する。なお,その他運営権設定対象施設関連費用の金額は,運営権設定対象施設に関して市が負担した実費(公共調達手続により決定した契約額等)相当額のうち,本事業に関連する事業量等に基づき市が別途合理的に算定する金額とする。 32
第62条 前二条に基づき市が運営権者に支払いを求めることができる非運営権設定対象施設等関連費用及びその他運営権設定対象施設関連費用の合計額は,1事業年度当たり283,000,000円並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額の合計額を上限(以下本条において「上限額」という。)とする。ただし,第60条第1項第1号,第2号及び第8号並びに前条第1項第3号に掲げる費用は,上限額の算定において加算されないものとする。 33
第63条 運営権者は,本事業期間にわたり,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類,大阪市実施方針条例その他関連する法令等,並びに供給規程に従い,利用者から利用料金を収受する。 33
第64条 運営権者は,本事業に係る事業環境が著しく変化する場合として別紙15に定める事象が発生し,当該事象の影響により運営権者の将来的な事業継続が危ぶまれる場合,市に対し,協議を申し入れることができる。 34
第65条 運営権者は,供給規程において,メーター料を収受する旨及びその金額を規定した場合には,本事業期間にわたり,利用者からメーター料を収受することができる。ただし,供給規程に規定すべきメーター料の金額は,別紙4に定める金額とする。 34
第66条 運営権者は,利用者から利用料金並びにメーター料及び給水施設工事費用を直接収納するものとする。 34
第67条 市は,単年度事業計画書に基づいて運営権者が実施する本運営事業に係る更新等に要する費用(水道メーターについては,本事業開始日以降に実施する新規設置(取替としての設置を含まない。)に要する費用に限るものとし,その金額は,水道メーターの取得価額とする。以下本条において同じ。)の一部を,一部負担金として運営権者に対して支払うものとする。また,市は,緊急やむを得ない事情によって実施された単年度事業計画書に記載のない更新等に要する費用の一部を,一部負担金として運営権者に対して支払うものとする。ただし,単年度事業計画書に記載のない更新等に係る費用のうち,一部負担金の対象となる費用は,単年度事業計画書に定める本運営事業に係る更新等に要する費用から,当該単年度事業計画書に基づいて運営権者が実施する本運営事業に係る更新等に実際に要した費用を控除した金額を限度とする。 35
第68条 市は,本契約で別途定める場合を除き,運営権者による本事業の実施に対して,何らの対価を支払う義務を負わない。 37
第69条 本契約で別途定める場合を除き,本事業開始日以降,不可抗力が発生した場合,運営権者は,その内容の詳細を記載した書面をもって,直ちに市,利用者及び経済産業省に対し通知するとともに,事業継続計画に従い初動対応をしなければならない。ただし,緊急対応が必要な場合には,運営権者は,自らの判断により臨機の措置を取ることができ,かかる措置を取った後速やかに市,利用者及び経済産業省に報告することとする。 37
第70条 不可抗力により,本運営事業について運営権者又は市に増加費用又は損害が生じたときは,本契約に別段の定めがある場合を除き,市及び運営権者は,次の各号の定めに従い,当該増加費用又は損害を負担するものとする。 37
第71条 運営権者は,本契約締結日以降の法令等の変更(特定法令等変更及び特定条例等変更を含むが,これらに限られない。)により本事業の実施が困難となった場合又は困難となることが見込まれる場合,その内容の詳細及び対応方針を直ちに市に対して通知しなければならない。 38
第72条 本契約で別途定める場合を除き,本契約締結日以降の法令等の変更により本運営事業について運営権者に増加費用又は損害が生じたときは,運営権者が当該増加費用又は損害を負担するものとする。ただし,特定条例等変更により(運営権者の責めに帰すべき事由により当該特定条例等変更が行われた場合を除く。),本運営事業について運営権者に増加費用又は損害が発生した場合,市は,当該増加費用又は損害について補償するものとする。 39
第73条 運営権者は,運営権者が本事業の実施に際し,第三者に損害を及ぼした場合は,直ちにその状況を市に報告しなければならない。 39
第74条 本運営事業の実施自体に対する反対運動又は訴訟等により,本事業期間の変更,本事業の中断若しくは延期又は運営権設定対象施設に物理的な破損等が発生した場合であって,かかる事象に起因して運営権者に増加費用又は損害が発生したときは,市は,当該増加費用又は損害(ただし,弁護士費用その他の訴訟費用は含まない。)を運営権者に補償するものとする。 40
第75条 市は,次の各号に掲げる場合に限り,特定事業における,原水の水量又は水質の変動に起因して運営権者に生じた増加費用又は損害を負担する。 40
第76条 本契約に別段の定めがある場合を除き,市又は運営権者が本契約に定める義務に違反した(以下本条において,この場合における当該市又は運営権者を「違反当事者」という。)ことにより相手方当事者に損害が発生したときは,相手方当事者は違反当事者に対し損害賠償を請求することができる。 40
第77条 運営権者は,本契約締結後速やかに,市との間で協議及び調整を行った上で,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に基づき,本事業におけるセルフモニタリングの実施体制,要求水準の確認に関する実施方法,要求水準の未達時に関する対応の実施方法及びセルフモニタリング結果の公表に関する方針等を記載したセルフモニタリング計画を作成し,市の承認を得なければならない。 41
第78条 市は,本契約締結後速やかに,モニタリング計画(案)に,前条第1項に基づいて市の承認を得たセルフモニタリング計画を加えて,モニタリング計画として策定するものとする。 41
第79条 前二条に規定するモニタリングの結果,本事業について要求水準を充足していない事項が存在することが判明した場合,市は,モニタリング計画の定めるところに従って,運営権者に対して要求水準未達違約金の支払いを求めることができる。 41
第80条 市は,PFI法第29条第1項各号に規定する事由が生じたと判断した場合(要求水準が達成されていないことが判明した場合において,運営権者のみでは改善が見込まれず,要求水準の達成が困難であると市が判断したときを含むが,これに限られない。),同条第2項の規定による聴聞を行った上で,同条第1項の規定に基づき,市の判断で,必要な期間及び必要な範囲において運営権の行使の停止を命ずることができる。この場合,市は,当該停止した本運営事業を自ら行い,又は第三者に委託した上で,当該第三者(以下本項において「受託者」という。)をして行わせることができ,また,運営権者に対して,市又は受託者による当該事業の実施について協力(運営権者が所有する資産についての市又は受託者による一時的な使用,締結している契約についての市又は受託者による一時的な承継その他の協力を含むが,これらに限られない。)を要請することができ,運営権者はこれに協力しなければならない。 42
第81条 市は,PFI法第28条の規定により,運営権者による本事業の適正を期するため,運営権者に対して,本事業の業務若しくは経理の状況に関し報告を求め,実地について調査し,又は必要な指示をすることができる。 42
第82条 運営権者は,本事業期間中,市の事前の承諾なく,自らの子会社又は関連会社を設立し,又はその株式若しくは持分を保有してはならない。 42
第83条 運営権者は,運営権者又は運営権者子会社等についての次の各号に掲げる書面(ただし,第1号に規定する定款及び第4号に規定する株主名簿については原本証明付写しとする。)を,本契約締結後速やかに(ただし,第5号及び第6号に規定する契約書については,当該契約の締結後速やかに)市に提出するほか,これらの記載内容が変更された場合,変更後の書面(ただし,第1号に規定する定款及び第4号に規定する株主名簿については原本証明付写しとする。)を,当該変更から10日以内に市に対して提出する。 43
第84条 運営権者は,市の事前の書面による承認を得ることなく,運営権その他本契約上の地位及び本事業について市との間で締結した契約に基づく契約上の地位並びにこれらの契約に基づく運営権者の権利及び義務について,譲渡,担保提供その他の方法による処分(以下本条から第86条までの規定において「処分」という。)を行ってはならない。 44
第85条 運営権者は,市の書面による事前の承認を得ることなく,利用者に対して有する利用料金債権並びにメーター料債権及び給水施設工事費用債権について処分を行ってはならない。 45
第86条 運営権者は,本議決権株主に異動等があり,株主名簿の記載内容が変更された場合,直ちに市に対して最新の株主名簿の原本証明付写しを提出し,市の求めに応じてその他株主に関する情報を提供する。 45
第87条 本契約は,本契約に別段の定めがある場合を除き,本契約締結日を始期とし,本事業終了日又は本契約が解除され,若しくは終了した時点まで効力を有する。 46
第88条 運営権者は,本事業開始日を始期とし,令和14年3月31日(又は本契約に基づき本事業期間が変更された場合は当該変更後の日)を本事業終了日とする期間中,本事業を実施する。ただし,本事業終了日よりも前に本契約が解除され,又は終了した場合には,第100条から第107条までの規定に従う。 46
第89条 本事業終了日までに,運営権者は,自らの責任及び費用負担により,市又は市の指定する者に本運営事業が円滑に引き継がれるよう,次の各号に掲げる内容を含む事業の引継ぎをしなければならない。 47
第90条 運営権者は,本事業終了日又はそれ以降の市が指定する日に,運営権設定対象施設を市又は市の指定する者に引き渡し,本運営事業用地を市又は市の指定する者に明け渡さなければならない。その引渡しに当たっては,運営権者は,本事業終了日に運営権設定対象施設が適切な状態にあること及び本事業に係る運営の円滑な移行を確保することを目的として,必要に応じて,引渡時点において要求水準を充足させるため必要な措置を実施する。 48
(本事業終了日までに申込みのあった給水施設工事の取扱い) 49
第91条 本事業終了日までに運営権者に対して申込みのあった給水施設工事で,本事業期間中に完成しないものがある場合,運営権者は,本事業終了日以降も当該工事を実施し,これを完了しなければならない。 49
第92条 運営権者は,運営権設定対象施設の引渡しの時点においても要求水準書に定める項目を満たさない事項が存在する場合には,第90条第1項第二文に規定する措置に加えて,市に対し,要求水準を充足させるために必要となる費用等を支払うものとする。ただし,市が認めた場合には,未払いの一部負担金に係る支払額及び第90条第2項の規定による未払いの打ち切り竣工の出来形部分に係る支払額から控除する方法により支払うことができる。 49
第93条 第90条第1項の規定により引き渡された運営権設定対象施設又は同条第2項及び第3項の規定により譲渡された資産について契約不適合(なお,①経年劣化(経年劣化に伴うxxの不具合を含む。),②本事業終了日以降に生じた第三者破損による運営権設定対象施設の不具合,③関連資料集Jに示す運営権設定対象施設の不具合及び④市水道事業がxx的に実施する突発的な漏水事故等が発生した際の緊急作業(ただし,本事業終了日の1年前の応当日以降に市による完了報告書(別紙16 2.(10)に規定する完了報告書をいう。)が提出されたものに限る。)の対象物件の不具合は契約不適合に該当しない。以下本条において同じ。)が発見された場合,市又は市の指定する者は,本事業終了日から1年以内(ただし,運営権設定対象施設について第52条第2項に基づく責任期間が本事業終了日から1年後の応当日以降に及んでいる場合には当該責任期間内)(以下本条において「契約不適合責任期間」という。)に,運営権者に通知する。運営権者は,契約不適合責任期間内に市又は市の指定する者から当該通知があった場合であって,当該契約不適合から市又は市の指定する者に生じた損害又は費用等の額が1件につき100万円(消費税及び地方消費税相当額を含まない金額とする。)を超えた場合に限り,運営権者において,相当の期間内に,当該契約不適合の修補を行い,又は当該契約不適合に起因して市又は市の指定する者に生じた損害又は費用等を賠償するものとする。ただし,当該契約不適合について運営権者に故意又は重過失がある場合には,契約不適合責任期間は,本事業終了日から10年,又は市が当該契約不適合を知った時から5年のいずれか短い期間とする。また,第89条の規定により運営権者から市又は市の指定する者に提供された情報等に契約不適合(情報の齟齬,矛盾,欠缺,権利の瑕疵を含むが,これらに限られない。)が発見された場合についても,本事業終了日から1年(ただし,当該契約不適合について運営権者に故意又は重過失がある場合には,本事業終了日から10年,又は市が当該契約不適合を知った時から5年のいずれか短い期間とする。)以内に限り,同様とする。 49
第15章 契約の解除又は終了及び解除又は終了に伴う措置 50
第94条 市は,次の各号に掲げる事由が発生したときは,催告することなく本契約を解除することができる。 50
第95条 市又は運営権者は,市又は運営権者のいずれの責めにも帰すべきでない事由(不可抗力の場合を除く。)により,本事業開始日が本事業開始予定日より6ヶ月以上遅延することが明らかとなった場合,催告することなく本契約を解除することができる。 52
第96条 市は,公益上やむを得ない必要が生じたときは,6ヶ月以上前に運営権者に対して通知することにより,本契約を解除することができる。 52
第97条 市の責めに帰すべき事由により,市が本契約上の市の重大な義務に違反し,運営権者から60日以上の当該不履行を是正するのに必要な合理的期間を設けて催告を受けたにもかかわらず,当該期間内に当該不履行が是正されない場合,又は市の責めに帰すべき事由により本契約に基づく運営権者の重要な義務の履行が不能になった場合は,運営権者は,市に対し,解除事由を記載した書面を送付することにより,本契約を解除することができる。 52
第98条 すべての運営権設定対象施設が不可抗力により滅失した場合,運営権は消滅し,本契約は当然に終了する。 52
(特定法令等変更又は特定条例等変更による本契約の解除) 53
第99条 本事業期間中に発生した特定法令等変更(市の責めに帰すべき事由により当該特定法令等変更が行われた場合を除く。)により,本事業の継続が不可能又は著しく困難であると判明したときは,市は,運営権者と協議の上,本契約を解除することができる。なお,運営権者との協議が整わないことは,市による解除権の行使を妨げるものではない。 53
第100条 市及び運営権者は,合意により本契約を解除することができる。この場合,本契約に別途定めるほか,解除の効果については市及び運営権者の合意により決定する。 53
第101条 本事業開始日前に,第94条から前条までの規定により本契約が解除され,又は終了した場合,第89条から第93条までの規定は適用しない。ただし,当該解除又は終了時点までに第11条第1項の規定により本運営事業の承継等を実施していた場合には,承継等に際して交付された資産又は資料の返還等の必要な措置を行うものとする。この場合,当該承継等及び措置に要した費用は各自これを負担する。 53
第102条 本事業開始日以後に,第94条から第100条までの規定により本契約が解除され,又は終了した場合,第89条から第93条までの規定につき,「本事業終了日」を「本契約の解除日又は終了日」に適宜読み替えて適用する。ただし,以下の各号に記載されている規定については,当該各号の定めに従う。 53
第4節 解除又は終了の効果(運営権者の事由による解除又は終了) 55
第103条 第94条各項又は第97条第2項(運営権者の責めに帰すべき事由による場合に限る。)の規定により本契約が解除され,又は終了した場合,運営権者は,市に対して市の指定する期限までに次項に定める契約解除違約金その他の金員を一括で支払わなければならない。 55
第104条 第94条各項の規定により本契約が解除された場合,PFI法第29条第1項第1号ホに規定する重大な違反があったものとして,行政手続法第13条第1項第1号に規定する聴聞手続を執った上で(同条第2項に該当するときは直ちに),市はPFI法第29条第1項第1号の規定により運営権を取り消し,市及び運営権者は,遅滞なく運営権の抹消登録を行う。また,第97条第2項(運営権者の責めに帰すべき事由による場合に限る。)の規定により本契約が終了した場合には,市及び運営権者は,遅滞なく運営権の抹消登録を行う。 55
第5節 解除又は終了の効果(市の事由又は双方無責の事由による解除又は終了) 55
(運営権取消等及び損失の補償-市事由又は双方無責の事由による解除又は終了) 55
第105条 第95条,第96条,第97条第1項又は第99条第2項の規定により本契約が解除された場合,市は,行政手続法第13条第1項第1号の規定による聴聞手続を執った上で(同条第2項に該当するときは直ちに),PFI法第29条第1項第2号の規定により運営権を取り消し,市及び運営権者は,遅滞なく当該運営権の抹消登録を行う。また,第97条第2項(運営権者の責めに帰すべき事由による場合を除く。)の規定により本契約が終了した場合には,市及び運営権者は,遅滞なく運営権の抹消登録を行う。 55
第6節 解除又は終了の効果(特定法令等変更による解除) 56
(運営権放棄等及び損害の負担-特定法令等変更による解除) 56
第106条 第99条第1項の規定により本契約が解除された場合,市は,自らの判断により,運営権者に対して,運営権を放棄させるか又は市の指定する者に無償で譲渡させることができ,運営権者は,市の指示に従うものとする。 56
第7節 解除又は終了の効果(不可抗力による解除又は終了) 56
(運営権放棄等及び損害の負担-不可抗力による解除又は終了) 56
第107条 第98条第1項の規定により本契約が終了した場合,市及び運営権者は,遅滞なく運営権の抹消登録を行う。また,第98条第2項の規定により本契約が解除された場合,市は,自らの判断により,運営権者に対して,運営権を放棄させるか又は市の指定する者に無償で譲渡させることができ,運営権者は市の指示に従うものとする。 56
第108条 運営権者は,本事業終了日又は本契約の解除若しくは終了時点においてもなお運営権者が本契約に基づく金銭債務を負担すると市が合理的に認める場合には,市の事前の書面による承諾を得ることなく,当該金銭債務の支払いが完了するまで,解散等を行ってはならない。 57
第109条 市が,本事業の募集段階又は本契約に基づき,運営権者に対して提供した情報,書類及び図面等(市が著作権を有しないものを除く。)について,著作権,特許権,実用新案権,意匠権,営業秘密の権利,商標権その他一切の知的財産権(以下本章において「知的財産権」という。)が存する場合,その知的財産権は,市に帰属する。 57
第110条 市は,成果物について,市の裁量により無償で利用する権利及び権限を有するものとし,その利用の権利及び権限は,本契約の終了後も存続するものとする。 57
第111条 運営権者は,自ら又は著作権者をして,成果物及び運営権設定対象施設に係る著作者の権利を第三者に譲渡し,若しくは継承し,又は譲渡させ,若しくは継承させてはならない。ただし,事前に市の書面による承認を得た場合は,この限りではない。 58
第112条 運営権者は,成果物及び運営権設定対象施設(運営権者が更新を行った部分に限る。以下本条において同じ。)が,第三者の有する著作権を侵害するものでないことを市に対して保証する。 58
第113条 運営権者は,本契約の履行に当たり,前条のほか,第三者の有する知的財産権を侵害しないこと及び運営権者が市に対して提供する成果物の利用が第三者の有する知的財産権を侵害していないことを市に対して保証する。 58
第114条 運営権者は,知的財産権の対象となっている技術等(以下本条において「知的財産権対象技術」という。)を使用するときは,その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし,市が当該知的財産権対象技術の使用を指定した場合であって運営権者が当該知的財産権の存在を過失なく知らなかったときは,市は,運営権者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。 59
第115条 市及び運営権者は,本事業の実施に関し市と運営権者の間で発生する紛争の解決方法及び意見の調整を目的として,大阪市工業用水道特定運営事業等協議会を設置する。 59
第116条 本契約に別段の定めがある場合を除き,本契約に関連して生じる公租公課は,すべて運営権者の負担とする。 60
第117条 運営権者は,本事業の実施に当たり,個人情報を取り扱う場合は,知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ,又は不当な目的に使用してはならず,本事業期間が終了した後においても同様とする。 60
第118条 運営権者は,本事業の実施に当たり作成し,又は取得した文書等であって,運営権者が管理しているものの公開については,大阪市情報公開条例(平成13年大阪市条例第3号)の趣旨に沿った取扱規程等を作成し,公表するものとする。 61
第119条 市は,本契約に関する情報を開示することができる。ただし,次の各号に掲げる情報を他の者に開示することはできない。 61
第120条 市は,必要と認めた場合には,本事業に関して,運営権者に融資等を行う金融機関等との間で協定書を締結する。市がかかる協定書を締結する場合には,次の各号に掲げる事項を定める。 63
第121条 運営権者は,本事業に係る業務以外の業務を行ってはならない。ただし,あらかじめ市の承認を得た場合は,この限りでない。 64
第122条 市又は運営権者が,本契約に基づく支払いを遅延した場合には,未払額につき履行すべき日(以下本条において「履行期日」という。)の翌日(同日を含む。)から当該金銭債務の支払いが完了した日(同日を含む。)までの期間の日数に応じ,政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率(昭和24年大蔵省告示第991号)に定める履行期日時点における率を乗じて計算した額の遅延利息を相手方に支払わなければならない。これらの場合の遅延利息の計算方法は,年365日の日割計算とする。 64
第123条 本契約に関連して発生したすべての紛争は,大阪地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。 64
第124条 本契約に定める請求,通知,報告,勧告,命令,処分,承諾,承認及び契約終了告知並びに解除は,相手方に対する書面をもって行われなければならない。なお,市及び運営権者は,当該請求等の宛先をそれぞれ相手方に対して別途通知するものとする。 64
第125条 本契約に定めのない事項について定める必要が生じた場合,又は本契約の解釈に関して疑義が生じた場合は,その都度,市及び運営権者が誠実に協議して,必要に応じて協議会に意見を求めた上で,当該協議会の意見を最大限尊重して,これを定めるものとする。 65
別紙10 大阪市工業用水道事業東淀川浄水場等運転管理等業務委託契約書 105
別紙14 非運営権設定対象施設等関連費用等に係る上限額の見直しに関する協議開始事由 145
別紙16 突発漏水等に伴う緊急作業に係る実施手順及び費用負担等 149
別紙17 水道事業からのバックアップに係る実施手順及び費用負担等 153
第1章 総 則
(目的及び解釈)
本契約は,市及び運営権者が相互に協力し,本事業を円滑に実施するために必要な一切の事項を定めることを目的とする。
運営権者は,民間事業者としての経営ノウハウや先進技術,創意工夫を最大限に活用し,工業用水の安定供給と持続可能な事業経営を可能とする抜本的な経営改革を推進し,収益性の高い事業構造を実現しつつ,市域の産業活動を支える水インフラとして,安定した水質,豊富な水量,低廉な価格によって,工業の健全な発達に寄与することが期待されていることを十分に理解し,本事業を遂行する。
本契約において使用する用語の意味は,本文中において特に定めるもの,及び文脈上別意に解すべき場合を除き,別紙1において定めるところによる。
本契約における各条項の見出しは,参照の便宜のためであり,本契約の各条項の解釈に影響を与えるものではない。
(本事業の概要)
本事業は,特定事業,附帯事業及び任意事業から構成される。
運営権者は,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に従い,法令等を遵守し,本事業を自ら遂行しなければならない。
(契約の構成及び適用関係)
本契約は,要求水準書,募集要項等及び提案書類と一体の契約であり,これらはいずれも本契約の一部を構成する。また,本契約の定めに基づき,別途市と運営権者の間で締結される契約等(ただし,運転管理等業務委託契約を除く。)は,いずれも本契約の一部を構成する。
前項の各書類間に齟齬又は矛盾がある場合には,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類の順で優先的な効力を有する。ただし,提案書類の内容が要求水準書に定める水準を超える場合には,その限りにおいて提案書類が要求水準書に優先する。
第1項の各書類の記載内容に疑義が生じた場合は,市及び運営権者の間において協議の上,当該記載内容に関する事項を決定するものとする。
(資金調達)
本事業に要する資金調達は,本契約に別段の定めがある場合を除き,すべて運営権者の責任において行うものとする。
(本事業の収入)
本事業において運営権者が収受する利用料金,一部負担金及び末端管路撤去関連費用は,運営権者の収入とする。
前項に定めるもののほか,運営権者は,供給規程に従って,利用者からメーター料及び給水施設工事費用を収受することができる。なお,運営権者がメーター料及び給水施設工事費用を負担することを妨げない。
運営権者は,自らの責任及び費用負担により,本事業開始予定日までに,本事業の実施に必要となる工業用水道事業法第3条第2項に規定する経済産業大臣の許可を取得しなければならない。また,運営権者は,当該許可取得日以降,工業用水道事業法に従って必要な許可の取得,報告,届出等を実施し,本事業期間にわたり当該許可を維持しなければならない。
運営権者は,本事業開始予定日までに,工業用水道事業法第13条に規定する給水開始前届出を行わなければならない。
(許認可等及び届出等)
前条第1項に規定する許可のほか,本事業の実施に必要となる一切の許認可等は,運営権者が自らの責任及び費用負担により取得し,本事業期間にわたり維持しなければならない。また,運営権者が本事業を実施するために必要となる一切の届出及び報告は,運営権者が自らの責任において作成し,提出するものとする。ただし,市が許認可等の取得又は届出をする必要がある場合には,市が必要な措置を講ずるものとし,当該措置について市が運営権者の協力を求めた場合には,運営権者はこれに応じるものとする。なお,市は,別紙3に記載の許認可等について,本事業期間中これを維持するものとし,当該許認可等が本事業に必要とされなくなった場合又は変更が必要となった場合には,運営権者と協議の上,対応するものとする。
運営権者は,前項ただし書及びなお書に定める場合を除き,本契約に基づく義務の履行に必要な許認可等の取得及び維持に関する責任,費用及び損害を負担するものとする。
市は,運営権者が市に対して書面により要請した場合,運営権者による許認可等の取得及び維持について,法令等の範囲内において必要に応じて協力するものとする。
運営権者は,本事業の実施に必要な許認可等の取得及び維持に関する書類を作成し,提出したものについては,その写しを保存するものとし,本事業終了日に市に提出するものとする。
運営権者は,本事業開始予定日までに,本契約に基づく義務の履行に必要な許認可等の原本を市に提示するとともに,その原本証明付写しを市に提出して,その確認を受けるものとする。運営権者は,本契約に基づく義務の履行に必要な許認可等の原本を保管し,市の要請があった場合には原本を提示し,又は原本証明付写しを市に提出するものとする。
運営権者は,本契約締結後速やかに,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に従い,大要別紙4の内容で本事業に係る供給規程を作成の上,市に提出し,供給規程の内容について市と十分に協議しなければならない。運営権者が供給規程を変更しようとする場合も同様とする。
運営権者は,本事業開始予定日までに,前項に定める市との協議を経て作成した供給規程について,工業用水道事業法第17条第2項に規定する経済産業大臣の認可を受けなければならず,認可後直ちに利用者に周知しなければならない。運営権者が供給規程を変更しようとする場合も同様とする。
(責任の負担)
運営権者は,本契約に別段の定めがある場合を除き,本事業の実施に係る一切の責任を負うものとする。また,運営権者は,本契約に別段の定めがある場合を除き,本事業の実施に要する費用をすべて負担する。
運営権者は,本契約に別段の定めがある場合を除き,運営権者の本事業の実施に関する市による承認,確認若しくは立会い又は運営権者からの市に対する報告,通知若しくは説明を理由として,いかなる本契約上の運営権者の責任をも免れず,当該承認,確認若しくは立会い又は当該報告,通知若しくは説明を理由として,市は何ら責任を負担しない。
運営権者は,本契約締結日現在において,市に対して次の各号に掲げる事実を表明し,保証する。
運営権者は,会社法に基づき適式,有効かつ適法に設立され,存続する株式会社であること。
運営権者の定款に,運営権者が発行できる株式は,本完全無議決権株式及び本議決権株式のみであることの定めがあること。
運営権者の定款に,会社法第326条第2項に規定する取締役会,監査役及び会計監査人を設置する規定があること。
運営権者は,本契約を締結し,履行する完全な能力を有し,本契約上の運営権者の義務は,法的に有効かつ拘束力ある義務であり,運営権者に対して強制執行可能であること。
運営権者が本契約を締結し,これを履行することにつき,日本国の法令等及び運営権者の定款,取締役会規則その他の社内規則上要求されている授権その他一切の手続を履践していること。
本事業を実施するために必要な運営権者の能力又は本契約上の義務を履行するために必要な運営権者の能力に重大な悪影響を及ぼし得る訴訟,請求,仲裁又は調査が,運営権者に対して係属しておらず,運営権者の知る限りにおいてその見込みもないこと。
運営権者の定款の目的が本事業の遂行に限定されていること。
本契約の締結及び本契約に基づく義務の履行は,運営権者に対して適用されるすべての法令等に違反せず,運営権者が当事者であり若しくは運営権者が拘束される契約その他の合意に違反せず,又は運営権者に適用される判決,決定若しくは命令の条項に違反しないこと。
運営権者は,PFI法第29条第1項第1号イ,ロ,ニ及びトのいずれにも該当しないこと。
前各号のほか,提案書類において本契約締結日時点における運営権者の表明保証事項として提案した事項を充足していること。
運営権者は,本事業開始日において,①市に対して運営権者の資本金と資本準備金の合計額が2億円以上であること及び②提案書類において本事業開始日時点における運営権者の表明保証事項として提案した事項を充足していることを表明し,保証するものとする。
第2章 本運営事業の承継等及びその他準備
(本運営事業の承継等)
運営権者は,本事業開始予定日までに,別紙5-1に記載のとおり,市との間で,①運営権設定対象施設の引渡し,②運営権者譲渡対象資産の譲渡,③運営権者貸付対象資産の貸付け及び④運営権者承継対象契約の承継(契約相手方の承諾の取得を含む。)を完了しなければならない。各承継等の方法については,別紙5-1に記載のとおりとし,運営権者譲渡対象資産の譲渡については,別紙5-2の様式に従って物品譲渡契約を,運営権者貸付対象資産の貸付けについては,別紙5-3の様式に従って物品貸付契約を,それぞれ締結する。運営権者は,承継した運営権者承継対象契約について,本事業期間中,別紙5-1に記載の条件及び期間で継続するものとする。
前項の規定にかかわらず,運営権者が承継した運営権者承継対象契約のうち,本運営事業の実施に関する業務委託契約(ただし,工事に係る請負契約を除く。)に基づいて運営権者が負担することとされる報酬支払債務であって,本事業開始日の前日までの履行部分に係るものについては,市が運営権者に代わって当該報酬支払債務を負担するものとする。この場合,運営権者は,当該運営権者承継対象契約の相手方をして,市に対して本事業開始日の前日までの履行部分に係る報酬の支払請求をさせるものとし,市は,当該請求後相当の期間内に,当該報酬相当額を当該相手方に支払う。
運営権者は,提案書類に基づき,第1項の承継等を円滑かつ確実に実施するため,本契約締結後30日以内に,本運営事業の承継等に関する事業承継計画書を作成し,これを市に提出してその確認を受けなければならない。
運営権者は,第1項に定める本運営事業の承継等のほか,本事業開始予定日から確実に本事業が実施できるよう,本事業開始予定日までに,自己の責任において必要な準備を行わなければならない。この場合,市は必要かつ可能な範囲で運営権者に対して協力(市から運営権者に対して第1項に定める本運営事業の承継及び実施に必要となる行政文書を閲覧させ,貸与し,若しくはその写しを提供すること又は運営権者承継対象契約の承継の完了に協力することを含むが,これらに限られない。)するものとする。ただし,運営権者承継対象契約のうち,契約期間が本事業開始予定日の前後にわたる長期継続契約(ただし,市及び利用者の間の給水契約を除く。)の承継については,市が契約相手方からの承諾を得た上で運営権者に契約の承継を行うものとする。
本条による本運営事業の承継等に要した人件費その他の費用は各自の負担とし,互いに求償しないものとする。
本契約で別途定める場合を除き,市は,理由のいかんを問わず,本運営事業の承継等が本事業開始予定日までに完了しなかった場合であっても,これにより運営権者に発生した増加費用又は損害については一切責任を負わない。
(本事業開始前に市が行う工事)
市は,本契約締結日から本事業開始日までの間,本事業に関し,自ら又は利用者の費用負担により,次の各号に掲げる工事のうち,別紙12-1に定める工事のみを行う。
運営権設定対象施設の更新等
管路の支障移設等
運営権設定対象施設の維持修繕
給水施設工事
給水施設の維持修繕
市は,別紙12-1に記載されたもの以外の前項第1号から第4号までに掲げる工事を行おうとする場合には,あらかじめ運営権者に通知するものとする。市は,本事業開始日までに行われる前項第1号から第3号までに掲げる工事の結果,関連資料集の運営権設定対象施設一覧が更新された場合には,これを速やかに運営権者に通知するものとする。
前二項の規定に従って市が実施する工事が本事業開始日までに完了しないことにより,運営権者に増加費用又は損害が生じた場合であっても,市は,当該増加費用又は損害を補償する責任を負わないものとする。
(運営権設定対象施設の契約不適合責任等)
第11条第1項の規定により引き渡された運営権設定対象施設について,種類又は品質に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)(本事業開始日時点で,当該施設において法令等上又は要求水準上求められる基準を満たさないこととなる物理的な契約不適合であって,募集要項等市が優先交渉権者に開示した資料及び本契約締結前に優先交渉権者又は運営権者が知り得た情報から合理的に予測することのできないものに限る。なお,①経年劣化(経年劣化に伴う管路の不具合を含む。),②本事業開始日以降に生じた第三者破損による運営権設定対象施設の不具合及び③関連資料集Jに示す運営権設定対象施設の不具合は契約不適合に該当しない。以下本項,第2項及び第3項において同じ。)が発見された場合,運営権者は,本事業開始日以後1年以内(以下本条において「契約不適合責任期間」という。)に市に通知する。市は,契約不適合責任期間内に運営権者から当該通知があった場合であって,当該契約不適合から運営権者に生じた損害又は費用等の額が1件につき100万円(消費税及び地方消費税相当額を含まない金額とする。)を超えた場合に限り,市において当該契約不適合の修補を行い,又は当該契約不適合に起因して運営権者に生じた損害又は費用等を補償するものとし,その時期及び方法については,市及び運営権者の協議により定める。なお,運営権設定日以後本事業開始日までの期間に契約不適合が発見された場合も同様とする(ただし,この場合,契約不適合から運営権者に生じた損害又は費用等の額を問わない。)。
第56条第1項又は第57条第1項の規定により本事業開始日以降に市から運営権者に引き渡された施設(以下本条において「追加引渡施設」という。)について契約不適合(ただし,本項においては市から運営権者への引渡時点における契約不適合をいう。)が発見された場合,運営権者は,追加引渡施設の引渡日以後1年以内(以下本条において「契約不適合責任期間(追加引渡施設)」という。)に市に通知する。市は,契約不適合責任期間(追加引渡施設)内に運営権者から当該通知があった場合であって,当該契約不適合から運営権者に生じた損害又は費用等の額が1件につき100万円(消費税及び地方消費税相当額を含まない金額とする。)を超えた場合に限り,市において当該契約不適合の修補を行い,又は当該契約不適合に起因して運営権者に生じた損害又は費用等を補償するものとし,その時期及び方法については,市及び運営権者の協議により定める。
市は,前二項に定める契約不適合責任期間又は契約不適合責任期間(追加引渡施設)経過後に運営権設定対象施設について契約不適合が発見された場合,これらの契約不適合については一切責任を負わない。ただし,契約不適合責任期間又は契約不適合責任期間(追加引渡施設)の経過後において,運営権設定対象施設(追加引渡施設を含む。)について契約不適合(追加引渡施設については,市から運営権者への引渡時点における契約不適合をいう。以下本項において同じ。)が発見され,当該契約不適合について,市が施工業者,製造業者その他の第三者(以下「工事請負業者等」という。)に対して契約に基づく修補請求又は損害賠償請求を行うことができる場合,市は,運営権者の要請に応じて,当該工事請負業者等をして当該契約不適合の修補を行わせ,又は当該契約不適合に起因して市に生じた損害若しくは費用等を補償させる。当該契約不適合に起因して市が工事請負業者等から実際に補償金を受領した場合には,当該受領した金額から市に生じた固有の損害又は費用等(もしあれば。)を控除した残額の限度で,当該契約不適合に起因して運営権者に生じた損害又は費用等を補償する。運営権者は,市の要請に応じてこれに最大限協力するものとする。
市は,運営権者譲渡対象資産,運営権者貸付対象資産その他第11条第1項の規定により運営権者が市から承継した権利,契約等,本運営事業の承継等に当たって運営権者に提供された情報等又は募集要項等市が優先交渉権者に開示した資料の情報等に契約不適合(情報の齟齬,矛盾,欠缺,権利の瑕疵を含むが,これらに限られない。)が発見された場合,契約不適合責任期間及び契約不適合責任期間(追加引渡施設)の前後を問わず,これらの契約不適合については一切責任を負わない。
前項の定めに加え,募集要項等のうち関連資料集の運営権設定対象施設一覧又はその付属資料が不完全なものであったとしても,これについて市は一切責任を負わない。
(協定書の締結等)
市は,本事業開始日において締結している別紙6-1に記載の協定等について,本事業期間中,これを維持するものとし,当該協定等が本運営事業に必要とされなくなった場合又は変更が必要となった場合には,運営権者と協議の上,対応するものとする。
運営権者は,本事業開始予定日までに,別紙6-2に記載の協定等を締結するものとする。
(業務実施体制等)
運営権者は,本事業期間を通じて,要求水準書に定めるところに従い,24時間365日の安定給水を行うための本事業の実施体制及び市との連絡体制を確保する。
(市職員の派遣)
運営権者が,市の職員(以下「市職員」という。)の派遣を要請した場合には,市及び運営権者は,市職員の派遣について協議する。
運営権者が市職員の派遣を要請した場合における市職員に係る給与その他の労働条件は,市の水準を基本とし,その費用については運営権者の負担とする。
第3章 本運営事業用地及び運営権設定対象施設に対する使用権の設定等
(行政財産目的外使用許可)
運営権者は,本事業を実施するにあたり,別紙7に定める行政財産目的外使用許可に基づく第三者による本運営事業用地の使用を妨げないものとする。
市は,本事業期間中において,公益上の理由を検討した上で必要と判断した場合,運営権者と協議の上,第三者のために,本事業の実施を妨げない範囲において本運営事業用地の一部を使用させることができるものとし,運営権者はこれに協力しなければならない。
(水道メーターの貸付)
市は,本事業開始日において,民法第593条に基づく使用貸借として,運営権設定対象施設のうち,水道メーター(以下「水道メーター」という。)を運営権者に無償で貸し付け,これを運営権者に引き渡す(なお,水道メーターの設置又は更新等に要した費用については,第59条の規定に従う。)。水道メーターの貸付期間は本事業期間と同じとし,本契約が何らかの理由により解除され,又は終了した場合,当該使用貸借も当然に終了するものとする。
運営権者は,水道メーターについて市から引渡しを受けた後,前項に規定する貸付期間を通じて,水道メーターを本事業の実施の用途のみに使用し,かつ,善良なる管理者の注意義務をもって水道メーターの管理を行う。なお,市は,第13条その他本契約に別途定める場合を除き,水道メーターに係る契約不適合責任を一切負担しない。
第4章 公共施設等運営権
(公共施設等運営権の効力発生)
市及び運営権者は,基本協定書に基づき運営権者に対して運営権設定対象施設に設定された運営権が,第22条第1項及び第2項に定める本運営事業の開始条件(同条第3項ただし書により市が充足しないことを認めた条件を除く。)がすべて満たされたことをもって,その効力が発生することを確認する。かかる効力発生により,当該効力発生時点における運営権設定対象施設の運営等に関する権利及び責任は,本契約で別途定める場合を除き,市から運営権者に移転する。
運営権の存続期間については,第88条第6項の定めに従う。
(運営権対価の支払い及び返還)
運営権者は,別紙8に定める方法により,市に対して,本事業期間中,運営権対価並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を支払う。運営権者は,運営権対価に利息を付すことを要しない。
市は,本契約で別途定める場合を除き,前項に基づき支払いを完了した運営権対価並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を返還する義務を負わない。ただし,本項の定めは,本契約又は法令等に基づき,市から運営権者に対する損失補償等を行うことを妨げるものではない。
第88条第2項の規定によりオプション延長が行われた場合,運営権者は,別紙8に定める方法により,市に対して,当該オプション延長期間に対応する運営権対価並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を支払う。なお,運営権者は,運営権対価に利息を付すことを要しない。
第88条第3項に定める合意延長が行われた場合であっても,第1項に定める場合以外に運営権対価の支払義務は発生しない。
(運営権対価の支払遅延)
前条の規定による運営権対価の支払いが前条第1項又は第3項に定める期日よりも遅延した場合,運営権者は,当該遅延期間に応じ第122条に規定する遅延利息を市に支払わなければならない。
第5章 本事業
(本運営事業の開始条件)
運営権者は,本事業開始予定日までに,次の各号に掲げる本運営事業の開始条件を充足しなければならない。
運営権者の①定款の原本証明付写し,②履歴事項全部証明書,③代表印の印鑑証明書,及び④株主名簿の原本証明付写しの市への提出(ただし,いずれも本契約締結日から10日以内に市に提出するものとする。)
本契約の締結及び義務の履行に係る内部手続を適法に履行していることを示す書面(株主総会議事録,取締役会議事録等)の原本証明付写しの市への提出
運営権者と金融機関等との間の①融資に関する契約書(もしあれば。)の写し,②運営権に対する担保権の設定に関する契約書(もしあれば。)の写し,並びに③本契約その他運営権者と市との間で締結された契約に基づく運営権者の権利及び契約上の地位に対する担保権の設定に関する契約書(もしあれば。)の写しの市への提出
運営権者の株式に対する担保権の設定に関する契約書(もしあれば。)並びに運営権者子会社等が保有する資産,契約に基づく権利及び契約上の地位に対する担保権の設定に関する契約書(もしあれば。)の写しの市への提出
第6条第1項に規定する本事業の実施に必要となる工業用水道事業に係る経済産業大臣の許可がなされたことについての市による確認
第6条第2項に規定する本事業の実施に必要となる工業用水道事業法第13条に規定する給水開始前届出がなされたことについての市による確認
前二号及び次号に掲げるもののほか,第7条第5項に規定する本事業の実施に必要となる一切の許認可等の取得及び維持についての市による確認
第8条第2項に規定する供給規程に係る経済産業大臣の認可がなされたことについての市による確認
第11条に規定する本運営事業の承継等の完了(第11条第1項に規定する物品譲渡契約に基づく譲渡対価の支払いの完了を含む。)
第14条第2項に規定する協定等の締結
第15条に規定する実施体制及び連絡体制が確保されていることの市による確認
支払期限の到来した運営権対価の支払いの完了
第27条第5項に規定する運転管理等業務委託契約の締結
第28条第1項に規定する事業体制図並びに各役員及び責任者の一覧表の市への提出
第28条第2項に規定する各責任者の一覧表の市への提出
第29条第2項に規定する保険証券の写しその他付保を証明する書面の市への提出
第32条から第34条までに規定する全体事業計画書の案,第1期計画期間についての中期事業計画書の案及び本事業開始予定日を含む事業年度の単年度事業計画書の案の市への提出並びに全体事業計画書,第1期計画期間についての中期事業計画書及び本事業開始予定日を含む事業年度の単年度事業計画書の確定
前各号のほか,運営権者において,本事業開始予定日までに履行すべき本契約上の義務について不履行がないこと
市は,本事業開始予定日までに,次の号に掲げる本運営事業の開始条件を充足しなければならない。
第11条第1項に規定する物品譲渡契約及び物品貸付契約の締結
運営権者は,前二項に定める開始条件のいずれか1つでも充足されない場合には,本運営事業を開始することができないものとする。ただし,当該開始条件のいずれかが充足されない場合であっても,市が認めた場合(前項に定める開始条件が充足されない場合においては,運営権者が要請し,市が認めた場合に限る。)には,運営権者は,本運営事業を開始することができる。
運営権者は,運営権者に本契約上の義務の不履行がない場合であって,第1項及び第2項に定める開始条件(前項ただし書により市が充足しないことを認めた条件を除く。)がすべて充足された場合には,本事業開始予定日から本運営事業を実施する。ただし,各開始条件が本事業開始予定日の翌日以降に充足された場合には,当該充足された時点を本事業開始日として,同日から本運営事業を実施する。
(本運営事業の開始遅延)
運営権者は,市がPFI法第21条第1項の規定により指定する本事業開始予定日までに,前条第1項に規定する開始条件(同条第3項ただし書により市が充足しないことを認めた条件を除く。)をすべて充足させ,本運営事業を開始しなければならない。
運営権者は,本事業開始日が本事業開始予定日よりも遅延することが見込まれる場合には,速やかに当該遅延の原因及びその対応方針を市に通知し,本事業開始予定日の延期を申請しなければならない。この場合,市は,正当な理由があると認めるときは,PFI法第21条第2項の規定により本事業開始予定日を延期することができる。
運営権者は,前項に規定する対応方針において,本運営事業の可及的速やかな開始に向けての対策及び想定される本事業開始日までの予定を明らかにしなければならない。
運営権者の責めに帰すべき事由により本事業開始日が当初の本事業開始予定日よりも遅延し,市に増加費用又は損害が発生した場合,市は,その増加費用又は損害額の支払いを運営権者に請求することができる。
市の責めに帰すべき事由により本事業開始日が当初の本事業開始予定日よりも遅延し,運営権者に増加費用又は損害が発生した場合,市は,当該増加費用又は損害について補償するものとする。
法令等の変更又は不可抗力により,本事業開始日が当初の本事業開始予定日よりも遅延した場合の措置については,第69条から第72条までの定めに従う。
(特定事業の内容)
運営権者は,本事業期間中,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に従い,次の各号に掲げる特定事業を実施するものとする。各業務の内容の詳細については,要求水準書及び募集要項等に定める内容に従うものとする。
工業用水の供給及び経営等に関する業務
工業用水の供給に関する業務
経営に関する業務
本事業全般に係る業務
浄水場及び配水場の管理運営に関する業務
施設管理
運転管理
水質管理
管路の管理運営に関する業務
管路管理計画の策定
管路管理計画の運用・管理
維持保全
緊急修繕
支障移設関連
お客さまサービスに関する業務
営業に関する業務
水道メーターに関する業務
災害及び事故への対応に関する業務
災害への対応に関する業務
事故への対応に関する業務
運営権者は,特定事業のうち第三者受託業務については,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に加えて,運営権者と第三者受託業務要請者との間で別途締結される契約の定めに従って実施するものとする。
(附帯事業)
運営権者は,本事業期間中,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に従い,附帯事業として次の各号に掲げる給水施設に関する業務を実施するものとする。各業務の内容の詳細については,要求水準書及び募集要項等に定める内容に従うものとする。
使用開始・中止の工事申込受付
設置・撤去工事の設計及び施工
内部施設の確認・上水道等との誤接合防止
給水施設の緊急修繕
給水の異常時等の対応
運営権者は,附帯事業のうち第三者受託業務については,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に加えて,運営権者と第三者受託業務要請者との間で別途締結される契約の定めに従って実施するものとする。
(任意事業)
運営権者は,自ら又は運営権者子会社等をして,本事業期間中,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に従い,市の事前の承認を得た上で,任意事業を実施することができる。
運営権者は,本事業期間中において,自ら又は運営権者子会社等をして,前項により開始した任意事業の内容を変更し,又は任意事業を休止若しくは廃止する場合には,市の事前の承認を得なければならない。
運営権者又は運営権者子会社等が本運営事業用地及び運営権設定対象施設内において任意事業を実施する場合,運営権者は,市との間で,本事業開始日(本事業開始日以降に任意事業を開始する場合には,当該任意事業を開始する時点)までに,任意事業のために利用する本運営事業用地及び運営権設定対象施設について,別紙9の様式による公有財産賃貸借契約を締結しなければならない。
任意事業のために利用する本運営事業用地及び運営権設定対象施設に関し,補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)第22条の規定による財産の処分が必要となった場合には,市が必要な手続を行う。この場合において,対応する補助金の返還が必要となった場合には,運営権者は,当該返還額相当額を市に支払わなければならない。
運営権者は,自ら又は運営権者子会社等による任意事業の実施に当たっては,本運営事業の継続に影響を与えないよう,リスク回避措置を十分に講ずるとともに,必要な諸手続は運営権者及び運営権者子会社等の責任で行い,任意事業に係る一切の費用又は損害並びに任意事業に関して本運営事業に生じた増加費用又は損害はすべて運営権者の負担とする。
第6章 その他の事業実施条件
(第三者への委託)
運営権者は,本事業期間中,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に定めるところに従い,本事業に係る業務(委託禁止業務を除く。以下本条において同じ。)の一部を第三者に委託し,又は請け負わせることができる。
前項の定めに従って本事業に係る業務を受託した者(以下本条において「受託者」という。)又は請け負った者(以下本条において「請負者」という。)は,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に定めるところに従い,当該業務を第三者に再委託し,又は下請負を使用することができる。なお,本項の規定により再委託又は下請負がなされた場合,その後,当該再委託又は下請負による再委託先又は下請負先を受託者又は請負者とみなして本条の規定を適用するものとし,以降も同様とする。
前二項の規定による委託,再委託,請負及び下請負に当たり,受託者,再受託者,請負者及び下請負者の選定について,市は運営権者に対して何らの働きかけも行わない。運営権者は,当該選定に当たり,市職員又は公職者から働きかけがあった場合,その旨を速やかに市に報告しなければならない。
第1項及び第2項の規定による委託,再委託,請負及び下請負は,すべて運営権者の責任において行うものとし,受託者,請負者その他本事業に係る業務に関して運営権者又は受託者,請負者若しくはこれらの者が使用する一切の第三者の責めに帰すべき事由は,すべて運営権者の責めに帰すべき事由とみなして,運営権者がその責任を負うものとする。
前各項の規定にかかわらず,運営権者は,本事業開始予定日までに,運転管理等業務委託契約を締結し,運転管理業務及び水質管理業務を市に委託するものとする。
運営権者は,本条の規定により本事業に係る業務を委託し,又は請け負わせる場合,暴力団員等及びその他の関係者のいずれかに該当する者に対しては,委託し又は請け負わせないものとし,受託者又は請負者をして,暴力団員等及びその他の関係者のいずれかに該当する者に対しては,再委託させ,又は下請負をさせないものとする。市は,受託者,再受託者,請負者及び下請負者が暴力団員等及びその他の関係者のいずれかに該当する者その他市が不適切と認める者と判断した場合,運営権者に対し,当該受託者若しくは請負者との間の契約を解除し,又は受託者若しくは請負者をして,当該再受託者若しくは下請負者との間の契約を解除させるよう要求することができ,運営権者はかかる要求に従わなければならない。
(事業体制図等の作成等)
運営権者は,本事業に係る組織体制について,事業体制図並びに各役員及び責任者(要求水準書第2-3-(2)-ウ-(イ)に定める責任者をいう。以下本項において同じ。)の一覧表を作成し,かつ,備え置くとともに,本事業開始予定日までに当該事業体制図及び一覧表を市に提出しなければならない。また,①事業体制の変更又は②役員若しくは責任者について配置変更等を行う場合は,都度,かかる事業体制図及び一覧表を修正し,その変更理由を添えて市に提出しなければならない。
運営権者は,本事業開始予定日までに,本事業に配置する従事職員(前条の規定による受託者若しくは請負者(前条第2項の規定により受託者又は請負者とみなされる者を含む。)又はこれらの者が使用する一切の第三者を含む。以下本条において同じ。)の各責任者(要求水準書第2-3-(2)-ウ-(イ)に定める責任者のほか,運営権者が実施する業務ごとに,その実務上の責任者となる者を含む。以下本項において同じ。)について,一覧表を作成し,かつ,備え置くとともに,本事業開始予定日までに当該一覧表を市に提出しなければならない。また,本事業開始日以降,当該責任者について配置変更等を行う場合は,都度,かかる一覧表を修正し,その変更理由を添えて市に提出しなければならない。
運営権者は,自らの責任及び費用負担において,本事業に配置する従事職員の労働安全衛生管理を行う。
市は,本事業に配置する従事職員が適当でないと認めた場合は,運営権者に対して当該従事職員の交代を請求することができる。この場合,運営権者は,かかる請求に対して誠実に対応しなければならない。
運営権者は,本事業に配置する従事職員が本事業に関して市の管理する施設に入構しようとする場合,当該従事職員をして,市が別途指定する入構手続(本人確認,健康診断等を含むが,これらに限られない。)に従わせるものとする。
(保険)
運営権者は,本事業期間を通じて,自らの責任及び費用負担において,別紙11に定める種類及び金額の保険を付保しなければならない。ただし,運営権者は,市が事前に承諾した場合には,保険の付保に代わる措置を取ることができる。
運営権者は,前項の規定により保険契約を締結(又は従来の保険契約を継続)したときは,本事業開始予定日までに,付保した保険契約の内容を市に通知した上で,その保険証券の写しその他付保を証明する書面を市に提出しなければならない。以後,当該保険契約の継続,更新,更改又は新たな締結があった場合も同様とする。
(要求水準の変更等)
市は,法令等の変更により要求水準の内容を変更する必要が生じた場合には,当該変更内容を運営権者に対して通知し,以後,要求水準は当該通知に従って変更されたものとみなし,運営権者はこれを遵守するものとする。この場合,第71条及び第72条の定めに従うものとする。
前項に規定するほか,市及び運営権者は,次の各号に掲げる場合,要求水準の変更について相手方に協議を申し入れることができ,この場合,法令等に反しない限りにおいて,両者で合意した範囲において要求水準の変更を行うことができる。
不可抗力の発生により,本事業の全部又は一部が中断又は遅延した場合
市の責めに帰すべき事由による本運営事業の内容の変更その他市の責めに帰すべき事由により,本事業の全部又は一部が中断又は遅延した場合
本事業の実施自体に対する反対運動又は訴訟等により,本事業の全部又は一部が中断又は遅延した場合
(市による新たな施設の建設又は運営権設定対象施設以外の既存施設の更新等)
市は,公益上の必要がある場合,本運営事業に関連する新たな施設(第57条第1項の適用対象となる施設を除く。)の建設又は運営権設定対象施設以外の既存施設の更新等を実施することができる。この場合において,市は,市の決定に従って,当該施設の建設又は既存施設の更新等に伴う要求水準の変更内容を運営権者に対して通知した上で,当該施設の建設又は既存施設の更新等を行うことができるものとする。かかる通知をもって,要求水準は変更されたものとみなし,運営権者は,当該変更後の要求水準を遵守しなければならない。
前項の規定にかかわらず,①前項に規定する建設又は更新等の対象が上工共有施設等である場合又は②上工共有施設等以外で前項に規定する施設の建設若しくは更新等が本運営事業に悪影響を与えると市が判断した場合(ただし,当該施設の建設又は更新等を行う緊急の必要性がある場合を除く。),市は,運営権者と協議の上で,当該施設の建設又は更新等を実施しなければならない。この場合において,運営権者は,当該施設の建設又は更新等に係る市の公益上の必要性及び緊急の必要性を勘案し,当該協議に誠実に応じなければならないものとし,当該協議の開始から90日以内に合意に至らなかったときは,市は,前項の定めに従い,当該施設の建設又は既存施設の更新等を行うことができるものとする。
第7章 計画及び報告
(全体事業計画書)
運営権者は,要求水準書,募集要項等及び提案書類に基づき,事前に市との間で協議及び調整を行った上で,本事業開始予定日から,令和14年3月31日までの期間についての本事業に係る全体事業計画書の案を作成し,令和3年12月末日までに,市に提出しなければならない。運営権者は,全体事業計画書の案を作成するに当たっては,基本的に要求水準書に定める事項の範囲で運営権者が提案書類において本事業の実施に関して提案した内容に準拠するとともに,次の各号に掲げる事項その他要求水準書に定める項目(なお,記載方法等の詳細については,市が別途指定する。)を記載するものとする。
実施体制関係
事業体制図
財務管理関係
収支計画(資金調達・償還計画及び経営指標に関する目標を含む。)
業務実施計画関係
施設管理計画(施設整備方針及び維持管理方針を含む。)
運転管理計画
管路管理計画(管路管理方針及び管撤去を進めるための取組方針を含む。)
内部統制及び企業倫理関係
内部統制及び企業倫理に関する基本方針
業務リスク対応手順書
事業継続関係
事業継続計画(BCP)
セルフモニタリング関係
セルフモニタリング計画(概要)
任意事業関係
任意事業実施計画
前各号に掲げる情報のほか,市が必要と認める資料
前項に基づき提出された全体事業計画書の案について,市と運営権者は協議及び調整を行い,①本事業期間の初年度に係る市の予算案が市議会で可決され,市が承認すること及び②第6条第1項第1文に規定する経済産業大臣の許可がなされたことをもって,全体事業計画書として確定する。
運営権者が,本事業期間中,全体事業計画書の内容を変更しようとする場合は,あらかじめ市の承認を得なければならない。ただし,第1項第1号に掲げる事業体制図の内容を変更しようとする場合,第28条第1項の定めに従うものとする。
運営権者は,本事業期間中,全体事業計画書に記載された内容に従い本事業を実施するものとする。
運営権者は,全体事業計画書又はその変更について市の承認を得た後,速やかに当該全体事業計画書又はその変更についての公表事項を運営権者のホームページ上で公表し,本事業期間中,公表を維持しなければならない。
第88条第2項の規定によるオプション延長又は同条第3項の規定による合意延長が行われた場合,運営権者は,第2項(ただし,オプション延長又は1回目の合意延長が既に行われている場合のオプション延長又は合意延長の場合は,本項とする。)の規定により市の承認を得た全体事業計画書の対象期間の最終日を含む事業年度の12月末日(ただし,全体事業計画書の対象期間の最終日が,当該最終日を含む事業年度の末日よりも前に到来する場合には,当該最終日が属する月の3ヶ月前の月の末日)までに,事前に市との間で協議及び調整を行った上で,要求水準書(第88条第4項の規定による変更後の要求水準書を意味する。)に定める項目を含む,延長期間についての本事業に係る全体事業計画書の案を作成し,市に提出しなければならない。当該提出された全体事業計画書の案について,市と運営権者は協議及び調整を行い,延長期間の初年度に係る市の予算案が市議会で可決され,市が承認することをもって,延長期間を含む本事業期間に係る全体事業計画書として確定する。この場合,当該全体事業計画書の変更,事業の実施及び公表については,前三項の定めに準ずるものとする。
(中期事業計画書)
運営権者は,要求水準書,募集要項等及び提案書類に基づき,事前に市との間で協議及び調整を行った上で,第1期計画期間についての本事業に係る中期事業計画書の案を作成し,令和3年12月末日までに,市に提出しなければならない。運営権者は,当該計画期間についての本事業に係る中期事業計画書の案を作成するに当たっては,基本的に要求水準書に定める事項の範囲で運営権者が提案書類において本事業の実施に関して提案した内容に準拠するとともに,次の各号に掲げる事項その他要求水準書に定める項目(なお,記載方法等の詳細については,市が別途指定する。)を記載するものとする。
実施体制関係
事業体制図
財務管理関係
収支計画(資金調達・償還計画及び経営指標に関する目標を含む。)
業務実施計画関係
施設管理計画(施設整備方針及び維持管理方針を含む。)
運転管理計画
管路管理計画(管路管理方針及び管撤去を進めるための取組方針を含む。)
セルフモニタリング関係
セルフモニタリング計画(概要)
任意事業関係
任意事業実施計画
前各号に掲げる情報のほか,市が必要と認める資料
前項に基づき提出された中期事業計画書の案について,市と運営権者は協議及び調整を行い,①本事業期間の初年度に係る市の予算案が市議会で可決され,市が承認すること及び②第6条第1項第1文に規定する経済産業大臣の許可がなされたことをもって,第1期計画期間についての中期事業計画書として確定する。
運営権者は,要求水準書,募集要項等,提案書類及び全体事業計画書に基づき,前期の計画期間までの本事業の進捗事業量の実績見込みも踏まえ,かつ,事前に市との間で協議及び調整を行った上で,第2期計画期間以降の各計画期間についての本事業に係る中期事業計画書の案を作成し,各計画期間の開始日が属する事業年度の前事業年度の8月末日までに,市に提出しなければならない。運営権者は,各計画期間についての本事業に係る中期事業計画書の案を作成するに当たっては,基本的に要求水準書に定める事項の範囲で運営権者が提案書類において本事業の実施に関して提案した内容に準拠するとともに,次の各号に掲げる事項その他要求水準書に定める項目(なお,記載方法等の詳細については,市が別途指定する。)を記載しなければならない。
実施体制関係
事業体制図
財務管理関係
収支計画(資金調達・償還計画及び経営指標に関する目標を含む。)
業務実施計画関係
施設管理計画(施設整備方針及び維持管理方針を含む。)
運転管理計画
管路管理計画(管路管理方針及び管撤去を進めるための取組方針を含む。)
セルフモニタリング関係
セルフモニタリング計画(概要)
任意事業関係
任意事業実施計画
前各号に掲げる情報のほか,市が必要と認める資料
前項に基づき提出された中期事業計画書の案について,市と運営権者は協議及び調整を行い,対象となる計画期間の初年度に係る市の予算案が市議会で可決され,市が承認することをもって,当該計画期間の中期事業計画書として確定する。
運営権者は,本事業期間中,中期事業計画書に従い,適正に本事業を実施しなければならない。
運営権者は,中期事業計画書の内容を変更しようとする場合には,あらかじめ市の承認を得るものとする。ただし,第1項第1号に掲げる事業体制図の内容を変更しようとする場合,第28条第1項の定めに従うものとする。
本条に基づいて中期事業計画書の案を市に提出し,又は中期事業計画書の内容を変更しようとする場合において,全体事業計画書から計画の変更を行う場合には,運営権者は,変更の必要性を市に説明し,その承認を得なければならない。この場合において,全体事業計画書から著しい計画の変更を行う場合には,運営権者は,残りの本事業期間に係る全体事業計画書の変更案を同時に市に提出し,その承認を得なければならない。
運営権者は,中期事業計画書(変更した場合には変更後の中期事業計画書。以下本項において同じ。)について市の承認を得た後,速やかに当該中期事業計画書についての公表事項を運営権者のホームページ上で公表し,本事業期間中,公表を維持しなければならない。
第88条第2項の規定によるオプション延長又は同条第3項の規定による合意延長が行われた場合であって,別途市が請求する場合,運営権者は,市の請求に従い,事前に市との間で協議及び調整を行った上で,要求水準書(第88条第4項の規定による変更後の要求水準書を意味する。)に定める項目を含む,延長期間についての本事業に係る中期事業計画書の案を作成し,市に提出しなければならない。当該提出された中期事業計画書の案について,市と運営権者は協議及び調整を行い,延長期間の初年度に係る市の予算案が市議会で可決され,市が承認することをもって,延長期間に係る中期事業計画書として確定する。この場合,当該中期事業計画書の変更,事業の実施及び公表については,前四項の定めに準ずるものとする。
(単年度事業計画書)
運営権者は,要求水準書,募集要項等及び提案書類に基づき,事前に市との間で協議及び調整を行った上で,本事業開始予定日を含む事業年度についての本事業に係る単年度事業計画書の案を作成し,令和3年12月末日までに,市に提出しなければならない。運営権者は,本事業開始予定日を含む事業年度についての本事業に係る単年度事業計画書の案を作成するに当たっては,基本的に要求水準書に定める事項の範囲で運営権者が提案書類において本事業の実施に関して提案した内容に準拠するとともに,次の各号に掲げる事項その他要求水準書に定める項目(なお,記載方法等の詳細については,市が別途指定する。)を記載するものとする。
実施体制関係
事業体制図
財務管理関係
収支計画(資金調達・償還計画及び経営指標に関する目標を含む。)
業務実施計画関係
施設管理計画(施設整備方針及び維持管理方針を含む。)
運転管理計画
管路管理計画(管路管理方針及び管撤去を進めるための取組方針を含む。)
セルフモニタリング関係
セルフモニタリング計画(概要)
任意事業関係
任意事業実施計画
前各号に掲げる情報のほか,市が必要と認める資料
前項に基づき提出された単年度事業計画書の案について,市と運営権者は協議及び調整を行い,①本事業期間の初年度に係る市の予算案が市議会で可決され,市が承認すること及び②第6条第1項第1文に規定する経済産業大臣の許可がなされたことをもって,本事業開始予定日を含む事業年度の単年度事業計画書として確定する。
運営権者は,要求水準書,募集要項等,提案書類,全体事業計画書及び中期事業計画書に基づき,前事業年度までの本事業の進捗事業量の実績見込みも踏まえ,かつ,事前に市との間で協議及び調整を行った上で,本事業開始予定日が属する事業年度の翌事業年度以降の各事業年度についての本事業に係る単年度事業計画書の案を作成し,当該事業年度の前事業年度の12月末日までに,市に提出しなければならない。運営権者は,各事業年度についての本事業に係る単年度事業計画書の案を作成するに当たっては,基本的に要求水準書に定める事項の範囲で運営権者が提案書類において本事業の実施に関して提案した内容に準拠するとともに,次の各号に掲げる事項その他要求水準書に定める項目(なお,記載方法等の詳細については,市が別途指定する。)を記載しなければならない。
実施体制関係
事業体制図
財務管理関係
収支計画(資金調達・償還計画及び経営指標に関する目標を含む。)
業務実施計画関係
施設管理計画(施設整備方針及び維持管理方針を含む。)
運転管理計画
管路管理計画(管路管理方針及び管撤去を進めるための取組方針を含む。)
セルフモニタリング関係
セルフモニタリング計画(概要)
任意事業関係
任意事業実施計画
前各号に掲げる情報のほか,市が必要と認める資料
前項に基づき提出された単年度事業計画書の案について,市と運営権者は協議及び調整を行い,対象となる事業年度に係る市の予算案が市議会で可決され,市が承認することをもって,当該事業年度の単年度事業計画書として確定する。
運営権者は,本事業期間中,単年度事業計画書に従い,適正に本事業を実施しなければならない。
運営権者は,単年度事業計画書の内容を変更しようとする場合には,あらかじめ市の承認を得るものとする。ただし,第1項第1号に掲げる事業体制図の内容を変更しようとする場合,第28条第1項の定めに従うものとする。
運営権者は,単年度事業計画書(変更した場合には変更後の単年度事業計画書。以下本項において同じ。)について市の承認を得た後,速やかに当該単年度事業計画書についての公表事項を運営権者のホームページ上で公表し,本事業期間中,公表を維持しなければならない。
第88条第2項の規定によるオプション延長又は同条第3項の規定による合意延長が行われた場合,運営権者は,第32条第2項(ただし,オプション延長又は1回目の合意延長が既に行われている場合のオプション延長又は合意延長の場合は,同条第6項とする。)の規定により市の承認を得た全体事業計画書の対象期間の最終日を含む事業年度の12月末日(ただし,全体事業計画書の対象期間の最終日が,当該最終日を含む事業年度の末日よりも前に到来する場合には,当該最終日が属する月の3ヶ月前の月の末日)までに,事前に市との間で協議及び調整を行った上で,要求水準書(第88条第4項の規定による変更後の要求水準書を意味する。)に定める項目を含む,延長期間の開始日を含む事業年度についての本事業に係る単年度事業計画書の案を作成し,市に提出しなければならない。当該提出された単年度事業計画書の案について,市と運営権者は協議及び調整を行い,延長期間の初年度に係る市の予算案が市議会で可決され,市が承認することをもって,延長期間の開始日を含む事業年度に係る単年度事業計画書として確定する。この場合,当該単年度事業計画書の変更,事業の実施及び公表については,前三項の定めに準ずるものとする。なお,当該延長期間の開始日を含む事業年度の翌事業年度以降も同様とする。
(事業計画書の変更)
市は,必要があると認めるとき(施設管理者の指示があった場合を含むが,これに限られない。)は,運営権者に対し,前三条に基づいて承認した事業計画書の変更を求めることができる。
前項に従って市が事業計画書の変更を求めた場合,市及び運営権者は,事業計画書の変更の内容及び可否について誠実に協議するものとし,合意した場合には,事業計画書を変更するものとする。
市の責めに帰すべき事由に起因して前項の規定による事業計画書の変更がなされ,運営権者に増加費用又は損害が発生した場合,市は,当該増加費用又は損害について補償するものとする。ただし,施設管理者の指示又は他の埋設企業体等との調整に起因して事業計画書の変更がなされた場合は,この限りではない。
(四半期事業報告書の提出)
運営権者は,本事業期間中,各四半期(ただし,第四四半期を除く。)の末日から45日以内に,本事業の財務及び財務の健全性に係る指標の実績値並びに単年度事業計画書に対する進捗状況に関する四半期事業報告書を作成し,市に提出しなければならない。
四半期事業報告書の記載事項及び公表事項等については,市及び運営権者の間で協議及び調整を行った上で,市が別途指定する。
運営権者は,四半期事業報告書について市に提出後,速やかにその公表事項を運営権者のホームページ上で公表し,本事業期間終了後1年が経過するまでの間(ただし,市及び運営権者の間で協議の上,別途合意した場合には,これよりも短い期間),公表を維持しなければならない。
(中期事業報告書及び単年度事業報告書の提出)
運営権者は,本事業期間中,各計画期間の末日(及び第33条第9項の規定により延長期間についての中期事業計画書が作成された場合には,当該中期事業計画書の対象期間の末日)から3ヶ月以内に,本事業の業務に関する中期事業報告書を作成し,市に提出しなければならない。
運営権者は,本事業期間中,各事業年度の末日(当該事業年度の末日よりも前に本事業終了日が到来した場合には,当該本事業終了日)から3ヶ月以内に,本事業の業務に関する単年度事業報告書を作成し,市に提出しなければならない。
中期事業報告書及び単年度事業報告書の記載事項及び公表事項等については,市及び運営権者の間で協議及び調整を行った上で,市が別途指定する。
運営権者は,中期事業報告書又は単年度事業報告書について市に提出後,速やかにその公表事項を運営権者のホームページ上で公表し,本事業期間終了後1年が経過するまでの間(ただし,市及び運営権者の間で協議の上,別途合意した場合には,これよりも短い期間),公表を維持しなければならない。
(事業継続計画に係る対応等)
運営権者は,不可抗力を含む災害又は事故等の緊急時には事業継続計画に従い対応するものとし,対応中及び対応後に報告書等を作成し,市に報告しなければならない。
運営権者は,本事業期間中,本事業及び他の類似事業で生じた異常事象並びに不可抗力への対応等について情報の収集及び分析等を行うことにより,事業継続計画を常に見直し,改善等を行い,各種事象への対応力を高めるよう努めるものとする。
(区分経理)
運営権者は,本事業について,要求水準書の定めに従い,区分経理を行う。
(財務情報等の報告及び開示)
運営権者は,本事業期間中,次の各号に掲げる運営権者及び運営権者子会社等の情報について,要求水準書に定める経理の区分に応じ,当該各号に掲げる期限までに,市に報告するものとする。なお,運営権者及び運営権者子会社等の事業年度の期間及び決算期間は同一としなければならない。
会社法第435条第2項及び同法第444条第1項に規定する計算書類及び連結計算書類(会計監査人による監査済みのもの) 各事業年度の末日から3ヶ月以内
会社法第435条第2項に規定する事業報告 各事業年度の末日から3ヶ月以内
運営権者又は運営権者子会社等が会社法第2条第5号に規定する公開会社でない場合で,かつ事業報告に会社法施行規則第119条から第124条までに係る事項を記載していない場合には,会社法施行規則第119条から第124条までに係る事項 各事業年度の末日から3ヶ月以内
計算書類に係る附属明細書(会計監査人による監査済みのもの)及び事業報告に係る附属明細書 各計算書類及び事業報告の提出と同時
セグメント情報(セグメント情報の開示に関する会計基準(企業会計基準第17号)及びセグメント情報の開示に関する会計基準の適用指針(企業会計基準適用指針第20号)に準拠して作成されたもの) 各計算書類及び事業報告の提出と同時
キャッシュ・フロー計算書及び連結キャッシュ・フロー計算書(連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準(企業会計審議会)及び連結財務諸表等における連結キャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針(会計制度委員会報告第8号)に準拠して作成されたもの) 各計算書類及び事業報告の提出と同時
各事業年度の末日現在における株主名簿の原本証明付写し 各事業年度の末日から60日以内
翌事業年度に完成する予定の工事を踏まえた一部負担金及び当該工事の実事業費の見込額その他市が翌事業年度の予算の策定に必要な情報として求める情報 各事業年度の8月末日
各事業年度において第50条第4項に基づいて市が完成を確認した工事の実事業費その他市が求める情報 各事業年度の末日から1ヶ月以内
前各号に掲げる情報のほか,要求水準書に定める情報 要求水準書に定める期限まで
その他運営権者が自らについて報告又は公表すべきと判断した情報 速やかに
運営権者は,前項の規定により報告した内容のうち,前項第1号から第4号まで,第6号,第10号(ただし,市が別途公表を求める情報に限る。)及び第11号の内容について,運営権者のホームページ上で公表し,本事業期間終了後1年が経過するまでの間,公表を維持しなければならない。
運営権者は,第1項の報告事項のほか,市から統計情報の作成のための情報提供を求められた場合には,本事業に関する必要な情報を市に対して提供する。
(その他の報告及び提出義務)
運営権者は,本事業期間中,要求水準書及び募集要項等に定める事項並びに本事業に関し市が必要と認めて(固定資産台帳の整理等のため必要があるときを含むが,これに限られない。)報告を求めた事項及び提出を求めた書類について,要求水準書及び募集要項等に定める期限までに(報告又は提出の期限が定められていない場合には遅滞なく)市に報告し,又は提出しなければならない。
第8章 工業用水道等の供給及び更新に係る業務
第1節 浄配水場及び管路の管理運営に関する業務
(意図的に削除)
(管路の管理運営)
運営権者は,管路(取水管及び浄配水場の構内配管並びにこれらの附属設備(制水弁,空気弁,消火栓,排水設備等)を除く。以下本条において同じ。)について,維持保全,緊急修繕及び支障移設等(支障移設に係る管路の移設,新設,撤去及び防護並びに鉄蓋(制水弁,消火栓等)の高さ調整を含むが,これらに限られない。以下同じ。)を行う。ただし,管路及び給水施設(道路部分に存在する給水施設に限る。以下本条において同じ。)において,突発的な漏水事故等が発生した際の緊急作業(要求水準書第4-3-(4)-ア-(ウ)において市水道事業が一元的に実施するものとしている業務に限る。)は,市が別紙16に従い実施する。
運営権者は,要求水準書,募集要項等及び提案書類に基づき,事前に市との間で協議及び調整を行った上で,本事業開始予定日の30日前までに,次の各号に掲げる規程類の案を作成し,市に提出しなければならない。
管路維持保全の実施手順書
破損補償金の事務処理に関する取決め
依頼に基づく支障移設等に関する取決め
前項の規定により提出された規定類の案について,市と運営権者は協議及び調整を行い,市が確認することをもって,当該規定類として確定する。
第1項ただし書に規定する管路及び給水施設の緊急作業を市が実施した場合,運営権者は,別紙16に従い,当該緊急作業の対価として,当該緊急作業に要した費用並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を市に支払うものとする。ただし,当該緊急作業に要した費用のうち,別紙16 3.(2)アに規定する直接工事費については,別紙19に規定する金額を上限として市に支払うことで足りる。また,本事業開始日の前日までに使用中止の状態にあり,撤去されていない給水施設の緊急作業に係る修繕業務委託料その他これに要した費用並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額については,市が負担するものとする。
運営権者は,市から末端管路撤去関連費用の支払いを受けるために,四半期ごとに,当該四半期の末日までに第50条第4項に基づいて市が運営権者に完成検査の合格を通知した末端管路に係る工事について,要求水準書に定める必要書類を市に提出するものとし,市は,運営権者から提出された当該書類を確認した上で,市が定める撤去単価に従い,当該末端管路に係る工事についての末端管路撤去関連費用の金額を算出し,速やかに運営権者に当該金額を通知する。運営権者は,市による当該書類の確認及び金額の通知の後,市に対して,当該四半期における末端管路撤去関連費用に係る請求書を発行するものとし,市は,当該請求書を受領してから30日以内又は当該四半期の末日の2ヶ月後の応当日のいずれか遅い日までに,運営権者に対し当該四半期における末端管路撤去関連費用並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を支払う。
本事業期間中に生じた管路の漏水及び本事業終了日の翌日から1年の間に発生した管路の大規模漏水(ただし,市又は市の指定する者の故意又は過失によって生じたものを除く。)に係る修繕費用は,運営権者が負担するものとする。ただし,本事業開始日から1年の間に発生した管路の大規模漏水(ただし,運営権者の故意又は過失によって生じたものを除く。)に係る修繕費用は,市の負担とする。
施設管理者からの指示に基づく管路の支障移設等に係る費用は,運営権者の負担とする。ただし,当該支障移設等が更新等に当たる場合,第67条に基づき市が当該費用を負担する限度において,この限りではない。
前項の規定にかかわらず,他の埋設企業体等からの依頼に基づく管路の支障移設等に係る費用については,第2項第3号に掲げる取決めに従い,運営権者が当該他の埋設企業体等と別途締結する契約において負担者を定めるものとする。
運営権者は,本事業期間中,各事業年度の末日から60日以内に,当該事業年度において実施した運営権設定対象施設の管路の維持保全,緊急修繕及び支障移設等の状況に関する年次報告書を作成し,市に提出しなければならない。当該報告書の記載事項,公表事項等については,市が別途指定する。
市は,本事業期間中,毎年3月1日から翌年2月末日まで(以下本項において「費用算定期間」という。)に運営権者によって設置又は修繕され,かつこれらに係る市消防局による立会いが完了した消火栓の設置及び修繕に要した費用(以下本項において「消火栓設置等関連費用」という。)並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を,当該消火栓の設置及び修繕に係る業務の対価として,運営権者に支払う。なお,市は,各費用算定期間終了後速やかに,市消防局による立会いが完了した消火栓の数量及び市水道局と市消防局が別途合意した単価をもとに,当該費用算定期間における消火栓設置等関連費用の金額を算出し,これを運営権者に通知する。運営権者は,市から当該通知を受けた後,市に対して消火栓の設置完了に係る届出を行い,市は,当該届出の受領後,消火栓の設置に係る完了確認を行う。市は,当該完了確認を行った場合,速やかに運営権者に合格通知を発出し,運営権者は,市から合格通知を受けた後速やかに,当該費用算定期間における消火栓設置等関連費用の金額について請求書を発行するものとする。市は,当該請求書の受領日から40日以内に,当該請求書に基づき消火栓設置等関連費用並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を支払うものとする。
市は,運営権者に対し,各四半期に公共の消防用として使用された工業用水の利用料金(以下本項において「消防用水道料金」という。)並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を,市が受けた当該工業用水の供給の対価として支払う。なお,市は,各四半期の終了後速やかに,市消防局から当該四半期における使用水量の申請を受け,市水道局と市消防局が別途合意した単価に基づき消防用水道料金の金額を算出し,これを運営権者に通知する。運営権者は,市から当該通知を受けた後速やかに,かかる金額について請求書を発行するものとし,市は,当該請求書の受領日から30日以内に,当該請求書に基づき消防用水道料金並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を支払うものとする。
(水道事業からのバックアップ)
本事業期間中,①原水水質の異常による取水停止,②施設若しくは管路の突発的な故障又は破損,③停電による施設の停止,④災害等に伴う施設又は管路の破損,⑤工事の施工その他の要因に起因して,工業用水の供給に支障があり,水道事業からのバックアップを行う必要が生じた場合,運営権者は,市が別途指定する様式により,バックアップの手法,バックアップを要する理由及び期間並びに想定応援給水量等について,市と事前に協議を行った上で,市に対し,水道事業からのバックアップを要請することができる。市は,当該要請を受けた場合,別紙17に従い水道事業からのバックアップを実施する。
運営権者は,水道事業からのバックアップに要する費用並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を,別紙17に従い,上水の供給及び市の役務提供の対価として市に支払うものとする。なお,水道事業からのバックアップによって工業用水の供給を行った場合であっても,運営権者は,当該供給に対応する利用料金を利用者から収受することができる。
(意図的に削除)
市は,上水道配水管からのバックアップ(上工連絡設備(上水道配水管と工業用水道配水管を相互連絡することができる設備をいう。以下同じ。)等を経由して実施するものに限る。)を行う場合,上工連絡設備及び上水道配水管のバルブ操作並びに連絡管の設置及び撤去を行うものとし,運営権者は,これと連動して,市の指示に従って工業用水道配水管のバルブ操作を行うものとする。
運営権者は,上水道配水管からのバックアップ(利用者が所有する給水施設内部の切替設備を使用して実施するものに限る。)を行う場合,利用者に対して,当該切替設備の使用を要請しなければならない。市は,当該バックアップの終了後速やかに,当該バックアップにより利用者が使用した水量を,過去実績等を勘案の上で確認し,運営権者に通知する。運営権者は,市が通知した水量をもとに利用料金の対象となる使用水量の認定を行い,利用者に利用料金を請求するものとする。
第2節 計画業務,設計業務及び施工業務
(計画業務,設計業務及び施工業務の実施)
運営権者は,要求水準書,募集要項等,提案書類及び第32条から第34条までの規定により市の承認を得た事業計画書に従って計画業務,設計業務及び施工業務を行うものとする。ただし,緊急やむを得ない事情がある場合として市が別途認めた場合は,この限りではない。
市の責めに帰すべき事由によって計画業務,設計業務又は施工業務が遅延し,又は当該計画業務,設計業務又は施工業務に関して追加作業が必要となったことにより,運営権者に増加費用が生じた場合,市は,運営権者と協議の上,当該増加費用を運営権者に補償するものとする。ただし,施設管理者の指示に起因する場合は,この限りではない。
(更新計画の変更)
市は,必要があると認めるときは,運営権者に対し,第32条から第34条までの規定に基づいて承認した事業計画書のうち施設管理計画及び管路管理計画(運営権設定対象施設の更新等に関する部分に限る。以下本条において「更新計画」という。)の変更を求めることができる。
前項に従って市が更新計画の変更を求めた場合,市及び運営権者は,更新計画の変更の内容及び可否について誠実に協議するものとし,合意した場合には,更新計画を変更するものとする。かかる変更に伴う費用については,一部負担金の支払いその他の方法により市が負担する。
(許可申請手続)
運営権者は,事業計画書に従って運営権設定対象施設の施工業務を行うために必要な,市水道局が実施する施設管理者及び交通管理者に対する各種申請及び届出(ただし,①市水道事業が一元的に実施する突発的な漏水事故等が発生した際の緊急作業に伴うもの,又は②施設管理者若しくは交通管理者から市水道局が当該申請及び届出を実施するよう求められたものに限る。)に関し,当該申請及び届出を市が実施する場合には,申請書類,届出書類及び図面等の関係図書(以下「申請書類等」という。)を市水道局に提出し,市水道局の承認を得なければならない。
市水道局は,前項の規定により提出された申請書類等に不備等を発見した場合には,運営権者の負担において申請書類等の修正を求めることができる。
市水道局は,第1項の規定により提出された申請書類等の記載に不備等があったことによって,施設管理者及び交通管理者との間の協議が遅延した場合であっても,これに関する一切の責任を負わない。また,運営権者は,市水道局又は施設管理者及び交通管理者から申請書類等の修正要求を受けた場合,速やかに当該申請書類等の修正を行うものとする。なお,当該修正により増加費用が生じた場合,当該増加費用は運営権者の負担とする。
第1項に規定するほか,運営権者は,給水管接合替及び給水施設工事を行うために必要となる,市水道局が実施する施設管理者及び交通管理者に対する各種申請及び届出に関し,当該申請及び届出を市が実施する場合には,申請書類等を市水道局に提出し,市水道局の承認を得なければならない。この場合,前二項の規定を準用する。
(設計図書等の提出及び承認)
運営権者は,事業計画書に従って計画業務,設計業務及び施工業務を行う場合には,本契約,要求水準書,募集要項等,モニタリング計画及び提案書類に従って,あらかじめ設計図書その他モニタリング計画に示す重要管理点に係る計画書等の書類(以下本条において「設計図書等」という。)を市に提出し,市の承認を得なければならない。
市は,前項の規定により提出された設計図書等につき,モニタリング計画において定める重要管理点に関する承認事項が要求水準に従っていないと判断した場合には,運営権者と協議の上,運営権者の負担において設計図書等の修正を求めることができる。市は,かかる修正を求めない場合は,設計図書等を承認した旨を運営権者に通知するものとする。
運営権者は,前項の規定により市から設計図書等の修正要求を受けた場合,速やかに当該設計図書等を修正しなければならない。この場合,運営権者は,速やかに当該修正後の設計図書等を市に提出し,市の承認を得なければならない。当該修正により増加費用が生じた場合,当該増加費用は運営権者の負担とする。
運営権者は,市の承認を得た設計図書等の変更を行う場合は,再度市の事前の承認を得なければならないものとする。
(市による申請等)
第47条に規定するほか,設計業務及び施工業務の実施に当たって,市が関係機関への申請,報告及び届出等を必要とする場合,運営権者は,書類作成及び手続等について,必要な協力を行うものとする。また,設計業務及び施工業務の実施に関して市が取得した許認可等について,当該設計業務及び施工業務の実施に関して条件が付された場合には,運営権者は,当該条件に従って当該設計業務及び施工業務を実施するものとする。
運営権者は,設計業務及び施工業務の実施に当たって,地権者からの承諾の取得を必要とする場合,自らの責任及び負担において,地権者から承諾を取得するとともに,当該施工業務が完了した後の運営権設定対象施設及び給水施設の維持保全業務の実施に当たって必要となる当該地権者の承諾を取得するものとする。
(市による検査及び引渡し)
運営権者は,運営権設定対象施設の施工業務(当該施工業務と合わせて実施する給水管接合替並びに当該施工業務に準じて実施する①末端管路の撤去工事,②管路の維持保全,③緊急修繕工事,④支障移設等及び⑤給水施設工事を含む。)を完了したときは,当該施工業務の内容が要求水準を満たしていることを確認するため,工事完成検査を実施するものとする。
運営権者は,前項に定める工事完成検査の完了後,要求水準書に定める完成図書類を市に提出し,市の確認を受ける。この場合において,市は,必要があると認められるときは,その理由を運営権者に通知して,当該工事の目的物を最小限破壊して検査するよう指示することができ,運営権者は,自己の費用で直ちに破壊検査及びその復旧を実施するものとする。
市は,前項の確認の結果,当該工事が本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類並びに設計図書と一致していないことが判明した場合,運営権者に対して是正を求めることができ,運営権者は,自己の費用で直ちに修補して,再度市の確認を受けなければならない。この場合,再度の確認については,前項の定めを準用する。
市は,前二項によって当該工事の完成を確認したときは,運営権者に当該工事に係る完成検査の合格を通知するものとする。運営権者は,当該通知を受領した後直ちに,①工事の目的物が浄配水場である場合は,工事完成図,試験成績書,取扱説明書その他要求水準書に定める書類等とともに,②工事の目的物が管路である場合は,工事完成図,弁栓類台帳,制水弁台帳その他要求水準書に定める書類等とともに,当該工事の目的物である浄配水場又は管路を市に引き渡さなければならない。
(施工業務の目的物に係る公共施設等運営権)
本事業における運営権設定対象施設の施工業務の目的物は,市による当該工事の完成の確認をもって市の所有に属し,当然に運営権設定対象施設に含まれるものとして運営権の効力が及ぶものとする。
(施工業務の目的物完成後の契約不適合責任等)
第50条第4項に基づいて市が運営権者から引渡しを受けた工事の目的物について,破損等の契約不適合が発見された場合,市は,当該工事の目的物の引渡しから1年以内に限り,運営権者に対し,相当の期間を定めて,当該契約不適合の修補を請求し,又は修補に代えて若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。ただし,当該契約不適合について運営権者に故意又は重過失がある場合には,本項に基づく運営権者の責任期間は,当該工事の目的物の引渡しから10年,又は市が当該契約不適合を知った時から5年のいずれか短い期間とする。
運営権者が施工業務に際して実施した道路舗装について,破損等の契約不適合が発見された場合,市は,当該道路舗装について道路管理者による検査が完了してから2年以内に限り,運営権者に対し,相当の期間を定めて,当該契約不適合の修補を請求し,又は修補に代えて若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。ただし,当該契約不適合について運営権者に故意又は重過失がある場合には,本項に基づく運営権者の責任期間は,当該道路舗装について道路管理者による検査が完了してから10年,又は市が当該道路舗装の瑕疵を発見した時から5年のいずれか短い期間とする。
(運営権者が行う設備投資等)
運営権者は,特定事業における自らの維持修繕及び運営に係る費用の削減並びに運営権設定対象施設の資産価値の増加等を目的として,必要な機器及び構築物等を自らの費用負担により設置又は建築することができるものとし,新たに設置した機器及び建築した構築物等は,運営権者が所有するものとする。ただし,設置又は建築に当たっては,運営権者は,本事業運営上の必要性,周辺施設への影響,浄配水場の将来計画等を十分に検討した上で,事前に市と協議を行い,当該機器等の設置又は構築物等の建築の可否に関する市の承認を得なければならない。
(市所管業務等への協力等)
運営権者は,本事業の実施に当たり,本事業の円滑な運営のため,市と綿密に連絡調整を行うとともに,市の指示に従い,各種資料の作成,情報提供等を行うものとする。運営権者は,本事業開始日の前日までに市が締結し,履行が終了していない契約に基づく建設工事,施設撤去工事,上水道の配水管更新・維持保全その他市が実施する工事等について,市及び運営権者の双方の業務が円滑に行えるよう,市と適宜調整を行うものとする。
前項に従って実施された市の工事等によって運営権者に損害(工業用水を供給できなくなったことにより生じる利用料金の減収を含む。)が生じた場合には,市は,運営権者に対して当該損害を補償する。また,前項に従って実施された市の工事等によって利用者に損害が生じた場合には,市がこれを補償するものとし,運営権者は一切の責任を負わない。
(補助金の申請)
運営権者は,本契約締結日以降,市が行う補助金の申請手続等についての検討及び書類作成等の支援を行う。
第3節 市による建設又は更新等の実施
(本事業開始日以降に市が行う工事)
市は,本事業開始日以降においても,次の各号に掲げる工事のうち,別紙12-2に定める工事を実施することができるものとし,運営権者は,市による第1号及び第2号に掲げる工事の完了後速やかに,当該工事の対象となった運営権設定対象施設の引渡しを受けるものとする。
運営権設定対象施設の更新等
管路の支障移設等
給水施設工事
前項の規定により運営権者に引き渡された施設は,当然に当該運営権設定対象施設に含まれるものとして,運営権の効力が及ぶものとする。
(公益上の理由による建設,更新等又は維持修繕の実施)
市は,前条に定めるもののほか,公益上の理由を検討した上で必要と判断した場合,市が実施主体となり,市の費用負担により,運営権の同一性が維持される限度で,本事業に係る新たな施設の建設又は運営権設定対象施設の更新等を行うことができ,運営権者はかかる建設又は更新等に最大限協力しなければならない。当該建設又は更新等に係る部分は,当然に運営権設定対象施設に含まれるものとして運営権の効力が及ぶものとする。
市は,前項に定める本事業に係る新たな施設の建設又は運営権設定対象施設の更新等を行う場合は,当該建設又は更新等に着手する前に運営権者に対して通知を行うものとし,当該建設又は更新等に係る工事のうち,運営権者の業務に調整が必要となる工事について,市は,運営権者と協議の上,実施するものとする。
運営権者は,第1項に基づき市が建設した施設及び更新等を実施した運営権設定対象施設について,市が実施した建設又は更新等の対価として,本事業期間中に市が計上する減価償却費相当額並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を負担する。ただし,本条第6項に基づき市が運営権者に生じた増加費用又は損害を補償しなければならない場合,運営権者は,市の事前の承諾をもって,当該減価償却費相当額並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額から運営権者に生じた増加費用又は損害相当額を控除した金額を支払うことで足りるものとする。
市は,本事業に係る新たな施設の建設又は運営権設定対象施設の更新等が完了した日の属する事業年度の翌事業年度以降の本事業期間中の各事業年度の末日から60日以内に,当該事業年度における前項に規定する減価償却費相当額の金額を確定し,運営権者に通知するものとする。運営権者は,市より通知を受けた各事業年度に係る減価償却費相当額並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を,当該通知の受領日から30日以内に市に支払う。
市が運営権設定対象施設以外の施設の建設,更新等又は維持修繕(ただし,第1項に定める本事業に係る新たな施設の建設を除く。以下本条において同じ。)を行う場合,運営権者は,市の要請に応じて,これに協力しなければならない。
第1項の規定により市が実施する本事業に係る新たな施設の建設又は運営権設定対象施設の更新等に起因して,事業計画書の変更が必要となった場合,市は,運営権者と協議の上,運営権者に生じた増加費用又は損害を補償するものとする。ただし,当該増加費用又は損害が不可抗力に起因する場合,第69条及び第70条の定めに従うものとする。
市が実施する運営権設定対象施設以外の施設の建設,更新等若しくは維持修繕の契約不適合に起因して,事業計画書の変更が必要となった場合,市は,運営権者と協議の上,当該事業計画書の変更に起因して運営権者に生じた増加費用又は損害を補償するものとする。ただし,当該増加費用又は損害が不可抗力に起因する場合,第69条及び第70条の定めに従うものとする。
第1項又は第5項の規定により行われる建設,更新等又は維持修繕の内容が,運営権者に著しい増加費用若しくは業務の増加又は損害を発生させることとなる場合には,市は,事前に運営権者と協議するものとする。
(新技術の導入)
運営権者は,本運営事業を実施するに当たり,既存技術の陳腐化等への対応のために新技術を導入する必要がある場合は,自らの費用負担により,当該新技術を導入し,使用するものとする。ただし,市が当該新技術の導入を要求し,当該新技術の導入及び使用に係る費用が当該新技術を導入しなかった場合の費用を上回る場合は,市が当該新技術の導入及び使用に係る費用と当該新技術を導入しなかった場合の差額を負担するものとする。
(20条負担金)
運営権者は,①別紙13に定める本事業開始日の前日までに市が建設又は更新等を実施した運営権設定対象施設及び②第56条第1項に基づき引渡しを受けた運営権設定対象施設について,PFI法第20条に基づき,本事業期間中に市が計上する減価償却費相当額(以下「20条負担金」という。)並びにこれに係る消費税及び地方消費税額相当額を負担する。
市は,①別紙13に定める本事業開始日の前日までに市が建設又は更新等を実施した運営権設定対象施設については,本事業期間中の各事業年度の末日から60日以内に,当該事業年度に係る20条負担金の金額を確定し,また,②第56条第1項に基づき引渡しを受けた運営権設定対象施設については,当該引渡日の属する事業年度の翌事業年度以降の各事業年度の末日から60日以内に,当該事業年度における20条負担金の金額を確定し,それぞれ運営権者に通知するものとする。運営権者は,市より通知を受けた各事業年度に係る20条負担金並びにこれに係る消費税及び地方消費税額相当額を,当該通知の受領日から30日以内に市に支払う。
第4節 運営権者が負担すべき費用等
(非運営権設定対象施設等関連費用)
運営権者は,運営権設定対象施設以外で,本事業の実施のために使用する上工共有施設等に係る次の各号に掲げる費用(以下「非運営権設定対象施設等関連費用」という。)を負担する。なお,非運営権設定対象施設等関連費用の金額(第1号に掲げるものを除く。)は,当該上工共有施設等に関して市が負担した実費(公共調達手続により決定した契約額等)相当額のうち,本事業に関連する事業量等に基づき市が別途合理的に算定する金額とする。
本事業に供する上工共有施設等(排水処理施設等であって,工業用水道事業会計において固定資産を計上しているものに限る。)について市が計上する減価償却費相当額
水道事業からのバックアップを行うために必要となる動力費,薬品費,排水処理施設運転管理費(委託料),浄水汚泥処分費及び市職員に関する人件費
市における資産管理,道路管理者との調整,災害対応等に従事する市職員に関する人件費
浄配水処理に係る動力費及び薬品費(鶴見配水場及び桜宮配水場に係るものを除く。)
本事業に供する上水用地(市水道事業の事業用資産の一部を構成する土地をいう。)及び上水単独施設(市水道事業の事業用資産の一部を構成する施設(ただし,上工共有施設等を除く。)をいう。)のうち,排水処理施設等の一部であって,工業用水道事業会計において固定資産を計上しないものに係る賃借料(なお,土地及び建物に係る賃借料は,大阪市水道局資産規程(昭和42年大阪市水道事業管理規程第6号)等に基づいて別途市が算出する金額とし,その他の設備等に係る賃借料は,当該設備等の減価償却費相当額に基づき別途市が算出する金額とする。)
本事業に供する上工共有施設等(水源開発施設,取水施設,排水処理施設及び薬品注入設備(これらの附属設備を含む。)並びに運転管理システム等を含む。)に係る運転費及び維持管理費
管路に関連する施設及び設備(管路情報管理システム,道路管理システム,配水情報システム,給水装置ファイリングシステム,テレメータ及び共同溝)に係る維持管理費用
上工共有施設等に関して市が第三者との間で締結する業務委託契約として別紙18に掲げる契約に係る委託費
前各号に掲げるもののほか,運営権設定対象施設以外に関して市が運営権者において負担すべきと認める費用
市は,前項第9号に掲げる費用として取り扱うべき費用を認識した場合,運営権者と事前に協議の上,運営権者に対して負担を求めるものとする。
市は,各事業年度の末日から60日以内に,当該事業年度における非運営権設定対象施設等関連費用の金額を確定し,運営権者に通知するものとする。運営権者は,市から通知を受けた非運営権設定対象施設等関連費用並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を,当該通知の受領日から30日以内に市に支払う。
(その他運営権設定対象施設関連費用)
運営権者は,20条負担金のほか,本事業期間中における運営権設定対象施設に関連する費用として,次の各号に掲げる費用(以下「その他運営権設定対象施設関連費用」という。)を負担する。なお,その他運営権設定対象施設関連費用の金額は,運営権設定対象施設に関して市が負担した実費(公共調達手続により決定した契約額等)相当額のうち,本事業に関連する事業量等に基づき市が別途合理的に算定する金額とする。
管路用地の賃借料及び管路工事の事務検査費
運営権設定対象施設に対する建物損害保険の保険料
運営権設定対象施設に関して市が第三者との間で締結する業務委託契約として別紙18に掲げる契約に係る委託費
前各号に掲げるもののほか,運営権設定対象施設に関連する費用で,市が運営権者において負担すべきと認める費用
市は,前項第4号に掲げる費用として取り扱うべき費用を認識した場合,運営権者と事前に協議の上,運営権者に対して負担を求めるものとする。
市は,各事業年度の末日から60日以内に,当該事業年度におけるその他運営権設定対象施設関連費用の金額を確定し,運営権者に通知するものとする。運営権者は,市から通知を受けたその他運営権設定対象施設関連費用並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を,当該通知の受領日から30日以内に市に支払う。
(非運営権設定対象施設等関連費用等に係る上限額)
前二条に基づき市が運営権者に支払いを求めることができる非運営権設定対象施設等関連費用及びその他運営権設定対象施設関連費用の合計額は,1事業年度当たり283,000,000円並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額の合計額を上限(以下本条において「上限額」という。)とする。ただし,第60条第1項第1号,第2号及び第8号並びに前条第1項第3号に掲げる費用は,上限額の算定において加算されないものとする。
市又は運営権者は,①本事業期間中に発生する非運営権設定対象施設等関連費用若しくはその他運営権設定対象施設関連費用の恒常的な削減が見込まれる場合,②第60条第1項第9号若しくは前条第1項第4号に掲げる費用で運営権者による本事業の実施に起因するものが新たに生じた場合,③第88条第2項の規定によるオプション延長若しくは同条第3項の規定による合意延長が行われた場合,又は④本事業に係る事業環境が著しく変化する場合として別紙14に定める事象が発生した場合,相手方に対し,前項に定める上限額の変更について,協議を申し入れることができる。
第9章 利用料金の設定及び収受等
(利用料金の設定)
運営権者は,本事業期間にわたり,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類,大阪市実施方針条例その他関連する法令等,並びに供給規程に従い,利用者から利用料金を収受する。
運営権者は,本事業開始日以降に,大阪市実施方針条例第5条第4項に規定する「新たな算定方法」を定めようとする場合,当該算定方法の内容についてあらかじめ市と協議しなければならない。
消費税及び地方消費税の税率が改正される場合,市は,大阪市実施方針条例第5条第2項各号で「100分の110」としている部分を当該改正後の税率に一致させる内容の改正条例案を,市議会に提出しなければならない。なお,当該条例の改正は,特定条例等変更に該当しないものとする。
(計画の見直し等)
運営権者は,本事業に係る事業環境が著しく変化する場合として別紙15に定める事象が発生し,当該事象の影響により運営権者の将来的な事業継続が危ぶまれる場合,市に対し,協議を申し入れることができる。
運営権者は,前項の規定による協議の申入れを行う場合,市に対し,運営権者の将来的な事業継続が危ぶまれることに係る合理的な説明(収支の乖離状況(収支の乖離見込みを含む。)に関する説明及び収支改善のために運営権者が実施した,又は今後実施する予定の経営努力に関する説明を含むが,これらに限られない。)を行わなければならない。
市は,第1項の規定による協議の結果,やむを得ないと判断した場合には,運営権者と協議の上,事業計画の見直しその他運営権者の経営状況の改善のために必要な措置を行う。
(メーター料及び給水施設工事費用の設定)
運営権者は,供給規程において,メーター料を収受する旨及びその金額を規定した場合には,本事業期間にわたり,利用者からメーター料を収受することができる。ただし,供給規程に規定すべきメーター料の金額は,別紙4に定める金額とする。
運営権者は,供給規程において,給水施設工事費用を収受する旨を規定した場合には,本事業期間にわたり,利用者から給水施設工事費用を収受することができる。
(利用料金等の収受等)
運営権者は,利用者から利用料金並びにメーター料及び給水施設工事費用を直接収納するものとする。
運営権者は,自己の責任及び費用で,利用料金並びにメーター料及び給水施設工事費用の支払いの督促その他未納者に対する対応を実施するものとする。
第24条の規定にかかわらず,市は,本事業開始日の前日までに生じた大阪市工業用水道事業給水条例(昭和34年大阪市条例第20号)第22条に規定する料金について,自ら水道メーターの検針を行い,同条例に規定する使用者から直接収納する。
第87条の規定にかかわらず,運営権者は,本事業終了日以降に支払期限が到来する利用料金及びメーター料について,本事業の終了にかかわらず,自ら水道メーターの検針を行い,利用者から利用料金及びメーター料を収納するものとする。
運営権者が利用料金並びにメーター料及び給水施設工事費用その他本運営事業に関して利用者が支払義務を負う金銭の支払いに係る訴訟(民事保全,民事執行,調停,仲裁その他訴訟に準じる手続を含む。)を提起する場合には,運営権者は,事前に市と協議をした上で,民法その他関連する法令等に基づきこれを行うものとする。
運営権者は,本事業期間中,各事業年度の末日から60日以内に,当該事業年度において実施したお客さまサービス(営業・給水施設・水道メーター)の状況に関する年次報告書を作成し,市に提出しなければならない。当該報告書の記載事項,公表事項等については,市が別途指定する。
(一部負担金の支払い等)
市は,単年度事業計画書に基づいて運営権者が実施する本運営事業に係る更新等に要する費用(水道メーターについては,本事業開始日以降に実施する新規設置(取替としての設置を含まない。)に要する費用に限るものとし,その金額は,水道メーターの取得価額とする。以下本条において同じ。)の一部を,一部負担金として運営権者に対して支払うものとする。また,市は,緊急やむを得ない事情によって実施された単年度事業計画書に記載のない更新等に要する費用の一部を,一部負担金として運営権者に対して支払うものとする。ただし,単年度事業計画書に記載のない更新等に係る費用のうち,一部負担金の対象となる費用は,単年度事業計画書に定める本運営事業に係る更新等に要する費用から,当該単年度事業計画書に基づいて運営権者が実施する本運営事業に係る更新等に実際に要した費用を控除した金額を限度とする。
一部負担金は,本事業期間中,四半期ごとに,当該四半期の末日までに第50条第4項に基づいて市が運営権者から引渡しを受けた工事の目的物について,令和14年4月1日(ただし,第88条第2項の規定によるオプション延長又は同条第3項の規定による合意延長が行われた場合には,当該延長後の本事業終了日の翌日)以降に市が計上する減価償却費の累計額及び残存簿価に係る除却費の合算額として市が算出した金額とし,市は,当該金額の算出後速やかに運営権者に当該金額を通知する。
運営権者は,市から一部負担金の支払いを受けるために,四半期ごとに,当該四半期の末日までに第50条第4項に基づいて市が運営権者から引渡しを受けた工事の目的物について,要求水準書に定める必要書類及び一部負担金の積算根拠に係る資料を市に提出し,市は,運営権者から提出された当該書類を確認(一部負担金の積算根拠の妥当性に係る確認を含む。)する。この場合,市は,運営権者に対して,市が必要と認める追加書類(一部負担金の積算根拠に係る追加資料を含む。)の提出を求めることができ,必要に応じて,その内容について運営権者と協議を行うことができる。運営権者は,市による当該確認の後,前項に基づいて市から通知を受けた一部負担金の金額について請求書を発行し,市は,当該請求書を受領してから30日以内又は当該四半期の末日の2ヶ月後の応当日のいずれか遅い日までに,当該四半期の一部負担金並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を支払う。なお,市は,運営権者からの求めにより,協議の上で,一部負担金を部分的に前払することができる。
施設管理者からの指示又は他の埋設企業体等からの依頼に基づく管路(取水管及び浄配水場の構内配管を除く。)の支障移設等に関する費用を運営権者が負担する場合で,かつ,当該支障移設等が更新に当たる場合,運営権者は,市に対し,当該費用について一部負担金の支払いを請求することができる。この場合の一部負担金の支払いについては,前二項の規定を準用する。
市は,本運営事業に係る更新等に関して国から補助金を受領した場合,当該更新等の対象施設について本事業期間中に市で計上する長期前受金戻入相当額を,市が当該補助金を受領した直後に到来する一部負担金の支払日と同日に,当該一部負担金に加えて,運営権者に支払う。
本運営事業に係る更新等に関して,運営権者が第三者から補償金(施設管理者から運営権者に支払われた移設補償金を含む。)を受領した場合,当該補償金の額から当該更新等の対象施設について本事業期間中に市で計上する長期前受金戻入相当額を差し引いた金額を,運営権者が当該補償金を受領した直後に到来する一部負担金の支払日における一部負担金の額から控除する。
第3項の規定による一部負担金の支払後,①第88条第2項の規定によるオプション延長又は同条第3項の規定による合意延長が行われた場合,運営権者は,当該一部負担金の対象となった施設について延長期間中に市で計上する減価償却費相当額(ただし,当該一部負担金の対象となった施設に関し,市が補助金を受領し,又は運営権者が第三者から補償金を受領している場合には,延長期間中に市で計上する長期前受金戻入相当額を控除する。)並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を,市が別途定める期限までに,市に支払うものとし,②本事業終了日よりも前に実施契約が解除され,又は終了した場合,市は,運営権者に対して,当該一部負担金の対象となった施設について残存期間(本契約が解除され,又は終了した日から当該時点で予定されていた本事業終了日までの期間をいう。以下本項において同じ。)中に市で計上する減価償却費相当額(ただし,当該一部負担金の対象となった施設に関し,市が補助金を受領し,又は運営権者が第三者から補償金を受領している場合には,残存期間中に市で計上する長期前受金戻入相当額を控除する。)並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を,第102条第1項によって読み替える第90条第5項に規定する期限までに,運営権者に支払うものとする。
本事業期間中に市が運営権者に対して支払う一部負担金の総額は,4,356,363,637円を上限金額(以下本条において「上限金額」という。)とする。運営権者は,当該上限金額を遵守するために,更新等の対象を真に必要なものに限るとともに,更新等に要する費用を圧縮するための材料及び工法を積極的に採用する等の最大限の努力を行うものとする。
前項に規定する運営権者の最大限の努力にかかわらず,物価上昇又は想定を上回る支障移設の発生等に伴って,一部負担金の支払総額が上限金額を超過することが見込まれる場合,運営権者は,市に対して,上限金額の変更の必要性に係る合理的な根拠(客観的指標に基づく物価上昇又は事業量の増加等の状況に関する説明を含む。)を示して,上限金額の変更に係る協議を申し入れることができる。市及び運営権者は,当該協議の結果,合意した場合には,上限金額を変更するものとする。
第10章 リスク分担
(リスク分担の原則)
市は,本契約で別途定める場合を除き,運営権者による本事業の実施に対して,何らの対価を支払う義務を負わない。
第4項その他本契約で別途定める場合を除き,運営権者はその責任で本事業を実施するものとし,本事業において運営権者に生じた収入の減少,費用の増加その他損害又は損失の発生については,すべて運営権者が負担し,市はこれについて何らの責任も負担しない。
前項の規定にかかわらず,第三者受託業務についてのリスク分担は,当該第三者受託業務について運営権者と第三者受託業務要請者との間で別途締結される契約の定めに従うものとし,当該第三者受託業務の実施に当たって運営権者に生じた収入の減少,費用の増加その他損害又は損失の発生について,市は何らの責任も負担しない。
本契約で別途定める場合を除き,法令等に従って市が実施義務を負う事業の実施に関して市の故意又は重大な過失(なお,法令等の変更自体はこれに該当しない。)により運営権者に増加費用又は損害が発生した場合,市は,当該増加費用又は損害について補償するものとする。
(不可抗力の発生)
本契約で別途定める場合を除き,本事業開始日以降,不可抗力が発生した場合,運営権者は,その内容の詳細を記載した書面をもって,直ちに市,利用者及び経済産業省に対し通知するとともに,事業継続計画に従い初動対応をしなければならない。ただし,緊急対応が必要な場合には,運営権者は,自らの判断により臨機の措置を取ることができ,かかる措置を取った後速やかに市,利用者及び経済産業省に報告することとする。
前項の場合において,市が本事業の継続のために必要と判断した場合,市は,運営権者に対し必要な対応を指示することができ,運営権者はこれに従うものとする。
第1項の場合において,市は運営権者に対し,不可抗力による本事業への影響を調査するため,必要な資料の提出を求めることができる。また,市は,不可抗力により履行困難となった運営権者の本契約上の義務の履行を,必要な範囲及び期間において免責することができる。ただし,市及び運営権者は,当該不可抗力の影響を早期に除去すべく,適切な対応手順に則り,早急に対応措置をとり,不可抗力により相手方に発生する損害を最小限にするよう努力しなければならない。
第1項の通知があった場合又は市が自ら不可抗力が発生していると認識した場合,市及び運営権者は,協議の上,運営権設定対象施設の復旧スケジュール及び補助金交付要綱等に基づく国庫補助の申請等,本事業の復旧に向けて,相互に協力の上,必要となる事業継続措置とその後の役割分担を定め,それぞれ当該事業継続措置に従うものとする。
(不可抗力による増加費用及び損害の扱い)
不可抗力により,本運営事業について運営権者又は市に増加費用又は損害が生じたときは,本契約に別段の定めがある場合を除き,市及び運営権者は,次の各号の定めに従い,当該増加費用又は損害を負担するものとする。
暴動,戦争等の人的災害に係る不可抗力による増加費用又は損害の負担
運営権設定対象施設について生じた増加費用又は損害(ただし,①運営権者による設計の不備又は工事施工の粗漏に起因して生じたと認められるもの,及び②運営権者が維持修繕の義務を怠ったことに起因して生じたと認められるものを除く。)の合計額が補助金交付要綱別表第1第5項第1号及び第2号に掲げる激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和37年法律第150号)第2条第1項に基づき激甚災害として政令で指定され,か つ,当該政令において指定された適用すべき措置に同法第3条第1項第1号に掲げるものが含まれる場合における補助対象総事業費の要件として定められた金額以上である場合,当該運営権設定対象施設について生じた増加費用又は損害は,市の負担とする。なお,当該不可抗力によって被害を受けた運営権設定対象施設を原形に復旧する(原形に復旧することが不可能な場合において当該施設の従前の効用を復旧するための施設を設置することを含む。)ことを目的とする工事ごとに,当該増加費用又は損害の合計額を算定するものとする。
上記ア以外の場合は,運営権者の負担とする。
地震,暴風,豪雨等の自然災害に係る不可抗力による増加費用又は損害の負担
当該不可抗力に起因する損害の回復を図る工事等が,補助金交付要綱第3条第4項並びに同別表1第4項及び第5項に規定する補助金採択基準を満たす災害復旧事業に該当する場合又はその他工業用水道事業に関して国が定める補助金制度における補助金交付対象事業に該当する場合,当該不可抗力に起因して運営権設定対象施設について生じた増加費用又は損害は,市の負担とする。
上記ア以外の場合は,運営権者の負担とする。
前項の規定にかかわらず,不可抗力によって任意事業について運営権者に増加費用又は損害が発生した場合,当該増加費用又は損害はすべて運営権者の負担とする。
(法令等の変更)
運営権者は,本契約締結日以降の法令等の変更(特定法令等変更及び特定条例等変更を含むが,これらに限られない。)により本事業の実施が困難となった場合又は困難となることが見込まれる場合,その内容の詳細及び対応方針を直ちに市に対して通知しなければならない。
前項の場合において,市は,運営権者に対し,法令等の変更による本事業への影響を調査するため,必要な資料の提出を求めることができる。また,市は,法令等の変更により履行困難となった運営権者の本契約上の義務の履行を,必要な範囲及び期間において免責することができる。ただし,運営権者及び市は,当該法令等の変更の影響を早期に除去すべく,適切な対応手順に則り,早急に対応措置を取り,法令等の変更により相手方に発生する損害を最小限にするよう努力しなければならない。
市が運営権者から第1項の通知を受領した場合,市及び運営権者は,当該法令等の変更に対応するために,速やかに本契約及び要求水準の変更について協議する。かかる協議にもかかわらず,変更された法令等の公布日から60日以内に本契約又は要求水準の変更について合意が成立しない場合は,市が法令等の変更に対する対応方法を運営権者に対して通知し,運営権者はこれに従い本事業を継続しなければならない。
(法令等の変更による増加費用及び損害の扱い)
本契約で別途定める場合を除き,本契約締結日以降の法令等の変更により本運営事業について運営権者に増加費用又は損害が生じたときは,運営権者が当該増加費用又は損害を負担するものとする。ただし,特定条例等変更により(運営権者の責めに帰すべき事由により当該特定条例等変更が行われた場合を除く。),本運営事業について運営権者に増加費用又は損害が発生した場合,市は,当該増加費用又は損害について補償するものとする。
市の条例又は計画が変更されたことにより,本事業又は運営権設定対象施設に係る計画,設計又は仕様等(要求水準を含むが,これに限られない。)が変更された場合において,運営権者に増加費用又は損害が発生し,それにより,運営権者の将来的な事業継続が危ぶまれるような場合は,市は,当該増加費用又は損害について補償するものとする。
前二項の規定にかかわらず,法令等の変更によって任意事業について運営権者に増加費用又は損害が発生した場合,当該増加費用又は損害はすべて運営権者の負担とする。
(第三者に及ぼした損害)
運営権者は,運営権者が本事業の実施に際し,第三者に損害を及ぼした場合は,直ちにその状況を市に報告しなければならない。
前項の損害が以下のいずれかの事由により生じたものである場合は,運営権者は,当該第三者に対して当該損害を賠償しなければならない。
運営権者の責めに帰すべき事由
本事業期間中に生じた管路の漏水(大規模漏水を含む。)
本事業終了日の翌日から1年の間に生じた管路の大規模漏水
運営権者の実施した工事等,運営権者が実施した業務又は事業に起因する事由(運営権者の維持修繕又は更新等に起因して発生した管路の漏水(大規模漏水を含む。)を含む。)
任意事業等のために運営権者が建設した施設そのものに起因する事由
騒音,悪臭,振動,電波障害等並びにこれらに起因する反対運動又は訴訟その他の本事業の実施に当たり通常避けることのできない事由
第1項の損害が市の責めに帰すべき事由により生じたものである場合又は運営権設定対象施設の存在そのものに起因して近隣住民等に生じたもの(ただし,運営権者の運営等に起因するものを除く。)である場合は,市がその損害を賠償しなければならない。
前各項の規定にかかわらず,第1項の損害が本事業開始日から1年の間に発生した管路の大規模漏水によって生じたものである場合は,市がその損害を賠償するものとする。ただし,運営権者の故意又は過失によって生じた場合には,第2項の規定に従うものとする。
本事業の実施に関し第三者との間に紛争が生じた場合においては,市及び運営権者が協力してその処理解決に当たるものとする。
(反対運動及び訴訟等)
本運営事業の実施自体に対する反対運動又は訴訟等により,本事業期間の変更,本事業の中断若しくは延期又は運営権設定対象施設に物理的な破損等が発生した場合であって,かかる事象に起因して運営権者に増加費用又は損害が発生したときは,市は,当該増加費用又は損害(ただし,弁護士費用その他の訴訟費用は含まない。)を運営権者に補償するものとする。
(水量又は水質の変動)
市は,次の各号に掲げる場合に限り,特定事業における,原水の水量又は水質の変動に起因して運営権者に生じた増加費用又は損害を負担する。
取水可能な水量が著しく減少したことに起因して運営権者に増加費用又は損害が発生した場合で,かつ,当該取水可能な水量の減少が新たな水資源の開発を要する恒常的な原水水量の不足であると市が合理的に認めたとき
①本事業開始日以前における市による運転管理の実績に照らしても対処できない程度に原水水質が恒常的に悪化した場合で,かつ,②運営権者の専門的な技術及び経験並びに運営権設定対象施設の処理能力を最大限活かした運転管理によっても当該原水水質の恒常的な悪化に対処できないと認められる場合において,当該原水水質の恒常的な悪化に起因して,運営権設定対象施設について追加の施設整備が必要であると市が認めたとき
市は,運営権者に対し,原水の水量又は水質の変動による本事業への影響を調査するため,必要な資料の提出を求めることができる。
第1項の規定にかかわらず,第1項に定める運営権者の増加費用又は損害の発生が,法令等の変更又は不可抗力に起因する場合,第69条から第72条までの定めに従うものとする。
(損害賠償責任)
本契約に別段の定めがある場合を除き,市又は運営権者が本契約に定める義務に違反した(以下本条において,この場合における当該市又は運営権者を「違反当事者」という。)ことにより相手方当事者に損害が発生したときは,相手方当事者は違反当事者に対し損害賠償を請求することができる。
第11章 適正な業務の確保
(運営権者によるセルフモニタリング)
運営権者は,本契約締結後速やかに,市との間で協議及び調整を行った上で,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に基づき,本事業におけるセルフモニタリングの実施体制,要求水準の確認に関する実施方法,要求水準の未達時に関する対応の実施方法及びセルフモニタリング結果の公表に関する方針等を記載したセルフモニタリング計画を作成し,市の承認を得なければならない。
運営権者は,本事業期間中,法令等及び要求水準によって実施が義務付けられている事項について,工業用水道事業法その他の法令等及び要求水準(モニタリング計画に規定された事項を含むが,これらに限られない。)並びにセルフモニタリング計画に基づき確認及び是正措置を行い,その結果を適切に保存するとともに,モニタリング計画に従って業務報告書等を市に提出する。
運営権者は,本事業期間中,提案書類において提案した業務に関する事項及びその他提案書類において提案した事項についてセルフモニタリングを実施し,その方法(セルフモニタリングの実施体制,実施内容,実施方法及び実施頻度を含むが,これらに限られない。)及び結果について,市に対して,自らが提案書類において提案した方法又は市の求めに応じて,随時報告書を作成してこれを提出する。
運営権者は,前二項のセルフモニタリングの方法及び結果のうち,自らが提案書類において提案した公表事項及び要求水準書に定める事項については,運営権者のホームページ上で公表し,本事業期間中,公表を維持しなければならない。
本条に関するその他の詳細については,モニタリング計画に従うものとする。
(市及び外部有識者機関によるモニタリング)
市は,本契約締結後速やかに,モニタリング計画(案)に,前条第1項に基づいて市の承認を得たセルフモニタリング計画を加えて,モニタリング計画として策定するものとする。
市は,本事業期間中,運営権者がPFI法,工業用水道事業法その他の法令等及び要求水準(モニタリング計画に規定された事項を含むが,これらに限られない。)を満たす方法により本事業を実施しているか否かについて,モニタリング計画及び提案書類に従ってモニタリングを実施するものとし,運営権者は,市によるモニタリングの実施に協力する。
前項に定める市によるモニタリングに加えて,本事業期間中,運営権者の要求水準の達成状況及び経営状況並びに市によるモニタリングの妥当性等について,外部有識者機関によるモニタリングも実施されるものとする。
本条に関するその他の詳細(外部有識者機関の詳細を含む。)については,モニタリング計画に従うものとする。
(要求水準未達違約金)
前二条に規定するモニタリングの結果,本事業について要求水準を充足していない事項が存在することが判明した場合,市は,モニタリング計画の定めるところに従って,運営権者に対して要求水準未達違約金の支払いを求めることができる。
(運営権の行使の停止)
市は,PFI法第29条第1項各号に規定する事由が生じたと判断した場合(要求水準が達成されていないことが判明した場合において,運営権者のみでは改善が見込まれず,要求水準の達成が困難であると市が判断したときを含むが,これに限られない。),同条第2項の規定による聴聞を行った上で,同条第1項の規定に基づき,市の判断で,必要な期間及び必要な範囲において運営権の行使の停止を命ずることができる。この場合,市は,当該停止した本運営事業を自ら行い,又は第三者に委託した上で,当該第三者(以下本項において「受託者」という。)をして行わせることができ,また,運営権者に対して,市又は受託者による当該事業の実施について協力(運営権者が所有する資産についての市又は受託者による一時的な使用,締結している契約についての市又は受託者による一時的な承継その他の協力を含むが,これらに限られない。)を要請することができ,運営権者はこれに協力しなければならない。
前項の規定により運営権の行使が停止された場合,市は,PFI法第27条第1項の規定に基づきこれを登録するとともに,当該停止が同法第29条第1項第2号に規定する事由によるときは,運営権者は,運営権の行使が停止された期間に係る運営権対価の支払義務を負わず,市は,当該期間に係る受領済みの運営権対価並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を市及び運営権者が別途合意する期限までに運営権者に支払う。また,当該停止が同法第29条第1項第2号に規定する事由によるときは,市は,運営権者に対して,同法第30条第1項の規定により通常生ずべき損失(運営権者の責めに帰すべき事由によって発生した損失等を除く。)を補償する責任を負う。
(その他必要な措置)
市は,PFI法第28条の規定により,運営権者による本事業の適正を期するため,運営権者に対して,本事業の業務若しくは経理の状況に関し報告を求め,実地について調査し,又は必要な指示をすることができる。
前項の市の調査又は指示に従うことにより運営権者に費用が発生する場合,かかる費用は運営権者の負担とする。
第12章 運営権者子会社等
(子会社及び関連会社)
運営権者は,本事業期間中,市の事前の承諾なく,自らの子会社又は関連会社を設立し,又はその株式若しくは持分を保有してはならない。
運営権者は,本事業期間中,市の事前の承諾がない限り,①運営権者子会社等の発行済株式の総数(又は市が認めた株式割合を超える株式)を直接又は間接に保有していなければならず,②運営権者子会社等をして,運営権者又は他の運営権者子会社等以外の第三者に対する新規株式の発行その他①に反する行為をさせてはならない。
運営権者は,運営権者子会社等をして,市の事前の承諾なく,市が承認した任意事業以外の事業を行わせてはならない。
運営権者は,運営権者子会社等をして,本契約の内容を遵守させなければならない。
運営権者は,本事業期間中,運営権者子会社等をして,市の事前の承諾を得ることなく,定款の事業目的の変更,解散,合併,株式交換,株式移転,会社分割,事業譲渡,組織変更その他会社の基礎の変更を行わせてはならない。
第13章 誓約事項
(運営権者による誓約事項)
運営権者は,運営権者又は運営権者子会社等についての次の各号に掲げる書面(ただし,第1号に規定する定款及び第4号に規定する株主名簿については原本証明付写しとする。)を,本契約締結後速やかに(ただし,第5号及び第6号に規定する契約書については,当該契約の締結後速やかに)市に提出するほか,これらの記載内容が変更された場合,変更後の書面(ただし,第1号に規定する定款及び第4号に規定する株主名簿については原本証明付写しとする。)を,当該変更から10日以内に市に対して提出する。
定款
履歴事項全部証明書
代表印の印鑑証明書
株主名簿
運営権者と金融機関等との間の①融資に関する契約書(もしあれば。)の写し,②運営権に対する担保権の設定に関する契約書(もしあれば。)の写し,並びに③本契約その他運営権者と市との間で締結された契約に基づく運営権者の権利及び契約上の地位に対する担保権の設定に関する契約書(もしあれば。)の写し
運営権者の株式に対する担保権の設定に関する契約書(もしあれば。)並びに運営権者子会社等が保有する資産,契約に基づく権利及び契約上の地位に対する担保権の設定に関する契約書(もしあれば。)の写し
運営権者は,本事業期間中,法令等及び本契約の各規定を遵守するほか,次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
運営権者は,会社法に基づき適式,有効かつ適法に設立され,存続する株式会社であり,本店所在地が大阪市内であること。
運営権者は,新たに本議決権株式,当該株式に転換若しくは交換され得る有価証券又は当該株式を受領する権利を表章する有価証券(以下本号において「本議決権株式等」という。)を株主総会又は取締役会の決議により発行しようとする場合には,会社法の規定に従うほか,その内容について市の事前の承認を得る必要があること。ただし,本議決権株式等を本議決権株主のみに対して割り当てて新規発行する場合は,市の事前の承認を要しない。
運営権者は,第86条第1項の定めに従い,本議決権株主の異動等について市に報告すること。
運営権者の定款に,運営権者が発行できる株式は,本完全無議決権株式及び本議決権株式のみであることの定めがあること。
運営権者の定款に,会社法第326条第2項に規定する取締役会,監査役及び会計監査人を設置する定めがあること。
運営権者の定款の事業目的が本事業の遂行に限定されていること。
前各号のほか,提案書類において運営権者の義務事項として提案した事項を充足していること。
運営権者は,本事業期間中,市の事前の承認を得ることなく,合併,株式交換,株式移転,会社分割,事業譲渡,組織変更その他会社の基礎の変更を行ってはならない。
運営権者は,本事業期間中,株主総会及び取締役会が開催された場合,それぞれの議事録及び議事の要旨を,当該開催後30日以内(ただし,第40条第1項第1号に規定する計算書類の承認に係る株主総会及び取締役会については,当該計算書類が対象とする事業年度の末日から3ヶ月以内)に市に提出する。
(運営権等の処分)
運営権者は,市の事前の書面による承認を得ることなく,運営権その他本契約上の地位及び本事業について市との間で締結した契約に基づく契約上の地位並びにこれらの契約に基づく運営権者の権利及び義務について,譲渡,担保提供その他の方法による処分(以下本条から第86条までの規定において「処分」という。)を行ってはならない。
前項の規定にかかわらず,運営権者は,PFI法第26条第2項の規定による市の許可をあらかじめ得た場合には,運営権を移転することができる。この場合,市は,市議会の議決を経て当該許可を行うものとし,また,次の各号に掲げる内容を含む許可の条件を付すことができる。
譲受人が,本事業における運営権者の本契約上の地位を承継し,本契約に拘束されることについて,市に対して承諾書を提出すること。
譲受人が,運営権者が所有し,本事業の実施に必要な一切の資産及び契約上の地位の譲渡を受けること。
譲受人のすべての株主が,市に対して株主誓約書と同様の内容の誓約書を提出すること。
第1項の規定にかかわらず,運営権者が本事業の実施に要する資金を調達するために金融機関等から借入れを行う場合であって,当該借入れのために運営権に対して担保権を設定する場合,市は合理的な理由なくこれに対する承認を拒否しない。ただし,当該借入れ及び担保権の設定に関する契約書の写しが市に提出されること並びに第120条の規定による協定書が市と金融機関等の間で市の合理的に満足する内容で締結されていることを,承認の条件とする。
第1項の規定にかかわらず,運営権者が本事業の実施に要する資金を調達するために金融機関等から借入れを行う場合であって,当該借入れのために本契約その他市と運営権者の間の契約に基づく運営権者の債権又は契約上の地位に対して担保権(契約上の地位の譲渡に係る予約完結権を含む。以下本項において同じ。)を設定する場合,市は合理的な理由なくこれに対する承認を拒否しない。ただし,当該借入れ及び担保権設定に関する契約書の写しが市に提出されること並びに第120条の規定に基づく協定書が市と金融機関等の間で市の合理的に満足する内容で締結されていること(相殺を含む市の抗弁権が当該担保権の設定及び実行の前後とを問わず,担保権者に対抗できることを含む。)を承認の条件とする。
(利用料金債権等の処分)
運営権者は,市の書面による事前の承認を得ることなく,利用者に対して有する利用料金債権並びにメーター料債権及び給水施設工事費用債権について処分を行ってはならない。
前項の規定にかかわらず,運営権者が本事業の実施に要する資金を調達するために金融機関等から借入れを行う場合であって,当該借入れのために利用料金債権並びにメーター料債権及び給水施設工事費用債権に対して担保権を設定する場合,市は合理的な理由なくこれに対する承認を拒否しない。ただし,当該借入れ及び担保権の設定に関する契約書の写しが市に提出されること並びに第120条の規定に基づく協定書が市と金融機関等の間で市の合理的に満足する内容で締結されていること(当該担保権の実行に伴う利用料金債権並びにメーター料債権及び給水施設工事費用債権の移転先について,あらかじめ市の承認を得ることを含む。)を承認の条件とする。
(本議決権株主の異動等)
運営権者は,本議決権株主に異動等があり,株主名簿の記載内容が変更された場合,直ちに市に対して最新の株主名簿の原本証明付写しを提出し,市の求めに応じてその他株主に関する情報を提供する。
運営権者は,本議決権株主が次の各号に掲げる事由に該当することが判明したときは,その旨を市に対して速やかに通知しなければならない。この場合において,運営権者は,当該本議決権株主に係る当該事由を解消させ,又は当該事由に該当しない他の本議決権株主に対してその保有株式を処分させる等して,速やかにかかる状態を解消しなければならない。
PFI法第9条各号に掲げる,特定事業を実施する民間事業者の欠格事由に該当すること。
会社更生法(平成14年法律第154号)に基づく更生手続開始の申立てがされていること又は民事再生法(平成11年法律第225号)に基づく再生手続開始の申立てがされていること。
株主誓約書に違反して,市の承認を得ることなく本議決権株式について処分を行ったこと。
第14章 契約の期間及び期間満了に伴う措置
第1節 本契約の期間
本契約は,本契約に別段の定めがある場合を除き,本契約締結日を始期とし,本事業終了日又は本契約が解除され,若しくは終了した時点まで効力を有する。
(事業期間)
運営権者は,本事業開始日を始期とし,令和14年3月31日(又は本契約に基づき本事業期間が変更された場合は当該変更後の日)を本事業終了日とする期間中,本事業を実施する。ただし,本事業終了日よりも前に本契約が解除され,又は終了した場合には,第100条から第107条までの規定に従う。
前項の規定にかかわらず,運営権者は,令和12年3月31日(ただし,次項の規定により本事業期間の延長が行われた場合は,当該延長後の本事業終了日の2年前の応当日)までに,①市に対して期間延長を希望する旨の届出を行い,かつ,②市との間で,延長期間中の運営権対価の支払額及び支払方法について別紙8第4項の定めに従って合意した場合に限り,前項本文に定める期間に加えて,第5項の規定の範囲内で運営権者が希望する日まで本事業期間を延長することができる(かかる期間延長を「オプション延長」という。)。なお,オプション延長の実施回数は1回に限られる。
第1項の規定にかかわらず,次の各号に掲げる場合,市及び運営権者は,第3期計画期間中に限り(ただし,前項又は本項の規定により本事業期間の延長が行われた場合は,延長期間中を含む。),本事業期間の延長を申し出ることができる。この場合,市及び運営権者が協議の上,第5項の規定の範囲内で,別途合意した日まで本事業期間を延長することができる(かかる期間延長を「合意延長」という。)。なお,合意延長の実施回数は1回に限られない。
不可抗力の発生により,本運営事業の全部又は一部が中断又は遅延した場合
市の責めに帰すべき事由による本運営事業の内容の変更その他市の責めに帰すべき事由により,本運営事業の全部又は一部が中断又は遅延した場合
本運営事業の実施自体に対する反対運動又は訴訟等により,本運営事業の全部又は一部が中断又は遅延した場合
前二項の規定により本事業期間の延長が行われた場合,市は,事前に運営権者と協議を行い,延長期間に係る要求水準書の変更内容を定めた上で,当該変更内容を運営権者に通知するものとする。かかる通知をもって,要求水準は変更されたものとみなし,運営権者は,第32条第6項,第33条第9項及び第34条第8項に従って延長期間についての本事業に係る全体事業計画書の案,中期事業計画書の案及び延長期間の初年度に係る単年度事業計画書の案を市に提出するものとする。また,市及び運営権者は,上記に規定するほか,本契約の変更について誠実に協議を行う。
本事業期間(第2項又は第3項の規定により本事業期間の延長が行われた場合は,延長後の本事業期間)は,いかなる理由によっても令和24年3月31日を超えることはできない。
本事業終了日をもって附帯事業及び任意事業も終了するものとし,当該時点をもって運営権の存続期間の終期となり,すべての運営権は消滅する。ただし,本事業終了日よりも前に本契約が解除され,又は終了した場合には,第100条から第107条までの定めに従う。また,市が必要と認めた場合,市及び運営権者は,本事業終了日以降における任意事業の継続について,本事業期間中に協議を行うものとする。
第2節 期間満了による本事業終了手続
(事業引継ぎ)
本事業終了日までに,運営権者は,自らの責任及び費用負担により,市又は市の指定する者に本運営事業が円滑に引き継がれるよう,次の各号に掲げる内容を含む事業の引継ぎをしなければならない。
運営権者は,本事業終了日の1年前の応当日から本事業終了日の180日前までの間に,運営権設定対象施設について機能確認を行うとともに,要求水準書の定めに従い,①市に対する施設機能確認報告書の提出及び②市又は市の指定する者に対する技術指導を行わなければならない。
運営権者は,要求水準書の定めに従い,引継事項を記載した引継書を作成し,本事業終了日の180日前までに市に提出しなければならない。
運営権者は,自らが実施する運営権設定対象施設に係るすべての工事のうち,本事業終了日時点で完成しないと見込まれる工事がある場合には,市とその対応について協議するとともに,完成に向け必要かつ可能な協力をしなればならない。
運営権者は,運営権者の従業員について,市の指定する者が転籍での受入れを希望する場合には,市の指定する日までに,従業員の意向確認等について必要かつ可能な協力をし,転籍を希望する全従業員の記録を市の指定する者に送付しなければならない。
運営権者は,運営権者が締結している契約及び維持している許認可等について市又は市の指定する者が承継を希望する場合には,市の指定する日までに,契約相手方の意向確認又は許認可等の継続等について必要かつ可能な協力をし,承継を希望する契約又は許認可等に関する資料を市又は市の指定する者に送付しなければならない。
運営権者は,市の指定する日までに,本事業に関して運営権者が有する財務,運営及び技術(知的財産を含む第三者の使用許可が不要なライセンス,運営権設定対象施設の運営に必要なマニュアル等,並びに第114条第2項及び第3項の規定による利用許諾の対象となる知的財産権対象技術(同条第1項に定義する意味を有する。)を含むが,当該知的財産権対象技術以外の運営権者又は本議決権株主独自のノウハウに関するものを含まない。)に関するすべての最新文書を,市又は市の指定する者に電子媒体(市又は市の指定する者が必要とする場合にはハードコピーも含む。)で送付しなければならない。
運営権者は,要求水準書第2-3-(3)-エの規定に基づき保管及び管理していた書類のうち,本事業期間終了時に市へ引き渡す必要のある文書等(本事業終了日において,工事完成検査を実施した事業年度の翌事業年度から起算して5年間を経過していない書類を含むが,これに限られない。)を市又は市の指定する者へ引き渡さなければならない。
運営権者は,次条の定めに従い,資産の引渡し及び譲渡等を実施しなければならない。
運営権者は,本事業終了日までに,工業用水道事業法第9条第2項に定める経済産業大臣の事業廃止の許可を取得しなければならない。
(本契約終了による資産の取扱い)
運営権者は,本事業終了日又はそれ以降の市が指定する日に,運営権設定対象施設を市又は市の指定する者に引き渡し,本運営事業用地を市又は市の指定する者に明け渡さなければならない。その引渡しに当たっては,運営権者は,本事業終了日に運営権設定対象施設が適切な状態にあること及び本事業に係る運営の円滑な移行を確保することを目的として,必要に応じて,引渡時点において要求水準を充足させるため必要な措置を実施する。
前項の規定にかかわらず,本事業終了日時点で完了しないと見込まれる施工業務(運営権設定対象施設の更新等及び支障移設等(第67条第4項の適用があるものに限る。)に限る。以下本項において同じ。)がある場合,運営権者は,本事業終了日の90日前までに,本事業終了日以降に行う当該施工業務に係る工事の打ち切りにより,当該工事の既施工部分を最終目的物とすること(以下「打ち切り竣工」という。)を達成するために必要となる措置を講じるための計画を提出し,市の承認を得なければならない。運営権者が,市の承認を得た計画に従って,当該施工業務の打ち切り竣工を達成した場合には,市は,当該出来形部分を時価で買い取るものとする。運営権者が当該施工業務の打ち切り竣工を達成できなかった場合,当該施工業務を完了させるために必要な一切の費用を市に対して補償するものとし,運営権者は,当該施工業務について市に対して一部負担金その他一切の費用を請求することはできない。
運営権者は,市及び運営権者が別途合意したものを除き,本事業終了日において本事業の実施のために運営権者が本運営事業用地及び運営権設定対象施設内において保有する資産(任意事業に係る資産を含む。)を,すべて運営権者の責任において相当の期間内に本運営事業用地及び運営権設定対象施設から撤去しなければならない。ただし,市又は市の指定する者が必要と認めた場合には,市又は市の指定する者は,残存価値を勘案の上,当該資産を市及び運営権者が別途合意する価格で買い取ることができ,運営権者はこれに応じるものとする(なお,当該資産が第53条の規定により設置又は建築された機器及び構築物等の場合,市は,設置又は建築後にその有効性を確認した段階で(ただし,設置又は建築前に有効性を確認できる場合には,当該時点で)買取りの判断を行うことができるものとする。)。この場合における買取価格は,必要に応じて市の指名する評価専門家及び運営権者の指名する評価専門家並びにこの両名が同意する第三の評価専門家の協議により合意した時価算定方法をもとに決定する等,公正な手続により算定されるものとするが,買取りが行われる資産の額が少額であること等の理由により市及び運営権者が別途合意した場合には,簡便な方法により算定されるものとする。
前項の場合において,運営権者が正当な理由なく,本事業終了日から相当の期間内に本運営事業用地及び運営権設定対象施設を明け渡すための措置を行わないときは,市は,運営権者に代わり当該措置を行うことができ,これに要した費用を運営権者に求償することができる。この場合,運営権者は,市の処分について異議を申し出ることができない。
第2項の規定による出来形部分の買取り及び第3項の規定による資産の買取りが行われる場合の買取対価並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額の支払いは,本事業終了日から1年を経過した日以降速やかに(運営権者が自らの負担する契約不適合責任の履行を担保するために合理的な保全措置が採られていることを示して市又は市の指定する者に対して当該支払いを求めた場合において,当該支払いを行う者がこれを適切と認めた場合には,本事業終了日から速やかに)運営権者が別途指定する銀行口座に振り込む方法により行うものとする。ただし,当該支払日の到来より前に,市又は市の指定する者が第93条に定める契約不適合責任に基づき損害賠償請求を行った場合,市又は市の指定する者は,当該支払いに係る債務と当該損害賠償請求に係る債権を法令等の範囲内において対当額で相殺することができる。この場合,市又は市の指定する者は,当該相殺が実行され,又は当該損害賠償請求に係る債権が弁済されるまでの間,当該支払いを拒むことができる。
(本事業終了日までに申込みのあった給水施設工事の取扱い)
本事業終了日までに運営権者に対して申込みのあった給水施設工事で,本事業期間中に完成しないものがある場合,運営権者は,本事業終了日以降も当該工事を実施し,これを完了しなければならない。
(原状回復費用等)
運営権者は,運営権設定対象施設の引渡しの時点においても要求水準書に定める項目を満たさない事項が存在する場合には,第90条第1項第二文に規定する措置に加えて,市に対し,要求水準を充足させるために必要となる費用等を支払うものとする。ただし,市が認めた場合には,未払いの一部負担金に係る支払額及び第90条第2項の規定による未払いの打ち切り竣工の出来形部分に係る支払額から控除する方法により支払うことができる。
(契約不適合に関する責任)
第90条第1項の規定により引き渡された運営権設定対象施設又は同条第2項及び第3項の規定により譲渡された資産について契約不適合(なお,①経年劣化(経年劣化に伴う管路の不具合を含む。),②本事業終了日以降に生じた第三者破損による運営権設定対象施設の不具合,③関連資料集Jに示す運営権設定対象施設の不具合及び④市水道事業が一元的に実施する突発的な漏水事故等が発生した際の緊急作業(ただし,本事業終了日の1年前の応当日以降に市による完了報告書(別紙16 2.(10)に規定する完了報告書をいう。)が提出されたものに限る。)の対象物件の不具合は契約不適合に該当しない。以下本条において同じ。)が発見された場合,市又は市の指定する者は,本事業終了日から1年以内(ただし,運営権設定対象施設について第52条第2項に基づく責任期間が本事業終了日から1年後の応当日以降に及んでいる場合には当該責任期間内)(以下本条において「契約不適合責任期間」という。)に,運営権者に通知する。運営権者は,契約不適合責任期間内に市又は市の指定する者から当該通知があった場合であって,当該契約不適合から市又は市の指定する者に生じた損害又は費用等の額が1件につき100万円(消費税及び地方消費税相当額を含まない金額とする。)を超えた場合に限り,運営権者において,相当の期間内に,当該契約不適合の修補を行い,又は当該契約不適合に起因して市又は市の指定する者に生じた損害又は費用等を賠償するものとする。ただし,当該契約不適合について運営権者に故意又は重過失がある場合には,契約不適合責任期間は,本事業終了日から10年,又は市が当該契約不適合を知った時から5年のいずれか短い期間とする。また,第89条の規定により運営権者から市又は市の指定する者に提供された情報等に契約不適合(情報の齟齬,矛盾,欠缺,権利の瑕疵を含むが,これらに限られない。)が発見された場合についても,本事業終了日から1年(ただし,当該契約不適合について運営権者に故意又は重過失がある場合には,本事業終了日から10年,又は市が当該契約不適合を知った時から5年のいずれか短い期間とする。)以内に限り,同様とする。
第15章 契約の解除又は終了及び解除又は終了に伴う措置
第1節 本契約の解除又は終了事由
(運営権者の事由による本契約の解除)
市は,次の各号に掲げる事由が発生したときは,催告することなく本契約を解除することができる。
運営権者の責めに帰すべき事由により本契約の履行が不能又は不能となることが明らかとなったとき。
運営権者が,破産,会社更生,民事再生,若しくは特別清算の手続又はこれらに類似する手続について運営権者の株主総会又は取締役会でその申立てを決議したとき又は第三者(運営権者の取締役を含む。)によってその申立てがなされたとき。
運営権者について手形取引停止処分又は株式会社全銀電子債権ネットワークによる取引停止処分若しくは他の電子債権記録機関によるこれと同等の措置がなされたとき。
運営権者の責めに帰すべき事由により,本事業開始日が本事業開始予定日より1ヶ月以上遅延することが明らかとなったとき。
正当な理由なく,運営権者が本事業を放棄したと認められるとき。
運営権者について,本事業の実施に必要となる許認可等が終了し又は取り消され,かつ,相当期間内にこれを復させることが困難であって,その結果,本事業の継続が困難となったとき。
運営権者が,PFI法第29条第1項第1号イからトまでのいずれかに該当する場合であって,行政手続法第13条第2項に該当し,又は同条第1項第1号の規定による聴聞手続を執った上で,運営権が取り消されたとき。
運営権者が,自らに適用される法令等に関して重大な違反をしたと認められるとき。
モニタリング計画に定める解除事由が発生したとき。
第86条第2項に定める状態が解消されなかったとき。
運営権者の責めに帰すべき事由により,運営権者が運転管理等業務委託契約上の運営権者の重大な義務に違反したとき。
基本協定書の当事者が,基本協定書第7条第5項各号のいずれかに該当したとき。
運営権者又はその親会社等(PFI法第9条第4号に規定する親会社等をいう。以下本項において同じ。)の役員のうちに次のいずれかに該当する者があることが判明したとき。
成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令等上これらと同様に取り扱われている者
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令等上これと同様に取り扱われている者
禁錮以上の刑(これに相当する外国の法令等による刑を含む。)に処せられ,その執行を終わり,又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
暴力団員等及びその他の関係者に該当する者
PFI法に基づく公共施設等運営権を取り消された者の役員であった者又はその取消しの日前30日以内に当該取り消された者の役員であった者で,その取消しの日から5年を経過しない者
事業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が上記のいずれかに該当する者
運営権者が以下のいずれかに該当することが判明したとき。運営権者の親会社等についても同様とする。
役員等(業務を執行する社員,取締役,執行役又はこれらに準ずる者をいい,相談役,顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず,運営権者又は運営権者の親会社等に対して業務を執行する社員,取締役,執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下本号において同じ。)が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(以下本号において「暴力団員等」という。)であると認められるとき。
暴力団又は暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められるとき。
役員等が自己,自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって,暴力団又は暴力団員等を利用するなどしたと認められるとき。
役員等が,暴力団又は暴力団員等に対して資金等を供給し,又は便宜を供与するなど直接的又は積極的に暴力団の維持,運営に協力し,若しくは関与していると認められるとき。
役員等が,暴力団又は暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有していると認められるとき。
市は,次の各号に掲げる事由が発生したときは,運営権者に対して当該不履行を是正するのに必要な合理的期間を設けて催告し,当該期間内に当該不履行が是正されない場合,解除事由を記載した書面を送付することにより,直ちに本契約を解除することができる。
運営権者が本契約上の誓約事項又は表明保証事項に違反したとき。
運営権者がその責めに帰すべき事由により本契約上の義務を履行しないとき。
運営権者がその責めに帰すべき事由により運転管理等業務委託契約上の義務を履行しないとき。
運営権者が法令等に違反したとき。
運営権者が運営権対価その他本契約に基づき市に対して支払うべき金銭を支払うべき期日を過ぎても支払わないとき。
運営権者が本契約に基づいて市に提出した書類に重大な虚偽記載を行ったとき。
運営権者の財務状況の著しい悪化,その他運営権者の責めに帰すべき事由により,本事業の継続が困難と合理的に判断されるとき。
(本事業開始日前のその他事由による解除)
市又は運営権者は,市又は運営権者のいずれの責めにも帰すべきでない事由(不可抗力の場合を除く。)により,本事業開始日が本事業開始予定日より6ヶ月以上遅延することが明らかとなった場合,催告することなく本契約を解除することができる。
(市の任意による解除)
市は,公益上やむを得ない必要が生じたときは,6ヶ月以上前に運営権者に対して通知することにより,本契約を解除することができる。
(市の事由等による本契約の解除又は終了)
市の責めに帰すべき事由により,市が本契約上の市の重大な義務に違反し,運営権者から60日以上の当該不履行を是正するのに必要な合理的期間を設けて催告を受けたにもかかわらず,当該期間内に当該不履行が是正されない場合,又は市の責めに帰すべき事由により本契約に基づく運営権者の重要な義務の履行が不能になった場合は,運営権者は,市に対し,解除事由を記載した書面を送付することにより,本契約を解除することができる。
市がすべての運営権設定対象施設の所有権を有しなくなった場合(不可抗力により滅失した場合を除く。)は,PFI法第29条第4項の規定に基づき,運営権は消滅し,本契約は当然に終了する。
(不可抗力による本契約の終了又は解除)
すべての運営権設定対象施設が不可抗力により滅失した場合,運営権は消滅し,本契約は当然に終了する。
第69条第4項の規定により不可抗力を原因とする事業継続措置が行われる場合であって,本事業の復旧スケジュールを決定することができない場合又は当該復旧スケジュールに基づく本事業の再開が不可能若しくは著しく困難であることが判明した場合,市は,運営権者と協議の上,本契約を解除することができる。なお,運営権者との協議が整わないことは,市による解除権の行使を妨げるものではない。
(特定法令等変更又は特定条例等変更による本契約の解除)
本事業期間中に発生した特定法令等変更(市の責めに帰すべき事由により当該特定法令等変更が行われた場合を除く。)により,本事業の継続が不可能又は著しく困難であると判明したときは,市は,運営権者と協議の上,本契約を解除することができる。なお,運営権者との協議が整わないことは,市による解除権の行使を妨げるものではない。
本事業期間中に発生した特定条例等変更(運営権者の責めに帰すべき事由により当該特定条例等変更が行われた場合を除く。)により,本事業の継続が不可能となったときは,運営権者は,本契約を解除することができる。
第2節 本契約の合意解除
(合意解除)
市及び運営権者は,合意により本契約を解除することができる。この場合,本契約に別途定めるほか,解除の効果については市及び運営権者の合意により決定する。
第3節 解除又は終了の効果(全事由共通)
(本事業開始日前の解除又は終了の効果)
本事業開始日前に,第94条から前条までの規定により本契約が解除され,又は終了した場合,第89条から第93条までの規定は適用しない。ただし,当該解除又は終了時点までに第11条第1項の規定により本運営事業の承継等を実施していた場合には,承継等に際して交付された資産又は資料の返還等の必要な措置を行うものとする。この場合,当該承継等及び措置に要した費用は各自これを負担する。
(本事業開始日後の解除又は終了の効果)
本事業開始日以後に,第94条から第100条までの規定により本契約が解除され,又は終了した場合,第89条から第93条までの規定につき,「本事業終了日」を「本契約の解除日又は終了日」に適宜読み替えて適用する。ただし,以下の各号に記載されている規定については,当該各号の定めに従う。
第89条柱書については,以下のように読み替える。
「本契約の解除日又は終了日以降速やかに,運営権者は,自らの責任及び費用負担により,市又は市の指定する者に本運営事業が円滑に引き継がれるよう,次の各号に掲げる内容を含む事業の引継ぎをしなければならない。」
第89条第1号については,以下のように読み替える。
「運営権者は,本契約の解除日又は終了日以降速やかに,運営権設定対象施設について機能確認を行うとともに,要求水準書の定めに従い,①市に対する施設機能確認報告書の提出及び②市又は市の指定する者に対する技術指導を行わなければならない。」
第89条第2号については,以下のように読み替える。
「運営権者は,要求水準書の定めに従い,本契約の解除日又は終了日以降速やかに,引継事項を記載した引継書を市に提出しなければならない。」
第89条第3号については,以下のように読み替える。
「運営権者は,自らが実施する運営権設定対象施設に係るすべての工事のうち,本契約の解除日又は終了日において完成していない工事がある場合には,市とその対応について協議するとともに,完成に向け必要かつ可能な協力をしなればならない。」
第89条第9号については,以下のように読み替える。
「運営権者は,本契約の解除日又は終了日以降速やかに,工業用水道事業法第9条第2項に定める経済産業大臣の事業廃止の許可を取得しなければならない。」
第90条第2項第1文については,以下のように読み替える。
「前項の規定にかかわらず,本契約の解除日又は終了日において完了していない施工業務(運営権設定対象施設の更新等及び支障移設等(第67条第4項の適用があるものに限る。)に限る。以下本項において同じ。)がある場合,運営権者は,本契約の解除日又は終了日以降速やかに,当該施工業務に係る工事の打切りにより,当該工事の既施工部分を最終目的物とすること(以下「打ち切り竣工」という。)を達成するために必要となる措置を講じるための計画を提出し,市の承認を得なければならない。」
第91条については,以下のように読み替える。
「本契約の解除日又は終了日までに運営権者に対して申込みのあった給水施設工事で,完了していないものがある場合,運営権者は,本契約の解除日又は終了日以降も当該工事を実施し,これを完了しなければならない。」
前項の規定のほか,本事業開始日後に,第94条から第100条までの規定により本契約が解除され,又は終了した場合であって,既に完了した施工業務に要した費用のうち,当該解除又は終了日までに受領した利用料金及び支払済みの一部負担金をもって回収ができていないと市が認める金額がある場合,市は,当該金額の算出後速やかに運営権者に当該金額を通知するものとする。運営権者は,市から通知を受けた金額について請求書を発行し,市は,当該請求書を受領してから30日以内に当該金額並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を運営権者に支払う。
第1項の場合において,運営権者は,市又は市の指定する者による本事業の実施に協力するため,本契約が解除され,又は終了した後,合理的に必要な期間,市又は市の指定する者の行う本事業に係る業務について合理的な範囲で協力を行うものとする。
第1項の場合において,運営権者は,本契約の解除日又は終了日以降の期間に,利用料金を収受することはできない。
第4節 解除又は終了の効果(運営権者の事由による解除又は終了)
(契約解除違約金等-運営権者事由解除又は終了)
第94条各項又は第97条第2項(運営権者の責めに帰すべき事由による場合に限る。)の規定により本契約が解除され,又は終了した場合,運営権者は,市に対して市の指定する期限までに次項に定める契約解除違約金その他の金員を一括で支払わなければならない。
前項に定める契約解除違約金の額は,金1億円とし,運営権者は,当該本契約の解除又は終了に起因して市が被った損害額が契約解除違約金の額を上回るときは,その差額を,市の請求に基づき支払わなければならない。ただし,市の責めに帰すべき事由により運営権者に生じた損害がある場合には,当該運営権者の損害相当額を,当該市が被った損害額(ただし,当該市が被った損害額が契約解除違約金の額以下である場合には契約解除違約金の額)から控除する。
第1項の場合,別紙8第1項に規定する運営権対価の総額の価格調整として,運営権者は,本契約の解除又は終了後の期間に対応する運営権対価の支払義務を負わず,運営権者が第1項の規定による契約解除違約金その他の金員の支払いを完了したときは,市は,当該期間に係る受領済みの運営権対価並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を市及び運営権者が別途合意する期限までに運営権者に支払うものとする。
(運営権取消等-運営権者事由解除)
第94条各項の規定により本契約が解除された場合,PFI法第29条第1項第1号ホに規定する重大な違反があったものとして,行政手続法第13条第1項第1号に規定する聴聞手続を執った上で(同条第2項に該当するときは直ちに),市はPFI法第29条第1項第1号の規定により運営権を取り消し,市及び運営権者は,遅滞なく運営権の抹消登録を行う。また,第97条第2項(運営権者の責めに帰すべき事由による場合に限る。)の規定により本契約が終了した場合には,市及び運営権者は,遅滞なく運営権の抹消登録を行う。
第5節 解除又は終了の効果(市の事由又は双方無責の事由による解除又は終了)
(運営権取消等及び損失の補償-市事由又は双方無責の事由による解除又は終了)
第95条,第96条,第97条第1項又は第99条第2項の規定により本契約が解除された場合,市は,行政手続法第13条第1項第1号の規定による聴聞手続を執った上で(同条第2項に該当するときは直ちに),PFI法第29条第1項第2号の規定により運営権を取り消し,市及び運営権者は,遅滞なく当該運営権の抹消登録を行う。また,第97条第2項(運営権者の責めに帰すべき事由による場合を除く。)の規定により本契約が終了した場合には,市及び運営権者は,遅滞なく運営権の抹消登録を行う。
前項の場合(第95条の規定により本契約が解除された場合を除く。また,第97条第2項の規定による本契約の終了については,運営権者の責めに帰すべき事由による場合を除く。),市は,運営権者に発生した損失を補償する。ただし,運営権者の責めに帰すべき事由により市に生じた損害がある場合には,当該損害相当額を市の支払額から控除する。
第1項の場合,別紙8第1項に規定する運営権対価の総額の価格調整として,運営権者は,本契約の解除又は終了後の期間に対応する運営権対価の支払義務を負わず,市は,当該期間に係る受領済みの運営権対価並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を市及び運営権者が別途合意する期限までに運営権者に対し支払う。
第6節 解除又は終了の効果(特定法令等変更による解除)
(運営権放棄等及び損害の負担-特定法令等変更による解除)
第99条第1項の規定により本契約が解除された場合,市は,自らの判断により,運営権者に対して,運営権を放棄させるか又は市の指定する者に無償で譲渡させることができ,運営権者は,市の指示に従うものとする。
市及び運営権者のいずれも,第99条第1項の規定による本契約の解除によって生じた損害については,自ら負担するものとする。
第1項の場合,別紙8第1項に規定する運営権対価の総額の価格調整として,運営権者は,本契約の解除後の期間に対応する運営権対価の支払義務を負わず,市は,当該期間に係る受領済みの運営権対価並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を市及び運営権者が別途合意する期限までに運営権者に支払う。
第7節 解除又は終了の効果(不可抗力による解除又は終了)
(運営権放棄等及び損害の負担-不可抗力による解除又は終了)
第98条第1項の規定により本契約が終了した場合,市及び運営権者は,遅滞なく運営権の抹消登録を行う。また,第98条第2項の規定により本契約が解除された場合,市は,自らの判断により,運営権者に対して,運営権を放棄させるか又は市の指定する者に無償で譲渡させることができ,運営権者は市の指示に従うものとする。
市及び運営権者のいずれも,第98条第1項又は第2項の規定による本契約の解除又は終了によって生じた損害については,自ら負担するものとする。
第1項の場合,別紙8第1項に規定する運営権対価の総額の価格調整として,運営権者は,本契約の解除又は終了後の期間に対応する運営権対価の支払義務を負わず,市は,当該期間に係る受領済みの運営権対価並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を,市及び運営権者が別途合意する期限までに運営権者に支払う。
第8節 事業終了後の解散及び債務引受け
(事業終了後の解散及び債務引受け)
運営権者は,本事業終了日又は本契約の解除若しくは終了時点においてもなお運営権者が本契約に基づく金銭債務を負担すると市が合理的に認める場合には,市の事前の書面による承諾を得ることなく,当該金銭債務の支払いが完了するまで,解散等を行ってはならない。
前項の規定にかかわらず,運営権者は,本事業終了日又は本契約の解除若しくは終了後,運営権者が本契約に基づき負担する金銭債務が第52条に基づく契約不適合に関する責任に係る債務及び第93条に基づく契約不適合に関する責任に係る債務のみであると市が合理的に認める場合には,60日前までに市に対して通知の上,解散等を行うことができる。この場合において,市は,代表企業に対して,当該代表企業が当該債務を引き受けるよう求めることができる。
第16章 知的財産権
(知的財産権の帰属等)
市が,本事業の募集段階又は本契約に基づき,運営権者に対して提供した情報,書類及び図面等(市が著作権を有しないものを除く。)について,著作権,特許権,実用新案権,意匠権,営業秘密の権利,商標権その他一切の知的財産権(以下本章において「知的財産権」という。)が存する場合,その知的財産権は,市に帰属する。
(著作権の利用等)
市は,成果物について,市の裁量により無償で利用する権利及び権限を有するものとし,その利用の権利及び権限は,本契約の終了後も存続するものとする。
市の指定する者に対して運営権設定対象施設について新たに運営権が設定される場合及び市の指定する者が運営権者の所有する資産を買い取る場合,前項の利用の権利及び権限は,本契約終了後,市の指定する者も有するものとする。
成果物及び運営権設定対象施設のうち著作権法第2条第1項第1号に規定する著作物に該当するものに係る同法第2章及び第3章に規定する著作者の権利(次条において「著作者の権利」という。)の帰属は,同法の定めるところによる。
運営権者は,市(第2項における市の指定する者を含む。)が成果物及び運営権設定対象施設を次の各号に掲げるところにより利用することができるようにしなければならず,自ら又は著作者(運営権者を除く。)をして,著作権法第19条第1項又は第20条第1項に定める権利を行使し,又はさせてはならない。
著作者名を表示することなく成果物の全部若しくは一部又は運営権設定対象施設の内容を自ら公表し,若しくは広報に使用し,又は市が認めた公的機関をして公表させ,若しくは広報に利用させること。
成果物を他人に閲覧させ,複写させ,又は譲渡すること。
必要な範囲で,市又は市が委託する第三者をして,成果物について,複製,頒布,展示,改変,翻案その他の修正をすること。
運営権設定対象施設を写真,模型,絵画その他の方法により表現すること。
本契約終了後,運営権設定対象施設を修繕等により改変し,又は更新,移設若しくは撤去すること。
運営権者は,自ら又は著作者若しくは著作権者をして,次の各号に掲げる行為をし,又はさせてはならない。ただし,本契約で別途定める場合及びあらかじめ市の承認を得た場合は,この限りではない。
成果物及び運営権設定対象施設の内容を公表すること。
運営権設定対象施設に著作者の実名又は変名を表示すること。
成果物を他人に閲覧させ,複写させ,又は譲渡すること。
(著作権等の譲渡禁止)
運営権者は,自ら又は著作権者をして,成果物及び運営権設定対象施設に係る著作者の権利を第三者に譲渡し,若しくは継承し,又は譲渡させ,若しくは継承させてはならない。ただし,事前に市の書面による承認を得た場合は,この限りではない。
(第三者の有する著作権の侵害防止)
運営権者は,成果物及び運営権設定対象施設(運営権者が更新を行った部分に限る。以下本条において同じ。)が,第三者の有する著作権を侵害するものでないことを市に対して保証する。
運営権者は,成果物又は運営権設定対象施設が第三者の有する著作権を侵害した場合において,当該第三者に対して損害の賠償を行い,又は必要な措置を講じなければならないときは,運営権者がその賠償額を負担し,又は必要な措置を講ずるものとする。なお,本項の規定は本契約の終了後も存続するものとする。
(第三者の知的財産権の侵害防止)
運営権者は,本契約の履行に当たり,前条のほか,第三者の有する知的財産権を侵害しないこと及び運営権者が市に対して提供する成果物の利用が第三者の有する知的財産権を侵害していないことを市に対して保証する。
運営権者が本契約の履行に当たり第三者の有する知的財産権を侵害し,又は運営権者が市に対して提供するいずれかの成果物の利用が第三者の有する知的財産権を侵害する場合には,運営権者は,運営権者の責めに帰すべき事由の有無のいかんにかかわらず,当該侵害に起因して市又は市の指定する者に直接又は間接に生じたすべての損失,損害及び費用につき,市又は市の指定する者に対して補償及び賠償し,又はこれらの者が指示する必要な措置を行う。ただし,運営権者の当該侵害が,市の特に指定する方法等を使用したことに起因する場合には,この限りではない。なお,本項の規定は,本契約の終了後も存続するものとする。
(知的財産権対象技術)
運営権者は,知的財産権の対象となっている技術等(以下本条において「知的財産権対象技術」という。)を使用するときは,その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし,市が当該知的財産権対象技術の使用を指定した場合であって運営権者が当該知的財産権の存在を過失なく知らなかったときは,市は,運営権者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
運営権者は,自己が知的財産権を保有する知的財産権対象技術を本運営事業に導入した場合,市及び市が指定する者に対し,本契約終了後における運営権設定対象施設の運営のための当該導入技術の利用を,無償かつ無期限で許諾したものとみなす。
運営権者は,第三者(運営権者の株主を含むが,これに限られない。)が知的財産権を保有する知的財産権対象技術を本運営事業に導入した場合,当該第三者をして,市及び市が指定する者に対し,本契約終了後における運営権設定対象施設の運営のための当該導入技術の利用を,無償かつ無期限で許諾させなければならない。ただし,本契約終了日において運営権者が当該第三者に対して当該導入技術の利用に係る対価の支払義務を負っている場合で,当該対価の支払が当該導入技術の利用期間に応じて定期的に行われていたものである場合には,有償(市が合理的と認める範囲に限るものとし,かつ,合理的な理由のない限り運営権者が負担していた金額を上限とする。)かつ無期限で許諾させることで足りる。また,当該第三者が運営権者の株主以外の第三者である場合には,運営権者は,当該第三者をして,当該導入技術の利用を無償(ただし,本項第二文に定める場合には,市が合理的と認める範囲に限り有償)かつ無期限で許諾させるよう最大限努力することで足りるものとする。
第17章 その他
(協議会の設置)
第115条 市及び運営権者は,本事業の実施に関し市と運営権者の間で発生する紛争の解決方法及び意見の調整を目的として,大阪市工業用水道特定運営事業等協議会を設置する。
前項に基づき設置される協議会は,市と運営権者が合意する学識経験者等有識者3名,市の代表者1名及び運営権者の代表者1名の計5名で構成されるものとし,当該協議会の運用に係る手続は,市及び運営権者が協議により定めるものとする。
市及び運営権者は,第1項に基づき設置された協議会の意見を最大限尊重するものとする。
市及び運営権者は,第1項に基づき設置された協議会の運営に要する費用について,それぞれ等しい割合で負担するものとする。
(公租公課)
本契約に別段の定めがある場合を除き,本契約に関連して生じる公租公課は,すべて運営権者の負担とする。
市は,一部負担金その他市が運営権者に支払うべき費用等であって消費税及び地方消費税の課税対象となるものについては,適用のある消費税及び地方消費税相当額を付して支払うほか,本契約に関連するすべての公租公課について,本契約に別段の定めがある場合を除き,これを負担しない。
(個人情報の保護)
運営権者は,本事業の実施に当たり,個人情報を取り扱う場合は,知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ,又は不当な目的に使用してはならず,本事業期間が終了した後においても同様とする。
運営権者は,本事業の実施に当たり,個人情報を取り扱う場合は,個人情報取扱指針(平成17年4月市市民局策定)その他の法令等の規定に従うほか,市の指示を受けて適正に取り扱うものとする。
運営権者は,本事業の実施に当たり,個人情報を収集するときは,本契約の目的を達成するために必要な範囲内で,適法かつ公正な手段により行わなければならない。
運営権者は,本事業の実施に当たり,収集,作成した個人情報を,市の指示又は承認を得ることなしに本契約の目的以外に使用し,又は第三者に提供してはならない。
運営権者は,市が承認した場合を除き,個人情報の処理は自ら行い,第三者にその処理を委託してはならない。
運営権者は,市が承認した場合を除き,本事業の実施に当たり,市から提供された個人情報が記録された資料等を複写し,又は複製してはならない。
運営権者は,個人情報の取扱いの状況について市が随時の調査を実施する場合には協力(大阪市個人情報保護条例(平成7年3月16日大阪市条例第11号。以下本条において「個人情報保護条例」という。)第50条第1項に基づく要請に対する協力を含むが,これに限られない。)しなければならない。
前項の調査の結果,市は,個人情報の取扱いが不適正と認められるときは,必要な勧告(個人情報保護条例第51条に基づく要請に対する勧告を含むが,これに限られない。)を行うことができる。ただし,モニタリング計画に基づく勧告については,モニタリング計画に従って行うものとする。
運営権者は,本事業の実施に当たり,市から提供を受け,又は自らが取得し,若しくは作成した個人情報が記録された資料等を,本事業期間が終了した後直ちに市に返還し,又は引き渡すものとする。ただし,市が別に指示したときは,その指示に従うものとする。
運営権者は,本事業の遂行により知り得た個人情報の漏えい,滅失,き損の防止,並びに本人からの開示の申出,苦情及び異議の申出への適切かつ迅速な対応その他個人情報の適正な管理の確保を図るために,個人情報保護条例の趣旨に沿った取扱規程等を作成し,公表するものとする。
前項の個人情報の取扱規程等を定めるにあたっては,運営権者は,市と協議するものとする。当該個人情報の取扱規程等を変更する場合も同様とする。
個人情報の開示に当たって,個人情報の記載された資料等の写しの交付をする場合で,当該写しの交付に要する費用の負担を開示の申出者に求めるときは,その旨を第10項の取扱規程等に定めなければならない。ただし,申出者に求める費用の額は,市総務局策定の情報公開条例解釈・運用の手引第16条[運用]の表に定める額を超えてはならないものとする。
(情報公開)
運営権者は,本事業の実施に当たり作成し,又は取得した文書等であって,運営権者が管理しているものの公開については,大阪市情報公開条例(平成13年大阪市条例第3号)の趣旨に沿った取扱規程等を作成し,公表するものとする。
情報の公開に当たって,文書等の写しの交付を行う場合で,当該写しの交付に要する費用の負担を公開の申出者に求めるときは,その旨を前項の取扱規程等に定めなければならない。ただし,申出者に求める費用の額は,市総務局策定の情報公開条例解釈・運用の手引き第16条[運用]の表に定める額を超えてはならないものとする。
(秘密保持義務)
市は,本契約に関する情報を開示することができる。ただし,次の各号に掲げる情報を他の者に開示することはできない。
個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより,特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし,次に掲げる情報を除く。
法令等の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報
人の生命,身体,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報
当該個人が公務員等(行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)第5条第1号ハに規定する公務員等並びに大阪市住宅供給公社の役員及び職員をいう。)である場合において,当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは,当該情報のうち,当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分
法人その他の団体(国,独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。),地方公共団体,地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社を除く。以下本条において「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって,公にすることにより,当該法人等又は当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。ただし,人の生命,身体,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報を除く。
実施機関(市の市長,教育委員会,選挙管理委員会,人事委員会,監査委員,固定資産評価審査委員会,公営企業管理者及び消防長,地方独立行政法人大阪市民病院機構及び地方独立行政法人大阪市博物館機構並びに大阪市住宅供給公社をいう。)の要請を受けて,公にしないとの条件で個人又は法人等から任意に提供された情報であって,当該個人又は当該法人等における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質,当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの。ただし,人の生命,身体,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報を除く。
市の機関及び国等(国,独立行政法人等,他の地方公共団体,地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社をいう。以下同じ。)の内部又は相互間における審議,検討又は協議に関する情報であって,公にすることにより,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ,不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの。
市の機関又は国等が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの。
監査,検査,取締り,試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれ
契約,交渉又は争訟に係る事務に関し,市又は国等の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
調査研究に係る事務に関し,その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
市が経営する企業に係る事業に関し,その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
公にすることにより,人の生命,身体,財産又は社会的な地位の保護,犯罪の予防,犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じると認められる情報。
前各号に掲げるもののほか,法令等の規定の定めるところにより公開しないこととされ,若しくは公にすることができないと認められる情報又は法律若しくはこれに基づく政令の規定による明示の指示等により公にすることができないと認められる情報。
運営権者は,市の事前の承認がない限り,次の各号に掲げる場合を除き,本事業に関して知り得た市の秘密及び運営権者が本事業の実施を通じて知り得た情報を他の者に開示してはならない。なお,次の各号に掲げる場合において,開示の方法について市が指示した場合には,当該指示に従うものとする。
特定の第三者に対して開示することが予定されている情報を当該第三者に対して開示する場合
①当該情報を知る必要のある運営権者の従業員等若しくは弁護士,公認会計士,税理士等の専門家,又は②当該情報を知る必要のある者としてあらかじめ市と運営権者の間で合意された会社等若しくはそれらの従業員等若しくは弁護士,公認会計士,税理士等の専門家に対して,運営権者と同一の秘密保持義務を負うことを条件として開示する場合
本条の定めに違反することなく第三者に既に知られている情報を,当該第三者に対して開示する場合
既に公知の事実となっている情報を,第三者に対して開示する場合
法令等又は裁判所の命令により開示を求められた情報を開示する場合
前二項の定めは,市及び運営権者による本契約の完全な履行又は本契約の終了にかかわらず,有効に存続する。
市は,本契約締結後,本契約の内容を市のホームページ上で公表することができるものとし,運営権者はあらかじめこれを承認する。
(金融機関等との協議)
市は,必要と認めた場合には,本事業に関して,運営権者に融資等を行う金融機関等との間で協定書を締結する。市がかかる協定書を締結する場合には,次の各号に掲げる事項を定める。
市が本契約に関して運営権者に損害賠償を請求し,又は本契約を終了させる際の金融機関等への事前通知及び金融機関等との協議に関する事項。
本議決権株式の全部又は一部を,本議決権株主から第三者に対して譲渡させるに際しての金融機関等との間で行う事前協議に関する事項。
金融機関等が運営権者への融資について期限の利益を喪失させ,又は担保権を実行するに際しての市との間で行う事前協議及び市に対する通知に関する事項。
市による本契約の解除に伴う措置に関する事項。
運営権者が保有する権利及び資産に金融機関等が担保を設定し,又は行使する際の市との間で行う事前協議に関する事項(第2号で定める事項を除く。)。
(兼業禁止)
運営権者は,本事業に係る業務以外の業務を行ってはならない。ただし,あらかじめ市の承認を得た場合は,この限りでない。
(遅延利息)
市又は運営権者が,本契約に基づく支払いを遅延した場合には,未払額につき履行すべき日(以下本条において「履行期日」という。)の翌日(同日を含む。)から当該金銭債務の支払いが完了した日(同日を含む。)までの期間の日数に応じ,政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率(昭和24年大蔵省告示第991号)に定める履行期日時点における率を乗じて計算した額の遅延利息を相手方に支払わなければならない。これらの場合の遅延利息の計算方法は,年365日の日割計算とする。
市は,本契約に基づいて生じた運営権者に対する債権及び債務を,法令等の範囲内において対当額で相殺することができる。
(管轄裁判所)
本契約に関連して発生したすべての紛争は,大阪地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
(その他)
本契約に定める請求,通知,報告,勧告,命令,処分,承諾,承認及び契約終了告知並びに解除は,相手方に対する書面をもって行われなければならない。なお,市及び運営権者は,当該請求等の宛先をそれぞれ相手方に対して別途通知するものとする。
本契約の履行に関して市と運営権者の間で用いる言語は,日本語とする。
本契約に定める金銭の支払いに用いる通貨は,日本円とする。
本契約の履行に関して市と運営権者の間で用いる計算単位は,本契約,要求水準書,募集要項等又は提案書類に特別の定めがある場合を除き,計量法(平成4年法律第51号)に定めるところによるものとする。
本契約の履行に関する期間の定めについては,本契約,要求水準書,募集要項等又は提案書類に特別の定めがある場合を除き,民法及び会社法の定めるところによるものとする。
本契約は,日本国の法令等に準拠し,日本国の法令等に従って解釈するものとする。
本契約において定める特定の日が非営業日(大阪市の休日を定める条例(平成3年大阪市条例第42号)第1条に規定する市の休日をいう。)である場合には,本契約に別段の定めがある場合を除き,当該特定の日をその直前の営業日と読み替える。
(疑義に関する協議)
本契約に定めのない事項について定める必要が生じた場合,又は本契約の解釈に関して疑義が生じた場合は,その都度,市及び運営権者が誠実に協議して,必要に応じて協議会に意見を求めた上で,当該協議会の意見を最大限尊重して,これを定めるものとする。
(以下余白)
別紙1 定義集
「維持」とは,施設の機能を保持するために,施設の巡視,保守点検,診断,清掃等の作業を行うことであって,工事を伴わないものをいう。
「維持修繕」とは,巡視,保守点検,維持,修繕・補修及び更生(ライニング)の総称をいう。
「維持保全」とは,第24条第3号ウに掲げる業務をいう。
「委託禁止業務」とは,法令等上委託が禁止されている業務及び以下に列挙された業務をいう。
要求水準書第1-5-(1)-アに定める工業用水の供給及び経営等に関する業務(ただし,同(ア)に掲げる各業務のうち工業用水の供給及び同(ウ)に掲げる業務を除く。)
以下の各責任者が担う役割に係る業務
総括責任者
技術責任者
工業用水の供給及び経営等に関する業務責任者
浄水場及び配水場の管理運営に関する業務責任者
管路の管理運営に関する業務責任者
お客さまサービスに関する業務責任者
災害及び事故への対応に関する業務責任者
「一部負担金」とは,第67条に従って,運営権者が実施した本運営事業に係る更新等の対価として市から運営権者に対して支払われる負担金をいう。
「運営権」とは,運営権設定対象施設について,運営権設定日付で運営権者に設定された,PFI法第2条第7項に定義される公共施設等運営権をいう。
「運営権者」とは,みおつくし工業用水コンセッション株式会社をいう。
「運営権者貸付対象資産」とは,別紙5-1第4項に記載の手続において運営権者への貸付対象となる動産をいう。
「運営権者子会社等」とは,運営権者の子会社及び関連会社を総称して又は個別にいう。
「運営権者承継対象契約」とは,別紙5-1第2項に記載の運営権者への承継対象となる契約等をいう。
「運営権者譲渡対象資産」とは,別紙5-1第3項に記載の手続において運営権者への譲渡対象となる動産をいう。
「運営権設定対象施設」とは,工業用水道事業法に基づく市工業用水道事業の事業用資産の総体をいい,別紙2に記載される本運営事業の対象となる施設の総称(ただし,本事業期間中に市が実施する更新等の対象となった施設を含むが,上工共有施設等を含まない。)をいう。
「運営権設定日」とは,令和3年10月7日をいう。
「運営権対価」とは,第20条第1項及び第3項の規定により,運営権者から市に対して支払われる,別紙8に記載される金員をいう。
「運転管理」とは,浄配水場の薬品注入及びポンプ制御を含む,浄水処理から配水運用までの各工程を監視及びコントロールする業務をいう。
「運転管理等業務委託契約」とは,第27条第5項の規定により,市と運営権者の間で運転管理業務及び水質管理業務の委託に関して締結される別紙10の様式による契約をいう。
「延長期間」とは,第88条第2項の規定によるオプション延長又は同条第3項の規定による合意延長が行われた場合における令和14年4月1日から本事業終了日までの期間をいう。
「大阪市実施方針条例」とは,大阪市工業用水道施設運営事業に係る実施方針に関する条例(令和2年大阪市条例第40号)をいう。
「お客さまサービス」とは,工業用水の使用開始・中止の手続や給水施設工事,料金収納,メーター交換等の利用者への対応全般をいう。
「会社法」とは,会社法(平成17年法律第86号)をいう。
「会社法施行規則」とは,会社法施行規則(平成18年法務省令第12号)をいう。
「改造」とは,耐久性が増加するよう,既存設備の一部を取り替え又は補強することをいう。
「外部有識者機関」とは,モニタリング計画に定める外部有識者機関をいう。
「株主誓約書」とは,基本協定書に定める様式に従い,本議決権株主が市に対して差し入れた株主誓約書をいう。
「関連会社」とは,会社法施行規則第2条第3項第20号に定める関連会社をいう。
「関連資料集」とは,募集要項等のうち,関連資料集として特定された文書をいう。
「管路」とは,運営権設定対象施設のうち,取水管,浄配水場の構内配管及び配水管並びにこれらの附属設備(制水弁,空気弁,消火栓,排水設備等)をいう。
「基本協定書」とは,市と優先交渉権者構成企業との間で令和3年8月23日に締結された大阪市工業用水道特定運営事業等 基本協定書をいう。
「給水管接合替」とは,管路の更新に伴い,更新前の配水管に接合していた給水管を,更新後の新しい配水管に付け替える工事をいう。
「給水施設」とは,運営権設定対象施設に含まれる配水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水用具(水道メーター及び水道メーターに至るまでの延長部分に限る。)をいう。
「給水施設工事費用」とは,利用者からの申込みに基づく給水施設(ただし,水道メーターを除く。)の設置工事又は撤去工事に要する費用として,第65条第2項及び別紙4に従って運営権者が設定し,利用者から徴収する費用をいう。
「協議会」とは,第115条第1項に規定する,大阪市工業用水道特定運営事業等協議会をいう。
「供給規程」とは,本事業に係る工業用水の供給に関して運営権者が作成する,工業用水道事業法第17条第2項に規定する供給規程をいう。
「行政手続法」とは,行政手続法(平成5年法律第88号)をいう。
「許認可等」とは,許可,認可,指定及びその他の形式の行政行為をいう。
「緊急修繕」とは,第24条第3号エに掲げる業務をいう。
「経営」とは,事業計画の作成,実施体制の確保,財務管理,モニタリング等の事業全体の管理等をいう。
「計画期間」とは,中期事業計画書の対象となる期間を個別に又は総称していい,「第1期計画期間」は1事業年度から3事業年度まで,「第2期計画期間」は4事業年度から6事業年度まで,「第3期計画期間」は7事業年度から10事業年度までの期間をいう。なお,1事業年度は,本事業開始日を含む事業年度を指すものとする。
「計画業務」とは,要求水準書に定める計画業務をいう。
「契約解除違約金」とは,第103条第2項の規定により,運営権者が支払義務を負う違約金をいう。
「工業用水道事業法」とは,工業用水道事業法(昭和33年法律第84号)をいう。
「更新」とは,取替及び更生(自立管)の総称をいう。
「更新等」とは,更新及び改造の総称をいう。
「更生(自立管)」とは,耐久性が増加するよう,既存管の内面に新たに管を構築し,強度を復元することをいう。なお,更生(自立管)及び更生(ライニング)の区分は,材料特性(更生材単独で土圧及び活荷重等に抵抗できる耐荷能力・耐久性を有するか否か。)によって市が判断する。
「更生(ライニング)」とは,老朽管の漏水防止と機能維持を図るため,既存管の内面に被覆を施すことをいう。なお,更生(自立管)及び更生(ライニング)の区分は,材料特性(更生材単独で土圧及び活荷重等に抵抗できる耐荷能力・耐久性を有するか否か。)によって市が判断する。
「交通管理者」とは,道路利用者の通行の管理を行う警察をいう。
「子会社」とは,会社法第2条第3号に定める子会社をいう。
「市」とは,大阪市をいう。
「事業計画書」とは,全体事業計画書,中期事業計画書及び単年度事業計画書の総称をいう。
「事業継続計画」とは,運営権者が要求水準に従い作成する本運営事業に対する事業継続計画である大阪市工業用水道特定運営事業等業務継続計画書をいう。
「事業継続措置」とは,運営権者による事業継続のために,市が補助金交付要綱等の規定に基づく国庫負担の申請等により,運営権設定対象施設を復旧するために実施する措置をいう。
「事業年度」とは,運営権者の事業年度として定められる,各暦年の4月1日に始まり,翌年の3月31日に終了する1年間(本契約締結年度にあっては,契約締結日から次に到来する3月31日までの期間)をいう。
「支障移設」とは,施設管理者又は他の埋設企業体等が実施する工事に支障となる管路(取水管及び浄配水場の構内配管並びにこれらの附属設備(制水弁,空気弁,消火栓,排水設備等)を除く。)を,別の場所に移設する工事をいう。
「支障移設等」とは,第43条第1項に定める意味を有する。
「施設管理者」とは,道路管理者,河川管理者その他の施設管理者を総称していう。
「四半期」とは,毎年4月1日から6月末日まで,7月1日から9月末日まで,10月1日から12月末日まで,及び翌年1月1日から3月末日までの各期間をいう。
「修繕」とは,施設の損傷,腐食その他劣化を把握したときに,原状程度に復旧するために工事等を行うことをいう。
「巡視」とは,施設の異状の有無や機能低下等の状態を確認するために見回ることをいう。
「上工共有施設等」とは,市工業用水道事業の運営等に必要となる市水道事業又は他事業体と共有又は共用している施設等をいう。
「浄水場内でのバックアップ」とは,原水水質の異常による取水停止等に伴い,運営権設定対象施設による浄水処理が不可能となった場合において,浄水場構内の連絡設備を経由し,水道水用の原水又は沈澱処理水を工業用水道の処理系統へ供給することによって,利用者への給水を継続することをいう。
「上水道配水管からのバックアップ」とは,災害,突発漏水等に伴う管路の破損及び配水管工事の施工等に起因して断水が生じた場合において,①市内に設置された上工連絡設備等を経由し,水道水を管路に供給し,又は②利用者が所有する給水施設内部の切替設備を使用して水道水を供給することで,利用者への給水を継続することをいう。
「消費税」とは,消費税法(昭和63年法律第108号)に定める税をいう。
「水道事業からのバックアップ」とは,災害時や緊急時等において,浄水場内でのバックアップ及び上水道配水管からのバックアップにより,市水道事業から水道水(原水を含む。)の供給を受けることをいう。
「成果物」とは,各種計画書,報告書,図面及びその他運営権者が本契約又は市の請求により市に提出した一切の書類,図面,写真,映像等の総称をいう。
「施工業務」とは,要求水準書に定める施工業務をいう。
「設計業務」とは,要求水準書に定める設計業務をいう。
「設計図書」とは,要求水準書第3-3-(1)-イ-(エ)-Aで規定する施設整備に関する図面等並びに要求水準書第4-3-(2)-ウ-(キ)で規定する管路の更新(これに準じて実施する末端管路の撤去工事,管路の維持保全及び緊急修繕工事,支障移設関連の工事並びに給水施設工事を含む。)に関する設計図面及び設計数量の算定内容を示した資料の総称をいう。
「全体事業計画書」とは,本事業開始日から本事業終了日までの本事業に対する計画をいう。
「その他運営権設定対象施設関連費用」とは,第61条に従って,市が実施した運営権設定対象施設に関連する役務提供の対価として運営権者から市に対して支払われる20条負担金以外の運営権設定対象施設に関連する費用のことをいう。
「大規模漏水」とは,管路(取水管及び浄配水場の構内配管並びにこれらの附属設備(制水弁,空気弁,消火栓,排水設備等)を除く。)における突発的な漏水(ただし,第三者による破損に起因するものを除く。)のうち,社会的影響の極めて大きい漏水事故(①幹線道路の全域にわたる冠水又は陥没及びそれに伴う全面通行止め,②軌道の安全性に深刻な影響を及ぼす出水又は陥没,並びに③広範囲の利用者に対する断水又は減圧を伴う漏水事故を含むが,これらに限られない。)をいう。なお,「大規模漏水」の該当性については,個別の事案ごとに公共交通等への影響,漏水事故による第三者損害等,社会的な影響の大きさを考慮し,運営権者と協議した上で,その都度,市が判定する。
「第三者受託業務」とは,本運営事業として実施される業務(ただし,運営権に基づく運営権設定対象施設の運営等として実施される業務(管路の支障移設等に係る業務及びその他市が別途指定する業務を除く。)を除く。)のうち,運営権者と利用者,他の埋設企業体等その他の第三者との間で別途締結される契約に基づいて実施される業務(給水施設の設置・撤去工事に係る設計及び施工業務を含むが,これに限られない。)をいう。
「第三者受託業務要請者」とは,運営権者に対して第三者受託業務の実施を要請する者を総称して又は個別にいう。
「代表企業」とは,前田建設工業株式会社をいう。
「他の埋設企業体等」とは,上下水道,工業用水道,ガス,通信等に関する埋設工事を実施する企業体(ただし,工業用水道事業の施設管理者としての市水道局を除く。)及び鉄道事業,高速道路事業その他インフラ事業を実施する企業体を総称していう。
「単年度事業計画書」とは,対象期間となる事業年度の本事業に対する計画をいう。
「地方消費税」とは,地方税法(昭和25年法律第226号)第2章第3節に定める税をいう。
「地方独立行政法人」とは,地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。
「中期事業計画書」とは,計画期間ごとの本事業に対する計画及び第33条第9項に基づいて作成される,延長期間における本事業に対する計画をいう。
「長期前受金戻入」とは,地方公営企業法施行令(昭和27年政令第403号)第26条及び同施行規則(昭和27年総理府令第27号)第21条に基づき市が計上する長期前受金戻入をいう。
「著作権法」とは,著作権法(昭和45年法律第48号)をいう。
「提案書類」とは,優先交渉権者が令和3年6月14日付で提出した審査に係る書類及び本事業の実施に係るその他の書類一式(審査書類についての確認事項回答文書,その他書類一式に関して市が優先交渉権者に対して確認した事項に対する優先交渉権者の回答(書面による回答(市に提出された書類を含む。)及び口頭による回答を含む。)を含む。)をいう。
「特定事業」とは,運営権に基づいて実施する第24条各号に定める各業務の総称をいう。
「特定条例等変更」とは,公共施設等運営事業のみに適用され,運営権者に不利な影響を及ぼす市の条例及び計画等の変更をいう。
「特定法令等変更」とは,公共施設等運営事業のみに適用され,運営権者に不利な影響を及ぼす国の法令等の変更をいう。
「取替」とは,機能(性能)の向上又は耐久性が増加するよう,既存設備の全部又は主要な部分を取り替えることをいう。
「20条負担金」とは,第59条に従って,市が実施した建設又は更新等の対価として市に支払われる負担金をいう。
「任意事業」とは,本契約及び法令等を遵守し,運営権設定対象施設の機能を阻害せず,公序良俗に反しない範囲において,運営権者が,自ら又は運営権者子会社等をして実施する事業の総称をいう。
「非運営権設定対象施設等関連費用」とは,第60条第1項に従って,市が実施した上工共有施設等に係る役務提供の対価として運営権者から市に対して支払われる負担金をいう。
「PFI法」とは,民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成11年法律第117号)をいう。
「不可抗力」とは,本契約の義務の履行に直接かつ不利に影響を与えるものであって,豪雨,暴風,高潮,洪水,落盤,地滑り,噴火,地震,津波,疫病その他の自然災害又は戦争,暴動,騒乱,騒擾,テロ,放射能汚染,放火その他の人為的な現象のうち,市及び運営権者のいずれの責めにも帰すことのできないもので,市又は運営権者によっても予見し得ず,若しくは予見できてもその損失,損害又は障害発生の防止手段を合理的に期待できないものをいう。
「附帯事業」とは,本運営事業として特定事業と一体的に実施することを義務付ける第25条第1項各号に定める各業務の総称をいう。
「物品貸付契約」とは,第11条第1項の規定により,市と運営権者の間で運営権者貸付対象資産の貸付けに関して締結される別紙5-3の様式による契約をいう。
「物品譲渡契約」とは,第11条第1項の規定により,市と運営権者の間で運営権者譲渡対象資産の譲渡に関して締結される別紙5-2の様式による契約をいう。
「暴力団」とは,暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第2号に規定する暴力団をいう。
「暴力団員等及びその他の関係者」とは,以下のいずれかの1つ以上に該当する者をいう。
暴力団員等
暴力団
暴力団員(暴力団の構成員をいう。以下同じ。)
暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者
暴力団準構成員(暴力団員以外の暴力団と関係を有する者であって,暴力団の威力を背景に暴力的不法行為等を行うおそれがある者,又は暴力団若しくは暴力団員に対し資金,武器等の供給を行う等暴力団の維持若しくは運営に協力し,若しくは関与する者をいう。以下同じ。)
暴力団関係企業(暴力団員が実質的にその経営に関与している企業,暴力団準構成員若しくは元暴力団員が経営する企業で暴力団に資金提供を行う等暴力団の維持若しくは運営に積極的に協力し若しくは関与する企業又は業務の遂行等において積極的に暴力団を利用し,暴力団の維持若しくは運営に協力している企業をいう。)
総会屋等(総会屋,会社ゴロ等企業等を対象に不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり,市民生活の安全に脅威を与える者をいう。)
社会運動等標ぼうゴロ(社会運動若しくは政治活動を仮装し,又は標ぼうして,不正な利益を求めて暴力的不法行為等を行うおそれがあり,市民生活の安全に脅威を与える者をいう。)
特殊知能暴力集団等(上記(ア)から(キ)までに掲げる者以外の,暴力団との関係を背景に,その威力を用い,又は暴力団と資金的なつながりを有し,構造的な不正の中核となっている集団又は個人をいう。)
その他上記(ア)から(ク)までに準ずる者
その他の関係者
上記アに該当する者(以下「暴力団員等」という。)が経営を支配していると認められる関係を有する者
暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められる関係を有する者
自己,自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもってする等,不当に暴力団員等を利用していると認められる関係を有する者
暴力団員等に対して資金等を提供し,又は便宜を供与する等の関与をしていると認められる関係を有する者
役員又は経営に実質的に関与している者が暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有する者
「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」とは,暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)をいう。
「法令等」とは,条約,法律,政令,省令,条例及び規則並びにこれらに基づく命令,行政指導及びガイドライン,裁判所の判決,決定,命令及び仲裁判断,並びにその他の公的機関の定めるすべての規定,判断,措置等をいう。
「募集要項」とは,市が令和2年10月29日付で公表した,大阪市工業用水道特定運営事業等募集要項をいう。
「募集要項等」とは,募集要項及びその添付書類(参考資料集を除く。)(いずれも修正があった場合は,修正後の記述による。)並びに補足資料,市のホームページへの掲載などにより公表したこれらに関する質問回答書(大阪市工業用水道特定運営事業等実施方針等に対する質問・意見への回答(令和2年7月20日付)及び大阪市工業用水道特定運営事業等開示資料(令和2年6月)に対する質問・意見への回答(令和2年9月4日付)を含まない。),その他これらに関して市が発出した書類(大阪市工業用水道特定運営事業等基本協定書(案),大阪市工業用水道特定運営事業等公共施設等運営権実施契約書(案),大阪市工業用水道特定運営事業等要求水準書(案)及びモニタリング計画(案)を除く。)をいう。
「保守点検」とは,施設の異状の有無や機能低下等の状態を確認することをいう。
「補助金交付要綱」とは,工業用水道事業費補助金交付要綱(平成25年2月26日20130226財地第1号)をいう。
「本運営事業」とは,特定事業及び附帯事業の総称をいう。
「本運営事業用地」とは,本事業に使用される土地であって,市が所有権その他の使用権原又は占有権原を有する土地をいう。
「本完全無議決権株式」とは,運営権者の発行する株式で,運営権者の株主総会におけるいかなる決議についても議決権を有しない種類の株式(会社法第108条第1項第3号)をいう。
「本議決権株式」とは,運営権者の発行する株式で,運営権者の株主総会におけるすべての決議について議決権を有する普通株式をいう。
「本議決権株主」とは,本議決権株式の株主をいう。
「本事業」とは,特定事業,附帯事業及び任意事業の総称をいう。
「本事業開始日」とは,第22条に定める開始条件が充足され,運営権者による本運営事業が開始された日をいう。
「本事業開始予定日」とは,市がPFI法第21条第1項の規定により指定する特定事業の開始予定日である令和4年4月1日又は本契約の定めに従って延期された日をいう。
「本事業期間」とは,本事業開始日から本事業終了日までの期間をいう。
「本事業終了日」とは,第88条第1項に定める(第88条第2項又は同条第3項の定めにより延長が行われた場合は当該延長後の)本事業期間の終了日をいう。
「末端管路」とは,既存の利用者の使用中止によって,区間内に利用者が存在しなくなった管路を総称していう。
「末端管路撤去関連費用」とは,第43条第5項に従って,運営権者が実施した末端管路撤去業務の対価として市から運営権者に対して支払われる末端管路の撤去に関する設計及び工事費をいう。
「民法」とは,民法(明治29年法律第89号)をいう。
「メーター料」とは,利用者の使用する水道メーターの口径の区分に応じて,第65条第1項に従って運営権者が設定し,利用者から徴収する料金をいう。
「モニタリング計画」とは,第78条第1項に基づいて市が策定した大阪市工業用水道特定運営事業等モニタリング計画をいう。
「モニタリング計画(案)」とは,大阪市工業用水道特定運営事業等モニタリング計画(案)をいう。
「優先交渉権者」とは,市が運営権者を設立する者を選ぶために実施する運営権者選定手続で選定された大阪工水イノベーションをいう。
「優先交渉権者構成企業」とは,優先交渉権者を構成する法人である前田建設工業株式会社,日本工営株式会社,西日本電信電話株式会社及び東芝インフラシステムズ株式会社をいう。
「要求水準」とは,本契約,要求水準書,募集要項等及び提案書類に基づき定められている,本事業の実施において運営権者が充足すべき水準をいう。
「要求水準書」とは,大阪市工業用水道特定運営事業等要求水準書(要求水準書が変更された場合は,当該変更を含む。)をいう。
「要求水準未達違約金」とは,第79条及びモニタリング計画に基づき,要求水準の違反の程度に応じて運営権者が支払義務を負う違約金をいう。
「利用者」とは,本事業に係る工業用水の供給を受ける者を総称して又は個別にいう。
「利用料金」とは,運営権設定対象施設の利用について,利用者が運営権者に対して支払うこととなる,大阪市実施方針条例第5条第1項に定める給水料をいう。
以 上
別紙2 運営権設定対象施設
運営権設定対象施設は次に掲げるとおり。
運営権設定対象施設 |
所在地 |
東淀川浄水場 |
大阪市東淀川区柴島1丁目3番14号 |
桜宮配水場 |
大阪市都島区網島町11番9号先 |
鶴見配水場 |
大阪市鶴見区横堤4丁目29番60号 |
北港加圧ポンプ場 |
大阪市此花区北港2丁目4番 |
工業用水道の取水管及び配水管並びにこれらの附属設備(制水弁,空気弁,消火栓,排水設備等) |
大阪市水道事業及び工業用水道事業の設置等に関する条例(昭和41年大阪市条例第61号)第3条第2項第2号アに定める給水区域のほか,大阪市西区及び中央区並びに吹田市の一部に配置 |
以 上
別紙3 市が維持する許認可等
本契約第7条第1項に定める「別紙3に記載の許認可等」は,関連資料集F(以下本別紙において「本資料」という。)に示す許認可等とする。
※ 本資料は,本契約締結日現在において市が維持することを想定している許認可等を示したものであり,市は,本事業開始日までに市が行った許認可等の新規取得,終了又は内容変更に基づく本資料の更新を行うものとする。市は,本事業開始日までの間,本事業の実施に合理的に必要となる範囲でのみ許認可等の新規取得,終了又は内容変更を行うものとし,当該許認可等の新規取得,終了又は内容変更を行おうとする場合には事前に運営権者に対してこれを通知し説明を行い,許認可等の新規取得,終了又は内容変更の結果,本資料が更新された場合にはこれを速やかに運営権者に通知するものとする。
以 上
別紙4 供給規程に定める事項
供給規程に規定すべき内容及び基準は,次に掲げるとおりとする。
総則
運営権者は,本契約締結日において,市が利用者への工業用水の供給条件として定める大阪市工業用水道事業給水条例(昭和34年大阪市条例第20号)及び工業用水道事業法に基づく通商産業大臣の処分に係る審査基準等について(6立第1954号平成6年9月30日通商産業大臣通知)第1-1-(4)を踏まえ,円滑に事業の移行が行われるとともに,利用者へのサービス水準が低下することのないよう,供給規程を作成すること。
利用料金
本運営事業におけるPFI法第2条第6項に規定する利用料金は給水料とする。また,工業用水道事業法に基づき,工業用水の料金以外でその費用の負担区分等を供給規程に定めることとされている収入について,運営権者はその負担区分及び算定方法等を供給規程に定めなければならない。
運営権者が収受する利用料金の額は,大阪市実施方針条例第5条第2項及び第3項に規定する算定方法(以下「基本となる算定方法」という。)によって算出される金額を上限とする。
2-1 基本となる算定方法
利用料金に係る給水料の額は,1月につき,次の区分に応じ算定した金額並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額(1円未満の端数があるときは,これを切り捨てる。)とすることを基本とする。
・1月の責任使用水量が30立方メートル(1月を30日とした場合)を超える場合
責任使用水量に対する分 |
1立方メートルにつき35円 |
超過流量(運営権者が定める時間における使用水量(以下瞬間使用水量という。)が当該時間当たりのその月の責任使用水量(以下「瞬間責任使用水量」という。)を超えた場合における当該瞬間使用水量のうち瞬間責任使用水量を超える部分をいう。以下同じ。)に対する分 |
1立方メートルにつき70円 |
・前記以外の場合
責任使用水量に対する分 |
1立方メートルにつき35円 |
使用水量のうち責任使用水量を超える部分に対する分 |
1立方メートルにつき70円 |
(ア)の方法による利用料金の算定にあたって,運営権者は1月の責任使用水量を決定し,利用者に通知する。
(ア)の方法による利用料金の算定にあたって,1月の使用水量がその月の責任使用水量に満たない場合には,その月に当該責任使用水量を使用したものとみなして(ア)の算定方法を適用する。
大阪市実施方針条例第5条第2項第1号に規定する,基本となる算定方法における利用者の1月の責任使用水量の決定方法は,次に定める方法によって決定された1日あたりの責任使用水量に,当該月に属する日数を乗じる方法によるものとする。
運営権者は,利用者にあらかじめその年度(4月1日から翌年3月31日までとする。以下同じ。)における1日あたりの使用予定水量を確認する。利用者に変更があったときも,また同様とする。ただし,本事業の開始時に,利用者が(ア)の算定方法を選択した場合,利用料金の算定に当初使用する責任使用水量は,本事業開始前に市が決定した水量とすること。
運営権者は,Aの使用予定水量の範囲内で,1日あたりの責任使用水量を決定し,利用者に通知する。ただし,運営権者は,市水道局と協議の上やむを得ない事情があると自ら判断した場合を除き,直前に適用されていた1日あたりの責任使用水量を超えない範囲で,1日あたりの責任使用水量を決定しなければならない。また,責任使用水量の下限値は,1日あたり1立方メートルとする。
Bの責任使用水量は,年度の途中では変更しない。ただし,運営権者がやむを得ない事情があると認めるときは,この限りではない。
現に給水を受けている者が,年度開始1月前までに翌年度の使用予定水量の申込みを行なわない場合は,現にその者について決定されている責任使用水量をもって翌年度の責任使用水量とすることができる。
本事業開始後の新規給水申込者の責任使用水量は,1日あたり1立方メートルとする。
2-2 新たな算定方法
本事業期間中,運営権者は,供給規程において,基本となる算定方法のほか,大阪市実施方針条例第5条第4項に規定する「新たな算定方法」を定め,利用者が,その水使用形態に応じて,基本となる算定方法又は新たな算定方法のいずれかを選択できるようにするものとする。
運営権者は,同条例第5条第4項の規定により「新たな算定方法」を定める場合,使用水量が同一条件下においては,新たな利用料金により算定した年間給水料は,2-1(ア)により算定した年間給水料を超えないように設定しなければならない。
メーター料
運営権者は,本事業期間にわたり,利用者からメーター料を収受することができる。
運営権者は,利用者からメーター料を収受する場合,供給規程において,収受するメーター料の内容を具体的に規定するものとする。ただし,運営権者は,要求水準書第5-3-(3)-ア-(ウ)に定める金額を超えてメーター料を収受してはならないものとする。
給水施設工事費用
運営権者は,本事業期間にわたり,利用者から給水施設工事費用を収受することができる。
運営権者は,利用者から給水施設工事費用を収受する場合,供給規程において,収受する給水施設工事費用の内容を規定するものとする。ただし,運営権者は,市の取組実績を勘案し,サービス水準(価格を含む。)の低下とならないよう費用の算定方法及び支払い方法等を規定すること。
その他の供給条件
5-1 給水施設の材料及び工法
給水施設の構造及び材質,工法等については,要求水準書第5-3-(2)-ウ-(ウ)に定める事項を踏まえ,規定すること。
5-2 損害賠償違約金等
これまで市が過料や違反金として規定していた項目について,損害賠償違約金等として規定する場合は,現行水準を超えることのないよう規定すること。
新たなサービスに関すること
運営権者において利用者に新たなサービスを提供する場合は,関係法令を遵守し,公序良俗に反しない範囲であり,運営権設定対象施設の機能を阻害しないものとするとともに,利用者に対し,サービス条件や内容,利用者負担等が明確となるよう規定すること。
本運営事業を実施するために必要な給水施設に係る権限
運営権者が本運営事業を実施するために必要となる,給水施設に係る権限(大阪市工業用水道事業給水条例第14条第3項に規定する修繕等の実施,同第15条に規定する変更を加える工事の実施,同第29条に規定する検査,同第30条に規定する給水中止,同第31条に規定する給水施設の撤去及びこれらに伴う利用者の敷地への立入りに係る権限を含むが,これらに限られない。)を規定すること。
その他市及び運営権者が必要と認める規定
以 上
別紙5-1 本運営事業の承継等の対象及び方法
運営権設定対象施設
運営権設定対象施設に対して,運営権が設定され,運営権者に引き渡されるものとする。
運営権者承継対象契約
関連資料集Gに示す契約文書について,同関連資料中の取扱方針欄記載の内容に従って承継するものとする。
なお,関連資料集Gは,本契約締結日現在の契約文書を示したものであり,市は,本事業開始日までに契約文書の新規締結,終了又は内容変更に基づく関連資料集Gの更新を行うものとする。市は,本事業開始日までの間,本事業の実施に合理的に必要となる範囲でのみ契約文書の新規締結,終了又は内容変更を行うものとし,当該契約文書の新規締結,終了又は内容変更を行おうとする場合には事前に運営権者に対してこれを通知し説明を行い,当該契約文書の新規締結,終了又は内容変更の結果,関連資料集Gが更新された場合にはこれを速やかに運営権者に通知するものとする。
※ 本事業開始日までに市が発注した別紙12-2に定める浄配水場の更新及び管路の更新に係る契約は運営権者に承継されず,市が引き続き契約当事者として当該更新を実施する。
運営権者譲渡対象資産
運営権者譲渡対象資産の譲渡手続は,市場価格等を参考に,運営権者が見積書を提出する方法で行う。運営権者が市の算出する価格以上で有効な見積書を提出した場合,市において必要な手続を経た上で,市と運営権者は運営権者譲渡対象資産に関する物品譲渡契約を締結し,運営権者は,当該契約の定めに従って市が指定する期日まで一括払で対価を支払い,運営権者譲渡対象資産を取得するものとする。
運営権者譲渡対象資産の一覧については,関連資料集Hに示すとおりとする。
運営権者貸付対象資産
運営権者貸付対象資産の貸付手続は,本契約締結日以降に市と運営権者が物品貸付契約を締結し,運営権者が当該契約に従い,運営権者貸付対象資産の引渡しを受ける方法で行う。
運営権者貸付対象資産の一覧については,関連資料集Iに示すとおりとする。
以 上
別紙5-2 物品譲渡契約書
件名:大阪市工業用水道特定運営事業等に係る【 】(以下「譲渡物品」という。)の譲渡
品名・規格・数量:別紙のとおり
引渡場所:●
譲渡代金額:●円
(うち消費税及び地方消費税相当額 ●円)
契約保証金:免除
大阪市工業用水道特定運営事業等の実施にあたって,上記の物品を譲渡するため,令和3年10月15日付大阪市工業用水道特定運営事業等公共施設等運営権実施契約書(以下「実施契約」という。)第11条第1項の規定により,大阪市(以下「譲渡人」という。)と運営権者であるみおつくし工業用水コンセッション株式会社(以下「譲受人」という。)とは,各々の対等な立場における合意に基づいて,次の条項により公正な物品譲渡契約(頭書を含み,以下「本契約」という。)を締結し,信義に従い誠実にこれを履行するものとする。なお,実施契約において定義されている用語は,本契約において別段の定めがない限り,文脈上別意に解すべきものを除き,本契約においても同じ意味を有するものとする。
(総則)
第1条 譲渡人及び譲受人は,本契約に基づき,日本国の法令を遵守し,本契約を履行しなければならない。
実施契約と本契約の間に齟齬がある場合,本契約が実施契約に優先して適用される。
(契約の成立)
第2条 本契約は,譲渡人及び譲受人双方の権限ある代表者による本契約への記名押印が完了したときをもって成立する。
(権利義務の譲渡等)
第3条 譲受人は,本契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し,承継させ,又は担保に供してはならない。ただし,あらかじめ,譲渡人の承認を得た場合は,この限りでない。
(代金の支払い)
第4条 譲渡人は,譲渡代金の支払期限の20日前までに,譲受人に譲渡代金に係る請求書を送付するものとし,譲受人は,実施契約に定める本事業開始日の前日までに,譲渡代金を譲渡人が別途指定する銀行口座に振り込む方法により,譲渡人に一括して支払わなければならない。
譲受人は,前項に規定する期限までに譲渡代金を支払わないときは,その翌日から起算して支払日までの日数に応じ,政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率(昭和24年大蔵省告示第991号)に定める履行期日時点における率を乗じて計算した金額を延滞金として支払わなければならない。
天災,地変その他不可抗力事象であって,譲渡人又は譲受人のいずれの責めにも帰すことができない事由により支払いが遅延した場合には,その事由の継続する期間は延滞金を支払う日数に算入しないものとする。
(所有権の移転)
第5条 譲渡物品の所有権は,譲受人が前条第1項に定める譲渡代金(前条第2項に定める延滞金を支払う義務がある場合は,これに加えて延滞金)を支払ったことを譲渡人が確認したことを条件として,実施契約に定める本事業開始日をもって,譲渡人から譲受人に移転する。
(譲渡物品の引渡し及び引取り等)
第6条 譲渡人は,前条の譲渡人による支払確認がなされたことを条件として,本事業開始日に当該譲渡物品を譲渡人から譲受人に引き渡すものとし,譲受人はこれを速やかに引き取る義務を負うものとする。
譲渡人は,譲渡物品の引渡しに当たり,適正な履行を確認するため譲渡人の職員を立ち会わせるものとする。
譲受人は,前二項に基づき引渡しを受けたときは,受領書を譲渡人に提出するものとする。
(危険負担)
第7条 譲受人は,本契約締結時から譲渡物品の引渡時までにおいて,当該物品が譲渡人の責めに帰すべき事由により滅失,毀損した場合を除き,譲渡人に対し譲渡代金の減免を請求することができない。
(契約不適合に関する責任)
第8条 譲渡物品の引渡しは現状有姿で行うものとし,譲受人は,本契約締結後,譲渡物品に数量の不足,その他契約不適合のあることを発見しても,譲渡代金の減免若しくは損害賠償の請求又は本契約の解除をすることができない。
(契約の解除)
第9条 譲渡人及び譲受人は,相手方が本契約に定める義務を履行しないときは,本契約を解除することができる。
譲渡人は,実施契約が解除その他の理由で本事業開始日前に終了した場合,本契約を解除することができる。本事業開始日以降は,いかなる理由によっても本契約を解除することはできないものとし,その場合の譲渡物品の取扱いは実施契約の定めに従うものとする。
譲渡人は,譲受人の役員又はその支店若しくは常時契約を締結する事務所の代表者(以下「役員等」という。)が暴力団員等及びその他の関係者であると認められるとき,又は譲受人若しくは譲受人の親会社等が以下のいずれかに該当するときは,本契約を解除することができる。
役員等が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(以下本項において「暴力団員等」という。)であると認められるとき。
暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下同じ。)又は暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められるとき。
役員等が自己,自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって,暴力団又は暴力団員等を利用するなどしたと認められるとき。
役員等が,暴力団又は暴力団員等に対して資金等を供給し,又は便宜を供与するなど直接的若しくは積極的に暴力団の維持,運営に協力し,若しくは関与していると認められるとき。
役員等が,暴力団又は暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有していると認められるとき。
(返還金等)
第10条 譲渡人は,譲渡人又は譲受人が前条に定める契約解除権を行使したときには,譲受人が支払った譲渡代金を返還しなければならない。ただし,当該返還金には延滞金は付さない。
譲渡人は,解除権を行使したときは,譲受人の負担した本契約の費用を返還しない。
譲渡人は,解除権を行使したときは,譲受人が譲渡物品に支出した必要費,有益費その他一切の費用を償還しない。
(損害賠償)
第11条 譲渡人及び譲受人は,第9条に定める契約解除権を行使したとき及び相手方が本契約に定める義務を履行しないことにより損害を受けたときは,損害賠償を請求することができる。
(返還金の相殺)
第12条 譲渡人は,第10条第1項の規定により譲渡代金を返還する場合において,譲受人が前条に定める損害賠償金を譲渡人に支払うべき義務があるときは,返還する代金の全部又は一部と相殺することができる。
(契約の費用)
第13条 本契約の締結及び履行等に関して必要な費用は,すべて譲受人の負担とする。
(準拠法及び裁判管轄)
第14条 本契約の成立及び効力についての準拠法は日本法とし,本契約に関連して発生したすべての紛争については,大阪地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
(補則)
第15条 本契約に定めのない事項については,実施契約の定めに従うほか,必要に応じて譲渡人と譲受人とが協議して定める。
本契約を証するため,本書2通を作成し,譲渡人及び譲受人が記名押印の上,各自その1通を所持する。
令和●年●月●日
所在地 大阪府大阪市住之江区南港北二丁目1番10号 ATCビルITM棟9階
譲渡人 名称 大阪市
代表者 大阪市水道局長 ●● ㊞
住所又は 大阪府大阪市住之江区南港北二丁目1番10号 ATCビルITM棟3階
所在地
譲受人 商号又は みおつくし工業用水コンセッション株式会社
名称
代表者 代表取締役 ●● ㊞
別紙
譲渡物品の品名,規格,数量
別紙5-3 物品貸付契約書
件名:大阪市工業用水道特定運営事業等に係る物品の貸付け
品名・規格・数量:別紙のとおり
引渡場所:●
契約保証金:免除
大阪市工業用水道特定運営事業等の実施にあたって,上記の物品(以下「貸付物品」という。)を無償で貸し付けるため,令和3年10月15日付大阪市工業用水道特定運営事業等公共施設等運営権実施契約書(以下「実施契約」という。)第11条第1項の規定により,大阪市(以下「貸付人」という。)と運営権者であるみおつくし工業用水コンセッション株式会社(以下「借受人」という。)とは,各々の対等な立場における合意に基づいて,次の条項により公正な物品貸付契約(頭書を含み,以下「本契約」という。)を締結し,信義に従い誠実にこれを履行するものとする。なお,実施契約において定義されている用語は,本契約において別段の定めがない限り,文脈上別意に解すべきものを除き,本契約においても同じ意味を有するものとする。
(総則)
第1条 貸付人及び借受人は,本契約に基づき,日本国の法令を遵守し,本契約を履行しなければならない。
実施契約と本契約の間に齟齬がある場合,本契約が実施契約に優先して適用される。
(契約の成立及び貸付期間)
第2条 本契約は,貸付人及び借受人双方の権限ある代表者による本契約への記名押印が完了したときをもって成立する。
本契約による貸付物品の貸付期間は,第5条第1項による引渡しのときから実施契約の期間満了又は解除による終了のときまでとする。
(権利義務の譲渡等)
第3条 借受人は,本契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し,承継させ,又は担保に供してはならない。ただし,あらかじめ,貸付人の承認を得た場合は,この限りでない。
(無償貸付)
第4条 本契約による貸付物品の貸付は無償とする。
(貸付物品の引渡し及び引取り等)
第5条 貸付人は,本事業開始日に,該当する貸付物品を借受人に引き渡すものとし,借受人はこれを速やかに引き取る義務を負うものとする。
貸付人は,貸付物品の引渡に当たり,適正な履行を確認するため貸付人の職員を立ち会わせるものとする。
借受人は,前二項に基づき引渡しを受けたときは,貸付人に受領書を提出するものとする。
(危険負担)
第6条 貸付人は,実施契約締結時から貸付物品の引渡時までにおいて,当該物品が貸付人の責めに帰すべき事由により滅失,毀損した場合を除き,借受人に対し当該物品の補修,代替品の提供等の義務を負わない。
(契約不適合に関する責任)
第7条 貸付物品の引渡しは現状有姿で行うものとし,借受人は,本契約締結後,貸付物品に数量の不足,その他契約不適合のあることを発見しても,補修,代替品の請求,損害賠償の請求又は契約の解除をすることができない。
(貸付物品の維持修繕,更新等)
第8条 貸付物品の補修その他の維持修繕及び更新等は,すべて借受人の責任と費用で行わなければならない。
前項の更新等,業務方法の変更,陳腐化その他の理由で不要となった貸付物品は,貸付人の事前の承認を得た上で,借受人の責任と費用において廃棄その他の処分をしなければならない。借受人は,貸付物品の廃棄その他の処分をしたときは,速やかに対象貸付物品及び廃棄その他の処分の内容を貸付人に報告しなければならない。
実施契約が期間満了又はその他の理由により終了するときは,貸付物品のうち貸付人が事前に処分を承認したものを除き,実施契約の終了時の現状有姿で返還するものとし,貸付人又は貸付人が指定する者に対して引き渡すものとする。貸付人が処分を承認したものについては,借受人がその費用と責任において廃棄その他の処分をしなければならない。
借受人が貸付物品の更新等に際し調達した物品のうち,運営権者の所有するものについて,借受人は,実施契約の期間満了又はその他の理由による終了と同時に貸付人に無償で譲渡しなければならない。
(契約の解除)
第9条 貸付人及び借受人は,相手方が本契約に定める義務を履行しないときは,本契約を解除することができる。
貸付人は,実施契約が解除その他の理由で本事業開始日前に終了した場合,本契約を解除することができる。本事業開始日以降は,実施契約が解除された場合を除き,いかなる理由によっても本契約を解除することはできないものとし,実施契約が解除された場合の貸付物品の取扱いは前条の規定に従うものとする。
貸付人は,借受人の役員又はその支店若しくは常時契約を締結する事務所の代表者(以下「役員等」という。)が暴力団員等及びその他の関係者であると認められるとき,又は借受人若しくは借受人の親会社等が以下のいずれかに該当するときは,本契約を解除することができる。
役員等が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(以下本項において「暴力団員等」という。)であると認められるとき。
暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下同じ。)又は暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められるとき。
役員等が自己,自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって,暴力団又は暴力団員等を利用するなどしたと認められるとき。
役員等が,暴力団又は暴力団員等に対して資金等を供給し,又は便宜を供与するなど直接的若しくは積極的に暴力団の維持,運営に協力し,若しくは関与していると認められるとき。
役員等が,暴力団又は暴力団員等と社会的に非難されるべき関係を有していると認められるとき。
(返還金等)
第10条 貸付人は,貸付人又は借受人が前条に規定する契約解除権を行使したときには,借受人の負担した本契約の費用を返還しない。
貸付人は,解除権を行使したときは,借受人が貸付物品に支出した必要費,有益費その他一切の費用を償還しない。
(損害賠償)
第11条 貸付人及び借受人は,第9条に規定する契約解除権を行使したとき及び相手方が本契約に定める義務を履行しないことにより損害を受けたときは,損害賠償を請求することができる。
(契約の費用)
第12条 本契約の締結及び履行等に関して必要な費用は,すべて借受人の負担とする。
(準拠法及び裁判管轄)
第13条 本契約の成立及び効力についての準拠法は日本法とし,本契約に関連して発生したすべての紛争については,大阪地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
(補則)
第14条 本契約に定めのない事項については,実施契約の定めに従うほか,必要に応じて貸付人と借受人とが協議して定める。
本契約を証するため,本書2通を作成し,貸付人及び借受人が記名押印の上,各自その1通を所持する。
令和●年●月●日
所在地 大阪府大阪市住之江区南港北二丁目1番10号 ATCビルITM棟9階
貸付人 名称 大阪市
代表者 大阪市水道局長 ●● ㊞
住所又は 大阪府大阪市住之江区南港北二丁目1番10号 ATCビルITM棟3階
所在地
借受人 商号又は みおつくし工業用水コンセッション株式会社
名称
代表者 代表取締役 ●● ㊞
別紙
貸付物品の品名,規格,数量
別紙6-1 市が維持する協定等
本契約第14条第1項に定める「別紙6-1に記載の協定等」は,関連資料集K(以下本別紙において「本資料」という。)に示す契約文書とする。
※ 本資料は,本契約締結日現在において市が維持することを想定している協定等を示したものであり,市は,本事業開始日までに市が行った協定等の新規締結,終了又は内容変更に基づく本資料の更新を行うものとする。市は,本事業開始日までの間,本事業の実施に合理的に必要となる範囲でのみ協定等の新規締結,終了又は内容変更を行うものとし,当該協定等の新規締結,終了又は内容変更を行おうとする場合には事前に運営権者に対してこれを通知し説明を行い,協定等の新規締結,終了又は内容変更の結果,本資料が更新された場合にはこれを速やかに運営権者に通知するものとする。
以 上
別紙6-2 運営権者が締結する協定等
本契約第14条第2項に定める「別紙6-2に記載の協定等」は,関連資料集L(以下本別紙において「本資料」という。)に示す契約文書とする。
※ 本資料は,本契約締結日現在の協定等を示したものであり,市は,本事業開始日までに協定等の新規締結,終了又は内容変更に基づく本資料の更新を行うものとする。市は,本事業開始日までの間,本事業の実施に合理的に必要となる範囲でのみ協定等の新規締結,終了又は内容変更を行うものとし,当該協定等の新規締結,終了又は内容変更を行おうとする場合には事前に運営権者に対してこれを通知し説明を行い,協定等の新規締結,終了又は内容変更の結果,本資料が更新された場合にはこれを速やかに運営権者に通知するものとする。
以 上
別紙7 行政財産目的外使用許可
本契約第17条第1項に定める「別紙7に定める行政財産目的外使用許可」は,関連資料集A(以下本別紙において「本資料」という。)に示す許可とする。
※ 本資料は,本契約締結日現在において市が維持することを想定している行政財産目的外使用許可を示したものであり,市は,本事業開始日までに許可の新規実施,終了又は内容変更に基づく本資料の更新を行うものとする。市は,本事業開始日までの間,本事業の実施を妨げない範囲において当該許可の新規実施,終了又は内容変更を行うものとし,当該許可の新規締結,終了又は内容変更を行おうとする場合には事前に運営権者に対してこれを通知し説明を行い,許可の新規実施,終了又は内容変更の結果,本資料が更新された場合にはこれを速やかに運営権者に通知するものとする。
以 上
別紙8 運営権対価の支払方法
支払額
第1回目の運営権対価の支払額を50,000,000円とし,第2回目から第10回目までの運営権対価の支払額を50,000,000円(以下本別紙において「単年度支払額」という。)とする。
また,第80条の規定によって運営権の行使が停止された場合であって,当該停止がPFI法第29条第1項第2号に規定する事由によるときは,運営権の行使が停止された日の属する事業年度及びその後運営権の行使が再開された日の属する事業年度に係る運営権対価は,1年を365日とする日割計算により算出されるものとし,算出された金額に1円未満の端数が生じた場合には,これを切り捨てるものとする。
支払方法及び支払手続
運営権者は,市に対して,①第1回目の運営権対価については,本事業開始予定日の属する事業年度の直前の事業年度の2月末日までに,②第2回目から第10回目までの運営権対価については,各事業年度の初日の直前の営業日までに,それぞれ当該事業年度に係る運営権対価並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を,市が指定する銀行口座に振り込む方法により支払う。なお,市は,各回の運営権対価の支払期限の20日前までに,運営権者に対して請求書を送付するものとする。
本事業開始日以降,本事業終了日より前に本契約が解除され,又は終了した場合,当該解除日又は終了日の属する事業年度に係る運営権対価は,1年を365日とする日割計算により算出されるものとし,算出された金額に1円未満の端数が生じた場合には,これを切り捨てるものとする。
運営権対価に関する消費税及び地方消費税の計算について
運営権対価に関する消費税及び地方消費税は,第1回目の運営権対価の支払時点において適用される税率により計算されるものとする。
オプション延長期間中の運営権対価の支払いについて
運営権者が第88条第2項の規定により期間延長を希望する旨の届出を市に対して行った場合,市及び運営権者は,オプション延長期間中の運営権対価の支払額及び支払方法について協議するものとする。なお,オプション延長期間中の各事業年度における運営権対価の支払額に係る協議においては,単年度支払額を基準とし,水需要の状況等を考慮して当該支払額を決定するものとする。市は,当該協議により運営権者と合意した内容に従い,運営権者に対してオプション延長期間中の運営権対価の支払いを求めることができるものとする。
以 上
別紙9 公有財産賃貸借契約書
大阪市(以下「貸付人」という。)とみおつくし工業用水コンセッション株式会社(以下「借受人」という。)とは,令和3年10月15日付大阪市工業用水道特定運営事業等公共施設等運営権実施契約書(以下「実施契約」という。)第26条第3項に基づき,次の条項により公有財産賃貸借契約書(以下「本契約」という。)を締結する。なお,実施契約において定義されている用語は,本契約において別段の規定がない限り,文脈上別意に解すべきものを除き,本契約においても同じ意味を有するものとする。
(総則)
第1条 貸付人及び借受人は,本契約に基づき,日本国の法令等を遵守し,本契約を履行しなければならない。
実施契約と本契約の間に齟齬がある場合,本契約が実施契約に優先して適用される。
(賃貸借物件)
第2条 貸付人は,その所有する別記に記載する財産(以下「本物件」という。)を借受人に有償で貸し付け,借受人は,これを借り受ける。
貸付人は,第5条に定める賃貸借期間の初日に,本物件を借受人に引き渡したものとする。
(契約の成立)
第3条 本契約は,貸付人及び借受人双方の権限ある代表者による本契約への記名押印が完了したときをもって成立する。
(使用目的)
第4条 借受人は,貸付人の承諾を得た場合を除き,本物件を,本事業の実施以外の用途に使用してはならない。
(賃貸借期間)
第5条 賃貸借期間は,令和4年4月1日から令和14年3月31日とする。ただし,①実施契約に定める本事業開始日が本事業開始予定日よりも遅延した場合には,本契約の始期は,当該遅延後の本事業開始日に当然に変更されるものとし,また,②実施契約に定める本事業期間が延長された場合には,当該本事業期間の末日まで貸付期間は当然に延長されるものとする。
(賃貸借料)
第6条 各事業年度の賃貸借料は,金●円とする(消費税及び地方消費税相当額を含む。)。
貸付人は,関係法令及び大阪市財産条例(昭和39年大阪市条例第8号)の改正並びに経済情勢の変動があったとき等,必要があると認めるときは,賃貸借料を改定することができる。
前項の規定により,賃貸借料を改定するときは,貸付人は改定通知書により借受人に通知する。
前項の通知があったときは,第1項の規定にかかわらず,貸付人の指定する日以降の本契約に関する賃貸借料は,当該通知額とする。
次の各号に定める貸付日数が1年に満たない事業年度の賃貸借料については,1年を365日とする日割計算により算出されるものとし,算出された金額に1円未満の端数が生じた場合,これを切り捨てるものとする。
実施契約第80条の規定によって運営権の行使が停止された場合,運営権の行使が停止された日が属する事業年度及びその後運営権の行使が再開された日が属する事業年度に係る賃貸借料
本事業開始日以降,本事業終了日より前に本契約が解除又は終了した場合,当該解除又は終了した日の属する事業年度に係る賃貸借料
(賃貸借料の支払い)
第7条 借受人は,前条の規定による各事業年度分の賃貸借料を,①第1回目の賃貸借料については,本事業開始予定日が属する事業年度の直前の事業年度の2月末日までに,②第2回目から第10回目までの賃貸借料については,各事業年度の初日の直前の営業日までに,それぞれ当該事業年度に係る賃貸借料並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を,貸付人の指定する銀行口座に振り込む方法により支払う。この場合における振込手数料は,借受人の負担とする。
(延滞損害金)
第8条 借受人は,前条の納入期限までに賃貸借料を支払わないときは,貸付人の発する督促状に指定する期限までに納入しなければならない。
借受人は,督促状に指定する期限までに納入しないときは,大阪市財産条例に基づき計算した延滞損害金を貸付人に支払う。この場合の計算方法は,年365日の日割計算とし,1円未満の端数は切り捨てる。ただし,大阪市財産条例第11条第1項に定める割合が改正された場合は,改正以降の期間については改正後の割合を適用する。なお,同項ただし書に該当する場合は,この限りでない。
(充当の順序)
第9条 借受人が,賃貸借料及び延滞損害金を納入すべき場合において,納入した金額が賃貸借料及び延滞損害金の合計額に満たない場合には,まず延滞損害金から充当する。
(契約保証金)
第10条 契約保証金は免除する。
(契約不適合責任)
第11条 借受人は,本契約締結後,本物件に数量の不足その他契約不適合のあることを発見した場合であっても,賃貸借料の減免又は損害賠償の請求をすることができない。
(権利譲渡等の禁止)
第12条 借受人は,貸付人の事前の書面による承諾を得た場合を除き,本物件を転貸し,若しくは賃借権を第三者に譲渡し,又は担保に供してはならない。
借受人が,実施契約に基づき任意事業を実施する運営権者子会社等に対して,別途,市の合理的に満足する内容で本物件を転貸する場合,貸付人は,前項の承諾を行うものとする。
(現状変更)
第13条 借受人は,貸付期間において本物件の現状を変更しようとするときは,事前に詳細な理由を付した書面によって貸付人に申請し,その承認を得なければならない。
(善管注意義務及び修繕義務等)
第14条 借受人は,本物件を善良なる管理者の注意をもって,維持保存しなければならない。
貸付人は,本物件の修繕義務を負わないものとし,本物件の維持保存,改良その他の行為に要する費用は,すべて借受人の負担とする。
(滅失又は毀損等)
第15条 借受人は,本物件の全部又は一部が滅失し,又は毀損した場合には,直ちに貸付人にその状況を報告しなければならない。
借受人は,本物件が第三者に占拠されたときは,借受人の負担において,これを現状に復旧しなければならない。
(立入り)
第16条 貸付人は,管理上必要と認めるときは,あらかじめ借受人の承諾を得て,本物件内に立ち入ることができる。
借受人は,正当な理由がある場合を除き,貸付人の立入りを拒否することはできない。
(契約の解除)
第17条 貸付人は,次の各号のいずれかに該当するときは,第5条に定める貸付期間にかかわらず,本契約を解除することができる。
借受人が,3ヶ月以上賃貸借料を滞納したとき。
借受人が,本契約に定める義務を履行しないとき。
次のいずれかに該当するとき。
借受人が大阪市暴力団排除条例(平成23年大阪市条例第10号)第2条第2号に規定する暴力団員又は同条第3号に規定する暴力団密接関係者に該当すると認められたとき。
大阪市暴力団排除条例第2条1号に規定する暴力団の利益になると認められる又はそのおそれがあると認められるとき。
貸付人において,本物件を公用若しくは公共用に供するとき,又は貸付人が特に必要と認め,本物件を必要とするとき。ただし,この場合,貸付人は,6ヶ月前までにその旨を借受人に通知するものとする。
借受人は,第5条に定める貸付期間にかかわらず,使用目的を終了するときは,使用目的を終了する日の6ヶ月前までに書面により貸付人に予告した上で,本契約を解除することができる。
本契約の他の規定にかかわらず,実施契約が終了した場合には,本契約は当然に終了する。
(損害賠償)
第18条 前条の規定による本契約の解除によって生じた借受人の損失については,貸付人は,何らその責めを負わないものとする。
借受人は,本契約に定める義務を履行しないために貸付人に損害を与えたときは,その損害に相当する金額を損害賠償として貸付人に支払うものとする。
(原状回復義務)
第19条 借受人は,貸付期間が満了したとき又は第17条の規定により本契約が解除され,若しくは終了したときは,貸付人の指定する期日までに,借受人の費用で本物件を原状に回復して貸付人に返還しなければならない。ただし,貸付人が承認した場合は,この限りでない。
(実地調査等)
第20条 貸付人は,本物件について随時実地調査し,又は借受人に対して所要の報告を求めることができる。この場合において,借受人は,調査を拒み,妨げ,若しくは忌避し,又は報告を怠ってはならない。
(賃貸借料の返還)
第21条 既納の賃貸借料は,借受人の都合により借受けを取りやめた場合又は第17条第1項第1号から第3号までの規定により本契約が解除された場合には,返還しないものとする。ただし,第17条第1項第4号による解除その他特別の理由があると認める場合は,未経過期間に係る賃貸借料の全部又は一部を返還するものとする。
前項の返還金には,利息を付さないものとする。
(契約の費用)
第22条 本契約の締結及び履行に関して必要な一切の費用は,すべて借受人の負担とする。
(疑義等の解決)
第23条 本契約に定めのない事項については大阪市財産条例,大阪市契約規則,大阪市水道局資産規程,大阪市水道局契約規程及び大阪市水道局会計規程等に従うものとし,その他本契約に関し疑義が生じたときは,貸付人及び借受人が協議の上,解決するものとする。
(管轄裁判所)
第24条 本契約に関連して発生したすべての紛争は,大阪地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
以 上
本契約を証するため,本書2通を作成し,貸付人及び借受人が記名押印の上,各自その1通を保有する。
令和●年●月●日
所在地 大阪府大阪市住之江区南港北二丁目1番10号 ATCビルITM棟9階
貸付人 名称 大阪市
代表者 大阪市水道局長 ●● ㊞
住所又は 大阪府大阪市住之江区南港北二丁目1番10号 ATCビルITM棟3階
所在地
借受人 商号又は みおつくし工業用水コンセッション株式会社
名称
代表者 代表取締役 ●● ㊞
別記(第2条関係(賃貸借物件))
所在地 |
地番 |
公簿地目 |
地積(㎡) |
備考 |
|||
公簿 |
貸付け |
||||||
|
|
|
|
|
|
|
|
別紙10 大阪市工業用水道事業東淀川浄水場等運転管理等業務委託契約書
大阪市工業用水道事業
東淀川浄水場等
運転管理等業務委託契約書
(案)
令和3年 月
1 契約の名称 大阪市工業用水道事業東淀川浄水場等運転管理等業務委託契約書
2 契約金額 別添1「委託料の算定方法」に基づき算出された金額
3 履行期間 第35条に定めるとおり
4 履行場所 (1) 東淀川浄水場 大阪市東淀川区柴島1丁目3番14号
(2) 桜宮配水場 大阪市都島区網島町11番9号先
(3) 鶴見配水場 大阪市鶴見区横堤4丁目29番60号
(4) 北港加圧ポンプ場 大阪市此花区北港2丁目4番
上記業務委託について,両当事者は,みおつくし工業用水コンセッション株式会社を発注者とし,大阪市を受注者として,次の条項により契約(別添を含み,以下「本契約」という。)を締結し,信義に従って誠実にこれを履行するものとする。
なお,発注者と受注者の間の令和3年10月15日付大阪市工業用水道特定運営事業等公共施設等運営権実施契約書(以下「実施契約」という。)において定義されている用語は,本契約において別段の規定がない限り,文脈上別意に解すべきものを除き,本契約においても同じ意味を有するものとする。
令和●年●月●日
住所又は 大阪府大阪市住之江区南港北二丁目1番10号 ATCビルITM棟3階
所 在 地
発注者 商号又は みおつくし工業用水コンセッション株式会社
名 称
代 表 者 代表取締役 ●● ㊞
所 在 地 大阪府大阪市住之江区南港北二丁目1番10号ATCビルITM棟9階
受注者 名 称 大阪市
代 表 者 大阪市水道局長 ●● ㊞
条 項
(業務委託)
第1条 発注者及び受注者は,以下の各条項及び各別添の記載事項に従い,日本国の法令を遵守し,本契約を履行しなければならない。
発注者は,受注者に対し別添2「運転管理及び水質管理に関する要求水準」第1項に記載の運転管理及び水質管理に関する業務(以下「本業務」という。)を委託し,受注者は本業務を受託する。
受注者は,第35条第1項に規定する履行期間(以下「本履行期間」という。)中,本業務を実施し,発注者は,受注者に対し,本業務の対価を,別添1「委託料の算定方法」に定める算定方法(当該算定方法により算定される金額を以下「委託料」という。)及び第30条に定める支払方法により支払う。
受注者は,別添3「運転管理及び水質管理業務のために受注者が使用する施設一覧」に示す運営権設定対象施設を用いて,本業務を実施する。
受注者は,本業務の実施に当たっては,前項に定める施設のほか,市水道事業として所有する施設等を用いて,市水道事業及び市工業用水道事業を一体的に運営すること(以下「上工水一体運営」という。)を原則とする。
発注者は,上工水一体運営の観点から,受注者による本業務及び市水道事業の円滑な実施を確保するために,本契約又は実施契約に定める発注者の権利義務(ただし,本業務として受注者が実施義務を負う事項を除く。)を適切に行使又は履行するものとする。
発注者は,前項の規定を踏まえた上で,本業務の履行を確保するために合理的に必要な範囲で,本業務に関する指示を受注者又は第13条に定める受注者の業務責任者(以下「業務責任者」という。)若しくは業務調整担当者(以下「業務調整担当者」という。)に対して行うことができる。この場合において,受注者又は業務責任者若しくは業務調整担当者は,当該指示に従い,本業務を行わなければならない。
受注者は,本契約に特別の定めがある場合又は前項に定める発注者による指示がある場合若しくは発注者と受注者との間で別段の合意がされた場合を除き,本業務を完了するために必要な一切の手段をその責任において定めるものとする。
本契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる言語は,日本語とする。
本契約に定める金銭の支払いに用いる通貨は,日本円とする。
本契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる計量単位は,本契約に特別の定めがある場合を除き,計量法(平成4年法律第51号)に定めるところによるものとする。
本契約における期間の定めについては,民法(明治29年法律第89号)及び商法(明治32年法律第48号)の定めるところによるものとする。
本契約は,日本国の法令に準拠するものとする。
本契約に関連して発生したすべての紛争は,大阪地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
(指示等及び協議の書面主義)
第2条 本契約で別途定める場合を除き,本契約に定める指示,催告,請求,通知,報告,申出,承認,質問,回答,解除,指導,勧告及び命令(以下「指示等」という。)は,書面により行わなければならない。
前項の規定にかかわらず,緊急やむを得ない事情がある場合には,発注者及び受注者は,前項に規定する指示等を口頭で行うことができる。この場合において,発注者及び受注者は,既に行った指示等を書面に記載し,7日以内にこれを相手方に交付するものとする。
発注者及び受注者は,本契約の規定に基づき協議を行うときは,当該協議の内容を書面に記録するものとする。
(事故等の報告義務)
第3条 受注者は,本業務の遂行中に事故が発生したときは,その事故発生の帰責の如何にかかわらず,直ちにその旨を発注者に報告し,速やかに応急処置を加えた後,遅滞なく書面により詳細な報告を行い,かつその後の具体的な事故防止策を書面にて提出しなければならない。
前項の事故により,以降の本業務の円滑な進行が妨げられる恐れがあるときは,受注者は,速やかに問題を解決し,本業務の進行に与える影響を最小限にするよう,努めなければならない。
(権利義務の譲渡等)
第4条 発注者及び受注者は,本契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し,承継させ,又はその権利を担保に供することができない。ただし,あらかじめ相手方の承認を得た場合は,この限りでない。
発注者及び受注者は,本業務を行う上で得られた記録等を第三者に譲渡し,貸与し,又は質権その他の担保の目的に供してはならない。ただし,あらかじめ相手方の承認を得た場合は,この限りでない。
(秘密の保持)
第5条 受注者は,本契約に関する情報を開示することができる。ただし,次の各号に掲げる情報を他の者に開示することはできない。
個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより,特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが,公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし,次に掲げる情報を除く。
法令等の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報
人の生命,身体,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報
当該個人が公務員等(行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)第5条第1号ハに規定する公務員等並びに大阪市住宅供給公社の役員及び職員をいう。)である場合において,当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは,当該情報のうち,当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分
法人その他の団体(国,独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。),地方公共団体,地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社を除く。以下本条において「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって,公にすることにより,当該法人等又は当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。ただし,人の生命,身体,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報を除く。
実施機関(受注者の市長,教育委員会,選挙管理委員会,人事委員会,監査委員,固定資産評価審査委員会,公営企業管理者及び消防長,地方独立行政法人大阪市民病院機構及び地方独立行政法人大阪市博物館機構並びに大阪市住宅供給公社をいう。以下本条において同じ。)の要請を受けて,公にしないとの条件で個人又は法人等から任意に提供された情報であって,当該個人又は当該法人等における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質,当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの。ただし,人の生命,身体,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報を除く。
受注者の機関及び国等(国,独立行政法人等,他の地方公共団体,地方独立行政法人及び大阪市住宅供給公社をいう。以下同じ。)の内部又は相互間における審議,検討又は協議に関する情報であって,公にすることにより,率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ,不当に大阪市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの。
受注者の機関又は国等が行う事務又は事業に関する情報であって,公にすることにより,次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上,当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの。
監査,検査,取締り,試験又は租税の賦課若しくは徴収に係る事務に関し,正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし,若しくはその発見を困難にするおそれ
契約,交渉又は争訟に係る事務に関し,受注者又は国等の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
調査研究に係る事務に関し,その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
受注者が経営する企業に係る事業に関し,その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
公にすることにより,人の生命,身体,財産又は社会的な地位の保護,犯罪の予防,犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生じると認められる情報。
前各号に掲げるもののほか,法令等の規定の定めるところにより公開しないこととされ,若しくは公にすることができないと認められる情報又は法律若しくはこれに基づく政令の規定による明示の指示等により公にすることができないと認められる情報。
発注者は,受注者の事前の承認がない限り,次の各号に掲げる場合を除き,本業務に関して知り得た受注者の秘密及び発注者が本業務を通じて知り得た情報(受注者の有する運転管理に係るノウハウ及び利用者に関する情報を含むが,これらに限られない。)を他の者に開示してはならない。なお,次の各号に掲げる場合において,開示の方法について受注者が指示した場合には,当該指示に従うものとする。
①当該情報を知る必要のある発注者の従業員等若しくは弁護士,公認会計士,税理士等の専門家,又は②当該情報を知る必要のある者としてあらかじめ発注者と受注者の間で合意された会社等若しくはそれらの従業員等若しくは弁護士,公認会計士,税理士等の専門家に対して,発注者と同一の秘密保持義務を負うことを条件として開示する場合
本条の定めに違反することなく第三者に既に知られている情報を,当該第三者に対して開示する場合
既に公知の事実となっている情報を,第三者に対して開示する場合
法令等又は裁判所の命令により開示を求められた情報を開示する場合
前二項の規定は,本契約が終了した後においても,有効に存続する。
(一括再委託等の禁止等)
第6条 受注者は,本業務の全部を一括して,又は本業務のうち業務責任者又は業務調整担当者が実施すべき業務を,第三者に委託し,又は請け負わせてはならない。
受注者は,本業務の一部(ただし,業務責任者又は業務調整担当者が実施すべき業務を除く。以下本条において同じ。)を第三者に委託し,又は請け負わせることができる。
発注者は,受注者に対して,受注者が本業務の一部を委託し,又は請け負わせた者の商号又は名称その他必要な事項の通知を請求することができる。
受注者は,第2項により本業務の一部を第三者に委託し,又は請け負わせた場合,発注者に対し,その第三者の受託又は請負に基づく行為全般について責任を負うものとする。
(入構に係る手続等)
第7条 受注者は,本事業の実施のために,運営権設定対象施設に立ち入ることができる。発注者は,受注者が運営権設定対象施設に立ち入るための入構手続及び入構に係る通知(なお,本条に定める通知は口頭で行うこともできる。以下同じ。)方法について,受注者と事前に協議し,本事業開始日までに決定するものとする。
発注者は,本業務に影響を与える可能性のある作業(施設管理業務に係る作業を含むが,これに限られない。)を行う場合,当該作業開始日の前日までに,受注者に通知するものとする。ただし,やむを得ない場合は,当該作業の開始時点までに,当該通知を行うことで足りるものとする。
(断水及び通水に係る通知)
第8条 発注者は,管路の漏水又は工事施工等により,発注者が管路における断水又は通水を実施する必要がある場合は,断水区間及び断水期間について,事前に受注者に通知するものとする。
(許認可等)
第9条 発注者は,本契約締結後速やかに,工業用水道事業法施行令第1条ただし書の規定に基づき,同条各号に規定する水質測定項目のうち,同条第4号から第8号までに規定する事項の水質測定は1月1回の測定で足りる旨の一部免除に関する承認申請を行い,本事業開始日までに経済産業大臣の承認を取得しなければならない。
(特許権等の使用)
第10条 受注者は,本業務の履行に当たって特許権,実用新案権,意匠権,商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利(以下「特許権等」という。)の対象となっている方法を使用するときは,その使用に関する一切の責任を負わなければならない。ただし,発注者がその履行方法を指定した場合であって,受注者がその存在を過失なく知らなかったときは,発注者は,受注者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
(特許権等の発明等)
第11条 受注者が,本業務の遂行に当たり,特許権等の対象となるべき発明又は考案をした場合,その特許権等は受注者に帰属する。
(監督員)
第12条 発注者は,次項各号に定める事項を行う権限を有する監督員(以下「監督員」という。)を置いたときは,その氏名及び連絡先を受注者に通知しなければならない。監督員を変更したときも,同様とする。
監督員は,本契約の他の条項に定めるもの及び本契約に基づく発注者の権限とされる事項のうち発注者が必要と認めて監督員に委任したもののほか,次に掲げる事項を行う権限を有する。
本契約に従った本業務の履行を確保するための,受注者又は業務責任者若しくは業務調整担当者に対する本業務に関する指示
本契約の記載内容に関する受注者の確認の申出又は質問に対する承認又は回答
本契約の履行に関する受注者又は業務責任者若しくは業務調整担当者との協議
本業務の進捗の確認,別添2「運転管理及び水質管理に関する要求水準」の記載内容と履行内容との照合その他本契約の履行状況の調査
発注者は,①2名以上の監督員を置き,前項の権限を分担させたときにあってはそれぞれの監督員の有する権限の内容を,②監督員に本契約に基づく発注者の権限の一部を委任したときにあっては当該委任した権限の内容を,受注者に通知しなければならない。
第2項の規定に基づく監督員の指示,承認又は回答は,原則として,書面により行わなければならない。
本契約に定める受注者から発注者への書面の提出は,発注者及び受注者が別途合意によって定めるものを除き,監督員を経由して行うものとする。この場合においては,監督員に到達した日をもって発注者に到達したものとみなす。
(業務責任者等)
第13条 受注者は,本業務の管理及び運営に必要な知識,技能,資格及び経験を有する業務責任者を本事業開始日までに定め,その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。業務責任者を変更したときも,同様とする。
業務責任者は,本契約の履行に関し,本業務の管理及び統轄を行うほか,本契約に基づく受注者の一切の権限(ただし,委託料の変更,本履行期間の変更,委託料の請求及び受領,次条第1項に規定する請求の受理,同条第2項に規定する決定及び通知,同条第3項に規定する請求並びに同条第4項に規定する通知の受理に係る権限を除く。)を行使することができる。
受注者は,前項の規定にかかわらず,自己の有する権限のうち業務責任者に委任せず自ら行使しようとするものがあるときは,あらかじめ,当該権限の内容を発注者に通知しなければならない。
受注者は,発注者と綿密に連携できる体制を構築するものとする。その際,受注者は,業務責任者のほか,業務責任者を補佐する者として,発注者又は監督員との特定の業務に係る事務連絡調整を担当する業務調整担当者を設置することができる。
受注者は,事業年度毎に連絡体制表を作成し,かつ,備え置くとともに,本事業開始日までに当該連絡体制表を発注者に提出しなければならない。また,受注者は,①連絡体制の変更又は②業務責任者若しくは業務調整担当者について配置変更等を行う場合は,都度,連絡体制表を修正し,発注者に提出しなければならない。
本契約に定める発注者から受注者への書面の提出は,発注者及び受注者が別途合意によって定めるものを除き,業務責任者又は業務調整担当者を経由して行うものとする。この場合においては,業務責任者又は業務調整担当者に到達した日をもって受注者に到達したものとみなす。
(業務責任者等に対する措置請求)
第14条 発注者は,業務責任者若しくは業務調整担当者又は受注者の使用人若しくは第6条第2項の規定により受注者から本業務を委託され,若しくは請け負った者がその業務の実施につき著しく不適当と認められるときは,受注者に対して,その理由を明示した書面により,必要な措置を取るべきことを請求することができる。
受注者は,前項の規定による請求があったときは,当該請求に係る事項について決定し,請求を受けた日から10日以内に,発注者にその結果を通知しなければならない。
受注者は,監督員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは,発注者に対して,その理由を明示した書面により,必要な措置を取るべきことを請求することができる。
発注者は,前項の規定による請求があったときは,当該請求に係る事項について決定し,請求を受けた日から10日以内に,その結果を受注者に通知しなければならない。
(履行報告)
第15条 受注者は,別添4「履行状況確認方法」に定める書類の提出により,本契約の履行について発注者に報告しなければならない。
(条件変更等)
第16条 受注者は,本業務を行うに当たり,次の各号のいずれかに該当する事実と疑われるものを発見したときは,その旨を直ちに発注者に通知し,その確認を請求しなければならない。
本契約に誤びゅう又は脱漏があること
本契約の表示が明確でないこと
履行上の制約等本契約に示された履行条件が実際と相違すること
本契約に明示されていない履行条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと
発注者は,前項の規定による確認を請求されたとき又は自ら前項各号に掲げる事実と疑われるものを発見したときは,受注者の立会いの上,直ちに調査を行わなければならない。
発注者は,受注者の意見を聴いて,調査の結果(これに対して取るべき措置を指示する必要があるときは,当該指示を含む。)を取りまとめ,調査の終了後14日以内に,その結果を受注者に通知しなければならない。ただし,その期間内に通知できないやむを得ない理由があるときは,あらかじめ,受注者の意見を聴いた上で,当該期間を延長することができる。
前項の調査の結果により第1項各号に掲げる事実が確認された場合において,必要があると認められるときは,発注者及び受注者は,協議の上,合意によって本契約の訂正又は変更を行うことができる。ただし,実施契約第24条第1項第2号イ及びウに定める運転管理業務及び水質管理業務又はこれに附随する発注者の義務又は責任の内容(以下「実施契約上の業務内容等」という。)と矛盾又は齟齬が生じない範囲に限る。
前項の規定により本契約の訂正又は変更が行われたことにより,委託料を変更する必要が生じた場合,発注者及び受注者は,当該委託料の変更について協議の上決定する。また,前項の規定による本契約の訂正又は変更により,受注者に増加費用又は損害が発生した場合,発注者はこれを負担するものとする。
(本契約の変更)
第17条 発注者及び受注者は,前条第4項及び次項の規定によるほか,発注者及び受注者が書面で合意した場合を除き,本契約を変更することはできないものとする。
発注者及び受注者は,市水道事業の運営方法の変更又は施設の統廃合その他上工水一体運営の確保のために本契約の変更が必要と認められる場合,実施契約上の業務内容等と矛盾又は齟齬が生じない範囲で,協議の上,合意によって本契約を変更することができるものとする。
前二項の規定にかかわらず,実施契約上の業務内容等が変更された場合,本契約に定める本業務の内容その他受注者の義務又は責任もこれに応じて当然に変更されるものとする。この場合,発注者及び受注者は,当該変更後速やかに,本契約の内容が実施契約上の業務内容等と同内容のものとなるよう,本契約を変更しなければならない。
(業務に係る提案)
第18条 発注者又は受注者は,本契約又は発注者による本業務に関する指示(以下本条において「本契約又は指示」という。)について,技術的又は経済的に優れた代替方法その他改良事項を発見し,又は発案したときは,相手方に対して,当該発見又は発案に基づき本契約又は指示の変更を提案することができる。
発注者又は受注者は,前項に規定する相手方の提案を受けた場合,本契約又は指示の変更について,上工水一体運営を前提とする運転管理及び水質管理方法を勘案しつつ,相手方と協議を行わなければならない。
発注者は,前項に規定する協議の結果に従って,必要があると認められるときは,委託料を変更しなければならない。
(委託料の変更方法等)
第19条 本契約の規定に基づく委託料の変更については,発注者及び受注者が協議して定める。ただし,協議開始の日から14日以内に合意に至らない場合には,発注者及び受注者が,必要に応じて実施契約第115条に定める協議会(以下「協議会」という。)に意見を求めた上で,協議会の意見を最大限尊重して,これを定めるものとする。
前項の協議開始の日については,発注者が受注者の意見を聴いて定め,受注者に通知するものとする。ただし,発注者が委託料の変更事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には,受注者は,協議開始の日を定め,発注者に通知することができる。
本契約の規定により,受注者が増加費用を必要とした場合又は損害を受けた場合に発注者が負担することが適当と考えられる額については,発注者と受注者とが協議して定める。ただし,協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には,発注者及び受注者が,必要に応じて協議会に意見を求めた上で,協議会の意見を最大限尊重して,これを定めるものとする。
(臨機の措置)
第20条 受注者は,本業務を行うに当たって,災害防止等のため必要があると認めるときは,自らの判断により,臨機の措置を取らなければならない。ただし,第3項に規定する発注者の請求があった場合を除く。
受注者は,前項の規定により実施した臨機の措置の内容を,発注者に直ちに通知しなければならない。
発注者は,災害防止その他の本業務を行う上で特に必要があると認めるときは,受注者に対して臨機の措置を取ることを請求することができる。
受注者が第1項又は前項の規定により臨機の措置を取った場合において,当該措置に要した費用のうち,受注者が委託料の範囲において負担することが適当でないと認められる部分については,発注者と協議の上,発注者に負担を求めることができる。
(本業務に係る費用負担)
第21条 本契約で別途定める場合を除き,受注者はその責任で本業務を実施するものとし,本業務の実施に当たって受注者に生じた費用の増加その他損害又は損失の発生については,すべて受注者が負担し,発注者はこれについて何らの責任も負担しない。ただし,実施契約第60条及び第61条の規定により発注者が負担することとされている費用については,発注者が負担する。
(水量・水圧・水質異常等に伴う費用負担)
第22条 発注者は,本業務に関して,次の各号に掲げる事象に起因して受注者に生じた増加費用(超過勤務手当等の追加人件費その他の対応費用を含むが,これらに限られない。)を負担する。ただし,当該増加費用が不可抗力に起因する場合,第26条の定めに従うものとする。また,実施契約第60条及び第61条の規定により発注者が負担することとされている費用については,実施契約の規定に基づき発注者が負担するものとする。
沈砂池周辺での油等の漏えいによる臭気
淀川原水の水量,水圧又は水質の一時的な悪化
停電発生時における取水ポンプ等の設備の停止等
前各号に準じた水量,水圧若しくは水質等に関する異常事象
(発注者に生じた増加費用及び損害)
第23条 本契約で別途定める場合を除き,本履行期間中に,本業務に直接起因して発注者に生じた増加費用及び損害(次条第1項又は第2項に規定する損害及び実施契約第29条に定めるところにより発注者が付した保険によりてん補される部分を除く。)については,受注者が負担する。ただし,その増加費用又は損害のうち発注者の責めに帰すべき事由により生じたものについては,発注者が負担する。
(第三者に及ぼした損害)
第24条 受注者が本業務を行うにつき第三者(利用者を含む。以下本条において同じ。)に及ぼした損害(実施契約第29条に定めるところにより発注者が付した保険によりてん補される部分を除く。)については,受注者が賠償を行う。
前項の規定にかかわらず,発注者の指示その他発注者の責めに帰すべき事由により生じた損害については,発注者が賠償を行う。
(法令等の変更による増加費用及び損害の扱い)
第25条 受注者による本業務の全部又は一部の履行が,本契約締結日以降の法令等の変更(特定法令等変更を含むが,これに限られない。)により困難となった場合,受注者は,必要な範囲及び期間において,本契約上の義務を免れることができるものとする。ただし,受注者が自らの判断で,実務上可能な範囲で本業務の履行を継続することは妨げられない。
本業務に関して生じた法令等の変更による増加費用及び損害については,実施契約第72条の規定により受注者が負担するものを除き,発注者が負担するものとする。
(不可抗力による損害)
第26条 受注者による本業務の全部又は一部の履行が,不可抗力により困難となった場合,受注者は,必要な範囲及び期間において,本契約上の義務を免れることができるものとする。ただし,受注者が自己の判断で,実務上可能な範囲で本業務の履行を継続することは妨げられない。
本業務に関して生じた不可抗力による増加費用及び損害については,実施契約第70条の規定により受注者が負担するものを除き,発注者が負担するものとする。
(実施契約上の発注者の義務の不履行)
第27条 実施契約に定める発注者の義務の不履行その他発注者の責めに帰すべき事由により受注者に損害が発生したときは,受注者は,発注者に対し損害賠償を請求することができる。
受注者による本業務の全部又は一部の履行が,本契約又は実施契約に定める発注者の義務の不履行その他発注者の責めに帰すべき事由により困難となった場合(発注者が実施契約に基づいて行う施設管理業務の不備に起因して,本業務の実施が困難となった場合を含むが,これに限られない。),受注者は,必要な範囲及び期間において,本契約上の義務を免れるものとする。ただし,受注者が自己の判断で,実務上可能な範囲で本業務の履行を継続することは妨げられない。
(損害賠償責任)
第28条 本契約に別段の定めがある場合を除き,発注者又は受注者が本契約に定める義務に違反した(以下本条において,この場合における当該発注者又は受注者を「違反当事者」という。)ことにより相手方当事者に損害が発生したときは,相手方当事者は違反当事者に対し損害賠償を請求することができる。
(本業務に関するモニタリング)
第29条 受注者は,本履行期間中,工業用水道事業法その他の法令等及び別添2「運転管理及び水質管理に関する要求水準」に従って本業務を履行するとともに,本業務の履行に関し,第15条に従って単年度事業報告書等を発注者に提出する。
発注者は,本履行期間中,受注者が工業用水道事業法その他の法令等及び別添2「運転管理及び水質管理に関する要求水準」を満たす方法により本事業を実施しているか否かについて,第15条に従って提出された単年度事業報告書等によって確認することにより,モニタリングを実施する。
発注者は,前項のほか,①桜宮配水場及び鶴見配水場に設置された監視制御設備を用いて配水設備の運転状況を,また,②配水情報システムを用いて給水区域の配水運用状況を,それぞれ確認することができる。
(委託料の支払い)
第30条 発注者は,事業年度ごとに,別添4「履行状況確認方法」に規定する単年度業務履行報告書を受領してから10日以内に,当該事業年度における本業務の完了を確認した上で,速やかにその旨を受注者に通知する。受注者は,当該確認の通知を受領したときは,発注者に対し,当該事業年度に係る委託料の支払いを請求することができる。なお,発注者が行う別添2「運転管理及び水質管理に関する要求水準」の達成状況の確認その他モニタリングの結果は,受注者による委託料の請求を妨げるものではない。
発注者は,前項の規定による請求があったときは,請求を受けた日から30日以内に委託料を支払わなければならない。
(要求水準未達違約金)
第31条 第29条に規定するモニタリングの結果,受注者による本業務の履行に関して本契約を遵守していない事項が存在することが判明した場合,発注者は,別添5「要求水準未達時の措置」の定めるところに従って,受注者に対して要求水準未達違約金の支払いを求めることができる。
(本契約の解除又は終了)
第32条 発注者及び受注者は,発注者及び受注者が書面により別途合意した場合を除き,本履行期間中,本契約を解除することはできないものとする。
前項の規定にかかわらず,実施契約が解除され,又は終了した場合,本契約は,当該解除又は終了と同時に当然に終了するものとする。ただし,本契約の終了後においても,受注者は,自己の責任及び費用で本業務の履行を継続することができるものとし,発注者はこれに異議を述べることはできないものとする。
(管理義務)
第33条 受注者は,本業務の着手から完了まで,本業務全体の管理及び使用人等の行為について,全ての責任を負わなければならない。
(業務に関する調査等)
第34条 発注者は,必要に応じ,受注者に対して本業務の処理状況について調査し,又は報告を求めることができる。ただし,発注者は,受注者の事前の承認なく,受注者が浄配水場の運転操作を上工水一体運営のために一元的に行う場所に立ち入って調査することはできない。
発注者は,前項の規定により受注者に資料提出等を求める場合(ただし,第15条の規定により,別添4「履行状況確認方法」に定める書類の提出を求める場合を除く。),受注者に対し,当該資料等の必要性その他提出等を求める具体的な理由を通知しなければならない。
受注者は,前二項の規定による発注者からの請求に応じて資料等を提出する場合,自らの判断により,当該資料等に含まれる本業務に関係のない情報又は法令等により開示が認められない情報について黒塗り,被覆等を行った上で,当該資料等を発注者に提出することができる。
(履行期間)
第35条 本契約に基づく本業務の履行期間は,実施契約に定める本事業期間とする。
実施契約に定める本事業期間が延長された場合,本履行期間は,当該延長後の本事業期間終了日まで当然に延長されるものとする。この場合において,必要があると認められるときは,発注者及び受注者は,委託料を変更し,又は期間変更に伴い必要となる費用の分担について,協議の上,決定する。
本履行期間は,実施契約が解除され,又は終了した場合には,実施契約の解除日又は終了日までに当然に短縮されるものとする。この場合において,必要があると認められるときは,発注者及び受注者は,委託料を変更し,又は期間変更に伴い受注者に及ぼした損害の分担について,協議の上,決定する。
(誠実協議)
第36条 本契約に定めのない事項について定める必要が生じた場合,又は本契約の解釈に関して疑義が生じた場合は,発注者及び受注者が,誠実に協議して,必要に応じて協議会に意見を求めた上で,当該協議会の意見を最大限尊重して,これを定めるものとする。
(以下余白)
(別添1)委託料の算定方法
1 算定期間
毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間を1事業年度として算定する。
2 算定方法
本業務の委託料は,1事業年度当たり25,000,000円並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額の合計額とする(なお,本業務の委託料は,本業務の実施に通常要する人件費(事業主負担の社会保険料等を含むが,不可抗力その他の異常事象に伴う追加人件費その他の対応費用を含まない。)相当額を基準として算定されたものである。)。
ただし,別添2「運転管理及び水質管理に関する要求水準」の変更若しくは実施契約別紙14各号に定める事象が生じた場合又は年間給水量が10百万m3未満となった場合,発注者又は受注者は,相手方に対し,委託料の変更について協議を申し入れることができる。
なお,本業務に関連する人件費以外の経費(動力費,薬品費等)の取扱いについては,実施契約第60条及び第61条の定めに従うものとする。
(別添2)運転管理及び水質管理に関する要求水準
1 業務範囲
(1)運転管理
年間の配水計画を作成し,原水の水質に応じて浄水場を運転するとともに,計画配水量に基づき安定的に配水場等を運転する等,全域的な水運用管理を行う業務。
(2)水質管理
市工業用水道事業における,これまでの浄水処理実績を踏まえ,浄水場から供給される工業用水の水質が,冷却,洗浄,ボイラー,雑用等,利用者の使用に際して適切な水準にあることを確認するとともに,浄水処理の各工程における処理効果の確認,原水水質の現況を把握する業務。
2 要求水準
(1)運転管理
ア 運転管理計画の策定等
(ア) 運転管理計画の策定
運転管理及び水質管理の実施に当たっては,これまでの市工業用水道事業の取組と同等以上の業務履行を確保するための管理目標水準とその確認手法を定めた「運転管理計画」を,発注者との協議に基づき策定し,発注者に提出すること。
また,管理目標水準等を見直す必要が生じたときは,「(変更)運転管理計画」を作成し,発注者に提出すること。
(イ) 年間配水計画の作成
浄水場の処理能力,水道事業からのバックアップ対応を要する工事の計画及び発注者の作成する水需要予測等をもとに,毎月の計画配水量を想定しつつ年間の配水計画を作成し,毎事業年度の開始までに発注者に提出した上で,浄配水場を運用すること。
イ 日常点検等
(ア) 運転管理を実施するに当たり,東淀川浄水場の取水ポンプ場,凝集沈澱池,配水ポンプ場における設備の異常の有無及び機器の運転状況を確認し,記録すること。
(イ) 設備の動作不良等,異常を検知した場合は,運転管理業務への影響度に応じて,現場出動により状況を把握し,障害の切り分け(異常要因の絞り込み)を行うこと。このとき,運転継続に支障が生じる重大な設備故障等が判明した場合には,直ちに発注者に連絡し,詳細調査に基づく原因特定と早期の修繕・補修について,発注者に要請すること。
ウ 取水口の運転管理
(ア) 「大阪市工業用水道の取水に係る工業用水道取水規程」を遵守し,最大取水量は毎秒1.817m3(水利使用許可の更新等に伴って,最大取水量が変更となった場合は,変更後の最大取水量)を超過しないこと。
(イ) 取水口付近において,侵入者等の監視及び状況把握を行うため,定期的な現場巡視や他事業体等との情報共有体制の構築等による監視を行うこと。
(ウ) 豪雨等の発生に応じて,河川の水位を確認する等,河川状態の把握に努めること。
エ 沈砂池の運転管理
沈砂池においては,取水口から取水した原水中に,混入している小石や砂を沈降させ,除去すること。
(ア) 沈砂池の水量管理として,河川の状況に応じて,取水口から沈砂池までの水位を確認すること。
(イ) 油類の流入に対して,沈砂池内に流入防止対策を講じること。
オ 凝集沈澱池の運転管理
凝集沈澱池においては,原水中の濁質を凝集剤の注入,混和,フロック形成を経てフロック化し,重力沈降作用により分離除去すること。
(ア) 通常時において,濁度0.5度以下を目標に運転を行うこと。
(イ) 凝集沈澱池の運転に当たっては,原水水質,処理水量,薬品の注入量,沈澱処理水質等を把握すること。
(ウ) 凝集沈澱池に堆積したスラッジは,排水処理施設を共有する上水道の運転操作とあらかじめ調整したスケジュールにより,排水処理施設へ送泥すること。
カ 薬品類の管理
(ア) 浄水処理過程においては,強酸性や強アルカリ性を示すもの等,多種の薬品を使用するため,薬品類の取扱い,注入等の作業について適切な対応を行うこと。
(イ) 特定化学物質を取り扱うときは,特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(平成11年法律第86号)に基づき,安全データシート(SDS)による適正な取扱いを行うこと。
キ 配水量,配水吐出圧の管理
(ア) 時々刻々と変動する需要量に応じて,利用者への安定供給に支障が生じないよう確実に配水すること。
(イ) 配水吐出圧については,以下を参考に適切に設定し,運用すること。
(参考)吐出圧設定値
・ 東淀川浄水場 0.315MPa
・ 桜宮配水場 0.320MPa
・ 鶴見配水場 0.300MPa
・ 北港加圧ポンプ場 0.560MPa
(ウ) 配水場においては,配水池の貯留機能を活用して,配水量の時間変動に対応すること。
ク 水利使用許可に伴う対応
河川法,河川法施行規則及び水利使用規則に基づき,河川からの取水量を計測し,記録するとともに,河川管理者に対し1ヵ月単位で取水量報告を行う等,必要な手続を行うこと。
ケ 水道事業からのバックアップ対応
原水水質異常による取水停止等に伴って,工業用水道の浄水処理系統に上水の原水や沈澱処理水を供給(浄水場内でのバックアップ)する必要性が生じた場合は,バックアップの手法,バックアップを要する理由及び期間並びに想定応援給水量等について,発注者に提言すること。
コ 施設管理業務との連携
(ア) 浄配水場の施設管理において,運転管理に影響が及ぶと発注者が判断する場合,受注者は発注者の要請に従い,受配電設備の切替え等,当該影響を回避するための運転操作の変更(以下「養生操作」という。)に係る手順書を作成し,事前に発注者へ提出すること。
(イ) 桜宮配水場及び鶴見配水場における養生操作に伴って,自家用電気工作物保安規程に定める電気工作物の運用に影響が及ぶ場合は,作成した養生操作に係る手順書について,発注者が選任する電気主任技術者の承認を得ること。
(ウ) 設備故障に伴う緊急対応等,養生操作に係る手順書を事前に作成・提出できない場合は,実施手法について発注者と十分に確認しながら,慎重に養生操作を行うこと。
(2)水質管理
ア これまで市工業用水道事業が行ってきた処理過程における原水,供給水の水質データ「大阪市水道局水質試験所調査研究ならびに試験成績(平成19年度~令和元年度)」と同等以上の項目,頻度,方法によって,水質を測定し,その結果を記録すること。
イ 浄水場の水質管理については,各処理過程における処理効果を確認すること。
ウ 原水の水質管理については,定期的に原水水質を確認し,原水の現況や汚染源の把握に努めること。
(別添3)運転管理及び水質管理業務のために受注者が使用する施設一覧
施 設 |
設備等 |
|
東淀川浄水場 |
取水施設 |
土木構造物 一式 (取水管,沈砂池,吸水井,構内配管等) 機械・電気設備 一式 (取水ポンプ,受配電設備,ケーブル類等) 建築物・建築設備 一式 (取水ポンプ場,照明設備,換気設備等) |
浄水施設 |
土木構造物 一式 (着水井,凝集沈澱池,構内配管等) 機械・電気設備 一式 (汚泥掻寄機,受配電設備,排泥ポンプ,薬品注入設備類等) 建築物・建築設備 一式 (機械室,照明設備,換気設備等) |
|
東淀川浄水場 |
配水施設 |
土木構造物 一式 (配水池,吸水井,構内配管等) 機械・電気設備 一式 (配水ポンプ,受配電設備,ケーブル類等) 建築物・建築設備 一式 (配水ポンプ場,照明設備,換気設備等) |
桜宮配水場 |
配水施設 |
土木構造物 一式 (配水池,吸水井,構内配管等) 機械・電気設備 一式 (配水ポンプ,受配電設備,ケーブル類等) 建築物・建築設備 一式 (配水場,照明設備,空調設備等) |
鶴見配水場 |
配水施設 |
土木構造物 一式 (配水池,吸水井,構内配管等) 機械・電気設備 一式 (配水ポンプ,受配電設備,ケーブル類等) 建築物・建築設備 一式 (配水場,照明設備,空調設備等) |
北港加圧 ポンプ場 |
配水施設 |
機械・電気設備 一式 (配水ポンプ,流量計,圧力タンク設備等) |
(別添4)履行状況確認方法
1.提出書類
受注者は,第15条に定める履行報告を行うに当たり,次に定める書類を作成し,発注者に提出する。
番号 |
名 称 |
内 容 |
様式 |
提出期日 |
関連条項 |
1 |
業務責任者・業務調整担当者届 |
業務責任者及び業務調整担当者の設置・変更 |
1 |
契約締結後 14日以内 |
第13条 |
2 |
業務責任者・業務調整担当者変更届 |
2 |
変更後 速やかに |
第13条 |
|
3 |
連絡体制表 |
発注者との事務連絡体制(業務調整担当者の設置を含む) |
任意 |
事業開始日まで(変更時は 発生の都度) |
第13条 |
4 |
業務委託協議等(録) |
協議内容の記録 |
3 |
その都度 |
第2条他 |
5 |
運転管理計画 |
管理目標水準と確認手法の設定 |
任意 |
令和3年12月末日まで |
(別添2)2要求水準
・(1)ア(ア)運転管理計 |
6 |
(変更)運転管理計画 |
変更後 速やかに |
|||
7 |
年間配水計画 |
毎月の計画配水量の想定 |
任意 |
各事業年度の |
(別添2)2要求水準
・(1)ア(イ)年間配水計 |
8 |
日常巡視点検表 (運転管理及び 水質管理報告書) |
(東淀川浄水場) 電気・機械設備の外観・汚損等に対する点検記録(毎日) |
任意 |
各四半期の 末日から 45日以内 |
(別添2)2要求水準 ・(1)イ 日常点検等 ・(1)ウ 取水口の運転管理 ・(1)エ 沈砂池の運転管理 ・(1)オ 凝集沈澱池の運転管理 ・(1)カ 薬品類の管理
・(1)キ
配水量,配水 |
9-1 |
運転日誌 (運転管理及び 水質管理報告書) |
(東淀川浄水場,桜宮配水場,鶴見配水場,北港加圧ポンプ場) 取水量,配水量,電力量,水圧,濁度・水温,薬品注入,淀川水位,受変電関係の記録(毎日) |
任意 |
各月の 末日から 10営業日以内 |
|
9-2 |
運転日誌(速報版) (運転管理及び 水質管理報告書) |
同上 |
任意 |
毎日 |
|
10 |
水質検査成績 (運転管理及び 水質管理報告書) |
原水,供給水の検査記録(月1回以上) |
任意 |
各月の 末日から 10営業日以内 |
(別添2)2要求水準 ・(2)ア,イ,ウ |
番号 |
名 称 |
内 容 |
様式 |
提出期日 |
備考及び関連条項 |
11 |
安全データシート |
法に基づく硫酸ばんど,かせいソーダ,次亜塩素酸ナトリウムの取扱い |
任意 |
各四半期の 末日から 45日以内 |
(別添2)2要求水準 ・(1)カ 薬品類の管理 |
12 |
取水量報告書 (写し) |
河川管理者への提出書類 |
任意 |
毎月の末日 |
(別添2)2要求水準
・(1)ク
水利使用許 |
13 |
水道事業からのバックアップ実施報告書(写し) |
河川管理者への提出書類 |
任意 |
事象発生時 |
(別添2)2要求水準
・(1)ケ
水道事業から |
14 |
養生操作に係る手順書 |
発注者への提出書類 |
任意 |
事象発生時 |
(別添2)2要求水準
・(1)コ
施設管理業務 |
15 |
単年度事業報告書 |
運転管理計画に対する業務実施状況 |
任意 |
各事業年度の 終了日から 3か月以内 |
第29条 |
16 |
単年度業務履行報告書※ |
年間の業務履行が終了したことを報告 |
任意 |
各事業年度の |
第30条 |
注)番号1,2,4の様式については,本別添別紙「様式集」を参照。
※ 番号16は,番号8~11の各提出物の当該年度分を集約したものとする。
番号9-2は,毎日,前日の運転日誌(速報版)を提出する。
なお,運転日誌(速報版)を修正する必要が生じた場合,受注者は,その都度,修正箇所を明示の上,発注者に修正後の速報版を提出するものとする。ただし,当該修正を行ったことにつき,受注者は一切の責任を負わないものとする。
2.観測点
受注者は,下表に定める観測点において,運転管理計画に基づき,運転管理及び水質管理の実施状況を監視する。
施設・項目 |
観測点 |
|
東淀川浄水場 |
原水水質 |
取水ポンプの吐出し側において,着水井流入前の構内配管φ1200に設置する採水口から採水する水質計器を観測点とする。(濁度・pH・電気伝導率) |
供給水水質 |
凝集沈澱池の流出渠に設置する採水口から採水する水質計器を観測点とする。(濁度・pH) |
|
配水池水位 |
1,2号配水池内に設置する水位計を観測点とする。 |
|
配水吐出圧 |
配水ポンプの吐出し側の圧力計のうち,配水ポンプ場内に設置する圧力計を観測点とする。 |
|
流量 |
4箇所(西淀川幹線φ1000,淀川南部幹線φ1200,東淀川幹線φ1000,淀川幹線φ700)に設置する流出流量計を観測点とする。 |
|
桜宮配水場 |
配水池水位 |
1,2号配水池に設置する水位計を観測点とする。 |
配水吐出圧 |
配水ポンプの吐出し側において,臨海津守幹線φ1200に設置する圧力計を観測点とする。 |
|
流量 |
臨海津守幹線φ1200に設置する流出流量計を観測点とする。 |
|
鶴見配水場 |
配水池水位 |
1,4号配水池に設置する水位計を観測点とする。 |
配水吐出圧 |
配水ポンプの吐出し側において,城東北部幹線φ1350に設置する圧力計を観測点とする。 |
|
流量 |
城東北部幹線φ1350に設置する流出流量計を観測点とする。 |
|
北港加圧 ポンプ場 |
配水吐出圧 |
配水ポンプの吐出し側に設置する圧力計を観測点とする。 |
注)上表に示す観測点はいずれも,浄配水場の敷地内に位置する。
(別添5)要求水準未達時の措置
第29条に定める発注者によるモニタリングの結果,受注者による業務の実施状況が,別添2「運転管理及び水質管理に関する要求水準」に定める要求水準に達していないと認められる場合,発注者は,当該未達の内容に応じて,アからウに定める是正レベルを認定し,受注者に対しその旨を通知するとともに,当該未達の是正措置を求めることとする。
また,当該未達の内容によっては,発注者は,受注者に対し,当該未達の即時解消や,当該未達につながる行為の即時中止等を指示する場合がある。
なお,発注者が認定した是正レベルが,イ又はウに該当する場合で,発注者が必要と判断した場合は,当該未達について,発注者のホームページへの掲載等により公表することがある。
要求水準未達に関する是正レベルの事象例は表1に示すとおりである。
ア 指導
業務への影響が限定的又は軽微な要求水準未達に相当する事象
イ 勧告
利用者,市民や本事業に一時的に影響を与える要求水準未達に相当する事象
ウ 命令
利用者,市民や本事業に重大な影響を与える要求水準未達に相当する事象
表1 是正レベルの事象例
是正 |
事 象 |
指導 |
業務への影響が限定的又は軽微な要求水準未達
・運転管理計画に定める管理目標水準の逸脱(利用者等に影響なし)
|
勧告 |
利用者,市民や本事業に一時的に影響を与える要求水準未達 |
命令 |
利用者,市民や本事業に重大な影響を与える要求水準未達 |
(2)是正措置の実施
発注者が,受注者に求める要求水準未達時の是正措置の内容は,「当該未達の解消」,「再発防止策を含めた是正計画書の提出」及び「是正計画書に基づく再発防止策の実施」である。
発注者は,各是正措置について,それぞれ相応の期限を定めて,受注者に対し是正措置の実施を求めることとする。
受注者は,発注者が定めたそれぞれの期限までに,各是正措置を実施するとともに,発注者に対し,当該是正措置の実施を完了した旨,書面により報告する。
発注者は,受注者からの報告を受け,当該是正措置の適正性や,着実に実施されているか等を確認の上,すべての確認が終了した場合,その旨を受注者へ通知する。
なお,発注者が定めたそれぞれの期限までに,受注者が当該是正措置の実施を完了しなかった場合,発注者は,受注者に対して期限を定めて当該是正措置の実施を催告する。
受注者が,発注者が催告した期限までに当該是正措置の実施を完了せず,今後も実施する見込みがない場合において,当初認定した是正レベルが指導又は勧告のときは,それぞれ是正レベルを一段階引き上げることとし,その旨を受注者に通知する。是正レベルが命令の場合は,2(1)ウのとおりとする。
要求水準未達時に関する事務処理フロー(例)は,図1に示すとおりである。
図1 要求水準の未達に関する事務処理のフロー(例)
発注者は,1(1)で認定した要求水準未達の内容に関して,それぞれの是正措置について,相応の期限を定めて,受注者に対し,是正措置の実施を求めることにより,受注者が各是正措置を実施する機会を確保する。
発注者は,要求水準未達時における受注者の対応を適切に管理するため,要求水準未達に係る期間と程度に応じて積算する違約ポイントを設定し,(1)又は(2)に該当する場合は,違約ポイントを計上する。
ただし,発注者が,是正レベルを指導又は勧告に認定した要求水準未達において,(2)に該当する場合を除き,発注者が定めたそれぞれの期限までに,受注者が適正に各是正措置等の実施を完了している場合は,発注者は,違約ポイントを計上しない。
なお,発注者が定めた各是正措置の実施のそれぞれの期間において,違約ポイントが同時に発生した場合は,違約ポイントを合わせて計上する。
また,発注者が,受注者に対して違約ポイントを計上している場合において,(3)に該当する場合は,当該違約ポイントは消滅する。
違約ポイントの対象となる状態と認められる場合であったとしても,その原因が受注者の過失によるものではない場合,又は発注者がやむを得ない事由と認めた場合は,発注者は,違約ポイントを計上しないことがある。
(1)是正レベルによる違約ポイントの計上
ア 指導
発注者が定めたそれぞれの是正措置の期限までに,受注者が当該是正措置の実施を完了しなかった場合,発注者は,受注者に対して,それぞれの期限の翌日から当該是正措置の実施を完了する日までの間,1日当たり1ポイントを計上する。
イ 勧告
発注者が定めたそれぞれの是正措置の期限までに,受注者が当該是正措置の実施を完了しなかった場合,発注者は,受注者に対して,それぞれの期限の翌日から当該是正措置の実施を完了する日までの間,1日当たり5ポイントを計上する。
ウ 命令
発注者が命令に認定した事象については,1件につき50ポイントを計上する。
また,発注者が定めたそれぞれの是正措置の期限までに,受注者が当該是正措置の実施を完了しなかった場合,発注者は,受注者に対して,それぞれの期限の翌日から当該是正措置の実施を完了する日までの間,1日当たり10ポイントを計上する。
(2)同一事象の要求水準未達が発生した場合
発注者は,要求水準未達に係る各是正措置の実施の完了について,すべての確認を終了した日から6か月以内に,同一事象の要求水準未達が発生した場合,受注者に対して,1件につき10ポイントを計上する。
(3)違約ポイントの消滅
発注者が,受注者に対して,30ポイント未満の違約ポイントを計上している場合において,違約ポイントを計上したすべての要求水準未達に係る各是正措置の実施完了の確認が終了した日を起算日として,6か月間,違約ポイントを計上しなかった場合は,当該違約ポイントは消滅する。
なお,消滅期限までに,新たな違約ポイントを計上した場合は,すでに計上している違約ポイントに加算する。
違約ポイントの消滅期限に関する事例は,図2に示すとおりである。
3 要求水準未達違約金の請求
(1)違約ポイントに係る要求水準未達違約金
発注者は,違約ポイントが30ポイントに達した場合,1ポイントにつき1万円に換算し,要求水準未達違約金を受注者へ請求する。
なお,違約ポイントが30ポイントに達した時点で,違約ポイントを計上したすべての要求水準未達に係る各是正措置の実施完了の発注者による確認が終了していない場合は,違約ポイントの計上を継続し,発注者が,違約ポイントを計上したすべての要求水準未達に係る各是正措置の実施完了の確認が終了した時又は本契約解除時に,違約ポイントの合計を金額に換算し,要求水準未達違約金を受注者へ請求する。
違約ポイントの計上及び要求水準未達違約金に関する事例は,図3に示すとおりである。
図2 違約ポイントの消滅期限に関する事例
図3 違約ポイントの計上及び要求水準未達違約金の算定に関する事例
(別添4別紙)様式集
様式-1
令和 年 月 日
【運営権者】 住所又は事務所所在地 商号又は名称 氏名又は代表者氏名
受注者 大阪市水道局長 ㊞
業務責任者・業務調整担当者 届
業務名称 大阪市工業用水道事業東淀川浄水場等運転管理等業務
令和 年 月 日付で委託契約を締結した上記業務の業務責任者及び業務調整担当者について,次のとおり定めましたので通知します。
記
|
(注1)用紙寸法は日本工業規格A4とする。
様式-2
令和 年 月 日 【運営権者】 住所又は事務所所在地 商号又は名称 氏名又は代表者氏名
受注者 大阪市水道局長 ㊞
業務責任者・業務調整担当者 変更届
業務名称 大阪市工業用水道事業東淀川浄水場等運転管理等業務
令和 年 月 日付で委託契約を締結した上記業務の業務責任者又は業務調整担当者について,次のとおり変更しましたので通知します。
記
・理 由
|
(注1)用紙寸法は日本工業規格A4とする。
様式-3
|
用紙寸法は日本工業規格A4とする。
別紙11 保険
本契約第29条第1項に基づき,運営権者の責任及び費用負担により付する保険の種類及び金額は,以下のとおりとする。ただし,以下に列挙する保険は,最小限度加入すべき保険であり,運営権者の判断に基づきその他の保険契約を締結することを妨げるものではない。
工業用水道賠償責任保険
填補限度額は次に示すとおり。
身体:5億円/事故
財物:5億円/事故
以 上
別紙12-1 本事業開始前に市が実施する工事
本契約第12条第1項に定める「別紙12-1に定める工事」は,関連資料集B(以下本別紙において「本資料」という。)に示す工事とする。
※ 本資料は,本契約締結日現在において市が実施することを想定している本事業に関する工事を示したものであり,市は,本事業開始日までに市が行った工事及びその内容変更又は追加に基づく本資料の更新を行うものとする。市は,本事業開始日までの間,本事業の実施に合理的に必要となる範囲でのみ本資料に示す工事の内容変更又は追加を行うものとし,当該内容変更又は追加を行おうとする場合には事前に運営権者に対してこれを通知し説明を行い,当該内容変更又は追加の結果,本資料が更新された場合にはこれを速やかに運営権者に通知するものとする。
以 上
別紙12-2 本事業開始日以降実施する工事
本契約第56条第1項に定める「別紙12-2に定める工事」は,関連資料集C(以下本別紙において「本資料」という。)に示す工事とする。
※ 本資料は,本契約締結日現在において市が実施することを想定している本事業に関する工事を示したものであり,市は,本事業開始日までに市が行った工事及びその内容変更又は追加に基づく本資料の更新を行うものとする。市は,本事業開始日までの間,本事業の実施に合理的に必要となる範囲でのみ本資料に示す工事の内容変更又は追加を行うものとし,当該内容変更又は追加を行おうとする場合には事前に運営権者に対してこれを通知し説明を行い,当該内容変更又は追加の結果,本資料が更新された場合にはこれを速やかに運営権者に通知するものとする。
以 上
別紙13 20条負担金の支払対象施設
本契約第59条第1項に定める「別紙13に定める20条負担金」の対象となる施設は,関連資料集D(以下本別紙において「本資料」という。)に示す施設とする。
※ 本資料は,本契約締結日現在の施設を示したものであり,市は,本事業開始日の前日までに施設の建設若しくは更新等又は廃止若しくは休止(以下本別紙において「施設の建設等」という。)に基づく本資料の更新を行うものとする。市は,本事業開始日の前日までの間,本事業の実施に合理的に必要となる範囲でのみ施設の建設等を行うものとし,当該施設の建設等を行おうとする場合には事前に運営権者に対してこれを通知し説明を行い,施設の建設等の結果,本資料が更新された場合にはこれを速やかに運営権者に通知するものとする。
以 上
別紙14 非運営権設定対象施設等関連費用等に係る上限額の見直しに関する協議開始事由
本契約第62条第2項に定める「別紙14に定める事象」は,以下のとおりとする。
(1) 物価変動等(建設工事費デフレーター(上・工業用水道))
①本契約第62条第2項に定める協議の申込みを行う時点が属する事業年度における国土交通省が公表する建設工事費デフレーター(上・工業用水道)の直近公表数値の後方12ヶ月平均値が,②当初の全体事業計画書が策定された事業年度の7月末における国土交通省が公表する建設工事費デフレーター(上・工業用水道)の公表数値の後方12ヶ月平均値から8%以上増加又は減少した場合(ただし,過去において第62条第2項に基づき上限額の見直しの措置が行われたことがある場合には,「当初の全体事業計画書が策定された事業年度の7月末における国土交通省が公表する建設工事費デフレーター(上・工業用水道)の公表数値の後方12ヶ月平均値」とあるのは,当該直近の上限額の見直しの措置が行われた時において直近の数値として参照された数値とする。)
(2) 物価変動等(賃金構造基本統計)
①本契約第62条第2項に定める協議の申込みを行う時点が属する事業年度における,厚生労働省が公表する「賃金構造基本統計調査」における下表の大阪府関連数値(※1)の直近公表数値を下表の民営事業所関連数値(※2)の直近公表数値で除して得た数値が,②当初の全体事業計画書が策定された事業年度における厚生労働省が公表する「賃金構造基本統計調査」における下表の大阪府関連数値(※1)の直近公表数値を下表の民営事業所関連数値(※2)の直近公表数値で除して得た数値から5%以上増加又は減少した場合(ただし,過去において第62条第2項に基づき上限額の見直しの措置が行われたことがある場合には,「当初の全体事業計画書が策定された事業年度における厚生労働省が公表する「賃金構造基本統計調査」における下表の大阪府関連数値(※1)の直近公表数値を下表の民営事業所関連数値(※2)の直近公表数値で除して得た数値」とあるのは,当該直近の上限額の見直しの措置が行われた時において直近の数値として参照された数値とする。)
|
※1 |
※2 |
表 |
都道府県別第1表 |
第1表 |
年齢階級別きまって支給する現金給与額,所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 |
||
都道府県 民公区分 |
大阪 |
民営事業所 |
産業 |
産業計 |
|
区分 |
「企業規模計(10人以上)」の「きまって支給する現金給与額」 |
(3) 需要変動
利用者の給水開始申込みや撤退等による利用料金の大幅な増加又は減少(以下本項において「当該増減」という。)が見込まれ,当該増減が発生する月以降12か月間の利用料金の見込額が,当該増減が発生する月の前月までの12か月間の利用料金の実績額(実績見込額を含む。)と比べて10%以上増加又は減少することが明らかであると見込まれる場合
以 上
別紙15 計画の見直し等に関する協議開始事由
本契約第64条第1項に定める「別紙15に定める事象」は,以下のとおりとする。
(1) 物価変動等(建設工事費デフレーター(上・工業用水道))
①本契約第64条第1項に定める協議の申込みを行う時点が属する事業年度における国土交通省が公表する建設工事費デフレーター(上・工業用水道)の直近公表数値の後方12ヶ月平均値が,②当初の全体事業計画書が策定された事業年度の7月末における国土交通省が公表する建設工事費デフレーター(上・工業用水道)の公表数値の後方12ヶ月平均値から8%以上増加した場合(ただし,過去において第64条第3項に基づき事業計画の見直し等の措置が行われたことがある場合には,「当初の全体事業計画書が策定された事業年度の7月末における国土交通省が公表する建設工事費デフレーター(上・工業用水道)の公表数値の後方12ヶ月平均値」とあるのは,当該直近の事業計画の見直し等の措置が行われた時において直近の数値として参照された数値とする。)
(2) 物価変動等(賃金構造基本統計)
①本契約第64条第1項に定める協議の申込みを行う時点が属する事業年度における,厚生労働省が公表する「賃金構造基本統計調査」における下表の大阪府関連数値(※1)の直近公表数値を下表の民営事業所関連数値(※2)の直近公表数値で除して得た数値が,②当初の全体事業計画書が策定された事業年度における厚生労働省が公表する「賃金構造基本統計調査」における下表の大阪府関連数値(※1)の直近公表数値を下表の民営事業所関連数値(※2)の直近公表数値で除して得た数値から5%以上増加した場合(ただし,過去において第64条第3項に基づき事業計画の見直し等の措置が行われたことがある場合には,「当初の全体事業計画書が策定された事業年度における厚生労働省が公表する「賃金構造基本統計調査」における下表の大阪府関連数値(※1)の直近公表数値を下表の民営事業所関連数値(※2)の直近公表数値で除して得た数値」とあるのは,当該直近の事業計画の見直し等の措置が行われた時において直近の数値として参照された数値とする。)
|
※1 |
※2 |
表 |
都道府県別第1表 |
第1表 |
年齢階級別きまって支給する現金給与額,所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 |
||
都道府県 民公区分 |
大阪 |
民営事業所 |
産業 |
産業計 |
|
区分 |
「企業規模計(10人以上)」の「きまって支給する現金給与額」 |
(3) 需要変動
利用者の撤退等による利用料金の大幅な減少(以下本項において「当該減少」という。)が見込まれ,当該減少が発生する月以降12か月間の利用料金の見込額が,当該減少が発生する月の前月までの12か月間の利用料金の実績額(実績見込額を含む。)と比べて10%以上減少することが明らかであると見込まれる場合
(4) 管路及び給水施設の修繕費の変動
事業年度ごとに,本事業開始日から当該事業年度に係る集計期間(別紙16 4.(1)の表に掲げる集計期間をいう。)の末日までに発生した別紙16 3.(2)アに規定する直接工事費の累計額(消費税及び地方消費税相当額を含まない金額とする。)が,それぞれの事業年度に対応する別紙19 第1項の表に掲げる上限金額に50,000,000円を加えた金額を超過した場合
以 上
別紙16 突発漏水等に伴う緊急作業に係る実施手順及び費用負担等
第43条第1項ただし書の規定により,管路(取水管及び浄配水場の構内配管並びにこれらの附属設備(制水弁,空気弁,消火栓,排水設備等)を除く。以下本別紙において同じ。)及び給水施設(道路部分に存在する給水施設に限る。以下本別紙において同じ。)において突発的な漏水事故等が発生した際の緊急作業を市が実施する場合における,実施手順及び費用負担等は,以下のとおりとする。
市の作業範囲
第43条第1項ただし書の規定により市が実施する作業の範囲は,以下のとおりとする。
管路及び給水施設の漏水修繕
管路及び給水施設の漏水以外の突発的事故等(陥没,鉄蓋のがたつき等)のうち,即応性及び緊急性を要するものへの対応
(1)及び(2)に掲げる作業に伴い必要となる断通水作業
(1)及び(2)に掲げる作業の実施により生じる掘削跡の道路復旧(二次)工事
(1)から(4)に掲げる作業に伴って必要となる施設管理者(道路管理者に限る。)及び交通管理者への緊急掘削連絡並びに道路占用許可申請及び道路使用許可申請
(1)から(5)までに掲げる作業に密接に関連する作業。なお,具体的な作業内容については,市が別途作成する「大阪市工業用水道特定運営事業等 突発漏水等に伴う緊急作業の実施要領」(以下「実施要領」という。)に定める。
実施手順
市が市民等から受け付けた漏水事故等に係る通報について,当該漏水事故等の原因が通報のあった箇所付近に埋設された工業用水道管路からの漏水等であると疑われる場合,市は運営権者に連絡し,当該漏水事故等に係る現地立会を要請する。また,運営権者が市民等から漏水事故等に係る通報を受け付けたときは,速やかに市に連絡した上で,市の指示に従わなければならない。
運営権者は,(1)の市の要請及び指示従い,速やかに現地に出動しなければならない。当該出動に際して,運営権者は,別途市が定める様式による「突発漏水等に伴う緊急作業の依頼書」(以下「依頼書」という。)を携行しなければならない。
現地立会において,市は,運営権者と協議の上,市が定める実施要領に従い,現場状況から,即時対応の必要性の有無を判断する。また,当該判断に従って,市及び運営権者は,以下のとおり対応することとする。
市が即時対応の必要性があると判断したものについては,市が掘削作業等により原因の特定を行った上で,漏水等の発生源が上水道管路又は工業用水道管路のいずれであるかを問わず,市が修繕等を実施する。
市が即時対応の必要性がないと判断したものについては,当日又は後日に市が行う調査により原因の特定を行った上で,上水道管路が発生源である場合は市がその修繕等を実施し,工業用水道管路が発生源である場合は運営権者がその修繕等を実施する。
(3)アに従い,原因の特定に際して市が実施する掘削作業等において,漏水事故等の発生源が工業用水道管路であると特定され,市がその修繕等を実施する場合,運営権者は,市が指定する修繕方法を前提として依頼書に必要事項を記載し,当該依頼書を市に提出しなければならない。
緊急作業に伴う断水の必要性については,現場状況等を踏まえ,社会的影響の大きさ及び断水を伴う修繕方法の有効性等を勘案して,市と協議の上,運営権者が,自らの責任において決定するものとする。また,断水を実施する場合,運営権者は,断水の影響を受ける利用者への広報及び周知を行い,市は,当該広報及び周知の完了後に断水作業を行うものとする。
運営権者は,断水の実施に伴って,水道事業からのバックアップの必要性があると判断した場合,市に対し,別紙17に従い水道事業からのバックアップの実施を要請するものとする。
市は,依頼書に基づき1.(1)から(6)に掲げる作業を実施する。また,市は,①仮修繕(実施要領に定義する意味を有する。以下同じ。),②本修繕(実施要領に定義する意味を有する。以下同じ。)及び③道路復旧(二次)工事の各作業が完了する都度,運営権者に当該作業の完了について連絡するものとする。
運営権者は,(1)に規定する漏水事故等に関し,依頼書に記載した作業を除く全ての作業(地元調整,漏水事故等に伴う広報及び報道機関への対応を含むが,これらに限られない。)を,自らの責任及び費用負担により実施するものとする。
掘削作業等を実施しなくても,漏水事故等の発生源が工業用水道管路であることが明らかであり,かつ,即時対応の必要性があると市が判断した場合,市は,運営権者と協議の上,運営権者による対応の可否も考慮して,当該漏水事故等に係る対応作業の主体を決定するものとする。
依頼書に基づく全ての作業が完了したとき,市は,別途市が定める様式による「完了報告書」を作成し,運営権者に提出するものとする(完了報告書が提出された日を,以下「完了日」という。)。
市は,原則として,1.(1)から(6)に掲げる作業を一括して実施するものとする。ただし,仮修繕後,本修繕又は道路復旧(二次)工事の実施に長期間を要することその他の合理的な理由により,市が当該作業を運営権者に引き継ぐ必要があると判断した場合,市は,運営権者と協議し,現地立会を行った上で,別途市が定める様式による「引継書」を作成し,運営権者に提出することにより,当該作業を運営権者に引き継ぐことができるものとする。その場合,運営権者は,当該引継書に記載の引継日以降,掘削跡一次復旧箇所の管理等,当該引継対象作業に係る維持管理に関し,本別紙で別途定める場合を除き,一切の責任を負うものとする。また,当該引継ぎに当たって必要となる各種許可申請手続等については,引継日以降,運営権者が速やかに実施するものとする。
費用の負担
市が1.(1)から(6)に掲げる作業に要した費用(以下「市作業費」という。)は,運営権者が負担する。市は,4.の定めに従い,1.(1)から(6)に掲げる作業の対価として,市作業費並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を運営権者に請求し,運営権者は,4.の定めに従い市にこれを支払うものとする。ただし,本事業開始日の前日までに使用中止の状態にあり,撤去されていない給水施設の緊急作業に係る修繕業務委託料その他これに要した費用並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額については,市が負担するものとする。
市作業費は,次に掲げる経費の合計額とする。
直接工事費
間接工事費
諸経費
(2)に掲げる経費の算出方法については,市が実施要領に定める。
費用の請求
市は,事業年度ごとに市作業費の金額を確定する。なお,市作業費の金額は,事業年度ごとに,次の表に掲げる集計期間に実施した市の作業に要した費用を集計する方法により確定するものとする。
市は,運営権者に対し,原則として,各事業年度の末日から30日以内に,別途市が定める様式による「突発漏水等に伴う緊急作業に係る費用請求書」及び「修繕報告書」により,当該事業年度における市作業費の請求を行う。ただし,令和13年度の市作業費については,令和13年2月1日から令和14年1月31日まで及び令和14年2月1日から令和14年3月31日まで(以下当該期間に係る請求を「第2回目の請求」という。)の2回に分けて請求することとし,第2回目の請求に係る請求日については,市及び運営権者の協議により決定する。
(2)の規定に基づき市から市作業費の請求があった場合,運営権者は,請求日から30日以内に,市に対し,当該市作業費を支払わなければならない。
事業年度 |
集計期間 |
令和4年度 |
令和4年4月1日から令和5年1月31日まで |
令和5年度 |
令和5年2月1日から令和6年1月31日まで |
令和6年度 |
令和6年2月1日から令和7年1月31日まで |
令和7年度 |
令和7年2月1日から令和8年1月31日まで |
令和8年度 |
令和8年2月1日から令和9年1月31日まで |
令和9年度 |
令和9年2月1日から令和10年1月31日まで |
令和10年度 |
令和10年2月1日から令和11年1月31日まで |
令和11年度 |
令和11年2月1日から令和12年1月31日まで |
令和12年度 |
令和12年2月1日から令和13年1月31日まで |
令和13年度 |
令和13年2月1日から令和14年3月31日まで |
契約不適合責任
2.(10)に基づいて市が運営権者に作業の完了を報告した管路又は給水施設について,再び漏水等が発生する等の契約不適合が発見された場合,運営権者は,完了日から1年以内に限り,市に対し,相当の期間を定めて,当該契約不適合の修補を請求し,又は修補に代えて若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。
1.(4)に基づいて市が実施した道路舗装について,破損等の契約不適合が発見された場合,運営権者は,当該道路舗装について道路管理者による検査が完了してから2年以内に限り,市に対し,相当の期間を定めて,当該契約不適合の修補を請求し,又は修補に代えて若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。
運営権者が(1)又は(2)に掲げる契約不適合の疑いがある不具合等を発見した場合,運営権者はその旨を市に通知し,市は事実関係を調査し,運営権者と協議した上で,契約不適合の有無を判定する。
第三者に及ぼした損害
市が行う1.(1)から(6)に掲げる作業によって第三者に損害(実施契約の定めに基づき運営権者が加入する保険によりてん補された部分を除く。)を及ぼした場合,市がその損害を賠償しなければならない。
別紙17 水道事業からのバックアップに係る実施手順及び費用負担等
第44条の規定により,水道事業からのバックアップ(以下本別紙において「バックアップ」という。)を実施する場合における,実施手順及び費用負担等は,以下のとおりとする。
バックアップの要請
本事業期間中,①原水水質の異常による取水停止,②施設若しくは管路の突発的な故障又は破損,③停電による施設の停止,④災害等に伴う施設又は管路の破損,⑤工事の施工その他の要因に起因して,工業用水の供給に支障があり,バックアップを実施する必要が生じる場合,運営権者は,第44条第1項に基づき,市に対し,バックアップを要請することができる。
バックアップの手法
バックアップを実施するにあたり,市は,次に定める手法を用いる。
浄水場内でのバックアップ(原水の供給)
運営権者が市に原水の供給を要請した場合(ただし,運営権者は,あらかじめ市からバックアップの必要性について提言を受け,市と協議を行った上で,当該要請を行うものとする。),市は,市水道事業の一津屋取水場から取水した原水を東淀川浄水場凝集沈澱池に供給する。
浄水場内でのバックアップ(沈澱処理水の供給)
運営権者が市に沈澱処理水の供給を要請した場合(ただし,運営権者は,あらかじめ市からバックアップの必要性について提言を受け,市と協議を行った上で,当該要請を行うものとする。),市は,市水道事業の柴島浄水場の凝集沈澱池から東淀川浄水場の配水池に沈澱処理水を供給する。
上水道配水管からのバックアップ(上工連絡設備)
運営権者が市に上工連絡設備による上水の供給を要請(ただし,運営権者は,あらかじめ市と協議を行った上で,当該要請を行うものとする。)した場合,市は,上工連絡設備を経由して上水を供給する。
上水道配水管からのバックアップ(給水施設内部の切替設備)
運営権者が市に利用者の給水施設内部の切替設備による上水の供給を要請(ただし,運営権者は,あらかじめ市と協議を行った上で,当該要請を行うものとする。)し,運営権者からの協力要請に基づき利用者が給水施設内部の切替設備の使用に同意した場合,利用者が所有する当該設備を使用して上水を供給する。市は,当該バックアップの終了後速やかに,当該バックアップにより利用者が使用した水量を,過去実績等を勘案の上で確認し,運営権者に通知する。運営権者は,市が通知した水量をもとに利用料金の対象となる使用水量の認定を行い,利用者に利用料金を請求するものとする。
実施手順
1.に基づく要請に当たって,運営権者は,バックアップの手法,バックアップを要する理由及び期間並びに想定応援給水量等について,市と事前に協議を行った上で,別途市が定める様式による「水道事業からのバックアップ依頼書」により,市にバックアップを要請する。なお,緊急やむを得ない事情がある場合には,運営権者は,当該要請を口頭で行うことができ,その場合,運営権者は,遅滞なく当該依頼書を市へ送付するものとする。
(1)の規定によりバックアップの要請があった場合,運営権者からの要請内容を踏まえ,市は,水道事業における配水運用上の影響を勘案し,バックアップの可否,手法及び予定期間並びに想定応援給水量等を判断し,運営権者に対し,別途市が定める様式による「水道事業からのバックアップ実施決定通知書」により,実施内容を通知する。なお,緊急やむを得ない事情がある場合には,市は,当該通知を口頭で行うことができ,その場合,市は,口頭での通知から7日以内に,その内容を当該実施決定通知書により運営権者に通知するものとする。
バックアップの実施に当たり,運営権者は,バックアップの影響を受ける利用者に対して広報・周知を行い,市は,当該広報・周知の完了後にバックアップの作業を行うものとする。
運営権者は,市がバックアップを実施するに当たり必要となる作業について,市と連携するものとする。
市は,バックアップを完了した日から30日以内に,運営権者に対し,別途市が定める様式による「水道事業からのバックアップ完了報告書」により,実施したバックアップの内容を報告する。
費用の負担
市がバックアップに要した費用(以下「バックアップ費用」という。)は,運営権者が負担する。市は,5.の定めに従い,バックアップの対価として,バックアップ費用並びにこれに係る消費税及び地方消費税相当額を運営権者に請求し,運営権者は,5.の定めに従い市にこれを支払うものとする。
バックアップ費用は,次に掲げる経費の合計額とする。なお,バックアップの実施に当たり,市において次に掲げる経費以外の費用が発生した場合,市は,運営権者と協議の上,当該費用をバックアップ費用として計上することができる。
上水の供給費用
バックアップとして行った上水の供給に係る費用
作業費用
バックアップの実施に伴って必要となる市の作業(切替作業(上水施設から工水施設への送水の開始又は停止のための,電動弁の動作又は上工連絡設備の開設及び閉鎖の作業をいう。)又は利用者の給水施設内部の切替設備によるバックアップ実施時における,工業用水道の使用水量の確認及び通知作業をいう。)に係る費用
(2)に掲げる経費の算出方法については,市が実施要領に定める。
バックアップ費用の請求
市は,事業年度ごとにバックアップ費用の金額を確定する。
市は,運営権者に対し,原則として,各事業年度の末日から30日以内に,別途市が定める様式による「水道事業からのバックアップ年間実施報告書兼請求書」により,当該事業年度におけるバックアップ費用の請求を行う。
(2)の規定により市からバックアップ費用の請求があった場合,運営権者は,請求日から30日以内に,市に対し,当該バックアップ費用を支払わなければならない。
損害賠償責任
運営権者は,(2)及び(3)に定める場合を除き,バックアップの実施に係る一切の責任を負うものとし,バックアップに伴い運営権者が行う作業により,市又は第三者に損害が生じた場合,当該損害はすべて運営権者が負担するものとする。
バックアップに伴い市が行う作業における市の故意又は過失に直接起因して運営権者に損害が生じた場合,運営権者は,市に対し,損害の賠償を請求することができる。
バックアップに伴い市が行う作業における市の故意又は過失によって第三者に損害(本契約の定めに基づき運営権者が加入する保険によりてん補された部分を除く。)を及ぼした場合,市がその損害を賠償しなければならない。
別紙18 上工共有施設等又は運営権設定対象施設に関して市が締結する業務委託契約
上工共有施設等に関して市が第三者との間で締結する業務委託契約
本契約第60条第1項第8号に定める「別紙18に掲げる契約」は,関連資料集Oに示す契約とする。
※ 関連資料集Oは,本契約締結日現在の契約文書を示したものであり,市は,本事業開始日までに契約文書の新規締結,終了又は内容変更に基づく関連資料集Oの更新を行うものとする。市は,本事業開始日までの間,本事業の実施に合理的に必要となる範囲でのみ契約文書の新規締結,終了又は内容変更を行うものとし,当該契約文書の新規締結,終了又は内容変更を行おうとする場合には事前に運営権者に対してこれを通知し説明を行い,当該契約文書の新規締結,終了又は内容変更の結果,関連資料集Oが更新された場合にはこれを速やかに運営権者に通知するものとする。
運営権設定対象施設に関して市が第三者との間で締結する業務委託契約
本契約第61条第1項第3号に定める「別紙18に掲げる契約」は,関連資料集Oに示す契約とする。
※ 関連資料集Oは,本契約締結日現在の契約文書を示したものであり,市は,本事業開始日までに契約文書の新規締結,終了又は内容変更に基づく関連資料集Oの更新を行うものとする。市は,本事業開始日までの間,本事業の実施に合理的に必要となる範囲でのみ契約文書の新規締結,終了又は内容変更を行うものとし,当該契約文書の新規締結,終了又は内容変更を行おうとする場合には事前に運営権者に対してこれを通知し説明を行い,当該契約文書の新規締結,終了又は内容変更の結果,関連資料集Oが更新された場合にはこれを速やかに運営権者に通知するものとする。
以 上
別紙19 運営権者が負担する直接工事費の上限額
運営権者が負担する別紙16 3.(2)アに規定する直接工事費(以下本別紙において「直接工事費」という。)の上限額は,以下のとおりとする。
次の表に掲げる事業年度ごとに,本事業開始日から当該事業年度に係る集計期間(別紙16 4. (1)の表に掲げる集計期間をいう。)の末日までに発生した直接工事費の累計額(消費税及び地方消費税相当額を含まない金額とする。)が,次の表の右欄に掲げる上限金額(以下「累計上限額」という。)を超過する場合,運営権者は,当該累計上限額の限度で市に直接工事費を支払うことで足りる。ただし,本事業期間中に本項の規定により運営権者が支払いを免れた直接工事費の金額の合計が50,000,000円(以下「免責基準額」という。)を超過した場合,運営権者は,第43条第4項本文の規定に従い,当該超過分を市に支払う。
-
-
-
事業年度
上限金額
令和4年度
8,100万円
令和5年度
1億6,200万円
令和6年度
2億4,300万円
令和7年度
3億2,400万円
令和8年度
4億500万円
令和9年度
4億8,600万円
令和10年度
5億6,700万円
令和11年度
6億4,800万円
令和12年度
7億2,900万円
令和13年度
8億1,000万円
-
-
前項の規定にかかわらず,前項の規定により運営権者が支払いを免れた直接工事費の金額の合計が免責基準額を超過した場合で,かつ,運営権者の合理的な経営努力にもかかわらず,第64条第3項及び別紙15第4号の規定により事業計画の見直しを行ってもなお,運営権者の将来的な事業継続が危ぶまれると市が認める場合,運営権者は,累計上限額を超える部分の直接工事費について,市に支払うことを要しないものとする。ただし,本事業期間中に本項の規定により運営権者が支払いを免れた直接工事費の金額の合計が,支払済みの運営権対価相当額から免責基準額を減じた金額を超過した場合はこの限りではなく,運営権者は,第43条第4項の本文の規定に従い,当該超過分を市に支払うものとする。
以 上