Contract
法律・ルール編(第3 回) 管理委託契約を更新する場合の手順について教えてください。
Q 管理業務をマンション管理業者に一括委託しています。管理委託契約を更新する場合の手順はどのようになっていますか。
A 管理業務は、範囲が広く専門性の高いものが多くあること、居住者の時間が取りにくいなどの理由から、多くのマンションでは管理委託契約を締結して、委託業務費を支払い専門の管理業者に業務委託されています。
2001 年 8 月に施行されたマンション管理適正化法(以下、「適正化法」といいま す。)は、まさにこの管理委託契約関係をきちんとしていくことを目的とした法律です。適正化法では、契約のいわゆる自動更新は認められていないので、管理業者は同一
内容(軽微な変更を含む)の契約更新を行う場合でも、事前に管理業務xx者に委託業務内容の「重要事項説明」を管理者(理事長)に行わせ、その「重要事項説明書」の写しを全区分所有者に対し管理組合総会前に配布しなければならないこととなっています(新規契約や軽微変更でない場合は、管理会社は説明会を開催し全員に説明しなければいけません)。(適正化法第 72 条)
管理組合総会で議決され契約更新に至ったら、管理会社は管理組合に対し定められた書面を交付することが義務付けられています。(適正化法第 73 条)
管理委託契約は通常 1 年契約が多いので、契約更新に際しては毎年前述の作業が行われることになります。
この管理委託契約締結・更新は、管理組合にとってはきわめて重要な案件であることから、総会の議決事項となっています(標準管理規約第 48 条)。しかし、この規約の規定にもかかわらず、総会議題に管理委託契約が上程されていない管理組合が見受けられるようです。このことについて管理組合役員の方々に十分自覚していただくことが望まれます。
(回答つづき)
また、国は法の制定等に併せ 2003 年に「標準管理委託契約書」をxxし、委託業務仕様、委託業務費の定義などを明確にしました。まだ古い様式の契約書のところがあると思われますので、新標準に合せて改訂されることをお勧めします。
管理組合の皆さんは、貴重な管理費を割いて毎月委託業務費を支払う訳ですから、まず契約内容をよく理解し、費用対効果を十分認識しておくことが大切です。マンションという財産を守るのは誰でもない、自分自身なのです。
回答者:広島県マンション管理士会