Contract
第 2 節 委託者指図型投資信託 重要度★★★
1 委託者指図型投資信託の仕組み
委託者指図型投資信託の仕組み図は以下のとおりです。
2 委託者指図型投資信託とは
□委託者指図型投資信託とは、信託財産を委託者の指図に基づいて有価証券等を中心に運用することを目的とする信託であり、かつ、その受益権を分割して複数の者に取得させることを目的とするものです。資金の出し手である投資者が受益者となります。
□委託者である金融商品取引業者( 1 社)と受託者である信託会社または信託業務を営む認可金融機関( 1 社)との間で、委託者指図型投資信託契約を締結します。
□当事者は、委託者、受託者、受益者の 3 者で構成されています。
□販売会社は直接の当事者ではないですが、実際の運営上、重要な役割を担っています。
3 委託者( 投資信託委託会社)
□投資信託委託会社は内閣総理大臣から投資運用業の登録を受けた者でなければなりません。
□投資信託委託会社の主な業務は以下のとおりです。
・投資信託契約の締結、投資信託約款の届け出、変更
・投資信託財産の設定
・投資信託財産の運用指図
・ファンドの基準価額の計算、公表
・目論見書、運用報告書などのディスクロージャー作成
・投資信託契約の解約( ファンドの償還)
( 1)投資信託約款
□投資信託委託会社が委託者指図型投資信託契約を締結しようとするときは、投資信託約款をあらかじめ内閣総理大臣に届け出なければなりません。
・委託者及び受託者の商号又は名称
・委託者及び受託者としての業務に関する事項
・信託の元本の額に関する事項
・受益者・受益証券に関する事項
・信託の元本及び収益の管理及び運用に関する事項
・投資信託財産の評価の方法、基準及び基準日に関する事項
・信託の元本の償還及び収益の分配に関する事項
・信託契約期間、その延長及び信託契約期間中の解約に関する事項
・信託の計算期間に関する事項
・公募、適格機関投資家私募、特定投資家私募又は一般投資家私募の別
・投資信託約款の変更に関する事項
・委託者における公告の方法 など
□投資信託約款とは、委託会社が投資信託財産の規模や運用の仕方などの様々な具体的事項を定めたもので、投資信託の設計図や企画書のようなものです。投資信託約款に記載されているのは次の事項です。
( 2)投資信託約款の内容等を記載した書面の交付
・目論見書にその内容が記載されている場合
・適格機関投資家私募により行われる場合
・すでにその同じ投資信託の受益証券を所有している場合
・同居者への書面の交付があるか、又は交付が見込まれていて、交付しないことについて同意がある場合
□投資運用業を行う金融商品取引業者は、受益者に対して、投資信託約款の内容などを記載した書面を交付しなければなりません(電磁的方法による交付も可)。ただし次の場合は書面の交付は除かれます。
( 3)投資信託約款の変更
□投資信託委託会社が投資信託約款を変更する時は、あらかじめその旨及び内容を内閣総理大臣に届け出なければなりません。
□投資信託約款の変更内容が重大なものである場合は書面による決議を行わなければなりません。
□ 書面決議を行おうとする場合には、受益者に対して変更の内容等を記載した書面をもってその通知をしなければなりません。
( 4)投資信託契約の解約
□投資信託委託会社は、投資信託契約を解約(任意解約)する場合は、あらかじめ内閣総理大臣にその旨を届け出る必要があります。
□特別多数による書面決議及び反対受益者の受益権買取りが必要になります。
□投資信託委託会社が登録を取消しされた、または解散した場合は受益者などにその事実を知らせるため、2 週間以内にその旨を公告しなければなりません。