Contract
xx市設計変更ガイドライン
令和5年4月 策定xx市 契約検査課
設計変更ガイドラインの目的
工事請負契約は、現場ごとの自然的条件や社会的条件など、多様な制約条件の下で個別に設計・施工を行い、多岐に亘る目的物を完成させなければならないことから、当初契約の施工条件には不確定要素を含まざるを得ないものとなっており、工事の進捗と共に、発注時に予見できない施工条件や環境の変化などが起こり得るものとなっています。
一方で工事の積算は、標準的施工能力の建設会社が、標準的な施工により工事を完成させる場合を前提としており、これが予定価格決定の基礎とされ、ひいては入札価格の上限になることから、不確定要素に伴うリスクについて考えると、現在の制度は、これを受注者の入札価格に反映し難い仕組みとなっています。
公共事業における工事は、発注者と受注者が、双方対等な立場における合意に基づいてxxな請負契約を締結し、誠実にこれを履行することとしており、発注者においても、考慮されている工事施工上の制約となる施工条件を仕様書等に明示し、発注者と受注者の役割分担を明確にするとともに、契約後に顕在化したリスクについては、設計変更により応分に負担する必要があります。
xx市工事請負契約約款(以下「契約約款」という。)では、施工条件が変わった場合等の確認手続きや、設計図書の変更等について定めていますが、本ガイドラインは、契約約款を使用して契約した工事について、設計変更の対象事項や必要な手続きなどを具体的にすることにより、設計変更を円滑・適切に行うための発注者・受注者双方の共通の手引書とすべく考え方を整理したものです。
- 目 次 -
1. | 用語の定義(設計図書とは)................................... | 4 |
2. | 設計変更の基本的な考え方 .................................... | 4 |
3. | 設計図書の確認と手続 ........................................ | 4 |
4. | 発注者・受注者の留意事項 .................................... | 7 |
(1 | )発注者の留意事項 ........................................... | 7 |
(2 | )受注者の留意事項 ........................................... | 8 |
5. | 設計図書の照査 .............................................. | 9 |
(1 | )土木工事及び水道工事の取扱い ............................... | 9 |
(2 | )建築工事の取扱い ........................................... | 11 |
6. | 設計変更の対象となるケース .................................. | 12 |
(1 | )図面と仕様書等が一致しない ................................. | 13 |
(2)設計図書に誤りまたは脱漏(だつろう)がある 14
(3)設計図書の表示が明確でない 15
(4)設計図書に示された施工条件と実際の工事現場が一致しない 16
(5)予期することの出来ない特別な状態が生じた 17
(6)発注者が必要があると認めるときの設計図書の変更 18
(7)受注者の責によらない事由による工事の一時中止 19
7. 設計変更の対象とならないケース 20
8. 仮設における「指定」と「任意」の使い分け 22
(1)基本的な考え方 22
(2)指定仮設 22
(3)任意仮設 22
(4)仮設の設計変更の留意点 23
9. 施工条件明示 25
10. 参考資料
xx市工事請負契約約款xx市工事共通仕様書
神奈川県土木工事共通仕様書
神奈川県企業庁水道工事標準仕様書
公共建築工事標準仕様書各編(国土交通省)
公共建築改修工事標準仕様書各編(国土交通省)公共建築木造工事標準仕様書(国土交通省)
建築物解体工事共通仕様書(国土交通省)
設計図書の照査項目及び内容(参考例)(神奈川県)設計変更事務処理要領(xx市)
xx市工事請負契約約款の抜粋
(総則)
第1条 発注者及び受注者は、この約款(契約書を含む。以下同じ。)に基づき、設計図書(別冊の図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう。以下同じ。)に従い、日本国の法令を遵守し、この契約(この約款及び設計図書を内容とする工事の請負契約をいう。以下同じ。)を履行しなければならない。
2 受注者は、契約書記載の工事を契約書記載の工期内に完成し、工事目的物を発注者に引き渡すものとし、発注者は、その契約金額を支払うものとする。
3 仮設、施工方法その他工事目的物を完成するために必要な一切の手段(以下「施工方法等」という。)については、この約款及び設計図書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。
4 受注者は、この契約の履行に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
5 この約款に定める請求、通知、報告、申出、承諾及び解除は、書面により行わなければならない。
(条件変更等)
第19条 受注者は、工事の施工に当たり、次の名号のいずれかに該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
(1) 図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書が一致しないこと(ただし、これらの優先順位が定められている場合を除く。)。
(2) 設計図書に誤り又は脱漏があること。
(3) 設計図書の表示が明確でないこと。
(4) 工事現場の形状、地質、湧水等の状態、施工上の制約等設計図書に示された自然的又は人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないこと。
(5) 設計図書で明示されていない施工条件について予期することのできない特別な状態が生じたこと。
2 監督員は、前項の規定による確認を請求されたとき又は自ら同項各号に掲げる事実を発見したときは、受注者の立会いのうえ、直ちに調査を行わなければならない。ただし、受注者が立会いに応じない場合には、受注者の立会いを得ずに行うことができる。
3 発注者は、受注者の意見を聴いて、調査の結果(これに対してとるべき措置を指示する必要があるときは、当該指示を含む。)をとりまとめ、調査の終了後14日以内に、その結果を受注者に通知しなければならない。ただし、その期間内に通知できないやむを得ない理由があるときは、あらかじめ受注者の意見を聴いたうえ、当該期間を延長することができる。
4 前項の調査の結果において第1項の事実が確認された場合において、必要があると認められるときは、次の各号に掲げるところにより、設計図書の訂正又は変更を行わなければならない。
(1) 第1項第1号から第3号までのいずれかに該当し設計図書を訂正する必要があるものは、発注者が行う。
(2) 第1項第4号又は第5号に該当し設計図書を変更する場合で工事目的物の変更を伴うものは、発注者が行う。
(3) 第1項第4号又は第5号に該当し設計図書を変更する場合で工事目的物の変更を伴わないものは、発注者と受注者とが協議して発注者が行う。
5 前項の規定により設計図書の訂正又は変更が行われた場合において、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは契約金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(設計図書の変更)
第20条 発注者は、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができる。この場合において、発注者は、必要があると認められるときは工期若しくは契約金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
(工事の中止)
第21条 工事用地等の確保ができない等のため又は暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、地すべり、落盤、火災、騒乱、暴動その他の自然的又は人為的な事象
(以下「天災等」という。)であって受注者の責めに帰すことができないものにより工事目的物等に損害を生じ若しくは工事現場の状態が変動したため、受注者が工事を施工できないと認められるときは、発注者は、工事の中止内容を直ちに受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させなければならない。
2 発注者は、前項の規定によるほか、必要があると認めるときは、工事の中
止内容を受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させることができる。
3 発注者は、前2項の規定により工事の施工を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは、工期若しくは契約金額を変更し、又は受注者が工事の続行に備え工事現場を維持し、若しくは労働者、建設機械器具等を保持するための費用その他の工事の施工の一時中止に伴う増加費用を必要とし、若しくは受注者に損害を及ぼしたときは、必要な費用を負担しなけれ
ばならない。
(工期の変更方法)
第25条 工期の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。ただし、発注者が工期の変更理由が生じた日(第
23条の場合にあっては発注者が工期変更の請求を受けた日、前条の場合にあっては受注者が工期変更の請求を受けた日)から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
(契約金額の変更方法等)
第26条 契約金額の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2 前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。ただし、契約金額の変更理由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
3 この約款の規定により、受注者が増加費用を必要とした場合又は損害を受けた場合に発注者が負担する必要な費用の額については、発注者と受注者とが協議して定める。
1 用語の定義(設計図書とは)
発注者及び受注者は、契約約款を含む契約書に基づき、「設計図書」に従って、締結した契約を履行しなければなりません。
ここでいう「設計図書」とは、契約約款第1条では「別冊の図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書をいう」と規定されています。
また、工種ごとの仕様書では、次のように規定されています。
土木工事共通仕様書 | 第 1 編第 1 章 1-1-1-2 | 仕様書、契約図面、工事数量総括表(※)、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書 |
水道工事標準仕様書 | 第 1 編第 1 章 1-1-2 | 仕様書、契約図面、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書 |
各建築工事標準仕様書 | 第 1 章第 1 節 1.1.1 | 別冊の図面、標準仕様書、特記仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書 |
(※)工事数量総括表については、土木工事標準積算基準書(土木工事編)Ⅰ-5-②-2
(別表)を参照
2 設計変更の基本的な考え方
工事の設計積算は、現場の自然的条件、社会的条件、施工時期など、施工に影響を与える様々な内容を、設計時点で出来る限り想定した上で行うものであり、工事の施工は、これにより作成した設計図書に基づいて実施すべきですが、やむを得ない事情により、設計図書と現場等に差異が生じた場合は、当該工事との一体性を損なわない範囲において、設計内容の変更を行います。その結果、工期や請負代金額に変更が生じた場合は、契約変更により対応します。
設計の条件変更等に関しては、契約約款第19条及び第20条に規定されており、発注者及び受注者は、これらの規定に従って手続きを進める必要があります。
3 設計図書の確認と手続
契約約款第19条により、受注者は工事の施工に当たり、同条第1項の各号に該当する事実を発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければなりません。
契約約款第19条第1項の各号の内容については、「6 設計変更の対象となるケース」の中で、詳しく解説しています。
同条の規定に従った手続きの進め方は、次頁のフロー図のとおりとなります。
設計変更の手続きフロー
発注者 | 受注者 |
【 】内は契約約款 | |
「設計変更の対象となる事項」の① ~ ⑤ (P6 参照)に該当する事実を発見 【第 19 条第 2 項】 監督員:調査の実施 監督員に通知し 受注者:立ち合い 確認を請求 【第 19 条第 2 項】 【第 19 条第 1 項】 調査結果のとりまとめ 意 見 【第 19 条第 3 項】 【第 19 条第 3 項】 受 理 通知は、調査の終了後、通常 14 日 調査結果の通知 以内(事情により延長可) 発注者において工事目的物の変更を伴わないと判断した場合は協議 【第 19 条第 3 項】 【第 19 条第 4 項 3 号】 設計図書の訂正(※) 設計図書の変更(※) 【第 19 条第 4 項 1 号】 【第 19 条第 4 項 2 号】 内容変更・変更根拠の明確化、変更図面、変更数量総括xxの変更設計図書の作成 必要があるときは、工期若しくは契約金額の変更 【第 19 条第 5 項】 協議:工期の変更 契約金額の変更 【第 25 条、第 26 条】 |
(※)訂正:契約約款第19条第1項第1号から3号に該当する場合変更:契約約款第19条第1項第4号、5号に該当する場合
※ なお、契約変更は、設計変更事務処理要領に基づき設計変更承認伺いにより暫定処理し、受注者へ変更内容を指示し、全体数量が確定した後に行うことがある。
設計変更の手続きフロー(概算数量設計方式)
発注者 | 受注者 |
【 】内は契約約款 | |
現場立会い 受 理 施工計画書を 作成し提出(当初発注内容) 現地調査・試掘の実施 調査結果を反映させた図面、数量調書を工事打合せ簿により提出 提出された図面、数量を審査 意 見 数量、材料等が不適切であった場合は、是正して再提出する 概算費用を算出し、設計変更承認 伺いで決裁を受ける 指 示 決裁後、工事打合せ簿にて、着手を指示する x x 変更図面等の変更設計図書の作成 必要があるときは、工期若しくは契約金額の変更 【第 19 条第 5 項】 協議:工期の変更 契約金額の変更 【第 25 条、第 26 条】 |
※ 契約変更は、設計変更事務処理要領に基づき設計変更承認伺いにより暫定処理し、受注者へ変更内容を指示し、全体数量が確定した後に行うことがある。
4 発注者・受注者の留意事項
(1) 発注者の留意事項
請負工事の施工は設計図書に従って実施されるため、発注者は、受注者が工事の目的に沿った適切な施工ができるよう、必要な施工条件を明示した設計図書を作成し、また、変更の必要がある場合は、受注者に対して書面により指示を行わなければなりません。
また、工事目的と関係のない工種の追加や、別の工事で施工すべき工種の追加を受注者に対して指示する権限はありません。これらは全て協議によることとなります。
適切に工事を施工するため、発注者は次の事項に留意しなければなりません。
■設計変更を行う必要が生じた場合など、必要な指示、協議等は書面で行う。
(契約約款第1条第5項)
■受注者から設計図書についての確認の請求があった場合は、受注者の立会いの上、調査を行う。 (契約約款第19条第2項)
■設計変更後の請負金額や工期は、受注者と協議のうえ決定する。
(契約約款第25条、第26条)
■工事の施工に係る制約事項については、設計図書に必要な施工条件等を明示する。
■一つの工事現場において、複数の契約に基づく工事が実施される場合は、一工事の設計変更を行う際に関連するその他の工事も設計変更に係る事由が発生する可能性があるため、その他の工事の設計変更について併せて検討する。
(2) 受注者の留意事項
受注者は、工事の目的を達せられるよう施工する義務があり、そのため工事の施工にあたっては、発注者の意図、設計図書、現場条件などを事前に確認する必要があります。
また確認した内容も踏まえ、受注者が任意で定める範囲を含めた施工内容等を具体的に施工計画書に記載して工事着手前に提出し、これを遵守して施工しなければなりません。
適切に工事を施工するため、受注者は次の事項に留意しなければなりません。
■設計変更を行う必要が生じた場合など、必要な通知、報告等は書面で行う。
(契約約款第1条第5項)
■設計図書と工事現場に相違がある、必要な条件明示がされていないなど、施工する上で疑義が生じた場合は、速やかに監督員に通知する。 (契約約款第1
9条第1項)
■数量・仕様等の設計図書の変更が必要な場合は、その内容について、発注者と協議を行い、発注者の書面による指示に従い施工する(独自の判断で施工しない)。
■協議を求める場合は、協議理由及び協議内容を発注者が確認できるよう、必要となる資料を整えて、書面により行う。
5 設計図書の照査
(1) 土木工事及び水道工事の取扱いア 設計図書の照査とは
「設計図書の照査」とは、発注者から受領した設計図書の内容に沿って工事を実施した場合に、そのままでは工事の目的を達成できないような不備、問題点が無いか確認することです。
具体的には、土木工事共通仕様書(1-1-1-3「設計図書の照査等」)、水道工事標準仕様書(1-1-3「設計図書の照査等」)に規定されているとおり、受注者が施工前及び施工途中において、自らの負担により契約約款第19条第1項第1号から第5号に該当する設計図書の問題点の存在の有無を確認することです。
イ 照査の結果により問題点が見つかった場合
受注者は、当初設計等に対して契約約款第19条第1項に該当する事実が発見された場合、速やかに監督員にその事実が確認できる資料を書面により提出し、確認を求めなければなりません。
なお、確認できる資料とは、現地地形図、設計図との対比図、取合い図、施工図等を含むものとします。また受注者は、監督員から更に詳細な説明または書面の追加の要求があった場合は、これに従わなければなりません。
また、これらの資料作成に必要な費用については契約変更の対象としません。
ウ 設計図書の照査項目及び主な内容
受注者が行うべき設計照査の主な内容について、具体的な参考例を巻末〔資料9〕に示しています。
設計図書の照査によって、次項に示すような計画の見直し、図面の再作成、構造計算の再計算、追加調査等が生じた場合は、発注者の責任において発注者の費用負担の基に行うものとなります。
エ 設計図書の照査の範囲を超えるもの
受注者が行うべき「設計図書の照査」の範囲をこえる行為としては、次頁のものなどが想定されます。
設計照査の範囲を超えるもの
① | 現地測量の結果、横断図全てを新たに作成し直す必要があるもの。または縦断計 画の見直しを伴う横断図の再作成が必要となるもの。(※) |
② | 施工の段階で判明した推定岩盤線の変更に伴い、横断図の再作成が必要となるも の。ただし、当初横断図の推定岩盤線の変更は「設計図書の照査」に含まれる。 |
③ | 現地測量の結果、排水路計画を新たに策定し直す必要があるもの。または土工の 縦横断計画の見直しが必要となるもの。 |
④ | 構造物の位置や計画高さ,延長が変更となり、構造計算の再計算が必要となるも の。(※) |
⑤ | 構造物の載荷高さが変更となり、構造計算の再計算が必要となるもの。 |
⑥ | 現地測量の結果、構造物のタイプが変更となるもの。(標準設計で修正可能なもの であっても照査の範囲をこえるものとして扱う)(※) |
⑦ | 構造物の構造計算書の計算結果が設計図と違う場合で、構造計算の再計算及び図 面作成が必要となるもの。 |
試験杭等により基礎杭が変更となる場合で、構造計算および図面作成が必要とな るもの。 | |
⑨ | 土留め等の構造計算において、現地条件や施工条件が異なる場合で、構造計算及 び図面作成が必要となるもの。 |
⑩ | 「設計要領」・「各種示方書」等との対比設計 |
⑪ | 構造物の応力計算書における計算入力条件の確認や、構造物の応力計算を伴う照 査。 |
⑫ | 設計根拠まで遡る見直しや、必要となる工費の算出。 |
⑬ | 新設舗装工事の再設計(現況CBRに合わせた舗装構成の再設計が必要となるも の)。 |
(※)概算数量設計方式は対象外
(2) 建築工事の取扱い
建築物等(電気設備、機械設備を含む)を建築、改修する工事(以下「建築工事」という。)においては、受注者は、設計図書に定められた内容に疑義が生じた場合又は現場の納まり、取合い等の関係で、設計図書によることが困難若しくは不都合が生じた場合は、監督職員と協議することとなっています。
建築工事における「監督職員と協議」とは、公共建築工事標準仕様書等
(1章1節1.1.2用語の定義(オ))では、「協議事項について、監督職員と受注者等とが結論を得るために合議し、その結果を書面に残すこと」と規定されています。具体的には、公共建築工事標準仕様書等(1.1.8「疑義に対する協議等」)に規定されているとおりです。
協議を行った結果、設計図書の訂正又は変更を行う場合は、契約約款第
19条の規定によります。
6 設計変更の対象となるケース
契約約款において、条件変更等に伴う設計変更の対象事項は、契約約款第
19条(条件変更等)に、発注者が必要あると認めるときの設計図書の変更は、契約約款第20条(設計図書の変更)に、また受注者の責によらない事由による工事の一時中止については、契約約款第21条(工事の中止)で規定しています。
設計変更の対象事項 | 具体例 |
① 図面と仕様書等が一致しない | P.13 |
② 設計図書に誤謬(ごびゅう)または脱漏(だつろう)がある | P.14 |
③ 設計図書の表示が明確でない | P.15 |
④ 設計図書に示された施工条件と実際の工事現場が一致しない | P.16 |
⑤ 予期することのできない特別な状態が生じた(設計図書で明示されていな い施工条件について) | P.17 |
⑥ 発注者が必要があると認めるときの設計図書の変更 | P.18 |
⑦ 受注者の責によらない事由による工事の一時中止 | P.19 |
概算数量設計方式で設計・発注されたもの |
このことから、設計変更の対象となる主な事項は下表のとおりです。設計変更の対象となる事項
上記以外にも契約約款では、支給材料及び貸与品(第16条)、設計図書に不適合な場合の措置等(第18条)などにおいて、設計変更する場合があることを規定しています。
しかし、上表にあてはまる場合であっても、設計変更の基本的な考え方の範囲を越える場合は、設計変更により対応することはできません。
また、発注者の指示を受けずに工事内容を変更して施工するなど、xxの手続きを経ていない場合も、設計変更により対応することはできません。
(1) 図面と仕様書等が一致しない
受注者は、図面と仕様書等が一致しない場合、監督員に発見事項を通知し、当該事実の確認を請求します。
[例]
◆ 図面と仕様書等の材料寸法、数量等の記載が一致しない場合
◆ 平面図と断面図の寸法、材料名、仕様等の記載が一致しない場合等
(受注者)
契約約款第19条第1項に基づき、その旨を直ちに監督員に通知し、監督員の確認を請求する。
(発注者)
第4項、第5項に基づき、必要に応じて設計図書の訂正または変更(当初積算の考え方に基づく条件明示)を行い、必要があると認められるときは、工期若しくは請負代金額を変更し、または受注者に損害を及ぼしたときは必要な費
用を負担しなければならない
受注者及び発注者は第25条、第26条に基づき、「協議」により工期及び請
負代金額を定める
(2) 設計図書に誤りまたは脱漏(だつろう)がある
受注者はxxx上、設計図書が誤っていると思われる点を発注者に確認すべきであり、対して発注者は、それが本当に誤っている場合には、設計図書を訂正する必要があります。また、設計図書に誤りまたは脱漏がある場合には、受注者としては、自分で勝手に補って施工を続けるのではなく、発注者に確認して誤りまたは脱漏部分を訂正してもらう必要があります。
[例]
◆ 条件明示する必要がある場合にも係わらず、土質に関する一切の条件明示がない。
◆ 〃 地下水位に関する一切の条件明示がない。
◆ 〃 交通誘導警備員についての条件明示がない。
◆ 同一工事現場の建築、電気設備及び機械設備の各設計内容の整合がとれていない。
(受注者)
契約約款第19条(条件変更等)第 1 項第2号に基づき、その旨を直ちに監督員に通知
(発注者)
第4項、第5項に基づき、必要に応じて設計図書の訂正又は変更(当初積算の考え方に基づく条件明示)を行い、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担
しなければならない
受注者及び発注者は第25条、第26条に基づき、「協議」により工期及び請負
代金額を定める
(3) 設計図書の表示が明確でない
設計図書の表示が明確でないとは、表示が不十分、不正確、不明確で実際の工事施工にあたってどのように施工してよいか判断がつかない場合などのことです。
この場合においても、受注者が勝手に判断して施工することは不適当となります。
[例]
◆ 土質柱状図は明示されているが、地下水位が不明確。
◆ 水替工の記載はあるが、作業時もしくは常時排水などの運転条件等の明示がない。
(受注者)
契約約款第19条(条件変更等)第 1 項第3号に基づき、その旨を直ちに監督員に通知
(発注者)
第4項,第5項に基づき、必要に応じて設計図書の訂正又は変更(当初積算の考え方に基づく条件明示)を行い、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない
受注者及び発注者は第25条、第26条に基づき、「協議」により工期及び請負
代金額を定める
(4) 設計図書に示された(自然的または人為的な)施工条件と実際の工事現場が一致しない
自然的条件とは例えば、掘削する地山の高さ、埋め立てるべき水面の深さ等の地表面の凹凸等の形状、地質、湧水の有無や量、地下水の水位、xxxの除去すべき物の有無などをいいます。
また、人為的な施工条件の例としては、地下埋設物、地下工作物、xx (捨)場、工事用道路、工事に関係する法令等が挙げられます。
[例]
◆ 設計図書に明示された土質が現地条件と一致しない。
◆ 設計図書に明示された地下水位が現地条件と一致しない。
◆ 設計図書に明示された交通誘導警備員の配置人数等が規制図と一致しない。
◆ 設計図書に明示されたアスベスト含有建材と現場条件が一致しない。
◆ 前頁の手続きにより行った設計図書の訂正・変更で、現地条件と一致しない。
(受注者)
契約約款第19条(条件変更等)第 1 項第 4 項に基づき、設計図書の条件明示
(当初積算の考え)と現地条件とが一致しないことを直ちに監督員に通知
(発注者)
調査の結果、その事実が確認された場合は第 4 項,第 5 項に基づき、必要に応じて設計図書の変更を行い、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなけ
ればならない
受注者及び発注者は第25条,第26条に基づき、「協議」により工期及び請負
代金額を定める
(5) 予期することの出来ない特別な状態が生じた
設計図書で明示されていない施工条件について、予期することのできない特別な状態が生じたことをいいます。
設計図書に施工条件として明示されていないが、工事実施の前提となる事項について、契約後に予期することのできない特別な状態が生じた場合は、発注者に発生事項を通知し、当該事実の確認を請求します。
[例]
◆ 施工中に地中障害物を発見し、撤去が必要となった場合
◆ 施工中に埋蔵文化財を発見し、調査が必要となった場合
◆ 工事範囲の一部に軟弱地盤があり、地盤改良が必要となった場合等
(受注者)
契約約款第19条(条件変更等)第 1 項第 5 項に基づき、その旨を直ちに監督員に通知
(発注者)
調査の結果、その事実が確認された場合は第 4 項、第 5 項に基づき、必要に応じて設計図書の変更を行い、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない
受注者及び発注者は第25条,第26条に基づき、「協議」により工期及び請負
代金額を定める
(6) 発注者が必要があると認めるときの設計図書の変更
発注者は、住民要望や周辺環境等の与条件を検討した上で、工事を発注していますが、工事着手までの状況変化により、設計図書を変更する必要があると認める場合、発注者は変更内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができます。
[例]
◆ 周辺住民との協議により、変更する必要があると認める場合
◆ 関係官公署の行政指導により、変更する必要があると認める場合
◆ 関連工事との調整により、変更する必要があると認める場合
◆ 施設の維持管理または利用方法が具体化したことにより、変更する必要があると認める場合等
(発注者)
契約約款第20条(設計図書の変更)に基づき、必要があると認めるときは設計図書の変更内容を受注者に通知して設計図書を変更することができる
受注者及び発注者は第25条、第26条に基づき、「協議」により工期及び請負
代金額を定める
(7) 受注者の責によらない事由による工事の一時中止
受注者の責めに帰することができない事由により、工事を施工できないと認められる場合には、発注者が工事の全部又は一部の施工の一時中止を命じなければなりません。
また、工事を一時中止したことにより、受注者が工事の続行に備え工事現場を維持しておく必要が生じたり、労働者、建設機械器具等を保持するための費用が生じるなど、工事の施工の一時中止に伴う増加費用が発生した場合は、発注者が工期、請負代金額を変更して、必要な費用を負担しなければなりません。
[例]
◆ 工事用地が確保できる前提で発注したが、建物の除却が間に合わなくなった。
◆ 豪雨により現場への進入路の法面が崩落し、乗り込みが出来なくなった。
◆ 工事着手直前に、地元から一部の計画の見直し要望が提出され、検討に要する期間が必要になった。
(発注者)
発注者は、契約約款第21条に基づき、工事の中止内容を直ちに受注者に通知して、工事の全部又は一部の施工を一時中止させなければならない。
発注者は、同3項の規定により、工事の施工を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは工期若しくは請負代金額を変更し、必要な費用
を負担しなければならない。
7 設計変更の対象とならないケース
下記の場合においては、原則として設計変更できません。(ただし契約約款第28条(臨機の措置)での対応の場合は除く)
受注者は、契約約款第19条第 1 項により設計図書と工事現場の不一致、条件明示の無い事項等を発見したときは、その事実が確認できる資料を書
面(工事記録等)により監督員に提出し、確認を求める必要がある。
(1) 設計図書に条件明示のない事項において、発注者と「協議」を行わず受注者が独自に判断して施工を実施した場合
(2) 発注者と「協議」をしているが、協議の回答前に施工を実施した場合
協議の回答は、発注者が契約約款第19条第3項により調査の終了後1
4日以内にすることとなっており、速やかな回答は発注者の責務である。しかしながら、協議内容によっては各種検討・関係機関調整が必要などやむを得ず受注者の意見を聴いたうえで回答までの期間を延長する場合もある。その為、受注者はその事実が判明次第、出来るだけ早い段階で協議を
行うことが重要である。
(3) 「承諾」で施工した場合
ここでいう承諾とは、受注者が自らの都合による施工方法等について監 督員に同意を得るものである。設計図書と工事現場の不一致、条件明示の 無い事項等の場合は契約約款第19条による確認をすることが必要であり、
安易な承諾による施工は避けるべきである。
(4) xx市工事請負契約約款・土木工事共通仕様書・公共建築工事標準仕様書等に定められている所定の手続を経ていない場合(契約約款第19条~
発注者及び受注者は、通知・協議・指示・確認など、所定の手続を経て
契約変更に至る必要がある。
25条、土木工事共通仕様書1-1-1-15~1-1-1-16、公共建築工事標準仕様書1.1.8~1.1.10)
発注者は速やかに書面による指示・協議等を行う。受注者は書面による
指示・協議等の回答を得て施工する。
(5) 正式な書面によらない事項(口頭のみの指示・協議等)の場合(土木工事共通仕様書 1-1-1-2 22、水道工事標準仕様書 1-1-2 22、各建築工事標準仕様書 1.1.2(セ))
8 仮設における「指定」と「任意」の使い分け
(1) 基本的な考え方
工事目的物を完成させるために必要な仮設及び施工方法その他一切の手段(以下「施工方法等」という。)については、受注者がその技術力等を発揮するところであり、施工主体である受注者の責任による自主的な選択が原則となります。
一方、受注者の自主的な選択を制限する必要がある場合は、設計図書等に特別の定めを明示し、「施工方法等」を指定することができます。
このように、「指定」と「任意」の考え方は、工事の設計(積算)全般に共通する考え方ですが、特に仮設において、いずれに当たるのかを受発注者双方で確認しておくことが、役割の明確化につながります。
契約約款第1条第3項により、発注者の指定事項以外(設計図書に指定されていない場合)は、工事実施の手段、仮設物等は、受注者の裁量の範囲としてみなされます。
(2) 指定仮設
関係官公署等との協議や第三者との調整等により、「施工方法等」を特に指定する必要がある場合は、発注者は設計図書等に仮設の構造、規格、寸法、工法等の特別な定めを明示し、指定します。
[指定する場合の事例]
◆関係官公署との協議により制約条件のある場合
◆特許工法又は特殊工法を採用する場合
◆その他、環境対策等、第三者に特に配慮する必要がある場合
◆他工事等に使用するため、仮設物を工事完成後も存置する必要がある場合等
(3) 任意仮設
発注者は設計図書等に、仮設の構造、規格、寸法、施工方法等を決定するために必要な条件のみを明示します。工事の設計(積算)上は、当該条件に基づき、発注者の判断による仮設工を適切に計上します。
受注者は、明示された条件に基づき、その責任において自主的に仮設、施工方法等を選択し、安全性の確認や経済性等、必要な検討を行い施工します。
(4) 仮設の設計変更の留意点
任意仮設は、原則として設計変更の対象としません。ただし、設計図書に明示された、「施工方法等」を選定するために必要な条件について変更が生じた場合は、設計変更の対象となります。
指定仮設は、受注者の裁量の余地が認められないため、現場で施工する構造、規格、寸法、工法等のすべてが設計変更の対象となります。
【留意事項のまとめ】
仮設,施工方法等には、指定と任意があり、発注者においては発注の際、任意
と指定の部分を明確にする必要がある。
任意については、受注者が自らの責任で行うもので、仮設,施工方法等の選択
は、受注者に委ねられている。(変更の対象としない)
発注者(監督員)は、任意の主旨を踏まえ、適切な対応をするように注意が必
要。
(任意施工における不適切な対応例)
・○○工法で積算しているので、「○○工法以外での施工は不可」との対応。
・標準歩掛ではバックホウで施工となっているので、「クラムシェルでの施工は不可」との対応。
・新技術の活用について、受注者から活用の申し出があった場合に、「積算上の
工法で施工」するよう対応。
【指定と任意の考え方】
項目 | 指定 | 任意 |
設計図書 | 施工方法等について具体的 に指定する | 施工方法等について具体的 には指定しない(※) |
施工方法等の変更 | 発注者の指示または承諾が 必要 | 受注者の任意(施工計画書等 の修正と提出は必要) |
施工方法の変更がある場合 の設計変更 | 設計変更の対象とする | 設計変更の対象としない |
条件明示の変更に対応した 設計変更 | 設計変更の対象とする | 設計変更の対象とする |
その他 | <指定仮設とすべき主な事項> ・河川堤防と同等の機能を有する仮締切のある場合 ・仮設構造物を一般交通に供する場合 ・関係官公署との協議により制約条件のある場合 ・特許工法または特殊工法を採用する場合 ・その他、第三者に特に配慮する必要がある場合 ・他工事等に使用するため、工事完成後も存置される必要のある仮設 |
(※)発注者が積算で想定した仮設・施工方法等を「参考図」として示すことがあります。参考図で示した内容は「任意」であり、実際の施工においては受注者を拘束するものではありません。ただし、参考図等で示した内容と施工内容が大幅に異なる場合は協議の対象となる場合があります。
9 施工条件明示
施工条件は、契約条件となるものであることから、設計図書の中で可能な限り明示するものとしています。受発注者間での積算額に大きな差異が発生する原因の1つが、この施工条件の明示が適切に行われていないことに起因しており、発注者は契約上の信義として、判明している条件をもれなく明らかにしておく必要があります。
以下に各工事に応じた主な明示事項を掲げていますが、これ以外にも、積算額に影響のある条件が判明している場合は、適宜明示事項を追加します。また、明示された条件に変更が生じた場合は、契約図書の関連する条項に
基づき、受発注者の協議により適切に対応する必要があります。
【土木工事の明示項目及び明示事項】
明示項目 | 明示事項 |
工程関係 | ・他の工事の開始または完了の時期により、当該工事の施工時期,全体工事等に影響がある場合は、影響箇所及び他の工事の内容,開始または完了の時期 ・施工時期,施工時間及び施工方法が制限される場合は、制限される施工内容,施工時期,施工時間及び施工方法 ・当該工事の関係機関等との協議に未成立のものがある場合は、制約を受ける内容及びその協議内容,成立見込み時期 ・関係機関,自治体等との協議の結果、特定された条件が付され、当該工事の工程に影響がある場合は、その項目及び影響範囲 ・余裕工期を設定して発注する工事については、工事の着手時期 ・工事着手前に地下埋設物及び埋蔵文化財等の事前調査を必要とする場合は、その項目及び調査期間。また、地下埋設物等の移設が予定されている場合は、その移設期間 ・設計工程上見込んでいる休日日数等作業不能日数 |
用地関係 | ・工事用地等に未処理部分がある場合は、その場所,範囲及び処理の見込み時期 ・工事用地等の使用終了後における復旧内容 ・工事用仮設道路・資機材置場用の借地をさせる場合、その場所,範囲,時期,期間,使用条件,復旧方法等 ・施工者に、消波ブロック,桁製作等の仮設ヤ-ドとして官有地等及 |
び発注者が借り上げた土地を使用させる場合は、その場所,範囲,時 期,期間,使用条件,復旧方法等 | |
環境対策関係 | ・工事に伴う公害防止(騒音,振動,粉塵,排出ガス等)のため、施工方法,建設機械・設備,作業時間等を指定する必要がある場合は、その内容 ・水替・流入防止施設が必要な場合は、その内容,期間 ・濁水,湧水等の処理で特別の対策を必要とする場合は、その内容(処理施設,処理条件等) ・工事の施工に伴って発生する騒音,振動,地盤沈下,地下水の枯渇等、電波障害等に起因する事業損失が懸念される場合は、事前・事後調査の区分とその調査時期,未然に防止するために必要な調査方法, 範囲等 |
安全対策関係 | ・交通安全施設等を指定する場合は、その内容,期間 ・鉄道,ガス,電気,電話,水道等の施設と、近接する工事での施工方法,作業時間等に制限がある場合は、その内容 ・落石,雪崩,土砂崩落に対する防護施設が必要な場合は、その内容 ・交通誘導警備員,警戒船及び発破作業等の保全設備,保安要員の配置を指定する場合、または発破作業等に制限がある場合は、その内容 ・有毒ガス及び酸素欠乏等の対策として、換気設備等が必要な場合 は、その内容 |
工事用道路等関係 | ・一般道路を搬入路として使用する場合 (1)工事用資機材等の搬入経路,使用期間,使用時間帯等に制限がある場合は、その経路,期間,時間帯等 (2)搬入路の使用中及び使用後の処置が必要である場合は、その処置内容 ・仮道路を設置する場合 (1)仮道路に関する安全施設等が必要である場合は、その内容,期間 (2)仮道路の工事終了後の処置(存置または撤去) (3)仮道路の維持補修が必要である場合は、その内容 |
仮設備関係 | ・仮土留,仮橋,足場等の仮設物を他の工事に引き渡す場合及び引き継いで使用する場合は、その内容,期間,条件等 ・仮設備の構造及びその施工方法を指定する場合は、その構造及びそ の施工方法 |
・仮設備の設計条件を指定する場合は、その内容 | |
建設副産物関係 | ・建設発生土が発生する場合は、残土の受入場所及び仮置き場所までの距離,時間等の処分及び保管条件 ・建設副産物の現場内での再利用及び減量化が必要な場合は、その内容 ・建設副産物及び建設廃棄物が発生する場合は、その処理方法,処理場等の処理条件 なお、再資源化処理施設または最終処分場を指定する場合は、その受 入場所,距離,時間等の処分条件 |
工事支障物件等 | ・地上,地下等の占用物件の有無及び占用物件等で工事支障物が存在する場合は、支障物件名,管理者,位置,移設時期,工事方法,防護等 ・地上、地下等の占用物件工事と重複して施工する場合は、その工事 内容及び期間等 |
薬液注入関係 | ・薬液注入を行う場合は、設計条件,工法区分,材料種類,施工範囲,削孔数量,削孔延長及び注入量,注入圧等 ・周辺環境への調査が必要な場合は、その内容 |
その他 | ・工事用資機材の保管及び仮置きが必要である場合は、その保管及び仮置き場所,期間,保管方法等 ・工事現場発生品がある場合は、その品名,数量,現場内での再使用の有無,引き渡し場所等 ・支給材料及び貸与品がある場合は、その品名,数量,品質,規格または性能,引渡場所,引渡期間等 ・関係機関・自治体等との近接協議に係る条件等その内容 ・架設工法を指定する場合は、その施工方法及び施工条件 ・工事用電力等を指定する場合は、その内容 ・新技術・新工法・特許工法を指定する場合は、その内容 ・部分使用を行う必要がある場合は、その箇所及び使用時期 ・給水の必要のある場合は、取水箇所・方法等 |
【建築工事の明示項目及び明示事項】
明示項目 | 明示事項 |
工程関係 | ・他の工事の開始又は完了の時期により、当該工事の施工時期,全体工期等に影響がある場合は、影響を受ける部分及び内容並びに他の工事の内容及び開始又は完了の時期 ・施工時期,施工時間及び施工方法が制限される場合は、制限される施工内容,施工時期,施工時間及び施工方法 ・当該工事の関係機関等との協議に未成立のものがある場合は、制約を受ける内容及びその協議内容並びに成立見込み時期 ・関係機関,自治体等との協議の結果、特定の条件が付され当該工事の工程に影響がある場合は、影響を受ける部分及び内容 ・工事着手前に地下埋設物及び埋蔵文化財等の事前調査を必要とする場合は、その項目及び調査期間。また、地下埋設物等の移設が予定されている場合は、その移設期間 ・設計工程上見込んでいる休日日数以外の作業不能日数等 |
用地関係 | ・施工のための仮用地等として施工者に、官有地等を使用させる場 合は、その場所,範囲,時期,期間,使用条件,復旧方法等 |
環境対策関係 | ・工事に伴う公害防止(騒音,振動,粉塵,排出ガス等防止)のため、施工方法,建設機械・設備,作業時間等の指定が必要な場合は、その内容 ・工事の施工に伴って発生する騒音,振動,地盤沈下,地下水の枯渇等が予測される場合、又は、電波障害等に起因する事業損失が懸念される場合は、事前・事後調査の区分とその調査時期,未然に防 止するために必要な調査方法,範囲等 |
安全対策関係 | ・交通安全施設等を指定する場合は、その内容,期間 ・鉄道,ガス,電気,電話,水道等の施設と近接する工事において施工方法,作業時間等に制限がある場合は、その内容 ・落石,雪崩,土砂崩落等に対する防護施設が必要な場合は、その内容 ・交通誘導警備員の配置を指定する場合、その内容 ・有毒ガス及び酸素欠乏等の対策として、換気設備等が必要な場合は、その内容 |
工事用道路関係 | ・一般道路を搬入,搬出路として使用する場合 |
(1)工事用資機材等の搬入経路,使用期間,使用時間帯等に制限がある場合は、その経路,期間,時間帯等 (2)搬入,搬出路の使用中及び使用後の処置が必要である場合は、その処置内容 ・仮道路を設置する場合 (1)仮道路の仕様と設置期間及び工事終了後の処置 | |
仮設備関係 | ・仮土留,仮橋,足場等の仮設物を他の工事に引き渡す場合及び引き継いで使用する場合は、その内容,期間,条件等 ・仮設備の構造,工法及びその施工範囲を指定する場合は、その構造,工法及びその施工範囲 ・仮設備の設計条件を指定する場合は、その内容 |
建設副産物関係 | ・建設発生土が発生する場合は、その受入場所及び仮置き場所までの距離等及び処分又は保管条件 ・建設副産物の現場内での再利用又は減量化が必要な場合は、その内容 ・建設副産物及び建設廃棄物が発生する場合は、その処理方法,処理場所等の処理条件 なお、再資源化処理施設又は最終処分場を指定する場合は、その受 入場所,距離等の処分条件 |
工事支障物件等 | ・地上,地下等における占用物件の有無及び占用物件等で工事支障物が存在する場合は、支障物件名,管理者,位置,移設時期,工事方法,防護等 ・地上,地下等の占用物件に係る工事期間と重複して施工する場合 は、その工事内容,期間等 |
排水関係 | ・排水の工法,排水処理の方法及び排水の放流先等を指定する場合は、その工法,処理の方法,放流先,予定される排水量,水質基準及び放流費用 ・水替・流入防止施設が必要な場合は、その内容,期間 |
薬液注入関係 | ・薬液注入を行う場合は、設計条件,工法区分,材料種類,施工範囲,削孔数量,削孔延長及び注入量,注入圧等 ・周辺環境に与える影響の調査が必要な場合は、その内容 |
その他 | ・工事現場発生品がある場合は、その品名、数量、現場内での再使 用の有無,引渡場所等 |
・支給材料及び貸与品がある場合は、その品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所、引渡期間等 ・関係機関・自治体等との近接協議に係る条件及びその内容等 ・架設工法を指定する場合は、その施工方法及び施工条件 ・工事用水及び工事用電力等を指定する場合は、その内容 ・新技術・新工法・特許工法を指定する場合は、その内容 ・部分使用を行う必要がある場合は、その箇所及び使用時期 |
※ 建築工事において、建物を使用しながら改修工事を実施する場合は、多様な制約を踏まえ、必要に応じて工程に関する施工条件を設定し、工程に影響を及ぼす施工手順を明らかにしておく必要があります。
① 特定の条件が付され当該工事の工程に影響を及ぼすと考えられる場合
→(記載内容例)作業可能日・時間、施工手順等を示す。
② 工事を安全かつ効率的に進めるために、複数の作業範囲に分割する場合
→(記載内容例)作業の着手順序、作業工程、資機材の搬入経路等を示す。