Contract
余力活用に関する契約書(案)
●●●(以下「甲」という)と□□□(以下「乙」という)とは,乙が周波数制御・需給バランス調整・系統運用等を実施する際に,社会コストの低減等を目的として,小売電気事業者,発電事業者,または特定卸供給事業者が電力広域的運営推進機関に提出する当日計画におけるゲートクローズ後の余力の活用,精算等に関する事項について,次のとおり契約(以下「本契約」という)する。
甲は,本契約第8条の規定にもとづき需給調整市場システムに登録された契約電源等について,本契約を締結するものとする。
なお,本契約において「対象発電契約者」とは,甲が本契約において発電リソースの余力を提供する場合に,当該発電リソースが甲以外の第三者の発電量調整供給契約に属する場合の当該第三者をいい,その他の用語の定義は,別途本契約において定義する場合を除き,乙を含む一般送配電事業者が策定するゲートクローズ後の余力の運用,精算等に関して定めた規程(以下「余力の運用規程」という)に準拠するものとする。
(契約の成立)
第1条 本契約は,甲および乙の合意をもって成立するものとし,当該合意がなされた日を契約締結日として本契約書に記載する。なお,xが用いる発電リソースに対象発電契約者がいる場合,甲は,本契約の成立に先立って,対象発電契約者から「余力活用に関する同意書」を取得し,乙に提出するものとする。
(契約の有効期間)
第2条 本契約の有効期間は,20●●年●月●日から20●●年●月●●日までとする。
2 有効期間満了の3ヵ月前までに,甲または乙から異議の申し出がない場合は,同一内容で更に1ヵ年延長するものとし,以降も同様とする。
(余力の提供)
第3条 甲は,ゲートクローズ後の余力の提供に関して,契約電源等について,発電量調整供給兼基本契約書または接続供給兼基本契約書に定める受電地点または供給地点において,余力の運用規程第4条(契約の概要と要件)に定める機能(契約電源等が保有する機能に限る)を提供する。
(契約電源等の対象・設定単位)
第4条 甲は,契約電源等の対象および設定単位に関して,余力の運用規程第7条(契約電源等の対象・設定単位)の定めに従う。
(受電地点および送電上の責任分界点)
第5条 甲乙間の受電地点および送電上の責任分界点は,発電量調整供給兼基本契約書または接続供給兼基本契約書に定める受電地点および供給地点とする。
(財産分界点および管理補修)
第6条 甲乙間の財産分界点は,発電量調整供給兼基本契約書または接続供給兼基本契約書に定めるものとし,この財産分界点より甲側(契約設備側)に設置される財産については甲が,乙側(系統側)に設置される財産については乙がそれぞれ当該設備の管理補修の責任を負うものとする。ただし,財産分界点より甲側に設置される財産の設備所有者が甲ではない場合,または乙側に設置される財産の設備所有者が乙ではない場合,管理補修の責任は当該設備所有者が負うものとする。
(契約電源等において必要な項目の管理)
第7条 契約電源等の名称等余力の提供に必要となる情報については,余力の運用規程第1
2条(需給調整市場システムへのデータ登録)の定めに従い需給調整市場システムに登録のうえ管理するものとする。
2 甲は,余力活用に関する契約に用いる発電リソースに対象発電契約者がいる場合,乙に対し,当該発電リソースの対象発電契約者名および乙が求めるその他の事項について通知するものとする。
なお,対象発電契約者が変更となった場合,xは,乙に遅滞なく当該発電リソースの対象発電契約者名および乙が求めるその他の事項について通知し,本契約第1条なお書きに記載の「余力活用に関する同意書」を合わせて提出するものとする。
(設備要件)
第8条 甲は,契約電源等の設備に関する要件に関して,余力の運用規程第4条(契約の概要と要件)および第7条(契約電源等の対象・設定単位)の定めに従う。
(計量設備の施設)
第9条 甲は,計量設備の施設に関して,余力の運用規程第9条(計量設備の施設)の定めに従う。
(通信設備の施設)
第10条 甲は,通信設備の施設に関して,余力の運用規程第10条(通信設備の施設)の定めに従う。
(需給運用への参加)
第11条 乙は,甲のゲートクローズ前の計画策定に支障を与えないことを前提に,ゲートクローズ後に余力の範囲で上げ・下げ余力の提供を求めることができる。ただし,甲は,乙からの指令が燃料制約や関連法令への抵触等のやむを得ない理由によりゲートクローズ前の計画策定に支障を与えると判断した場合は,ゲートクローズまでに通知することにより余力の提供を断ることができる。
また,甲は,ゲートクローズ以降に故障・トラブル等のやむを得ない理由がある場合,速やかに乙に連絡のうえ,余力の提供を断ることができる。
(運用要件)
第12条 甲は,契約電源等について次の各号の運用要件を満たすものとする。
(1)乙の電力系統において契約電源等に係る制約が生じ契約電源等の出力抑制が必要となった場合は,乙は速やかに甲に制約の内容について連絡するとともに,甲は乙の託送供給等約款(以下「約款」という)にもとづきバランシンググループの計画値を速やかに制約に応じたものに変更するものとし,乙はこれに必要な協力をするものとする。
(2)甲は,リソースに不具合が生じた場合,不具合の内容とそれによる影響を速やかに乙に電話等で連絡するものとする。
(3)甲は,リソースの不具合が解消した場合,速やかに乙に連絡するものとする。
(4)甲は,関係規程類についてその遵守義務を負うものとする。また,本契約を履行するにあたり関係する事業者等においても関係規程類を遵守する旨の同意を取るものとし,乙が提出を求めた場合には速やかに,関係する事業者等との同意を証明する書類を乙に提出するものとする。
(各種計画等の提出)
第13条 甲は,各種計画(余力の運用規程第24条(各種計画の提出)第2項に定める計画をいう。)および余力提供計画に関して,余力の運用規程第24条(各種計画の提出)および第25条(余力提供計画)の定めに従う。
(電力量の計量)
第14条 甲と乙は,電力量の計量に関して,余力の運用規程第36条(電力量の計量)の定めに従う。
(調整電力量の算定)
第15条 甲と乙は,調整電力量の算定に関して,余力の運用規程第37条(調整電力量の算定)の定めに従う。
(料金の算定)
第16条 甲と乙は,料金の算定に関して,余力の運用規程第39条(決済の対象)の定めに従う。
(調整電力量料金および起動費に適用する単価の登録)
第17条 甲は,調整電力量料金および起動費に適用する単価の登録に関して,余力の運用規程第14条(調整電力量料金および起動費に適用する単価の登録)の定めに従う。
(料金の算定期間)
第18条 甲と乙は,料金の算定期間に関して,余力の運用規程第38条(料金の算定期間)の定めに従う。
(料金等の授受)
第19x xと乙は,料金等の授受に関して,余力の運用規程第44条(料金等の授受)の定めに従う。なお,発電リソースが対象発電契約者の発電量調整供給契約に属する場合であっても,本契約にもとづく余力の提供は甲が行い,乙は余力の運用規程に定める料金に関して,甲との間で精算を行う。
(契約の承継)
第20条 甲または乙が,第三者と合併し,またはその事業の全部もしくは本契約に関係のある部分を第三者に譲渡するときは,あらかじめ相手方に書面によりその旨を通知し,相手方の承認を受けたうえで,本契約をその承継者に承継させるものとする。
(秘密保持義務)
第21条 甲と乙は,秘密保持義務に関して,余力の運用規程第45条(秘密保持義務)の定めに従う。なお,本条に定める規定は,本契約終了後も存続するものとする。
(合意による解約)
第22条 甲または乙がやむを得ない事由により本契約の全部または一部の解約を希望する場合で,あらかじめ書面をもって相手方にその旨を申し出て,相手方と誠意をもって協議し合意が得られたときは,本契約の全部または一部を解約することができるものとする。
(契約の解除)
第23条 甲と乙は,契約の解除に関して,余力の運用規程第16条(契約の解除)の定めに従う。
(反社会的勢力の排除)
第24条 甲および乙は,相手方が次の各号のいずれかに該当する場合は,何らの通知または催告を要することなく,ただちに本契約を解除することができるものとし,この場合,本契約を解除された者は損害賠償その他一切の請求をすることができないものとする。
(1)相手方の代表者,責任者,実質的に経営権を支配する者,役員またはその支店もしくは本契約を締結する事務所の代表者が,暴力団,暴力団員,暴力団準構成員,暴力団関係者,総会屋その他これらに準ずる者(以下これらを総称して「反社会的勢力」という)であると認められる場合
(2)反社会的勢力が経営に実質的に関与していると認められる場合
(3)反社会的勢力を利用する等の行為をしたと認められる場合
(4)反社会的勢力に対して資金等を供給し,または便宜を供与する等の関与をして いると認められる場合(乙が電気需給契約にもとづき電気を供給する場合を除く。)
(5)反社会的勢力と社会的に非難されるべき関係を有していると認められる場合
(6)自らまたは第三者を利用して,相手方に対して,次のいずれかの行為を行った
場合
イ 暴力的な要求行為
ロ 法的な責任を超えた要求行為
ハ 取引に関して脅迫的な言動をし,または暴力を用いる行為
ニ 虚偽の風説を流布し,偽計または威力を用いて相手方の信用を棄損し,または業務を妨害する行為
2 甲および乙は,自らが前項各号に該当しないことを確約し,将来も前項各号に該当しないことを確約するものとする。
(解除に伴う賠償)
第25条 本契約第23条または前条にもとづく本契約の解除により,解除の原因となる事由が生じた当事者(本条において「解除原因者」という)の相手方に損害が発生する場合は,解除原因者は,当該相手方に生じた当該損害を賠償しなければならないものとする。
(契約終了時の措置)
第26条 甲および乙は,本契約が期間満了および本契約にもとづく解除等によって終了した場合においても,有効期間内に成立した余力の提供にもとづく権利義務その他未履行の債権債務等がある場合には,余力の運用規程および本契約の各条項に従うものとする。
(損害賠償)
第27条 甲または乙が,本契約に伴い,相手方または第三者に対し,自らの責に帰すべき事由により損害を与えた場合,甲または乙はその賠償の責を負うものとする。なお,本契約にもとづく余力の提供に関連し,甲または対象発電契約者に損害が生じた場合,乙の責めに帰すべき事由によるものを除き,乙は賠償の責めを負わないものとする。
2 甲と対象発電契約者間の契約その他一切の事項について,甲および対象発電契約者間で紛争が生じた場合,甲は,対象発電契約者との間で,自らの責任と負担によりこれを解決するものとする。
(事業税相当額および収入割相当額)
第28条 甲と乙は,事業税相当額および収入割相当額に関して,余力の運用規程第41条
(事業税相当額および収入割相当額)の定めに従う。
(消費税等相当額)
第29条 甲と乙は,消費税等相当額に関して,余力の運用規程第42条(消費税等相当額)の定めに従う。
(単位および端数処理)
第30条 甲と乙は,単位および端数処理に関して,余力の運用規程第43条(単位および端数処理)の定めに従う。
(運用細目)
第31条 本契約の運用上必要な細目については,関係規程類を遵守するものとする。
(合意管轄および準拠法)
第32条 本契約に関する一切の紛争については,○○地方裁判所を第xxの専属的合意管轄裁判所とする。
2 本契約は,全て日本法に従って解釈され,法律上の効力が与えられるものとする。
(協議事項)
第33条 本契約に定めのない事項については,余力の運用規程を遵守するものとする。
2 前項により難い特別な事項については,その都度甲乙誠意をもって協議のうえ定めるものとする。
以上,契約締結の証として,本書2通を作成し,記名押印のうえ甲,乙それぞれ1通を保有する。
年 月 日
甲 | ○○県○○市○○ ○○株式会社 代表取締役社長 | ○○ | ○○ |
乙 | ○○県○○市○○ ○○株式会社 | ||
○○ | ○○ |