Contract
消防本部電気工作物保安管理業務仕様書
1 目的
本仕様書は,設置者が設置した電気設備(以下,「設備」という。)の自家用電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安を確保するための保安管理業務に関する外部委託について必要な事項を定め,もって契約の適正な履行の確保を図るものである。
2 保安管理業務の対象
保安管理業務の対象は,次に掲げる電気工作物とする。
(1) 事業場の名称 xx市消防本部
(2) 事業場の所在地 xxxxxxxx 00 x0x
(3) 電気設備の概要
ア 需要設備容量 | 受電設備容量 | 450kVA |
受電電圧 | 6,600V | |
イ 非常用予備発電装置 | 定格容量 | 250kVA |
定格電圧 | 220V | |
周波数 | 60Hz | |
出力 | 200kw |
3 用語の定義
仕様書に使用する用語の定義は,次の各号に定めるところによる。
(1) 「発注者」とは,設置者をいう。
(2) 「受注者」とは,業務の実施に関し,発注者と委託契約を締結した電気管理技術者(以下,「個人事業者」という。)もしくは,電気保安法人(以下,「法人」という。)をいう。
(3) 「電気管理技術者」とは,個人事業者であって保安管理業務を担当する者をいう。
(4) 「保安業務従事者」とは,電気保安法人の委託契約の承認申請に係る事業場(以下,
「申請事業場」という。)の保安管理業務に従事する者をいう。
(5) 「保安業務担当者」とは,保安業務従事者であって申請事業場を担当する者をいう。
(6) 「契約書」とは,自家用電気工作物の保安管理業務に関する委託契約書をいう。
4 受注者の条件
(1) 受注者は保安管理業務において契約している換算係数(経済産業省告示 249 号第3条による)と契約対象電気工作物の換算係数の総和が 33 未満であること。
(2) 受注者は,既に中国四国産業保安監督部の保安管理業務外部委託承認を受けており,実務経験5年以上の電気xx技術者免状保有者を確保し,非常災害時にも保安管理業務を適確に遂行できる体制を構築していること。
5 提供する役務の品質保証
(1) 個人事業者における品質保証
受注者は電気事業法施行規則第 52 条の二第1号に規定する要件を満足し,かつ保安管理業務のみを専従とする電気管理技術者であること。
(2) 電気保安法人における品質保証
ア 受注者は,点検,試験,事故処理,相談等の提供する役務について,電気事業法施行規則第 52 条の二第2号ニに規定されるマネジメントシステムを構築し,レビューを実施していること。
イ 受注者は,電気事業法施行規則第 52 条の2第2号イに規定する要件を満足する資格を有し,かつ電気保安法人の従業員を保安業務担当者とすること。
ウ 保安業務担当者と保安業務従事者は指揮命令関係にあって,点検・報告等の業務分担が明確となっている体制であること。
(3) 本人確認
発注者は,受注者の電気管理技術者または保安業務従事者等と面接等を行い,保安管理業務を行う者が本人であることを確認すること。
(4) 連絡責任者
発注者は,電気工作物の工事,維持及び運用に関する保安のため,必要な事項を受注者と連絡・協議する連絡責任者を選任すること。
(5) 巡視点検者
発注者は,保安規程に則り,巡視点検者を決め,電気設備を巡回しつつ目視,異常音等により異常の有無を確認させ,その結果を巡視記録簿に記録し,受注者に報告する。
(6) 損害賠償の能力
受注者は,この契約の実施にあたって,故意又は過失による発注者又は第三者に与える恐れがある損害(発注者又は第三者の感電,点検に伴う機器の損傷,停電による業務の障害等)に対して十分な賠償能力を有すること。
(7) 事業への専念
受注者は電気保安管理業務に専念し,他に職業を有しないこと。それに関する宣誓書を提出すること。
(8) 個人情報管理体制
受注者は個人情報に関する管理規程を有し,研修・監査を実施していること。
6 業務の内容等
(1) 保安管理業務内容
受注者は,発注者の保安規程に基づいて自ら保安管理業務を実施するものとし,その具体的実施基準は,別紙 1 「点検,測定及び試験の基準」によるものとする。(経済産業省告示第 249 号及びxx技術者制度の解釈及び運用(内規)(20130107 商局第2号 H25.1.28)に適合すること。)
ただし,別紙2に掲げる電気工作物については,受注者の監督の下で点検が行われ,かつ,その記録が受注者により確認されている場合にあっては,受注者自らが行う点検
から除外することができるものとする。
また,電気管理技術者等は,変圧器,電力用コンデンサー,計器用変成器,リアクトル,放電コイル,電圧調整器,整流器,開閉器,遮断機,中性点抵抗器,避雷器及びO Fケーブルが,「ポリ塩化ビフェニルを含有する絶縁油を使用する電気工作物等の使用及び廃止の状況の把握並びに適正な管理に関する標準実施要領(内規)」に掲げる高濃度ポリ塩化ビフェニル含有電気工作物に該当するかどうかを確認すること。
(2) 実施者の確認
受注者は,点検等を行う際(但し緊急時を除く。)には,委託契約書に明記されている電気管理技術者または保安業務担当者等であることを示す身分証明書により,本人であることを発注者に明らかにすること。
(3) 再委託の禁止
受注者は,契約した業務の全部又は一部を他の者に再委託してはならない。ただし,受注者が個人事業者であって本人の急病等で真にやむ得ない理由があり,かつ発注者が承認した場合はこの限りでない。
(4) 緊急時の協力体制
受注者は,電気事故等,緊急時における連絡・応動体制等について明確にし,電気管理技術者または保安業務担当者等の応急措置等の対応が1時間以内にできること。
なお,非常災害時には緊急応動体制を講じるものとし,緊急時における対応に関する規程等を整備し備えていること。
また,その体制を確実に履行できるものとして,電話受付業務及び故障出動業務等の営業時間外の就業に係わる就業規則及び当直・当番制度に関わる諸規定を整備し労働基準監督署等に届ける等,適切な業務履行が担保されていること。
なお,受注者は電話及び故障出動者(電気管理技術者または保安業務担当者等に限る)の日割当番表を毎月提出すること。
(5) 絶縁監視装置
発注者の需要設備に絶縁監視装置を設置する場合は,次の各号によるものとする。 ア 絶縁監視装置は受注者が設置するものとし,設置工事に要する費用及び保守費用は
受注者が負担する。
イ 発注者は,受注者 が絶縁監視装置を設置する場所の提供,電話回線など既存の施設の利用について便宜供するものとし,受注者の絶縁監視装置を無断で移設,取外し,修理等を行わないものとする。
ウ 絶縁監視装置の情報を発注者の加入電話回線を利用して自動的に受注者の事業所に通報する場合,又は発注者が受注者に電話連絡する場合の電話料は,発注者 が負担するものとする。
エ 発注者の電気工作物の変更等により絶縁監視装置が設置要件に適合しなくなった場合,及び電気工作物の未改修により絶縁不良が継続する等絶縁監視装置による監視が不能となった場合,並びに本契約が消滅した場合は,絶縁監視装置を受注者 が撤去するものとする。なお,その場合発注者は,必要な停電等に関して協力するものとする。
オ 受注者は,絶縁監視装置の設定値の確認及び試験釦による検知動作並びに発注者からの警報を受注者に自動伝送する場合の伝送試験を月次点検時に行い,設定値における誤差試験を年次点検時に行うものとする。
カ 受注者は,絶縁監視装置の警報動作電流(設定の上限値は 50 ミリアンペアとする。)以上の漏えい電流が発生している旨の警報を連続して5分以上受信した場合,又は5分未満の漏えい警報を繰り返し受信した場合には,発注者に連絡し,受注者は電気工作物の異常の有無を確認するとともに警報発生の原因を調査し,適切な処置を行うものとする。
キ 受注者 は,絶縁監視装置の警報の受信記録を3年間保存するものとする。低圧電路の絶縁(漏電)を監視するために絶縁監視装置(50 ミリアンペア以上の漏電電流で感知し発報するもの)を受注者の責任において設置し,これを維持管理すること。
なお,絶縁監視装置の種類は,広範囲施設によるxx容量過大により Io 型により難い場合は,Igr 型又は Ior 型とすること。機種については施設ごとに指定する。
受注者は,この装置により契約開始日より絶縁状態(漏電)を常時監視(通年をとおした適切な受信状況を維持する為,受信装置は固定局とし移動用受信装置としないこと)し,電路の絶縁が不良(漏電が発生)となったことを感知した場合には,発注者に通知するとともに応急措置をとるものとする。
また,設備の増設,変更により未監視区域が生じた場合,受注者の責任において速やかに監視区域の整備に着手するものとし,その終了までに至る期間は法令の定める巡視頻度による管理体制を実施すること。なお,絶縁監視装置は定期的に性能試験を実施し,その結果を発注者に年1回報告する。
7 安全管理
(1) 安全の確保
業務の実施にあたっては,労働安全衛生規則,電気事業法等の関連怯規を遵守し安全の確保に努めなければならない。
(2) 単独作業の禁止・技術員の配置
高圧回路の停電,送電操作を伴う作業,高圧近接作業,又は高所作業を行う場合は,安全確保のため複数による作業を行い,監視者をおいてチェックリストによる安全確認を実施すること。
(3) 保護具,防護具の使用
受注者は,高圧近接作業を行う場合は適正な絶縁用防護具,絶縁用保護具を使用すること。(労働安全衛生規則第 342,343 条)
また,必要な適正な防護具,保護具を常備し使用すること。
受注者は,防護具,保護具を定期的に(6ケ月に1回以上)耐圧試験を実施し,その絶縁性能が維持されていることを確認すること。(労働安全衛生規則第 351 条)また,その記録は発注者の求めがあったとき,直ちに開示しなければならない。
(4) 労働災害総合保険等への加入
受注者は,予想される高電圧,高所作業等における労働災害事故に備えて労働者災害
補償保険に加入していること。
8 機械器具の管理
(1) 機械器具の保有
受注者は,業務に使用するために電気事業法施行規則第 52 条の2第1号ハ,第2号
ロ,経済産業省告示 249 号第2条に規定された機械器具を保有しなければならない。
経済産業省告示 249 号第 2 条
電気事業怯施行規則第 52 条の 2 第 1 号ハ,第 2 号ロの機械器具は,次の各号に掲げるものとする。
ただし,保安管理業務を実施する事業場の設置者が,これらの機械器具を当該事業場に備え付けてある場合にあっては,当該機械器具を,委託契約の相手方がxx電池発電所,燃料電池発電所,需要設備又は配電線路を管理する事業場の保安管理業務のみを実施する場合にあっては,第七号から第九号までに掲げる機械器具を委託契約の相手方又は当該事業場の設置者が必要な場合に使用し得る措置を講じている場合にあっては,第十号及び第十一号に掲げる機械器具をそれぞれ除くものとする。
一 絶縁抵抗計,二 電流計,三 電圧計,四 低圧検電器,五 高圧検電器,六地抵抗計,七 騒音計,八 振動計,九 回転計,十 継電器試験装置,十一 絶縁耐力試験装置
(2) 測定器の校正・誤差試験
受注者 が業務に使用する次の測定機器(継電器試験機,耐圧試験機に組み込まれた交流電圧計,電流計も含む。)は国家基準を満足した方法で校正・誤差試験を実施すること。
1 )交流電圧計 2 )交流電流計 3 )絶縁抵抗計 4 )接地抵抗計
(3) 校正・誤差試験結果の記録等
前項の測定機器の校正・誤差試験の周期は1年以内とし,受注者はその試験結果の 記録を台帳管理するとともに,発注者 の求めがあったときは直ちに開示しなければならない。合格品には校正試験合格シールを貼付し,その中に実施日を明示しなければならない。
9 保安教育
発注者の従業員に対して行う電気工作物の保安に関する必要な事項について,講習会および訓練の開催の要請を発注者から受けた場合受注者は講習会等を開催すること。
10 報告事項等
(1) 業務着手届
受注者は,契約締結後直ちに業務着手届を提出しなければならない。
(2) 事前承諾書類
受注者は,あらかじめ発注者に対し,次の書類を提出してその承諾を得なければなら
ない。(変更があった場合も同様とする。)
ア 保安業務担当者の氏名及び5項の資格等を証する書類の写し
イ 電気保安管理業務契約状況調書(換算値 33 未満を証明する文書)ウ 到達時間確認書(地図,距離,交通機関等を明記したもの)
エ 緊急時協力体制,当直・当番担当者日割表(現在使用しているもの)オ 保安管理業務以外の職務を兼務しない旨の宣誓書
カ 所有機械器具一覧表(校正・誤差試験記録含む)
キ 所有機械保護具・防護具一覧表(耐圧試験記録含む) ク 損害賠償保険に加入している場合は,その保険証の写しケ 労働災害総合保険証等の保険証の写し
コ マネージメントに係わる書類
マネジメントシステム文章(社内規約等) (ア) 指揮命令体制及び業務分担表
(イ) 保安業務従事者が法人の従業員である証明書(健康保険証等)サ 停電作業実施票・チェックリスト(現在使用しているもの)
シ 絶縁監視装置定期性能試験書(現在使用しているもの) ス 個人情報保護管理規定ならびに研修・監査に関する報告書
(3) 委託業務実施計画書
受注者は,委託業務実施計画書(保安規程及び委託契約書に基づく点検等に関する年間実施計画書)を契約締結後速やかに発注者に提出して,承認を受けなければならない。
(4) 委託業務実施報告書及び絶縁監視装置監視記録書
受注者は,委託業務実施報告書(点検等報告書及び絶縁監視装置監視記録書)を, 点検等実施後速やかに発注者に提出して,履行確認のために検査を受けるものとする。また,求められた場合は各事業所の点検報告書を集約のうえ不良箇所一覧表を添付
し,関係箇所に毎月提出すること。
発注者は,その実施者及び点検等に係る記録(委託業務実施報告書)を保存すること。
(5) 改善措置
受注者により改善の指導・意見があった場合,発注者 は受注者と協議のうえ,速やかに改善措置を行うこと。
(6) 業務実施者の確認等
本業務を実施する者の確認等は次のとおりとする。
ア 本契約に際して,発注者は受注者と面接を行い,本人であることを確認するものとする。
イ 発注者及び施設の職員は,対象施設において点検等を行う者が,本契約書に明記された受注者であることの確認するものとする。
ウ 受注者は,施設において点検等を行う際には,身分を示す証明書により本人であることを発注者及び職員に対して明らかにするものとする。
エ 受注者は,施設における点検が終了したときには,その結果を発注者に報告するものとし,発注者は,その記録を確認し,保存するものとする。
11 相互の義務
(1) 発注者は,受注者が行う本業務の実施にあたり受注者が指示した事項または,受注者と協議決定した事項については,速やかに必要な措置をとり,また受注者の助言もしくは指導があった事項については,その意見を尊重するものとする。
(2) 受注者は,本業務の実施にあたり発注者と協議決定した事項については,誠意をもって履行するものとする。
12 通知義務
電気事故その他異常が発生したとき,または発生するおそれがあるときは,発注者は直ちに受注者に通報するものとし,また次に掲げる場合も,発注者は,速やかにこれを受注者に通知するものとする。
(1) 第2項の事項を変更するとき。
(2) 契約に基づく権利義務の承継が行われるとき。
(3) 設置者の名称もしくは代表者に変更があったとき。
(4) 電気の保安に関する組織を変更するとき。
(5) 連絡責任者を指名し,または変更したとき。
(6) 所管官庁が電気関係法令に基づいて検査または審査を行うとき。
(7) 電気工作物に関して所管官庁または電力会社から通知があったとき。
13 費用の負担等
業務を行うために要する費用のうち次のもの以外は全て受注者の負担とする。
(1) 電気料及び水道料
(2) 小修繕において必要となる費用
14 その他
(1) 中国四国産業保安監督部への申請・届出
見積又は入札の結果,受注者との契約が締結された場合は,契約期間の開始の日から速やかに受注者の責任において手続き書類を作成し,中国四国産業保安監督部宛に保安管理業務外部委託承認申請書ならびに保安規程届出書を提出するものとする。(電気事業法第 42 条第1項及び第2項,電気事業法施行規則第 52 条第2項)
(2) 契約解除
前項の申請が承認を得られなかった場合,又は取り消しになった場合において,発注者はこの契約を一方的に解除できるものとする。
以上
(別紙 1 )
点検,測定及び試験の基準
1 自家用電気工作物の経済産業省令で定める技術的基準への適合状況を確認するために行う保安管理業務のうち定例的な業務(以下,「定例業務」という。)は,「監視」,「月次点検」,「年次点検」,「精密点検」,「臨時点検」及び「設置,改造等の工事期間中(以下単に「工事期間中]という。)の点検」とし,次に示すものとする。これらの結果から,技術基準への不適合又は不適合のおそれがあると判断した場
合は,修理,改造等を設置者に指示又は助言する。
(1) 監視
絶縁監視装置等により低圧電線路及び使用場所の設備の絶縁状態を的確に監視する。
(2) 月次点検 ア 点検頻度
月次点検は, 1 回以上/2月とする。
イ 点検方法は外観点検を原則とし,次の(ア)の項目について,(イ)の設備等を対象として通電状態または使用状態で点検を行う。
(ア)点検項目
(a) 電気工作物の異音,異臭,損傷,汚損等の有無 (b)電線と他物との離隔距離の適否
(c) 機械器具,配線の取付け状態及び過熱の有無 (d)接地線等の保安装置の取付け状態
(イ)対象設備等
(a) 引込設備(区分開閉器,引込線,支持物,ケーブル等)
(b)受電設備(断路器,電力用ヒューズ,遮断器,高圧負荷開閉器,変圧器.コンデンサ及びリアクトル,避雷器.計器用変成器,母線等)
(c) 受・配電盤
(d)接地工事(接地線,保護xx)
(e) 構造物(受電室建物,キュービクル式受・変電設備の金属製外箱等)・配電設備
(f) 発電設備(原動機,発電機,始動装置等) (g)蓄電池設備
(h) 負荷設備(配線,配線器具,低圧機器等)
ウ 次の(ア) 及び(イ)に掲げる項目の確認のため,当該各項目に定める測定を行う。
(ア)電圧値の適否及び過負荷等電圧,負荷電流測定
(イ)低圧回路の絶縁状態
B種接地工事の接地線に流れる漏えい電流測定
エ 過熱の点検については,計測器を使用する。ただし,計測器により難い場合は,サーモラベルによる点検とすることが出来る。
サーモラベルを使用した時に変色を確認した場合は,年次点検時に貼り替える。
オ 清掃は低圧側とし,簡易清掃とする。
カ この月次点検のほか,発注者が行った日常巡視等において異常等がなかった否かの問診を行い,異常があった場合には,電気管理技術者又は保安業務担当者としての観点から点検を行う。
(3) 年次点検・精密点検ア 点検頻度
(ア) 年次点検は 1 回以上/年とし,月次点検回数内の 1 回で行う。
(イ) 精密点検は,3 年に 1 回を目安とし,電気管理技術者又は保安業務担当者の指示又は助言により発注者が必要と判断した年次の年次点検時に行う。
イ 年次点検及び精密点検は,原則として停電した状態で行う。
年次点検及び精密点検は月次点検を含み,触手点検,内部点検,清掃,測定,試験等を行う。
ウ 内部点検
遮断器・開閉器等では,損傷,変色,亀裂,変形,腐食,ゆるみ,外れ,固定子と可動子の接触状態等を確認する。
エ 清掃は変電室内の高圧電気工作物および周辺部を行う。
オ ハンドホール内の水抜きを行う。ただし,湧き水がある場合は,施設担当者と協議の上対策を講じる。
カ 測定,試験による確認項目
(ア) 低圧電路の絶縁抵抗が技術基準に規定された値以上であること並びに高圧電路がxx及び他の電路と絶縁されていること。
(イ) 接地抵抗値が技術基準に規定された値以下であること。
(ウ) 保護継電器の動作特性試験及び保護継電器と遮断器の連動動作試験の結果が正常であること。
(エ) 非常用予備発電装置が商用電源停電時に自動的に起動し,送電後停止すること並びに非常用予備発電装置の発電電圧及び発電電圧周波数(回転数)が正常であること。
(オ) 蓄電池設備のセルの電圧,電解液の比重,温度等が正常であること。
(4) 臨時点検 ア 点検頻度
(ア) 次項イに該当する場合
(イ) 受託先施設の運営上から必要とされた場合 (ウ) その他法令上必要が生じた場合
イ 次に揚げる電気工作物については,異常状態の点検,絶縁抵抗測定を行い,
必要に応じて高圧の電路及び機器の絶縁耐力試験を行う。
(ア) 高圧器材が破損し,受変電設備の大部分に影響を及ぼしたと思われる事故が発生した場合は,受変電設備の全ての電気工作物
(イ) 受変電遮断器(電力ヒューズを含む。)が遮断動作した場合は,遮断動作の原因となった電気工作物
(ウ) その他の電気器材に異常が発生した電気工作物および事故発生の恐れがある電気工作物
(5) 工事期間中の点検
工事期間中は,上記(2)イに定める外観点検を行い,自家用電気工作物の施工状況及び技術基準への適合状況の確認を行う。
2 工事期間中の点検は,毎週 1 回以上とし,指示又は助言を行うこと。ただし,定例業務としては1ヶ月のうち初回のみとする。
3 事故・故障発生時に,次の(1) から(4)までに掲げる処置を行う。
(1) 事故・故障の発生や発生するおそれの連絡を設置者又はその従業者から受けた場合は,電気管理技術者又は保安業務担当者が現状の確認,送電停止,電気工作物の切り離し等に関する指示を行う。
(2) 電気管理技術者又は保安業務担当者が,事故・故障の状況に応じて,臨時点検を行う。
(3) 事故・故障の原因が判明した場合は,電気管理技術者又は保安業務担当者が,同様の事故・故障を再発させないための対策について,設置者に指示又は助言を行う。
(4) 電気関係報告規則に基づく事故報告を行う必要がある場合は,電気管理技術者又は保安業務担当者が,設置者に対し,事故報告するよう指示を行う。
4 電気事業法第 107 条で定められた立ち入り検査の立会を行う。
5 上記1から4以外の業務(以下,定例外業務という。)については,別途とし,その都度行う。
(1) 2でいう工事中の点検で 1 ヶ月のうち 2 回目以降の点検は定例外業務とし指示又は助言を行う。
(2) 電気工作物の設置又は改造等の工事について,竣工検査を行い指示又は助言を行う。
(別紙2)
点検または試験の一部を除外する対象電気設備及び機器
対 象 電 気 設 備 及 び 機 器 |
1 建築基準法( 第12 条第3 項 ),消防法( 第17 条の3 の3 ),労働安全衛生法 ( 第45 条第2 項 )により,点検の実施に特定の資格を要する機器 |
2 機器の精度等の観点から専門の知識及び技術を有する者による調整を必要とする機器( 医療機器,オートメーション化された工作物機械等 ) |
3 内部点検のための分解,組立に特殊な技術を要する機器 ( 密閉防爆機器等 ) |
4 立入に危険を伴う場所に設置される機器 (酸素欠乏危険場所,有毒ガス発生場所,高所での危険作業を伴う場所,放射線管理区域等) |
5 情報管理のため立入が制限されている場所に設置される機器 (機密文書保管室,研究室,金庫室,電算xx) |
6 衛生管理のための立入が制限されている場所に設置される機器 (手術室,無菌室,新生児室,クリーンルーム等) |
7 機密管理のための立入が制限されている場所に設置される機器 (独房xx) |
8 立入に専門家による特殊な作業を要する場所に設置される機器 |
9 事業用外で使用されている可搬型機器である自家用電気工作物 |
10 発電設備のうち,電気設備以外である自家用電気工作物 |